特許第6984954号(P6984954)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 松村 良作の特許一覧

特許6984954クラウドシステム及びアプリケーション実行装置の遠隔操作方法
<>
  • 特許6984954-クラウドシステム及びアプリケーション実行装置の遠隔操作方法 図000002
  • 特許6984954-クラウドシステム及びアプリケーション実行装置の遠隔操作方法 図000003
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6984954
(24)【登録日】2021年11月29日
(45)【発行日】2021年12月22日
(54)【発明の名称】クラウドシステム及びアプリケーション実行装置の遠隔操作方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 8/60 20180101AFI20211213BHJP
   G06F 9/50 20060101ALI20211213BHJP
   G06F 21/44 20130101ALI20211213BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20211213BHJP
【FI】
   G06F8/60
   G06F9/50 120
   G06F21/44
   G06Q50/10
【請求項の数】4
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2016-159250(P2016-159250)
(22)【出願日】2016年8月15日
(65)【公開番号】特開2018-28724(P2018-28724A)
(43)【公開日】2018年2月22日
【審査請求日】2019年8月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】500465570
【氏名又は名称】松村 良作
(74)【代理人】
【識別番号】100144048
【弁理士】
【氏名又は名称】坂本 智弘
(72)【発明者】
【氏名】松村 良作
【審査官】 多胡 滋
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−191391(JP,A)
【文献】 特開2002−323986(JP,A)
【文献】 特表2014−532247(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/039772(WO,A1)
【文献】 特開2005−011038(JP,A)
【文献】 村上琢太,あらゆる情報をどん欲に取り込んでいく Evernote,クラウドサービスビジネス活用術,株式会社▲▼出版社,2014年04月10日,pp.046-051
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 8/60
G06F 9/50
G06F 21/44
G06Q 50/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
事業者サーバと、
前記事業者サーバによってクラウド登録される1以上のアプリケーション実行装置と、
前記1以上のアプリケーション実行装置とはネットワークを介して接続され、クラウド登録された前記1以上のアプリケーション実行装置のうち利用するアプリケーション実行装置を選択し、選択されたアプリケーション実行装置との間でユニークな識別情報によって通信を確立し、前記選択されたアプリケーション実行装置を遠隔操作する端末装置と、
を備え、
前記事業者サーバは、クラウド登録する前記1以上のアプリケーション実行装置にPCクラウドサーバアプリを送信し、
前記1以上のアプリケーション実行装置は、前記PCクラウドサーバアプリを起動してアカウント登録画面を表示し、前記アカウント登録画面において、前記識別情報が登録されるとともに、前記端末装置に使用及び共有を許可するアプリの種類及びフォルダが設定されることでクラウド登録され、
前記事業者サーバは、前記端末装置からの要求により前記端末装置に前記識別情報及び前記識別情報が設定入力されるPCクラウドアプリを送信し、
前記端末装置は、前記PCクラウドアプリを起動してアカウント設定画面を表示し、前記アカウント設定画面において、前記識別情報が設定入力又は選択されるとともに、前記選択されたアプリケーション実行装置において設定されているアプリの種類及びフォルダのうち使用及び共有をするアプリ及びフォルダが指定されることで前記選択されたアプリケーション実行装置との間で前記通信確立される、
ことを特徴とするクラウドシステム。
【請求項2】
前記ネットワークには更にストレージデバイスが接続され、
前記端末装置は、
前記選択されたアプリケーション実行装置のプログラム及びデータ、並びに前記識別情報により特定される前記ストレージデバイスのデータを共有することを特徴とする請求項1に記載のクラウドシステム。
【請求項3】
ネットワークを介して接続される1以上のアプリケーション実行装置の遠隔操作方法であって、
