特許第6984946号(P6984946)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6984946ノード装置、情報処理方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6984946
(24)【登録日】2021年11月29日
(45)【発行日】2021年12月22日
(54)【発明の名称】ノード装置、情報処理方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G08B 27/00 20060101AFI20211213BHJP
   G08B 17/00 20060101ALI20211213BHJP
【FI】
   G08B27/00 A
   G08B17/00 F
【請求項の数】15
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2018-31128(P2018-31128)
(22)【出願日】2018年2月23日
(65)【公開番号】特開2019-145029(P2019-145029A)
(43)【公開日】2019年8月29日
【審査請求日】2021年1月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000232092
【氏名又は名称】NECソリューションイノベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002044
【氏名又は名称】特許業務法人ブライタス
(72)【発明者】
【氏名】上村 一平
【審査官】 吉村 伊佐雄
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−256361(JP,A)
【文献】 特開2003−296840(JP,A)
【文献】 特開2017−63382(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B17/00
23/00−31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置において避難経路を提示するための情報を、複数のエリアそれぞれに配置された複数のノード装置を用いて生成する経路情報生成システムにおいて用いられる前記ノード装置であって、
他の複数のノード装置それぞれの周辺の正常および異常を示す情報を取得する、情報取得部と、
前記複数のエリアそれぞれについて、前記情報取得部が取得した情報に基づいて、前記異常が示されたノード装置の数が予め設定された閾値を超えた場合に、そのエリアを通行不可能と判定する、エリア判定部と、
自身と避難所とを結ぶ1または複数の経路のうち、前記エリア判定部によって通行不可能と判定されたエリアを通る経路を除く経路を避難経路として算出する、経路算出部と、
前記経路算出部が算出した避難経路を示す経路情報を、前記端末装置に送信する、送信部と、
を備える、ノード装置。
【請求項2】
前記送信部は、更に、自身の周辺の正常および異常を示す情報を予め登録された他のノード装置に送信する、請求項1に記載のノード装置。
【請求項3】
前記送信部は、更に、前記情報取得部が取得した他の複数のノード装置の前記情報を、前記予め登録された他のノード装置に送信する、請求項2に記載のノード装置。
【請求項4】
前記他のノード装置それぞれの周辺の正常および異常を示す情報には、他のノード装置自体の正常および異常を示す情報が含まれ、
前記自身の周辺の正常および異常を示す情報には、前記自身の正常および異常を示す情報が含まれる、請求項2または3に記載のノード装置。
【請求項5】
前記他のノード装置それぞれの周辺の正常および異常を示す情報には、他のノード装置の周辺の災害の発生を示す情報が含まれ、
前記自身の周辺の正常および異常を示す情報には、前記自身の周辺の災害の発生を示す情報が含まれる、請求項2から4のいずれかに記載のノード装置。
【請求項6】
端末装置において避難経路を提示するための情報を、複数のエリアそれぞれに配置された複数のノード装置を用いて生成する際に、各ノード装置において行われる情報処理方法であって、
(a)他の複数のノード装置それぞれの周辺の正常および異常を示す情報を取得する、ステップと、
(b)前記複数のエリアそれぞれについて、前記(a)のステップで取得した情報に基づいて、前記異常が示されたノード装置の数が予め設定された閾値を超えた場合に、そのエリアを通行不可能と判定する、ステップと、
(c)自身と避難所とを結ぶ1または複数の経路のうち、前記(b)のステップで通行不可能と判定されたエリアを通る経路を除く経路を避難経路として算出する、ステップと、
(d)前記(c)のステップで算出した避難経路を示す経路情報を、前記端末装置に送信する、ステップと、
