特許第6984963号(P6984963)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6984963
(24)【登録日】2021年11月29日
(45)【発行日】2021年12月22日
(54)【発明の名称】測定システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/06 20060101AFI20211213BHJP
   H01L 21/66 20060101ALI20211213BHJP
【FI】
   G01B11/06 H
   H01L21/66 P
【請求項の数】18
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2019-569971(P2019-569971)
(86)(22)【出願日】2018年1月22日
(65)【公表番号】特表2020-523607(P2020-523607A)
(43)【公表日】2020年8月6日
(86)【国際出願番号】CN2018073617
(87)【国際公開番号】WO2018227975
(87)【国際公開日】20181220
【審査請求日】2020年2月6日
(31)【優先権主張番号】201710447669.9
(32)【優先日】2017年6月14日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519444616
【氏名又は名称】スカイバース テクノロジー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】チェン、ル
【審査官】 九鬼 一慶
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−075452(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/077652(WO,A1)
【文献】 特開昭63−229309(JP,A)
【文献】 特開2015−087197(JP,A)
【文献】 特開平10−267628(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0255097(US,A1)
【文献】 韓国公開特許第10−2006−0087714(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 11/06
H01L 21/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定システムであって、
試料表面からの反射光を受信し、前記反射光を少なくとも第1の反射ビームと第2の反射ビームとに分割するように構成されるレンズアセンブリと、
前記試料表面の撮像データを生成するために第1の反射ビームを受信するように構成される撮像ユニットであって、前記撮像データが、前記試料の少なくとも1つの検出領域内に位置する少なくとも1つの検出範囲の分布情報を含む、撮像ユニットと、
前記第2の反射ビームを受信し、前記検出範囲内の特定の物体の膜厚データを取得するように構成される膜厚測定ユニットと、
前記撮像ユニットおよび前記膜厚測定ユニットに通信可能に結合され、
前記分布情報に基づいて前記少なくとも1つの検出範囲の検出経路を決定し、前記膜厚測定ユニットに、前記検出経路に基づいて前記検出範囲の膜厚データを取得させるように構成される、処理ユニットであって、
光路上で、前記撮像ユニットのスペクトル受信表面が前記試料表面と光学的に共役するように構成され、前記膜厚測定ユニットのスペクトル受信表面が、前記試料表面と光学的に共役するように構成される、処理ユニットとを
備える、システム。
【請求項2】
前記処理ユニットが、
前記試料表面の領域特性に基づいて、前記少なくとも1つの検出領域を決定することにより、前記少なくとも1つの検出領域の検出経路を決定することと、
前記検出範囲の特性に基づいて、前記少なくとも1つの検出領域に位置する前記検出範囲の前記分布を決定することにより、前記検出範囲の前記検出経路を決定することと
を行うようにさらに構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記検出範囲が凹部または突出部を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記検出範囲が測定対象のホールを含む場合、前記処理ユニットは、
前記撮像データに基づいて円形ホールの情報を取得し、前記円形ホールの情報が、前記円形ホールの分布情報および特性情報を含むことと、
測定対象の前記ホールの特性および前記円形ホールの情報に基づいて、前記試料表面上で測定対象の前記ホールの前記分布を決定することと
を行うようにさらに構成される、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記膜厚測定ユニットは、
前記膜厚測定ユニットの前記スペクトル受信表面が、前記検出範囲からの反射光のみを受信するように、前記膜厚測定ユニットの前記スペクトル受信表面と前記レンズアセンブリとの間に前記光路に沿って配置された少なくとも1つの開口部を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記膜厚測定ユニットが、第1の特性を有する反射光を除去するように構成される第1の開口部と、第2の特性を有する反射光を除去するように構成される第2の開口部とを含む、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記第1の特性を有する前記反射光の反射角が、前記第2の特性を有する前記第2の開口部の反射角より小さい、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記第1の開口部が、前記第2の開口部と同軸に配置される、請求項6または7に記載のシステム。
