【文献】
SANG HOON SONG,NEUTROPHIL CD64 EXPRESSION IS ASSOCIATED WITH SEVERITY AND PROGNOSIS OF DISSEMINATED 以下備考,THROMBOSIS RESEARCH,米国,2008年01月01日,VOL:121, NR:4,,PAGE(S):499 - 507,http://dx.doi.org/10.1016/j.thromres.2007.05.013,INTRAVASCULAR COAGULATION
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【0023】
本発明の目的は、少なくとも一つの生物的マーカーの濃度および/または量を検出および/または測定する工程を含む、生物試料から播種性血管内凝固症候群(DIC)を予測するおよび/または検出するための方法を提供することによって、従来技術の難点を克服することである。
【0024】
本明細書において、「生物試料」とは、好中球、血小板、およびホスファチジルセリンを露出する血液微粒子からなる群から選ばれる少なくとも一つの生物的マーカーを意味する。
【0025】
本発明によれば、前記少なくとも一つの生物的マーカーは、当業者に既知の任意の適切な方法によって検出することができる。
【0026】
本発明によれば、前記少なくとも一つの選択された生物的マーカーは、当業者に既知の任意の適切な方法によって測定することができる。
【0027】
本発明によれば、前記少なくとも一つの選択された生物的マーカーの濃度は、当業者に既知の任意の適切な方法によって測定することができる。
【0028】
本明細書において、「好中球」とは、白血球に属し、したがって免疫システムにおいて役割がある、血液細胞である好中性顆粒球または多核好中球(PNN)を意味する。
【0029】
本明細書において、好中球の蛍光は、当業者に既知の任意の適切な方法によって測定することができる。これは、例えば、蛍光ラベルなどの好中球に対するラベリングを用いる方法であってもよい。蛍光は、当業者に既知の任意の適切な方法によって測定することができる。これは、例えば、蛍光色素および/または蛍光プローブの認識をベースにしたフローサイトメトリー方法であってもよい。これは、例えば、蛍光色素を用いることを含む好中球をラベリングすることを含む方法であってもよい。これは、例えば、白血球膜に作用してそれを透過する反応も起こす、第一の反応物質による赤血球溶解工程の後に、血液試料などの試料に蛍光色素を適用することを含む方法であってもよく、それによって前記蛍光色素を付加することができる。
【0030】
本明細書において、「蛍光色素」とは、膜透過を伴わない、核酸を結合するポリメチンをベースにするまたはベースにしない剤を意味する。これは、有利に透過または固定白血球膜を通じて細胞質にのみ拡散する蛍光色素であってもよい。蛍光プローブは、例えば、DNAベース間に挿入されるインターカレーター、抗体などのシトルリン化ヒストンに特異的なプローブ、ヒストンまたはヌクレオソームの翻訳後修飾または構造に特異的なプローブ、任意のDNA構成タンパク質、DNAのデコンパクション(decompaction)と関連してまたはNETosisによってDNAに結合するタンパク質、NETosisの際に標識化に接近できる特定の核配列、DNAの切断を目的とするプローブ、または細胞膜またはミトコンドリア膜への変異などのアポトーシスの初期段階を測定するプローブであってもよい。
【0031】
これらは、不溶化しているかどうか、任意の種類の担体に結合しているかどうかにかかわらず、例えば、インターカレーター、デコンパクションプローブ、NETosisの間のDNAに関連した酵素活動マーカー、からなる群から選択される分子であってもよい。
【0032】
これらは、例えば、ヨウ化プロピジウム、抗シトルリン化ヒストン、抗DNA抗体などの抗体、白血球エラスターゼ、PR3またはミエロペルオキシダーゼ等のデコンパクションDNAに関連したタンパク質の活性の蛍光基質フローサイトメトリーを用いたTUNEL効果によるDNA修飾の測定、膜外アネキシンVの測定、またはDiOC6(3,3’−ジヘキシルオキサカルボシアニンヨージド)の取り込みであってもよい。
【0033】
蛍光色素および/または蛍光プローブは、当業者に既知の任意の適切な蛍光色素および/または蛍光プローブであってもよい。それは例えば、Thermofischer社よりSyto40、DIOC6(3)およびチアゾールオレンジという商品名で販売されるもの等の市販の蛍光色素および/または蛍光プローブであってもよい。当業者は、好中球のラベリングのために、その一般的知識によって、適切な蛍光色素および/または蛍光プローブを選択するだろう。
【0034】
加えて、当業者は、その一般的知識によって、異なる白血球集団を知っており、例えばフローサイトメトリーの際に、その粒子サイズの分布またはサイズの関数としてそれらを同定する方法を知るだろう。
【0035】
多核好中球の蛍光を測定するための方法が、フローサイトメトリー方法など蛍光色素の挿入を用いる方法である場合、この蛍光色素はSyto40、ヨウ化プロピジウムおよびGallios(ベックマン・コールター社製)またはFACS−Canto(ベクトンディッキンソン社製)フローサイトメーターおよび/またはバイオレット(405nm)
、ブルー(488nm)を含む3種のレーザー、対数ゲイン設定、バイオレット(405nm)レーザーに結合した検出器で測定されるSYTO40の蛍光などを備え、450〜460nmを中心とする帯域フィルターと組み合わされ、その他のレーザーは抗CD45−FITCおよび抗CD49d抗体などを用いた白血球および好中球の同定に使用されているその他のフローサイトメーターなどであってもよい。
【0036】
本発明によれば、「蛍光強度」は、例えば630nmで励起された蛍光分子の再放出波長において測定された任意のシグナルを意味することを意図している。蛍光強度は、DNAのデコンパクション状態に比例する。
【0037】
本明細書において、好中球の蛍光は、当業者に既知の本発明に適切な任意の機器によって測定することができる。これは、Sysmex社、Socimed社またはAlere社によって販売される機器などであってもよい。例えば、SysmexXN自動分析装置であってもよい。
【0038】
本発明の発明者らは、血液試料などの生物試料からの好中球蛍光の測定により、敗血症性ショックの個人におけるDICの存在を決定するおよび/またはDICが進行する可能性がある個人を同定することができることを実証している。
【0039】
本発明の主題は、好中球蛍光測定を含む、第一の生物試料から播種性血管内凝固症候群(DIC)を予測するおよび/または検出するためのインビトロの方法である。
