(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
電子デバイスと、該電子デバイスの周囲を取り囲む支持体と、これら電子デバイス及び支持体を包むように配置された可撓性回路基板とからなる構造体を有する半導体装置であって、
前記可撓性回路基板に形成されて前記支持体を露出させる開口部を有し、
前記可撓性回路基板は、前記開口部にて露出する第1内部配線と、前記開口部とは異なる他の位置で露出する第2内部配線とを有することを特徴とする半導体装置。
前記可撓性回路基板の開口部に露出する支持体及び前記可撓性回路基板の第1内部配線は、上部に位置する放熱部材に接触して配置されることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
前記電子デバイスと、該電子デバイスの周囲を取り囲む支持体と、これら電子デバイス及び支持体を包むように配置された可撓性回路基板とからなる構造体は、上下に複数段設置されており、
複数段のうち、下段に位置する前記構造体の前記可撓性回路基板には、前記支持体を実装基板に対して露出させる第3開口部が形成され、
前記第3開口部には前記支持体の熱を実装基板に排出する放熱部材が配置されていることを特徴とする請求項7に記載の半導体装置。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明に係る半導体装置100について、
図1を参照して説明する。
この半導体装置100は、電子デバイス101と、この電子デバイス101を取り囲む支持体102と、電子デバイス101を含む回路を構成する可撓性回路基板103とからなる構造体104、を具備する。
【0016】
可撓性回路基板103は電子デバイス101及び支持体102を包むように配置されたものであって、支持体102を露出させる開口部105を有している。
また、この可撓性回路基板103には、開口部105にて露出する第1内部配線106と、開口部105とは異なる他の位置(符号Mで示す)で露出する第2内部配線107とがそれぞれ設置されている。
【0017】
そして、以上のように構成された半導体装置100によれば、可撓性回路基板103の開口部105から露出される支持体102に、例えば、上部に放熱部材108を接触配置することで、該開口部105を通じて、電子デバイス101で生じた熱を速やかに外部に排出することができる。
また、上記半導体装置100では、開口部105にて露出する第1内部配線106と、該開口部105とは異なる他の位置Mで露出する第2内部配線107とが可撓性回路基板103に含有されているので、これら第1及び第2内部配線106,107を経由して、同様に電子デバイス101で生じた熱を速やかに外部に排出することができる。
具体的には、可撓性回路基板103の第1内部配線106では、上部に位置する放熱部材108を通じて電子デバイス101の熱を外部に排出することができる。また、可撓性回路基板103の第2内部配線107では、下部に位置する実装基板109を通じて電子デバイス101の熱を外部に排出することができる。
【0018】
すなわち、上記半導体装置100では、電子デバイス101で発生した熱を、支持体102とともに、可撓性回路基板103の第1及び第2内部配線106,107を併用して外部に排出することで、特に支持体102に大型化の原因となる突出部分を設けることなく、小型化を図りつつ効率的な排熱が可能となる。
【0019】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に係る半導体装置110について、
図2の正断面図及び
図3の平面図を参照して説明する。
第1実施形態に係る半導体装置110は、電子デバイス1、この電子デバイス1を取り囲む支持体2、電子デバイス1を含む回路を構成する可撓性回路基板3、及び可撓性回路基板3の上面に搭載された放熱部材4を有する構造体20からなる。
【0020】
電子デバイス1としては例えば半導体ベアチップ、パッケージ化された電子部品、受動部品(コンデンサ、抵抗、インダクタ)などを用いることができる。
支持体2の材料としては、例えば金属(鉄、アルミニウム、アルミニウムを含んだ合金、ニッケルと鉄を含んだ合金、ニッケルとクロムを含んだ合金、クロムを含んだ合金、銅)、シリコン、樹脂材料(ナイロン樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、カーボン樹脂、アラミド樹脂)、雲母(マイカ)などを用いることができる。
【0021】