【請求項9】
前記第1の開口部の開口部サイズが、前記第2の開口部の開口部サイズより大きい、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
指定された前記検出範囲は、
前記処理ユニットによって、前記少なくとも1つの検出範囲の前記検出経路に従って指定された前記検出範囲を決定する段階と、
前記処理ユニットによって、ユーザ入力に基づいて指定された前記検出範囲を決定する段階との少なくとも1つによって決定される、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記試料を運ぶように構成される電気プラットフォームであって、前記電気プラットフォームが、前記処理ユニットの制御下で移動する、電気プラットフォームと、
前記試料表面に入射ビームを提供するように構成される光源アセンブリであって、前記光源アセンブリがキセノンランプを含む、光源アセンブリとをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
測定方法であって、
試料からの第1の反射ビームに基づいて試料表面の撮像データを取得する段階であって、前記撮像データが、前記試料の少なくとも1つの検出領域に位置する検出範囲の分布情報を含む、取得する段階と、
前記試料表面からの第2の反射ビームに基づいて、前記検出範囲の膜厚データを取得する段階と、
前記分布情報に基づいて前記検出範囲の検出経路を決定する段階と、前記検出経路に基づいて各検出範囲の膜厚データを取得する段階と
を備える、方法。
【請求項13】
前記分布情報に基づいて前記少なくとも1つの検出範囲の前記検出経路を決定する段階が、
前記試料表面の領域特性に基づいて、前記少なくとも1つの検出領域を決定することにより、前記少なくとも1つの検出領域の検出経路を決定する段階と、
前記検出範囲の特性に基づいて、前記少なくとも1つの検出領域内に位置する前記検出範囲の前記分布を決定することにより、前記検出範囲の前記検出経路を決定する段階とを備える、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記検出範囲が測定対象のホールを含む場合、前記ホールの特性に基づいて、前記少なくとも1つの検出領域内の測定対象の前記ホールの前記分布を決定する段階が、
前記撮像データに基づいて円形ホールの情報を取得する段階であって、前記円形ホールの情報が、前記円形ホールの分布情報および特性情報を含む、取得する段階と、
測定対象の前記ホールの特性および取得された前記円形ホールの情報に基づいて、前記少なくとも1つの検出領域内の測定対象の前記ホールの前記分布を決定する段階とを備える、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
測定方法であって、
試料表面からの反射光を少なくとも第1の反射ビームと第2の反射ビームとに分割する段階と、
前記第1の反射ビームに基づいて、前記試料表面の撮像データを生成する段階であって、前記撮像データが、前記試料の少なくとも1つの検出領域内に位置する測定対象の分布情報を含む、生成する段階と、
前記分布情報に基づいて、前記測定対象位置を決定する段階と、前記第2の反射ビームおよび前記分布情報に基づいて、前記測定対象の膜厚データを取得する段階とを
備える、方法。
【請求項16】
前記分布情報に基づいて前記測定対象の検出経路を決定する段階であって、
前記試料表面の領域特性に基づいて、前記少なくとも1つの検出領域および前記少なくとも1つの検出領域の検出経路が決定され、
前記測定対象の特性に基づいて、前記少なくとも1つの検出領域内に位置する前記測定対象の前記分布および前記測定対象の前記検出経路が決定される、決定する段階をさらに備える、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記測定対象がホールを含む場合、
前記撮像データに基づいて、円形ホールの情報を取得する段階であって、前記円形ホールの情報が、前記円形ホールの分布情報および特性情報を含む、取得する段階と、
測定対象の前記ホールの特性および取得された前記円形ホールの情報に基づいて、前記少なくとも1つの検出領域で測定対象の前記ホールの前記分布を決定する段階とを備える、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記試料からの前記反射光を前記第1の反射ビームと前記第2の反射ビームとに分割する段階の前に、方法が、請求項1に記載のシステムを提供する段階をさらに備え、
前記レンズアセンブリによって、前記反射光を前記第1の反射ビームと前記第2の反射ビームとに分割
前記撮像ユニットによって、前記測定対象の前記撮像データを取得
前記膜厚測定ユニットによって、前記測定対象の前記膜厚データを取得
前記処理ユニットによって、位置情報を決定
