(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
[病院情報システムの接続及び各機器間における情報の流れ]
図1は、実施の形態に係る病院情報システム1と図示しない通信ネットワークで接続する他の装置との間における情報の流れを示すブロック図である。まず当該
図1を用いて病院情報システム1の接続状態について説明する。
【0012】
病院情報システム1は、図示しない通信ネットワークに接続されており、当該通信ネットワークを介して、画像サーバ2、ワークステーション3、モダリティ4と接続されている。病院情報システム1は、本実施の形態における一例として、HISを挙げる。HISは、医療機関全体の診療や会計業務の効率化等のために構築されるシステムである。このようにHISには様々なシステム・機能が含まれ得るが、本実施の形態においては特に、医療従事者が電子カルテを利用する際に用いることを前提にしている。
【0013】
なお、ここで「医療従事者」とは、医師や検査技師に限らず、看護師、薬剤師や栄養士、チーム医療を行う際に関与する者等、患者の治療に何らかの形で関与し、その際にデータを取り扱う者のいずれであっても良い。
【0014】
画像サーバ2は、例えば、PACSである(以下、「PACS2」と表わす)。PACS2は、各種モダリティで取得された、患者の診断に用いられる医用画像を管理するシステムである。また、ワークステーション3は、例えば、読影医が医用画像を読影する際に用いる装置、或いは、患者の診察を行う際に用いられる装置といった、各種装置である。ワークステーション3は、例えばPCである。なお、PACS2やワークステーション3は、後述するモダリティ4が取得した医用画像における計測値を用いて計算を行う臨床アプリケーションを実装している。
【0015】
モダリティ4は、上述した、例えば、X線CT装置、MRIや超音波画像診断装置等、患者内部の情報を収集し、この収集された情報に基づいて被検体内部を画像化して医用画像を生成する装置である。
図1では、モダリティ4が1台のみ示されているが、通信ネットワークに接続されるモダリティの数は1台に限られない。またモダリティ4には、それぞれ臨床アプリケーションが実装されていても良い。その場合モダリティ4は、医用画像を用いて得られた計測値を基に、計算値を算出することも可能である。
【0016】
通信ネットワークは、接続される各機器をつなぎ、これら各機器の間において医用画像や各種情報をやりとりする通信回線及び通信機器である。通信ネットワークは、例えば、LAN(Local Area Network)やインターネット等のネットワークを挙げることができる。また、この通信ネットワークを介してやり取りされる際の通信プロトコルは、DICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)等、いずれのプロトコルであっても良い。
【0017】
図1において、モダリティ4で取得された医用画像や当該医用画像に付帯する各種情報は、病院情報システム1、PACS2、及びワークステーション3にそれぞれ送信される。モダリティ4からPACS2に送信された医用画像や各種情報は、PACS2において登録される。PACS2から病院情報システム1及びワークステーション3へと送信される。
【0018】
また、ワークステーション3には、モダリティ4及びPACS2から医用画像や各種情報が送信される。ワークステーション3は、適宜臨床アプリケーションを用いて各種情報に基づく計測値から計算値を取得する。取得された計算値は、病院情報システム1へと送信される。このように本実施の形態においては、モダリティ4において取得された医用画像、当該医用画像に付帯する各種情報や計測値、計算値等のデータは、最終的に全て病院情報システム1に集められ、保存される。但し、医用画像についてはこの限りではない。
【0019】
[病院情報システムの構成]
次に、医療従事者が複数の所見等に記載されている情報を所見等とは関係なく電子カルテ上で個別に利用することを可能とする病院情報システム1の構成について説明する。
図2は、実施の形態に係る病院情報システム1の内部構成を示すブロック図である。
【0020】
ここで本実施の形態における病院情報システム1を構成する装置やシステムについては様々な態様が考えられるが、ここでは、例えば、
図2に示す構成を備える。従って、病院情報システム1が
図2に示す構成以外の構成を備えていても構わない。また、当該病院情報システム1は、例えば、室内に固定されている装置または装置群等であっても良く、或いは、可搬性を備えていても良い。
