【文献】
M.S.PETERSON,et al.,“Encyclopedia of Food Science”,THE AVI PUBLISHING CO.,INC.,1978,101−103
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
100ppm未満の4−MeI濃度を有する非ゲル化低4メチル−イミダゾール(4−MeI)クラスIVカラメルを形成する方法であって、(i)炭水化物および酸を含む溶液を提供するステップと;(ii)カラメル化反応を前記溶液中で開始するステップと;(iii)開始後、アンモニウムおよび亜硫酸塩の一部を溶液に添加するステップと;(iv)前記カラメル化反応を継続し、それによって非ゲル化低4−MeIクラスIVカラメルを製造するステップと
を含み、
(ii)の前記カラメル化反応が、前記溶液を100℃〜110℃の温度に加熱することで開始され、前記カラメル化反応中に塩基を添加せず、pHが1.2〜3.0に保たれる、
方法。
(ii)の前記カラメル化反応の開始が、アンモニウムおよび亜硫酸塩の第1の部分を前記溶液に添加することをさらに含み、前記溶液が、アンモニウムおよび亜硫酸塩の第1の部分の添加に先だって閉鎖される反応容器内に含有される、請求項1に記載の方法。
(ii)で前記溶液が加熱された温度を保つこと、又は、(ii)で前記溶液が加熱された温度を超える温度に前記溶液を加熱することで、前記カラメル化反応が(iv)で継続される、請求項1又は2に記載の方法。
100ppm未満の4−MeI濃度を有する非ゲル化低4メチル−イミダゾール(4−MeI)クラスIVカラメルを形成する方法であって、(i)炭水化物および酸を反応容器に添加して、第1の反応混合物を提供するステップと;(ii)前記反応容器を閉鎖するステップと;(iii)アンモニウムおよび亜硫酸塩の第1の部分を第1の反応混合物に添加して、第2の反応混合物を提供するステップと;(iv)前記第2の反応混合物を少なくとも80℃の温度に加熱するステップと;(v)アンモニウムおよび亜硫酸塩の第2の部分を前記第2の反応混合物に添加して、第3の反応混合物を提供するステップと;(vi)ステップ(iv)の温度を保ち、または前記第3の反応混合物を適切な温度に加熱して、それによって非ゲル化低4−MeIクラスIVカラメルを提供するステップとを含み、前記反応容器を閉鎖した後に塩基を添加せず、pHが1.2〜3.0に保たれる、方法。
【発明を実施するための形態】
【0042】
詳細な説明
本発明は、低4メチル−イミダゾールカラメル、ならびに同物質を製造および使用する方法を提供する。本発明はまた、その他の低分子量化学種の量が低下しているカラメル、ならびにこのようなカラメルを食品および飲料の製造で使用する方法、そして製造される食品および飲料にまで及ぶ。
【0043】
カラメル着色料(またはカラメル)は、様々な色調および強度の褐色を食品および飲料に与えるために使用される、食品着色剤である。カラメル着色料は、通常、炭水化物を単独で、または、酸、アルカリ、および/または塩の存在下のどちらかで、加熱することで製造される。それは、最も古く最も広範に使用される食品着色料の1つで使用され、捏ね生地、ビール、黒パン、丸パン、チョコレート、クッキー、咳止めドロップ、ブランデーやラムやウイスキーなどの暗色蒸留酒、チョコレート風味小麦粉ベース菓子、コーティング、カスタード、デコレーション、フィリングおよびトッピング、ポテトチップ、デザートミックス、ドーナツ、魚類および甲殻類スプレッド、冷菓、果実砂糖漬け、グルコース錠剤、グレイビーブラウニング、アイスクリーム、ピクルス、ソース(例えば、醤油)およびドレッシング、ソーダ(特にコーラ)、砂糖菓子、食酢、およびワインをはじめとする、ほとんど全ての種類の工業的に製造される食品に見られる。
【0044】
カラメル着色料は、それらの組成および特性に差がある。それらの製造で使用される反応物質に基づく、4つの認められているクラス(I〜IV)がある。カラメルI(プレーンカラメル、苛性カラメル、酒精カラメルとしてもまた知られている)は、一般にウイスキーおよびその他の度数の高いアルコールで使用される。カラメルII(苛性亜硫酸塩カラメルとしてもまた知られている)は、一般にコニャック、シェリー、およびある種の食酢で使用される。カラメルIII(アンモニアカラメル、パンカラメル、菓子カラメル、ビールカラメルとしてもまた知られている)は、一般にビール、ソース、および菓子で使用される。カラメルIV(亜硫酸アンモニア、清涼飲料カラメル、または耐酸カラメルとしてもまた知られている)は、一般に、清涼飲料(ソーダ)(例えば、コーラ)および黒ビールなどの酸環境中で使用される。様々なカラメル着色料の内、クラスIVカラメル着色料が最も広範に製造され、液体または粉末として市販される。
【0045】
カラメルIIIおよびカラメルIVは、どちらもアンモニウム化合物の存在下で調製されて、4−メチルイミダゾール(4−MeI、4−MIとしてもまた知られている)およびその他の低分子量化学種の形成がもたらされる。4−MeIをはじめとする低分子量化学種の形成を限定することが、所望されることもある。通常、低分子量種には、800未満の分子量(ダルトン)を有するものが含まれる。
【0046】
本発明は、4−MeIなどの低分子量化学種の形成が限定されたクラスIVカラメルを製造する方法(すなわち、合成法)を提供する。本発明は、クラスIIIまたはクラスIVカラメルを濾過して、その中の4−MeIなどの低分子量化学種の量を低下させる方法もまた提供する。クラスIVカラメルに対して、これらの方法が、単独または組み合わせで使用されてもよい。組み合わせで使用される場合、濾過法は、低分子量化学種の量をさらに低下させるために使用される。
【0047】
一実施形態では、本発明の方法は、「従来型」クラスIIIまたはクラスIVカラメル、すなわち、4−MeIおよび/またはその他の低分子量化学種の形成に関する留意なしに製造されたカラメルと比較して、低分子種(例えば、4−MeI)の量が低下されている、クラスIIIまたはIVカラメルを提供する。通常、「従来型」クラスIIIまたはIVカラメルは、100ppmを超える4−MeI濃度を有する。「低4−MeIカラメル」は、通常、100ppm未満の4−MeI濃度を有すると見なされる。特定の実施形態では、本発明の方法は、約50ppm未満、または20ppm未満、または約10ppm未満、または約5ppm未満、または約1ppm未満の4−MeIの4−MeI濃度を有するカラメルを提供する。特定の実施形態では、本発明の方法は、約0.9ppm未満、約0.8ppm未満、約0.7ppm未満、約0.6ppm未満、約0.5ppm未満、約0.4ppm未満、約0.3ppm未満、約0.2ppm未満、または約0.1ppm未満の4−MeIの4−MeI濃度を有するカラメルを提供する。特定の実施形態では、本発明の方法は、4−MeIが皆無である、すなわち、現行の分析な能力で検出可能な4−MeIがないカラメルを提供する。
【0048】
別の実施形態では、本発明の方法は、低4−MeIカラメルを製造する先行技術と比較して、4−MeIの量が低下されている、クラスIIIまたはIVカラメルを提供する。例示的な実施形態では、本発明の合成法は、カラメル化反応への塩基の添加を含まない。例示的な実施形態では、本発明の濾過法は、吸収を含まない。例示的な実施形態では、本発明の合成法は、低4−MeIカラメルを製造する先行技術と比較して4−MeIの量を低下させるが、味覚および/または安定性に悪影響を及ぼさない。例示的な実施形態では、本発明の方法は、当該技術分野で公知のカラメルと比較して、優れた味覚および安定性を有する低4−MeIカラメルを提供する。
【0049】
別の実施形態では、本発明の方法は、従来法のクラスIIIまたはクラスIVカラメルと比較して、その他の低分子量化学種の量が低下されている、クラスIIIまたはクラスIVカラメルを提供する。これらとしては、制限なしに、約800未満、約700未満または約600ダルトン未満の分子量を有する化学種が挙げられる。例示的な実施形態では、低分子量種としては、2−メチルイミダゾール(2−MEI)、5−ヒドロキシメチルフルフラール(5−HMF)、5−ヒドロキシ2−メチルピリジン、2−ヒドロキシピリジン、および2−ヒドロキシ6−メチルピリジンカルボン酸が挙げられる。
【0050】
一実施形態では、本発明の方法は、従来法のクラスIIIまたはクラスIVカラメルと比較して、低分子量化学種の量が、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%または約99%低下されている、クラスIIIまたはクラスIVカラメルを提供する。
【0051】
別の実施形態では、本発明の方法は、低分子量化学種の量が低下されているクラスIIIまたはクラスIVカラメルを製造する先行技術と比較して、低分子量化学種の量が5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%または約99%低下されている、クラスIIIまたはクラスIVカラメルを提供する。
【0052】