前記処理ユニットによって、前記膜厚測定ユニットに前記測定対象の前記膜厚データを取得させる、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体パッケージングのための検出技術の分野に関し、より詳細には、検出範囲の膜厚の高精度で非破壊的な測定を実施するためのデバイスおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子製品の小型化および多機能化の発展に伴い、集積回路(IC)は高密度、小型、低消費電力、およびシステムレベルに徐々に移行している。ICパッケージング技術は、高密度パッケージングの時代に入った。機能サイズを縮小することによって、集積を増加させ続ける従来のパッケージング方法が限界に近づいているため、三次元パッケージング技術がより望ましい選択である。三次元パッケージング技術(積層チップパッケージングとしても知られる)は、パッケージのサイズを変更することなく、2つ以上のチップを同一パッケージ内で垂直に積み重ねるパッケージング技術を指す。従来のパッケージング技術と比較して、三次元パッケージング技術は、デバイスのサイズおよび重量を削減し、シリコンの利用可能な範囲をより効果的に使用するだけでなく、デバイスがより速い変換速度で動作することを可能にする。
【0003】
三次元パッケージングを実現するには、チップ間相互接続を完成させるために垂直シリコン貫通ビアを使用するTSV(シリコン貫通ビア)技術などの関連する半導体製造技術も必要である。TSVプロセスの場合、通常、TSVのホールサイズ、位置情報、およびホール底部の膜厚を検出する必要がある。膜厚の測定時には、検出範囲は非常に小さく(TSVホールの開口部サイズは一般に数十から数百マイクロメートル程度)、検出範囲の高さは大きく異なり、チップ上に散在するホールの数は多い。
【0004】
現在、TSVホール底部の膜厚を測定する方法はいくつか存在する。例えば、膜厚分析はSEM撮像によって実行され得る。しかし、この方法はTSVホールを切断しTSVホールの側面で撮像する必要がある破壊的な測定方法である。したがって、この方法は試料採取研究のみで使用できるものであり、普遍的なプロセス監視を実現することはできない。
【0005】
TSVホール底部の膜厚の測定と同様に、チップ処理プロセスでは、溝、角ホール、長ホール、円柱状突出部、同心円など、数十マイクロメートルの構造の膜厚を測定する必要がある。加工技術の発展に伴い、ミクロンサイズの構造の膜厚を測定することが必要である。
【0006】
したがって、普遍的なプロセス監視に適合されたホール底部の膜厚を測定する方法が必要である。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1] 特開2015−075452号公報
【発明の概要】
【0007】
上記の問題に対して、反射スペクトル測定光学システムならびに対応するハードウェアおよびソフトウェア実装の技術的解決策が提供される。光学システムの信号取得端部は、大きな光スポット照明の条件下でTSVホール底部の膜厚を分析するように設計されている。光学システムは、同一の測定システムにおいてTSVホールの位置決めおよび開口部サイズ測定機能を実現するために、チップ表面撮像を実行することにより、チップ上のTSVホールの自動検出および分析を実現することができる。本出願の一態様は、試料表面からの反射光を受信し、反射光を少なくとも第1の反射ビームと第2の反射ビームとに分割するように構成されるレンズアセンブリ、撮像データが試料の少なくとも1つの検出領域に位置する少なくとも1つの検出範囲の分布情報を含む、試料表面の撮像データを生成するために第1の反射ビームを受信するように構成される撮像ユニット、第2の反射ビームを受信し、検出範囲内の特定の物体の膜厚データを取得するように構成される膜厚測定ユニット、および、撮像ユニットおよび膜厚測定ユニットに通信可能に結合され、分布情報に基づいて少なくとも1つの検出範囲の検出経路を決定し、膜厚測定ユニットに、検出経路に基づいて検出範囲の膜厚データを取得させるように構成され、光路上で、撮像ユニットのスペクトル受信表面が、試料表面と光学的に共役するように構成され、膜厚測定ユニットのスペクトル受信表面が、試料表面と光学的に共役するように構成される処理ユニットを備えるシステムを開示する。一実施形態では、検出範囲は、凹部または突出部を含む。
【0008】
上記実施形態によれば、チップに損傷を与えることなく、試料(例えば、チップ)の表面に分布する複数の検出範囲の膜厚を測定することができる。一実施形態では、処理ユニットは、試料表面の領域特性に基づいて少なくとも1つの検出領域を決定することにより、少なくとも1つの検出領域の検出経路を決定し、検出範囲の特性に基づいて少なくとも1つの検出領域に位置する検出範囲の分布を決定することにより、検出範囲の検出経路を決定するようにさらに構成される。
【0009】
本実施形態では、ホールの検出経路の決定について説明する。一般に、試料には複数の検出領域が存在し得る。処理ユニットは、撮像データに基づいて検出領域を識別し、次いで、検出領域の検出経路、すなわち、検出順序を決定し得る。検出経路に従って現在の検出領域が決定され、次いで、現在の検出領域上の検出範囲の分布に基づいて検出範囲の検出経路が決定される。
【0010】
一実施形態では、検出範囲が測定対象のホールを含む場合、処理ユニットは、円形ホールの情報が円形ホールの分布情報および特性情報を含む、円形ホールの情報を撮像データに基づいて取得し、測定対象のホールの特性および円形ホールの情報に基づいて、試料表面で測定対象のホールの分布を決定するようにさらに構成される。
【0011】
