特許第6984970号(P6984970)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6984970
(24)【登録日】2021年11月29日
(45)【発行日】2021年12月22日
(54)【発明の名称】画像検証システム、及び、画像検証装置
(51)【国際特許分類】
   G06T 1/00 20060101AFI20211213BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20211213BHJP
   G09G 5/36 20060101ALI20211213BHJP
   G02B 27/01 20060101ALI20211213BHJP
   B60K 35/00 20060101ALI20211213BHJP
   G06T 5/00 20060101ALI20211213BHJP
【FI】
   G06T1/00 330Z
   G09G5/00 510A
   G09G5/00 530H
   G09G5/36 520D
   G02B27/01
   B60K35/00 A
   G06T5/00 725
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-169393(P2017-169393)
(22)【出願日】2017年9月4日
(65)【公開番号】特開2019-46226(P2019-46226A)
(43)【公開日】2019年3月22日
【審査請求日】2020年8月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】特許業務法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】仁藤 千博
(72)【発明者】
【氏名】若山 誠
【審査官】 藤原 敬利
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−105306(JP,A)
【文献】 特開2003−058887(JP,A)
【文献】 特開2016−001818(JP,A)
【文献】 特開2016−192644(JP,A)
【文献】 特開2006−034498(JP,A)
【文献】 特開2015−022013(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 1/00−1/40
G06T 3/00−9/40
G09G 5/00−5/40
G02B 27/00−30/60
B60K 35/00−37/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基準となる画像である基準画像を予め定められた表示態様に補正した第一補正画像を生成する第一画像生成部、前記第一画像生成部により生成された前記第一補正画像を表示する表示部、及び、前記第一画像生成部により生成され前記表示部に入力される前記第一補正画像を外部に転送する転送部を有する表示装置と、
前記転送部から転送された前記第一補正画像を入力する入力部、前記基準画像を前記表示態様に補正した第二補正画像を生成する第二画像生成部、及び、前記第二画像生成部により生成された前記第二補正画像に基づいて前記入力部により入力した前記第一補正画像を検証する検証部を有する画像検証装置と、を備え
前記第一画像生成部は、前記基準画像から前記第一補正画像を所定の前記表示態様で生成するための画像の座標位置を示す第一ワーピング情報に基づいて前記第一補正画像を生成し、
前記第二画像生成部は、前記基準画像から前記第二補正画像を所定の前記表示態様で生成するための画像の座標位置を示す第二ワーピング情報に基づいて前記第二補正画像を生成し、
前記第二ワーピング情報は、前記表示部の仕様に応じて前記第一ワーピング情報とは異なり、
前記検証部は、前記入力部により入力した前記第一補正画像と前記第二画像生成部により生成された前記第二補正画像とが所定割合以上一致した場合、前記第一補正画像が前記第二補正画像に一致すると判定することを特徴とする画像検証システム。
【請求項2】
前記転送部は、同一の前記第一補正画像が連続して生成される場合、既に転送済みの前記第一補正画像と同一の前記第一補正画像を転送しない請求項に記載の画像検証システム。
【請求項3】
前記表示装置は、車両のフロントガラスに向けて光を反射する反射部材を有し、前記第一補正画像を含む光を前記表示部から前記反射部材に出射し、前記反射部材により反射された前記第一補正画像を前記フロントガラスの前方の背景に重畳させた前記表示態様で虚像表示する請求項1又は2に記載の画像検証システム。