別の実施形態では、本発明の方法は、その中で約10%以下、約5%以下または約3%以下の固形分が低分子量化学種である、クラスIIIまたはクラスIVカラメルを提供する。
【0053】
有利なことに、本明細書で開示される濾過法は、先行技術よりも少ない水を使用する。例示的な実施形態では、方濾過法は、約50%以下の水、または約40%、または約30%または約20%、または約10%少ない、または約5%少ない水を使用する。例示的な実施形態では、水の量は、公知の方法の5から10倍低下される。特定の実施形態では、水の量は、当該技術分野で公知の方法と比較して、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、または少なくとも10倍以上低下される。
【0054】
I.合成法
本発明は、カラメル化反応が開始した後に、アンモニウムおよび亜硫酸塩の少なくとも一部を添加することで、低分子量化学種を低下させ得るという認識を前提にして、4−MeIなどの低分子量化学種の量を低下させる、クラスIVカラメル製造法を提供する。例示的な実施形態では、方法で使用される全てのアンモニウムおよび亜硫酸塩は、カラメル化反応が開始した後に添加される。例示的な実施形態では、反応で使用されるアンモニウムおよび亜硫酸塩の一部は、カラメル化反応が開始した後に添加され、その特定の量は、本明細書に記載される実施形態に応じて変動してもよい。
【0055】
一態様では、本発明は、従来の手段によって調製されたカラメルと比較して、例えば、4−MeIなどの低分子量化学種の量が低下されている、クラスIVカラメルを製造する方法を提供する。一実施形態では、方法は、従来法によって調製されたクラスIVカラメルと比較して、例えば、4−MeIなどの低分子量化学種の量が低下されている、クラスIVカラメルを製造する方法を提供する。特定の実施形態では、このような方法によって製造されるクラスIVカラメルは、50ppm以下の4−MeI、または約20ppm以下、または約15ppm以下、または約5ppm以下、または約1ppm以下の4−MeIを有する。特定の実施形態では、このような方法によって製造されるクラスIVカラメルは、約0.9ppm以下、0.8ppm以下、0.7ppm以下、0.6ppm以下、0.5ppm以下、0.4ppm以下、0.3ppm以下、0.2ppm以下、0.1ppm以下の4−MeIを有する。特定の実施形態では、このような方法によって製造されるクラスIVカラメルは、4−MeIクラスIVカラメルが皆無であり、すなわち、検出可能な4−MeIを有しないクラスIVカラメルである。
【0056】
クラスIVカラメルには、合成法に続いて、任意選択的に、濾過または濃縮またはその双方などの1つまたは複数の追加的なステップを実施して、4−MeIの量をさらに低下させ得る。一実施形態では、クラスIVカラメルに、下のセクションIIに記載される濾過法が実施される。特定の実施形態では、濾過ステップを追加することで、合成から得られた低4−MeIクラスIVカラメルと比較して4−MeIの量が低下され、および/または所望の色の強さである、濃縮精製低4−MeIクラスIVカラメルが製造されてもよい。特定の実施形態では、合成に続いて補足的濾過ステップを実施することで、4−MeIの量を約100倍から1000倍低下させる。特定の実施形態では、補足的濾過ステップを実施することで、4−MeIの量を少なくとも約100、約200、約300、約400、約500、約600、約700、約800、約900または約1000倍低下させる。特定の実施形態では、合成法に続いて追加的な濾過ステップを実施することで、約1.0ppm4−MeI、またはより具体的には、約0.1ppmの4−MeIを含有する、濃縮精製低4−MeIカラメルを提供する。
【0057】
例示的な実施形態では、カラメルはカラメルIVであり、反応物質は炭水化物と酸と亜硫酸塩およびアンモニウム源とを含み、亜硫酸塩およびアンモニウムの少なくとも一部は、カラメル化反応が開始した後に添加される。反応が開始した後に、アンモニウムおよび亜硫酸塩が添加される場合、それらは、例えば、高圧ポンプなどの任意の適切な手段によって添加されてもよい。
【0058】
カラメル着色料は、一般に触媒存在下における、典型的に糖である炭水化物の加熱処理産物である。加熱時に、炭水化物は分解されて、特徴的な風味と色がある化合物に再構成される。より正確には、断片化反応が低分子量化合物をもたらして、それは揮発性であってもよく、風味に寄与してもよい。重合反応は、暗褐色に寄与する、より高分子量の化合物をもたらす。
【0059】
通常、合成法は、炭水化物を水溶液に溶解させることで開始され、次に、それに酸が添加される。酸は、任意の適切な酸であってもよい。これらとしては、例えば、リン酸、硫酸、亜硫酸、酢酸、クエン酸および/またはメソ酒石酸、またはそれらの塩または組み合わせが挙げられる。特定の実施形態では、酸は、単独のまたは硫酸と併用される、リン酸(0〜8%w/w乾燥炭水化物)である。別の特定の実施形態では、酸は、単独のまたは酢酸(0〜1%)と併用される、クエン酸(0〜20%)である。
【0060】
代案としては、炭水化物は、水および酸の溶液に溶解されてもよい。特定の実施形態では、炭水化物は、約50〜約80%溶解固形分として提供される。
【0061】
次に、アンモニウムおよび亜硫酸塩が、炭水化物および酸混合物に添加される。アンモニウムおよび亜硫酸塩は、任意の適切な形態で提供されてもよい。一実施形態では、アンモニウムおよび亜硫酸塩源は、亜硫酸アンモニウムである。別の実施形態では、アンモニウムおよび亜硫酸塩は、アンモニアおよび亜硫酸塩の形態で別々に提供される。
【0062】
アンモニウム亜硫酸塩類としては、亜硫酸水素アンモニウム、カリウムメタ重亜硫酸(metabilsulfite)、ナトリウムメタ重亜硫酸(metabilsulfite)、およびクエン酸アンモニウム、またはそれらの組み合わせが挙げられる、からなるが、これに限定されるものではない(include,but are not limited to, consisting of)。
【0063】
特定の実施形態では、アンモニウムおよび亜硫酸塩は、アンモニウム亜硫酸水素塩(ABS)として提供される。一実施形態では、アンモニウム亜硫酸水素塩は、35〜75%またはより具体的には、約60〜70%の亜硫酸水素アンモニウムを含有する、水溶液として提供される。アンモニウムと亜硫酸塩の比率は、変動してもよい。一実施形態では、アンモニアと亜硫酸塩のモル比は約1:3である。例示的な実施形態では、アンモニアと亜硫酸塩のモル比は、約1:1、約1:2、約1:2.5、約1.3、約1:3.5、約1:4〜約1:5である。亜硫酸水素アンモニウム溶液のpHは、変動してもよい。一実施形態では、pHは、約5〜約6、または約5.3〜約5.9の範囲にわたり、またはより具体的には約5.5である。
【0064】
一実施形態では、アンモニウムは、アンモニウムメタ重亜硫酸、亜硫酸アンモニウム、リン酸二アンモニウム、NH40Hまたはアンモニウムガスの形態で添加される(0〜6%w/w乾燥炭水化物で使用される)。
【0065】
別の実施形態では、亜硫酸塩は、亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、メタ重亜硫酸カリウムまたは亜硫酸ガスの形態で添加される(0〜20%w/w乾燥炭水化物で使用される)。
【0066】
特定の実施形態では、亜硫酸水素アンモニウムは、第2の亜硫酸塩(例えば、メタ重亜硫酸カリウムまたはナトリウム)および/またはアンモニア塩(例えば、クエン酸アンモニウム)と共に添加される。代案としては、亜硫酸水素アンモニウムは、第2の亜硫酸塩および/またはアンモニア塩と予備混合され、次に添加される。
【0067】
一実施形態では、ABSは、非アンモニア亜硫酸塩と予備混合され、次に反応に添加される。
【0068】
特定の実施形態では、亜硫酸水素アンモニウムは、メタ重亜硫酸ナトリウムと共に添加される。
【0069】
アンモニウムおよび亜硫酸塩の全量が同時に添加されてもよく、または小分けして添加されてもよい。アンモニウムおよび亜硫酸塩が小分けして添加される場合、特定部分で添加される量は変動してもよい。例えば、アンモニウムおよび亜硫酸塩が2つの部分で添加される場合、第1の部分は第2の部分よりも大きく、小さくまたは等しくあってもよい。同様にアンモニウムおよび亜硫酸塩が3つ以上の部分で添加される場合、部分は、同じ大きさまたは異なる大きさであってもよい。部分は、連続的に添加されてもよい。
【0070】
