特許第6984975号(P6984975)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6984975
(24)【登録日】2021年11月29日
(45)【発行日】2021年12月22日
(54)【発明の名称】腐食診断方法及び腐食診断装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 27/90 20210101AFI20211213BHJP
【FI】
   G01N27/90
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-209278(P2017-209278)
(22)【出願日】2017年10月30日
(65)【公開番号】特開2019-82369(P2019-82369A)
(43)【公開日】2019年5月30日
【審査請求日】2020年9月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】501418498
【氏名又は名称】矢崎エナジーシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】石橋 賢一
(72)【発明者】
【氏名】神山 史也
【審査官】 村田 顕一郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭61−265563(JP,A)
【文献】 特開昭63−234151(JP,A)
【文献】 特開昭50−027591(JP,A)
【文献】 特開2000−275165(JP,A)
【文献】 実開平02−135856(JP,U)
【文献】 特開昭62−032355(JP,A)
【文献】 特表2017−511476(JP,A)
【文献】 特開2009−085832(JP,A)
【文献】 実開平01−132961(JP,U)
【文献】 特表2017−520005(JP,A)
【文献】 特開平07−043350(JP,A)
【文献】 実開昭58−079258(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 27/72−27/9093
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電線の腐食状態を診断するための腐食診断方法であって、
励磁コイル及び検出コイルを、その中心軸が前記電線の径方向に沿うように、前記電線上の異なる複数個所に配置し、当該異なる複数個所で前記検出コイルによる検出を行う検出工程と、
前記電線上の異なる複数個所で検出された前記検出コイルの出力を積算する積算工程と、
前記積算工程で積算された積算値に基づいて前記電線の腐食状態を診断する診断工程と、を備え
前記検出工程において、前記電線上の円周方向に異なる複数個所で検出することを特徴とする腐食診断方法。
【請求項2】
前記検出工程において、前記電線上の長手方向に異なる複数個所で検出を行うことを特徴とする請求項に記載の腐食診断方法。
【請求項3】
前記積算工程は、前記電線の長手方向又は長手方向に順次検出された前記検出コイルの出力の移動平均を算出することを特徴とする請求項1又は2に記載の腐食診断方法。
【請求項4】
電線の腐食を診断するための腐食診断装置であって、
中心軸が前記電線の径方向に沿うように、前記電線上の異なる複数個所に配置される励磁コイル及び検出コイルと、
前記異なる複数個所で検出された前記検出コイルの出力を積算する積算部と、
前記電線に取り付けられ、前記電線の長手方向に沿って移動可能な本体部と、
前記本体部に取り付けられ、前記電線の円周方向に沿って移動可能な回転部と、を備え
前記回転部に、前記励磁コイル及び前記検出コイルを配置したことを特徴とする腐食診断装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、腐食診断方法及び腐食診断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の上記腐食診断装置として、例えば、特許文献1に記載された電線腐食診断装置が提案されている。この電線腐食診断装置は、電線の表面に発生した渦電流を検出する渦電流探傷部と、渦電流及び電線の腐食度の関係を示す腐食データを記憶する記憶部と、を有している。電線腐食診断装置は、電線の長手方向に沿って渦電流探傷部を移動させ、位置毎に検出した渦電流と腐食データとの比較に基づいて腐食度を判定する。
【0003】
一般的に、渦電流損傷法においては、励磁コイルに交流電流を流して、電線表面に渦電流を誘導させ、検出コイルを用いて、渦電流による磁束変化を渦電流として検出している。また、既設の電線に対しては、特許文献1に示すように、コイルに電線を通すことは困難である。そこで、励磁コイル、検出コイルの中心軸が電線の径方向に沿うように、電線上に励磁コイル、検出コイルを重ねて腐食を診断することが考えられる。このため、図14図15に示すように、渦電流を検出できる検出エリアA1は、電線の表面の一部だけとなる。
【0004】