【0021】
病院情報システム1は、処理回路11及び入出力インターフェイス12がバス13を介して接続されている。入出力インターフェイス12には、さらに入力回路14と、ディスプレイ15と、記憶回路16と、通信処理回路17と、リムーバブルディスク18とが接続されている。
【0022】
処理回路11は、上述した病院情報システム1を構成する各部を制御する。具体的な構成としては、例えば、
図2では図示しない、CPU(Central Processing Uint)と、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)を備える。
【0023】
またCPUは、入力回路14や入出力インターフェイス12を介して、
図2において図示していないその他の外部機器からの入力信号に基づいて各種装置の制御を行う。さらにCPUは、RAMや記憶回路16等に記憶されたプログラム及びデータを読み出してRAMにロードする。そして、CPUは、例えば、RAMから読み出されたプログラムのコマンドと、医療従事者からの参照要求とに基づいて検索されたデータを表示用データとして生成しディスプレイ15に表示する制御を行う処理装置である。また、画像生成のための処理やデータの計算、加工等、一連の処理を実現する処理装置である。詳細は後述する。
【0024】
入力回路14は、医療従事者による様々な入力操作を受け付ける。例えば、入力回路14は、電子カルテ或いは必要なデータの表示を要求する参照要求を入力するための画面等に対する入力操作を受け付ける。この入力回路14としては、例えば、GUI(Graphical User Interface)、或いは、ボタンやキーボード、トラックボールなどの入力デバイスを用いることが可能である。
【0025】
ディスプレイ15は、電子カルテや操作画面(例えば、操作者から各種指示を受け付けるためのGUI)等の各種画像及び各種情報を処理回路11の制御に従って表示する。このディスプレイ15としては、例えば、液晶ディスプレイや有機EL(Electroluminescence)ディスプレイなどを用いることが可能である。
【0026】
記憶回路16は、例えば、半導体や磁気ディスク等で構成されている。記憶回路16には、処理回路11で実行されるプログラムやデータが記憶されている。また、記憶回路16は、後述する、患者データベースD1(
図2では「患者DB」と表わしている。)やテーブルデータベースD2(同じく、
図2では「テーブルDB」と表わしている。)に格納されている各種データを一時的に、或いは、恒久的にこれらデータベースとは別に記憶していても良い。
【0027】
通信処理回路17は、LANカードやモデム等を含んで構成され、病院情報システム1を後述するインターネットやLAN等の通信ネットワークに接続することを可能とする。通信処理回路17を介して通信ネットワークに接続されている機器との間で送受信されたデータは、入力信号または出力信号として、入出力インターフェイス12及びバス13を介して処理回路11に送受信される。
【0028】
リムーバブルディスク18は、光ディスクやフレキシブルディスクである。ディスクドライブによって読み書きされた信号は、入出力インターフェイス12及びバス13を介して処理回路11に送受信される。また、例えば、データ表示プログラムは当該リムーバブルディスク18に格納されており、リムーバブルディスク18から読み込まれることでデータ表示プログラムが病院情報システム1に実装される。なお、リムーバブルディスク18は、病院情報システム1に含まれなくても良い。また、リムーバルディスク18は、フラッシュメモリやHDDでも良い。
【0029】
通信処理回路17は、病院情報システム1を通信ネットワークに接続させる。本実施の形態において、病院情報システム1は、通信ネットワークを介して患者データベースD1とテーブルデータベースD2とに接続されており、互いの間で、例えば患者の情報や医用画像情報のやりとりを可能とする。また、当該通信ネットワークを介して、各モダリティ4と接続されていても良い。
【0030】
患者データベースD1には、患者のID、氏名、性別、バイタル情報、薬歴といった、患者の基本情報が格納されている。また、患者の症状についての情報(以下、「患者症状情報」と表わす)も格納される。さらに、例えば、
