(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
表示領域の一部または全部を、後方に位置する部材を視認することが可能な透過部、および当該透過部よりも後方に位置する部材の視認性に劣る画像表示部とすることが可能な透過型表示装置と、
前記表示領域に重ならない露出部および前記表示領域の後方で少なくとも一部が重なる重畳部を有し、当該露出部および重畳部が動かないように固定されたものであって、前記表示領域における前記重畳部に重なる重畳領域が前記透過部とされることで、前記露出部と前記重畳部により一体的な基本装飾形態が構築される装飾ユニットと、
を備えることを特徴とする遊技機。
前記重畳領域が前記画像表示部とされることで、当該画像表示部が表す重畳画像と前記露出部とにより一体的な特別装飾形態が構築されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の遊技機。
【発明を実施するための形態】
【0008】
1)遊技機の基本構成
以下、本発明にかかる遊技機1(ぱちんこ遊技機)の一実施形態について図面を参照して詳細に説明する。まず、
図1を参照して遊技機1の全体構成について簡単に説明する。
【0009】
遊技機1は遊技盤90を備える。遊技盤90は、ほぼ正方形の合板により成形されており、発射装置908(発射ハンドル)の操作によって発射された遊技球を遊技領域902に案内する通路を構成するガイドレール903が略円弧形状となるように設けられている。
【0010】
遊技領域902には、始動領域904、大入賞口906、アウト口などが設けられている。また、遊技領域902には、流下する遊技球が衝突することにより遊技球の流下態様に変化を与える障害物としての遊技釘が複数設けられている。遊技領域902を流下する遊技球は、遊技釘に衝突したときの条件に応じて様々な態様に変化する。
【0011】
このような遊技機1では、発射装置908を操作することにより遊技領域902に向けて遊技球を発射する。遊技領域902を流下する遊技球が、始動領域904や大入賞口906等の入賞口に入賞すると、所定の数の賞球が払出装置により払い出される。
【0012】
なお、遊技機1の枠体、遊技球を貯留する下皿や上皿など、本発明に関係のない遊技機1の構成要素は説明を省略する。これらについては公知の遊技機と同様の構造のものが適用できる。
【0013】
大当たりの抽選は、図示されない制御基板に設けられた当否判定手段が始動領域904への遊技球の入賞を契機として実行する。本実施形態では、始動領域904として、第一始動領域904a(いわゆる「特
図1」の始動領域)と第二始動領域904b(いわゆる「特
図2」の始動領域)が設けられている。始動領域904への遊技球の入賞を契機として乱数源から数値(当否判定情報)が取得され、当該数値が予め定められた大当たりの数値と同じである場合には大当たりとなり、異なる場合にははずれとなる。本実施形態では、当該数値が取得された順に当否判定結果の報知が開始される(いわゆる変動が開始される)こととなるが、未だ当否判定結果の報知が完了していない当否判定情報が存在する場合には、新たに取得された当否判定情報は保留情報として図示されない制御基板に設けられた記憶手段に記憶される。記憶手段に保留情報が記憶されていることは、保留図柄70として表示される。なお、本実施形態では、詳細を後述する第一表示装置11(第一表示領域111)および第二表示装置12(第二表示領域121)の少なくともいずれかに保留図柄70が表示される。
【0014】
本実施形態では、保留図柄70として、当否判定結果を報知する変動中演出(識別図柄80(識別図柄群80g)の変動開始から、当否判定結果を示す組み合わせで完全に停止するまでの演出、いわゆる一変動中分の演出をいう)は開始されているものの、当否判定結果の報知は完了していない情報(以下、変動中保留情報と称することもある)に対応する変動中保留図柄71(いわゆる「当該変動保留」の存在を示す図柄)と、当否判定結果を報知する報知演出が開始されていない情報(以下、変動前保留情報と称することもある)に対応する変動前保留図柄72が表示される(
図2参照)。本実施形態では、変動中保留図柄71と変動前保留図柄72の基本的な形態は同じであり、両者を区別するために変動中保留図柄71の方が変動前保留図柄72よりも大きく表示される。変動中保留図柄71と変動前保留図柄72の基本的な形態が全く異なるものとしてもよい。
【0015】
変動前保留情報の最大の記憶数は上限が決められている。本実施形態では、第一始動領域904aに入賞することによって得られる第一変動前保留情報(特
図1保留)の最大の記憶数は四つであり、第二始動領域904bに入賞することによって得られる第二変動前保留情報(特
図2保留)の最大の記憶数は四つである。したがって、特
図1および特
図2の一方に相当する保留図柄70に関していえば、一つの変動中保留図柄71と、最大四つの変動前保留図柄72が表示されることがある(
図2参照)。
【0016】
本実施形態では、公知の遊技機と同様に、表示装置に表示される識別図柄80(
図2参照)の組み合わせによって当否判定結果を遊技者に報知する。具体的には、複数種の識別図柄80を含む識別図柄群80g(左識別図柄群80gL、中識別図柄群80gC、右識別図柄群80gR)が変動を開始し、最終的に各識別図柄群80gから一の識別図柄80が選択されて停止する。大当たりに当選している場合には各識別図柄群80gから選択されて停止した識別図柄80の組み合わせは所定の組み合わせ(例えば、同じ識別図柄80の三つ揃い)となる。はずれである場合にはそれ以外(大当たりとなる組み合わせ以外)の組み合わせとなる。識別図柄80は、数字とキャラクタ等が組み合わされたものとしてもよい。なお、本実施形態では、詳細を後述する第一表示装置11(第一表示領域111)および第二表示装置12(第二表示領域121)の少なくともいずれかに識別図柄80が表示される。
【0017】
なお、
図2以外の一部の図面においては、保留図柄70や識別図柄80の図示を省略する。
【0018】
本実施形態では、遊技状態として、通常遊技状態と特別遊技状態が設定されている。特別遊技状態は、通常遊技状態に比して遊技者に有利な遊技状態である。通常遊技状態は、大当たりに当選する確率が低い低確率遊技状態であり、かつ、始動領域904に遊技球が入賞しにくい低ベース状態(低確率・時短無)である。特別遊技状態としては、第一特別遊技状態と第二特別遊技状態が設定されている。第一特別遊技状態は、大当たりに当選する確率が高い高確率遊技状態であり、かつ、始動領域904に遊技球が入賞しやすい高ベース状態(高確率・時短有)である。第二特別遊技状態は、大当たりに当選する確率が低い低確率遊技状態であり、かつ、始動領域904に遊技球が入賞しやすい高ベース状態(低確率・時短有)である。通常遊技状態においては、遊技者は、第一始動領域904aを狙って遊技球を発射させる。本実施形態では、いわゆる「左打ち」を行う。特別遊技状態は、第二始動領域904bを狙って遊技球を発射させる。本実施形態では、いわゆる「右打ち」を行う。特別遊技状態は、普通始動領域905に遊技球が進入することを契機とした第二始動領域904bの開放抽選に当選しやすい状態であるため、比較的容易に第二始動領域904bに遊技球が入賞する。なお、遊技状態の移行に関する設定はどのようなものであってもよいから説明を省略する。また、上記のような遊技状態が設定されていることはあくまで一例である。
【0019】
2)表示装置
本実施形態にかかる遊技機1は、第一表示装置11および第二表示装置12を備える(
図1、
図3(a)参照)。以下の説明において、第一表示装置11における画像が表示可能な領域を第一表示領域111と、第二表示装置12における画像が表示可能な表示領域を第二表示領域121と称する。各表示領域は、遊技機1に正対する遊技者が視認可能な範囲をいうものとする。なお、以下の説明において、特に明示することなく、単に画像というときは、動画および静止画の両方が含まれるものとする。
【0020】
第一表示装置11は、第二表示装置12よりも演出に用いられる頻度が多い「メインの表示装置」である。本実施形態では、液晶表示装置を第一表示装置11としている。後述するように、第二表示装置12(第二表示領域121)は透過機能を発現する透過型表示装置であるが、第一表示装置11(第一表示領域111)はこのような透過機能を発現するものではない(ただし、第一表示装置11を透過型表示装置とすることを否定するわけではない)。
【0021】
第二表示装置12は、透過型表示装置である。本実施形態では、公知の透過型液晶表示装置を用いている。透過型有機EL表示装置、透過型無機EL表示装置等、他の透過型の表示装置を第二表示装置12として適用することが考えられるが、一または複数の決まった態様の画像のみを表示することが可能なもの(イルミネーションパネル等の表示することが可能な画像が有限であるもの)ではなく、表示領域を構成する一つ一つの画素に表示される画像の態様が制御可能であるがゆえ、あらゆる画像を表示することが可能なもの(表現可能な画像の態様が無限であるもの)である。
【0022】
第二表示装置12は、第一表示装置11の手前に配置される(
図3(a−1)参照)。つまり、第一表示領域111と第二表示領域121の一部または全部は前後方向において重なる。本実施形態では、第一表示領域111よりも第二表示領域121の方が大きく、第一表示領域111の全体が、第二表示領域121に重なるように両表示装置が配置されている(
図3(a−2)参照)。本実施形態では、第二表示領域121の一部は、無色透明な材料で形成された遊技盤90(遊技盤90の本体部分を構成するプレート)の後方で重なるように位置する(
図1参照)。つまり、第二表示領域121の一部(第二表示領域121に表示される画像)は、遊技盤90を通じて視認される。なお、
図1以外の図面においては、遊技盤90を図示しない。
【0023】
第一表示領域111と第二表示領域121とは、前後にずれて位置することになる(
図3(a−1)参照)。したがって、画像に対する遊技者の視線の方向によっては、第二表示領域121に表示された画像の方が、第一表示領域111に表示された画像(後述する透過部Mや半透過部N1を通じて見える画像)よりも手前に位置するように見える(第二表示領域121に表示された画像が浮かび上がって見える)。第一表示領域111と第二表示領域121の両方に視認可能な画像が表示されることで、奥行き感が表現されるともいえる。ただし、画像に対して完全に正対すれば(視線が画像に対して直交するとすれば)、両表示領域に表示される画像は一体的に表示されているようにも見える(
図3(a−2)参照)。
【0024】
第二表示装置12は、第二表示領域121の一部または全部を、後方に位置する部材(第一表示領域111に表示される画像を含む。以下同じ)を視認することが可能な透過部M(透過領域)とすることが可能である(
図3(b−2)参照)。本実施形態では、透過部Mは、遊技者視点で無色透明に見えるような部分とされる(制御上、画像(色)が表示される領域であったとしても、遊技者にほとんど無色透明に見えるような部分は透過部Mであるとする)。したがって、透過部Mの後方に位置する(前後方向において透過部Mに重なる)部材等は、ほとんどそのままの態様で遊技者に視認されることになる(
図3(b−3)のA1領域参照)。
【0025】
また、第二表示装置12は、第二表示領域121の一部または全部を、透過部Mよりも後方に位置する部材を視認することが可能な画像表示部Nとすることが可能である(
図3(b−2)参照)。第二表示領域121において透過部Mと画像表示部Nが混在する状態とすることも可能である。画像表示部Nは、遊技者視点で何らかの画像が表示されているように見える部分である。当該画像が表示されているがゆえ、透過部Mよりも後方に位置する(前後方向において画像表示部Nに重なる)部材の視認性に劣るということになる。
【0026】
また、画像表示部Nは、半透過部N1および不透過部N2に区分けされるものとする。半透過部N1と不透過部N2が混在する画像表示部Nとすることも可能である。半透過部N1は、表示される画像を通じて後方に位置する部材を視認することも可能であるが、透過部Mよりは視認性に劣る部分である。遊技者視点で言えば、有色透明(有色半透明)に見える部分である。つまり、半透明の画像が介される分、上記透過部Mよりも視認性に劣る部分である(
図3(b−3)のA2領域参照)。半透過部N1に表示される画像の白の要素が強くなる(明るくなる)ほど、半透過部N1の透過率は高くなる傾向にある。
【0027】
不透過部N2は、上記半透過部N1よりも後方に位置する部材の視認性に劣る部分であって、表示される画像を通じて後方に位置する部材を視認することが極めて困難または不可能な部分である(全く透過していない(完全に不透過である)わけではないが、凝視する等しなければ後方が見えないような態様、すなわち実質的に透過していないような態様を含む)。遊技者視点で言えば、不透過部N2が表す画像だけが見え、その後方に存在するものは当該画像によって被覆されて見えなくなるような部分である(
