(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6984982
(24)【登録日】2021年11月29日
(45)【発行日】2021年12月22日
(54)【発明の名称】洗濯支援システム及び洗濯支援用プログラム
(51)【国際特許分類】
D06F 33/47 20200101AFI20211213BHJP
D06F 33/74 20200101ALI20211213BHJP
D06F 58/50 20200101ALI20211213BHJP
D06F 95/00 20060101ALI20211213BHJP
G07F 17/20 20060101ALI20211213BHJP
【FI】
D06F33/47
D06F33/74
D06F58/50
D06F95/00
G07F17/20
【請求項の数】16
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2019-63160(P2019-63160)
(22)【出願日】2019年3月28日
(65)【公開番号】特開2020-162625(P2020-162625A)
(43)【公開日】2020年10月8日
【審査請求日】2020年11月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】391016358
【氏名又は名称】東芝情報システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090169
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 孝
(74)【代理人】
【識別番号】100074147
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 崇
(74)【代理人】
【識別番号】100124497
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 洋樹
(72)【発明者】
【氏名】野原 由記
(72)【発明者】
【氏名】中山 亜由美
【審査官】
東 勝之
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭62−243596(JP,A)
【文献】
特開2002−085887(JP,A)
【文献】
特開2003−233740(JP,A)
【文献】
特開2002−177700(JP,A)
【文献】
特開2005−339046(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 33/00 − 58/52
D06F 95/00
G07F 17/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗濯物の乾燥度合値データを検出するセンサ部と、
前記センサ部から得られた乾燥度合値データに基づき、洗濯物の乾燥完了までの乾燥時間を予測する乾燥時間予測手段と、
前記予測された乾燥予測時間を監視し、乾燥予測時間の異常を検出する異常検出手段と、
前記異常検出手段が異常を検出した場合に、洗濯事業者のサービス利用または洗濯事業者の機器利用の推奨メッセージをユーザ端末へ送信する洗濯事業者利用推奨手段と、
を具備することを特徴とする洗濯支援システム。
【請求項2】
前記異常検出手段は、乾燥予測時間が異常値閾値以上である場合、または、乾燥予測時間が所定値に留まってから所定時間以上経過した場合に、異常を検出することを特徴とする請求項1に記載の洗濯支援システム。
【請求項3】
前記洗濯事業者の機器は、コインランドリーの洗濯関連機器であり、
前記洗濯事業者利用推奨手段は、洗濯事業者の機器利用の推奨メッセージと共に利用可能なコインランドリーを特定する識別情報及び位置情報を送信することを特徴とする請求項1または2に記載の洗濯支援システム。
【請求項4】
コインランドリーにおける洗濯関連機器の使用情報を蓄積するコインランドリー使用情報データベースと、
コインランドリーにおける洗濯関連機器の使用情報を収集して、前記コインランドリー使用情報データベースに蓄積するコインランドリー使用情報データベース管理手段と、
を具備し、