【請求項4】
基準となる画像である基準画像を予め定められた表示態様に補正した第一補正画像を生成し、生成された前記第一補正画像を表示部によって表示し、前記第一補正画像を表示する場合に入力される当該第一補正画像を外部に転送する表示装置から転送された前記第一補正画像を入力する入力部と、
前記基準画像を前記表示態様に補正した第二補正画像を生成する第二画像生成部と、
前記第二画像生成部により生成された前記第二補正画像に基づいて前記入力部により入力した前記第一補正画像を検証する検証部と、を備え
前記入力部は、前記基準画像から前記第一補正画像を所定の前記表示態様で生成するための画像の座標位置を示す第一ワーピング情報に基づいて生成された前記第一補正画像を入力し、
前記第二画像生成部は、前記基準画像から前記第二補正画像を所定の前記表示態様で生成するための画像の座標位置を示す第二ワーピング情報に基づいて前記第二補正画像を生成し、
前記第二ワーピング情報は、前記表示部の仕様に応じて前記第一ワーピング情報とは異なり、
前記検証部は、前記入力部により入力した前記第一補正画像と前記第二画像生成部により生成された前記第二補正画像とが所定割合以上一致した場合、前記第一補正画像が前記第二補正画像に一致すると判定することを特徴とする画像検証装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像検証システム、及び、画像検証装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像検証システムは、例えば、表示デバイスから出射される表示画像を含む光を反射部材により反射して当該表示画像を虚像表示するヘッドアップディスプレイと、当該表示デバイスに入力される表示画像用の画像データを検証する画像検証装置とを備えている。表示デバイスには、表示画像用の画像データとして、予め定められた基準画像データが入力される。画像検証装置は、この基準画像データと、表示デバイスに実際に入力される表示画像用の画像データとを比較する。画像検証装置は、表示画像用の画像データが基準画像データに一致する場合、表示画像用の画像データが適正であると判定し、表示画像用の画像データが基準画像データに一致しない場合、表示画像用の画像データが適正でないと判定する。なお、特許文献1には、入力画像と認識対象画像との一致を識別する画像認識装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−224335号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年、ヘッドアップディスプレイは、例えば、基準画像データが所定の表示態様に補正された画像データに基づく表示画像を表示デバイスから出射する場合がある。この場合、従来の画像検証システムは、補正後の表示画像用の画像データと基準画像データとが異なるので、これらの画像データを比較して一致度合を検証することが困難であり、この点で更なる改善の余地がある。
【0005】
そこで、本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、所定の表示態様に補正された表示画像用の画像データを適正に検証することができる画像検証システム、及び、画像検証装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る画像検証システムは、基準となる画像である基準画像を予め定められた表示態様に補正した第一補正画像を生成する第一画像生成部、前記第一画像生成部により生成された前記第一補正画像を表示する表示部、及び、前記第一画像生成部により生成され前記表示部に入力される前記第一補正画像を外部に転送する転送部を有する表示装置と、前記転送部から転送された前記第一補正画像を入力する入力部、前記基準画像を前記表示態様に補正した第二補正画像を生成する第二画像生成部、及び、前記第二画像生成部により生成された前記第二補正画像に基づいて前記入力部により入力した前記第一補正画像を検証する検証部を有する画像検証装置と、を備え、前記第一画像生成部は、前記基準画像から前記第一補正画像を所定の前記表示態様で生成するための画像の座標位置を示す第一ワーピング情報に基づいて前記第一補正画像を生成し、前記第二画像生成部は、前記基準画像から前記第二補正画像を所定の前記表示態様で生成するための画像の座標位置を示す第二ワーピング情報に基づいて前記第二補正画像を生成し、前記第二ワーピング情報は、前記表示部の仕様に応じて前記第一ワーピング情報とは異なり、前記検証部は、前記入力部により入力した前記第一補正画像と前記第二画像生成部により生成された前記第二補正画像とが所定割合以上一致した場合、前記第一補正画像が前記第二補正画像に一致すると判定することを特徴とする。