図3(b−3)のA3領域参照)。本実施形態では、第一表示領域111の全体が、第二表示領域121に重なるように設定されているため、仮に、第二表示領域121の全体を不透過部N2とした場合には、第一表示領域111(第一表示領域111に表示される画像)が見えない状態となる。なお、以下では、第二表示領域121の少なくとも一部を不透過部N2とした場合、当該不透過部N2の後方に存在するものは、視認できない(見えない)ものとして説明するが、これは実質的に視認できない(見えない)ということであって、わずかに透過している状態も含むものとする。
【0028】
なお、特に明示した場合を除き、第一表示領域111(第一表示装置11)および当該第一表示領域111に表示される画像は実線で、第二表示領域121(第二表示装置12)および当該第二表示領域121に表示される画像は点線で図示するものとする。
【0029】
3)第二表示装置を利用した各種演出等
以下、透過型表示装置である第二表示装置12を利用した各種演出等について説明する。以下で説明する各種演出は、ある当否判定結果(対象当否判定結果)を報知する報知演出の一部として発生しうるものである。ただし、報知演出が実行されていない状態(例えば待機状態)において発生する演出としてもよい。なお、以下で説明する演出の全てを実行することが可能な構成としなくてもよい。一部のみが実行可能な構成であってもよい。また、以下の各種演出の説明においては、対象の演出に関係のないものについては説明や図示を省略することがある。
【0030】
3−1)装飾ユニットおよび重畳演出
本実施形態にかかる遊技機1は、装飾ユニット20を備える。本実施形態における装飾ユニット20は、動かないように固定された部材であるが、以下で詳細を説明するような態様となることが可能である、動作可能な部材であってもよい。装飾ユニット20は、露出部21および重畳部22を備える(
図4参照)。露出部21および重畳部22は、直接的に繋がった状態で配置されたものであってもよいし、他の部材を介して間接的に繋がったものであってもよい。例えば、ベースとなる部材に対し、露出部21および重畳部22が別々に固定されたもの(両者を繋ぐ他の部材が存在しないと仮定すれば露出部21および重畳部22が分離した状態となるもの)としてもよい。
【0031】
露出部21および重畳部22は、透過型表示装置である第二表示装置12(第二表示領域121)に対して次のような関係にある部分である。露出部21は、前後方向において第二表示領域121に重ならない部分である(
図4参照)。したがって、露出部21は、第二表示領域121を介さずに視認される部分であるといえる。本実施形態では、第二表示領域121の上側縁よりも上方に露出部21が位置する。重畳部22は、その少なくとも一部が前後方向で第二表示領域121に重なる部分である(以下、単に重畳部22というときは、第二表示領域121に重なる部分を指すものとする)(
図4参照)。第二表示領域121の後方に重畳部22が位置する(
図4(b)参照)。したがって、重畳部22は、第二表示領域121を通じて視認される部分であるといえる。本実施形態では、第二表示領域121の上側の一部が重畳部22に重なる(以下、第二表示領域121における重畳部22に重なる部分を重畳領域121Lと称することもある)。
【0032】
露出部21と重畳部22は前後にずれて位置する(
図4(b)参照)。具体的には、露出部21の方が、重畳部22よりも前方に位置する。露出部21と重畳部22との間には段差が存在するとみることもできる。当該段差を利用して、重畳部22の前方に一部が位置するように、第二表示装置12が配置されている。具体的には、露出部21の前面と重畳部22の前面との間の空間に、第二表示装置12の少なくとも一部が入り込んでいる。これにより、前後方向における各部材、装置の配置スペースの大型化が抑制される。
【0033】
なお、重畳部22は、第一表示装置11の第一表示領域111よりも前方に位置する。本実施形態における重畳部22は、第一表示領域111の上側に位置する。重畳部22は、第一表示領域111の外縁の一部(本実施形態では第一表示領域111の上側縁)を構築するものであるとみることもできる。
【0034】
装飾ユニット20は、露出部21と重畳部22は前後にずれて配置された構造であるものの、正面から見て(正対して)、露出部21と重畳部22が組み合わされてなる一体的な装飾形態(以下、基本装飾形態と称する)が構築される(正面から見て、露出部21と重畳部22は連続しているといえる)。当該基本装飾形態の具体的な態様はどのようなものであってもよい。キャラクタ等を含むものであってもよいし、文字等を含むものであってもよい。本実施形態における基本装飾形態は、所定のキャラクタ(以下、装飾キャラクタCと称することもある)を表した部分を含むものである。装飾キャラクタCの頭部21cが露出部21により表され、頭部21cよりも下の部分(以下、身体部22cと称することもある)が重畳部22により表される(
図4(a)参照)。
【0035】
第二表示領域121における重畳領域121Lが透過部Mである場合、当該透過部Mを通じて重畳部22(身体部22c)がほとんどそのままの態様で視認されることになる。つまり、頭部21cと身体部22cが一体となった装飾キャラクタC(基本装飾形態)が視認される状態となる(
図5(a)参照)。
【0036】
これに対し、重畳演出が実行されることにより、上記装飾キャラクタCの態様が変化することになる。重畳演出は、重畳領域121Lが画像表示部Nとされる演出である。本実施形態では、重畳領域121Lは不透過部N2とされる。したがって、重畳領域121Lに重なる重畳部22(身体部22c)は視認できない状態となる。また、画像表示部Nにより重畳画像13が表される。当該重畳画像13は、上記身体部22cとは異なる態様の画像とされる。当該重畳画像13と露出部21とにより、一体的な装飾形態であって上記基本装飾形態とは異なる特別装飾形態が構築される。本実施形態では、重畳画像13として「衣服」を表すような部分を含む画像が表示される。当該「衣服」表す部分は、露出部21によって表される頭部21cの直下に位置するように表示される。このような重畳演出が実行されることにより、装飾キャラクタCが重畳画像13によって表される「衣服」を纏ったかのように見える特別装飾形態が構築されることになる(
図5(b)参照)。基本装飾形態において表される身体部22cが衣服を纏ったものであるとするのであれば、基本装飾形態から特別装飾形態の一方から他方に変化することで、装飾キャラクタCがあたかも「着替えた」かのように遊技者には見えることになる。
【0037】
以上説明したように、本実施形態にかかる遊技機1では、装飾ユニット20の一部(重畳部22)を透過型表示装置である第二表示装置12の第二表示領域121に重なるように配置しており、第二表示領域121の重畳領域121Lが透過部Mとされたときには、露出部21と重畳部22により基本装飾形態が構築されるようにしている。このように、装飾ユニット20の一部と第二表示領域121の一部を重ねて配置することで、装飾範囲が小さくなるのを抑制することが可能である。
【0038】
また、本実施形態では、重畳領域121Lに表示される重畳画像13と露出部21とにより特別装飾形態が構築される。つまり、第二表示領域121を利用して、装飾形態を変化させること(基本装飾形態および特別装飾形態の一方から他方への切り替わりを実現すること)が可能である。
【0039】
また、本実施形態では、露出部21の方が、重畳部22よりも前方に位置し、露出部21の前面と重畳部22の前面との間の空間に、第二表示装置12の少なくとも一部が入り込んだ構造となっている。このような構造であるため、露出部21の前面と、第二表示領域121(重畳領域121L)の前面の前後方向における「ずれ」量が大きくなってしまうことが抑制される。それゆえ、特別装飾形態が構築されたときにおける重畳画像13と露出部21が表す装飾(頭部21c)の一体感(特別装飾形態の一体感)が高められる。
【0040】
以下、上記装飾ユニット20および重畳演出に関する事項を改良、具体化、変形等した具体例について説明する。なお、以下の具体例を用いて説明する技術を複数組み合わせて適用した構成としてもよい。
【0041】
〇第一具体例
複数種の特別装飾形態を構築することが可能であるものとする。具体的には、重畳画像13の態様を変化させることで異なる態様の特別装飾形態が構築されるものとする。例えば、重畳画像13として重畳領域121Lに第一重畳画像131が表示されることもあれば、当該第一重畳画像131とは態様が異なる第二重畳画像132が表示されることもある構成とする。第一重畳画像131が表示された場合には、当該第一重畳画像131と露出部21(頭部21c)が組み合わされた第一特別装飾形態が構築される(
図6(a)参照)。第二重畳画像132が表示された場合には、当該第二重畳画像132と露出部21(頭部21c)が組み合わされた第二特別装飾形態(第一特別装飾形態とは異なる態様である)が構築される(
図6(b)参照)。このように、重畳画像13の態様を変化させる(複数種の重畳画像13を用意しておく)ことで、複数種の特別装飾形態を構築することが可能である。
【0042】
上記実施形態のように、重畳画像13を「衣服」を表すような部分を含むものとするのであれば、第一重畳画像131と第二重畳画像132とは、異なる態様の「衣服」を含むものとされる。このようにすることで、装飾キャラクタCが第一重畳画像131で表される衣服を着た状態だけでなく、第二重畳画像132で表される衣服を着た状態とすることも可能である(
図6参照)。重畳領域121Lに第一重畳画像131および第二重畳画像132の一方が表示された状態から他方が表示された状態に変化させれば、装飾キャラクタCが「着替えた」かのような印象を与える演出を実行することも可能である。
【0043】
〇第二具体例
上記実施形態では、重畳領域121Lに表示された重畳画像13と露出部21とにより特別装飾形態が構築されることを説明したが、重畳画像13が重畳部22を覆い隠すために機能するような構成としてもよい。例えば、露出部21が「AB」の文字を含む装飾であり、重畳部22が「CD」の文字を含む装飾であるとする。この場合、重畳領域121Lを透過部Mとした場合、「ABCD」の文字(文字列)(「ACBD」の順で読むといったように、読む順は問わない)を含む装飾が構築されることになる(
図7(a)参照)。
【0044】
一方、重畳領域121Lを画像表示部N(不透過部N2であることが好ましい)として重畳画像13を表示すれば、重畳画像13により重畳部22である「CD」の文字を含む装飾が覆われることになる。つまり、遊技者には、「AB」の文字(文字列)を含む装飾のみが視認される状態となる(
図7(b)参照)。重畳画像13はどのようなものであってもよい。露出部21(「AB」)と全く関係の無い画像であってもよい。
【0045】
このように、重畳領域121Lに重畳画像13を表示するか否かにより、重畳部22が露出した状態と覆われた状態を切り替えられる。遊技者の視点でいえば、露出部21と重畳部22が組み合わされた装飾が視認される状態と、露出部21のみからなる装飾が視認される状態とが切り替えられることになる。本例のように、露出部21や重畳部22が文字を含むものとすれば、当該文字(文字列)が表す内容(単語)を変化させるような演出を実行することが可能である。
【0046】
〇第三具体例
上記実施形態においては、特別装飾形態が構築される際、重畳領域121Lは不透過部N2とされることを説明したが、半透過部N1とされるものであってもよい。このようにすることで、半透過部N1が表す画像(重畳画像13)を通じて重畳部22が視認されることになる。例えば、上記実施形態のように、重畳画像13が「衣服」を表す部分を含むものとするのであれば、身体部22cが「衣服」の画像を通じて視認されるような特別装飾形態が構築されることとなる(
図8参照)。
【0047】
〇第四具体例
装飾ユニット20は、複数の露出部21を含むものとする。具体的には、第一露出部211と第二露出部212を有し、当該第一露出部211と第二露出部212の間に重畳部22が設けられた構成であるとする。例えば、第二表示領域121の右隅部が重畳部22に重なる重畳領域121Lとされ、当該重畳領域121Lの上側に第一露出部211が、右側に第二露出部212が位置するような配置とされる。
【0048】
重畳領域121Lが透過部Mとされているときには、第一露出部211、重畳部22、第二露出部212が一体となった装飾(基準装飾形態)が視認される(
図9(a)参照;例えば「剣」を模した装飾が視認される)状態となる。一方、重畳領域121Lに重畳画像13が表示された場合には、第一露出部211、重畳画像13、第二露出部212が一体となった装飾(特別装飾形態)が視認される(
図9(b)参照;例えば「剣」にヒビが入ったかのような状態を表した装飾が視認される)状態となる。このように、重畳画像13が、複数の露出部21に跨るようにして特別装飾形態が構築される構成としてもよい。
【0049】