処理ユニットは、最初に、円形ホールの位置およびサイズなど、試料上の円形ホールの分布および特性を取得し得る。次いで、測定対象のホールのサイズおよび形状などの特性に基づいて、円形ホールから測定対象のホールが決定される。
【0012】
一実施形態では、膜厚測定ユニットは、膜厚測定ユニットのスペクトル受信表面が、検出範囲からの反射光のみを受信するように、膜厚測定ユニットのスペクトル受信表面とレンズアセンブリとの間に光路に沿って配置された少なくとも1つの開口部を備える。具体的には、膜厚測定ユニットが、第1の特性を有する反射光を除去するように構成される第1の開口部および第2の特性を有する反射光を除去するように構成される第2の開口部を備える。
【0013】
一実施形態では、第1の特性を有する反射光の反射角は、第2の特性を有する第2の開口部の反射角よりも小さい。
【0014】
一実施形態では、第1の開口部が、第2の開口部と同軸に配置される。第1の開口部の開口部サイズは、第2の開口部の開口部サイズより大きい。
【0015】
分光計の前に少なくとも1つの開口部を配置して、ホールの外側の反射光を除去することにより、大きな撮像範囲の場合に小範囲測定を実現できるようにする。
【0016】
一実施形態では、指定された検出範囲は、処理ユニットによって、少なくとも1つの検出範囲の検出経路に従って指定された検出範囲を決定する段階、および処理ユニットによって、ユーザ入力に基づいて指定された範囲を決定する段階の少なくとも1つによって決定される。
【0017】
一実施形態では、システムは、電気プラットフォームが処理ユニットの制御下で移動する、試料を運ぶように構成される電気プラットフォーム、および光源アセンブがキセノンランプを含む、試料表面に入射ビームを提供するように構成される光源アセンブをさらに備える。
【0018】
本出願の別の態様は、撮像データが試料の少なくとも1つの検出領域に位置する検出範囲の分布情報を含む、試料表面の撮像データを試料からの第1の反射ビームに基づいて取得する段階、試料表面からの第2の反射ビームに基づいて、検出範囲の膜厚データを取得する段階、分布情報に基づいて検出範囲の検出経路を決定し、検出経路に基づいて各検出範囲の膜厚データを取得する段階を備える方法を開示する。
【0019】
一実施形態では、分布情報に基づいて少なくとも1つの検出範囲の検出経路を決定する段階が、試料表面の領域特性に基づいて少なくとも1つの検出領域を決定することにより、少なくとも1つの検出領域の検出経路を決定する段階、および、検出範囲の特性に基づいて少なくとも1つの検出領域に位置する検出範囲の分布を決定することにより、検出範囲の検出経路を決定する段階を備える。
【0020】
一実施形態では、検出範囲が測定対象のホールを含む場合、ホールの特性に基づいて少なくとも1つの検出領域内で測定対象のホールの分布を決定する段階が、円形ホールの情報が円形ホールの分布情報および特性情報を含む、円形ホールの情報を撮像データに基づいて取得する段階、および測定対象のホールの特性および取得された円形ホールの情報に基づいて、少なくとも1つの検出領域内で測定対象のホールの分布を決定する段階を備える。
【0021】
本出願の別の態様は、試料表面からの反射光を少なくとも第1の反射ビームと第2の反射ビームとに分割する段階、撮像データが試料の少なくとも1つの検出領域に位置する検出範囲の分布情報を含む、試料表面の撮像データを第1の反射ビームに基づいて生成する段階、分布情報に基づいて検出範囲の位置情報を決定する段階、ならびに第2の反射ビームおよび分布情報に基づいて、検出範囲の膜厚データを取得する段階を備える測定方法を開示する。
【0022】
一実施形態では、方法は、試料表面の領域特性に基づいて、少なくとも1つの検出領域および少なくとも1つの検出領域の検出経路が決定され、検出範囲の特性に基づいて、少なくとも1つの検出領域内に位置する検出範囲の分布および検出範囲の検出経路が決定される、分布情報に基づいて決検出範囲の検出経路を決定する段階をさらに備える。
【0023】
一実施形態では、検出範囲が測定対象のホールを含む場合、円形ホールの情報が円形ホールの分布情報および特性情報を含む、円形ホールの情報を撮像データに基づいて取得する段階、および測定対象のホールの特性および取得された円形ホールの情報に基づいて、少なくとも1つの検出領域内で測定対象のホールの分布を決定する段階を備える。
【0024】
一実施形態では、試料からの反射光を第1の反射ビームと第2の反射ビームとに分割する段階の前に、方法が、レンズアセンブリによって、反射光を第1の反射ビームと第2の反射ビームとに分割する段階、撮像ユニットによって、検出範囲の撮像データを取得する段階、膜厚測定ユニットによって、検出範囲の膜厚データを取得する段階、処理ユニットによって、位置情報を決定する段階、および処理ユニットによって、膜厚測定ユニットに検出範囲の膜厚データを取得させる段階を特徴とする請求項1のシステムを提供する段階を備える。
【0025】
本発明は、光学システムにおける大きなスポット照明の条件下で小範囲測定を実現し、その結果、同じ光学システムにおいて大範囲撮像および小範囲膜厚測定を実現でき、チップ上のTSVホールの自動分析を実現できる。本発明は、チップに損傷を与え得ないか、または汚れを生じさせ得ない非接触測定方法であり、測定速度が速く、生産プロセスにおけるプロセス監視に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