【0008】
上記画像検証システムにおいて、前記転送部は、同一の前記第一補正画像が連続して生成される場合、既に転送済みの前記第一補正画像と同一の前記第一補正画像を転送しないことが好ましい。
【0009】
上記画像検証システムにおいて、前記表示装置は、車両のフロントガラスに向けて光を反射する反射部材を有し、前記第一補正画像を含む光を前記表示部から前記反射部材に出射し、前記反射部材により反射された前記第一補正画像を前記フロントガラスの前方の背景に重畳させた前記表示態様で虚像表示することが好ましい。
【0010】
本発明に係る画像検証装置は、基準となる画像である基準画像を予め定められた表示態様に補正した第一補正画像を生成し、生成された前記第一補正画像を表示部によって表示し、前記第一補正画像を表示する場合に入力される当該第一補正画像を外部に転送する表示装置から転送された前記第一補正画像を入力する入力部と、前記基準画像を前記表示態様に補正した第二補正画像を生成する第二画像生成部と、前記第二画像生成部により生成された前記第二補正画像に基づいて前記入力部により入力した前記第一補正画像を検証する検証部と、を備え、前記入力部は、前記基準画像から前記第一補正画像を所定の前記表示態様で生成するための画像の座標位置を示す第一ワーピング情報に基づいて生成された前記第一補正画像を入力し、前記第二画像生成部は、前記基準画像から前記第二補正画像を所定の前記表示態様で生成するための画像の座標位置を示す第二ワーピング情報に基づいて前記第二補正画像を生成し、前記第二ワーピング情報は、前記表示部の仕様に応じて前記第一ワーピング情報とは異なり、前記検証部は、前記入力部により入力した前記第一補正画像と前記第二画像生成部により生成された前記第二補正画像とが所定割合以上一致した場合、前記第一補正画像が前記第二補正画像に一致すると判定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る画像検証システムは、画像検証装置により所定の表示態様に補正された第二補正画像に基づいて、表示装置により所定の表示態様に補正された第一補正画像を検証するので、補正された第一補正画像を適正に検証することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、実施形態に係る画像検証システムの構成例を示すブロック図である。
図2図2は、実施形態に係るワーピング情報を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る基準画像を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る第一及び第二補正画像を示す図である。
図5図5は、実施形態に係る画像検証システムの動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成は適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【0014】
〔実施形態〕
実施形態に係る画像検証システム100、及び、画像検証装置20について説明する。画像検証システム100は、HUD(ヘッドアップディスプレイ;Head Up Display)10のTFT(Thin・Film・Transistor liquid・crystal display)14に入力される第一補正画像Q1が適正な画像であるか否かを検証するシステムである。画像検証システム100は、図1に示すように、表示装置としてのHUD10と、画像検証装置20とを備える。HUD10は、例えば、車両に搭載され、TFT14から出射される表示画像を含む光を反射鏡15により反射し、表示画像をフロントガラスの前方の背景に重畳させた表示態様で虚像表示する装置である。HUD10は、データ記憶装置11と、第一画像生成部12と、転送部としての画像キャプチャー装置13と、表示部としてのTFT14と、反射部材としての反射鏡15とを備える。
【0015】
データ記憶装置11は、データを記憶する装置である。データ記憶装置11には、表示用の基準となる画像である基準画像(表示用基準画像)P(図3参照)、及び、第一ワーピング情報WP1(図2参照)等が記憶されている。ここで、第一ワーピング情報WP1とは、基準画像Pから第一補正画像Q1を所定の表示態様で生成するための画像の座標位置を示す情報である。第一ワーピング情報WP1は、例えば、基準画像Pに対し遠近感を出す補正情報や、フロントガラスの曲面を吸収するような補正情報等を含む。図2は、縦軸及び横軸が画像の座標位置を示す値であり、基準画像P及び第一、第二補正画像Q1、Q2の座標位置を示す情報がプロットされている。なお、基準画像P及び第一ワーピング情報WP1は、上述の例に限定されず、車両に必要なその他の基準画像P及び第一ワーピング情報WP1がデータ記憶装置11に記憶されている。