図2の病院情報システム1では、医用画像を用いて計測された計測値、或いは、例えばワークステーション3において当該計測値を用いて算出された計算値も格納されている。ここでの計測値及び計算値がデータの一例である。そして、複数回同じ検査項目に関する検査が行われた場合には、当該検査項目に関する計測値、計算値は、検査ごとに複数記憶されることになる。
【0031】
なお、これら計測値及び計算値は、医用画像に付随する情報であるが、計測値及び計算値は医用画像とは独立して患者データベースD1に記憶される。そして、これら計測値及び計算値は、患者基本情報、患者症状情報のそれぞれに関連付けられている。
【0032】
テーブルデータベースD2には、例えば、検査の対象となる患者の部位や患者に対して行われる検査項目等を表示項目として定義する表示定義テーブルが格納されている。これらの表示項目は、ディスプレイ15に表示される。ここで検査項目としては、例えば、検体検査オーダを行う際の、血液検査に関する検査項目や、生体・画像検査オーダを行う際の各種モダリティを用いた撮影部位についての検査項目を挙げることができる。
【0033】
また、テーブルデータベースD2には、データ連携テーブルも格納されている。当該データ連携テーブルには、例えば、検査対象となる患者の症状、問題点、臓器、部位等情報の種別、検査に利用されるモダリティ4の種類といった各種情報、当該モダリティ4を利用して行われる検査項目等が互いに対応付けられて記憶されている。これら各項目の対応付けについては、例えば、部位と当該部位に決められている検査項目のように予め規定されている関係に基づいて関連付けられるようにしても良い。或いは、医療従事者が関連付けられる項目を取捨選択して対応付けても良い。
【0034】
上述したように、モダリティ4において患者に対する検査が行われた場合、検査情報は、
図1に示すように、モダリティ4から病院情報システム1へ送信される。ここで「検査情報」は、モダリティ4やワークステーション3等から病院情報システム1に送信される情報を表わし、以下に説明する「患者情報」及び「検査種別情報」を含む。「患者情報」とは、例えば、患者ID等、検査が行われた患者を識別する情報である。すなわち、患者データベースD1に記憶されている患者基本情報に対応する情報である。一方、「検査種別情報」とは、患者に対して行われた検査の内容を示す情報であり、例えば、検査の結果生成された医用画像を用いた計測処理の結果である計測値、臨床アプリケーションを用いて当該計測値から算出された計算値が含まれる。また、検査を行ったモダリティ4に関する情報、検査項目、検査を行う際の条件の少なくとも1つが含まれていても良い。
【0035】
また、ワークステーション3では、モダリティ4において取得された、例えば計測値といった検査情報を基に、臨床アプリケーションを用いて計算値を算出する。そこで、ワークステーション3において算出された計算値は、ワークステーション3から病院情報システム1へ送信される。病院情報システム1が検査情報を通信処理回路17を介してモダリティ4やワークステーション3から受信すると、受信された検査情報は、処理回路11へと送信される。
【0036】
処理回路11は通信解析機能、登録機能、検索機能を実行する。なお、特許請求の範囲における通信解析部は通信解析機能に、登録部は登録機能に、検索部は検索機能にそれぞれ対応する。
【0037】
処理回路11の通信解析機能は、モダリティ4やワークステーション3等から送信された検査情報を受信し解析する機能である。それにより、例えば、検査結果の対象となる患者の患者情報が取得される。また、検査項目ごとの計測値や計算値を含む検査種別情報も取得される。通信解析機能により取得される当該計測値や計算値は、所見等において医用画像と一体の情報ではなく、医用画像とは別に、単独で利用可能な状態となっている。
【0038】
なお、処理回路11が通信解析機能を用いてモダリティ4等から検査情報を受信するタイミングは、例えば、予め決められた時間とし、これが定期的に行われる。また、定期的ではなく、例えば医療従事者からの指示に基づいて受信するようにしても良い。
【0039】
また、処理回路11は、通信解析機能により、取得した検査情報を病院情報システム1で取り扱うデータ形式に変換する。処理回路11が受信する検査情報は、モダリティ4、PACS2やワークステーション3といった、様々な機器から送信されてくるものである。そのため、これら機器ごとに取り扱う情報の形式が異なることが考えられる。そこで、いずれの機器から送信された情報でも一体的に取り扱うことができるように、データ形式を変換するものである。なお、データ形式が統一されていれば、当該処理は不要である。