前記洗濯事業者利用推奨手段は、利用可能なコインランドリーを特定する識別情報及び位置情報を前記コインランドリー使用情報データベースから得ることを特徴とする請求項3に記載の洗濯支援システム。
【請求項5】
コインランドリーにおける洗濯関連機器の使用予約状況情報を蓄積するコインランドリー使用予約状況情報データベースと、
ユーザ端末からコインランドリーにおける洗濯関連機器の使用予約要求を受け付け、前記コインランドリー使用予約状況情報データベースの情報に反映させるコインランドリー使用予約状況管理手段と、
を具備することを特徴とする請求項4に記載の洗濯支援システム。
【請求項6】
コインランドリーにおける洗濯関連機器には、当該機器を使用可能状態と使用不可能状態に切り換える使用制御コマンドを受けて当該機器をロック・アンロックする電子ロック手段が備えられており、
コインランドリー使用予約状況管理手段は、ユーザ端末からコインランドリーにおける洗濯関連機器の使用予約要求を受け付けた場合に、前記コインランドリー使用予約状況情報データベースに登録された、予約に係るコインランドリーの該当機器の電子ロック手段においてロックすべくコントロール部へ使用制御コマンドを送信することを特徴とする請求項5に記載の洗濯支援システム。
【請求項7】
コインランドリー使用予約状況管理手段は、ユーザ端末からコインランドリーにおける洗濯関連機器の使用予約要求を受け付けた場合に、ユーザ端末にユーザ端末から電子ロック手段をアンロックするための情報を送信することを特徴とする請求項6に記載の洗濯支援システム。
【請求項8】
ユーザのスケジュール情報が登録されるユーザスケジュールデータベースと、
前記ユーザスケジュールデータベースのユーザのスケジュール情報を検索して、スケジュール情報に基づきコインランドリーの利用を促す勧誘メッセージを該当ユーザ端末へ送信するコインランドリー利用勧誘手段と、
を具備することを特徴とする請求項3乃至7のいずれか1項に記載の洗濯支援システム。
【請求項9】
コンピュータを、
洗濯物の乾燥度合値データを検出するセンサ部から得られた乾燥度合値データに基づき、洗濯物の乾燥完了までの乾燥時間を予測する乾燥時間予測手段、
前記予測された乾燥予測時間を監視し、乾燥予測時間の異常を検出する異常検出手段、
前記異常検出手段が異常を検出した場合に、洗濯事業者のサービス利用または洗濯事業者の機器利用の推奨メッセージをユーザ端末へ送信する洗濯事業者利用推奨手段、
として機能させることを特徴とする洗濯支援用プログラム。
【請求項10】
前記コンピュータを前記異常検出手段として、乾燥予測時間が異常値閾値以上である場合、または、乾燥予測時間が所定値に留まってから所定時間以上経過した場合に、異常を検出するように機能させることを特徴とする請求項9に記載の洗濯支援用プログラム。
【請求項11】
前記洗濯事業者の機器は、コインランドリーの洗濯関連機器であり、
前記コンピュータを前記洗濯事業者利用推奨手段として、洗濯事業者の機器利用の推奨メッセージと共に利用可能なコインランドリーを特定する識別情報及び位置情報を送信するように機能させることを特徴とする請求項9または10に記載の洗濯支援用プログラム。
【請求項12】
コインランドリーにおける洗濯関連機器の使用情報を蓄積するコインランドリー使用情報データベースが、前記コンピュータに付設され、
前記コンピュータを、コインランドリーにおける洗濯関連機器の使用情報を収集して、前記コインランドリー使用情報データベースに蓄積するコインランドリー使用情報データベース管理手段として機能させ、
前記コンピュータを前記洗濯事業者利用推奨手段として、利用可能なコインランドリーを特定する識別情報及び位置情報を前記コインランドリー使用情報データベースから得るように機能することを特徴とする請求項11に記載の洗濯支援用プログラム。
【請求項13】
コインランドリーにおける洗濯関連機器の使用予約状況情報を蓄積するコインランドリー使用予約状況情報データベースが、前記コンピュータに付設され、
前記コンピュータを、ユーザ端末からコインランドリーにおける洗濯関連機器の使用予約要求を受け付け、前記コインランドリー使用予約状況情報データベースの情報に反映させるコインランドリー使用予約状況管理手段として機能させることを特徴とする請求項12に記載の洗濯支援用プログラム。
【請求項14】
コインランドリーにおける洗濯関連機器には、当該機器を使用可能状態と使用不可能状態に切り換える使用制御コマンドを受けて当該機器をロック・アンロックする電子ロック手段が備えられており、