ところで、電線は、平滑な面ではなく導体を撚り合わせた複雑な構造をしている。このような撚り線構造の電線導体の腐食状態は、図15に示すように、不均一に腐食Fが発生している場合や、図16に示すように、導体の素線間のみが腐食Fしている場合など様々あり、しかも、不均一である。このため、上述したように電線表面の一部を検出エリアA1とした場合、正確な腐食の診断を行うことが困難である、と言う問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−275165号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、以上の背景に鑑みてなされたものであり、電線の腐食診断の精度向上を図った腐食診断方法及び腐食診断装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の態様である腐食診断方法は、電線の腐食状態を診断するための腐食診断方法であって、
励磁コイル及び検出コイルを、その中心軸が前記電線の径方向に沿うように、前記電線上の異なる複数個所に配置し、当該異なる複数個所で前記検出コイルによる検出を行う検出工程と、
前記電線上の異なる複数個所で検出された前記検出コイルの出力を積算する積算工程と、
前記積算工程で積算された積算値に基づいて前記電線の腐食状態を診断する診断工程と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
前記検出工程において、前記電線上の円周方向に異なる複数個所で検出するようにしてもよい。
【0009】
前記検出工程において、前記電線上の長手方向に異なる複数個所で検出を行うようにしてもよい。
【0010】
前記積算工程は、前記電線の長手方向又は長手方向に順次検出された前記検出コイルの出力の移動平均を算出するようにしてもよい。
【0011】
また、本発明の態様である腐食診断装置は、電線の腐食を診断するための腐食診断装置であって、
中心軸が前記電線の径方向に沿うように、前記電線上の異なる複数個所に配置される励磁コイル及び検出コイルと、
前記異なる複数個所で検出された前記検出コイルの出力を積算する積算部と、を備えたことを特徴とする。
【0012】
前記電線に取り付けられ、前記電線の長手方向に沿って移動可能な本体部と、
前記本体部に取り付けられ、前記電線の円周方向に沿って移動可能な回転部と、を備え、
前記回転部に、前記励磁コイル及び前記検出コイルを配置してもよい。
【発明の効果】
【0013】
以上説明したように態様によれば、電線上の異なる箇所に励磁コイル及び検出コイルを重ねて、検出コイルの出力を積算することにより、電線の腐食診断の精度向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の腐食診断方法を実施した腐食診断装置の一実施形態を示すブロック図である。
図2図1に示す腐食診断装置を構成するコイル移動部の構成を示す構成図である。
図3】電線と図1に示す腐食診断装置を構成する検出コイルとの配置を示す正面図である。
図4】電線と図1に示す腐食診断装置を構成する検出コイルとの配置を示す側面図である。
図5図1に示す腐食診断装置の制御部の処理手順を示すフローチャートである。
図6】渦電流の検出位置を説明するための説明図である。
図7図1に示す検出コイルを電線の円周方向に移動させている様子を示す図である。
図8】電線の検出エリア毎の腐食分布を示す図である。
図9】従来品を用いて基準試料、試料A〜Gの電線について診断した際の検出コイルの出力の周波数特性を示すグラフ。
図10図9に示す試料A〜Gに対する検出コイルの出力と基準試料に対する検出コイルの出力との差の周波数特性である。
図11】本発明品を用いて基準試料、試料A〜Gの電線2について診断した際の検出コイル12の出力の積算値の周波数特性を示すグラフである。
図12図11に示す試料A〜Gに対する検出コイル12の出力の積算値と基準試料に対する検出コイル12の出力の積算値との差の周波数特性である。
図13】電線と第2実施形態における腐食診断装置を構成する検出コイルとの配置を示す正面図である。
図14】健全な電線導体の部分拡大図である。
図15】一部に腐食が生じている電線導体の部分拡大図である。
図16】素線間に腐食が生じている電線導体の部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態を、図1図4に基づいて説明する。同図に示す腐食診断装置1は、電線2の導体の腐食を診断する装置である。電線2は、図3に示すように、複数の素線21を撚り合わせた導体22と、この導体22を覆う被覆部23と、を備えている。
【0016】
腐食診断装置1は、励磁コイル11と、検出コイル12と、交流電源13と、検出部14と、コイル移動部15と、表示部16と、制御部17と、を備えている。
【0017】
励磁コイル11及び検出コイル12は各々、巻線を例えばらせん状に巻回して構成されている。励磁コイル11は、交流電流を流して電線表面に渦電流を誘導させるためのコイルである。検出コイル12は、渦電流による磁束変化により誘導電流が流れるコイルである。交流電源13は、励磁コイル11に交流電流を流す電源である。検出部14は、検出コイル12に流れる誘導電流を検出する。検出部14は、検出コイル12に流れる誘導電流を渦電流として検出する。
【0018】
コイル移動部15は、上記励磁コイル11及び検出コイル12を、電線2の円周方向Y1及び長手方向Y2に移動させる。コイル移動部15は、図2に示す本体部151と、回転部152と、図1に示す長手方向モータ153と、円周方向モータ154と、を備えている。