【0016】
第一画像生成部12は、第一補正画像Q1を生成するものである。第一画像生成部12は、例えば、グラフィックスディスプレイコントローラ(GDC;Graphics Display Controller)と称されることがある。第一画像生成部12は、CPU、ROM、RAM及びインターフェースを含む周知のマイクロコンピュータを主体とする電子回路を含んで構成される。第一画像生成部12は、第一ワーピング情報WP1に基づいて基準画像Pの座標位置を変更し、所定の表示態様に補正した第一補正画像Q1を生成する(図4参照)。第一画像生成部12は、画像キャプチャー装置13に接続され、生成した第一補正画像Q1を画像キャプチャー装置13に出力する。
【0017】
画像キャプチャー装置13は、画像を取得して転送する装置である。画像キャプチャー装置13は、第一画像生成部12に接続され、当該第一画像生成部12により生成されTFT14に入力される第一補正画像Q1を取得する。画像キャプチャー装置13は、例えば、同一の第一補正画像Q1が連続して生成される場合、最初の第一補正画像Q1を取得し、残りの第一補正画像Q1を取得しないようにする。画像キャプチャー装置13は、例えば、第一補正画像Q1同士を比較することにより、第一補正画像Q1が同一であるか否かを判定する。また、画像キャプチャー装置13は、第一画像生成部12から第一補正画像Q1を異なる第一補正画像Q1に切り替えることを示す信号を受信することにより第一補正画像Q1が同一であるか否かを判定してもよいし、その他の方法により第一補正画像Q1が同一であるか否かを判定してもよい。画像キャプチャー装置13は、画像検証装置20に接続され、取得した第一補正画像Q1を画像検証装置20に転送する。画像キャプチャー装置13は、例えば、画像検証装置20から第一補正画像Q1の転送開始を示す転送開始信号を受信すると第一補正画像Q1を画像検証装置20に転送する。画像キャプチャー装置13は、上述したように、同一の第一補正画像Q1が連続して生成される場合、既に転送済みの第一補正画像Q1と同一の第一補正画像Q1を転送しない。
【0018】
TFT14は、画像を表示する装置である。TFT14は、反射鏡15に対向して設けられ、第一補正画像Q1を表示することで当該第一補正画像Q1を含む光を反射鏡15に出射する。反射鏡15は、TFT14から出射された光を反射する。反射鏡15は、例えば、TFT14から出射された光を車両のフロントガラスに向けて反射する。反射鏡15によりフロントガラスに向けて反射された光は、フロントガラスで反射して運転者のアイポイントに届く。これにより、運転者は、フロントガラスの前方の背景に重畳させた表示態様で虚像表示された第一補正画像Q1を視認することができる。運転者は、例えば、フロントガラスの前方の道路標示に合わせた表示態様で虚像表示された第一補正画像Q1を視認することができる。
【0019】
画像検証装置20は、第一補正画像Q1が適正であるか否かを検証する装置である。画像検証装置20は、入力部としての画像入力装置21と、データ記憶装置22と、第二画像生成部23と、検証部としての画像比較部24とを備える。
【0020】
画像入力装置21は、画像キャプチャー装置13に接続され、当該画像キャプチャー装置13から転送される第一補正画像Q1を入力する。画像入力装置21は、例えば、第一補正画像Q1の転送開始を示す転送開始信号を画像キャプチャー装置13に出力する。そして、画像入力装置21は、転送開始信号を出力後、画像キャプチャー装置13から転送される第一補正画像Q1を入力する。画像入力装置21は、画像比較部24に接続され、入力した第一補正画像Q1を当該画像比較部24に出力する。
【0021】