前記コンピュータを、前記コインランドリー使用予約状況管理手段として、ユーザ端末からコインランドリーにおける洗濯関連機器の使用予約要求を受け付けた場合に、前記コインランドリー使用予約状況情報データベースに登録された、予約に係るコインランドリーの該当機器の電子ロック手段においてロックすべくコントロール部へ使用制御コマンドを送信するように機能させることを特徴とする請求項13に記載の洗濯支援用プログラム。
【請求項15】
前記コンピュータを、コインランドリー使用予約状況管理手段として、ユーザ端末からコインランドリーにおける洗濯関連機器の使用予約要求を受け付けた場合に、ユーザ端末にユーザ端末から電子ロック手段をアンロックするための情報を送信するように機能させることを特徴とする請求項14に記載の洗濯支援用プログラム。
【請求項16】
ユーザのスケジュール情報が登録されるユーザスケジュールデータベースが、前記コンピュータに付設され、
前記コンピュータを、
前記ユーザスケジュールデータベースのユーザのスケジュール情報を検索して、スケジュール情報に基づきコインランドリーの利用を促す勧誘メッセージを該当ユーザ端末へ送信するコインランドリー利用勧誘手段して機能させることを特徴とする請求項11乃至15のいずれか1項に記載の洗濯支援用プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、
洗濯支援システム及び洗濯支援用プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、自宅にて洗濯を行って生乾き等が発生した場合には、臭いなどを理由として再洗濯する必要が生じるケースが多い。しかしながら、乾燥に必要な環境が整わなければ、再洗濯して再度乾燥したところで同じ状況が繰り返されることになっていた。一方、近年では、コインランドリーなどの洗濯事業者のサービス利用または洗濯事業者の機器利用により自宅での洗濯乾燥をサポートする人々も多くなりつつある。そのため、適切なタイミングでコインランドリーなどの洗濯事業者のサービス利用または洗濯事業者の機器利用や外部の洗濯施設などを利用することが上記再洗濯の繰り返しに対する解決策の一つである。しかしながら、このような観点から洗濯を行うユーザに対し案内を行うシステムがなく、このような情報の提供に関する要求が多く寄せられている。
【0003】
また、特許文献1には、複数台の洗濯機や複数台の乾燥機の動作が終了したら、可及的速やかにその洗濯機や乾燥機を使用できる状態に促して、機器の稼働率を上げることを可能にするシステムが示されている。
【0004】
このシステムでは、ユーザが予め利用する洗濯機に対応した機器の番号と、ユーザの通知先である電話番号をタブレットPCから各々入力するだけで、その利用する洗濯機の動作が終了すると、親機から通信手段である電話回線を介してユーザの通知先となる携帯電話端末に通知が行われるものである。
【0005】
また、特許文献2には、従来のコインランドリーは共同利用の不衛生、夜間の治安の悪さ、洗剤や小銭の用意と仕事を持つ女性には利用し難く、乾燥後の洗濯物を畳むのも労苦であったことに鑑み、各種の顧客サービスを提供して顧客の満足度を向上させるものが開示されている。
【0006】
このシステムでは、インターネット利用で24時間受注可能とし、コインランドリーを係員が顧客に出向いて完全受注型にし、価格は従量制にしたことが特徴となっている。更に、支払い方法も現金と併用してインターネット決済システムを利用しているもので、顧客の利便性を向上している。洗濯については、消臭・除菌剤を洗剤と併用し共同利用の衛生面を担保し、乾燥後は洗濯物を整形して畳み顧客に届ける。顧客基本情報のデータベース構築とインターネットとバーコードシステムの活用により各種の顧客サービスを提供して顧客の満足度を向上させるものである。
【0007】
更に、トイレなどの施設をあらかじめ予約するシステムを提供することを目的とするシステムが、特許文献3に開示されている。このシステムは、所定のユーザが所有する携帯端末にネットワークを介して接続された予約管理サーバと、トイレのドアに装備された電子ロックと、予約管理サーバに接続され当該予約管理サーバの指令にて電子ロックの施錠解錠を制御するコントローラとを備えているもので、コインランドリーの洗濯関連機器の管理に応用できる可能性を含む。