【0040】
加えて、本発明の主題は、好中球蛍光測定を含む、第一の生物試料から播種性血管内凝固症候群(DIC)を検出するためのインビトロの方法である。
【0041】
本明細書において、「生物試料」は、哺乳類、例えばカモノハシ目、オポッサム目、ケノレステス目、ミクロビオテリウム目、フクロモグラ目、フクロネコ目、バンディクート目、カンガルー目、ツチブタ目、ジュゴン目、アフリカトガリネズミ目、ハネジネズミ目、イワダヌキ目、ゾウ目、アルマジロなどの被甲目、有毛目、ツパイ目、ヒヨケザル目、霊長目、ネズミ目、ウサギ目、ハリネズミ目、トガリネズミ目、コウモリ目、センザンコウ目、ネコ目、ウマ目、ウシ目およびクジラ目からなる群から選択される哺乳類、から得られる任意の試料を意味することを意図している。これは、ヒトまたは動物などであってもよい。これは、家畜動物、ペット、絶滅危惧種またはその他の動物などであってもよい。
【0042】
本発明によれば、生物試料は血液試料であってもよい。
【0043】
本発明によれば、生物試料は敗血症性ショックの哺乳類または敗血症性ショックのリスクのある哺乳類に由来してもよい。
【0044】
本発明によれば、検出方法は測定された蛍光強度を基準蛍光値と比較する工程を含んでもよい。
【0045】
本発明によれば、基準蛍光値は、対象において測定された好中球の蛍光強度または基準となる健康な対象群において測定された平均濃度であってもよい。
【0046】
本明細書において、「基準となる健康な対象」は、ヒトなどの哺乳類で、感染、ショック、出血、敗血症性ショックおよび/または上記の播種性血管内凝固症候群につながる可能性のあるその他の発作を受けていないものを意味することを意図している。
【0047】
本発明によれば、「基準となる健康な対象群」は信頼性のある基準値を生成することができる群を意味することを意図している。これは上記で定義されているような少なくとも2基準対象からなる群、例えば、少なくとも10、少なくとも40、少なくとも60、少なくとも100基準対象であってもよい。これは例えば、30〜500対象、40〜200、45〜110基準対象であってもよい。
【0048】
本発明によれば、好中球蛍光基準値R
Neut SFLまたはRneutflは、基準対象および/または基準対象群から得られる値の統計的分析により得られるROC曲線の解析により得られるものであってもよい。基準値は決定されてよく、例えばStiel et al. “Neutrophil Fluorescence: A New Indicator of Cell Activation During Septic Shock−Induced Disseminated Intravascular Coagulation.”Crit Care Med. 2016;44(11):e1132−e1136に記載されているようにROC曲線を通じて得られてもよい。
【0049】
本発明によれば、Sysmex社により販売されるSysmexXN自動分析装置などの機器によって好中球蛍光が測定される場合、好中球蛍光基準値は、 Stiel et
al. “Neutrophil Fluorescence: A New Indicator of Cell Activation During Septic Shock−Induced Disseminated Intravascular
Coagulation.”Crit Care Med. 2016;44(11):e1132−e1136に記載されるROC曲線を通じて得られる好中球蛍光基準値R
Neut SFLまたはRneutflは57より大きい任意の単位の蛍光値であってもよい。
【0050】
有利なことに、本発明者らは、測定された蛍光値が基準値よりも大きい場合、本発明による方法により播種性血管内凝固症候群を検出するおよび/または予測することが可能になることを実証している。
【0051】
有利なことに、本発明者らは、好中球蛍光の決定/測定を含むDICの検出方法によりDICの検出を感度91%以上および特異度81%以上にできることも実証している。
【0052】
本発明によれば、播種性血管内凝固症候群を予測するおよび/または検出するための方法は、第二の生物試料からCD分類(cluster of differentiation)105(CD105)でありホスファチジルセリンを露出する膜微粒子濃度R0
CD105を測定する工程をも含んでもよい。
【0053】
本明細書において、「ホスファチジルセリンを露出する微粒子」は、ホスファチジルセリンを露出する細胞膜微粒子を意味することを意図している。これらは、例えば、内皮細胞、血小板、単球、顆粒球または多核細胞(好中球、好酸球または好塩基球)およびその循環前駆細胞、赤血球細胞、リンパ球または非血管由来細胞などの細胞から血管内などに放出され、ホスファチジルセリンを露出する膜微粒子であってもよい。例えば、膜微粒子には50nm〜1μmのサイズ、すなわち個別の直径があってもよく、ホスファチジルセリンを露出してもよい。例えば、膜微粒子は、組織因子活性または線維素溶解活性があってもよい。
【0054】
CD分類(cluster of differentiation)をもつ膜微粒子の濃度は、当業者に既知の任意の適切な方法で測定することができる。これは例えば、ビーズに固定されたか否かに関わらず、標識抗体、タンパク質または脂質プローブなどの蛍
光プローブあるいは微粒子に含まれるmiRNAなどの遺伝物質を認識する均一なプローブをベースにしたフローサイトメトリー方法であってもよい。プローブは、ホスファチジルセリン(PhtdSer)、例えばアネキシン5または分子工学によって得られるジアネキシンなどその他のアネキシン誘導体に特異的であってよい。プローブはまた、より長いまたは短い炭素をベースにした鎖をもつ脂質プローブなどの膜脂質およびそのコンパクション(compaction)の程度を認識してもよい。タンパク質プローブは例えば、微粒子の表面においてCD分類(cluster of differentiation)を検出するか、あるいは微粒子の表面においてまたは内部に位置する他のタンパク質または酵素、アクチン、メタロプロテアーゼ、組織因子またはuPARなど酵素活性のあるタンパク質受容体、サイトカインおよびインターロイキンなどを検出する抗体であってもよい。微粒子の濃度は全脂質または全タンパク質の定量分析によってまたは調整可能な抵抗パルスセンシング(Tunable Resistive Pulse Sensing)技術を用いて測定されてもよい。膜微粒子の濃度は、例えば、Hugel B,