実施形態は、図面を参照して示され、説明される。これらの図面は、基本原理を明確にし、それによって基本原理を理解するために必要な態様のみを示している。これらの図面は一定の縮尺ではない。図面において、同一の参照番号は、同様の特徴を示す。
【0027】
図1】本発明の実施形態によるTSVホール測定システムのブロック図である。
【0028】
図2図1に示すTSVホール測定システムの光路を示す概略図である。
【0029】
図3A】膜厚を測定する原理を示す概略図である。
【0030】
図3B】本発明の実施形態によるTSVホール底部の膜厚の測定を示す概略図の一部である。
【0031】
図3C】本発明の実施形態によるTSVホール底部の膜厚の測定を示す概略図の別の部分である。
【0032】
図4】本発明の実施形態による信号選択受信アセンブリを示す概略図である。
【0033】
図5】本発明の実施形態による測定システムの動作を示す流れ図である。
【0034】
図6】本発明の実施形態による単一の範囲内のTSVホールを測定する流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下の実施形態の詳細な説明では、本発明の一部を形成する添付図面を参照する。添付の図面は、例として、特定の実施形態を示している。例示的な実施形態は、本発明によるすべての実施形態を網羅することを意図するものではない。本発明の範囲から逸脱することなく、他の実施形態を利用し得て、構造的または論理的な修正を行い得ることを理解されたい。したがって、以下の詳細な説明は限定的ではなく、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によって定義される。
【0036】
当業者に知られている技術、方法、および装置は、詳細に議論され得ないが、技術、方法、および装置は、適切な場合、明細書の一部として考慮されるべきである。
【0037】
TSVホール底部の膜の測定では、検出範囲が非常に小さいため、ホールの外側の範囲内の信号干渉を除去する必要がある。本発明は、信号取得端部が、大きなスポット照明の条件下でTSVホール底部の膜厚分析を実現するように設計された光学システムを提供する。システムの光路を使用してチップの表面を撮像することもでき、その結果、システムがTSVホールの位置決めおよび開口部サイズの測定を実現することにより、チップ上のTSVホールの自動検出および分析を実現することができる。
【0038】
本出願で使用されるいくつかの用語の定義が提供される。本出願では、レンズアセンブリは、要件を満たす任意の対物レンズ、チューブレンズ、ビームスプリッタなどを含み得る。測定対象の試料(以下、試料という)の表面を撮像する場合、高倍率撮像および低倍率撮像は、2つの撮像画像の異なる倍率または適用シナリオを示すことを意図しており、特定の撮像倍率を制限することを意図するものではない。さらに、本出願では、測定対象のホールの外側から放射される光は、小さな角度または大きな角度を有し、本明細書での2種類の角度は、反射光が生成される角度の差異を表すことを意図している。これら2種類の角度は特定の値に限定されない。
【0039】
本発明は、他のタイプの凹部および突出部を測定するためにも使用し得ることに留意されたい。例えば、検出範囲は、限定されないが、チップ上の円筒、溝、長ホール、同心円などを含み得る。以下、本発明の概念の説明を容易にするために、測定対象のホール(例えば、TSVホール)を含む検出範囲を例として説明する。当業者は、TSVホールが単なる例として使用され、本発明の適用範囲を限定することを意図していないことを理解するであろう。
【0040】
上記の概念に基づいて、本発明によって提案されるTSVホール測定システムは、2つの光学分岐を含む。
【0041】
図1は、本発明の実施形態によるTSVホール測定システムのブロック図である。システムは、試料10を運ぶための電気プラットフォーム(図示せず)、レンズアセンブリ20、撮像ユニット(IU)21、膜厚測定ユニット(FTMU)22、および処理ユニット(PU)23を含む。
【0042】
レンズアセンブリ20は、試料10からの反射光を受信し、反射光を少なくとも第1の反射ビームと第2の反射ビームとに分割するように構成される。
【0043】
撮像ユニット21は、試料10の表面(以下、試料表面と呼ぶ)の撮像データを取得するために、第1の反射ビームを受信するように構成され、撮像データは、試料10の少なくとも1つの検出領域内で測定対象のホール(TSVホールを含むが、これに限定されない)の分布情報を含む。本明細書の分布情報は、限定されないが、検出領域内のホールの位置および分布を含み得る。
【0044】
試料表面が低倍率で撮像される場合、撮像ユニット21は、第1の反射ビームを受信し、試料表面の撮像データを生成し得る。撮像データを受信した後、処理ユニット23は、試料表面上の各検出領域の領域特性(例えば、各領域の端部のマーク)に従って検出領域を分割することにより、検出領域の検出経路を決定し得る。試料表面が高倍率で撮像される場合、撮像ユニット21は、高倍率に対応する第1の反射ビームを受信することにより、試料表面のより詳細な特性、例えば、試料表面の特定の領域に分布する複数の円形ホールを取得し得る。処理ユニット23は、撮像データに基づいて、円形ホールの分布情報および特性情報を含む丸円形ホールの情報を取得し、測定対象のホールの特性および取得された円形ホールの情報に基づいて、どの円形ホールが測定対象のホール(例えば、TSVホール)であるかを決定することにより、試料表面の測定対象のホールの分布を取得し得る。
【0045】