を備える、情報処理方法。
【請求項7】
前記(d)のステップでは、更に、自身の周辺の正常および異常を示す情報を予め登録された他のノード装置に送信する、請求項6に記載の情報処理方法。
【請求項8】
前記(d)のステップでは、更に、前記(a)のステップで取得した他の複数のノード装置の前記情報を、前記予め登録された他のノード装置に送信する、請求項7に記載の情報処理方法。
【請求項9】
前記他のノード装置それぞれの周辺の正常および異常を示す情報には、他のノード装置自体の正常および異常を示す情報が含まれ、
前記自身の周辺の正常および異常を示す情報には、前記自身の正常および異常を示す情報が含まれる、請求項7または8に記載の情報処理方法。
【請求項10】
前記他のノード装置それぞれの周辺の正常および異常を示す情報には、他のノード装置の周辺の災害の発生を示す情報が含まれ、
前記自身の周辺の正常および異常を示す情報には、前記自身の周辺の災害の発生を示す情報が含まれる、請求項7から9のいずれかに記載の情報処理方法。
【請求項11】
端末装置において避難経路を提示するための情報を、複数のエリアそれぞれに配置された複数のコンピュータを用いて生成する際に、各コンピュータに、
(a)他の複数のコンピュータそれぞれの周辺の正常および異常を示す情報を取得する、ステップと、
(b)前記複数のエリアそれぞれについて、前記(a)のステップで取得した情報に基づいて、前記異常が示されたコンピュータの数が予め設定された閾値を超えた場合に、そのエリアを通行不可能と判定する、ステップと、
(c)自身と避難所とを結ぶ1または複数の経路のうち、前記(b)のステップで通行不可能と判定されたエリアを通る経路を除く経路を避難経路として算出する、ステップと、
(d)前記(c)のステップで算出した避難経路を示す経路情報を、前記端末装置に送信する、ステップと、
を実行させる、プログラム。
【請求項12】
前記(d)のステップでは、更に、自身の周辺の正常および異常を示す情報を予め登録された他のコンピュータに送信する、請求項11に記載のプログラム。
【請求項13】
前記(d)のステップでは、更に、前記(a)のステップで取得した他の複数のコンピュータの前記情報を、前記予め登録された他のコンピュータに送信する、請求項12に記載のプログラム。
【請求項14】
前記他のコンピュータそれぞれの周辺の正常および異常を示す情報には、他のコンピュータ自体の正常および異常を示す情報が含まれ、
前記自身の周辺の正常および異常を示す情報には、前記自身の正常および異常を示す情報が含まれる、請求項12または13に記載のプログラム。
【請求項15】
前記他のコンピュータそれぞれの周辺の正常および異常を示す情報には、他のコンピュータの周辺の災害の発生を示す情報が含まれ、
前記自身の周辺の正常および異常を示す情報には、前記自身の周辺の災害の発生を示す情報が含まれる、請求項12から14のいずれかに記載のプログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ノード装置、情報処理方法およびこれらを実現するためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
地震または火災等の災害が発生した場合には、災害現場にいる人に対して適切な避難誘導を行うことが重要である。そこで、従来、災害時に適切な避難誘導を行うための種々の装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に開示された避難誘導方式では、通路が複数の区間に分けられ、区間ごとの通路障害情報に基づいて、各区間において発生した障害状態の度合いが判定される。さらに、各区間の障害状態の度合いに基づいて、非常口までの歩行時間が最小となる避難経路が算出され、算出された避難経路に従って避難者が非常口まで誘導される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−49986号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示された避難誘導方式によれば、避難者を非常口まで迅速に誘導することができると考えられる。しかしながら、特許文献1の避難誘導方式では、各区間の障害状態の度合いを判断するに際して、その区間の周辺の区間の障害状態は考慮されない。このため、ある区間の周辺において火災等の障害が発生している場合でも、その区間自体に障害が発生していない場合には、その区間が避難経路に組み込まれる場合がある。この場合、避難者が避難経路に沿って避難している際中に、避難経路に隣接する区間において発生している火災等の障害が避難経路に進行するおそれがある。これにより、避難者が危険に晒されるおそれがある。
【0006】