前記ネットワークを介して接続される事業者サーバが、前記1以上のアプリケーション実行装置をクラウド登録する第1のステップと、
前記1以上のアプリケーション実行装置とは前記ネットワークを介して接続される端末装置が、前記クラウド登録された前記1以上のアプリケーション実行装置のうち利用するアプリケーション実行装置を選択し、選択されたアプリケーション実行装置との間でユニークな識別情報により通信を確立して遠隔操作する第2のステップと、を有し、
前記第1のステップは、
前記事業者サーバが、クラウド登録する前記1以上のアプリケーション実行装置にPCクラウドサーバアプリを送信するステップと、
前記1以上のアプリケーション実行装置が、前記PCクラウドサーバアプリを起動してアカウント登録画面を表示し、前記アカウント登録画面において、前記識別情報が登録されるとともに、前記端末装置に使用及び共有を許可するアプリの種類及びフォルダが設定されることでクラウド登録されるステップと、を含み、
前記第2のステップは、
前記事業者サーバが、前記端末装置からの要求により前記端末装置に前記識別情報及び前記識別情報が設定入力されるPCクラウドアプリを送信するステップと、
前記端末装置が、前記PCクラウドアプリを起動してアカウント設定画面を表示し、前記アカウント設定画面において、前記識別情報が設定入力又は選択されるとともに、前記選択されたアプリケーション実行装置において設定されているアプリの種類及びフォルダのうち使用及び共有をするアプリ及びフォルダが指定されることで前記選択されたアプリケーション実行装置との間で前記通信確立されるステップと、を含む
ことを特徴とする遠隔操作方法。
【請求項4】
前記ネットワークには更にストレージデバイスが接続され、
前記端末装置は、
前記選択されたアプリケーション実行装置のプログラム及びデータ、並びに前記識別情報により特定される前記ストレージデバイスのデータを共有することを特徴とする請求項3に記載の遠隔操作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クラウドシステム、及びアプリケーション実行装置の遠隔操作方法、並びにその課金方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に、PC(Personal Computer)が持つアプリケーションプログラム(以下、単にアプリという)を簡単な遠隔操作で容易に起動することができるアプリの起動方法が紹介されている。又、例えば、特許文献2に、1台のPC本体を複数の人が同時に使用できるPCシステムが紹介されている。特許文献1、2で紹介された技術によれば、ユーザはPCが持つプログラム資源を有効に利用することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−143619号公報
【特許文献2】特開2000−66777号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年、スマートフォンやタブレット等の端末装置を使いこなすユーザが急増したことで、クラウドの利用が普通になりつつある。クラウドは、端末装置の容量不足をカバーし、あるいは複数の端末装置から手軽にアクセスできる利便性を持つ。このため、最近では、オンラインストレージとローカルにある複数のPCとの間でデータの共有や同期を可能にする「Dropbox(登録商標)」等のクラウドサービスを利用し、画像や動画等のデータ保存や共有先として活用するシーンが一般的になった。
【0005】
一方、市場に出まわっているはずのPCでクラウドの恩恵にあずかっているユーザはいまだ少数派である。このため、PCもクラウド化してスマートフォン等の端末装置により遠隔操作することができれば、PCのプログラム資源やデータを端末装置が利用できるようになり、一層利便性が増すことになる。
【0006】
本発明は上記した課題を解決するためになされたものであり、スマートフォン等の端末装置が遠隔操作によりPC等のプログラム資源やデータを利用できる仕組みを構築することにより、一層の利便性向上をはかった、クラウドシステム、及びアプリケーション実行装置の遠隔操作方法、並びにその課金方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明のクラウドシステムは、事業者サーバと、前記事業者サーバによってクラウド登録される1以上のアプリケーション実行装置と、前記アプリケーション実行装置とはネットワーク経由で接続され、選択されたアプリケーション実行装置との間でユニークな識別情報によって通信を確立し、前記選択されたアプリケーション実行装置を遠隔操作する端末装置と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
(2)(1)の構成において、前記ネットワークには更にストレージデバイスが接続され、前記端末装置は、前記選択されたアプリケーション実行装置のプログラム及びデータ、並びに前記識別情報により特定される前記ストレージデバイスのデータを共有することを特徴とする。
【0009】