Zobairi F, Freyssinet JM. Measuring circulating cell−derived microparticles. J Thromb Haemost. 2004 Oct;2(10):1846−7 [12]に記載されているようにプロトロンビナーゼ試験を通じて測定されてもよい。簡潔には、この方法では、反応培地に加えられた外因性プロトロンビンからの溶解性トロンビンの生成において、PhtdSerが限定的なパラメーターとなるように血液凝固因子およびカルシウム濃度が決定される。結果は、Hugel B, Zobairi F, Freyssinet JM. “Measuring circulating cell−derived microparticles”, J Thromb Haemost. 2004 Oct;2(10):1846−7 [12]に記載されているように既知の組成および濃度のリポソームにより作成される検量線を参照することにより、ナノモル当量のPhtdSer(nMeq.PhtdSer)で表現される。微粒子の濃度はまた、例えば、組織因子活性測定することによって通じて測定することができる。簡潔には、Aupeix K, et al. “The significance of shed membrane particles during programmed cell death in vitro, and in vivo, in
HIV−1 infection.” J Clin Invest 1997; 99(7): 1546−54. [13]に記載されているように、この方法はテナーゼと呼ばれる複合体に固有の凝固因子を用い、反応培地に加えられたX因子からXa因子の形成をアッセイする。TF+MPによってもたらされる活性は既知の濃度の組織因子の検量線に関連する。得られた濃度は、組織因子活性1リットル当たりのピコモルで表現される。膜微粒子の濃度はまた、例えば、微粒子の同定(表現型)を可能にする抗体などの捕捉手段で覆われたビーズをベースにした計時法(chronometric method)およびリン脂質を持たない原形質を加えた後の凝固時間の測定によって測定されてもよい。この方法では、凝固時間は、ビーズによってあらかじめ捕捉された微粒子(MP)から提供されるアニオン性リン脂質(PhtdSer)の量に依存する。既知の濃度のリポソームを用いた計時試験(chronometric test)の較正が任意で実施されてもよく、それにより計時結果(秒)を凝固促進活性(nMeq.PhtdSer)に変換することができる。これは例えば、Stago社の自動分析装置STARによって実施することができる。
【0055】
本発明によれば、第二の生物試料は上に定義された生物試料である。
【0056】
本発明によれば、第二の生物試料は、第一の生物試料を同一であってもよく、異なっていてもよい。
【0057】
本発明によれば、第一および第二の生物試料は、単一で同じ生物試料であってもよい。
【0058】
本発明によれば、第一および/または第二の生物試料は、敗血症性ショックの哺乳類に由来してもよい。
【0059】
本発明によれば、DICを予測するおよび/または検出するための方法はまた、濃度測定値R0
CD105を基準値R
CD105と比較する工程を含んでもよい。
【0060】
本発明によれば、基準値R
CD105は、対照において測定されたまたは基準となる健康な対象群において測定された平均濃度、CD分類(cluster of differentiation)がCD105である微粒子の濃度であってもよい。
【0061】
本発明によれば、基準となる健康な対象または基準となる健康な対象群とは、上に定義されたとおりである。
【0062】
本発明によれば、基準値R
CD105はまた、ROC曲線の分析によって得られる値であってもよい。
【0063】
本発明によれば、基準値R
CD105は、0.65nM当量のPhtdSerまたはPSより大きいCD分類(cluster of differentiation)を持つ微粒子の濃度であってもよい。
【0064】
有利なことに、本発明者らは、本発明の方法によれば、CD分類(cluster of differentiation)がCD105である微粒子の濃度測定値が基準値より大きい場合、播種性血管内凝固症候群(DIC)を検出するおよび/または予測することができることを実証している。
【0065】
有利なことに、本発明の発明者らはまた、濃度R0
CD105を決定することを含むDICの検出方法により感度69%以上および特異度48%以上での検出が可能になることを実証している。
【0066】
本発明によれば、播種性血管内凝固症候群(DIC)を予測するおよび/または検出するための方法はまた、第三の生物試料から血小板濃度R0Pltを測定する工程を含んでもよい。
【0067】
本明細書において、「血小板」は巨核球の分裂により形成される血小板を意味することを意図している。
【0068】
本発明によれば、第三の生物試料とは、上に定義されたとおりである。
【0069】
本発明によれば、第三の生物試料は、第一および/または第二の生物試料と同一であってもよく、異なっていてもよい。
【0070】
本発明によれば、第一および第三の生物試料は、同じ試料であってもよい。
【0071】
本発明によれば、第二および第三の生物試料は、同じ試料であってもよい。
【0072】
本発明によれば、第一、第二および第三の生物試料は、同じ試料であってもよい。
【0073】
本発明によれば、試料中の血小板濃度は、当業者に既知の任意の適切な方法で測定することができる。これは例えば、McNair et al, JECT. 2015;
47:113−118に記載されている方法および/または電気インピーダンスを用いてそれから血小板濃度を導き出すコールター型カウンターにより自動化された方法などであってもよい。実際、電解液中に分散された細胞の通過により、2電極間の電気抵抗が変化し、細胞の通過に関連したインパルスの形式で記録されるインピーダンスにばらつきが生じ、それによって濃度がはっきりする(コールター原理)。
【0074】
本発明によれば、DICを予測するおよび/または検出するための方法はまた、測定濃度R0Pltを基準値RPltと比較する工程を含んでもよい。
【0075】
本発明によれば、基準値RPltは、基準となる健康な対象において測定された血小板濃度または基準となる健康な対象群において測定された平均濃度であってもよい。
【0076】
本発明によれば、基準となる健康な対象または基準となる健康な対象群は上に定義されたとおりである。
【0077】
本発明によれば、基準値RPltはまた、ROC曲線の分析により得られた値であってもよい。
【0078】
本発明によれば、基準値RPltは、127g/lと等しい血小板含有量であってもよい。
【0079】