また、第二具体例にて説明したように、重畳画像13が重畳部22を覆い隠すために機能するような構成とする場合、当該重畳画像13が表示されたときには、第一露出部211と台に露出部が分離して視認されるような状態となる。つまり、重畳領域121Lが透過部Mとされているときには第一露出部211、重畳部22、第二露出部212が一体的に視認される(重畳部22を介して第一露出部211と第二露出部212が繋がっているように視認される)ものの、重畳領域121Lが画像表示部Nとされて重畳部22が視認できない状態となったときには、第一露出部211と第二露出部212が分離して(別々に)視認されるものとなる。
【0050】
3−2)被写演出
被写演出は、第二表示装置12および反射部材30を用いた演出である。反射部材30は、第二表示領域121の後方に位置することが可能な部材であって、反射部301を有するものである。反射部材30は、前後方向において反射部301の少なくとも一部が第二表示領域121に重なる位置に位置することが可能なものであれば、動かないように固定された部材であってもよいし、所定の範囲を動作可能な部材であってもよい。本実施形態における反射部材30は原位置(図示せず)と演出位置(
図10(a)に示した位置)との間を往復動作可能な可動役物である。反射部材30を動作させるための駆動機構はどのようなものであってもよいから説明を省略する。原位置から演出位置に移動するにつれてその形状が変化するようなものであってもよい。反射部材30は、演出位置において、反射部301の全体が第二表示領域121に重なるように設定される。なお、反射部材30は、演出位置において、第一表示領域111の前方に位置する。つまり、反射部材30は、演出位置において、第一表示領域111と第二表示領域121の間に位置する。
【0051】
反射部301は、表面が鏡面である部分である(
図10(a)参照)。当該鏡面を構築する手法はどのようなものであってもよい。ベースとなる部材に対し、めっきや蒸着等により鏡面(銀色を呈する面)を形成することが考えられる。本実施形態では、反射部材30の前面(第二表示領域121側の面)の少なくとも一部が反射部301(鏡面)である。本実施形態における反射部材30は、所定のキャラクタの顔を表したものであり、反射部301を含む全面は当該キャラクタの顔を表現する凹凸を含むもの(立体的な形状)とされている。当該キャラクタの目や口の部分を除いた箇所が反射部301とされている。
【0052】
被写演出を実行する際には、反射部材30が原位置から演出位置に変位させられた上で、第二表示領域121における反射部301に重なる部分の少なくとも一部である対象領域に半透過画像31(半透明な画像)が表示される(
図10(b)参照)。つまり、対象領域が半透過部N1とされる。このようにすることで、遊技者には、半透過画像31が反射部301に写し出されたかのように見える。例えば、半透過画像31を「金色」の画像(金色を呈する半透明画像)とすれば、反射部材30(反射部301が形成された部分)が金色を呈するかのように見えることになる。換言すれば、有体物と画像が組み合わされた演出形態が構築されるということである。
【0053】
半透過画像31の態様を変化させれば、上記演出形態の態様が変化することになる。つまり、反射部材30の態様は一種類のみであるものの、半透過画像31として複数種の態様を用意しておくことで、上記演出形態として複数種の態様が構築されることになる。例えば、半透過画像31の態様(例えば色)を経時的に変化させることで、反射部材30(反射部301が形成された部分)の態様が経時的に変化するかのような演出を実行することも可能である。端的にいえば、本実施形態における第二表示装置12は表現可能な画像の態様が無限であるため、反射部301に写し出される態様(遊技者に視認される反射部材30の態様)も無限に存在しうることになる。例えば、半透過画像31を動画とすることで、凹凸のある(前後方向に直交する平面ではない)反射部301(鏡面)に当該動画が写し出されることになるから、いわゆるプロジェクションマッピングのような効果も奏されることになる。
【0054】
このように、被写演出は、第二表示領域121に表示される半透過画像31が反射部材30の反射部301に写し出されたかのように見える面白みのある演出である。半透過画像31の態様を異ならせることで、反射部材30の態様(視覚的な態様)を異ならせることも可能である。
【0055】
なお、被写演出が実行されている際、第一表示領域111における反射部材30に覆われない部分(前後方向において反射部材30と重ならない範囲)には、演出効果を高めるための演出用の画像32が表示されるようにしてもよい(
図10(b)参照)。例えば、反射部材30の周囲からオーラが生じているかのように見えるエフェクト画像が表示される。第一表示領域111は反射部301の後方に位置するため、第一表示領域111に画像(動画)が表示されても、当該当該画像32が反射部301に写り込んでしまうことはほとんどない。つまり、第一表示領域111における反射部材30に覆われない範囲を黒一色とする等、反射部301に対する写り込みを抑制するような措置を取る必要はない。被写演出の演出効果を高めるための画像(動画)が表示されるようにするとよい。
【0056】
また、被写演出が実行されている際、第二表領域における反射部材30に重ならない部分にも、演出効果を高めるための画像33が表示されるようにしてもよい(
図10(b)参照)。この場合、第一表示領域111における反射部材30に覆われない部分に上記のような演出効果を高めるような画像32が表示されるのであれば、第二表示領域121における反射部材30に重ならない部分に表示される画像33は、半透過部N1により表されるものとする。これにより、半透過部N1を通じて第一表示領域111に表示される画像32が視認されることになる。
【0057】
以下、上記被写演出に関する事項を改良、具体化、変形等した具体例について説明する。なお、以下の具体例を用いて説明する技術を複数組み合わせて適用した構成としてもよい。
【0058】
〇第一具体例
対象領域を透過部Mおよび半透過部N1の一方から他方に変化させる。つまり、半透過画像31が表示されていない状態(
図10(a)に示した状態)および表示された状態(
図10(b)に示した状態)の一方から他方に変化させる。対象領域が透過部Mとされているときには、当該透過部Mを通じて反射部材30がほとんどそのままの態様で視認されることになる。したがって、対象領域を透過部Mおよび半透過部N1の一方から他方に変化させることで、反射部材30そのものが視認される状態(以下、素状態と称することもある)、および反射部301に半透過画像31が写し出された状態(以下、被写状態と称することもある)の違いを遊技者に強調することが可能である。特に、素状態から被写状態に変化させるようにすれば、そのままの態様で視認されていた反射部材30が突然態様を変化させるかのような面白みのある演出となる。
【0059】
〇第二具体例
上記第一具体例にて説明した素状態(対象領域が透過部Mとされた状態)と被写状態(対象領域が半透過部N1とされた状態)を連続的に交互に切り替える。各状態が設定される時間、すなわち一方の状態から他方の状態に切り替わるまでの時間は、0.1秒程度の短い時間であること(高速で切り替わるようにすること)が好ましい。このようにすることで、反射部材30(反射部301)が三次元的に(手前に飛び出すかのように)見える。
【0060】
〇第三具体例
反射部材30が演出位置に位置したとき、対象領域が透過部Mとされる場合(上記素状態となる場合)と、対象領域に半透過画像31が表示される場合(上記被写状態となる場合;すなわち被写演出が実行される場合)が発生するものとする。つまり、反射部材30が演出位置に位置する演出として、
図10(a)に示すような状態となる演出と、
図10(b)に示すような状態となる演出が発生しうるものとする。そして、前者の場合(前者の演出)と後者の場合(後者の演出)とでは、対象当否判定結果が大当たりとなる蓋然性(以下、大当たり信頼度と称することもある)が異なるものとする。被写状態は、半透過画像31により反射部材30が装飾された状態(そのまま視認される状態よりも「目立つ」状態)であるといえるから、前者の場合よりも、後者の場合の方が、大当たり信頼度が高い設定とすることが好ましい。このようにすることで、半透過画像31が反射部301に写し出された状態(「目立つ」状態)となることが、いわゆるチャンスアップとなる分かりやすい遊技性が構築される。
【0061】
3−3)特定演出
特定演出について説明する。本実施形態における特定演出は、いわゆる保留変化演出である。保留変化演出は、保留図柄70の態様が変化する演出である。一般的には、保留図柄70の態様が変化した場合には、当該保留図柄70に対応する当否判定結果が大当たりとなる蓋然性(大当たり信頼度)が高まる。本実施形態における特定演出は、保留図柄70(保留図柄70の態様)が、通常図柄70nから特定図柄70sに変化するということが遊技者に有利な事象(成功結末)として設定されたものである。逆に、特定図柄70sに変化しない場合が失敗結末として設定されているものであるといえる(なお、失敗結末が発生することがない設定としてもよい)。通常図柄70nである場合よりも、特定図柄70sである場合の方が、対応する当否判定結果の大当たり信頼度は高い(
図11(a)参照)。特定図柄70sを表す画像を「特定画像」とすれば、特定画像が表示された状態に至ることが遊技者に遊技な事象として設定されているということである。なお、通常図柄70nよりも大当たり信頼度が高い保留図柄70として、特定図柄70s以外の図柄が設定されていてもよい。
【0062】
特定演出において、保留図柄70(通常図柄70n、特定図柄70s)は、第一表示領域111に表示される。特定図柄70sは、第一要素部701および第二要素部702を含む(
図11(a)参照)。なお、第一要素部701および第二要素部702の具体的態様は以下のような態様に限定されるものではない。また、第一要素部701および第二要素部702は、遊技者が同一のものを指していると認識できる範囲で、形状や大きさ等が変化してもよい(態様が常に一定でなければならないわけではない)ものとする。本実施形態では、第一要素部701は、丸の中に三角が描かれたマーク(以下、エンブレムと称することもある)を表すものである。第二要素部702は、「剣」を表す(持ち手、鍔、刃の部分を含む)ものである。当該第一要素部701および第二要素部702を含む特定図柄70sは、「剣」の鍔の中央に「エンブレム」が付されたかのような形状を呈する。
【0063】
一方、通常図柄70nは、第二要素部702を含まない(第二要素部702の全体を含まないという意味であり、第二要素部702の一部を含むものとしてもよい)が、第一要素部701を含むものである(
図11(a)参照)。つまり、「剣」の要素である持ち手、鍔、刃の部分を表すものは含まず、「エンブレム」を表すものを含む。すなわち、特定図柄70sと通常図柄70nの違いは、「剣」を表す要素の有無であるとみることができる。
【0064】
特定演出にて用いられる可動部材40について説明する。可動部材40は、所定の範囲を変位可能な可動役物である。本実施形態における可動部材40は、前後方向に直交する平面方向に沿って原位置と演出位置との間を往復動作することが可能である(
図11(b)参照)。可動部材40を動作させるための駆動機構はどのようなものであってもよいから説明を省略する。前後方向における可動部材40の位置は、第一表示装置11(第一表示領域111)よりも前方かつ第二表示装置12(第二表示領域121)よりも後方である。換言すれば、前後方向においては、可動部材40は、第一表示装置11(第一表示領域111)と第二表示装置12(第二表示領域121)の間に位置するということである。原位置に位置する可動部材40は、遊技盤90の下側に覆われてその全部または大部分が遊技者には視認できない状態にある。演出位置に位置する可動部材40は、遊技盤90に形成された開口(第一表示領域111を露出させるための開口)を通じてその全部または大部分が遊技者に視認できる状態(ただし、第二表示領域121が不透過部N2とされている場合を除く)となる。
【0065】
可動部材40は、前面に所定の装飾が施された第一装飾部401および第二装飾部402を含む(
図11(b)参照)。第一装飾部401は、第一要素部701の少なくとも一部を模したものである。本実施形態における第一装飾部401は、上記「エンブレム」を模した部分である。第二装飾部402は、第二要素部702の少なくとも一部を模したものである。本実施形態における第二装飾部402は、第二要素部702の持ち手部分、鍔の部分、および刃の部分の一部を模した部分である。なお、ここでいう「模した」とは、第一要素部701と第一装飾部401が対応関係にあることや第二要素部702と第二装飾部402が対応関係にあることが、遊技者が感じられる程度に似通った関係にあればよい(以下「模した」というときは、一方と他方(模した関係にあるもの同士)が対応していることを遊技者が把握できるような関係をいうものとする)。また、可動部材40は、第一装飾部401と第二装飾部402が一体的に形成されたもの(両者が一体的に動作するもの)であってもよいし、別々に形成されたもの(両装飾部が独立して動作しうるもの)としてもよい。