本発明の目的の一例は、避難者に安全性の高い避難経路を提示することができる、ノード装置、情報処理方法、およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の一側面におけるノード装置は、端末装置において避難経路を提示するための情報を、複数のエリアそれぞれに配置された複数のノード装置を用いて生成する経路情報生成システムにおいて用いられる前記ノード装置であって、
他の複数のノード装置それぞれの周辺の正常および異常を示す情報を取得する、情報取得部と、
前記複数のエリアそれぞれについて、前記情報取得部が取得した情報に基づいて、前記異常が示されたノード装置の数が予め設定された閾値を超えた場合に、そのエリアを通行不可能と判定する、エリア判定部と、
自身と避難所とを結ぶ1または複数の経路のうち、前記エリア判定部によって通行不可能と判定されたエリアを通る経路を除く経路を避難経路として算出する、経路算出部と、
前記経路算出部が算出した避難経路を示す経路情報を、前記端末装置に送信する、送信部と、
を備えることを特徴とする。
【0008】
また、上記目的を達成するため、本発明の一側面における情報処理方法は、端末装置において避難経路を提示するための情報を、複数のエリアそれぞれに配置された複数のノード装置を用いて生成する際に、各ノード装置において行われる情報処理方法であって、
(a)他の複数のノード装置それぞれの周辺の正常および異常を示す情報を取得する、ステップと、
(b)前記複数のエリアそれぞれについて、前記(a)のステップで取得した情報に基づいて、前記異常が示されたノード装置の数が予め設定された閾値を超えた場合に、そのエリアを通行不可能と判定する、ステップと、
(c)自身と避難所とを結ぶ1または複数の経路のうち、前記(b)のステップで通行不可能と判定されたエリアを通る経路を除く経路を避難経路として算出する、ステップと、
(d)前記(c)のステップで算出した避難経路を示す経路情報を、前記端末装置に送信する、ステップと、
を備えることを特徴とする。
【0009】
更に、上記目的を達成するため、本発明の一側面におけるプログラムは、端末装置において避難経路を提示するための情報を、複数のエリアそれぞれに配置された複数のコンピュータを用いて生成する際に、各コンピュータに、
(a)他の複数のコンピュータそれぞれの周辺の正常および異常を示す情報を取得する、ステップと、
(b)前記複数のエリアそれぞれについて、前記(a)のステップで取得した情報に基づいて、前記異常が示されたコンピュータの数が予め設定された閾値を超えた場合に、そのエリアを通行不可能と判定する、ステップと、
(c)自身と避難所とを結ぶ1または複数の経路のうち、前記(b)のステップで通行不可能と判定されたエリアを通る経路を除く経路を避難経路として算出する、ステップと、
(d)前記(c)のステップで算出した避難経路を示す経路情報を、前記端末装置に送信する、ステップと、
を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
以上のように本発明によれば、避難者に安全性の高い避難経路を提示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明の実施の形態におけるノード装置の概略構成を示す構成図である。
図2図2は、本実施の形態における経路情報生成システムの一例を示す図である。
図3図3は、端末装置において提示される避難経路の一例を示す図である。
図4図4は、本発明の一実施形態に係るノード装置の構成を具体的に示すブロック図である。
図5図5は、ノード情報(初期値)の一例を示す図である。
図6図6は、ノード情報(更新後)の一例を示す図である。
図7図7は、本発明の実施の形態における情報処理方法の動作を示すフロー図である。
図8図8は、本発明の実施の形態におけるノード装置を実現するコンピュータの一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(実施の形態)
以下、本発明の実施の形態における、ノード装置、情報処理方法およびプログラムについて、図1図8を参照しながら説明する。
【0013】
[装置構成]
最初に、本発明の実施の形態におけるノード装置の構成について説明する。図1は、本発明の実施の形態におけるノード装置の概略構成を示す構成図である。図1に示すように、本実施の形態におけるノード装置10は、情報取得部12と、エリア判定部14と、経路算出部16と、送信部18とを備えている。
【0014】
本実施の形態におけるノード装置10は、経路情報生成システムの構成要素として、例えば、市街地、商業施設、又は工場等の種々の場所で利用することができる。図2は、本実施の形態における経路情報生成システムの一例を示す図である。なお、図2は、本実施形態に係る経路情報生成システム100を市街地に配置した例である。また、本実施形態では、経路情報生成システム100は、複数の避難者51〜54それぞれが保持する端末装置60に、避難経路を提示するための情報を送信する。