【0040】
処理回路11の登録機能は、取得したデータを登録する機能である。具体的には、処理回路11が通信解析機能を用いて、受信した検査情報を解析して得た患者情報を基に、上述した患者データベースD1に格納されている患者基本情報を抽出する。そして処理回路11は、当該患者基本情報に検査種別情報を関連付けて、患者データベースD1に登録する。
【0041】
なお、この時点で処理回路11は、検査種別情報を患者症状情報と関連付けて登録しない。上述したように、処理回路11は通信解析機能を用いて、モダリティ4等から送信されてきた検査情報を患者情報と検査種別情報に解析するが、検査種別情報に含まれるデータを患者の症状ごとには解析していないからである。一方、医療従事者からの参照要求に従ってデータが検索、表示された後は、患者の症状とデータとの関連が明確である。そこで処理回路11は、医療従事者からの参照要求に従ってデータが検索され、ディスプレイ15に表示された際に当該データと患者症状情報とを関連付けて患者データベースD1に登録する。
【0042】
処理回路11の検索機能は、医療従事者から検査結果である検査種別情報の参照要求を受けて、当該参照要求に対応する情報を患者データベースD1及びテーブルデータベースD2内を検索し、取得する機能である。すなわち、処理回路11は、まず医療従事者によって入力された参照条件に基づく参照要求によりテーブルデータベースD2に格納されている表示定義テーブルを検索し、当該参照条件と対応する表示定義を取得する。ここで参照条件とは、例えば、医療従事者が要求する計測値、計算値を検索する際に用いる条件のことである。
【0043】
当該条件の例としては、例えば、対象となる患者の症状、臓器、部位等や検査項目といった、電子カルテ上に表示されている表示項目である。或いは、文字入力されたキーワード等であっても良い。次に、当該取得した表示定義に基づいて表示定義テーブルに定義されている表示項目を抽出する。ここで表示項目を抽出するのは、表示項目を用いて、データ連携テーブルにおいて当該表示項目と関連づけられている各種情報を取得するためである。
【0044】
そして処理回路11は、抽出された表示項目を基に、データ連携テーブル内を検索する。データ連携テーブル内に抽出された表示項目が記憶されている場合には、当該表示項目と対応づけられて記憶されている検査項目を特定する。そしてさらに、当該検査項目を用いて患者データベースD1から医療従事者が必要とする計測値、計算値を検索し取得する。処理回路11は、取得された計測値、計算値を基にディスプレイ15に表示させるための表示用データを生成する。
【0045】
このように、処理回路11は、医療従事者から検査結果である情報の参照要求を受けて、検索機能を用いて検索を開始する。具体的には、医療従事者は、ディスプレイ15に表示されている、例えば、入力回路14を介して検査結果のタブを開く。処理回路11は、参照要求を行う画面のフォーマットを読み出して、当該画面を表示させる。医療従事者によって入力回路14を介して参照要求を行う画面に表示される部位の1つが選択されると、処理回路11は、選択された部位を特定する。そして処理回路11は、情報を要求する部位のボタンが押し下げられたことを受けて特定された部位を参照条件とした参照要求を生成する。
【0046】
また、患者によっては、診断対象が1つであり、医療従事者がデータを表示させる部位を選択するまでもなく表示させる情報が決まっている場合がある。この場合には、例えば、医療従事者によって部位を選択することなく情報を要求するボタンが押し下げられることで、処理回路11は、参照要求を生成することとしても良い。
【0047】
なお、ここで例えば、処理回路11の通信解析機能、登録機能、検索機能については、所定のメモリ(記憶回路16)やリムーバブルディスク18等に記憶されるプログラムをプロセッサ(処理回路11)に実行させるソフトウェアによって実現することを前提としている。ここで本明細書における「プロセッサ」という文言は、例えば、専用又は汎用のCPU(Central Processing Unit) arithmetic circuit(circuitry)、或いは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。
【0048】
プロセッサは、記憶回路16に保存された、又は、プロセッサの回路内に直接組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。プログラムを記憶する記憶回路16は、プロセッサごとに個別に設けられるものであっても構わないし、或いは、例えば、