有利なことに、本発明の発明者らは、濃度RPltを決定することを含むDICを検出するための方法により、感度68%以上、特異度90%以上での検出が可能になることを実証している。
【0080】
本発明によれば、播種性血管内凝固症候群(DIC)を予測するおよび/または検出するための方法はまた、プロトロンビンレベルRoTPを測定する工程を含んでもよい。
【0081】
本発明によれば、播種性血管内凝固症候群(DIC)を予測するおよび/または検出するための方法はまた、第四の生物試料からプロトロンビンレベルR0TPを測定する工程を含んでもよい。
【0082】
本発明によれば、第四の生物試料は上に提起されたとおりの生物試料である。
【0083】
本発明によれば、第四の生物試料は、第一、第二および/または第三の生物試料と同一であってもよく、異なっていてもよい。
【0084】
本発明によれば、第一および第四の生物試料は単一で同じ試料であってもよい。
【0085】
本発明によれば、第二および第四の生物試料は、同じ試料であってもよい。
【0086】
本発明によれば、第三および第四の生物試料は、単一で同じ試料であってもよい。
【0087】
本発明によれば、第一、第二および第四の生物試料は、単一で同じ試料であってもよい。
【0088】
本発明によれば、第一、第三および第四の生物試料は、単一で同じ試料であってもよい。
【0089】
本発明によれば、第二、第三および第四の生物試料は、単一で同じ試料であってもよい
。
【0090】
本発明によれば、第一、第二、第三および第四の生物試料は、単一で同じ試料であってもよい。
【0091】
本発明によれば、試料中のプロトロンビンレベルは、当業者に既知の任意の適切な方法で測定することができる。これは例えば、Delabranche et al., CCMED 2016に記載されている方法および/または比色分析によっておよび/またはSTAGO社の自動分析装置STA−R Evolutionタイプの使用を通じて、ルーチンであって、適切な、市販の反応剤を使用した因子IIのアッセイなどを含む方法であってもよい。
【0092】
本発明によれば、DICを予測するおよび/または検出するための方法はまた、測定されたプロトロンビンレベルR0TPを基準値RTPと比較する工程を含んでもよい。
【0093】
本発明によれば、基準値RTPは、基準となる健康な対象において測定されたプロトロンビンレベルR0TP、または基準となる健康な対象群において測定された平均濃度であってもよい。
【0094】
本発明によれば、基準となる健康な対象または基準となる健康な対象群は上に定義されたとおりである。
【0095】
本発明によれば、基準値R0TPはまた、ROC曲線の分析によって得られてもよい。
【0096】
本発明によれば、基準値R
TPは、58%より小さいプロトロンビンレベルであってもよい。
【0097】
有利なことに、本発明者らは、測定されたプロトロンビンレベルが基準値より小さい場合、本発明による方法により播種性血管内凝固症候群(DIC)を検出するおよび/または予測することが可能となることを実証している。
【0098】
有利なことに、本発明の発明者らはまた、濃度Ro
TPを決定することを含むDICの検出方法により、感度73%以上、特異度60%以上での検出が可能になることを実証している。
【0099】
有利なことに、本発明の発明者らはまた、蛍光およびCD105の組み合わせ、血小板ならびにプロトロンビンレベルを決定することを含むDICの検出方法により、感度76%以上、特異度86%超での検出が可能になることを実証している。
【0100】
言い換えれば、少なくとも一つの生物試料から、Sysmex XN自動分析装置などを用いた好中球蛍光測定、血小板濃度、プロトロンビンレベルおよびCD分類(cluster of differentiation)105(CD105)を含む膜微粒子の測定を含む本発明による方法により、感度76%以上、特異度86%以上での検出が可能になることを実証している。
【0101】
有利なことに、本発明の発明者らはまた、好中球蛍光、血小板数およびプロトロンビンレベルの組み合わせを決定することを含むDICの検出方法により、感度66%以上、特異度85%以上での検出が可能になることを実証している。
【0102】
本明細書において、測定された好中球蛍光値R0Neut SFLは独立に示されたR
0neutflであり、値Vneutflはまた、示されたVneutsflであってよく、基準値RNeut SFLは独立に示されたRNeutflである。
【実施例】
【0131】
実施例1 CD105
+MPs、プロトロンビンレベルおよび血小板数を組み合わせたスコアの利用
概要
目的:敗血症性ショックの患者の層別化は十分でなく、特に抗凝固剤治療において、ランダム化臨床試験(RCT)における適切でない治療の割り当てにつながる可能性がある。我々は、内皮由来微粒子CD105が敗血症性ショックにおける播種性血管内凝固症候群(DIC)に関連のある生物マーカーであることを示す。四つの蘇生ユニット(resuscitation units)における、敗血症性ショックで入院している患者における、有望な、観察による研究である。
【0132】
患者および方法:敗血症性ショックを患う、連続して入院している256患者で、JAAM2006スコアでDICと診断された。
【0133】
主な結果:259患者が分析された。61人は入院時にDICであり、(DIC−D1)、32人が入院後24時間の間にDICを発症した(DIC−D2)。いくつかのロジスティック回帰モデルにより内皮細胞由来のMPsはDICに関連していて、CD105+MPs(OR2.13)およびCD31+MPs(OR0.65)(p<0.05)であることが確かめられた。加えて、白血球に対するCD11a微粒子の割合が白血球の活性化の証拠である(OR 1.59、p<0.05)。DICの予測はまた、DIC−D1の患者を除いて分析された。複数のロジスティック回帰による新たな分析により、CD105MPs(>0.60nMeq.PhtdSer、OR1.67、p<0.01)、血小板数(≦127g/l、OR0.99、p<0.01)およびプロトロンビン時間(≦58%、OR0.98、p<0.05)のDICとの関連が示された。これらのマーカーを組み合わせた入院時におけるスコアにより、DICになっていないかが予測される(AUC72.9%、特異度71.2%、感度71.0%、陰性適中率93.1%および陽性適中率31.0%)。
【0134】
患者および方法
患者
18〜85歳の250人の患者が含まれた。すべての患者は、入院時に敗血症性ショックの基準に合致した。JAAM2006
10スコアに従うと、40%の患者がD1またはD2においてJAAMスコア≧4であることにより定義される初期DICである。患者の特性をまとめたものが表1である。またDIC群での死亡率も高いDIC患者は、より重