いくつかの実施形態では、アンモニウムおよび亜硫酸塩の部分は、反応が開始する前に添加され、残りのアンモニウムおよび亜硫酸塩は、反応が開始した後に添加される。反応が開始する前に添加される部分は、1つまたは複数の個別の部分で、または連続的に添加されてもよい。例示的な実施形態では、反応が開始する前に添加されるアンモニウムおよび亜硫酸塩の部分(すなわち、第1の部分)は、反応が開始した後に添加されるアンモニウムおよび亜硫酸塩の部分(すなわち、2つ以上である場合は、第2の部分または残りの部分)に等しい。例示的な実施形態では、反応が開始する前に添加されるアンモニウムおよび亜硫酸塩の部分は、反応が開始した後に添加されるアンモニウムおよび亜硫酸塩の部分より少ない。特定の実施形態では、添加されるアンモニウムおよび亜硫酸塩の約1〜約50%が、反応が開始する前に添加される。特定の実施形態では、添加されるアンモニウムおよび亜硫酸塩の約1〜約5%、約5〜約10%、約15〜約20%、約20〜約25%、約25〜約30%、約30〜約35%、約35〜約40%、約40〜約45%、または約45〜約50%が、反応が開始する前に添加される。例示的な実施形態では、添加されるアンモニウムおよび亜硫酸塩の約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%または約50%が、反応が開始する前に添加される。
【0071】
その他の実施形態では、添加されるアンモニウムおよび亜硫酸塩の全量は、反応が開始した後に添加される。反応が開始した後に添加されるアンモニウムおよび亜硫酸塩は、1つまたは複数の個別の部分で、または連続的に添加されてもよい。
【0072】
当業者には理解されるであろうように、カラメル化反応は、単独でまたは補因子(例えば、アンモニウム)の存在下のどちらかで、炭水化物を含有する溶液を適切な温度に加熱することで開始される。例示的な実施形態では、反応容器は閉鎖型であり、制御された加熱および圧力が適用されて、反応が開始される。例示的な実施形態では、加熱は、反応全体を通じて連続的に、すなわち、中断されずに適用される。
【0073】
例示的な実施形態では、本発明の方法は、炭水化物および酸を含む溶液を少なくとも約80℃、少なくとも約90℃、または少なくとも約100℃の温度に加熱することで開始される、カラメル化反応を含む。例示的な実施形態では、カラメル化反応は、炭水化物および酸を含む溶液を約80℃〜約90℃、または約100℃〜110℃に加熱することで開始される。例示的な実施形態では、カラメル化反応は、炭水化物および酸を含む溶液を約80℃、約90℃、または約100℃の温度に加熱することで開始される。
【0074】
カラメル化反応はまた、化学環境に対しても感受性である。pHを調節することで、反応速度を変化させ得る。カラメル化速度は、通常、中性近く(7前後のpH)で最低であり、酸性(特にpH3未満)および塩基性(特に9を超えるpH)状態の双方で加速される。例示的な実施形態では、本発明の方法は、酸性条件下で実施される。特定の実施形態では、反応混合物のpHは、約1.2〜約3.0、またはより具体的には、約1.5〜約1.8に保たれる。一実施形態では、反応混合物のpHは、約1.2〜約3.0、またはより具体的には、約1.2〜約2.0、なおもより具体的には、約1.5〜約1.8である。特定の実施形態では、反応混合物のpHは、約1.2、約1.3、約1.4、約1.5、約1.6、約1.7または約1.8である。
【0075】
特定の実施形態では、反応混合物のpHは、NaOH、KOHまたはNa4OHの添加によって、1.2〜約2.0に保たれる。特定の実施形態では、反応混合物のpHは、50%KOH溶液の添加によって1.2〜2.0に保たれる。
【0076】
カラメル化反応は、閉鎖型または開放型反応容器内で実施されてもよい。例示的な実施形態では、本発明の方法で使用される反応容器は閉鎖型である。
【0077】
通常、本発明は、(i)炭水化物および酸を含む溶液を提供するステップと;(ii)カラメル化反応を開始させるステップと;(iii)アンモニウムおよび亜硫酸塩をカラメル化反応に添加するステップと;(iv)カラメル化反応を継続し、それによって低4−MeIカラメルを製造するステップとを含む、低4−MeIカラメルを形成するための合成法を提供する。例示的な実施形態では、方法で使用される全てのアンモニウムおよび亜硫酸塩は、カラメル化反応が開始した後、すなわち、(ii)の後に添加される。例示的な実施形態では、方法で使用されるアンモニウムおよび亜硫酸塩の少なくとも一部は、カラメル化反応が開始する前、すなわち、ステップ(ii)の前に添加される。
【0078】
例示的な実施形態では、反応は、溶液を適切な温度、より具体的には、少なくとも約80℃の温度またはより具体的には、約100℃〜約110℃に加熱することで開始される。特定の実施形態では、溶液は、(ii)約80℃、約85℃、約90℃、約95℃、約100℃、約105℃、約110℃または約115℃に加熱される。
【0079】
例示的な実施形態では、反応は、アンモニウムおよび亜硫酸塩の第1の部分を溶液に添加することで開始され、溶液は密封され得る反応容器に提供されて、次に、反応容器は密封されて、溶液は、適切な温度、より具体的には、少なくとも約80℃の温度、またはより具体的には、約100℃〜約110℃に加熱される。特定の実施形態では、溶液は、(ii)約80℃、約85℃、約90℃、約95℃、約100℃、約105℃、約110℃または約115℃に加熱される。
【0080】
例示的な実施形態では、アンモニウムおよび亜硫酸塩は、(iii)で連続的に添加される。
【0081】
一態様では、本発明は、(i)炭水化物および酸を反応容器に添加して、第1の反応混合物を提供するステップと;(ii)反応容器を閉鎖するステップと;(iii)アンモニウムおよび亜硫酸塩の第1の部分を第1の反応混合物に添加して、第2の反応混合物を提供するステップと;(iv)第2の反応混合物を適切な温度に加熱するステップと;(v)アンモニウムおよび亜硫酸塩の第2の部分を第2の反応混合物に添加して、第3の反応混合物を提供するステップと;(vi)ステップ(iv)の温度を保ち、または第3の反応混合物をステップ(iv)よりも高い温度に加熱して、低4−MeIクラスIVカラメルを提供するステップとを含む、低4−MeIクラスIVカラメルを製造する方法である。いくつかの実施形態では、反応はバッチプロセスである。任意選択的に、ステップ(vi)は、ステップ(iv)が完了する前に開始され得て、すなわち、反応混合物は、アンモニウムおよび亜硫酸塩の第2の部分の添加が完了する前に、より高い温度に加熱されてもよい。例示的な実施形態では、アンモニウムおよび亜硫酸塩の第2の部分の大部分は、温度が増大した後に添加される。例示的な実施形態では、アンモニウムおよび亜硫酸塩の第2の部分の大部分は、温度が増大する前に添加される。例示的な実施形態では、アンモニウムおよび亜硫酸塩の第2の部分は、連続的に添加される。
【0082】
例示的な実施形態では、第2の反応混合物は、(iv)で少なくとも約80℃に加熱される。例示的な実施形態では、第2の反応混合物は、(iv)で約80℃、または約85℃、または約90℃、または約95℃、または約100℃、または約105℃、または約110℃、または約115℃に加熱される。例示的な実施形態では、第2の反応混合物は、(iv)で約100℃〜110℃に加熱される。
【0083】
例示的な実施形態では、反応容器の閉鎖は、圧力を少なくとも10、または少なくとも20または少なくとも30、または少なくとも40または少なくとも50または約60以下のpsi、場合によっては10〜100psi、または20〜80psi、または30〜60psi高める。
【0084】
例示的な実施形態では、アンモニウムおよび亜硫酸塩の第1の部分は、アンモニウムおよび亜硫酸塩の第2の部分以下である。例示的な実施形態では、アンモニウムおよび亜硫酸塩の第1の部分は、方法で使用されるアンモニウムおよび亜硫酸塩の総量の約1〜約50%、またはより具体的には、反応で使用されるアンモニウムおよび亜硫酸塩の総量の約30%、またはなおもより具体的には、方法で使用されるアンモニウムおよび亜硫酸塩の約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約40%、約45%、または約50%である。
【0085】
代案としては、アンモニウムおよび亜硫酸塩の第1の部分と、アンモニウムおよび亜硫酸塩の第2の部分の比率は、約1:1、約1:1.5、約1:2、約1:2.5、約1:3、約1:3.5、約1:4、約1:4.5、約1:5、約1:5.5、約1:6、約1:6.5、約1:7、約1:7.5、約1:8、約1:8.5、約1:9、約1:9.5または約1:10である。
【0086】
例示的な実施形態では、本発明は、(i)炭水化物および酸を反応容器に添加して、第1の反応混合物を提供するステップと;(ii)反応容器を閉鎖するステップと;(iii)アンモニウムおよび亜硫酸塩の第1の部分を第1の反応混合物に添加して、第2の反応混合物を提供するステップと;(iv)第2の反応混合物を少なくとも約80℃の温度、またはより具体的には、約100℃〜約110℃に加熱するステップと;(v)アンモニウムおよび亜硫酸塩の第2の部分を第2の反応混合物に添加して、第3の反応混合物を提供するステップと;(vi)反応混合物の温度を少なくとも約80℃、またはより具体的には、約100℃〜約110℃に保ち、または反応混合物を少なくとも110℃を超える温度、またはより具体的には、約110℃〜約130℃に加熱することで、カラメル化反応を継続し、それによって低4−MeIクラスIVカラメルを形成するステップとを含む、低4−MeIクラスIVカラメルを形成する方法である。例示的な実施形態では、亜硫酸アンモニウム(ammonium sulfite)の第1の部分は、アンモニウムおよび亜硫酸塩の第2の部分以下である。例示的な実施形態では、亜硫酸アンモニウム(ammonium sulfite)の第1の部分は、方法で使用されるアンモニウムおよび亜硫酸塩の総量の約30%である。