(3)本発明の遠隔操作方法は、ネットワークを介して接続される1以上のアプリケーション実行装置の遠隔操作方法であって、前記ネットワークを介して接続される事業者サーバが、前記アプリケーション実行装置をクラウド登録する第1のステップと、前記ネットワークを介して接続される端末装置が、前記クラウド登録されたアプリケーション実行装置を選択し、選択されたアプリケーション実行装置との間でユニークな識別情報により通信を確立して遠隔操作する第2のステップと、を有することを特徴とする。
【0010】
(4)(3)の構成において、前記第1のステップは、前記事業者サーバが、前記1以上のアプリケーション実行装置に対し、それぞれにユニークな識別情報と、共有を許可するアプリ、及びフォルダを設定するステップを含んでもよい。
【0011】
(5)(3)の構成において、前記第2のステップは、前記端末装置が、前記事業者サーバから、前記端末装置に割り当てられる前記アプリケーション実行装置の識別情報を取得し、取得した識別情報により遠隔操作するアプリケーション実行装置の認証、及び設定したアプリとフォルダを選択するステップを含んでもよい。
【0012】
(6)本発明の課金方法は、アプリケーション実行装置のレンタルサービスを提供する事業者サーバと、複数の端末装置とがネットワーク経由で接続されるクラウドシステムの課金方法であって、前記事業者サーバは、前記端末装置から前記アプリケーション実行装置のレンタル要求を受信すると、必要なアプリケーション実行装置をレンタルすると共に、使用するアプリケーションの種類、使用するアプリケーション実行装置の性能、又はその組み合わせによって課金情報を生成し、前記端末装置に課金情報を送信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、スマートフォン等の端末装置が遠隔操作によりPC等のプログラム資源を利用できる仕組みを構築することにより、一層の利便性向上をはかった、クラウドシステム、及びアプリケーション実行装置の遠隔操作方法、並びにその課金方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施の形態に係るクラウドシステムのシステム構成図である。
図2】本発明の実施の形態に係るクラウドシステムのシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(実施形態の構成)
以下、本発明の実施の形態(以下、本実施形態という)に係るクラウドPCシステムについて図面を参照しながら詳細に説明する。なお、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号又は符号を付している。
【0016】
図1に示すように、本実施形態に係るクラウドシステム(以下、クラウドPCシステム10という)は、事業者サーバ1と、事業者サーバ1によってクラウド登録される1以上のアプリケーション実行装置(以下、クラウドPC30という)と、クラウドPC30とは、IP(Internet Protocol)網3等のネットワーク経由で接続され、選択されたPC(クラウドPC30)を遠隔操作する、当該選択されたPCとの間でユニークな識別情報によって通信を確立する端末装置2と、から構成される。
【0017】
事業者サーバ1は、クラウドPCサービス提供事業者(以下、単に、事業者という)によって管理運営されるサーバであり、事業者が、PCをクラウド化し、クラウドPC30としてユーザの端末装置2からの使用、及び共有を可能にするため、PCごとにユニークな識別情報(アカウント)を割り当て、かつ、共有を許可するプログラム資源(アプリ)の種類、ならびにフォルダ(データ)を設定する。
【0018】
ここでは、アプリケーション実行装置として、PCを想定しているが、PCに限らずスマートフォン等、優れたアプリケーションを実装するものであればその種類は問わない。又、端末装置2として、スマートフォンを想定しているが、スマートフォンに限らず、タブレット等、OS(Operating System)を内蔵し、ネットワーク接続環境を持つ携帯端末であればいずれでもよい。端末装置2は、使用、及び共有が許可されたアプリケーション実行装置(クラウドPC30)を遠隔操作することにより、自身で所有していないアプリやストレージを利用することができる。
【0019】
クラウドPCシステム10には、更に、ネットワークを介して大容量のストレージデバイス(クラウドストレージ40)が接続されてもよい。この場合、端末装置2は、選択されたクラウドPC30が有するアプリ及びデータ、並びにアカウントにより特定されるストレージデバイスのデータ使用及び共有が可能である。
【0020】
ここで、図1に示すクラウドPCシステム10により実現されるビジネスモデルの説明を行う。まず、端末装置2は、事業者サーバ1に対し、クラウドPC30のレンタル要求を送信する。そして、このレンタル要求を受信した事業者サーバ1は、ユーザの要求に合致するクラウドPC30を割り当て、そのクラウドPC30のレンタルサービスを提供する。このとき、事業者サーバ1は、端末装置2に割り当てたクラウドPC30の性能、使用するアプリケーションの種類、又はその組み合わせによって課金情報を生成する。そして、ユーザに対して課金するため、定期又は不定期に端末装置2に課金情報を送信する。