可撓性回路基板3は電子デバイス1及び支持体2を共に包むように配置されたものであって、その一部には支持体2を上部に露出させる開口部5を有している。
【0022】
放熱部材4は伝熱シート12を介して可撓性回路基板3の上面に搭載されたものであって、両側に位置する脚部4Aにより支持体2に連結される。
ここに示される放熱部材4はヒートシンクの形をしているが、放熱部材4は一般的に用いられているヒートシンク(放熱器、放熱板)、導熱シート、導熱ゴム、又は半導体装置をカバーしている筐体などにより構成されている。
また、可撓性回路基板3の下方には、半導体装置110を実装するとともに放熱部材としての機能を有する実装基板10が設置されている。
【0023】
また、可撓性回路基板3は2層の配線構造を有しており、上層に位置する可撓性回路基板3の絶縁層内には内部配線Aが、下層に位置する可撓性回路基板3の絶縁層内には内部配線Bがそれぞれ含有されている。
内部配線A及び内部配線Bの末端部は、可撓性回路基板3の上部位置及び下部位置から外部に向けてそれぞれ突出しており、内部配線Aの突出部が開口部5内にて放熱部材4に接続され、かつ内部配線Bの突出部が開口部5とは異なる他の位置M1にて実装基板10に接続されている。
また、可撓性回路基板3の下層配線部では、支持体2の両側端部で2度折り曲げることで、電子デバイス1と支持体2とを包み込んだ構造になっている。
【0024】
また、本実施形態の半導体装置110では、可撓性回路基板3の上層下面に位置する第一面6に第1の外部電極7があり、可撓性回路基板3の下層下面に位置する第二面8に第2の外部電極9がある。
第1の外部電極7には電子デバイス1が電気的に接続されており、第2の外部電極9には実装基板10が電気的に接続されている。
【0025】
なお、第2の外部電極9には、実装基板10との接続のための外部端子11が形成されており、外部端子11としては、例えば錫を含んだ金属材料で構成された半田ボール等を使用することが好ましい。
上記例では、半田ボールに限定されず、表面実装型部品の形状であれば、半田ボールなしで対応することも可能である。
【0026】
本実施形態の半導体装置110における熱の伝達経路について
図4を参照して説明する。
電子デバイス1で発生した熱は、電子デバイス1の表面と接触している可撓性回路基板3に伝わり、その後、可撓性回路基板3と接触している支持体2、及び開口部5で該支持体2と接触している放熱部材4を順次経て外部に放出される。
【0027】
また、電子デバイス1で発生した一部の熱は、電子デバイス1の表面と接触している可撓性回路基板3の上層の内部配線Aに伝達され、可撓性回路基板3の開口部5にて内部配線Aと接触している放熱部材4を順次経て外部に放出される。
さらに、電子デバイス1で発生した一部の熱は、電子デバイス1の表面と接触している可撓性回路基板3の下層の内部配線Bに伝達され、下部位置にて内部配線Bと接触している実装基板10を順次経て外部に放出される。
【0028】
以上のように構成された半導体装置110によれば、可撓性回路基板3の開口部5から露出される支持体2に放熱部材4が設置されているので、該開口部5を通じて、電子デバイス1で生じた熱を速やかに外部に排出することができる。
また、上記半導体装置110では、開口部5にて露出する第1内部配線Aと、該開口部5とは異なる他の位置M1で露出する第2内部配線Bとが、放熱部材4及び実装基板10に接続されているので、これら内部配線A,Bを経由して、同様に電子デバイス1で生じた熱を速やかに外部に排出することができる。
具体的には、可撓性回路基板3の第1内部配線Aでは、上部に位置する放熱部材4を通じて電子デバイス1の熱を外部に排出することができる。また、可撓性回路基板3の第2内部配線Bでは、下部に位置する実装基板10を通じて電子デバイス1の熱を外部に排出することができる。
【0029】
すなわち、上記半導体装置110では、電子デバイス1で発生した熱を、支持体102とともに、可撓性回路基板3の第1及び第2内部配線A,Bを併用して外部に排出することで、特に支持体2に大型化の原因となる突出部分を設けることなく、小型化を図りつつも効率的な排熱が可能となる。
【0030】
以上の点をまとめると、第1実施形態では、第一の効果として可撓性回路基板3の開口部5に露出している電子デバイス1の支持体2を、放熱部材4に直接接続することにより、電子デバイス1で発生した熱の放熱性を高めることができる。
第二の効果は放熱性を高めることにより、熱問題で使用が難しい電子装置にも搭載可能な半導体装置を提供することができる。