【0015】
図2に示すように、経路情報生成システム100は、複数のノード装置10を含む。図2に示した例では、市街地が複数のエリアA1〜A8に区分されており、複数のエリアA1〜A8にそれぞれ複数のノード装置10が設置されている。なお、図2においては、エリアA1〜A8はそれぞれ、一点鎖線で囲まれた領域であり、一点鎖線で囲まれた領域内に示された複数の実線の円がノード装置10である。各エリアA1〜A8には、複数の建物および公園等が設けられている。また、本実施形態では、エリアA1内の公園、エリアA6内の小学校およびエリアA8内の公園が避難所として予め登録されている。なお、図2に示したエリアの数は一例であり、設定されるエリアの数は、7以下であってもよく、9以上であってもよい。
【0016】
図1および図2を参照して、ノード装置10の情報取得部12は、他の複数のノード装置10それぞれの周辺の正常および異常を示す情報を取得する。なお、以下においては、ノード装置10の周辺の正常および異常を示す情報を、「周辺情報」とも記載する。本実施形態では、後述するように、情報取得部12は、他のノード装置10から、複数のノード装置10それぞれの周辺情報を取得する。なお、本実施形態では、ノード装置10の周辺の異常とは、例えば、ノード装置10の周辺において、火災、建築物の倒壊、または道路の地割れ等の災害が発生している状態を意味する。
【0017】
エリア判定部14は、複数のエリアA1〜A8それぞれについて、情報取得部12が取得した複数のノード装置10の周辺情報に基づいて、通行の可能および不可能を判定する。具体的には、エリア判定部14は、エリアA1〜A8それぞれについて、周辺の異常が示されたノード装置10の数が予め設定された閾値を超えた場合に、そのエリアを通行不可能と判定する。なお、閾値は、エリアごとに設定される。
【0018】
経路算出部16は、自身(ノード装置10)と避難所とを結ぶ1または複数の経路のうち、エリア判定部14によって通行不可能と判定されたエリアを通る経路を除く経路を避難経路として算出する。なお、本実施形態では、経路算出部16は、通行不可能と判定されたエリアを通る経路を除く全ての経路を避難経路として算出する必要はなく、通行不可能と判定されたエリアを通る全ての経路の中から抽出された所定の経路を避難経路として算出すればよい。避難経路は、例えば、ダイクストラ法またはA*探索アルゴリズム等の公知の種々の技術を利用して算出することができる。このため、避難経路の算出方法の詳細な説明は省略する。
【0019】
送信部18は、経路算出部16が算出した避難経路を示す経路情報を、自身の通信範囲内に位置している端末装置60に送信する。これにより、端末装置60において、経路情報を送信したノード装置10の位置に応じた避難経路を提示することができる。
【0020】
図3は、端末装置60において提示される避難経路の一例を示す図である。図2および図3を参照して、例えば、避難者53が保持する端末装置60においては、端末装置60に経路情報を送信したノード装置10の位置を現在位置として、現在位置と避難所(2つの公園)とを結ぶ3つの避難経路R1〜R3が示される。なお、経路算出部16が算出する避難経路の数は、1であってよく、2つであってもよく、4つ以上であってもよい。
【0021】
以上のように、本実施形態では、複数のエリアA1〜A8それぞれについて、複数のノード装置10の周辺情報に基づいて、通行の可能および不可能が判定され、その判定結果に基づいて、避難経路が算出される。これにより、災害が密集して発生している地域から離れた位置を通るように、避難経路を算出することができる。その結果、避難者51〜54に、安全性の高い避難経路を提示することができる。
【0022】
次に、ノード装置10の具体的な構成について説明する。図4は、本発明の一実施形態に係るノード装置10の構成を具体的に示すブロック図である。上述したように、ノード装置10は、経路情報生成システム100(図2参照)の構成要素として用いられる。また、本実施形態においては、各ノード装置10には、予め識別情報が付されている。また、詳細な説明は省略するが、経路情報生成システム100を利用する端末装置60には、避難経路を提示するためのアプリケーションプログラムがインストールされている。
【0023】
図4を参照して、本実施形態では、ノード装置10は、上述の情報取得部12、エリア判定部14、経路算出部16、および送信部18に加えて、撮像部20、異常判定部22、ノード情報記憶部24およびマップ情報記憶部26を備えている。
【0024】