高倍率撮像の条件下では、膜厚測定ユニット22は、第2の反射ビームを受信し、第2の反射ビームに基づいて試料10のホール底部の膜厚を分析する。膜厚測定ユニット22が、第2の反射ビームから、ホール底部の膜厚に関係のない光を除去することにより、ホール底部のみの膜厚を特徴付けるデータを取得し得る。処理ユニット23は、分布情報に従ってホールの検出経路を決定し、検出経路に基づいて指定されたホール底部の膜厚のデータを膜厚測定ユニット22に取得させることにより、少なくとも1つの検出領域内のホールの測定を実装し得る。選択的に測定される「指定されたホール」は、検出経路に従って処理ユニット23により決定され得るか、またはユーザ入力に基づいて処理ユニット23により決定され得ることを留意されたい。
【0046】
上記に基づいて、処理ユニット23は、分布情報を使用して検出領域内のホールの位置および分布を取得することによりホールの検出経路を決定し得る。検出領域が1つのみであると処理ユニット23が決定した場合、処理ユニット23は、検出領域内のホール(複数可)の検出経路計画を実行し、検出領域が2つ以上ある場合、処理ユニット23は、まず、検出領域内の検出領域レベルで検出経路計画を実行し、次いで、検出領域の検出経路に基づいて検出領域内のホールの検出経路を決定する。現在の検出領域内のホールの分布を取得した後、処理ユニット23は、ホールの検出経路に基づいて各ホール底部の膜厚のデータを取得することにより、検出領域内のホールの測定を実現する。すなわち、ホール底部の膜厚データをホールの位置または他のマークと関連付けて、試料10全体のホール底部の膜厚データを取得する。
【0047】
測定対象のホール底部と、撮像ユニット21および膜厚測定ユニット22に形成される画像との間に一対一の対応関係を形成するため、試料10、撮像ユニット21、および膜厚測定ユニット22は、光路上の物体平面と画像平面との間の共役関係に従って配置される。言い換えれば、光路上には、撮像ユニット21のスペクトル受信表面および膜厚測定ユニット22のスペクトル受信表面が、試料10の反射面と光学的に共役になるように配置される。
【0048】
光源およびいくつかの関連する構成要素は図1には示されていないが、当業者は、測定システムが適切な光源および関連する構成要素を含み得ることを理解すべきである。 さらに、図1は処理ユニット23を別個のモジュールとして示しているが、処理ユニット23の機能は、撮像ユニット21および膜厚測定ユニット22の両方に処理データ機能が提供されるように、撮像ユニット21および膜厚測定ユニット22に統合され得る。 いくつかの実施形態では、処理ユニット23は、コンピュータ、各画像取得ユニットに統合された特定用途向け集積回路(ASIC)、または別個のハードウェアおよびソフトウェアモジュールなどであり得る。
【0049】
以下にTSVホールの例を示す。図2は、図1に示すTSVホール測定システムの光路の概略図である。TSVホール測定システムは、キセノンランプの光源を有し、380から700ナノメートルの測定波長を有する。説明を簡単にするために、入射光源アセンブリは測定システムには示されていない。
【0050】
図2を参照すると、TSVホール測定システムは、光伝送路に沿って試料10の前に配置された対物レンズ201、チューブレンズ202、ビームスプリッタ203、撮像ユニット21、信号選択受信素子221、および分光計222を含む。以下、測定システムの光信号伝送経路について説明する。
【0051】
最初に、光源の出力光は、光ファイバを介して照明ファイバポート(図示せず)に結合され、照明レンズアセンブリ(図示せず)によって成形され、ビームスプリッタ(例えば、50/50ビームスプリッタ)を介して対物レンズ201に入射する。次いで、集束した垂直状態で試料10の表面に入射し、試料10と反応して反射光を生成する。反射光は、対物レンズ201により集光され、チューブレンズ202により成形され、ビームスプリッタ203に到達する。ビームスプリッタ203は、チューブレンズ202の放射光を少なくとも第1の反射ビームと第2の反射ビームとに分割し、第1の反射ビームは、撮像のために撮像ユニット21(例えば、撮像CCD)によって受信され、第2の反射ビームは、信号選択受信素子221を通過し、分光計222によって受信される。
【0052】
実際の適用では、測定システムが構築された後に参照スペクトル測定が実行される。 具体的には、試料10に使用される電気プラットフォーム上にミラーを配置し、ミラーの表面に照射されるビームが集束状態になるように、電気プラットフォームの高さを調整する。選択受信素子221によって取得されたスペクトル分布は、スペクトルアナライザ222によって測定され、このときに取得されたスペクトル分布が参照スペクトルである。
【0053】
撮像ユニット21は、チューブレンズ202の出力光に基づいて撮像を実行し、画像認識によるTSVホール識別、位置決め、および開口部サイズ分析を実現する。TSVホールの位置を決定した後、試料10を運ぶための電気プラットフォームによって測定対象のTSVホールを照明スポットの中心に移動させ、スポットをTSVホールの底部に集光させる。 膜厚測定端部では、選択受信素子221を通るスペクトル分布が分光計222によって測定される。スペクトル分布を前述の参照スペクトルで除算することによって、反射スペクトル分布が取得されることにより、TSVホール底部の膜厚の分析が実現される。
【0054】