【0008】
更に、特許文献3に記載のシステムは、予約管理サーバが、携帯端末からトイレの予約要求があったときに当該要求に基づいてコントローラにトイレの使用確保指令を送信する予約機能を備えると共に、コントローラが、使用確保指令に応じて電子ロックを施錠する使用制限機能を備えたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2015−163182号公報
【特許文献2】特開2008−284313号公報
【特許文献3】特開2003−233740号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、洗濯物を乾燥したときに生乾きの時間が多く続き再洗濯となる工程を何度も繰り返す可能性を排除することができ、家庭における洗濯・乾燥を、市中の洗濯事業者のサービス利用または洗濯事業者の機器利用を含めた環境の中で効率良く実行することを可能とする
洗濯支援システム及び洗濯支援用プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本実施形態に係る
洗濯支援システムは、洗濯物の乾燥度合値データを検出するセンサ部と、前記センサ部から得られた乾燥度合値データに基づき、洗濯物の乾燥完了までの乾燥時間を予測する乾燥時間予測手段と、前記予測された乾燥予測時間を監視し、乾燥予測時間の異常を検出する異常検出手段と、前記異常検出手段が異常を検出した場合に、洗濯事業者のサービス利用または洗濯事業者の機器利用の推奨メッセージをユーザ端末へ送信する洗濯事業者利用推奨手段と、を具備することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】第1の実施形態に係る洗濯支援装置を用いて構成した洗濯支援システムの構成図。
【
図2】第1の実施形態に係る洗濯支援装置の動作を示すフローチャート。
【
図3】第2の実施形態に係る洗濯支援装置を用いて構成した洗濯支援システムの構成図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下添付図面を参照して本発明の実施形態に係る
洗濯支援システム及び洗濯支援用プログラムを説明する。各図において、同一の構成要素には同一の符号を付して重複する説明を省略する。
図1には、第1の実施形態に係る洗濯支援装置を用いて構成した洗濯支援システムの構成図が示されている。
【0014】
この洗濯支援システムには、センサ部1、洗濯支援装置としてのサーバ2、ユーザ端末である通知端末3、洗濯事業者のサービス利用または洗濯事業者の機器利用の現場としての洗濯事業所5が備えられている。センサ部1は、洗濯物の乾燥度合値データを検出するものであり、水分センサ10、アンプ11、A/D変換部12、コンピュータ部13、データ送信部14、電池15を備えている。センサ部1は、複数の家庭について複数設けられるものであるが、ここでは1つのみを示している。
【0015】
本実施形態では、水分センサ10が洗濯物を挟み或いは接触して、水分量に応じたインピーダンスを計測することができるもので、このインピーダンスデータを乾燥度合値データとして得られるセンサであればよく、光の反射率によって乾燥度合値を得るものや画像処理によって水分量に対応する乾燥度合値を得るものなど様々な乾燥度合値を得る態様のセンサを採用することができる。
【0016】
アンプ11は、水分センサ10の出力を増幅するものであり、A/D変換部12は、アンプ11により増幅された水分センサ10の出力(アナログ信号)をディジタル化するものである。データ送信部14は、ディジタル化された乾燥度合値データを送信するものである。コンピュータ部13は、所謂マイコン程度の機能を有する構成であり、水分センサ10のサンプリングタイミングの制御やA/D変換部12の変換タイミングの制御、データ送信部14の送信制御などを行うものである。電池15は、水分センサ10、アンプ11、A/D変換部12、コンピュータ部13、データ送信部14へ電力供給を行うための電源部として機能する。
【0017】
通知端末3は、複数設けられるものである。通知端末3は、ユーザ端末であり、スマートフォン、携帯電話機、PDA(パーソナルディジタルアシスタント)、PC(パーソナルコンピュータ)などにより構成することができる。通知端末3には、通知端末3を統括制御するコントロール部30、外部とデータを送受する送受信部31、必要な情報を表示するためのLCD、LEDなどにより構成されるデータ表示部32、所望のコマンドやデータを入力するためのデータ入力部33が備えられている。