【0087】
任意選択的に、第1または第2の反応混合物は予熱され、すなわち、ステップ(ii)の前に、最初の加熱ステップを受けてもよい。特定の実施形態では、予熱温度は、約60〜約120℃、またはより具体的には、約60〜約110℃、なおもより具体的には、約100℃〜約110℃である。例示的な実施形態では、第1または第2の反応混合物は、約100℃に予熱される。その他の例示的な実施形態では、第1または第2の反応混合物は、約110℃に予熱される。
【0088】
多種多様な異なる炭水化物または炭水化物混合物を使用して、本発明の合成法が実施され得る。これらとしては、例えば、グルコース、グルコースシロップまたはフルクトース含有炭水化物(例えば、スクロース、転化糖(inverted sugar)、HFCS)が挙げられる。
【0089】
例示的な実施形態では、本発明の方法は、(i)グルコースおよび酸を含む溶液(すなわち、第1の反応混合物)を反応容器に供給するステップと;(ii)反応容器を閉鎖するステップと;(iii)アンモニウムおよび亜硫酸塩の第1の部分を第1の反応混合物に添加して、第2の反応混合物を提供するステップと;(iv)第2の反応混合物を少なくとも約80℃の温度に加熱するステップと;(v)アンモニウムおよび亜硫酸塩の第2の部分を第2の反応混合物に添加するステップと;(vi)カラメル化反応を継続して、低4−MeIクラスIVカラメルを提供するステップとを含む。例示的な実施形態では、アンモニウムおよび亜硫酸塩の第1の部分は、アンモニウムおよび亜硫酸塩の第2の部分以下である。例示的な実施形態では、アンモニウムおよび亜硫酸塩の第1の部分は、方法で使用されるアンモニウムおよび亜硫酸塩の総量の約1〜約50%、より具体的には、約30%である。例示的な実施形態では、第2の反応混合物は、約100℃〜約110℃の温度に加熱される。例示的な実施形態では、反応は、反応を(iv)の温度に保つ、または反応混合物をステップ(iv)よりも高い温度、すなわち約110℃を超える温度、またはより具体的には、約130℃に加熱することのどちらかによって、ステップ(vi)で継続される。任意選択的に、溶液はステップ(ii)の前に予熱される。例示的な実施形態では、反応混合物のpHは、約1.2〜約3.0、より具体的には、約1.5〜約1.8に保たれる。
【0090】
例示的な実施形態では、本発明の方法は、(i)グルコースシロップおよび酸を含む溶液(すなわち、第1の反応混合物)を反応容器に供給するステップと;(ii)反応容器を閉鎖するステップと;(iii)アンモニウムおよび亜硫酸塩を第1の反応混合物に添加して、第2の反応混合物を提供するステップと;(iv)第2の反応混合物を少なくとも約80℃の温度に適切な温度に加熱するステップと;(v)アンモニウム亜硫酸塩の第2の部分を第2の反応混合物に添加するステップと;(vi)カラメル化反応を継続して、低4−MeIクラスIVカラメルを提供するステップとを含む。例示的な実施形態では、アンモニウムおよび亜硫酸塩の第1の部分は、アンモニウムおよび亜硫酸塩の第2の部分以下である。例示的な実施形態では、アンモニウムおよび亜硫酸塩の第1の部分は、方法で使用されるアンモニウムおよび亜硫酸塩の総量の約1〜約50%、より具体的には、約30%である。例示的な実施形態では、第2の反応混合物は、(iv)で約100℃〜約110℃の温度に加熱される。例示的な実施形態では、反応は、反応を約100℃〜約110℃に保ち、または反応混合物を約110℃を超える温度、またはより具体的には、約130℃に加熱することのどちらかによって、ステップ(v)で継続される。任意選択的に、溶液はステップ(ii)の前に予熱される。例示的な実施形態では、反応混合物のpHは、約1.2〜約3.0、より具体的には、約1.5〜約1.8に保たれる。
【0091】
例示的な実施形態では、本発明の方法は、(i)フルクトースおよび酸を含む溶液(すなわち、第1の反応混合物)を反応容器に供給するステップと;(ii)反応容器を閉鎖するステップと;(iii)アンモニウムおよび亜硫酸塩の第1の部分を第1の反応混合物に添加して、第2の反応混合物を提供するステップと;(iv)第2の反応混合物を少なくとも約80℃の温度に加熱するステップと;(v)アンモニウムおよび亜硫酸塩の第2の部分を第2の反応混合物に添加するステップと;(vi)反応を継続して、低4−MeIクラスIVカラメルを提供するステップとを含む。例示的な実施形態では、アンモニウムおよび亜硫酸塩の第1の部分は、ステップ(iii)で添加されるアンモニウムおよび亜硫酸塩の量以下である。例示的な実施形態では、アンモニウムおよび亜硫酸塩の第1の部分は、方法で使用されるアンモニウムおよび亜硫酸塩の総量の約1〜約50%、より具体的には、約30%である。例示的な実施形態では、第2の反応混合物は、約100℃〜約110℃の温度に加熱される。例示的な実施形態では、反応は、ステップ(iv)で、反応をステップ(iv)とほぼ同じ温度に保ち、または溶液をステップ(iv)を超える温度、またはより具体的には、約115℃〜約125℃に加熱することで継続される。例示的な実施形態では、反応混合物のpHは、約1.2〜約3.0、より具体的には、約1.5〜約1.8に保たれる。
【0092】
炭水化物のデキストロース当量(dextrose equivalence)(DE)は、変動してもよい。例えば、炭水化物は、デキストロース当量(dextrose equivalence)が約20DE〜約95DEの範囲のグルコースシロップである。特定の実施形態では、炭水化物は、DEが約70〜約95、より具体的には、約70、約80または約90のグルコースシロップである。
【0093】
いくつかの実施形態では、ひとたびカラメル化反応が開始されたら、反応温度は、少なくとも1時間、少なくとも80分間、少なくとも2時間、少なくとも3時間、または少なくとも4時間、または少なくとも5時間、または少なくとも6時間一定に保たれる。特定の実施形態では、温度は、少なくとも約100℃、少なくとも約110℃、少なくとも約115℃、少なくとも約120℃、少なくとも約130℃、少なくとも約140℃に、または140℃を超えて一定に保たれる。特定の実施形態では、反応が開始された後に添加されるアンモニウムおよび亜硫酸塩の部分(全量、または全量の一部のどちらであってもよい)は、反応総時間の約1/3〜1/8、または総時間の約1/4〜1/6または約15%〜約30%にわたり添加される。特定の実施形態では、アンモニウムおよび亜硫酸塩の添加速度は、それが添加される時間にわたり一定している。
【0094】
炭水化物に対するアンモニウムおよび亜硫酸塩の相対量は、変動してもよい。特定の実施形態では、アンモニウムおよび亜硫酸塩は、亜硫酸水素アンモニウムの形態で提供され、亜硫酸水素アンモニウムと炭水化物の比率は、約1:8〜約1:4である。例示的な実施形態では、亜硫酸水素アンモニウムと炭水化物の比率は、約1:4、約1:5、約1:6、約1:7または約1:8である。
【0095】
アンモニウムおよび亜硫酸塩の添加速度は、変動してもよい。一実施形態では、炭水化物は、グルコースまたはグルコースシロップであり、添加速度は、約5mL/分〜約30mL/分である。特定の実施形態では、添加速度は約10mL/分〜約25mL/分である。例示的な実施形態では、添加速度は、約10mL/分、約12mL/分、約14mL/分、約16mL/分、約18mL/分、約20mL/分、約22mL/分、約24mL/分、約26mL/分、約28mL/分または約30mL/分である。
【0096】
特定の実施形態では、炭水化物は、スクロースまたは別のフルクトース含有炭水化物(例えば、スクロース)であり、添加速度は、約50〜約130分間、より具体的には、約70〜約120分間、なおもより具体的には、約60〜約110分間である。
【0097】
炭水化物、酸、アンモニウム、および亜硫酸塩成分の添加順序は、変動してもよい。一実施形態では、添加順序は、炭水化物、アンモニウム/亜硫酸塩(どちらかの順序でまたは一緒に)、および酸である。別の実施形態では、添加順序は、アンモニウム/亜硫酸塩(どちらかの順序でまたは一緒に)、炭水化物、および酸である。さらに別の実施形態では、添加順序は、アンモニウム/亜硫酸塩(どちらかの順序でまたは一緒に)、酸、および炭水化物である。なおもさらなる実施形態では、添加順序は、酸、炭水化物、およびアンモニウム/亜硫酸塩(どちらかの順序でまたは一緒に)である。さらに別の実施形態では、添加順序は、酸、アンモニウム/亜硫酸塩(どちらかの順序でまたは一緒に)、および炭水化物である。
【0098】
特定の実施形態では、全ての酸が、反応(すなわち、加熱開始)前に、添加される。別の特定の実施形態では、酸の一部は、反応が開始した後に添加される。
【0099】