症で、統計的なSOFA(Sequential Organ Failure Assessment Score)およびSAPS2(Simplified Acute Physiology Score)重症度スコアが高かった。血小板数および好中球数は2群間で有意に異なっている。
【0135】
【表1】
【0136】
採血
患者の治療に必要な分析のために、DNAデコンパクションに関連した全血球算定および蛍光の検出を行うために用いられるEDTA採血管(バキュテイナ(商標)、ベクトン
ディッキンソン社、ル・ポン・ド・クレ、フランス)を含む採血管が用いられた。敗血症性ショックの診断の際には15ミリリットルの血液が採取され、3日目(D3)および7日目(D7)にクエン酸入り採血管(0.109M、バキュテイナ(商標)、ベクトンディッキンソン社、ル・ポン・ド・クレ、フランス)およびドライ採血管(dry tube)(バキュテイナ(商標)、ベクトンディッキンソン社、ル・ポン・ド・クレ、フランス)に採取された。採血管は速やかに2回、2500gで15分間遠心分離され血小板を枯渇させた血漿及び血清を得て、試料を速やかに−80℃で凍結させた。血液試料は、動脈圧の侵襲的なモニタリングおよび患者の状態によって必要とされる複数の血液試料を採取することを目的とした動脈カテーテルを導入した後に採取され、いかなる追加の穿刺も必要としなかった。研究のために追加で採取された血液試料はなかった。最も一般的に用いられている手法は、橈骨動脈を経由したものであった。6人の健康なボランティアから血液試料を末梢静脈より採取した。
【0137】
血球算定および全血球算定
医学データを扱うための普通の院内サーキット(customary internal hospital circuit)を用いて採血管を血液学研究室に運んだ後に、自動フローサイトメーター(XN20、シスメックス(登録商標)株式会社、神戸、日本)を用いて、血球算定および全血球算定を実施した。蛍光チャネルから、および二つの反応剤を用いたラベリングの後に、全血球算定が行われた。シスメックス(登録商標)株式会社の説明によると、第一の反応剤は赤血球細胞を溶解し、白血球膜上を透過してそこで反応する。第二の反応剤は、ポリメチンをベースにした蛍光色素と結合しており、核酸と結合する。これは細胞が固定されたのちに適用される非透過剤である。その後他の白血球は、波長633nmにおける側方散乱光および前方散乱光センサーを用いて、その蛍光の関数として同定される。
【0138】
止血
止血評価は、STA−R(登録商標)Evolution自動分析装置(Stago社、アニエール、フランス)において普通の反応剤を用いて実施された。このようにして、プロトロンビンレベル(TP)、活性化セファリン時間(ACT)、第V因子レベル(FV)、フィブリノーゲンレベル、Dダイマー(DD)およびアンチトロンビン(AT)を各患者に対して測定した。
【0139】
DICの同定に「ゴールドスタンダード」は存在しない。したがって我々は、DICの診断をJAAM2006スコア
10に従って定義することに決定した。ショック後の最初の48時間でのJAAM(日本救急医学会)スコアが4以上であることにより、初期のDICと定義した。
【0140】
【表2】
【0141】
微粒子アッセイ:
ストレプトアビジンをコートしたマルチウェルプレート(ロシュ(登録商標)社、フランス)上での、機能性プロトロンビナーゼ試験により、アネキシンVでの捕捉によりまたは微粒子の表現型検査のための細胞起源に特有の抗体を用いて、MPの凝固促進活性をアッセイした。これを異なるサンプリング時間において実施した。
【0142】
本チームで開発したMPsの機能性アッセイの方法は、マルチウェルプレート上でプロトロンビナーゼ酵素試験を用いる。ストレプトアビジンをコートしたマルチウェルプレートの底で不溶化ビオチン化アネキシンVでのMPsの捕捉の後にアッセイを実施した。本試験は、アネキシンV(AV)のMPsの表面に発現するホスファチジルセリン(PhtdSer)への親和性を利用する一方で、ビオチンのストレプトアビジンへの親和性を利用している。ストレプトアビジンは、ウェルの底部と共有結合し、ビオチンしたAVがストレプトアビジンに結合する。MPsの表現型について、AVは、MPsの細胞起源に特異的な別の標的に特異的な異なるビオチン化モノクローナル抗体(Ab)に置き換わる。したがって我々は、抗CD105抗体(エンドグリン)(R&Dシステムズ社、ミネアポリス、米国)を内皮起源のMPsの特性付けに使用し、抗CD11a抗体(Leinco
Technologies社、セントルイス、米国)を白血球起源のMPsの特性付けに使用し、抗CD66b −CEACAM8−抗体(BD Pharmingen社、フランクリンレイクス、米国)を好中球起源のMPsの特性付けに使用する。健康なボランティアの基準は、以前の研究の過程で確立された(Stiel et al: “Neutrophil Fluorescence: A New Indicator of
Cell Activation During Septic Shock−Ind
uced Disseminated Intravascular Coagulation.”Crit Care Med. 2016;44(11):e1132−e1136)。
【0143】
微粒子を含む血漿試料(100μl/well)を次いでウェルに二重に配置し、37℃で30分間培養した。ウェルの底部でのMPsを捕捉、入念な洗浄の後、プロトロンビナーゼ酵素反応を実施した。MPsに固定されたホスファチジルセリンが、トロンビンのプロトロンビンへの変異を制限する要因となるように、カルシウムおよび添加した凝固因子II、VaおよびXaを決定した。発色基板の溶解作用により、生成したトロンビン量が明らかになった(pNAPEP0216、1.52mM、Cryopep、モンペリエ、フランス)。405nmで、分光光度計(VersaMax Molecular Devices社、サニーベール、カリフォルニア、米国)を用いて吸収を測定した。測定した吸収値は、MPsが露出するPhtdSerの量に比例する。結果は、既知の量のPhtdSerをもつ合成小胞について作成される検量線を参照してナノモル当量のホスファチジルセリン(nMeq.PhtdSer)として表わされる。
【0144】
統計