本実施形態では、TSVホール底部の膜厚の分析は、図3Aに示す膜厚測定の原理に従って実装される。入射ビームは試料表面に垂直に入射し、反射光は試料の膜の上面と下面とにおいて反射光によってコヒーレントに重畳される。上面と下面との反射光の間の光路差により反射率が決定される。光路差は、光の波長、膜厚d、および屈折率によって決定される。膜の屈折率が既知である場合、膜厚は、ある範囲の波長にわたる反射率の変化を測定することによって決定することができる。
【0055】
図3Aおよび図3Bの両方は、TSVホール底部の膜厚の測定を示す。
【0056】
照明部分は反射光を生成するため、TSVホール底部の膜厚測定の場合、TSVホール底部にスポットを集光させ、ホール底部からの反射スペクトルに基づいて膜厚を決定する必要がある。
【0057】
図3Bおよび図3Cに示すように、入射ビームがTSVホール底部に集光される場合、ホールの周辺領域およびホール底部の両方が反射光を生成する。したがって、ホール底部の膜厚を測定するために、ホールの周辺領域で生成された反射光(すなわち、損失光)を除去し、次いで、ホール底部からの反射光を分析して膜厚を取得する必要がある。図2の信号選択受信素子221は、ホールの周辺領域によって生成される反射光を減衰させながら、ホール底部からの反射光のみが分光計222によって受信され得るように放射光をフィルタリングする。したがって、大きな照明範囲および小さな検出範囲が実現される。
【0058】
信号選択受信素子221は、図4に関連して詳細に説明される。
【0059】
選択受信素子221は、分光計受信表面とレンズアセンブリとの間に光路に沿って配置された少なくとも1つの開口部を含む。少なくとも1つの開口部により、膜厚測定ユニットのスペクトル受信表面は、ホール底部によって生成された反射光のみを受信する。本実施形態では、受信素子は、第1の開口部2211および第2の開口部2212を含み、第2の開口部は、第1の開口部と同軸に配置される。第1の開口部2211は、第1の特性を有する反射光を除去するために使用され、第2の開口部2212は、第2の特性を有する反射光を除去するために使用される。一実施形態では、第1の特性を有する反射光の反射角は、第2の特性を有する反射光の反射角よりも小さい。
【0060】
図4に示すように、第1の開口部2211は、第2の開口部2212と同軸に配置され得て、第1の開口部2211のサイズは、第2の開口部2212のサイズよりも大きい。光路において、第1の開口部2211は、選択信号受信を実現するために、TSVホールの周辺領域によって放射される小角反射光(すなわち、L1、L2)を除去するために物体平面のより近くにある。第2の開口部2212は、物体平面から比較的遠くにあり、TSVホールの外端部から放射される大角反射光(L4)を除去し得る。分光計222は、物体平面の光軸の中心付近で放射され、TSVホールの膜厚を特徴付ける小角信号光のみを受信し得る。さらに、同じ位置(例えば、TSVホールの周辺範囲)では、小角反射光が生成される一方で、大角反射光(L3)が生成され得る。大角反射光は、第1および第2の開口部の配置に基づいて第2の開口部2212によってフィルタ除去することもできる。
【0061】
上記の構成に基づいて、試料10のTSVホール底部およびホールの周辺領域からの信号光は、レンズアセンブリ20を通過し、次いで、第1の開口部2211および第2の開口部2212を通過し、分光計222は、TSVホール底部の膜厚を特徴付ける小角信号光のみを受信し得る。
【0062】
上述したように、測定システムは、物体平面と画像平面との間の共役関係に基づいて構成される。したがって、試料表面と分光計222によって形成される画像との間には一対一の対応がある。したがって、光路上では、信号選択受信素子24を受信端部25(分光計)の前に配置することにより、ホールの底部での膜厚分布の決定を容易にする。光学システムは、物体平面と画像平面との間の共役関係に従って構成され、信号選択受信素子は、信号フィルタリング効果を最適化し、システム内の迷光の影響を低減するために配置される。
【0063】
上記の2つの開口部のサイズは、測定されたTSVホールのパラメータ、信号収集システムの倍率、収集システム平面と画像平面との間の距離、開口部の位置などに関連していることを当業者なら理解することができる。他の要因が一定の場合、TSVホールのアスペクト比が大きいほど、必要な開口部サイズは小さくなり、撮像対象の倍率が大きいほど、必要な開口部サイズは小さくなり、物体平面と画像平面との間の距離が大きいほど、必要な開口部サイズは小さくなり、開口部が画像平面に近いほど、必要な開口部サイズは小さくなる。
【0064】
TSVホールの測定における測定システムの撮像ユニット21の機能を以下に説明する。
【0065】
撮像ユニット21は、受信した第1の反射ビームに基づいて撮像を取得し、処理ユニット23は、撮像ユニット21から受信したデータに基づいて、TSVホールの識別、位置決め、および開口部サイズ分析を実施する。検出経路は、測定中の試料全体に分布するTSVホールの範囲に基づいて決定され得る。本実施形態では、これらの検出領域の検出経路は、スポットサイズに従って計画される。経路計画が完了した後、TSVホールは領域ごとに測定される。
【0066】
本発明はまた、以下の段階、すなわち、
【0067】
撮像データが、試料の少なくとも1つの検出領域内のTSVホールの分布情報を含む、試料からの第1の反射ビームに基づいて試料表面の撮像データを取得する段階、試料からの第2の反射ビームに基づいて、TSVホール底部の膜厚のデータを取得する段階、分布情報に基づいてTSVホールの検出経路を決定する段階、およびホールの検出経路に基づいて各TSVホール底部の膜厚のデータを取得することにより、少なくとも1つの検出領域内のTSVホールの測定を実施する段階を含む測定方法を提案する。