反応温度は、変動してもよい。一実施形態では、反応温度は、約60℃〜約200℃、より具体的には、約60℃〜約80℃、約80℃〜約100℃、約100℃〜約130℃、約130℃〜約150℃、約150℃〜約170℃、または170℃〜200℃である。特定の実施形態では、反応温度は、約100℃〜約120℃、約120℃〜約130℃、約115℃〜約125℃または約110℃〜約130℃である。
【0100】
特定の実施形態では、炭水化物は、グルコースまたはグルコースシロップであり、反応温度は、約115℃〜約130℃である。
【0101】
別の特定の実施形態では、炭水化物は、フルクトース含有炭水化物(例えば、スクロース)であり、反応温度は、約110℃〜125℃である。
【0102】
方法は、1つまたは複数の追加的なステップをさらに含んでもよい。一実施形態では、方法は、カラメルのpHを約2.4〜約3.25に調節するステップをさらに含む。
【0103】
反応混合物は、アンモニウム/亜硫酸塩起源塩の添加中および/または亜硫酸アンモニウム源の添加後などの様々な時点でガス抜きされて、特定の反応圧が保たれてもよい。特定の実施形態では、反応圧を保つガス抜きは、約55PSIに保たれる。
【0104】
反応混合物はまた、様々な時点で冷却されてもよい。特定の実施形態では、方法は、反応混合物を約70℃に冷却するステップをさらに含む。別の実施形態では、方法は、反応混合物を冷却し、次に再加熱するステップをさらに含む。例示的な実施形態では、反応混合物は、KOH添加後に60℃に冷却され、130℃で30分間再加熱される。
【0105】
反応混合物はまた、様々な時点で濾過されてもよい。
【0106】
水が、様々な時点で反応混合物に添加されてもよい。
【0107】
一実施形態では、方法は、ひとたび反応が開始したら塩基の添加を伴わない。別の実施形態では、方法は、反応容器が閉鎖された後に塩基の添加を伴わない。
【0108】
総反応時間は、変動してもよい。一実施形態では、総反応時間は、反応温度設定に応じて、約3.0〜約8.0時間、約3.5〜約7.5時間、約4〜約6時間または約5時間の範囲にわたる。
【0109】
したがって、一実施形態では、本発明は、(i)炭水化物および酸を反応容器に添加して、第1の反応混合物を提供するステップと;(ii)カラメル化反応を開始させるステップと;(iii)開始後、アンモニウムおよび亜硫酸塩の一部を溶液に添加するステップと;(iv)カラメル化反応を継続し、それによって低4−MeIクラスIVカラメルを製造するステップとを含み、総反応時間が、約3.0および約8.0時間、より具体的には、約5〜約7.5時間、約4〜約6時間または約5時間である、低4−MeIクラスIVカラメルを形成する方法である。例示的な実施形態では、(ii)のカラメル化反応は、溶液を少なくとも約80℃の温度に加熱することで開始される。例示的な実施形態では、(ii)のカラメル化反応は、アンモニウムおよび亜硫酸塩の第1の部分を溶液に添加して、溶液を少なくとも約80℃の温度に加熱することで開始され、溶液は、アンモニウムおよび亜硫酸塩の第1の部分の添加に先だって閉鎖される、反応容器内に含有される。
【0110】
本発明の方法によって形成されるカラメルの安定性は、当該技術分野で公知の方法と比較して有利である。一実施形態では、カラメルは、約6ヶ月間、約8ヶ月間、約10ヶ月間、12ヶ月間、約14ヶ月間、約16ヶ月間、約18ヶ月間、約20ヶ月間、約22ヶ月間、約または約24ヶ月間を超えて安定している。
【0111】
特定の実施形態では、カラメルは、少なくとも約12ヶ月間、または少なくとも約18ヶ月間、または約18ヶ月間を超える安定性を有する、グルコースまたはグルコースシロップ由来カラメルである。
【0112】
特定の実施形態では、カラメルは、フルクトース含有カラメルに由来し、カラメルは、少なくとも約6ヶ月間、好ましくは少なくとも約10ヶ月間の安定性を有する。
【0113】
本発明の方法によって製造されるカラメルの安定性は、低4−MeIカラメルを生産する先行技術と比較したゲル化特性の低下に反映される。
【0114】
例示的な実施形態では、本発明の方法によって製造されるカラメルは、Parkerらの方法によって製造された低4−MeIカラメルよりも、約2、約5、約10、約15、約20、約25、約30、約35、約40、約45または約50%以上さらに安定している。
【0115】
本発明によって形成されるカラメルの4−MeI含有量は低い。一実施形態では、カラメルの4−MeI含有量は、約100ppm、約75ppm、約50ppm、約25ppm、約20ppm、約15ppm、約10ppm、約5ppm、約3ppm、約2ppmまたは約1ppmである。例示的な実施形態では、カラメルの4−MeI含有量は、約0.9ppm、約0.8ppm、約0.7ppm、約0.6ppm、約0.5ppm、約0.4ppm、約0.3ppm、約0.2ppm、または約0.1ppm、または0である。
【0116】
例示的な実施形態では、本発明の方法によって形成されるカラメルの4−MeI含有量は、約15ppm以下、約12ppm以下、約10ppm以下、約8ppm以下、約6pp以下、約4ppm以下、約2ppm以下、または約1ppm以下である。例示的な実施形態では、カラメルの4−MeI含有量は、約1ppm以下、または約0.9ppm以下、または約0.8ppm以下、または約0.7ppm以下、または約0.6ppm以下、または約0.5ppm以下、または約0.4ppm以下、または約0.3ppm以下、または約0.2ppm以下、または約0.1ppm以下であり、または0にさえ至り、すなわち、従来法によって検出不能である。
【0117】
本発明によって形成されるカラメルの色の強さまたは濃さは、変動してもよい。カラメル着色料の色の濃さは、その着色力、K
0.560として定義される。これは、高品質分光光度計を使用して、560ナノメートル(nm)の波長で1cm光路を通して測定される、0.1重量/容積%溶液の吸光度である。吸光度の値、着色力K
0.560が高いほど、カラメル着色料はより濃い。一実施形態では、色の強さは、約0.216〜約0.240である。
【0118】
カラメルは、任意の適切な濃さであってもよい。一実施形態では、カラメルは未濃縮である。別の実施形態では、カラメルは二倍濃縮である。
【0119】
例示的な実施形態では、本発明は、(i)グルコースおよびグルコースシロップから選択される炭水化物と酸とを反応容器に添加して、第1の反応混合物を提供するステップと;(ii)カラメル化反応を溶液中で開始するステップと;(iii)開始後、アンモニウムおよび亜硫酸塩の一部を溶液に添加するステップと;(iv)カラメル化反応を継続し、それによって約15ppm以下の4−MeIを含み、少なくとも12ヶ月間、好ましくは約18ヶ月間の安定性を有する低4−MeIクラスIVグルコースカラメルを製造するステップとを含む、低4−MeIグルコースカラメルIVを形成する方法である。例示的な実施形態では、アンモニウムおよび亜硫酸塩は、約20〜約25mL/分の速度で添加され、亜硫酸水素アンモニウムと炭水化物の比率は、約1:8〜約1:4であり、pHは約1.2〜約3.0、好ましくは約1.5〜約1.8に保たれる。例示的な実施形態では、(ii)のカラメル化反応は、溶液を少なくとも約80℃、より具体的には約100℃、または約100℃〜110℃の温度に加熱することで開始される。例示的な実施形態では、(ii)のカラメル化反応は、アンモニウムおよび亜硫酸塩の第1の部分を溶液に添加して、溶液を少なくとも約80℃の温度、より具体的には、約100℃、または100℃〜約110℃に加熱することで開始される一方で、溶液は、アンモニウムおよび亜硫酸塩の第1の部分の添加に先だって閉鎖される、反応容器内に含有される。例示的な実施形態では、(v)のカラメル化反応は、熱を少なくとも約80℃、より具体的には約100℃、または約100℃〜110℃に保ち、または、任意選択的に、例えば、熱を少なくとも約110℃、または約110℃〜約130℃、または約130℃の温度に上昇させるなど、熱を上昇させることで継続される。
【0120】
任意選択的に、第1または第2の反応混合物は、予熱される。特定の実施形態では、カラメルは、約0.216〜約0.240の色の強さを有する。
【0121】
別の例示的な実施形態では、本発明は、(i)フルクトース含有炭水化物(例えば、スクロース)である炭水化物と酸とを反応容器に添加して、第1の反応混合物を提供するステップと;(ii)カラメル化反応を溶液中で開始するステップと;(iii)開始後、アンモニウムおよび亜硫酸塩の一部を溶液に添加するステップと;(iv)カラメル化反応を継続し、それによって約15ppm以下の4−MeIを含み、少なくとも約6ヶ月間、より好ましくは少なくとも約10ヶ月間安定している、低4−MeIクラスカラメルを製造するステップとを含む、低4−MeIクラスIVカラメルを形成する方法である。例示的な実施形態では、亜硫酸水素アンモニウムは、約5〜約15mL/分、またはより具体的には、約5〜約10mL/分の速度で添加され、亜硫酸水素アンモニウムと炭水化物の比率は、約1:8〜約1:4であり、反応のpHは、約1.2〜約2.0、好ましくは約1.5〜約1.8に保たれる。任意選択的に、第1の反応混合物は予熱される。特定の実施形態では、第1の混合物は予熱される。例示的な実施形態では、(ii)のカラメル化反応は、溶液を少なくとも約80℃、より具体的には約100℃、または約100℃〜110℃の温度に加熱することで開始される。例示的な実施形態では、(ii)のカラメル化反応は、アンモニウムおよび亜硫酸塩の第1の部分を溶液に添加して、溶液を少なくとも約80℃の温度、より具体的には、約100℃、または100℃〜約110℃に加熱することで開始される一方で、溶液は、アンモニウムおよび亜硫酸塩の第1の部分の添加に先だって閉鎖される、反応容器内に含有される。例示的な実施形態では、(v)のカラメル化反応は、熱を少なくとも約80℃、より具体的には約100℃、または約100℃〜110℃に保ち、または、任意選択的に、例えば、熱を少なくとも約110℃、または約115℃〜約125℃、110℃または約125℃の温度に上昇させるなど、熱を上昇させることで継続される。