変数は頻度として記述され、χ二乗検定またはFisherの正確検定によって比較された。繰り返し測定はクラスカル−ウォリス検定を用いて平均値および標準偏差として定量データが与えられた。繰り返し測定は繰り返し測定ANOVAまたは混合線形モデルによって分析された。t検定とボンフェローニ補正をもちいて事後分析を実施した。この分析を実施する前に、変数は正規性について評価され、正規分布でない変数は対数変換、平方根変換、逆変換、または指数変換のいずれかを用いて変換された。DICの発生を説明するために、ロジスティック回帰のいくつかのモデルが使用された。すべての統計分析はRバージョン3.1.3ソフトウェア(R Core Team(2012)、R:統計計算のための言語および環境、R Foundation for Statistical Computing、ウイーン、オーストリア)を用いて行われた。p<0.05の場合統計的に有意であるとみなされる。
【0145】
主な結果:259患者が分析された。61人は入院時にDICであり、(DIC−D1)、32人が入院後24時間の間にDICを発症した(DIC−D2)。いくつかのロジスティック回帰モデルにより内皮細胞由来のMPsはDICに関連していて、CD105+MPs(OR 2.13)およびCD31+MPs(OR 0.65)(p<0.05)であることが確かめられた。加えて、白血球に対するCD11a微粒子の割合が白血球の活性化の証拠である(OR1.59、p<0.05)。DICの予測はまた、DIC−D1の患者を除いた後、分析された。複数のロジスティック回帰による新たな分析により、CD105MPs(>0.60nMeq.PhtdSer、OR1.67、p<0.01)、血小板数(≦127g/l、OR0.99、p<0.01)およびプロトロンビン時間(≦58%、OR0.98、p<0.05)のDICとの関連が示された。これらのマーカーを組み合わせた入院時におけるスコアにより、DICを伴わないことが予測される(AUC72.9%、特異度71.2%、感度71.0%、陰性適中率93.1%および陽性適中率31.0%)。
【0146】
詳細な結果
入院中の患者を分析するために、D2におけるDICを評価するために(DIC−D2)、DIC−D1の患者を除外した。これらの88患者を分析した。血小板数およびプロトロンビンレベルは、DICを伴わない患者と比べてDIC−D2患者では有意に低かった。アンチトロンビンおよびDダイマーについては、差はなかった。D2およびD3において、血小板数、プロトロンビンレベルおよびアンチトロンビンは、DIC−D2患者のD1より低く、Dダイマーでは有意に高かった(p<0.05)。これらのパラメーター
はすべてDICを伴わない患者において有意に差があり(p<0.05)、3つのパラメーター全てで大きく増加した。注目すべきはISTHの「overt」スコアおよびISTHの「non−overt」スコアではDICは予測できないということである。
【0147】
微粒子、DICの初期マーカー
合計の微粒子(MPs)の循環レベルは、敗血症性ショックの患者において高い。細胞活性化によりDICが進行し、D2におけるDICの診断を改善するために患者の蘇生が認められるポイントから、我々は内皮微粒子および白血球の活性化を分析した。
【0148】
CD105+MPs(p=0.09)およびCD11a+MPs/白血球(p=0.18)は、DIC−D2と関連があり、一方でCD31+MPsではそうではなかった。
【0149】
D1において評価されたDICの生物学的指標として実施された単変量解析は、ルーチンの微粒子試験を含み、4つのパラメーター、CD105+MPs、血小板数、プロトロンビンレベルおよび好中球蛍光(NEUT−FL)が、p<0.20であることを明らかにした。CD105MPs、プロトロンビンレベルおよび血小板数は、多重ロジスティック回帰において有意にDICと関連があった。
【0150】
各パラメーターの個別の動きは、それらを組み合わせることで非常に大きくなる。予測方程式は1.342+(0.515×[CD105
+MPs])−(0.012×[Plt])−(0.018×[PT])と記述され、単位は[CD105
+MPs]が nM
eq. PtdSer、[Plt]がg/l、[PT]がパーセント(%)である。
【0151】
曲線下面積は72.9%であり、95%CI[66.2〜78.9](p<0.001)であった。閾値、つまりカットオフ値は−1.231であり、特異度71.2%[63.7〜77.9]、感度71.0%[52.0〜85.8]、陰性的中率93.1%[72.5〜99.6]および陽性的中率31.0%[7.9〜64.5]であった。
【0152】
我々のコホートでは、259患者は初期の臨床試験において確立された特定の抗凝固治療のために入院できたかもしれない。JAAMによれば、61人は入院時にDICがあり、速やかに入院したかもしれない。日常的なJAAMスコアの算出により、2日目における残りの198患者のうち抗凝固治療がふさわしい31患者をDICと診断することが可能になるだろう。我々の予測スコアの使用により、125患者はDICのリスクが非常に低いと考えることができ、抗凝固治療を受けずに済んだ。わずか8人(6.5%)が、2日目にJAAMによって認識されたであろうDIPを発症するだろう。
【0153】
微粒子、DICの初期マーカー
合計の微粒子(MPs)の循環レベルは、敗血症性ショックの患者において高い。DIC群と非DIC群で測定されたMPsに量的な違いはない。しかしながら、DICを伴う患者は、血漿微粒子の表現型という点で違いを生じる。DICを伴う患者において、DICを発症していない患者と比較して内皮CD105MPsの量はとても増加した(p<0.01)。この違いは、D1から表れて、D7まで続いた。白血球CD11a MPsは、白血球の活性化を反映するもので、D1からD7までDICを伴う患者において有意に高かった。同様に、白血球CD11aMPs/白血球の割合は、DICを発症した患者において高かった(p<0.05)。この違いは、D1から表れて、続いた(
図1C)。同様に、DICを伴う患者において、好中球CD66bMPsの有意な増加があった。MPs−CD66b/好中球の割合は、敗血症性ショックの患者において増加し、2群間での差が観察された(p<0.01)
【0154】
【表3】
【0155】
【表4】
【0156】
実施例2 好中球蛍光、プロトロンビンレベル血小板数およびCD105MP微粒子を組み合わせたスコアの例
患者
集中治療室への入院時に敗血症性ショックの基準に該当した、成人年齢の150人の患者が、本研究に含まれた。末期の慢性疾患を患う患者および好中球減少症を患う患者は本研究から除外された。JAAMスコアに従うことにより、35%の患者にDICが見られた。敗血症性ショックにより誘発された初期のDICを伴う患者は、より重症で、統計的なSOFA(Sequential Organ Failure Assessment Score)およびSAPS2(Simplified Acute Physiology Score)重症度スコアが高く、またDIC群において死亡率も高かった(表5)。白血球および好中球数は、DICを伴う患者において有意に低く、ヘモグロビン数およびナトリウムレベルは変化なしであり、したがって血漿希釈効果は除外された。