図2における処理回路11が行う通信解析機能、登録機能、検索機能に対応するプログラムを記憶するものであっても構わない。記憶回路16の構成については、上述した通りである。
【0049】
[データ提供の流れ]
次に、医療従事者が患者に関するデータを参照したい場合に、所望のデータが検索され、最終的に医療従事者に対して当該データが提供される流れについて以下、
図3ないし
図6のフローチャートを用いて説明する。
【0050】
まず、医療従事者が所望のデータを取得する、すなわち、所望のデータがディスプレイ15に表示されるまでの大まかな流れについて説明する。
図3は、モダリティ4で取得された検査情報をデータベースに登録し、医療従事者からの参照要求に基づいて該当する情報を提供する流れを大まかに示すフローチャートである。
【0051】
医療従事者は、上述した各種情報の種別をテーブルデータベースD2のデータ連携テーブルに記憶させる。具体的には、医療従事者は、計測値、計算値(検査種別情報)に対応する検査項目を上記各種情報の種別と関連付けてデータ連携テーブルに記憶させる。さらに処理回路11は、医療従事者の指示を受けて、入力された患者の症状である患者症状情報の種別と検査項目とを関連づけて登録する(ST1)。事前にこのような準備がされていることによって、処理回路11は、モダリティ4等から取得した計測値や計算値等の検査種別情報等を所見等とは切り離して利用することができる。
【0052】
次に、病院情報システム1の処理回路11は、モダリティ4やワークステーション3等から検査情報を受信し、患者データベースD1に検査種別情報を登録する(ST2)。なお、
図3に示すステップST2においては、病院情報システム1を「HIS」と表わしている。また、このステップST2における詳細な処理の流れについては、
図4を用いて説明する。
図4は、実施の形態に係る病院情報システム1がモダリティ4から取得した検査情報をデータベースに登録する流れを詳細に示すフローチャートである。
【0053】
まず処理回路11は、モダリティ4、PACS2やワークステーション3から検査情報を受信したか否かのチェックを通信解析機能を用いて行う(ST21)。
【0054】
つまり、処理回路11では、検査情報を受信するまでは待機の状態にある(ST21のNO)。一方、処理回路11が検査情報を受信した場合(ST21のYES)、まず、通信解析機能を用いて受信した検査に関する情報のデータ形式を変換する(ST22)。
【0055】
処理回路11は、モダリティ4等から受信した検査情報を患者情報と検査種別情報とに区分けする(ST23)。
【0056】
処理回路11では、区分けされた検査種別情報から、当該検査種別情報に含まれる検査項目ごとの計測値、計算値を抽出する(ST24)。但し、検査項目によっては、計測値、或いは、計算値の一方のみが取得される場合がある。この場合には、計測値、或いは、計算値のいずれかを抽出する。
【0057】
処理回路11では、計測値及び計算値の少なくとも一方を抽出した後、これらをデータベースに登録する。すなわち、処理回路11は、患者データベースD1内に記憶されている患者基本情報を抽出し、検査項目ごとの計測値、計算値を関連付けて、患者データベースD1に記憶させる(ST25)。
【0058】
このような登録処理によって、処理回路11は、通信解析機能を用いて取得した、計測値、計算値というデータを患者データベースD1に格納されている患者基本情報に関連付けることができる。以上で、病院情報システム1がモダリティ4等から取得した計測値等を患者データベースD1に患者基本情報と関連付けて記憶させる処理が終了する。
【0059】
なおこの処理は、病院情報システム1がモダリティ4等から取得した検査情報ごとに全て行われる。このように、検査情報を医用画像とは切り離して取得、登録することができるため、医療従事者が複数の所見等に記載されている情報を所見等や画像データとは関係なく電子カルテ上で個別に利用することができるようになる。
【0060】
以上でステップST2における詳細な処理の流れを説明した。ここで、改めて
図3に示す流れに戻る。
【0061】