【0066】
特定演出が成功結末となる場合の流れは以下の通りである。特定演出(保留変化演出)の対象となる保留図柄70として、通常図柄70nが第一表示領域111に表示された状態にある(以下の説明においては、変動中保留図柄71が対象の保留図柄70であるとする)(
図12(a)参照)。その後、当該通常図柄70nに向かうような光の筋とともに、「剣」を表す画像が表示された状態となる。つまり、「剣」(上述した第二要素部702に相当する部分を含む画像)が通常図柄70nに突き刺さるのではないかというような印象を遊技者に与える。これは、通常図柄70nが特定図柄70sに変化する可能性があることを示す「煽り演出」(事前演出)である。なお、当該「煽り演出」が実行されている段階においては、可動部材40は原位置に位置したままである。
【0067】
その後、第二表示領域121の全体が画像表示部Nとされる。本実施形態では、第二表示領域121の全体が不透過部N2とされる(当該不透過部N2とされた部分の画像を被覆画像41と称する)。本実施形態では、黒一色の画像が被覆画像41として表示される(ただし、当否判定結果を示すための図柄等、必要な遊技情報を示す画像は表示されていてもよい。かかる画像以外の部分が黒一色とされる)。すなわち、いわゆる「ブラックアウト」が発生する(
図12(b)参照)。かかる状態で、可動部材40が原位置から演出位置に向かって変位する。第二表示領域121は可動部材40よりも前方に位置するから、当該第二表示領域121に表示された被覆画像41(不透過部N2)に可動部材40が覆われ、可動部材40を視認することができない。つまり、原位置から演出位置に向かって変位する可動部材40は、第二表示領域121に表示される被覆画像41に隠されることになる。そのため、遊技者が気付かないうちに、可動部材40は演出位置に到達することになる。なお、第二表示領域121における被覆画像41が表示される(不透過部N2とされる)範囲は一部であってもよい。当該被覆画像41により演出位置に向かって移動する可動部材40が隠されればよい。すなわち、第二表示領域121において、少なくとも、原位置から演出位置に向かって移動する可動部材40の軌跡に重なる範囲に被覆画像41が表示されればよい。本実施形態は第二表示領域121の全体に被覆画像41が表示される(第二表示領域121における第一表示領域111に重なる部分に被覆画像41が表示される)から、第一表示領域111も視認できない状態となる。
【0068】
さらにその後、第二表示領域121における演出位置に位置する可動部材40に重なる範囲が透過部Mとされる。本実施形態では第二表示領域121の全体が透過部Mとされる。これにより、被覆画像41(不透過部N2)に隠されていた可動部材40が視認できる状態となる(露出する)。つまり、第一装飾部401(エンブレム)と第二装飾部402(剣)が露出する(
図12(c−1)参照)。また、第一表示領域111も露出する。なお、可動部材40に重なる一部分のみが透過部Mとされる構成としてもよい。透過部Mを通じて可動部材40の第一装飾部401および第二装飾部402が把握可能であればよい。
【0069】
その後、露出した第一表示領域111にて通常図柄70nが特定図柄70sに変化する(
図12(d)参照)。つまり、特定図柄70sが表示された状態に移行する。特定演出の対象は変動中保留図柄71であるから、当該変動中保留図柄71として特定図柄70sが表示された状態にある。このようにして、特定図柄70sが表示されるという遊技者に有利な結末に至ることになる。遊技者の視点で言えば、第一表示領域111に特定図柄70s(特定画像)が表示されるよりも前に、当該特定図柄70sの少なくとも一部を模した部分を含む可動部材40が演出位置に位置させられ、視認できる状態となる。つまり、可動部材40によって通常図柄70nから特定図柄70sの変化が成功することが事前に示された上で、実際に特定図柄70sが表示されるという流れの演出となる。その後、可動部材40は原位置に戻る。可動部材40が原位置に戻るタイミングはどのようなものであってもよい。特定図柄70sは保留図柄70であるため、当該特定図柄70sに対応する当否判定結果の報知が完了するまで表示され続ける。
【0070】
特定演出が失敗結末となる場合、被覆画像41が表示されるまでの演出の流れ(
図12(a)(b)参照)は成功結末となる場合と同様である。第二表示領域121に被覆画像41が表示されている(不透過部N2とされている)段階においても、可動部材40を原位置に位置させたままとする(演出位置に位置させない)。その後、第二表示領域121が透過部Mとされても、演出位置に位置する可動部材40は視認できない(
図12(c−2)参照)。つまり、成功結末は被覆画像41が取り除かれることで演出位置に位置する可動部材40が視認できる状態となるものであり、失敗結末は被覆画像41が取り除かれても演出位置に位置する可動部材40が視認できる状態にはならないものである。すなわち、演出位置に可動部材40が位置しているか否かにより、特定演出の結末(特定図柄70sへの変化が発生するか否か)が前もって示されることになる。
【0071】
このように、本実施形態における特定演出(保留変化演出)は、特定図柄70s(特定画像)が表示されることが遊技者に有利な事象として設定されているところ、当該特定図柄70sが表示されるよりも前に、特定図柄70sを模した部分を含む可動部材40が演出位置に位置させられることになる。つまり、画像ではない「実物」により、特定図柄70sの表示が前もって示されるという面白みのある演出である。
【0072】
特定図柄70sは、第一要素部701および第二要素部702を含むものであり、可動部材40は、第一要素部701に対応する第一装飾部401および第二要素部702に対応する第二装飾部402を有するものであるから、可動部材40が特定図柄70sに対応していることが分かりやすい。具体的には、通常図柄70nは、第二要素部702を含まず、可動部材40は第二要素部702に対応する第二装飾部402を有するものであるから、可動部材40が通常図柄70nに対応せず、特定図柄70sに対応しているということが分かりやすい。
【0073】
また、特定演出が成功結末となる場合、原位置から演出位置に向かって変位する可動部材40は被覆画像41(不透過部N2)に覆われて見えないから、演出位置に位置する可動部材40が突然表れる(露出する)という驚きのある演出を実行することが可能である。
【0074】
以下、上記特定演出に関する事項を改良、具体化、変形等した具体例について説明する。なお、以下の具体例を用いて説明する技術を複数組み合わせて適用した構成としてもよい。
【0075】
〇第一具体例
上記実施形態における特定演出は、いわゆる保留変化演出であることを説明したが、保留変化演出以外の演出であってもよい。特定画像が表示されることが遊技者に有利な事象として設定された演出において、当該特定画像が表示されるよりも前に、特定画像の少なくとも一部を模した部分を有する可動部材40が演出位置に位置させられるようにするとよい。
【0076】
〇第二具体例
上記実施形態においては、被覆画像41は不透過部N2により表されるものであることを説明したが、被覆画像41は半透過部N1を含むもの(半透明な部分を有する画像)であってもよい。例えば、被覆画像41の全体が半透過部N1で表されるものとした場合、成功結末となるときに原位置から演出位置に向かって変位する可動部材40が被覆画像41を通じて視認可能な状態にはなる。しかし、可動部材40の軌跡に重なる部分に何の画像も表示されていない場合(透過部Mとされる場合)に比して、半透明であっても画像が表示される分、変位する可動部材40は見えにくくなるといえる。ただし、上記実施形態のように被覆画像41を不透過部N2とすることで、変位する可動部材40が視認できない状態となるから、演出位置に突然可動部材40が現れたかのように見える状況を作り出すことが可能となる。
【0077】
〇第三具体例
上記実施形態では、特定画像(特定図柄70s)が表示された後、可動部材40が演出位置から原位置に戻るという構成であることを説明したが、特定図柄70sが表示されている間は、可動部材40が演出位置に位置し続ける構成としてもよい。このようにすることで、特定画像が表示されたことが、演出位置に位置し続ける可動部材40により強調されることになる。上記実施形態のように、特定画像が保留図柄70の一種である特定図柄70sである場合には、特定図柄70sに対応する当否判定結果の報知が完了するまで(保留図柄70としての特定図柄70sが「消化」されるまで)可動部材40が演出位置に位置し続けることになる(
図13(特に、
図13(c)(d))参照)。
【0078】
〇第四具体例
特定演出が成功結末となる場合、演出位置に可動部材40が位置させられた(
図14(a)参照)後、特定画像が表示される(
図14(c)参照)よりも前の状態にて、第二表示領域121に第一表示領域111を覆う被覆画像41が表示される(
図14(b)参照)ものとする。当該被覆画像41は、不透過部N2によるものであることが好ましい。また、被覆画像41が表示される範囲は、第一表示領域111における特定画像が表示される箇所を含むものとされる(
図14(c)には、第二表示領域121の全体に被覆画像41が表示される例を示す)。
【0079】
これにより、被覆画像41が消去された結果、特定画像が表れるという流れの演出とすることが可能である。上記実施形態に則していえば、被覆画像41により通常図柄70nが一旦見えない状態(
図14(b)参照)とされた上で、被覆画像41が取り除かれることを契機として特定図柄70sが現れる(
図14(c)参照)という流れの演出となる。保留図柄70が通常図柄70nから特定図柄70sに変化する境界時点を、被覆画像41により見えなくしたとみることもできる。このようにすることで、特定画像が表示される時点を強調することが可能である。
【0080】
3−4)実物・画像切替演出
実物画像切替演出は、実物装飾演出および画像装飾演出を含む。本実施形態では、実物装飾演出後、画像装飾演出が実行される。以下、各演出について説明する。
【0081】
実物装飾演出は、上述した可動部材40(装飾部材)を用いた演出である。より具体的には、可動部材40が有する第一装飾部401(装飾部)を用いた演出である。実物装飾演出よりも前に、事前演出が実行される。事前演出では、第二表示領域121の少なくとも一部が画像表示部Nとされる。本実施形態では、第二表示領域121の全体が画像表示部Nとされる。また、当該画像表示部Nは不透過部N2である。当該画像表示部Nにより表される画像を演出画像45とすると、本実施形態では第二表示領域121の全体に演出画像45が表示されるということである。当該演出画像45は、黒一色の画像とされる(ただし、当否判定結果を示すための図柄等、必要な遊技情報を示す画像は表示されていてもよい。かかる画像以外の部分が黒一色とされる)(
図15(a)参照)。すなわち、いわゆる「ブラックアウト」が発生する。
【0082】
かかる演出画像45が第二表示領域121に表示されている間に、可動部材40は原位置から演出位置に移動する(
図15(a)(b)参照)。本実施形態では、第二表示領域121の全体に演出画像45が表示されているため、原位置から演出位置に移動する可動部材40は演出画像45に覆われて視認できない。このように、演出画像45は、当該画像が視認されることによる演出効果だけでなく、移動する可動部材40を見えなくする(見えにくくする)演出効果を発現するものである。よって、演出画像45は、少なくとも、原位置から演出位置に移動する可動部材40の軌跡に重なるような範囲に表示されることが好ましい。
【0083】
可動部材40が演出位置に到達した後、実物装飾演出が開始される。つまり、可動部材40が演出位置に到達することが、実物装飾演出が開始される条件となる。実物装飾演出は、演出画像45を表す画像表示部Nの一部が透過部Mに変化することにより実行される。具体的には、第二表示領域121における第一装飾部401が重なる部分(対象領域)が透過部Mとされる(
図15(b)参照)。本実施形態における第一装飾部401(エンブレム)は、外形が略円形であるため、円形の透過部Mが形成される。なお、透過部M以外の箇所は画像表示部N(不透過部N2)のままである。第二表示領域121における第一装飾部401が重なる部分の一部のみが対象領域(透過部M)とされる構成であってもよい。透過部Mを通じて第一装飾部401の存在(態様)が把握可能な程度に透過部Mが設けられていればよい。
【0084】
このようにすることで、当該透過部Mを通じて第一装飾部401が視認される状態となる。端的には、実物(有体物)の「エンブレム」が視認される状態となる。また、透過部Mの周囲は画像表示部N(演出画像45)である(本実施形態では黒一色のままとされる)から、可動部材40における第一装飾部401以外の部分(第二装飾部402等、実物装飾演出に用いられない他の装飾部や、可動部材40を変位させるための駆動機構の一部等が含まれる)の略全体は当該画像表示部Nに覆われて見えない(見えにくい)状態となる(