ノード情報記憶部24には、ノード情報が記憶されている。ノード情報には、自身および他の複数のノード装置10それぞれの周辺の正常および異常を示す情報が含まれる。本実施形態では、ノード情報記憶部24には、ノード情報として、例えば、図5に示すようなノードテーブルが記憶されている。図5を参照して、ノードテーブルには、各ノード装置10の設置エリアを示す情報、各ノード装置10の識別情報、災害判定フラグ、死活判定フラグ、異常判定フラグ、およびエリア判定フラグが格納されている。
【0025】
本実施の形態では、各フラグは2値(「0」および「1」)で表される。図5に示すように、各フラグの初期値は、「0」に設定される。なお、本実施形態では、異常判定フラグ、災害判定フラグおよび死活判定フラグが、ノード装置10の正常および異常を示す情報に相当する。
【0026】
災害判定フラグは、各ノード装置10の周辺において災害が発生しているか否かを示すフラグである。災害判定フラグは、各ノード装置10において、異常判定部22によって設定される。後述するように、異常判定部22は、自身(ノード装置10)の周辺において災害が発生していると判断した場合に、自身の災害判定フラグを「1」に設定する。
【0027】
死活判定フラグは、各ノード装置10の死活情報(正常に作動しているか否かを示す情報)を示すフラグである。死活判定フラグは、各ノード装置10において、異常判定部22によって設定される。後述するように、異常判定部22は、予め設定された自身の周辺の1以上のノード装置10のうち、故障が発生していると判断したノード装置10の死活判定フラグを「1」に設定する。
【0028】
異常判定フラグは、各ノード装置10の周辺において異常が発生しているか否かを示すフラグである。異常判定フラグは、各ノード装置10において、異常判定部22によって設定される。後述するように、異常判定部22は、災害判定フラグおよび死活判定フラグのうちの少なくとも一方のフラグが「1」に設定されているノード装置10の異常判定フラグを「1」に設定する。
【0029】
エリア判定フラグは、エリアA1〜A8の通行の可否を示すフラグである。エリア判定フラグは、各ノード装置10において、エリア判定部14によって設定される。後述するように、エリア判定部14は、周辺において異常が発生しているノード装置10の数が予め設定された条件を満たしたエリアについて、エリア判定フラグを「1」に設定する。
【0030】
本実施形態では、ノード情報記憶部24に記憶されたノード情報は、送信部18によって、所定時間ごとに予め登録された他の1以上のノード装置10に送信される。本実施形態では、送信部18は、例えば、WiFi(登録商標)等の公知の近距離無線通信の通信規格を利用して、自身の周辺に設置された他の1以上のノード装置10にノード情報を送信する。
【0031】
情報取得部12は、他の1以上のノード装置10から送信されたノード情報を取得し、取得したノード情報に基づいて、ノード情報記憶部24に記憶されているノード情報を更新する。具体的には、図6に示すように、情報取得部12は、受信したノード情報に基づいて、異常判定フラグ、災害判定フラグ、死活判定フラグおよびエリア判定フラグを更新する。また、本実施形態では、後述するように、エリア判定部14は、更新された異常判定フラグに基づいて、エリア判定フラグを設定する。
【0032】
エリア判定部14は、ノード情報記憶部24に記憶されているノード情報に基づいて、複数のエリアA1〜A8それぞれについて、通行の可能および不可能を判定する。具体的には、エリア判定部14は、エリアA1〜A8それぞれについて、異常判定フラグが「1」に設定されているノード装置10の数が予め設定された閾値を超えているか否かを判定する。そして、異常判定フラグが「1」に設定されているノード装置10の数が予め設定された閾値を超えているエリアについては、通行不可能と判定し、通行不可能と判定したエリアのエリア判定フラグを「1」に設定する。一方、異常判定フラグが「1」に設定されているノード装置10の数が予め設定された閾値を超えていないエリアについては、通行可能と判定し、通行可能と判定したエリアのエリア判定フラグは「0」のまま維持する。なお、本実施形態では、エリア判定部14は、ノード情報記憶部24に記憶されているノード情報において既にエリア判定フラグが「1」に設定されているエリアについては、上記の判定を行なわなくてよい。また、本実施形態では、閾値は、エリアごとに設定される。
【0033】
経路算出部16は、自身と予め設定された避難所とを結ぶ1または複数の経路のうち、エリア判定部14によって通行不可能と判定されたエリアを通る経路を除く経路を避難経路として算出する。
【0034】