病院情報システム1(処理回路11)は、医療従事者からの参照要求を受信したか否かを判断する(ST3)。医療従事者からの参照要求がない場合には(ST3のNO)、処理回路11はこのまま待機となる。一方、処理回路11が入力回路14からの参照要求を受けた場合には(ST3のYES)、処理回路11は当該参照要求に基づき、医療従事者が必要とする、例えば、検査項目ごとの計測値や計算値といった情報を、テーブルデータベースD2を参照して患者データベースD1内から検索、抽出する(ST4)。
【0062】
次に、このステップST4において行われる当該参照要求に基づいて医療従事者が必要とする情報を検索、抽出する流れについて
図5を用いて以下、説明する。
図5は、医療従事者からの参照要求に基づいて、処理回路11が該当する情報を検索しディスプレイ15に表示させる流れを詳細に示すフローチャートである。
【0063】
医療従事者は、所望の情報をディスプレイ15に表示させるに当たって、情報の検索を病院情報システム1(処理回路11)に検索させる。病院情報システム1では入力回路14を介して入力された参照条件を取得する。
【0064】
処理回路11は、入力された参照条件に基づいてテーブルデータベースD2に格納されている表示定義テーブルを検索し、当該参照条件と対応する表示定義を取得する(ST41)。
【0065】
次に処理回路11は、取得した表示定義に基づいて表示定義テーブルに定義されている表示項目を抽出する(ST42)。さらに、処理回路11は、抽出された表示項目を基に、テーブルデータベースD2のデータ連携テーブル内を検索する(ST43)。
【0066】
処理回路11は、検索した結果、当該表示項目と対応づけられて記憶されている検査項目を特定する(ST44)。引き続き、処理回路11は、特定された検査項目と、患者を識別する情報を基に患者データベースD1において当該検査項目に関する情報を取得する(ST45)。
【0067】
処理回路11は、患者を識別する情報に関連づけられている検査項目に関する計測値、計算値を全て取得したか否かを判断する(ST46)。全ての計測値、計算値を取得していない場合には(ST46のNO)、引き続きステップST44において特定した検査項目に関する計測値、計算値を取得し(ST45)、判断する(ST46)。一方、全ての計測値、計算値データを取得した場合には(ST46のYES)、処理回路11は、取得したデータを、表示定義テーブルに規定されている定義に従ってディスプレイ15に表示させるための表示用データとして生成する(ST47)。処理回路11は、当該表示用データをディスプレイ15に表示させる(ST48)。
【0068】
図6は、電子カルテ上に医療従事者が要求したデータが表示された例を示す画面例である。医療従事者は、ある特定の患者の電子カルテが開いている状態から参照要求を行う。医療従事者によって参照要求がなされた結果、病院情報システム1による上述した検索処理が行われて(ST41〜ST44)所望のデータがディスプレイ15に表示される(ST45〜ST48)。
図6はこの検索が終了しデータが表示された状態のディスプレイ15の画面例である。
【0069】
ディスプレイ15の画面例において、上段の領域R1には、例えば、氏名、生年月日、性別といった、患者に関するデータが表示される。また併せてこの画面表示を終了する場合に押し下げる終了ボタンも設けられている。下段の領域R2には、検索結果であるデータが表示される。
【0070】
画面例の領域R2上段に、「CT肺結節 〜2016/07/13」と表示されている。これは、領域R2の下段において表示されるデータがどのようなデータであるかを示す、いわばリストのタイトルを表示するものである。
図6に示すディスプレイ15において表示されるのは、「CT肺結節」との表示であり、これは「CT装置を用いて肺結節を確認する検査」を示す。従ってディスプレイ15に表示されるのは、「CT装置を用いて肺結節を確認する検査における検査結果のデータ」である。また、表示するデータの期間は、「2016/07/13」までのデータである。
【0071】
医療従事者が病院情報システム1に対して参照要求を行うに当たって、参照条件として期間の指定も可能である。ここでは、タイトルの表示の下に、一旦データを表示させた後で、同じ「CT肺結節」に関するデータであるが、これまで表示させたデータとは期間の異なるデータを改めて要求する場合に利用可能な「期間指定」の表示がされている。
【0072】
当該期間指定の表示の横には「取得」ボタンが表示されている。この「取得」ボタンは、医療従事者が病院情報システム1に対して参照要求を行う際に利用するボタンである。
【0073】
さらにこの表示の右横には、グラフボタンが表示されている。参照要求によって取得されたデータを用いて、