【0018】
洗濯事業所5は、複数存在している。ここでは、コインランドリーである洗濯事業所5には、複数台の洗濯関連機器51−1、51−2、・・・・、51−nが設けられている。洗濯関連機器51−1、51−2、・・・・、51−nは、洗濯機や乾燥機などである。洗濯関連機器51−1、51−2、・・・・、51−nには、当該機器を使用可能状態と使用不可能状態に切り換える使用制御コマンドを受けて当該機器をロック・アンロックする電子ロック手段52−1、52−2、・・・・、52−nが設けられている。洗濯事業所5には、洗濯関連機器51−1、51−2、・・・・、51−nを制御し、また、使用中・非使用中の監視を行い、電子ロック手段52−1、52−2、・・・・、52−nへ使用制御コマンドを与えるなど、各種の管理を行うコントロール部50が備えられている。コントロール部50には、図示しない送受信部が備えられており、サーバ2と間で各種のデータや情報を送受することが可能である。
【0019】
サーバ2は、コンピュータ部40、外部記憶装置20、データ受信部21、データ送信部22を備えている。データ受信部21は、外部からのデータを受信するものであり、データ送信部22は外部へデータを送信するものである。
【0020】
コンピュータ部40は、このサーバ2が洗濯支援装置として各種の処理を行うコンピュータの構成部分であり、乾燥時間予測手段41、異常検出手段42、洗濯事業者利用推奨手段43、コインランドリー使用情報DB(データベース(以下、DBについて同じ))管理手段44、コインランドリー使用予約状況管理手段45を備えている。
【0021】
乾燥時間予測手段41は上記センサ部1から得られた乾燥度合値データに基づき、洗濯物の乾燥完了までの乾燥時間を予測するものである。外部記憶装置20には、乾燥度合値データDB23が備えられており、複数のセンサ部1から得られた乾燥開始からセンサ部1が取り外されるまでの乾燥度合値データが乾燥度合値データDB23へ格納されている。
【0022】
この乾燥度合値データDB23に格納されている乾燥度合値データに基づき、コンピュータ部40は1枚づつの洗濯物が乾燥開始から乾燥完了となるまでの時間データ、乾燥開始時と乾燥完了時の乾燥度合値データ、乾燥度合値データが乾燥完了状態を示す一定値になったときの一定値データなどを求め、例えば、乾燥開始時の乾燥度合値を所定の幅で区分し、この区分毎に、乾燥完了までに要する時間及び乾燥度合値データが乾燥完了状態を示す一定値になったときの一定値データを対にして、乾燥時間予測用データとして、乾燥度合値データDB23へ格納する。
【0023】
また、乾燥予測時間についての異常値閾値と、乾燥予測時間が所定値に留まってから所定時間以上経過した場合に、異常を検出するための異常時間データと、を乾燥度合値データDB23に備えている。乾燥時間予測手段41は到来した乾燥度合値データから乾燥時間予測用データに基づいて、区分を求め、乾燥予測時間を予測する。
【0024】
コンピュータ部40に備えられている異常検出手段42は、上記乾燥時間予測手段41によって予測された乾燥予測時間を監視し、乾燥予測時間の異常を検出するものである。例えば、上記異常検出手段42は、乾燥予測時間が異常値閾値(乾燥度合値データDB23に備えられている)以上である場合、または、乾燥予測時間が所定値に留まってから所定時間(乾燥度合値データDB23に備えられている)以上経過した場合に、異常を検出することができる。また、乾燥度合値データ乾燥度合値が所定値に留まっている時間が所定時間(乾燥度合値データDB23に備えられている)以上である場合に、異常を検出することができる。
【0025】
コンピュータ部40に備えられている洗濯事業者利用推奨手段43は、上記異常検出手段42が異常を検出した場合に、洗濯事業者のサービス利用または洗濯事業者の機器利用の推奨メッセージをユーザ端末へ送信する。ここに、洗濯事業者のサービス利用とは、例えば、クリーニング店の洗濯及び乾燥のサービスを利用することを指し、また、洗濯事業者の機器利用とは、コインランドリーの洗濯機や乾燥機を利用することを指すものとする。
【0026】
以上の構成を用いて本実施形態の洗濯支援装置は、