図15(b)参照)。つまり、可動部材40の一部である第一装飾部401が強調された状態となる。本実施形態では、当該画像表示部Nは不透過部N2であるから可動部材40における第一装飾部401以外の部分は視認できない状態にある。可動部材40が宙に浮いているかのようにも見える。
【0085】
実物装飾演出後、画像装飾演出が実行される。画像装飾演出は、上記対象領域(実部装飾演出にて透過部Mとされた領域)を画像表示部Nとする。本実施形態では当該画像表示部Nは不透過部N2である。当該画像表示部Nにより装飾画像46が表される。装飾画像46は、可動部材40の第一装飾部401を模した部分である。実物装飾演出にて透過部Mであった部分が画像装飾演出にて装飾画像46となるのであるから、画像装飾演出が開始された時点における装飾画像46の態様(画像の「エンブレム」の大きさや形状等)は、透過部Mを通じて視認されていた第一装飾部401の態様と略同じである(
図16(a)参照)。このような装飾画像46が表示されることで、可動部材40の第一装飾部401が装飾画像46に置き換わったかのように見える演出となる。つまり、有体物(実物)である第一装飾部401が、当該第一装飾部401を模した無体物である装飾画像46に変化したかのように見える演出となる。
【0086】
本実施形態における画像装飾演出では、装飾画像46の大きさが変化する。本実施形態では、画像装飾演出が開始された時点の大きさ(実物である第一装飾部401と略同じ大きさ)から、経時的に次第に大きくなるような変化が生じる(
図16(b)参照)。当該変化が生じる際、装飾画像46(エンブレム)が回転する等の動作が発生するようにしてもよい。第一装飾部401を表した画像であることを遊技者が把握可能な状態を維持したまま、装飾画像46が次第に大きくなる。最終的に所定の大きさに至ることにより画像装飾演出が終了する。画像装飾演出後に実行される演出はどのようなものであってもよい。
【0087】
実物装飾演出から画像装飾演出への移行は、有体物(実物)である第一装飾部401から無体物である装飾画像46への切り替わりであるといえるところ、画像装飾演出にて経時的に装飾画像46の大きさが変化するようにすることで、実物から画像に切り替わったということが強調される(「実物」では、大きさを変化させることが困難または不可能であるから、大きさの変化が起こることで、画像に切り替わったことが強調される)。
【0088】
なお、画像装飾演出が実行されている最中に、実物装飾演出にて演出位置に位置していた可動部材40は原位置に戻る(
図16(a)(b)参照)。原位置に向かって変位する可動部材40は第二表示領域121の画像表示部Nに覆われる(原位置に向かって移動する可動部材40の軌跡に重なる範囲が画像表示部Nとされる)ため見えにくい。本実施形態では、原位置に向かって変位する可動部材40は第二表示領域121の不透過部N2に覆われるため、当該可動部材40は視認できない。
【0089】
以上説明した通り、本実施形態における実物・画像切替演出は、有体物(実物)である第一装飾部401が、無体物である装飾画像46に置き換わる(「実物」が、当該「実物」を模した画像に変化したかのように見える)という面白みのある演出である。
【0090】
以下、上記実物・画像切替演出に関する事項を改良、具体化、変形等した具体例について説明する。なお、以下の具体例を用いて説明する技術を複数組み合わせて適用した構成としてもよい。
【0091】
〇第一具体例
上記実施形態では、実物装飾演出に用いられる可動部材40(装飾部材)は、所定範囲(上記実施形態では原位置と演出位置の間)を変位することが可能なものであることを説明したが、動かないように固定されたものであってもよい。つまり、実物装飾演出にて透過部Mを通じて視認される装飾部(実物)を有する部材であればよい。より具体的に言えば、前後方向にて第二表示領域121に重なる装飾部を有する部材であればよい。
【0092】
〇第二具体例
上記実施形態における可動部材40は、第一装飾部401および第二装飾部402を有するものであり、実物装飾演出においては透過部Mを通じて第一装飾部401は視認されるものの、第二装飾部402は画像表示部Nに覆われることを説明したが、可動部材40が第二装飾部402に相当するもの(実物装飾演出にて用いられない装飾部)を有していない構成としてもよい。つまり、透過部Mを通じて見せる装飾部のみを有するものであってもよい。上記実施形態でいう第二装飾部402のように透過部Mを通じて見せない装飾部を有するものである場合には、当該装飾部が画像表示部Nに覆われて見えにくい状態とすることが好ましい(不透過部N2に覆われて見えない状態とすることが好ましい)ということである。
【0093】
〇第三具体例
上記実施形態における実物・画像切替演出は、原位置から演出位置に至るまで可動部材40が演出画像45(不透過部N2)に覆われることを説明したが、演出位置まで変位する可動部材40が視認されるようにしてもよい。すなわち、原位置から演出位置まで変位する可動部材40(第一装飾部401)が第二表示領域121の透過部Mを通じて視認されるものとしてもよい(
図17(a)参照)。その後、上述した実物装飾演出(
図17(b)参照)が実行されるようにする。ただし、上記実施形態のように可動部材40が実物装飾演出にて見せるべき部分(第一装飾部401)以外の部分(第二装飾部402等)を有するものである場合には、演出位置までの変位の際(
図17(a)に示す変位の際)に第一装飾部401だけでなく第二装飾部402も視認されてしまうことが好ましくないと考えるのであれば、上記実施形態のように変位する可動部材40が演出画像45に覆われるようにすることが好ましい。
【0094】
〇第四具体例
上記実施形態における実物・画像切替演出は、実物装飾演出から画像装飾演出に移行する態様であることを説明したが、画像装飾演出から実物装飾演出に移行する態様としてもよい(
図18参照)。つまり、先に第二表示領域121における対象領域に演出画像45や装飾画像46が表示された画像装飾演出(
図18(a)(b)参照)を実行し、その後当該対象領域が透過部Mとされて当該透過部Mを通じ第一装飾部401が視認される実物装飾演出(
図18(c)参照)を実行する。
【0095】
画像装飾演出が終了する時点における装飾画像46の態様(画像の「エンブレム」の大きさや形状等)は、その後実物装飾演出にて透過部Mを通じて視認される第一装飾部401の態様と略同じとされる(
図18(b)(c)参照)。このようにすることで、無体物である装飾画像46が、有体物(実物)である第一装飾部401に変化したかのように見える演出となる。画像装飾演出にて装飾画像46の大きさを変化させる場合には、最終的な大きさが第一装飾部401の大きさと略同じとなるようにされる。例えば、画像装飾演出の開始時点にて表示される装飾画像46(
図18(a)参照)が、経時的に次第に小さくなり、最終的に第一装飾部401の大きさと略同じとなる(
図18(b)参照)ようにされる。
【0096】
また、本例の場合、画像装飾演出が実行されている最中に、可動部材40(装飾部材)が原位置から演出位置に変位させられるようにする(
図18(a)(b)参照)。この際、可動部材40が第二表示領域121に重なる状態においては演出位置に到達するまでは当該第二表示領域121に表示された画像表示部Nに覆われるものとする。すなわち、原位置から演出位置に向かって移動する可動部材40の軌跡に重なる範囲が画像表示部Nとされる。このようにすることで、演出位置に向かって移動する可動部材40が見えにくくなる。画像装飾演出から実物装飾演出に移行するということは、実物装飾演出が開始されたときに突然「実物」である第一装飾部401が現れるような印象を与えることが重要になる。そのため、演出位置に向かって変位する可動部材40は見えにくくすることが好ましい。より好ましくは、原位置から演出位置に向かって移動する可動部材40の軌跡に重なる範囲が不透過部N2とされることで、演出位置に向かって変位する可動部材40が視認できないようにするとよい。
【0097】
3−5)半透過演出、中継演出、実物演出
半透過演出(
図19(b)参照)は、可動部材40が有する第一装飾部401を模した半透過装飾画像50を第二表示領域121に表示する演出である。つまり、当該半透過装飾画像50は、「エンブレム」を模したものとされる。当該半透過装飾画像50の態様(「エンブレム」の大きさや形状等)は、将来的に視認されることになる第一装飾部401の態様と略同じである。当該半透過装飾画像50は、第二表示領域121の一部である対象領域を半透過部N1とすることで表される。当該対象領域は、可動部材40が演出位置に位置するときに当該可動部材40の第一装飾部401が重なる部分である。本実施形態では、半透過演出において、第二表示領域121における半透過装飾画像50(半透過部N1)が表示された対象領域以外の領域は、不透過部N2とされる。以下、当該不透過部N2により表される画像を他画像51と称する。他画像51の態様はどのようなものであってもよい。本実施形態における他画像51は、黒一色の画像である(ただし、当否判定結果を示すための図柄等、必要な遊技情報を示す画像は表示されていてもよい)。
【0098】
なお、半透過演出に至る前の事前演出が実行されるようにしてもよい。本実施形態では、第二表示領域121に半透過装飾画像50が大きく表示され、当該半透過装飾画像50が上記対象領域に表示される状態(
図19(a)参照)となるまで小さくなって表示されることが事前演出として実行される(
図19(a)参照)。事前演出にて半透過装飾画像50が対象領域に表示される結果となった場合には半透過演出が実行され、事前演出にて半透過装飾画像50が対象領域に表示される結果とならなかった場合には半透過演出が実行されない構成としてもよい。
【0099】
半透過演出の後、実物演出が実行されるよりも前に、中継演出(
図20(a)(b)参照)が実行される。中継演出では、可動部材40が原位置から演出位置に向かって変位する。実物演出は、可動部材40(第一装飾部401)を利用した演出であるため、その準備のために可動部材40を演出位置に位置させるものであるともいえる。このように演出位置に向かって変位する可動部材40の第一装飾部401の一部が対象領域(半透過装飾画像50)に重なる位置に到達するまでは、可動部材40の全体が不透過部N2である他画像51に覆われているため、可動部材40を視認することはできない。
【0100】
このように可動部材40が演出位置に向かって移動してくるということは、可動部材40の第一装飾部401が対象領域に重なる範囲が次第に大きくなっていく(第一装飾部401が対象領域に次第に入り込んでくる)ということである。つまり、半透過部N1である半透過装飾画像50を通じて視認される第一装飾部401の大きさが経時的に大きくなっていく(
図20(a)(b)参照)。端的に言えば、「エンブレム」を表した半透明な画像に対し、「エンブレム」の実物が重なる部分の大きさが次第に大きくなっていく状況であるということである。このような状況を遊技者に見せるのが中継演出である。中継演出は、半透過装飾画像50が半透明な画像であることを利用し、当該画像が実物に置き換わっていく様を遊技者に見せる演出であるといえる。なお、第一装飾部401の部分(エンブレムの部分)のみを独立して動作させることができるのであれば、第一装飾部401のみが変位するようにするとよい。このようにすることで、第一装飾部401以外の部分(第二装飾部402等)が半透過装飾画像50を通じて視認される状況が発生しなくなる。つまり、本演出に用いられる可動役物は、半透過装飾画像50を模した部分(第一装飾部401に相当する部分)のみを有し、それ以外の部分を有さないものであるとよい。
【0101】
可動部材40が演出位置に到達した(
図20(b)参照)後、実物演出が実行される。実物演出(
図20(c)参照)は、対象領域が透過部Mとされるものである。つまり、半透過装飾画像50が消され、当該画像が表示されていた部分が透過部Mとされる。これにより、可動部材40の第一装飾部401そのものが透過部Mを通じて視認される状態となる。第二表示領域121における対象領域以外の領域は、他画像51(不透過部N2)が表示されている。したがって、演出位置に位置した可動部材40のうち、第一装飾部401以外の部分の略全体は、他画像51に覆われて視認できない状態にある。つまり、透過部Mを通じて視認される第一装飾部401が強調された状態となる。なお、実物演出においては他画像51が半透過部N1を含むものとされてもよい。このようにしても、可動部材40における第一装飾部401以外の部分の略全体は、他画像51に覆われて見えにくい状態となるから、透過部Mを通じて視認される第一装飾部401が強調された状態となる。
【0102】
以上説明した本実施形態にかかる遊技機1が実行可能である、第一装飾部401を模した半透過装飾画像50が表示された状態(半透過演出)から、第一装飾部401(実物)が視認される状態(実物演出)に変化するような一連の演出は、半透明な画像(ぼんやりと見えるもの)が実物(リアルなもの)に変化するという面白みのあるものである。
【0103】