図6に示すようにデータを項目ごとに数値で表示させることが可能である。この他に、後述するグラフボタンからの入力信号を受けて、処理回路11がデータを項目ごとにグラフで表示させることも可能である。グラフを表示させた画面例については、
図7を用いて後述する。
図6ではグラフでの表示は行われておらず、データを項目ごとに数値で表示させている。
【0074】
なお、グラフボタンは、
図6に示す画面例から
図7に示す画面例へとの切り替えを行うためのボタンである。当該ボタンが押し下げられると、処理回路11は、記憶回路16等からグラフの画面フォーマットと、数値に基づきグラフを作成するためのプログラムを読み出す。処理回路11は、これらと取得した計測値、計算値とに基づき後述するグラフを作成する。
【0075】
期間指定の項目の下に、取得されたデータが時系列に数値で表示されている。データ表示においては、ここでは大きく4つの大きな項目に分けて表示されている。まず一番上には患者に対して検査が行われてデータが取得されたり、当該患者に対して何らかの処置が行われた日付が表示されている。また、当該日付は時系列に左から右に移るに従ってデータが新しくなるように表示されている。
【0076】
なお、
図6の画面例では「2016/06/01」の日付のデータが最新のデータとして表示されている。但し、入力回路14を介して最も下に表示されているスクロールバーを移動させる操作が行われることによって、処理回路11は、指定された期間である「2016/07/13」のデータまでをディスプレイ15の画面に表示させることが可能である。
【0077】
日付欄の下には、「Key Image」、「オーダ」、及び、「文書」の各大項目が示されている。また、これら大項目にはそれぞれ小項目が設けられている。
【0078】
「Key Image」の大項目の中には、さらに小項目として「Vol」、「Mean Diam」、「Max Diam」、「Short Axis」、「Shape」がそれぞれの単位も含めて表示されている。ここで「Vol」は、肺結節の容量を示し、計算値である。また、「Mean Diam」、「Max Diam」、「Short Axis」はそれぞれ肺結節の平均径、肺結節の長径、肺結節の短軸長を示し、いずれも計測値である。「Shape」は肺結節の形状を示している。
【0079】
「オーダ」の大項目は、肺結節の検査が行われる際に、医療従事者から要求された検査の方法が示されている。ここでは「検体検査」、「画像検査」、「注射(1)ないし(3)」の各項目が小項目として表示されている。例えば、肺結節の検査が行われる際には、これら小項目に示されている検査が要求される可能性が高いと判定されることになるからである。
【0080】
さらに、「文書」の大項目は、タイトルに表示される点について、医療従事者が作成した文書に関する情報が示されている。
【0081】
例えば、
図6の「2016/04/06」の日付で示される欄を見てみると、「Key Image」及び「オーダ」の大項目の欄に数値等が表示されている。従って、「2016/04/06」に患者に対する検査が行われたことがわかる。具体的には、「Key Image」の項目には、この日付に行われた検査においてX線CT装置で生成された医用画像のうち、代表的な医用画像が表示されている。
【0082】
また、当該医用画像を用いて計測や算出された値として、肺結節の容量「Vol」は、「1079.7mm3」、肺結節の平均径「Mean Diam」は、「13.2mm」である。また、肺結節の長径「Max Diam」の値は、「15.9mm」、肺結節の短軸長「Short Axis」は、「11.4mm」である。また、肺結節の形状「Shape」は、「Spherical(球状)」である。
【0083】
一方、患者に対して行われた検査のオーダについては「オーダ」の欄に表示されている。すなわち、
図6に示される画面例を見ると、「2016/04/06」に行われた検査は、「検体検査」として「血液検査」を、「画像検査」として、表示が途中で途切れているが、「造影剤を用いて胸部をCT装置で撮影する」検査がオーダされていることがわかる。また、注射が3本打たれていることも表示されている。
【0084】
図6に示される画面例をさらに見ると、「2016/04/07」と「2016/04/08」とにさらに当該患者に対して注射を行う処置がされ、その後「2016/05/10」に改めて「2016/04/06」と同様の検査が行われたことがわかる。さらに、「2016/05/12」には文書(1)、(2)として経過記録が作成されたことが表示されている。