【0157】
採血
表1に表した試料に加え、患者の治療に必要な分析のために、DNAデコンパクションに関連した全血球算定および蛍光の検出を行うために用いられるEDTA採血管(バキュテイナ(商標)、ベクトンディッキンソン社、ル・ポン・ド・クレ、フランス)を含む採血管が用いられ、DNAデコンパクションに関連する蛍光の検出のために用いられた。検証過程を通じて我々は、健康なボランティアから得た試料から、濃度4μMのイオノマイシン(カルビオケム、メルクバイオディベロップメント社、マルティヤック、フランス)により刺激された好中球の生体外活性化を分析した。
【0158】
血球算定および全血球算定
二重鎖への近づきやすさ(未熟細胞、細胞活性化など)を示す、DNAインターカレーターによるラベリングの強度をNEUT−FLとして同定した。NEUT−FLパラメーターの基準は、1300回の評価、つまりストラスブールCHU(大学病院)の成人の外科的および内科的専門分野をすべて集めた2か所の病院にて24時間生物学的評価をうけているすべての成人患者により確立された。
【0159】
細胞の形態分析
患者について血液塗抹標本が作製され、EDTA(7.2mg/4ml)/クエン酸(0.129M)採血管に採取され、その後メイ・グリュンワルド・ギムザ染色を行った。健康なボランティアのサンプルも、末梢静脈より採取させてもらった血液試料から、作製された。
【0160】
統計:
カテゴリー(または質的)変数は、Fisherの正確検定により分析し、連続型変数は、Wilcoxonの符号付き順位検定により分析した。分布の正規性は、シャピロ・ウィルク(Shapiro−Wilk)検定により分析した。Bonferroni−Holm法を用いて、多重比較における調整済p値を得た。曲線下の受信者動作特性(ROC)を分析し、Spearmanの相関係数を決定した。p値が0.05より小さい場合、統計的に有意と考えられる。すべての統計分析はRバージョン3.1.3ソフトウェア(R Core Team(2012)、R:統計的計算のための言語および環境、R Foundation for Statistical Computing、ウイーン、オーストリア http://www.Rproject.org/)によって行った。非対称変数は、グラフパッドプリズム(GraphPad Prism)(登録商標)ソフトウェア、バージョン6(ラホヤ、カリフォルニア、米国)に基づいて四分位点付きの中央値の形式で表わされる。
【0161】
結果:
白血球数
白血球および好中球数は、DICを伴う患者において有意に低かった。好中球蛍光は、敗血症性ショックの患者すべてにおいて増加した(p<0.01)。
【0162】
好中球の細胞形態学
検討された患者において、DICを、
図5Dに示されるようなメイ・グリュンワルド・ギムザ染色による血液塗抹標本で観察される好中球の形態変化と関連づけることが可能であることが観察された。実際、好中球中の核の粒度の減少および分葉の減少が特に観察された。これらの変化は、細胞学的スコアによって、採血の後3日間にわたってその値とDICの間に正のおよび有意な相関(p<0.05)を得ることを目的として、定量化されてもよい。
【0163】
白血球蛍光
D1またはD2においてJAAMスコア≧4で定義される初期DICを伴う患者において、任意の単位(AU)で測定される多核好中球(PNN)の平均蛍光は、DICを伴わない患者と比較して有意に増加し、その差は有意であり(p<0.01)、70.0[66.4〜81.8]に対して50.7[46.3〜53.8]AU、p<0.05、健康なボランティアによる我々の研究室で得られた正常値は44.8[43.5〜46.9]AU、p<0.05、およびCHUの成人患者1340人、つまり24時間にわたる血球算定を受けたすべての患者、について測定された平均値は46.80[42.7〜50.4]AUであった。ROC曲線が得られ、カットオフ値57.3AU、それ以上の蛍光の増加によりDICが感度90.9%、特異度80.6%で予測される、でDICの診断に対して曲線下面積は0.882(p<0.0001)であった。
【0164】
D1において評価されたDICの生物学的指標として実施された単変量解析は、ルーチンの微粒子試験を含み、4つのパラメーター、CD105
+MPs、血小板数、プロトロンビンレベルおよび好中球蛍光(NEUT−FL)、がp<0.20であることを明らかにした。
【0165】
【表5】
【0166】
D1および上記の単変量解析中の適格者(p<0.20)において測定された生物学的パラメーターについて実施した多変量解析を表6に記載する。
【0167】
【表6】
【0168】
以下の式による予測スコアS
1を算出する方法の適用
S
1=0.786+1.040
*V
neutfl+0.851
*V
CD105+(−0.010
*V
Plt)+(−0.017
*V
TP)
【0169】
式中、値Vneutflは、血漿試料中の好中球蛍光が57AUより大きい場合1、好中球蛍光が57AU以下の場合0、V
CD105値は、CD105
+MPs濃度が0.65nMeqより大きい場合1、PSまたはV
CD105値は、CD105
+MPs濃度が0.65nMeqより小さい場合0であった。PS、V
Plt値は、血小板濃度が127g/lより小さい場合1、血小板濃度が127g/lより大きい場合0、V
TP値は、プロトロンビンレベルが58.5%より小さい場合1、プロトロンビンレベルが58.5%より大きい場合0であった。
【0170】
S値が−0.47より大きい場合、DICおよび/またはDICの発症を示す。
【0171】
本方法はまた、以下の予測スコアを用いて実施された。
S
1=ε+V
neutfl×α+V
CD105×β+V
platelets×Ω+V
TP×θ
式中、εは−0.708〜2.280、αは0.152〜1.928、βは0.154〜1.549、Ωは−0.016〜−0.005、およびθは−0.036〜0.001であった。
【0172】
このスコアは、異なる係数の95%信頼区間に基づいて生成され、DICの存在および/またはDICの発症を決定することができる。
【0173】
実施例3 好中球蛍光、プロトロンビンレベルおよび血小板数を組み合わせたスコアの例
この実施例において、DICを検出する/予測するためのアルゴリズムは、上述の実施例2で得られた臨床データから決定した。
【0174】
このアルゴリズムの構築は、実施例2からの患者のコホートにおいて初期DICのロジスティック回帰モデル、p≦0.20で初期DICの発生に有意に関連する変数についての単変量解析、その後多変量解析、により実施された。