【0122】
例示的な実施形態では、4−MeIの量は、クラスIVカラメル、または低4−MeIクラス4カラメルを製造する先行技術よりも、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%または約99%低下される。
【0123】
II.濾過法
一態様では、本発明は、クラスIIIまたはクラスIVカラメルなどのカラメル中に存在する低分子量化学種の量を低下させる方法を提供する。有利なことに、方法本発明(the method the present invention)は、当該技術分野で公知の精製法と比較して、水を節約する。この方法によるカラメル精製は、直接使用してもよく、または1つまたは複数の追加的なステップを実施して、低分子量化学種の量をさらに低下させてもよい。
【0124】
方法を使用して、4−MeI、2−メチルイミダゾール(2−MeI)、5−ヒドロキシメチルフルフラール(5−HMF)、5−ヒドロキシ2−メチルピリジン、2−ヒドロキシピリジン、および2−ヒドロキシ6−メチルピリジンカルボン酸をはじめとするが、これに限定されるものではない、カラメル着色料中の低分子量化学種の量を低下させてもよい。
【0125】
カラメルは、従来法によって調製され得て(すなわち、4−MeIなどの低分子量化学種を低下させるいかなる努力の恩恵もなく)、またはカラメルは、上のセクションIに記載される方法をはじめとするがこれに限定されない方法で、4−MeIなどの低分子量化学種の形成を低下させるように合成され得る。例示的な実施形態では、方法は、バッチ濾過法であってもよい。
【0126】
一実施形態では、濾過法が使用されて、従来の手段によって調製されたクラスIIIまたはクラスIVカラメル中の低分子量化学種の量が低下される。特定の実施形態では、濾過法が使用されて、その中で固形分の約60%が低分子量化学種を構成する、カラメル中の低分子量化学種の量が低下される。特定の実施形態では、濾過法は、その中で固形分の約30%未満または約20%未満または約10%未満または約5%未満または約1未満%が低分子量化学種を構成する、カラメルをもたらす。
【0127】
例示的な実施形態では、本発明は、(i)クラスIIIまたはクラスIVカラメルを含む溶液を提供するステップと;(ii)溶液を透析濾過の対象として、高分子量着色体および水を含む残留画分と透過画分とを提供するステップと;(iii)透過画分を逆浸透の対象として、再循環水流および透過濃縮物流を提供するステップと;(iv)任意選択的に、透過濃縮流を濃縮して、約70%固形分を含む透過超濃縮流を提供するステップと;(v)残留画分および再循環水流をカラメル化溶液に添加するステップと;(vi)ステップ(ii)〜(v)を1回または複数回反復し、低分子量化学種の量が低下されている濃縮精製クラスIIIまたはクラスIVカラメルを提供するステップとを含む、クラスIIIまたはクラスIVカラメル中の低分子量化学種の量を低下させる方法である。例示的な実施形態では、方法は、所望の4−MeI濃度が達成されるまで実施されてもよい。例示的な実施形態では、方法は、約3〜約10時間、またはより具体的には、約6時間にわたり実施される。例示的な実施形態では、方法は、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10または約10時間以上にわたり実施される。一実施形態では、方法は、約3〜約10時間、またはより具体的には、約6時間実施されて、約15ppm未満、または約10ppm以下、または約5ppm以下、または約1ppm以下の4−MeI濃度が達成される。
【0128】
特定の実施形態では、精製クラスIIIまたはIVカラメルは、約800未満、より具体的には約700未満、なおもより具体的には約600未満の分子量を有する化学種の量が低下されている。例示的な実施形態では、クラスIIIまたはクラスIVカラメルは、4−MEI、2−メチルイミダゾール(2−MEI)、5−ヒドロキシメチルフルフラール(5−HMF)、5−ヒドロキシ2−メチルピリジン、2−ヒドロキシピリジン、および2−ヒドロキシ6−メチルピリジンカルボン酸からなる群から選択される、1つまたは複数の低分子量化学種の量が低下されている。
【0129】
特定の実施形態では、本発明は、(i)従来の手段によって調製されたクラスIIIまたはクラスIVカラメルを含む溶液を提供するステップと;(ii)溶液を透析濾過の対象として、高分子量着色体および水を含む残留画分と透過画分とを提供するステップと;(iii)透過画分を逆浸透の対象として、再循環水流および透過濃縮物流を提供するステップと;(iv)任意選択的に、透過濃縮流を濃縮して、約70%固形分を含む透過超濃縮流を提供するステップと;(v)残留画分および再循環水流をカラメル化溶液に添加するステップと;(vi)ステップ(ii)〜(v)を1回または複数回反復し、濃縮精製低4−MeIクラスIIIまたはクラスIVカラメルを提供するステップとを含む、クラスIIIまたはクラスIVカラメル中の4−MeIの量を低下させる方法である。例示的な実施形態では、方法は、所望の4−MeI濃度が達成されるまで実施されてもよい。例示的な実施形態では、方法は、約3〜約10時間、またはより具体的には、約6時間にわたり実施される。例示的な実施形態では、方法は、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10または約10時間以上にわたり実施される。一実施形態では、方法は、約3〜約10時間、またはより具体的には、約6時間実施されて、約15ppm未満、または約10ppm以下、または約5ppm以下、または約1ppm以下の4−MeI濃度が達成される。
【0130】
一実施形態では、クラスIIIまたはIVカラメルは、未濃縮または二倍濃縮であってもよい。カラメル化溶液は、クラスIIIまたはIVカラメルをプロセス水または処理済みプロセス水に混合することで、調合されてもよい。クラスIIIまたはIVカラメルを調製するのに使用される炭水化物は、上のセクションIで同定されるものをはじめとする、任意の適切な炭水化物であってもよい。特定の実施形態では、炭水化物は、グルコース、グルコースシロップまたはスクロースなどのフルクトース含有炭水化物である。
【0131】
有利なことに、濾過法から得られるカラメルは、濾過に先だつカラメルより、約100〜約100,000倍低い4−MeI、またはより具体的には約100〜約10,000低い4−MeI、またはなおもより具体的には約100〜約1,000低い4−MeIを有する。例示的な実施形態では、濃縮精製低4−MeIカラメルは、約1ppm以下の4−MeIを含有する。
【0132】
方法はまた、例えば、上のセクションIIの方法によって合成された低4MeIカラメルなどの低4−MeIカラメル中に存在する4−MeIの量をさらに低下させるなど、別の加工を補足するために使用されてもよい。濾過法が、記載される合成法と組み合わされる場合、濃縮精製低4−MeIクラスカラメルは、有利な(advantageous)、合成製品よりも約100〜約1000倍低い4−MeIを有する。例示的な実施形態では、2つの方法を組み合わることで得られる濃縮精製低4−MeIカラメルは、約1ppmまたはそれ未満、またはより具体的には、約0.1ppmまたはそれ未満の4−MeIを含有する。
【0133】
例示的な実施形態では、本発明は、(i)低4−MeIクラスIVカラメルを含むカラメル化溶液を提供するステップと;(ii)カラメル化溶液を透析濾過の対象として、高分子量着色体および水を含む残留画分と透過画分とを提供するステップと;(iii)透過画分を逆浸透の対象として、再循環水流および透過濃縮物流を提供するステップと;(iv)任意選択的に、透過濃縮流を濃縮して、約70%固形分を含む透過超濃縮流を提供するステップと;(v)残留画分および再循環水流をカラメル化溶液に添加するステップと;(vi)ステップ(ii)〜(v)を1回または複数回反復し、濾過を受ける低4−MeIクラスIVカラメルと比較して、低下した量の4−MeIを有する濃縮精製低4−MeIクラスIVカラメルを提供するステップとを含む、低4−MeIクラスIVカラメルの4−MeI含有量を低下させる方法である。特定の実施形態では、濃縮精製低4−MeIは、従来の手段によって調製されたクラスIVカラメルよりも、約100〜約1000倍低い4−MeIを有する。