本実施形態では、経路算出部16は、例えば、公知の算出方法(ダイクストラ法またはA*探索アルゴリズム等)を利用して、通行可能と判定されたエリアのみを通る複数の経路を算出する。経路算出部16は、算出された複数の経路のうち、安全性の高い経路を、第1経路として抽出する。例えば、経路算出部16は、自治体が設定したハザードマップに基づいて、安全性の高い順に所定数の経路を第1経路として抽出する。次に、経路算出部16は、抽出した各第1経路の長さを算出する。そして、経路算出部16は、複数の第1経路から距離の短い順に抽出された所定数の経路を避難経路とする。最後に、経路算出部16は、抽出した所定数の避難経路を、誘導される避難所の容量が多い順に優先度が高くなるように重み付けする。そして、抽出した避難経路を、優先度とともに、マップ情報記憶部26に記憶させる。なお、本実施形態では、経路算出部16は、例えば、異常判定フラグが「1」に設定されているノード装置10の数が所定数を超えているエリアに属する避難所への経路は除外して、避難経路を算出する。また、経路算出部16は、異常判定フラグが「1」に設定されているノード装置10が設置さている経路を除外して、避難経路を算出する。すなわち、本実施形態では、経路算出部16によって算出される避難経路上には、異常判定フラグが「1」に設定されているノード装置10は存在しない。
【0035】
また、本実施形態では、経路算出部16は、例えば、図3に示したような、予め登録されているマップ上に避難経路および異常発生箇所を示した避難誘導マップを生成し、生成した誘導マップをマップ情報記憶部26に記憶させる。なお、本実施形態では、経路算出部16は、誘導マップ上において、避難経路の優先度を示してもよい。
【0036】
マップ情報記憶部26に記憶された誘導マップおよび避難経路の優先度は、経路情報として送信部18によって端末装置60に送信される。具体的には、各ノード装置10の送信部18は、通信可能な位置に存在する端末装置60に経路情報を送信する。本実施形態では、送信部18は、例えば、Bluetooth(登録商標)等の公知の近距離無線通信の通信規格を利用して、無線通信を行なうことができる。
【0037】
撮像部20は、カメラであり、ノード装置10の周辺の画像を撮影する。
【0038】
異常判定部22は、上述したように、ノード情報記憶部24に記憶されているノード情報の災害判定フラグ、死活判定フラグ、および異常判定フラグを設定する。具体的には、異常判定部22は、撮像部20が撮影した画像と、予め登録された画像(通常時の画像)とを比較して、ノード装置10の周辺において災害が発生したか否かを判定する。公知の技術を利用できるので詳細な説明は省略するが、異常判定部22は、例えば、撮像部20が撮影した画像と、予め登録された画像とを比較して特異点を抽出し、抽出した特異点に基づいて、災害の発生の有無を判定する。本実施形態では、所定時間(例えば、1分)ごとに撮像部20による撮影および異常判定部22による災害の有無の判定が行われる。そして、異常判定部22は、ノード装置10の周辺において災害が発生していると判断した場合に、自身の災害判定フラグを「1」に設定する。一方、異常判定部22は、自信の周辺において災害が発生していないと判断した場合には、自身の災害判定フラグは「0」のまま維持する。なお、本実施形態では、異常判定部22は、ノード情報記憶部24に記憶されているノード情報において既に災害判定フラグが「1」に設定されているノード装置10については、上記の判定を行なわなくてよい。
【0039】
また、本実施形態では、異常判定部22は、自身にノード情報を送信するノード装置10として予め登録された他の1以上のノード装置10の死活監視を行う。なお、死活監視については公知の技術を利用できるので詳細な説明は省略するが、本実施形態では、異常判定部22は、例えば、情報取得部12が取得するノード情報に基づいて、他のノード装置10の死活監視を行う。具体的には、異常判定部22は、予め登録された他の1以上のノード装置10のうち、情報取得部12に対して所定時間以上ノード情報を送信していないノード装置10を、正常に作動していないと判定する。そして、異常判定部22は、正常に作動していないと判定したノード装置10の死活判定フラグを「1」に設定する。一方、異常判定部22は、情報取得部12に対して所定時間内にノード情報を送信してきたノード装置10については、正常に作動していると判定する。異常判定部22は、正常に作動していると判定したノード装置10の死活判定フラグは「0」のまま維持する。なお、本実施形態では、異常判定部22は、ノード情報記憶部24に記憶されているノード情報において既に死活判定フラグが「1」に設定されているノード装置10については、上記の判定を行なわなくてよい。
【0040】
なお、本実施形態では、異常判定部22は、例えば、自身(ノード装置10)に機能障害(例えば、Bluetoothの通信機能障害)が発生した場合に、自身が正常に作動していないと判定し、自身の死活判定フラグを「1」に設定してもよい。また、異常判定部22は、自身に機能障害が発生したと判断した場合に、通信可能な手段(例えば、WiFi)によって他のノード装置10に機能障害が発生したことを伝達してもよい。この場合、他のノード装置10の異常判定部22が、機能障害が発生したノード装置10の死活判定フラグを「1」に設定してもよい。