【0175】
これに関連して、各患者は、実施例2に記述される方法に従って算出された好中球蛍光、プロトロンビンレベルおよび血小板数についての測定値により特徴づけされた。
【0176】
以下の式による予測スコアS
2を算出する方法の適用
S
2=1.726+1.060
*V
neutfl+(−0.010
*V
Plt)+(−0.022
*V
TP)
式中、値V
neutflは、血漿試料中の好中球蛍光が57AUより大きい場合1、好中球蛍光が57AU以下の場合0、V
Plt値は、血小板濃度が127g/lより小さい場合1、血小板濃度が127g/lより大きい場合0、V
TP値は、プロトロンビンレベルが58.5%より小さい場合1、プロトロンビンレベルが58.5%より大きい場合0であった。
【0177】
S値が0.16より大きい場合、DICおよび/またはDICの発症を示す。
【0178】
本方法はまた、以下のS
2予測スコアを用いて実施された。
S
2=ε+V
neutfl×α+V
Plt×Ω+V
TP×θ
式中、εは0.381〜3.070、αは0.209〜1.910、Ωは−0.015〜−0.005、およびθは−0.040〜−0.004であった。
【0179】
このスコアは、異なる係数の95%信頼区間に基づいて生成され、DICの存在および/またはDICの発症を決定することができる。
【0180】
実施例4 フローサイトメトリーを用いた、好中球蛍光に関連するNETマーカーの同定
概要:
蛍光性好中球は、上記実施例2で記述された方法に似ているラベリング法を用いた従来のフローサイトメトリー法によって同定された。血中好中球は、蛍光性抗白血球(pan−白血球マーカー、CD45)抗体、抗多核好酸球(CD49d)抗体および単球(CD14)抗体の組み合わせを用いて同定された。赤血球溶解の後に、核へのインターカレーターを用いたラベリングが実施された。ラベリングの後5分間取得することによって、DICを伴う患者の血液試料において、敗血症を伴わない患者と比べて大きな蛍光を伴った好中球の集団を明らかにすることができた(
図6A)。
【0181】
目的:
有意な蛍光を持つ好中球の集団の存在を、NETosis、これは例えばDICに関連してもよい、を意味するNETsの存在と比較する。イオノマイシンの添加(4μM、37℃で30分)によってNETosisが引き起こされている、敗血症を伴わない患者の血液試料、または2つのNETsマーカー、シトルリン化ヒストンH3およびミエロペルオキシダーゼ活性を評価する敗血症の患者の血液試料が従来のフローサイトメトリーにより検討された。細胞表面および細胞内表面へアクセス可能な抗原の存在を示す細胞外ラベリングが、透過処理の後に実施された。
【0182】
材料および方法を以下に詳述する。
採血:血液試料を、抗凝固剤としてカルシウムヘパリナート(calcium heparinate)を用いた採血管に採取した。イオノマイシン(4μM)による敗血症を伴わない患者の試料への刺激および通常の全血球算定が37℃で30分間、最終カルシウム濃度2mMで実施された。この目的のために、3.2μlのイオノマイシン溶液が50μlの血液試料中に導入された。イオノマイシンはその後低速遠心分離、すなわち540×gで5分間、で除去された。
【0183】
強く蛍光する好中球の同定:血液試料をリン酸緩衝食塩水(PBS)に1回希釈し、その後Biocytexから入手した蛍光性pan−白血球抗体(CD45−FITC)、抗多核好酸球(CD49d−PE)抗体および抗CD14−APC単球抗体の組み合わせとともに5分間培養し、その後赤血球溶解(slow lysis, Biocytex
)した。従来のサイトメーター(FacsCalibur、ベクトンディッキンソン社)において、サンプル取得の5分前に核へのインターカレーター(SYTO40、1.33mM、またはSYTO RNA Select、133.5μM、Thermofisher社)を次いで添加した。
【0184】
好中球に関連するNETsの同定:イオノマイシンにより刺激されたまたは刺激されていない白血球を環境温度で20分間、抗体の組み合わせ(pan−白血球抗CD45クローンH130(V500、クローンH130、BDバイオサイエンス社)、抗好中球抗CD16クローン3G8(BV421、BDバイオサイエンス社)、抗MPO(クローン5B8、BDバイオサイエンス社)および抗シトルリン化ヒストン(ポリクローナル抗体ab5103、アブカム社))とともに培養することにより標識化した。この目的のために、50μlの血液試料を上記の抗体とともに培養した。透過処理(BD Facs 10倍希釈透過溶液、BDバイオサイエンス社)の後に細胞内標識化が実施された。すべての抗体を、周辺温度、すなわち20℃で、20分間暗所で培養した。0.5%のFCS(ウシ胎仔血清)を含むPBS緩衝液で洗浄した後、Alexa700(A21038、Thermofischer社)とコンジュゲートした二次ウサギ抗IgG抗体を、周辺温度、すなわち20℃で、20分間暗所で培養し、抗ヒストン免疫グロブリンの二次標識化を完了した。0.5%のFCSを含むPBS緩衝液で洗浄した後に、従来のサイトメーター(ベクトンディッキンソン社)において、サンプル取得した。
【0185】
主な結果:
図6Aに示されるように、DICが存在する場合、任意の単位で表わされる平均好中球蛍光は、従来のサイトメトリーを用いた敗血症を患っていない対象の値より有意に高かった(p<0.01)。抗シトルリン化ヒストン抗体(それぞれ
図6CIおよびII)および抗ミエロペルオキシダーゼ(それぞれ
図6BIおよびII)による細胞外および細胞内標識化により、(i)NETosisはより大きな好中球の出現に影響される、(ii)抗シトルリン化ヒストン抗体による細胞外標識化の後に平均蛍光は増加し、一方で細胞内標識化では減少する、(iii)対称的に、抗ミエロペルオキシダーゼ抗体による細胞外標識化の後の平均蛍光はサイズの大きい好中球の群においてより大きく、一方で平均細胞内蛍光は減少することが明らかになった。
【0186】
これらの測定により、従来のフローサイトメトリーにより、DIC患者の試料において増加した好中球蛍光を同定することができることが明らかに実証される。加えて、この実施例により、従来のフローサイトメトリーにより、例えば核酸を挿入するためのプローブなどを用いて好中球蛍光を同定できること、また例えば外因性の要因(イオノマイシン)などにより引き起こされるまたはシトルリン化ヒストンおよびミエロペルオキシダーゼを好中球の群に標識化したDIC患者の血液試料にあるNETosisの存在を同定することができることが明らかに実証される。
【0187】
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