図2に示されるフローチャートに対応するプログラムにより動作を行うので、このフローチャートを参照して動作説明を行う。このフローチャートは、1つの洗濯物毎の処理を示す。処理がスタートとなり、洗濯物の乾燥度合値データが到来したのかを検出する(S11)。乾燥度合値データが到来しない場合には、一定期間に亘ってデータが到来していないのかを検出する(S12)。このステップS12においてYESへ分岐すると、エンドとなり、またNOへ分岐するとステップS11へ戻って処理が続けられる。
【0027】
一方、上記ステップS11においてYESへ分岐した場合には乾燥度合値データを取り込み(S13)、当該洗濯物の乾燥時間を予測する(S14)。次に、乾燥予測時間が異常閾値以上であるかを検出し(S15)、NOとなると、ステップS16へ進み、乾燥予測時間が所定値に留まったまま所定時間以上経過したのかを検出する(S16)。このステップS16においてNOへ分岐すると、ステップS11へ戻って処理が続けられる。
【0028】
一方、ステップS15においてYESへ分岐した場合、またはステップS16においてYESへ分岐した場合には、洗濯事業者のサービス利用または洗濯事業者の機器利用の推奨メッセージをユーザ端末へ送信し(S17)、エンドとなる。ユーザ端末のアドレスはステップS13において送られてくる乾燥度合値データと共に送られてくるものである。
【0029】
本実施形態において洗濯事業所5は、コインランドリーやクリーニング店であり、複数存在している。外部記憶装置20に備えられているコインランドリー使用情報DB24には、洗濯事業所5としてのコインランドリーやクリーニング店の識別情報及び位置情報として「住所、名称、電話番号などの連絡先」が記憶されている。一方、送られてくる乾燥度合値データには、センサ部1の住所情報が送られてくる。このため、推奨メッセージには、コインランドリー使用情報DB24から利用可能なコインランドリーを特定する識別情報及び位置情報を読み出し、これらの情報を送信する。ここに「利用可能な」とはユーザ端末から送られてくる住所が近いことを意味する。
【0030】
更に、本実施形態では、コインランドリー使用情報DB24には、コインランドリーにおける洗濯関連機器51−1、51−2、・・・・、51−nの使用情報を蓄積する。このため、洗濯関連機器51−1、51−2、・・・・、51−nの1台毎に空き状態で使用可能か使用中であるかの情報をコインランドリー使用情報DB24から得ることができる。
【0031】
コインランドリー使用情報データベース管理手段44は、コインランドリーにおける洗濯関連機器51−1、51−2、・・・・、51−nの使用情報を収集して、上記コインランドリー使用情報DB24に蓄積する。推奨メッセージには、この使用情報を含ませて送信する。数字で「○○号機が使用可能です。」というメッセージを送信しても良いし、「○○台が使用可能です。」というメッセージを送信しても良い。
【0032】
本実施形態では、外部記憶装置20に、コインランドリーにおける洗濯関連機器51−1、51−2、・・・・、51−nの使用予約状況情報を蓄積するコインランドリー使用予約状況情報DB(データベース)25を備えている。コインランドリー使用予約状況情報DB25には、洗濯関連機器51−1、51−2、・・・・、51−n毎に、時間を区切って予約の有無の情報が記憶されている。また、コンピュータ部40に備えられているコインランドリー使用予約状況管理手段45は、ユーザ端末である通知端末3からコインランドリーにおける洗濯関連機器51−1、51−2、・・・・、51−nの使用予約要求を受け付け、前記コインランドリー使用予約状況情報DB25の情報に反映させる。
【0033】
前述の通り、洗濯事業者利用推奨手段43は、洗濯関連機器51−1、51−2、・・・・、51−nの使用情報をユーザ端末へ送信しているので、ユーザ端末からは「○月○日○○時から○時間、○○号機の使用を希望。」という要求をサーバ2へ送ることにより、コインランドリー使用予約状況情報DB25の情報により確認を行い、予約が入っていなければコインランドリー使用予約状況情報DB25の情報に変更を加えて予約を設定し、ユーザ端末へ予約受付の旨を返送する。勿論、予約が不可能であれば、コインランドリー使用予約状況情報DB25の情報に変更を加えることなく、ユーザ端末へ予約受付不可能の旨を返送する。
【0034】