データ記憶装置22は、データを記憶する装置である。データ記憶装置22には、検証用の基準となる画像である基準画像(検証用基準画像)P(図3参照)、ワーピング情報としての第二ワーピング情報WP2(図2参照)、及び、検証結果等が記憶されている。ここで、第二ワーピング情報WP2とは、基準画像Pから第二補正画像Q2(図4参照)を所定の表示態様で生成するための画像の座標位置を示す情報である。第二ワーピング情報WP2は、例えば、基準画像Pに対し遠近感を出す補正情報や、フロントガラスの曲面を吸収するような補正情報等を含む。第二ワーピング情報WP2は、基本的には第一ワーピング情報WP1と同等であるが、TFT14の仕様等に応じて第一ワーピング情報WP1と若干異なる内容であってもよい。第一ワーピング情報WP1と第二ワーピング情報WP2と差異は、第一補正画像Q1と第二補正画像Q2との違いが人間の視覚により判別不可能な程度である。なお、基準画像P及び第二ワーピング情報WP2は、上述の例に限定されず、HUD10の表示に必要なその他の基準画像P及び第二ワーピング情報WP2がデータ記憶装置22に記憶されている。データ記憶装置22に記憶される基準画像(検証用基準画像)Pは、基本的にはデータ記憶装置11に記憶される基準画像(表示用基準画像)Pと同等であるが、画像補正処理等に応じて完全に一致させなくてもよい。
【0022】
第二画像生成部23は、第二補正画像Q2を生成するものである。第二画像生成部23は、CPU、ROM、RAM及びインターフェースを含む周知のマイクロコンピュータを主体とする電子回路を含んで構成される。第二画像生成部23は、データ記憶装置22に接続され、当該データ記憶装置22から基準画像P及び第二ワーピング情報WP2を取得する。そして、第二画像生成部23は、取得した第二ワーピング情報WP2に基づいて基準画像Pの座標位置を変更し、所定の表示態様に補正した第二補正画像Q2を生成する。第二画像生成部23は、画像比較部24に接続され、生成した第二補正画像Q2を画像比較部24に出力する。
【0023】
画像比較部24は、第二補正画像Q2に基づいて第一補正画像Q1を検証するものである。画像比較部24は、画像入力装置21に接続され、当該画像入力装置21から第一補正画像Q1が出力される。また、画像比較部24は、第二画像生成部23に接続され、当該第二画像生成部23から第二補正画像Q2が出力される。画像比較部24は、データ記憶装置22に接続され、第一補正画像Q1と第二補正画像Q2とを比較して検証した検証結果を当該データ記憶装置22に出力する。画像比較部24は、例えば、第一補正画像Q1と第二補正画像Q2とを比較し、第一補正画像Q1が第二補正画像Q2に一致する場合、第一補正画像Q1が第二補正画像Q2に一致することを示す検証結果をデータ記憶装置22に出力する。画像比較部24は、例えば、画像の画素単位で比較し、それぞれの画素が一致するか否かを判定する。画像比較部24は、上述したように、TFT14の仕様等に応じて第一ワーピング情報WP1と第二ワーピング情報WP2とが若干異なる場合があるので、第一補正画像Q1と第二補正画像Q2との大部分(例えば95%以上)が一致すれば、第一補正画像Q1が第二補正画像Q2に一致すると判定する。画像比較部24は、例えば、画像のエッジ形状や色の分布も考慮して一致度合を判定してもよい。画像比較部24は、第一補正画像Q1が第二補正画像Q2に一致しない場合、第一補正画像Q1が第二補正画像Q2に一致しないことを示す検証結果をデータ記憶装置22に出力する。
【0024】
次に、図5を参照して、画像検証装置20の動作例について説明する。画像検証装置20の第二画像生成部23は、データ記憶装置22から基準画像Pを読み出す(ステップS1)。次に、第二画像生成部23は、データ記憶装置22から第二ワーピング情報WP2を読み出す(ステップS2)。次に、第二画像生成部23は、第二補正画像Q2を生成する(ステップS3)。第二画像生成部23は、例えば、第二ワーピング情報WP2に基づいて基準画像Pの座標位置を変更し、所定の表示態様に補正した第二補正画像Q2を生成する。次に、画像入力装置21は、画像キャプチャー装置13から転送される第一補正画像Q1を取り込む(ステップS4)。例えば、画像入力装置21は、第一補正画像Q1の転送開始を示す転送開始信号を画像キャプチャー装置13に出力する。次に、画像比較部24は、第一補正画像Q1と第二補正画像Q2とが一致するか否かを判定する(ステップS5)。画像比較部24は、第一補正画像Q1と第二補正画像Q2とを比較し、第一補正画像Q1が第二補正画像Q2に一致する場合(ステップS5;Yes)、第一補正画像Q1が適正であると判定し、第一補正画像Q1が第二補正画像Q2に一致することを示す検証結果をデータ記憶装置22に出力し(ステップS6)、処理を終了する。また、画像比較部24は、第一補正画像Q1が第二補正画像Q2に一致しない場合(ステップS5;No)、第一補正画像Q1が適正でないと判定し、第一補正画像Q1が第二補正画像Q2に一致しないことを示す検証結果をデータ記憶装置22に出力し(ステップS7)、処理を終了する。
【0025】