【0085】
図7は、電子カルテ上に医療従事者が要求したデータがグラフとともに表示された例を示す別の画面例である。
図7の画面例と
図6の画面例とを比較すると、
図7の画面例では、
図6の画面例において数値で示されていたデータがグラフ表示されていることがわかる。
図6及び
図7の画面例において、「期間指定」の表示の右横に「グラフボタン」が設けられている。
図6に表示されている「グラフボタン」は、下向きの三角の表示がされている。ディスプレイ15を見ている医療従事者がこのグラフボタンを押し下げると、
図7に示すようにデータをグラフで表示させることができる。なお、グラフ表示されている時のグラフボタンは、上向きの三角の表示となる。
【0086】
また、グラフ表示を検査の日付や検査結果を示すデータの上に表示するため、
図7ではグラフ表示とデータのみが表示されており、「オーダ」や「文書」の項目については表示が隠れている。但し、スクロールバーが設けられているため、これら「オーダ」や「文書」の項目について、画面をスクロールすることで画面上に表示させることができる。
【0087】
図7に示されているグラフでは、肺結節の容量「Vol」と肺結節の長径「Max Diam」の2種類のデータが同一画面上で表示されている。縦軸はそれぞれのデータを示す数値であり、横軸は日付けを示す。当該グラフからは、肺結節の容量も長径のいずれも徐々に小さく(短く)なってきていることがわかる。
【0088】
なお、ここでは医療従事者が参照要求したデータを示す画面例として
図6及び
図7を例に挙げて説明した。但し、これら
図6や
図7に示されているディスプレイ15における表示はあくまでも例示であって、例えば表示のレイアウトやグラフの表示の方法等については自由に変更することができる。
【0089】
これまでの説明において、処理回路11が行う通信解析機能、登録機能、検索機能については、所定のメモリ(記憶回路16)やリムーバブルディスク18等に記憶されるプログラムをプロセッサ(処理回路11)に実行させるソフトウェアによって実現することを前提としている。但しそれぞれ、通信解析回路、登録回路、検索回路と構成することも可能である。
【0090】
通信解析回路とは、通信ネットワークを介して接続されるモダリティ等から送信される検査に関する情報を分析し、患者情報と計測値や計算値といったデータを含む検査種別情報とを取得するプロセッサである。通信解析回路は、解析機能に対応するプログラムを記憶回路から呼び出して、実行することで解析機能を実現する。通信解析回路は登録回路に接続され、解析機能によって解析された検査に関する情報を登録回路へと出力する。
【0091】
登録回路とは、モダリティ等から取得した患者情報と検査種別情報とを患者データベース、或いは、テーブルデータベースに登録するプロセッサである。登録回路は、登録機能に対応する処理を実行する。
【0092】
検索回路とは、医療従事者からの参照要求に基づいて、患者データベース、テーブルデータベース内を検索し、所望のデータを検索する検索機能を実現する。検索回路は処理回路に接続され、検索機能によって検索されたデータを処理回路へと出力する。
【0093】
なお、処理回路11が行う通信解析機能、登録機能、検索機能の少なくとも1つを専用の回路とし、その他の機能を処理回路11が行う処理とすることも可能である。
【0094】
以上実施の形態において説明した通り、モダリティ等から所見等と関連付けられていない検査に関する情報を取得し、患者基本情報と関連付けて記憶させておく。そして医療従事者からの参照要求に基づいて必要なデータを検索し、ディスプレイに表示させることで、複数の所見等に記載されているデータを所見や医用画像から抽出するという処理や手動操作をすることなく電子カルテ上で個別に利用することが可能である。
【0095】
これにより、従来のように必要なデータを取得するために何度も複数の所見等や医用画像を確認する操作を行う必要はなく、一括して必要な情報を取得することができる。また、データや患者に行われた処置、薬歴等の情報を時系列に集約して表示させることができることから、患者の治療経過や投薬と検査結果との関係等を容易に把握することができる。
【0096】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これら実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。