【0041】
また、異常判定部22は、災害判定フラグおよび死活判定フラグのうちの少なくとも一方のフラグが「1」に設定されているノード装置10を、周辺において異常が発生したノード装置10であると判定する。そして、異常判定部22は、周辺において異常が発生したと判定したノード装置10の異常判定フラグを「1」に設定する。一方、異常判定部22は、災害判定フラグおよび死活判定フラグの両方が「0」に設定されているノード装置10については、周辺において異常が発生していないノード装置10であると判定する。そして、異常判定部22は、周辺において異常が発生していないと判定したノード装置10の異常判定フラグは「0」のまま維持する。なお、本実施形態では、異常判定部22は、ノード情報記憶部24に記憶されているノード情報において既に異常判定フラグが「1」に設定されているノード装置10については、上記の判定を行なわなくてよい。
【0042】
以上のように、本実施形態では、複数のエリアA1〜A8それぞれについて、複数のノード装置10の周辺の災害状況および複数のノード装置10の状態に基づいて、通行の可否が判定され、その判定結果に基づいて、避難経路が算出される。これにより、災害が密集して発生している地域から離れた位置を通るように、避難経路を算出することができる。その結果、避難者に、安全性の高い避難経路を提示することができる。
【0043】
[装置動作]
次に、本発明の実施の形態におけるノード装置10の動作について図7を用いて説明する。図7は、本発明の実施の形態における情報処理方法の動作を示すフロー図である。以下の説明においては、適宜図1図6を参酌する。また、本実施の形態では、ノード装置10を動作させることによって、情報処理方法が実施される。よって、本実施の形態における情報処理方法の説明は、以下のノード装置10の動作説明に代える。
【0044】
図7を参照して、本実施形態では、上述したように、まず、情報取得部12が、他のノード装置10からノード情報を取得する(ステップS1)。次に、上述したように、情報取得部12は、ステップS1で取得したノード情報に基づいて、ノード情報記憶部24に記憶されているノード情報を更新する(ステップS2)。また、ステップS2においては、上述したように、異常判定部22によって、ノード情報の災害判定フラグ、死活判定フラグ、および異常判定フラグが設定される。なお、災害判定フラグ、死活判定フラグ、および異常判定フラグの設定は、ステップS1の処理の前に行なわれてもよい。
【0045】
次に、上述したように、エリア判定部14は、ノード情報記憶部24に記憶されているノード情報に基づいて、複数のエリアA1〜A8それぞれについて、通行の可否を判定する(ステップS3)。また、ステップS3において、エリア判定部14は、ノード情報記憶部24に記憶されているノード情報を更新し、通行不可能と判定したエリアのエリア判定フラグを「1」に設定する。
【0046】
次に、上述したように、経路算出部16は、ノード情報記憶部24に記憶されているノード情報に基づいて、経路情報(避難経路が示された避難マップ等)を生成し、生成した経路情報をマップ情報記憶部26に記憶させる(ステップS4)。次に、送信部18は、マップ情報記憶部26に記憶された経路情報を、通信可能な領域に存在する端末装置60に送信する(ステップS5)。また、送信部18は、ノード情報記憶部24に記憶されたノード情報を予め登録された他の1以上のノード装置10に送信する(ステップS6)。なお、ステップS5およびステップS6の処理の順番は特に限定されない。
【0047】
本実施形態では、ノード装置10は、例えば、情報取得部12が他のノード装置10からノード情報を受信するごとに、上述のS1〜S6の処理を実行する。本実施形態では、情報取得部12によるノード情報の受信は、所定時間毎に実行される。
【0048】
なお、詳細な説明は省略するが、本実施形態では、複数のノード装置10の全てまたは一部のノード情報記憶部24およびマップ情報記憶部26の内容は、任意のタイミングで初期値に戻される。具体的には、例えば、クラウドサーバから複数のノード装置10に対して指示を行うことによって、ノード情報記憶部24およびマップ情報記憶部26の内容を初期値に戻すことができる。また、例えば、クラウドサーバから複数のノード装置10に対して指示を行うことによって、ノード情報記憶部24およびマップ情報記憶部26の内容を更新してもよい。
【0049】
[プログラム]