以下、上記半透過演出、中継演出、実物演出に関する事項を改良、具体化、変形等した具体例について説明する。なお、以下の具体例を用いて説明する技術を複数組み合わせて適用した構成としてもよい。
【0104】
〇第一具体例
上記実施形態では、半透過演出、中継演出、実物演出という流れで演出が進行することを説明したが、その逆の流れで演出が進行するようにしてもよい。まず、可動部材40が演出位置に位置した状態で対象領域が透過部Mとされる実物演出が実行される(
図21(a)参照)。その後、対象領域に半透過装飾画像50が表示された(
図21(b)参照)上で、演出位置に位置する可動部材40が原位置に向かって変位を開始する。この際、可動部材40の第一装飾部401が対象領域(半透過装飾画像50)に重なる範囲が次第に小さくなっていくという変化が生じる(
図21(c)参照)。これが中継演出である。第一装飾部401が対象領域に重ならない状態となったときには、第二表示領域121の対象領域に、第一装飾部401を模した半透過装飾画像50が表示される半透過演出に移行する(
図21(d)参照)。このようにすることで、可動部材40の第一装飾部401(実物)が、それを模した半透明な画像に変化するという一連の演出となる。
【0105】
また、上記実施形態や本例にて説明したような一連の流れで半透過演出、中継演出、実物演出のそれぞれが発生するものとしなくてもよい。各演出が別個独立して発生するような構成としてもよい(これらの演出のうちの一部が発生しないようにしてもよい)。
【0106】
〇第二具体例
中継演出の態様を上記実施形態とは異ならせる。半透過演出(
図22(a)参照)が実行された後、対象領域が不透過部N2とされる。つまり、半透過部N1である半透過装飾画像50が消され、対象領域が不透過部N2とされる。本実施形態では、半透過装飾画像50が消された後、対象領域を含む第二表示領域121の全体が不透過部N2とされる(
図22(b)参照)。当該不透過部N2により表される画像の態様はどのようなものであってもよいが、例えば第二表示領域121の全体が黒一色(ただし、当否判定結果を示すための図柄等、必要な遊技情報を示す画像は表示されていてもよい)とされることが考えられる。半透過演出においては、半透過装飾画像50が表示されていない領域に黒一色の他画像51が表示されるものであるから、中継演出にて第二表示領域121の全体に不透過部N2である黒一色の画像(中継画像52)が表示されるようにする。このようにすれば、半透過演出にて表示されていた他画像51が、対象領域まで広がったかのような印象を与えることが可能である。
【0107】
対象領域が不透過部N2とされている間(中継画像52が表示されている間)に、可動部材40が原位置から演出位置まで変位する。つまり、対象領域を通じて第一装飾部401が視認できない状態で、可動部材40を演出位置に位置させることを中継演出として実行する。可動部材40が演出位置に到達した後、対象領域が透過部Mとされ、当該透過部Mを通じて第一装飾部401がほとんどそのまま視認される実物演出が実行される(
図22(c)参照)。
【0108】
このようにすることで、上記実施形態にて説明した一連の演出とは異なる作用が操作される。本例では、対象領域が半透過部N1(半透過装飾画像50)とされた状態から、一旦対象領域が不透過部N2とされるから、当該対象領域に入り込んでくる第一装飾部401(可動部材40)を視認することができない(
図22(b)参照)。その後、対象領域が透過部Mとされることで、当該透過部Mを通じて第一装飾部401がほとんどそのまま視認できる状態(
図22(c)参照)となる。つまり、半透明な画像(半透過装飾画像50)から実物(第一装飾部401)に変化する過程(対象領域にて視認される対象の変化の過程)が上記実施形態とは異なり不透過部N2に覆われて見えないから、遊技者は半透明な画像が突然実物に変化した印象を受けることになる。
【0109】
3−6)露出演出
露出演出では、第二表示領域121の一部である対象領域が透過部Mとされ、対象領域以外の部分が画像表示部Nとされるものである(
図23(a)参照)。本実施形態では、対象領域が透過部Mとされ、対象領域以外の部分の全体が不透過部N2とされる。対象領域は、可動部材40が演出位置に位置するときに当該可動部材40の第一装飾部401が重なる部分である。
【0110】
この状態で、可動部材40を原位置から演出位置に向かって変位させる。つまり、第一装飾部401が透過部Mに全く重なっていない位置である原位置から、第一装飾部401が透過部Mに重なる位置である演出位置まで可動部材40を変位させる。透過部Mを通じて可動部材40の一部が視認可能となるまで(透過部Mに可動部材40の一部が重なるまで)は、可動部材40における第二表示領域121に重なる部分は画像表示部Nに覆われた状態にある(
図23(b)参照)。つまり、演出位置に向かって変位する可動部材40は画像表示部Nに覆われて可動部材40が見えにくい状態にある。本実施形態では透過部M以外の箇所は不透過部N2であるから、当該不透過部N2に覆われて演出位置に向かって変位する可動部材40が視認できない状態にある。
【0111】
なお、第一装飾部401の部分(エンブレムの部分)のみを独立して動作させることができるのであれば、第一装飾部401のみが変位するようにするとよい。このようにすることで、第一装飾部401以外の部分(第二装飾部402等)が透過部Mを通じて視認される状況が発生しなくなる。つまり、本演出に用いられる可動役物は、透過部Mを通じて視認される部分(第一装飾部401に相当する部分)のみを有し、それ以外の部分を有さないものであるとよい。
【0112】
可動部材40が演出位置に到達することで、第一装飾部401が透過部Mに重なることになる(
図23(c)参照)。つまり、透過部Mを通じて第一装飾部401(「エンブレム」の部分)が視認可能な状態となる。透過部M(対象領域)の大きさは第一装飾部401の大きさと略同じであるため、可動部材40の第一装飾部401以外の部分は、画像表示部Nに覆われて見えにくい状態にある。本実施形態では透過部M以外の箇所は不透過部N2であるから、可動部材40の第一装飾部401以外の部分は当該不透過部N2に覆われて視認できない状態にある。
【0113】
また、本実施形態では、対象領域以外の部分である画像表示部N(不透過部N2)により、補助画像55が表される。当該補助画像55は、透過部Mに隣接するように形成される。本実施形態では、「剣」の持ち手や、鍔、刃の部分が表されたような画像が補助画像55として表示される。すなわち、可動部材40における、第一装飾部401以外の部分(第二装飾部402)を模したかのような画像が補助画像55として表示される。なお、本実施形態では、補助画像55以外の部分は黒一色の画像である(ただし、当否判定結果を示すための図柄等、必要な遊技情報を示す画像は表示されていてもよい)。可動部材40が演出位置に位置し、透過部Mを通じて視認可能な状態となったときには、「エンブレム」の部分が実物(有体物)で、持ち手、鍔、刃の部分が画像(無体物)からなる、一体的な演出形態が構築されることになる(
図23(c)参照)。本実施形態では、当該一体的な演出形態は、可動部材40全体を模したかのような演出形態とされる。つまり、露出演出においては、一部が「実物」であり、一部が「画像」からなる一体的な演出形態が構築される。
【0114】
このように、本実施形態における露出演出は、透過部Mとされた領域に突然可動部材40(第一装飾部401)が現れるという面白みのある演出である。
【0115】
また、透過部Mを通じて可動部材40の一部が視認可能となるまで、変位する可動部材40は画像表示部Nに覆われた状態にあって見えにくい(本実施形態のように画像表示部Nが不透過部N2であれば見えない)から、透過部Mを通じて第一装飾部401が視認可能となることが遊技者にとって驚きのあるものとなる。
【0116】
また、透過部Mを通じて視認される第一装飾部401と画像表示部Nに含まれる補助画像55とで構築される一体的な演出形態は、有体物である可動部材40の一部(実物)と無体物である画像によって構築されるものであり斬新なものである。
【0117】
以下、上記露出演出に関する事項を改良、具体化、変形等した具体例について説明する。なお、以下の具体例を用いて説明する技術を複数組み合わせて適用した構成としてもよい。
【0118】
〇第一具体例
上記実施形態における補助画像55は、可動部材40における第一装飾部401以外の部分(第二装飾部402)を模したかのような画像(持ち手、鍔、刃の部分)であること、すなわち第一装飾部401および補助画像55により形成される一体的な演出形態(エンブレムを含む剣)が可動部材40を模したものであることを説明したが、補助画像55の態様は異なるものであってもよい。例えば、「盾」の少なくとも一部分を表すかのような画像が補助画像55として表示されるものとする(
図24参照)。このようにすれば、第一装飾部401および補助画像55により構築される一体的な演出形態が「エンブレムを含む盾」となり、可動部材40とは異なる態様となる。つまり、「エンブレムを含む剣」である可動部材40とは異なる態様の演出形態が構築されることになる。
【0119】
また、補助画像55として表示される画像の態様が複数種設定されていてもよい。上記実施形態のように、「剣」(持ち手、鍔、刃の部分)を表す補助画像55が表示される(
図23参照)こともあれば、「盾」を表す補助画像55が表示される(
図24参照)こともある設定とする。このようにすることで、第一装飾部401および補助画像55により構築される一体的な演出形態が変化しうる構成とすることが可能である。
【0120】
〇第二具体例
露出演出が発生することは遊技者に有利な事象として設定されている。具体的には、可動部材40が演出位置まで到達して演出位置に留まり、透過部Mを通じて第一装飾部401が視認される状態となる露出演出が発生することは、対象当否判定結果の大当たり信頼度が高くなる(後述する失敗演出よりも高くなる)成功演出(
図25(b−1)参照)として設定され、可動部材40が演出位置に到達せず、または到達するとしても演出位置に留まらず、第一装飾部401が視認される状態とならない(一旦は、第一装飾部401が視認される状態となっても、当該状態が維持されずにすぐに第一装飾部401が視認されない状態となってしまうように変化する態様を含む)ことは失敗演出(
図25(b−2)参照)として設定された構成とする。なお、この場合、透過部Mを通じて第一装飾部401が視認される状態となるか否かが分岐(成功・失敗の分岐)であることを示すような「煽り」(煽り演出)が発生するようにしてもよい。煽り演出の一例としては、透過部Mの周囲に煽りを示す画像を表示することが考えられる(
図25(a)参照。当該図には、透過部Mに向かう放射状の画像が表示される例を示している)。煽り演出の別の例としては、結果(成功or失敗)に至る前の段階においては、対象領域を半透過部N1とし、当該半透過部N1に表示される画像により「煽り」を表現することが考えられる。つまり、対象領域が透過部Mとされるのは、可動部材40(第一装飾部401)が演出位置に到達した後であってよい。また、このような煽り演出を実行する場合、煽り演出の態様により、露出演出(成功演出)が発生する蓋然性が示唆されるようにしてもよい。
【0121】
また、露出演出が発生したときには、遊技者に対して操作手段の操作が促される操作演出に移行するようにしてもよい。当該操作手段は、押しボタン65のようなものであってもよいが、第一装飾部401と補助画像55からなる一体的な演出形態を模したようなものであることが好ましい。つまり、「エンブレム付きの剣」(すなわち可動部材40)を模したような操作手段(図示せず)を備え、露出演出が発生したときには当該操作手段の操作が促される操作演出に移行するものとする(
図25(c)参照)。このようにすることで、露出演出にて一体的な演出形態が完成した結果、それを模した操作手段を用いた操作演出に移行するということになり、一連の演出の流れが分かりやすくなる。
【0122】
〇第三具体例
上記実施形態における露出演出は、対象領域が透過部Mとされるものであることを説明したが、対象領域が半透過部N1とされるものであってよい(
図26参照)。当該半透過部N1により表される画像は、第一装飾部401を模したものとはされない。例えば、対象領域を半透明な靄のような色味がかった画像(以下、エフェクト画像56と称する)が表示された領域とし、可動部材40が演出位置に位置した状態においては当該エフェクト画像56が第一装飾部401を覆うように存在することになる。つまり、エフェクト画像56を介して第一装飾部401が視認されることになる(
図26(c)参照)。なお、対象領域以外の箇所は不透過部N2とされる。不透過部N2にもエフェクト画像56の一部が含まれるようにしてもよい。
【0123】
このように、対象領域を半透過部N1とすることで、半透明な画像を通じて第一装飾部401が視認される演出とすることが可能である。半透明な画像により第一装飾部401の態様(見た目)を実際とは異なるものとする演出であるということもできる。また、半透明な画像として表示されうる画像の態様を複数種用意しておくことで、半透明な画像を通じて見える第一装飾部401の態様を種々変化させることも可能となる。