第三の効果は可撓性回路基板3の開口部5に露出している内部配線Aを放熱部材4に直接接続することにより、小型化を図りつつも電子デバイス1で発生した熱の放熱性を高めることができる。
第四の効果は可撓性回路基板3の下部位置で露出している内部配線Bを実装基板10に直接接続することにより、小型化を図りつつも電子デバイス1で発生した熱の放熱性を高めることができる。
【0031】
図5(A)は第1実施形態の変形例を示す半導体装置110であり、第1実施形態の内部配線A,Bとは形状が異なっている。
すなわち、変形例に示される内部配線A,Bが外部に露出される末端部の形状は、断面が四角形状であることに限定されず、
図5(A)に示されるような、熱排出に適するように表面積を大きくした形状としても良い。
【0032】
図5(B)は第1実施形態の変形例2を示す半導体装置110であり、第1実施形態とは内部配線Bの位置が異なっている。
すなわち、変形例に示される内部配線Bは、平面視した場合に、可撓性回路基板3の両側部ではなく、四角形状のいずれかの側部から適宜露出させるようにしても良い。
【0033】
次に、第1実施形態に係る半導体装置110の製造方法について説明する。
まず、第1実施形態の半導体装置110を製造するに際して、
図6に示される電子デバイス1、
図7に示される支持体2、
図8に示される配線層数が2層の可撓性回路基板3、及び外部端子11として用いる半田ボールを用意する。
【0034】
図6に示される電子デバイス1は、外形サイズが「約13mm×13mm」で高さ0.7mmに形成されている。
図7に示される支持体2は、中心に穴が開いている形状であって、外形サイズが「約23mm×17mm」で、厚さ0.7mmに形成されている。
【0035】
図8に示される可撓性回路基板3は、第1絶縁層13、第2絶縁層14及び第3絶縁層15で挟まれた2層の配線層(図示略)を有し、外形サイズが「約17mm×36mm」で厚さ0.14mmに形成されている。
また、半導体装置110の外部端子11に用いる半田ボールとしては、直径約0.8mmのSn-Ag-Cu系はんだボールを約100個用意する。
なお、本実施形態では、可撓性回路基板3については2層構成の配線層で説明しているが、配線層数が1層又は、3層以上の多層の可撓性回路基板3でも構成できることは言うまでもない。
図9は可撓性回路基板3を開いた状態で上方から視た平面図である。
【0036】
上述したような可撓性回路基板3を用意したならば、該可撓性回路基板3の第一面6で、かつ予め支持体2の表面及び電子デバイス1表面と接着させる箇所に対応する部分(
図8参照)に、接着層として厚さ約25μmの熱可塑性の接着シート16を貼っておく。ここで使用される接着シート16の熱可塑性樹脂には、約150℃で接着できる材料を用いる。
その後、可撓性回路基板3の第一面6の第1の外部電極7上にフラックス又はクリーム半田を塗布し、フリップチップ実装マウンター、及びチップマウンターを用いて、電子デバイス1、支持体2を可撓性回路基板3に仮搭載する(
図10の断面図、
図11の平面図参照)。
【0037】
次に、半導体装置110を180℃に加熱したヒーターステージ上に吸着固定させ、加圧ツールを用いて、可撓性回路基板3を支持体2の両側の2辺(
図11に符号17で示す)で折り曲げた上で、電子デバイス1と支持体2の表面に接着させ、かつ電子デバイス1と支持体2の周りに可撓性回路基板3を接着させる。これにより
図12のようなパッケージを作製する。
【0038】
このようにして作製したパッケージの外部電極9に、半導体装置110の外部端子11となるはんだボールをフラックスで仮搭載した後、リフロー炉に投入してはんだ接続を行い、
図13に示すようなパッケージを完成させる。
その後、導熱シート12を配置し、可撓性回路基板3の開口部5の部分から見える支持体2に、放熱部材4の脚部4Aを接触させることで、該放熱部材4を可撓性回路基板3の上部に搭載する。
その後、マウンターを用いて可撓性回路基板3を実装基板10上に搭載するとともに、リフロー装置を用いて、可撓性回路基板3の内部配線Bを、はんだボールとともに実装基板10にはんだ接続することで、
図2のような半導体装置110を完成させる。
【0039】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態に係る半導体装置120について、
図14の正断面図を参照して説明する。なお、以下において、第1実施形態に示される構成と共通する箇所に同一符号を付し、重複した説明を省略する。
【0040】