以上のように、実施形態に係る画像検証システム100は、HUD10と、画像検証装置20とを備える。HUD10は、第一画像生成部12、TFT14、及び、画像キャプチャー装置13を有する。第一画像生成部12は、基準となる画像である基準画像Pを予め定められた表示態様に補正した第一補正画像Q1を生成する。TFT14は、第一画像生成部12により生成された第一補正画像Q1を表示する。画像キャプチャー装置13は、第一画像生成部12により生成されTFT14に入力される第一補正画像Q1を画像検証装置20に転送する。画像検証装置20は、画像入力装置21、第二画像生成部23、及び、画像比較部24を有する。画像入力装置21は、画像キャプチャー装置13から転送された第一補正画像Q1を入力する。第二画像生成部23は、基準画像Pを所定の表示態様に補正した第二補正画像Q2を生成する。画像比較部24は、第二画像生成部23により生成された第二補正画像Q2に基づいて画像入力装置21により入力した第一補正画像Q1を検証する。
【0026】
この構成により、画像検証システム100、及び、画像検証装置20は、第一補正画像Q1と第二補正画像Q2とを比較することで、第一補正画像Q1が第二補正画像Q2に一致するか否かを判定することができる。この判定により、画像検証システム100、及び、画像検証装置20は、第一補正画像Q1が第二補正画像Q2に一致する場合、第一画像生成部12により適正に第一補正画像Q1が生成されていることを判定することができる。また、画像検証システム100、及び、画像検証装置20は、第一補正画像Q1が第二補正画像Q2に一致しない場合、第一画像生成部12により適正に第一補正画像Q1が生成されていないことを判定することができる。この結果、画像検証システム100、及び、画像検証装置20は、所定の表示態様に補正された第一補正画像Q1を適正に検証することができる。
【0027】
上記画像検証システム100において、第二画像生成部23は、基準画像Pから第二補正画像Q2を所定の表示態様で生成するための画像の座標位置を示す第二ワーピング情報WP2に基づいて第二補正画像Q2を生成する。この構成により、画像検証システム100は、第二ワーピング情報WP2に基づいて補正された第二補正画像Q2を用いて第一補正画像Q1が適正に補正されているか否かを判定することができる。
【0028】
上記画像検証システム100において、画像キャプチャー装置13は、同一の第一補正画像Q1が連続して生成される場合、既に転送済みの第一補正画像Q1と同一の第一補正画像Q1を転送しない。この構成により、画像検証システム100は、同一の第一補正画像Q1が連続して生成される場合、例えば、最初の第一補正画像Q1を転送し残りの第一補正画像Q1を転送しないようにすることができる。この転送により、画像検証システム100は、同一の第一補正画像Q1と第二補正画像Q2とを比較する処理を省略することができ、演算処理負荷を軽減することができる。
【0029】
上記画像検証システム100において、HUD10は、車両のフロントガラスに向けて光を反射する反射鏡15を有し、第一補正画像Q1を含む光をTFT14から反射鏡15に出射し、反射鏡15により反射された第一補正画像Q1をフロントガラスの前方の背景に重畳させた表示態様で虚像表示する。この構成により、画像検証システム100は、例えば、フロントガラスの背景である道路標示に合わせて基準画像Pを補正した第一補正画像Q1を生成することができ、道路標示と第一補正画像Q1とを適正に重畳させて虚像表示することができる。
【0030】
〔変形例〕
次に、実施形態の変形例について説明する。表示装置は、HUD10である例について説明したが、これに限定されない。表示装置は、例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等であってもよい。
【0031】
また、画像検証装置20は、第二画像生成部23及びデータ記憶装置22が別の装置として構成されていてもよい。つまり、画像検証装置20は、第二画像生成部23及びデータ記憶装置22が別の筐体に収容されていてもよい。
【0032】
ワーピング情報は、所定の表示態様で画像を生成するための画像の座標位置を示す情報である例について説明したが、所定の表示態様で画像を生成する情報であれば、画像の座標位置に限定されない。
【符号の説明】
【0033】
10 HUD(表示装置)
12 第一画像生成部
13 画像キャプチャー装置(転送部)
14 TFT(表示部)
15 反射鏡(反射部材)
20 画像検証装置
21 画像入力装置(入力部)
23 第二画像生成部
24 画像比較部(検証部)
100 画像検証システム
P 基準画像
Q1 第一補正画像
Q2 第二補正画像
WP1 第一ワーピング情報
WP2 第二ワーピング情報(ワーピング情報)
図1
図2
図3
図4
図5