【0021】
上記したビジネスモデルによれば、遠隔操作によりPC等のアプリケーション実行装置のプログラム資源を利用できる仕組みを構築することにより、旧式、あるいは処理性能が劣るPC等の端末装置2しか持たないユーザであっても、高性能PCでなければ実行できない処理負荷の大きなアプリケーションを使用でき、更に、優れたスマートフォンのアプリケーションも利用することができる。同様に、スマートフォンやタブレット、あるいはデジタルテレビ等の端末装置2でスマートフォンのアプリケーションを使用することができる。又、事業者サイドにおいても、PCレンタルの対価としてユーザに課金することによる事業収益が可能になり、更なるレンタル資源の確保が可能になる。
【0022】
(実施形態の動作)
以下、図2のシーケンス図を参照しながら、本実施形態に係るクラウドPCシステム10の動作について詳細に説明する。
【0023】
最初に、事業者サーバ1は、クラウド登録するPCに対し、PCクラウドサーバアプリをインストールする(ステップS101)。PCクラウドサーバアプリがインストールされたPCは、インストールされたそのアプリが起動されると、アカウント登録画面が画面表示される。
【0024】
ここで、事業者は、PCのアカウント登録画面に対し、クラウドPC30としてユニークなアカウントを登録する(ステップS102)。続いて、端末装置2に、使用、及び共有を許可するアプリの種類、並びにフォルダを設定する(ステップS103)。以上の操作により、クラウドPC30としてのPCのクラウド化が終了する。
【0025】
一方、ユーザが端末装置2を操作することにより、事業者サーバ1に対し、クラウドPC30の利用要求を送信すると、事業者サーバ1から、要求のあった端末装置2に対し、PCクラウドアプリとアカウントとが送信される(ステップS104)。PCクラウドアプリとアカウントとを受信した端末装置2は、そのアプリをインストールした後、起動すると(ステップS105)、端末装置2が持つ表示モニタ上にアカウント設定画面が表示される(ステップS106)。
【0026】
端末装置2のユーザは、そのアカウント設定画面に、先に受信したアカウントを設定入力するか、選択し、また、使用するアプリとフォルダを指定し(ステップS107)、クラウドPC30との間でアクセス認証を行う(ステップS108)。
【0027】
ここで、アクセス認証が成功すれば、端末装置2は、選択されたクラウドPC30との間で通信が確立してそのクラウドPC30のアクセスが許容され(ステップS109)、選択したクラウドPC30が持つアプリ、及びフォルダの遠隔操作による利用が可能になる(ステップS110)。
【0028】
なお、図示省略したが、端末装置2は、先に取得したアカウントにより、あるいは別途取得するアカウントにより、クラウドストレージ40の利用も可能になる。このことにより、端末装置2は、自身が持たないアプリの他に、大容量のストレージも利用することができる。
【0029】
(実施形態の効果)
以上説明のように本実施形態に係るクラウドPCシステム10によれば、ユーザは、PCを持ち歩くことなく、スマートフォン等の端末装置2でPCアプリを遠隔操作して利用することが可能になり、また、端末装置2のストレージ内にPCデータをアップロードすることができるため、利便性が向上する。
【0030】
なお、クラウドストレージサービスとして、Dropbox(登録商標)等が知られているが、無料ユーザは、容量が制限されるため、容量不足は否めない。これに対し、本実施形態に係るクラウドPCシステム10によれば、自身が持たないアプリを利用できる他に、クラウドPC30やクラウドストレージ40のデータを利用することにより、クラウドPC30やクラウドストレージ40が持つ記憶容量の範囲で容量不足を解消することができ、また、特殊なネットワークを使用することなく、アプリとデータの共有が可能になるため、コスト削減にも寄与することができる。
【0031】
(PCの遠隔操作方法)
なお、本実施形態に係るPCの遠隔操作方法は、例えば、図1に示すように、ネットワーク(IP網3)を介して接続される1以上のPC(クラウドPC30)の遠隔操作方法である。そして、その方法は、例えば、図2に示すように、ネットワークを介して接続される事業者サーバ1が、PCをクラウド登録する第1のステップ(S101〜S103)と、ネットワークを介して接続される端末装置2が、クラウド登録されたPCを選択し、選択されたPCとの間でユニークな識別情報により通信を確立して遠隔操作する第2のステップ(S105〜S110)と、を有する。
【0032】
本実施形態に係るPCの遠隔操作方法によれば、スマートフォン等の端末装置2が遠隔操作によりPCのプログラム資源を利用できる仕組みを構築することにより、一層の利便性向上がはかれる。
【0033】
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0034】
1 事業者サーバ
2 端末装置
3 IP網(ネットワーク)
10 クラウドPCシステム(クラウドシステム)
30 クラウドPC
40 クラウドストレージ
図1
図2