第2実施形態に示される半導体装置120が、第1実施形態に示される半導体装置110と構成を異にするのは、可撓性回路基板3の両側部に位置する開口部5に加えて、該可撓性回路基板3の中央部に第2開口部18を設けた点にある。
この第2開口部18は、可撓性回路基板3の上層に形成されかつ電子デバイス1を上側に露出させるものであって、該第2開口部18を介して放熱部材4の脚部4Aが設置される。
【0041】
そして、以上のように構成された第2実施形態の半導体装置120では、可撓性回路基板3の開口部5を通じて、電子デバイス1で生じた熱を速やかに外部に排出できるとともに、可撓性回路基板3の第2開口部18を通じても、電子デバイス1で生じた熱を速やかに外部に排出することができる。
すなわち、第2実施形態の半導体装置120では、可撓性回路基板3の開口部5及び18という複数の経路により効率の良い熱排出が可能となる。
また、可撓性回路基板3の第2開口部18では、支持体2を経由せず、電子デバイス1で生じた熱を直接外部に排出できるので、これによっても効率の良い熱排出が可能となる。
【0042】
なお、第2実施形態の半導体装置120では、電子デバイス1、支持体2、可撓性回路基板3及び放熱部材4との間に導熱シート12が設置されていないが、第1実施形態と同様の導熱シート12を適宜設けることも可能である。
【0043】
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態に係る半導体装置130について、
図15の正断面図を参照して説明する。
【0044】
第3実施形態に示される半導体装置130が、第1実施形態に示される半導体装置110と構成を異にするのは、電子デバイス1、支持体2及び可撓性回路基板3からなる構造体20を複数段(本例では2段)設置した点にある。
このとき、下段に位置する構造体20の可撓性回路基板3には、下側に向けて第3開口部5´が形成されている。
この第3開口部5´には、下段の支持体2と実装基板10とを接続するとともに、内部配線Aの末端部が連結された放熱部材4´が設置されている。
【0045】
そして、以上のように構成された第3実施形態の半導体装置130では、各構造体20にある可撓性回路基板3の開口部5,5´及び該開口部5,5´内に配置された放熱部材4,4´を通じて、電子デバイス1で生じた熱を速やかに外部に排出することができる。
また、上記半導体装置130では、開口部5,5´にて露出する第1内部配線Aと、該開口部5とは異なる他の位置で露出する第2内部配線Bとが、放熱部材4及び実装基板10に接続されているので、これら第1及び第2内部配線A,Bを経由して、構造体20の各段の電子デバイス1で生じた熱を速やかに外部に排出することができる。
【0046】
また、上記半導体装置130では、第1及び第2実施形態の半導体装置110,120のように、並列となるように2次元実装した場合と比較して実装面積を削減することができ、かつ放熱効率の向上を図ることができる。
また、上記半導体装置130では、第2実施形態の半導体装置120に示される、可撓性回路基板3の中央上部に第2開口部18を設け、該第2開口部18内に放熱部材4の脚部4Aを設置する構成を組み込んでも良い。
【0047】
(変形例)
上記実施形態に記載の半導体装置110,120,130とともに、以下の
図16及び
図17に示される半導体装置140,150を併せて設置しても良い。
図16に示される半導体装置140では、第1実施形態で説明した半導体装置110から放熱部材4を省略した構造になっている。
そして、このような半導体装置140では、放熱部材4がないこととで、部品高を低く抑えることができ、小型で放熱効率の優れた構造体を得ることができる。
【0048】
図17に示される半導体装置150では、第1実施形態で説明した半導体装置110から支持体2及び放熱部材4を省略した構造になっている。
そして、このような半導体装置150では、支持体2及び放熱部材4がないことで、部品高を低く抑えることができ、小型で放熱効率の優れた構造体を得ることができる。
【0049】
なお、以上説明した半導体装置は、プリント基板に設置しても良いし、大規模集積回路(LSI:Large Scale Integration)に用いても良く、その用途は限定されるものではない。
また、上記半導体装置は、家庭用ゲーム機、医療機器、ワークステーション、サーバー、パーソナルコンピュータ、カーナビゲーション、携帯電話、ロボット、計測器などの電子機器に適宜使用することが可能である。
【0050】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。