【0068】
分布情報に基づいてTSVホールの検出経路を決定する段階のプロセスは、試料表面の領域特性に基づいて少なくとも1つの検出領域を決定することにより、少なくとも1つの検出領域の検出経路を決定する段階、および、TSVホールの特性に基づいて、少なくとも1つの検出領域内のTSVホールの分布を決定することにより、TSVホールの検出経路を決定する段階を含む。上記の方法は、図5および図6を参照して以下で詳細に説明される。
【0069】
図5は、本発明の実施形態による測定システムの動作の流れ図を示す。
【0070】
最初に、段階S501が実行される。具体的には、撮像のために試料表面にスポットを集光させる(低倍率撮像に限定されない)ことにより、試料表面の撮像データを取得する。撮像データは、検出領域および検出領域の検出経路を決定するために後続の段階で使用され得る。
【0071】
次いで、段階S502が実行され、検出領域の検出経路が決定される。この段階では、試料10上の複数の検出領域の特性に基づいて領域分割を実行することにより、複数の検出領域の検出経路を決定する。例えば、検出領域の検出経路は、各検出領域の特性に従って計画され得る。一実施形態では、検出領域の検出経路計画は、スポットサイズに従って実行され得る。
【0072】
次いで、段階S503が実行され、領域ごとにTSVホールが測定される。この段階では、決定された検出経路に従って、選択された領域が測定される。特定の領域は、ユーザの指示に従って測定することも可能なことが理解できる。具体的な測定手順については、図6と併せて以下で説明する。
【0073】
次いで、段階S504が実行され、未測定領域があるかどうかが判定される。
【0074】
結果が「はい」である場合、段階S503が実行される。結果が「いいえ」である場合、処理は段階S505に進み、現在の試料の測定動作を終了する。
【0075】
図5に示す流れ図は、領域ごとにTSVホールを測定する段階(すなわち、段階S503)を含み、これは以下で詳細に説明される。図6は、単一領域内のTSVホールの測定の流れ図を示す。図6に示す測定手順は、試料表面の高倍率撮像に基づいていることを明らかにすべきである。
【0076】
最初に、段階S601が実行される。具体的には、撮像のために試料表面の領域にスポットを集光させる(高倍率撮像に限定されない)。撮像処理により、画像認識の結果に従って、試料表面の円形ホールの位置、輪郭、または開口部サイズを示す情報を取得され得る。この段階での撮像プロセスは、上述した領域検出経路を決定する段階の撮像プロセスと同じプロセスであり得ること、すなわち、複数の領域を撮像する場合、単一の領域内の円形ホール分布も取得され得ることが理解できるであろう。
【0077】
次いで、段階S602を実行し、TSVホールを識別および位置決めする。この段階では、試料のTSVホールの特性に従って、試料表面上のどの円形ホールがTSVホールであるかを判定することにより、TSVホールの中心位置および開口部サイズ情報を決定することができる。
【0078】
次に、段階S603を実行し、TSVホールの検出経路が決定される。この段階では、測定対象の試料上のTSVホールの分布に基づいて検出経路が決定されることにより、TSVホールの測定順序が決定される。
【0079】
次いで、段階S604を実行し、TSVホール底部の膜厚を測定する。この段階では、決定された検出経路に従って、試料を移動し、次いで、対応するTSVホールの中心をスポットの中心に移動し、スポットの中心をホールの底部に集光させる。したがって、分光計25は、ホール底部の膜厚を特徴付ける信号光を受信することにより、現在のTSVホール底部の膜厚および対応する分布を取得し得る。
【0080】
次いで、段階S605を実行し、現在の領域内のすべてのTSVホールが完全に測定されたかどうかを判定する。この段階では、段階S603で決定された検出経路に従って、すべてのTSVホールが完全に測定されたかどうかが決定される。結果が「はい」である場合、段階S604が実行され、次のTSVホールが測定され、結果が「いいえ」である場合、現在の領域のTSVホール測定が終了する。検出経路は段階S603で決定されたが、ユーザがTSVホールの一部を測定することを指定し得ること、または測定を直接停止することを指定し得ることも理解できるであろう。
【0081】
図6に示す流れ図に従って、単一領域内のTSVホール(複数可)の測定が完了した後、次いで、試料10の測定が完了するまで、決定された検出経路に従って次の領域のTSVホール(複数可)が測定される。
【0082】
本発明により、光学システムにおける大きなスポット照明の条件下での小範囲測定を実現され、その結果、同じ光路内での大範囲撮像および小範囲膜厚測定が実現でき、チップ上のTSVホールの自動分析が実現される。本発明は、チップに損傷を与え得ないか、または汚れを生じさせ得ない非接触測定方法であり、測定速度が速く、生産プロセスでのプロセス監視に使用できる。
【0083】
本発明を特定の例を参照して説明したが、これらは例示であって限定することを意図したものではない。本発明の精神および範囲から逸脱することなく、開示された実施形態に対して変更、追加、または削除を行い得ることは、当業者には明らかであろう。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6