前述の通り、コインランドリーにおける洗濯関連機器51−1、51−2、・・・・、51−nには、当該機器を使用可能状態と使用不可能状態に切り換える使用制御コマンドを受けて当該機器をロック・アンロックする電子ロック手段52−1、52−2、・・・・、52−nが備えられている。コインランドリー使用予約状況管理手段45は、ユーザ端末からコインランドリーにおける洗濯関連機器51−1、51−2、・・・・、51−nの使用予約要求を受け付けた場合に、上記コインランドリー使用予約状況情報DB25に登録された、予約に係るコインランドリーの該当機器の電子ロック手段52−1、52−2、・・・・、52−nにおいてロックすべくコントロール部50へ使用制御コマンドを送信する。つまり、使用制御コマンドは、予約受付によってコントロール部50へ送信され、これを受けてコントロール部50は予約時刻には他者が使用できぬように洗濯関連機器51−1、51−2、・・・・、51−n中の該当の洗濯関連機器の電子ロック手段をロック状態とする。
【0035】
また、コインランドリー使用予約状況管理手段45は、ユーザ端末からコインランドリーにおける洗濯関連機器の使用予約要求を受け付けた場合に、当該ユーザ端末にユーザ端末から電子ロック手段をアンロックするための情報を送信する。即ち、予約時刻には該当の洗濯関連機器の電子ロック手段がロック状態とされている。ユーザ端末である通知端末3には、電子ロック手段をアンロックするための情報が上記の送信を受けて記憶されており、通知端末3から該当電子ロック手段へアンロックするための情報(使用制御コマンド)を送ることができるように構成されている。この機能を用いて、コインランドリーにおける該当洗濯関連機器の設置場所においてロック解除を行い、当洗濯関連機器を使用することができる。
【0036】
次に、第2の実施形態を
図3に示す。本実施形態では、サーバ2Aの外部記憶装置20Aが乾燥度合値データDB23、コインランドリー使用情報DB24、コインランドリー使用予約状況情報DB25以外に、ユーザスケジュールDB(データベース)26を備えている。ユーザスケジュールDB26には、ユーザのスケジュール情報が登録される。スケジュール情報の内容に制限はないが、基本的に洗濯物が増えそうなイベントや予定が通知端末3から送られてくる。
【0037】
コンピュータ部40Aには、コインランドリー利用勧誘手段46が加えられている。コインランドリー利用勧誘手段46は、通知端末3からユーザのスケジュール情報が送られてくると、これをユーザ端末識別情報(或いはアドレス)と共にユーザスケジュールDB26に登録する。また、コインランドリー利用勧誘手段46は、上記ユーザスケジュールDB26のユーザのスケジュール情報を検索して、スケジュール情報に基づきコインランドリーの利用を促す勧誘メッセージを該当ユーザ端末へ送信するものである。ユーザスケジュールDB26のスケジュール情報を検索して、勧誘メッセージを送信すべき所定のキーワードを求める。例えば、運動会、運動、スポーツ、走る、マラソン、体操などのキーワードが登録されているかを検索し、該当があると、コインランドリーの利用を促す勧誘メッセージを該当ユーザ端末へ送信する。
【0038】
上記コインランドリーの利用を促す勧誘メッセージを受けたユーザ端末のユーザは、第1の実施形態で説明したコインランドリー使用予約等へ進むことができ、家庭用の洗濯機器では対応できないような洗濯物の処理を適切に行うことができる。
【符号の説明】
【0039】
1 センサ部
2、2A サーバ
3 通知端末
5 洗濯事業所
10 水分センサ
11 アンプ
12 A/D変換部
13 コンピュータ部
14 データ送信部
15 電池
20、20A 外部記憶装置
21 データ受信部
22 データ送信部
23 乾燥度合値データDB
24 コインランドリー使用情報DB
25 コインランドリー使用予約状況情報DB
26 ユーザスケジュールDB
30 コントロール部
31 送受信部
32 データ表示部
33 データ入力部
40、40A コンピュータ部
41 乾燥時間予測手段
42 異常検出手段
43 洗濯事業者利用推奨手段
44 コインランドリー使用情報DB管理手段
45 コインランドリー使用予約状況管理手段
46 コインランドリー利用勧誘手段
50 コントロール部
51−1、51−2、・・・・、51−n 洗濯関連機器
52−1、52−2、・・・・、52−n 電子ロック手段