【0124】
〇第四具体例
上記実施形態では、演出位置に位置する可動部材40の第一装飾部401の全体が透過部Mと重なる(可動部材40が演出位置に位置するときに第一装飾部401が重なる部分の全体が対象領域とされ、当該対象領域が透過部Mとされる)構成であるが、演出位置に位置する可動部材40の第一装飾部401の一部が透過部Mと重なる構成としてもよい。つまり、第一装飾部401の存在が把握できる程度に対象領域の一部が透過部Mとされた構成としてもよい。
【0125】
3−7)可動演出
上述した可動部材40は、第一装飾部401に相当する部分(「エンブレム」に相当する部分)のみ、原位置と演出位置との間を往復動作することが可能なものであるとする。なお、以下の可動演出の説明において単に可動部材40というときは、第一装飾部401に相当する部分をいうものとする。可動部材40は、少なくとも演出位置(第二表示領域121に重なる状態)において、振動(バイブ)することが可能であるとする。平面方向(前後方向に直交する平面方向)にわずかに揺れる(短い距離で往復動作する)、円を描くように動作するといった態様であれば、振動を表す態様はどのようなものであってもよい(遊技者が「振動」に見えるようなものであればよい)。
【0126】
可動演出においては、可動部材40を演出位置に位置させた上で振動させる(
図27参照)。第二表示領域121における、可動部材40に重なる範囲の少なくとも一部は透過部Mとされる。当該透過部Mを通じて遊技者は可動部材40(振動している可動部材40)を視認することが可能である。本実施形態では、第二表示領域121における強調画像60(詳細は後述)が表示されている部分以外は、透過部Mとされる。強調画像60の態様は経時的に変化するものであるから、透過部Mとなる範囲も経時的に変化するものである。
【0127】
可動演出は、可動部材40が演出位置にて振動している最中に、第二表示領域121に画像表示部Nである強調画像60が表示されるものである(
図27参照)。強調画像60は、可動部材40の動作を強調するための画像であるといえる。本実施形態における強調画像60は、可動部材40の外縁から次第に離れていくように表示されるものである。具体的には、演出位置に位置する可動部材40を中心としたあたかも「波紋」を呈するかのような経時的に変化する画像である。すなわち、略円形を呈する(大まかに見て円形に見えるものであればよい。一部が途切れる等していてもよい)一または複数の画像が、その径を大きくさせるように変化する態様とされる。可動部材40の外縁は円形であるから、強調画像60は当該可動部材40の外縁が広がっていくような画像とみることもできる。このような強調画像60が表示されることにより、可動部材40の振動によって周りの空気が揺れ動かされているかのように遊技者が見える。つまり、可動部材40の振動が強調されることになる。
【0128】
可動演出中は、透過部Mを通じて第一表示領域111も視認されることになる。第一表示領域111には、演出用の画像(演出を華やかにするための画像等。以下主画像67と称する。主画像67の内容については図示しない)が表示される。つまり、第二表示領域121が透過部Mとされるものであるため、第一表示領域111を可動演出に利用することも可能である。
【0129】
本実施形態では、強調画像60の一部が可動部材40に重なるように表示される(
図27参照。例えば、
図27(a)においては、強調画像60の一番小さい「円」が、可動部材40に重なっている)。本実施形態では、可動部材40に重なる状態で新たに「波紋」(略円形の画像)が生成され、そこから次第に径が大きくなるように変化する。換言すれば、可動演出を通じて、強調画像60が全く可動部材40に重ならないような演出態様ではないということである。具体的には「波紋」の一部(小さい円を呈する部分)が、可動部材40に重なるように表示される。このようにすることで、可動部材40の動作により強調画像60(波紋)が発生しているかのような印象を高めることが可能である。なお、このように強調画像60の一部を可動部材40に重なるように表示することができるのは、第二表示領域121が可動部材40よりも前方に設けられているがゆえであるということができる。
【0130】
また、本実施形態では、強調画像60は半透過部N1とされる。したがって、透過部Mだけでなく、強調画像60が表示されている箇所(半透過部N1)を通じても可動部材40を視認することができる。上記のように、強調画像60の一部が可動部材40に重なるように表示される構成とする場合には、可動部材40が見えにくくなることを抑制するという点において、強調画像60を半透過部N1とすることは有効である。ただし、強調画像60を不透過部N2とすることを否定するわけではない。不透過部N2として強調画像60を表して当該画像を明確に見せることで、可動部材40の動作を強調する作用を高めるという手法も考えられる。
【0131】
このように、本実施形態における可動演出は、可動部材40が動作している最中に第二表示領域121に強調画像60が表示されるものであるから、可動部材40の動作を見せつつ、当該可動部材40の動作が強調されることになる。つまり、可動部材40を用いた演出を分かりやすくすることが可能である。
【0132】
以下、上記可動演出に関する事項を改良、具体化、変形等した具体例について説明する。なお、以下の具体例を用いて説明する技術を複数組み合わせて適用した構成としてもよい。
【0133】
〇第一具体例
可動演出は、遊技者に対して操作手段の操作が促される操作演出中に実行されるものとする(
図28(a)参照)。遊技者に対して要求される操作態様はどのようなものであってもよい。操作手段は、自動的に振動することが可能なもの(例えば押しボタン65)であるとする。可動演出として、強調画像60が表示されて可動部材40が振動している最中には、操作手段である押しボタン65も振動する構成とする(
図28(b)参照)。より具体的には、押しボタン65の操作が演出に反映される操作有効期間中において、可動部材40が振動している(強調画像60が表示されている)最中に、押しボタン65が振動するような構成とする。つまり、可動部材40の振動と、操作手段である押しボタン65の振動がリンクする構成とする。
【0134】
上記可動演出は、可動部材40の振動が強調画像60により強調されるものであるところ、本例では可動部材40が振動されていることとリンクして押しボタン65も振動することになるから、強調画像60により間接的に押しボタン65が振動していることが強調されることになる。
【0135】
操作手段は、可動部材40を模したものを含むものであることが好ましい(
図28(b)参照。なお、
図1に示す押しボタン65の態様は、
図28(b)に示す押しボタン65の態様とは異なる)。上記実施形態に則していえば、可動部材40が表す「エンブレム」を模した部分を含む押しボタン65とする。このようにすることで、可動部材40と操作手段の関係性が明確になる。つまり、可動部材40が振動しているから、それを模した部分を含む操作手段が振動しているという関係となるため、強調画像60により可動部材40の振動が強調されることが、間接的に操作手段の振動を強調することになる作用がより明確になる。
【0136】
操作手段の操作が促されている状況にあることを遊技者に示す画像(例えば「押せ」といった画像;以下、指示画像66と称する)は、第二表示領域121に表示されることが好ましい(
図28(a)参照)。つまり、第二表示領域121の画像表示部Nにより当該指示画像66が表される。第二表示領域121に表示される強調画像60により操作手段の動作が強調されているのであるから、それと併せて指示画像66を第二表示領域121に表示することで、指示画像66を目立たせる。指示を明確に示すため、指示画像66は不透過部N2により表されるものとすることが好ましい。また、指示画像66は強調画像60に重ねて表示されてもよい。
【0137】
〇第二具体例
上記実施形態にて説明した強調画像60の態様はあくまで一例である。可動部材40の動作に則した態様の強調画像60であればよい。例えば、可動部材40が回転するものとし、当該回転に合わせた渦巻き状の画像が強調画像60として表示されるものとすることが考えられる。
【0138】
強調画像60の別例としては、可動部材40の動作に合わせて、可動部材40を模した画像が表示されるような態様とすることが考えられる(
図29参照)。例えば、可動部材40が前後に振動するような動作をするものとし、可動部材40が前方に向かって動作した際に、可動部材40を模した画像(上記実施形態に則していえば「エンブレム」を表す画像)が強調画像60として表示されるものとする。
【0139】
また、可動部材40の動作には、可動部材40が変位することだけでなく、可動部材40の態様が変化すること等が含まれるものとする。例えば、可動部材40に設けられた発光部が発光することを可動部材40の動作とし、当該動作を強調するような強調画像60(例えば、放射状に広がる線状の画像)が表示されたものとすることが考えられる。
【0140】
〇第三具体例
可動部材40が動作した際、強調画像60が表示されるケース(強調画像有)(
図30(a)参照)もあれば、強調画像60が表示されないケース(強調画像無)(
図30(b)参照)もある設定とする。可動部材40の動作態様には実際に差が無い場合であっても、強調画像有の方が、強調画像無よりも、可動部材40の動作が激しい、大きい、といったように見えることになる(ただし、強調画像有の場合と強調画像無の場合とで、動作態様に差をつけることを否定するわけではない)。例えば、上記実施形態のように可動部材40が振動するものであれば、振動の態様が同じであっても、強調画像60が表示された場合の方が、強調画像60が表示されなかった場合よりも、可動部材40の振動が激しく見えることになる。
【0141】
このような構成であることを前提とし、強調画像有の場合と強調画像無との場合とでは、対象当否判定結果の大当たり信頼度が異なる設定とするとよい(
図30参照)。例えば、強調画像有の場合の方が、強調画像無の場合よりも大当たり信頼度が高い設定とすることが考えられる。このようにすることで、可動部材40の動作が強調画像60の作用により強調されること(動作が激しい、大きい、といったように見えること)がいわゆる「チャンスアップ」として設定された遊技性を実現することが可能である。
【0142】
〇第四具体例
上述した通り、可動演出中は、透過部Mを通じて第一表示領域111も視認されることになる。第一表示領域111に表示される主画像67が、可動部材40の動作に合わせて動いているかのように表示される。例えば、可動部材40が振動する可動演出である場合、第一表示領域111に対してずれたかのように主画像67が表示される(「ずれ」の態様が経時的に変化する、いわゆる「シェイク」を発生させる)ようにする。すなわち、主画像67の外縁が、第一表示領域111の外縁に対してずれたかのように表示されるようにする(
図31参照)。これにより、あたかも主画像67が振動しているかのように見える。なお、主画像67の内容(主画像67の外縁よりも内側に表される画像の内容)はどのようなものであってもよいから、図示を省略する(
図27には、主画像67の外縁のみ示す)。
【0143】
このようにすることで、第二表示領域121の透過部Mを通じて視認される第一表示領域111に表示される主画像67が動いているかのように見える。つまり、当該主画像67によっても、可動部材40の動作が強調されることになる。
【0144】
4)以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
【0145】
上記実施形態から得られる具体的手段(遊技機)を以下に列挙する。
【0146】
・手段1−1
表示領域の一部または全部を、後方に位置する部材を視認することが可能な透過部、および当該透過部よりも後方に位置する部材の視認性に劣る画像表示部とすることが可能な透過型表示装置と、前記表示領域に重ならない露出部および前記表示領域の後方で少なくとも一部が重なる重畳部を有し、前記表示領域における前記重畳部に重なる重畳領域が前記透過部とされることで、前記露出部と前記重畳部により一体的な基本装飾形態が構築される装飾ユニットと、を備えることを特徴とする遊技機。
上記遊技機では、装飾ユニットの一部と透過型表示装置の表示領域の一部が重なった状態とされるから、装飾範囲が小さくなるのを抑制することが可能である。
【0147】
・手段1−2
前記露出部の方が、前記重畳部よりも前方に位置することを特徴とする手段1−1に記載の遊技機。
このようにすることで、装飾ユニットと透過型表示装置が占める前後方向のスペースを小さくすることが可能である。
【0148】
・手段1−3
前記重畳領域が前記画像表示部とされることで、当該画像表示部が表す重畳画像と前記露出部とにより一体的な特別装飾形態が構築されることを特徴とする手段1−1または手段1−2に記載の遊技機。
このように、透過型表示装置に表示される重畳画像を利用して、装飾形態を変化させること(基本装飾形態および特別装飾形態の一方から他方への切り替わりを実現すること)が可能である。