【0019】
図2に示すように、本体部151は、例えば、側面にスリット(図示せず)が形成された円筒状に形成される。電線2は、図示しないスリットから本体部151内に挿入される。これにより、本体部151の筒内に電線2が通される。本体部151には、その内部に例えば走行コロなどの回転体が設けられ、電線2の長手方向Y2に沿って移動自在になっている。
【0020】
回転部152は、側面にスリット(図示せず)が形成された円筒状に形成され、その筒内に本体部151が挿入されている。電線2は、図示しないスリットから円筒状内に挿入される。回転部152には、その内側に例えば走行コロなどの回転体が設けられ、本体部151に対して電線2の円周方向Y1に沿って移動自在になっている。
【0021】
この回転部152に上記励磁コイル11及び検出コイル12が取り付けられている。検出コイル12は、図3及び図4に示すように、その中心軸が電線2の径方向に沿うように回転部152に取り付けられている。図3及び図4には、励磁コイル11が示されていないが、励磁コイル11は、検出コイル12に近接配置され、検出コイル12と同様に、その中心軸が電線2の径方向に沿うように回転部152に取り付けられている。
【0022】
長手方向モータ153は、本体部151に設けられた回転体を駆動し、本体部151を長手方向Y2に駆動するモータである。円周方向モータ154は、回転部152に設けられた回転体を駆動し、回転部152を円周方向に駆動するモータである。
【0023】
表示部16は、腐食診断結果を表示するためのものである。
【0024】
制御部17は、CPU、ROM、RAMなどを内蔵しており、腐食診断装置1全体の制御を司る。制御部17は、交流電源13に接続され、交流電源13のオンオフを制御する。制御部17は、モータ153、154に接続され、モータ153、154を駆動することにより、検出コイル12を電線2の円周方向Y1に回転移動させたり、長手方向Y2に移動させる。これにより、励磁コイル11及び検出コイル12は、電線2上の異なる複数個所に配置される。
【0025】
制御部17は、検出部14に接続され、検出部14の検出結果が検出コイル12の出力として入力される。制御部17は、積算部として働き、検出コイル12が移動される毎に、その検出コイル12の出力を積算し、積算値に基づいて電線2の腐食を診断する。
【0026】
次に、上記概略で説明した腐食診断装置1の動作について図5図7を参照して説明する。まず、診断者が、図2に示すように、本体部151及び回転部152内に電線2を挿入する。これにより、電線2上に励磁コイル11及び検出コイル12を配置することができる。次に、図示しない操作部を操作すると、制御部17は、図5に示す検出処理を実行する。
【0027】
まず、制御部17は、交流電源13をオンする(ステップS1)。これにより、励磁コイル11に交流電流が流れて、電線2の導体表面に渦電流が誘導される。次に、制御部17は、検出部14、即ち検出コイル12の出力iを取り込む(ステップS2)。制御部17は、積算値Iに取り込んだ出力iを積算した後(ステップS3)、円周方向モータ154を駆動して回転部152を所定角度だけ円周方向Y1に沿って回転させる(ステップS4)。これにより、図7に示すように、検出コイル12が電線2の円周方向Y1に所定角度だけ回転される。
【0028】
次に、制御部17は、回転回数n1をインクリメントした後(ステップS5)、回転回数n1がN1に達したか否かを判定する(ステップS6)。N1は360°/所定角度に予め設定されている。例えば、図6に示すように、電線2の円周方向Y1に沿った10箇所に、検出コイル12を移動させたい場合は、所定角度が36°に設定され、N1は10に設定される。
【0029】
制御部17は、回転回数n1がN1に達していなければ(ステップS6でN)、360°回転していないと判断して再びステップS2に戻る。一方、制御部17は、回転回数n1がN1に達していれば(ステップS6でY)、回転回数n1を0リセットした後(ステップS7)、長手方向モータ153を駆動して本体部151を所定距離だけ長手方向Y2に沿って移動させる(ステップS8)。その後、制御部17は、移動回数n2をインクリメントした後(ステップS9)、移動回数n2がN2に達したか否かを判定する(ステップS10)。なお、図6に示す例では、N2は10に設定されている。
【0030】
制御部17は、移動回数n2がN2に達していなければ(ステップS10でN)、再びステップS2に戻る。一方、制御部17は、移動回数n2がN2に達していれば(ステップS10でY)、積算値Iに基づいて電線2の腐食診断を行う(ステップS11)。具体的には、制御部17は、正常な電線2で検出した検出コイル12の出力の積算値との比較により診断を行う。
【0031】
その後、制御部17は、腐食診断結果を表示部16に表示して(ステップS12)、処理を終了する。
【0032】
上述した第1実施形態によれば、電線2の異なる箇所に励磁コイル11及び検出コイル12を重ねて、検出コイル12の出力の積算値によって、電線2の腐食診断を行っている。腐食レベルの小さい箇所での検出コイル12の出力と、健常な電線2での出力と、の差は小さいが、それを積算することにより、出力差が大きくなり、診断精度を向上させることができる。また、各検出エリアA1での腐食状態が、図8に示すような分布であった場合、積算値Iに基づいて腐食を診断することにより、複数の検出エリアAの全体としての腐食を診断することができる。