【0134】
クラスIVカラメルを調製するのに使用される反応成分(例えば、炭水化物、酸、アンモニウム、および亜硫酸塩)は、上のセクションIで開示されるものをはじめとする任意の適切な反応成分であってもよい。特定の実施形態では、炭水化物は、グルコース、グルコースシロップまたはスクロースなど)のフルクトース含有炭水化物から選択される。
【0135】
特定の実施形態では、カラメル化溶液は、クラスIVカラメルを処理済みプロセス水に約1対1希釈で混合することで調製される。カラメル化溶液は、それにクラスIVカラメルおよびプロセス水が添加される供給タンク内で、通常、調製される。
【0136】
一実施形態では、カラメル化溶液のpHは約7.5を超え、より具体的には、約7.8を超える。例えばNaOH/KOHおよび/またはリン酸の添加によって、カラメル化溶液のpHを調節することが必要なこともある。
【0137】
方法は、高分子量化学種を4−MeIなどの低分子量化学種から分離する透析濾過を伴う。限外濾過およびナノ−濾過をはじめとする、任意の適切な透析濾過法が使用されてもよい。
【0138】
一実施形態では、本発明の方法はナノ濾過を利用する。例示的な実施形態では、分子カットオフは約600〜800ダルトンである。別の例示的な実施形態では、分子カットオフは約700ダルトンである。
【0139】
透析濾過は、一定流量様式、定圧様式またはそれらの組み合わせなどの任意の適切な様式で実施されてもよい。特定の実施形態では、透析濾過は、大部分の低分子量化学種が除去されるまで(透過流のブリックスメーター読み取りの約1ブリックスへの低下によって示される)定圧様式で実施され、その後、一定流量様式で実施される。
【0140】
方法が実施される温度は、変動してもよい。一実施形態では、加工は、約60°F〜約95°Fの温度で実施される。特定の実施形態では、加工は、約80°Fの温度で実施される。
【0141】
方法が実施される温度は、変動してもよい。一実施形態では、加工は、約50〜55psiの定圧で開始する。
【0142】
透析濾過は、残留画分および透過画分を生成し、残留画分は、高分子量着色体および水を含み、透過画分は、4−MeIなどの低分子量化学種を含む。
【0143】
残留画分(すなわち、残余分)は、供給タンクに再循環されて戻され、透過画分は、逆浸透(RO)に誘導される。特に、透過画分は、ROユニットのバランスタンクに誘導される。逆浸透(RO)ユニット透過液は、濾過ユニットに誘導される。流束は濾過ユニットよりも約15%低いため、淡水が使用されてもよい。
【0144】
一実施形態では、透過流束(は、m
2あたり毎時約18リットル〜m
2あたり毎時約36リットルである。特定の実施形態では、透過流束は、m
2あたり毎時約18リットル、m
2あたり毎時約021リットル、m
2あたり毎時約24リットル、m
2あたり毎時約27リットル、m
2あたり毎時約30リットル、m
2あたり毎時約33リットルまたはm
2あたり毎時約36リットルである。
【0145】
逆浸透は、再循環水流および透過濃縮流を生成する。再循環水流は、供給タンクに再誘導されて戻される。有利なことに、これは、クラスIVカラメルを精製するのに要する全体的な水使用を制限する。
【0146】
一実施形態では、本発明の方法は、当該技術分野で公知の精製法よりも、約50、約60、約70、約80、または約85%より低い水を必要とする。
【0147】
透過濃縮流は、任意の適切な方法によって濃縮されて、超濃縮物、すなわち、約70%を超える固形分を有する透過濃縮物が提供されてもよい。例えば、透過濃縮流は、透過濃縮物を蒸発器に供給することで濃縮されてもよい。任意選択的に、透過超濃縮物は乾燥されて、乾燥透過超濃縮物が提供されてもよい。乾燥透過超濃縮物は、廃棄物と見なされてもよく、またはカラメルを合成するために使用されてもよく、またはエタノールなどの付加価値物質を製造する発酵のための配合原料として使用されてもよい。
【0148】
工程所用時間は、変動してもよい。一実施形態では、工程所用時間は約2〜約10時間である。特定の実施形態では、透析濾過は約7時間実施される。この実施形態に従って、第1の透析濾過時間は、定圧様式で実施され、残る6時間の透析濾過(diafilitration)は、一定流量様式で実施される。
【0149】
通常、透析濾過ステップは、カラメルが所望の程度に精製されるまで継続される。一実施形態では、透析濾過は、4−MeIの所望レベルが得られるまで継続される。特定の実施形態では、4−MeIの所望レベルは、約10ppm未満、約5ppm未満、約1ppm未満または約0.1ppm未満である。
【0150】
特定の実施形態では、クラスIVカラメルは、二倍濃縮クラスIVカラメルであり、精製クラスIVカラメルの所望の4−MeI含有量は、約1ppm未満である。
【0151】
別の実施形態では、クラスIVカラメルは、二倍濃縮低4−MeIクラスIVカラメルであり、精製クラスIVカラメルの所望の4−MeI含有量は、約0.1ppm未満である。
【0152】
透析濾過が停止した後、カラメル(すなわち、加工濃縮水)は、所望の色の濃さまたは強度に濃縮されてもよく、pHが調節されてもよい。
【0153】
一実施形態では、加工濃縮水は、約0.35の着色力(Tintorial Power)(TP)に濃縮されて、次に、75%食品等級リン酸の添加によって約pH3に調節される。
【0154】
濃縮精製クラスIVカラメルは、収集され保存されてもよい。任意選択的に、濃縮精製クラスIVカラメルは噴霧乾燥されて、保存用乾燥粉末が得られてもよい。
【0155】
別の実施形態では、本発明は、(i)炭水化物および酸を反応容器に添加して、第1の反応混合物を提供するステップと;(ii)アンモニウムおよび亜硫酸塩の第1の部分を第1の反応混合物に添加して、第2の反応混合物を提供するステップと;(iii)反応容器を閉鎖するステップと;(iv)アンモニウムおよび亜硫酸塩の第2の部分を第2の反応混合物に添加して、第3の反応混合物を提供するステップと;(v)第3の反応混合物を約110℃〜約130℃に加熱して、それによって低4−MeIクラスIVカラメルを形成するステップと;(vi)低4−MeIクラスIVカラメルを透析濾過の対象として、高分子量着色体および水を含む残留画分と透過画分とを提供するステップと;(iii)透過画分を逆浸透の対象として、再循環水流および透過濃縮物流を提供するステップと;(iv)任意選択的に、透過濃縮流を濃縮して、約70%固形分を含む透過超濃縮流を提供するステップと;(v)残留画分および再循環水流をカラメル化溶液に添加するステップと;(vi)ステップ(ii)〜(v)を1回または複数回反復し、濃縮精製低4−MeIカラメルを提供するステップとを含む、濃縮精製低4−MeIクラスIVカラメルを製造する方法である。
【0156】
III.食品または飲料を調製する方法
本発明はまた、本発明の方法を使用して得られるカラメルを使用して、ソーダ(例えば、コーラ)などの食品または飲料製品、ならびにカラメルIV着色料を含む食品または飲料製品を製造する方法にまで及ぶ。
【0157】
特定の実施形態では、本発明は、本明細書で開示される方法によって製造される低4−MeIカラメルを食品または飲料マトリックスに添加するステップを含む、食品または飲料を製造する方法である。カラメルは、本発明の方法によって製造されるクラスIIIまたはクラスIVカラメルであってもよい。
【0158】
例示的な実施形態では、本発明は、低4−MeIクラスIVカラメル(例えば、グルコースまたはスクロースカラメル)を飲料マトリックスに添加するステップを含む、飲料を製造する方法であり、低4−MeIクラスIVカラメルは、本明細書で開示される合成法、本明細書で開示される濾過法、またはそれらの組み合わせから選択される方法によって製造される。
【0159】
例示的な実施形態では、本発明は、低4−MeIクラスIVカラメル(例えば、グルコースまたはスクロースカラメル)を飲料マトリックスに添加するステップを含む、飲料を製造する方法であり、低4−MeIクラスIVカラメルは、本明細書で開示される合成法、本明細書で開示される濾過法、またはそれらの組み合わせから選択される方法によって製造され、カラメルは約15ppm未満のMEIを有する。
【0160】
例示的な実施形態では、本発明は、低4−MeIクラスIVカラメルを飲料マトリックスに添加するステップを含む、飲料を製造する方法であり、低4−MeIクラスIVカラメルは、本明細書で開示される合成法、本明細書で開示される濾過法、またはそれらの組み合わせから選択される方法によって製造され、カラメルは、約15ppm未満のMEIを有し、少なくとも約6ヶ月間、または少なくとも約10ヶ月間、または少なくとも約12ヶ月間、または少なくとも約18ヶ月間安定している。
【0161】