【0149】
・手段1−4
前記重畳画像として第一重畳画像が表示されることで、前記特別装飾形態である第一特別装飾形態が構築される演出と、前記重畳画像として前記第一重畳画像とは異なる態様の第二重畳画像が表示されることで、前記特別装飾形態である第二特別装飾形態が構築される演出と、を実行可能であることを特徴とする手段1−3に記載の遊技機。
このように、重畳画像の態様を異ならせることで複数の特別装飾形態が構築されるものとすることも可能である。
【0150】
・手段2−1
表現可能な画像の態様が無限である表示装置であって、表示領域の一部または全部を、後方に位置する部材を視認可能な半透過画像が表示された半透過部とすることが可能な透過型表示装置と、前記表示領域の後方に位置することが可能な部材であって、反射部を有する反射部材と、前記表示領域における前記反射部に重なる対象領域を前記半透過部とし、当該半透過部の半透過画像が前記反射部に写し出されたかのようにみえる被写演出を実行することが可能な演出実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機。
上記遊技機は、透過型表示装置に表示される半透過画像が反射部材の反射部に写し出されたかのように見える面白みのある演出を実行することが可能である。
【0151】
・手段2−2
前記透過型表示装置は、表示領域の一部または全部を、前記半透過部よりも後方に位置する部材の視認性が高い透過部とすることが可能であり、前記被写演出は、前記対象領域を前記半透過部および前記透過部の一方から他方に変化させることを含むものであることを特徴とする手段2−1に記載の遊技機。
このようにすることで、透過部を通じて反射部材が視認される状態との対比により、半透過画像が反射部に写し出されたかのようにみえる状態が強調されることになる。
【0152】
・手段2−3
前記被写演出は、前記対象領域を前記半透過部および前記透過部の一方から他方に交互に変化させることを連続的に行うものであることを特徴とする手段2−2に記載の遊技機。
このようにすることで、反射部材(反射部)が三次元的に見える演出となる。
【0153】
・手段3−1
第一表示装置の第一表示領域に特定画像が表示されることが遊技者に有利な事象として設定された特定演出を実行する演出実行手段と、少なくとも一部が前記第一表示領域に重なる演出位置に位置することが可能な部材であって、前記特定画像の少なくとも一部を模した部分を有する可動部材と、を備え、前記特定演出において前記第一表示領域に前記特定画像が表示されるよりも前に、前記可動部材が前記演出位置に位置させられることを特徴とする遊技機。
上記遊技機の特定演出は、特定画像を模した部分を有する可動部材により、遊技者に有利な事象として設定された特定画像が表示されることが前もって示されるという面白みのある演出である。
【0154】
・手段3−2
当否判定に用いられる当否判定情報の存在を示す保留図柄として通常図柄、および当該通常図柄よりも対応する当否判定結果が当たりとなる蓋然性が高い特定図柄が設定されており、前記特定画像は、前記特定図柄を表すものであることを特徴とする手段3−1に記載の遊技機。
・手段3−3
前記特定図柄は、第一要素部および第二要素部を含むものであり、前記通常図柄は、前記第二要素部を含まず、前記第一要素部を含むものであり、前記特定演出が成功結末となる場合、前記通常図柄が変化して前記特定図柄が表示された状態に至ることを特徴とする手段3−2に記載の遊技機。
上記特定演出は、有利な保留図柄である特定図柄が表示される際に利用することができる。
【0155】
・手段3−4
前記可動部材は、前記第一要素部の少なくとも一部を模した第一装飾部、および前記第二要素部の少なくとも一部を模した第二装飾部を有することを特徴とする手段3−3に記載の遊技機。
特定図柄は、第一要素部および第二要素部を含むものであり、可動部材は、第一要素部に対応する第一装飾部および第二要素部に対応する第二装飾部を有するものであるから、可動部材が特定図柄に対応していることが分かりやすい。通常図柄は、第二要素部を含まず、可動部材は第二要素部に対応する第二装飾部を有するものであるから、可動部材が通常図柄に対応していないということが分かりやすい。
【0156】
・手段3−5
第二表示領域を有し、当該第二表示領域の一部または全部を、後方に位置する部材を視認することが可能な透過部、および当該透過部よりも後方に位置する部材の視認性に劣る画像表示部とすることが可能な第二表示装置を備え、前記可動部材が前記演出位置に至るまでの間は前記可動部材が前記第二表示領域の前記画像表示部に覆われた状態とされ、前記可動部材が前記演出位置に至った後、前記第二表示領域の前記透過部を通じて前記可動部材が視認される状態とされることを特徴とする手段3−1から手段3−4のいずれかに記載の遊技機。
このようにすることで、可動部材が演出位置に向かう動作が画像表示部に覆われて見えにくくなるから、可動部材が突然表れる(露出する)という驚きのある演出を実行することが可能である。
【0157】
・手段4−1
表示領域の一部または全部を、後方に位置する部材を視認することが可能な透過部、および当該透過部よりも後方に位置する部材の視認性に劣る画像表示部とすることが可能な透過型表示装置と、前記表示領域の後方に位置することが可能な装飾部を有する装飾部材と、前記表示領域における前記装飾部が重なる対象領域を前記透過部とした実物装飾演出、および、当該対象領域を前記画像表示部とした上で当該対象領域を含む領域に前記装飾部を模した装飾画像が表示される画像装飾演出の一方から他方に移行する実物・画像切替演出を実行する演出実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機。
上記遊技機は、装飾部材が有する装飾部(実物(有体物))および当該装飾部を模した装飾画像(無体物)の一方が他方に変化したかのように見える面白みのある演出を実行することが可能である。
【0158】
・手段4−2
前記画像装飾演出は、経時的に前記装飾画像の大きさが変化するものであることを特徴とする手段4−1に記載の遊技機。
このようにすることで、遊技者に見せる対象が実物であるがゆえ大きさを変化させることができない実物装飾演出と、画像装飾演出の差が明確になる。例えば、実物装飾演出から画像装飾演出に移行するのであれば、実物からそれを模した画像に切り替わったということが強調される。
【0159】
・手段4−3
前記装飾部材は、前記装飾部以外の部分を有し、前記実物装飾演出において当該装飾部以外の部分は、前記表示領域における前記画像表示部とされた部分に覆われていることを特徴とする手段4−1または手段4−2に記載の遊技機。
このようにすることで、実物装飾演出においては、装飾部以外の部分が見えにくくなる(遊技者に見せるべき部分である装飾部が強調される)。
【0160】
・手段4−4
前記装飾部材は、前記実物装飾演出において位置する演出位置を含む所定範囲を変位することが可能なものであり、前記実物・画像切替演出は、前記画像装飾演出から前記実物装飾演出に移行するものであり、前記装飾部材は、前記画像装飾演出中に前記演出位置に向かって変位するものであって、前記表示領域に重なる状態においては前記演出位置に到達するまで当該表示領域における前記画像表示部とされた部分に覆われることを特徴とする手段4−1から手段4−3のいずれかに記載の遊技機。
このようにすることで、実物装飾演出が開始されたときに突然「実物」である装飾部が現れたかのような印象を与える演出とすることが可能である。
【0161】
・手段5−1
表示領域の少なくとも一部を、後方に位置する部材を視認可能とする透過部、および当該透過部よりも後方に位置する部材の視認性に劣る半透過部とすることが可能な透過型表示装置と、装飾部を有し、当該装飾部が前記表示領域の対象領域の後方に重なる演出位置に位置することが可能な可動部材と、前記可動部材を前記演出位置に位置させずに前記対象領域に前記装飾部を模した半透過装飾画像を表示して当該対象領域を前記半透過部とした半透過演出、および前記可動部材を前記演出位置に位置させて前記対象領域を前記透過部とした実物演出を実行する演出実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機。
上記遊技機によれば、装飾部を模した画像(半透過装飾画像)がぼんやりと見える状態(半透過演出)、および、装飾部そのものが明確に見える状態(実物演出)の一方から他方に変化するという面白みのある演出を実行することが可能である。
【0162】
・手段5−2
前記半透過演出が実行された後、前記演出位置に位置していなかった前記可動部材が前記演出位置まで変位する際に前記半透過装飾画像と当該半透過装飾画像を通じて視認される前記装飾部が重なる範囲が次第に大きくなっていく中継演出を経て、前記可動部材が前記演出位置に到達した後、前記対象領域が透過部とされて前記実物演出が実行されることを特徴とする手段5−1に記載の遊技機。
上記中継演出においては、半透過画像が装飾部(実物)に置き換わっていく様が見えることになる。
【0163】
・手段5−3
前記透過型表示装置は、表示領域の少なくとも一部を、後方に位置する部材を視認することが困難または不可能な不透過部とすることが可能であり、前記半透過演出が実行された後、前記対象領域が前記不透過部とされた上で前記演出位置に位置していなかった前記可動部材が前記演出位置まで変位する中継演出を経て、前記可動部材が前記演出位置に到達した後、前記対象領域が透過部とされて前記実物演出が実行されることを特徴とする手段5−1に記載の遊技機。
上記中継演出を経ることで、半透過装飾画像が、突然、装飾部(実物)に変化したかのような一連の演出とすることが可能である。
【0164】
・手段6−1
表示領域の一部または全部を、後方に位置する部材を視認することが可能な透過部、および当該透過部よりも後方に位置する部材の視認性に劣る画像表示部とすることが可能な透過型表示装置と、前記表示領域の後方で当該表示領域に重なる位置に位置することが可能な装飾部を有する可動部材と、前記表示領域における対象領域を前記透過部とした上で、前記装飾部が前記透過部に重ならない位置から、前記装飾部が前記透過部に重なる位置まで前記可動部材を変位させる露出演出を実行する演出実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機。
上記露出演出は、透過部とされた領域に可動部材(装飾部)が現れるという面白みのある演出である。
【0165】
・手段6−2
前記透過部は、前記画像表示部に囲まれた部分であり、前記露出演出において前記透過部を通じて前記可動部材の一部が視認可能となるまで、前記画像表示部に覆われた状態で前記可動部材が変位することを特徴とする手段6−1に記載の遊技機。
このようにすることで、変位する可動部材が画像表示部により見えにくくなるから、可動部材(装飾部)が突然露出したかのような印象を高めることが可能である。
【0166】
・手段6−3
前記露出演出は、前記画像表示部に含まれる補助画像と、前記透過部を通じて視認される前記装飾部とが、一体的な演出形態を構築するものであることを特徴とする手段6−1または手段6−2に記載の遊技機。
このように、透過部を通じて露出した装飾部(有体物)と、画像表示部が含む補助画像(無体物)とを組み合わせた演出形態が構築されるようにすることも可能である。
【0167】
・手段7−1
表示領域の一部または全部を、後方に位置する部材を視認することが可能な透過部、および当該透過部よりも後方に位置する部材の視認性に劣る画像表示部とすることが可能な透過型表示装置と、前記表示領域の後方に位置することが可能な可動部材と、前記透過部を通じて前記可動部材の動作が視認されつつ、当該可動部材の動作が前記画像表示部により表される強調画像により強調される可動演出を実行する演出実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機。
上記遊技機によれば、可動部材の動作が強調画像により強調されるから、可動部材を用いた演出を分かりやすくすることが可能である。
【0168】
・手段7−2
前記強調画像の一部は、前記可動部材に重なるように表示されることを特徴とする手段7−1に記載の遊技機。
透過型表示装置の表示領域は可動部材の前方に位置するものであるから、可動部材の前方に重なるように強調画像を表示することも可能である。
【0169】
・手段7−3
前記可動演出において、前記可動部材は振動するものであり、前記強調画像は、前記可動部材の外縁から次第に離れていくように表示されるものである手段7−1または手段7−2に記載の遊技機。
このようにすることで、可動部材の振動を強調することが可能である。
【0170】
・手段7−4
前記可動演出は、遊技者に対して操作手段の操作が促される操作演出中に実行されるものであり、前記強調画像が表示されている際、前記操作手段が振動することを特徴とする手段7−3に記載の遊技機。
このようにすることで、可動部材を介して操作手段が振動していることを強調することが可能である。