本実施の形態におけるプログラムは、コンピュータに、図7に示すステップS1〜S6を実行させるプログラムであればよい。このプログラムをコンピュータにインストールし、実行することによって、本実施の形態におけるノード装置と情報処理方法とを実現することができる。この場合、コンピュータのプロセッサは、情報取得部12、エリア判定部14、経路算出部16、送信部18および異常判定部22として機能し、処理を行なう。
【0050】
また、本実施の形態では、ノード情報記憶部24およびマップ情報記憶部26は、コンピュータに備えられたハードディスク等の記憶装置に、これらを構成するデータファイルを格納することによって、又はこのデータファイルが格納された記録媒体をコンピュータと接続された読取装置に搭載することによって実現されている。
【0051】
また、本実施の形態におけるプログラムは、複数のコンピュータによって構築されたコンピュータシステムによって実行されてもよい。この場合は、例えば、各コンピュータが、それぞれ、情報取得部12、エリア判定部14、経路算出部16、送信部18および異常判定部22のいずれかとして機能してもよい。また、ノード情報記憶部24およびマップ情報記憶部26は、本実施の形態におけるプログラムを実行するコンピュータとは別のコンピュータ上に構築されていてもよい。
【0052】
[物理構成]
ここで、本実施の形態におけるプログラムを実行することによって、ノード装置を実現するコンピュータについて図8を用いて説明する。図8は、本発明の実施の形態におけるノード装置10を実現するコンピュータの一例を示すブロック図である。
【0053】
図8に示すように、コンピュータ110は、CPU111と、メインメモリ112と、記憶装置113と、入力インターフェイス114と、表示コントローラ115と、データリーダ/ライタ116と、通信インターフェイス117とを備える。これらの各部は、バス121を介して、互いにデータ通信可能に接続される。なお、コンピュータ110は、CPU111に加えて、又はCPU111に代えて、GPU(Graphics Processing Unit)、又はFPGA(Field-Programmable Gate Array)を備えていてもよい。
【0054】
CPU111は、記憶装置113に格納された、本実施の形態におけるプログラム(コード)をメインメモリ112に展開し、これらを所定順序で実行することにより、各種の演算を実施する。メインメモリ112は、典型的には、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性の記憶装置である。また、本実施の形態におけるプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体120に格納された状態で提供される。なお、本実施の形態におけるプログラムは、通信インターフェイス117を介して接続されたインターネット上で流通するものであってもよい。
【0055】
また、記憶装置113の具体例としては、ハードディスクドライブの他、フラッシュメモリ等の半導体記憶装置が挙げられる。入力インターフェイス114は、CPU111と、キーボードおよびマウスといった入力機器118との間のデータ伝送を仲介する。表示コントローラ115は、ディスプレイ装置119と接続され、ディスプレイ装置119での表示を制御する。
【0056】
データリーダ/ライタ116は、CPU111と記録媒体120との間のデータ伝送を仲介し、記録媒体120からのプログラムの読み出し、およびコンピュータ110における処理結果の記録媒体120への書き込みを実行する。通信インターフェイス117は、CPU111と、他のコンピュータとの間のデータ伝送を仲介する。
【0057】
また、記録媒体120の具体例としては、CF(Compact Flash(登録商標))およびSD(Secure Digital)等の汎用的な半導体記憶デバイス、フレキシブルディスク(Flexible Disk)等の磁気記録媒体、又はCD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)などの光学記録媒体が挙げられる。
【0058】
なお、本実施の形態におけるノード装置10は、プログラムがインストールされたコンピュータではなく、各部に対応したハードウェアを用いることによっても実現可能である。更に、ノード装置10は、一部がプログラムで実現され、残りの部分がハードウェアで実現されていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明によれば、避難者に安全性の高い避難経路を提示することができる。
【符号の説明】
【0060】
10 ノード装置
12 情報取得部
14 エリア判定部
16 経路算出部
18 送信部
20 撮像部
22 異常判定部
24 ノード情報記憶部
26 マップ情報記憶部
100 経路情報生成システム

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8