【0033】
次に、発明者らは、上記効果を確認すべく、従来品と本発明品とを用いて、基準試料、試料A〜Gの電線2について診断した。結果を図9図12に示す。なお、従来品は、検出コイル12を電線2の1箇所に配置して診断を行う装置である。また、本発明品は、検出コイル12を電線2の異なる10箇所に配置して診断を行う装置である。基準試料は、腐食が発生していない電線2であり、試料A〜Gは腐食状態がそれぞれ異なる電線2である。
【0034】
そして、図9は、従来品を用いて基準試料、試料A〜Gの電線2について診断した際の検出コイル12の出力の周波数特性を示すグラフであり、図10は、図9に示す試料A〜Gに対する検出コイル12の出力と基準試料に対する検出コイル12の出力との差の周波数特性である。
【0035】
また、図11は、本発明品を用いて基準試料、試料A〜Gの電線2について診断した際の検出コイル12の出力の積算値の周波数特性を示すグラフであり、図12は、図11に示す試料A〜Gに対する検出コイル12の出力の積算値と基準試料に対する検出コイル12の出力の積算値との差の周波数特性である。
【0036】
これらの図から明らかなように、本発明品は、従来品に比べて基準試料との出力差を約10倍にすることができ、その分、精度向上が図れることが分かった。
【0037】
また、上述した第1実施形態によれば、電線2の円周方向Y1に異なる複数個所に励磁コイル11及び検出コイル12を配置し、各箇所での検出コイル12の出力を積算している。これにより、円周方向に部分的に腐食が生じていても、腐食と診断することができる。
【0038】
また、上述した第1実施形態によれば、電線2の長手方向Y2に異なる複数個所に励磁コイル11及び検出コイル12を配置し、各箇所での検出コイル12の出力を積算している。これにより、長手方向Y2に部分的に腐食が生じていても、腐食と診断することができる。
【0039】
また、上述した第1実施形態によれば、本体部151を電線2の長手方向Y2に沿って移動可能に設け、回転部152を本体部151に取り付け、電線2の円周方向Y1に沿って移動可能に設け、回転部152に、励磁コイル11及び検出コイル12を配置している。これにより、簡単にコイル11、12を円周方向Y1及び長手方向Y2に移動させることができ、1つのコイル11、12を用いて腐食診断を行うことができる。
【0040】
また、上述した第1実施形態によれば、円周方向Y1、長手方向Y2の異なる箇所にコイル11、12を配置していた。しかしながら、コイル11、12は電線2の異なる箇所に配置すればよく、第1実施形態に限定されるものではない。
【0041】
また、上述した第1実施形態によれば、本体部151及び回転部152をモータ153、154により動かしていたが、これに限ったものではない。診断者が、本体部151及び回転部152を動かすようにしてもよい。
【0042】
また、上述した第1実施形態によれば、診断結果を表示していたが、これに限ったものではない。積算値Iを表示するだけでもよい。その積算値Iを見て診断者が腐食を診断することができる。
【0043】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態における腐食診断装置について図13を参照して説明する。第1実施形態では1つの励磁コイル11及び検出コイル12を円周方向Y1に回転させると共に、長手方向Y2に移動させていたが、これに限ったものではない。図13に示すように、複数の励磁コイル11及び検出コイル12を設けてもよい。同図に示すように、複数の検出コイル12は、電線2の円周方向Y1に並べて配置されている。これにより、コイル11、12を回転させる必要がない。
【0044】
また、コイル11、12を長手方向Y2に沿って複数並べることも考えられる。このようにすれば、コイル11、12を長手方向に移動させる必要がない。
【0045】
なお、検出コイル12の出力を取り込む際、制御部17は、複数の励磁コイル11に順番に交流電流を流し、交流電流が流れている励磁コイル11に対応した検出コイル12の出力を順次取り込むようにする。
【0046】
また、上述した第1及び第2実施形態によれば、制御部17は、例えば、図8に示すように、21か所の検出エリアA1〜A21に配置したときの検出コイル12の出力を積算していたが、これに限ったものではない。制御部17は、長手方向Y2に順次検出された検出コイル12の出力の移動平均を算出するようにしてもよい。具体的には、制御部17は、検出エリアA1〜A3、A8〜A10、A15〜A17の平均、検出エリアA2〜A4、A9〜A11、A16〜A18の平均…を算出する。また、制御部17は、円周方向Y1に順次検出された検出コイル12の出力の移動平均を算出するようにしてもよい。
【0047】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0048】
1 腐食診断装置
2 電線
11 励磁コイル
12 検出コイル
17 制御部(積算部)
151 本体部
152 回転部
Y1 円周方向
Y2 長手方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16