特定の実施形態では、本発明は、低4−MeIクラスIIIカラメル(例えば、グルコースまたはスクロースカラメル)を飲料マトリックスに添加するステップを含む、飲料を製造する方法であり、低4−MeIクラスIIIカラメルは、本明細書で開示される濾過法、またはそれらの組み合わせによって製造され、カラメルは約15ppm未満のMEIを有する。例示的な実施形態では、少なくとも約6ヶ月間、または少なくとも約10ヶ月間、または少なくとも約12ヶ月間、または少なくとも約18ヶ月間安定している。
【0162】
飲料は、例えば、清涼飲料またはソーダ、より具体的には、コーラであってもよい。特定の実施形態では、飲料は、黒ビールなどのビールである。
【0163】
IV.組成物
本発明は、本明細書に記載される方法を使用して得られるカラメル、ならびにカラメルを含む食品または飲料もまた含む。カラメルは、クラスIIIまたはクラスIVカラメルであってもよい。
【0164】
一実施形態では、本発明は、従来の手段によって調製されたカラメルと比較して、低下した量の低分子量化学種を含む、本明細書に記載される方法を使用して得られるカラメルである。特定の実施形態では、全低分子量化学種の量が、約20、約30、約40、約50、約60、約70、約80、約90、または約99%以上低下されている。
【0165】
例示的な実施形態では、本発明は、約800ダルトン未満、約700ダルトン未満または約600ダルトン未満の分子量を有する化合物の量が低下されている、本明細書に記載される方法を使用して得られるカラメルである。
【0166】
特定の実施形態では、分子量が800ダルトン未満の化学種の総量は、約20、約30、約40、約50、約60、約70、約80、約90、または約99%以上低下されている。
【0167】
別の特定の実施形態では、分子量が700ダルトン未満の化学種の総量は、約20、約30、約40、約50、約60、約70、約80、約90、または約99%以上低下されている。
【0168】
さらに別の特定の実施形態では、分子量が700ダルトン未満の化学種の総量は、約20、約30、約40、約50、約60、約70、約80、約90、または約99%以上低下されている。
【0169】
別の実施形態では、カラメルは、4−MEI、2−メチルイミダゾール(2−MEI)、5−ヒドロキシメチルフルフラール(5−HMF)、5−ヒドロキシ2−メチルピリジン、2−ヒドロキシピリジン、および2−ヒドロキシ6−メチルピリジンカルボン酸からなる群から選択される、1つまたは複数の局所分子量化学種の量が低下されている。特定の実施形態では、分子量化学種の総量は、約20、約30、約40、約50、約60、約70、約80、約90、または約99%以上低下されている。
【0170】
一実施形態では、カラメルは、本明細書で開示される合成法を使用して得られる、低4−MeIクラスIVカラメルである。
【0171】
別の実施形態では、カラメルは、本明細書で開示される濾過法を使用して得られる、濃縮精製低4−MeIクラスIIIまたはクラスIVカラメルである。
【0172】
特定の実施形態では、カラメルは、本明細書で開示される合成法および濾過法を組み合わせて使用して得られる、濃縮精製低4−MeIクラスIVカラメルである。
【0173】
特定の実施形態では、カラメルは、約15ppm以下の4−MeI、またはより具体的には、約10ppm以下、約5ppm以下、約1ppm以下、または約0.1ppm以下の4−MeIを含む、本明細書で開示される方法を使用して得られる、低4−MeIカラメルである。例示的な実施形態では、低4−MeIカラメルは、4−MeIが皆無のカラメルである。
【0174】
例示的な実施形態では、本発明は、約15ppm以下の4−MeIを含み、少なくとも約12ヶ月間、好ましくは約18ヶ月間安定している、本明細書で開示される方法を使用して得られる、クラスIVグルコースカラメルである。例示的な実施形態では、クラスIVグルコースカラメルは、約10ppm未満、または約5ppm未満、または約1ppm未満の4−MeIを含む。例示的な実施形態では、クラスIVグルコースカラメルは、約0.9ppm未満、約0.8ppm未満、約0.7ppm未満、約0.6ppm未満、約0.5ppm未満、約0.4ppm未満、約0.3ppm未満、約0.2ppm未満、または約0.1ppm未満の4−MeIを含む。
【0175】
別の例示的な実施形態では、本発明は、フルクトース含有炭水化物(例えば、スクロース)から製造され、本明細書で開示される方法を使用して得られ、約15ppm以下の4−MeIを含み、少なくとも約6ヶ月間、好ましくは約10ヶ月間安定している、クラスIVカラメルである。例示的な実施形態では、クラスIVカラメルは、本明細書で開示される方法に従って、フルクトース含有炭水化物から製造され、カラメルは、約10ppm未満、または約5ppm未満、または約1ppm未満の4−MeIを含み、少なくとも約6ヶ月間、または少なくとも約10ヶ月間安定している。例示的な実施形態では、クラスIVカラメルは、約0.9ppm未満、約0.8ppm未満、約0.7ppm未満、約0.6ppm未満、約0.5ppm未満、約0.4ppm未満、約0.3ppm未満、約0.2ppm未満、または約0.1ppm未満の4−MeIを含み、少なくとも約6ヶ月間、または少なくとも約10ヶ月間安定している。
【0176】
さらに別の実施形態では、本発明は、本明細書で開示される方法によって得られる、低4−MeIクラスIVまたはクラスIIIカラメルを含む飲料である。
【0177】
特定の実施形態では、飲料は、清涼飲料またはコーラなどのソーダである。別の特定の実施形態では、飲料は、黒ビールである。
【実施例】
【0178】
実施例1:安定性試験
カラメルの固有pH(pH=2.4〜3.4)をKOHの添加によって6.0に調節する。12mLのpH調節カラメルを50mLガラス管に注ぎ入れ、管とカラメルの総重量を記録する。pH調節カラメルの残りを使用して、25℃での粘度を測定する。カラメルを入れた管をアルミニウム加熱ブログ(heating blog)に入れて、ホットプレート上で100℃に予備平衡化し、1時間加熱して(温度範囲96℃〜103℃)、その後、管を取り出してエアフラッシュで5分間冷却する。先に加熱されたカラメルに水を添加して加熱中の蒸発を補い、管の内容物を激しく混合する。「Cup & Bob」(サイズ−14mm)設定でBohlinのGemini 2粘度計を使用して、25℃で粘度を測定し、pH調節非加熱カラメルの粘度と比較する。カラメルの加熱前および加熱後の粘度の差を記録し、実験的に蓄積されたデータに基づいて安定性が予測される。安定性予測のモデルは、安定および不安定(ゲル化または非ゲル化)カラメルの粘度変化の長期(4ヶ月間)モニタリング研究から得られる。安定性の予測は相対的であり、すなわち、長期間安定していることが知られている低4−MeIカラメルと比較した、当該カラメルの安定性である。
【0179】
実施例2:グルコースシロップからの低4−MeIカラメルの製造
合成で使用された全ての成分は、食品等級であった。実験は、サンプル取り出しおよび液体添加浸漬管ポート、および気体ガス抜きポートを装着した、2ガロンの高圧反応器内(Parr Instrument Company, 211 Fifty Third Street, Moline, Illinois 61265-1770)で実施された。反応中に取り出されたサンプル上で、pHおよび色(着色力=0.1%カラメル溶液のAbs
560)が定期的にモニターされた(それぞれ、Oacton 110 pHメーター、およびDU(登録商標)700シリーズUV/Vis Spectrophotometers, Beckman Coulter)。
【0180】
グルコースシロップ(3.9kg、43%DE、81ブリックス)がリン酸(0.15kg、85%)と共に装填されて、反応混合物が加熱された。
【0181】
温度が115℃に達したら、亜硫酸水素アンモニウム(2.0kg、1.7L、35.5%)の添加が22mL/分の速度で開始され、全量が添加されるまで同一速度で80分間継続された。
【0182】
10分後、130℃の温度に達したら、ABSの添加が開始され、反応中一定に保たれた。反応圧は55PSIに達し、過剰なガスの抜き取りによって一定に保たれた。
【0183】
4.5.時間後に、反応生成物は所望の色の強さ(ABs
610=0.265)に達し、その時点で、ガス通気孔が開放されて、反応混合物は23℃に冷却された。
【0184】
水酸化カリウム(0.245kg、50%)および水(0.2kg)が添加されてpH(2.84)が調節され、カラメルは、最終的な色の強さ(ABs
610=0.219)および20℃で1.261gm/mlの見かけ密度に希釈された。
【0185】
4−MeIは、LC/MS/MSを使用して測定された。4−MeIの測定された濃度は、4.1mg/kgであった。
【0186】
安定性は、実施例1と同様にして測定された。カラメルは、非常に安定していることが立証された。
【0187】
実施例3:スクロースからの低4−MeIカラメルの製造
合成で使用された全ての成分は、食品等級であった。実験は、実施例1に記載される反応器を使用して実施され、pHおよび色は、実施例1に記載されるようにして、反応中に取り出したサンプル上で定期的にモニターされた。
【0188】
スクロース(2.0kg,)が0.5kgの水に添加されて、リン酸(0.05kg、85%)が装填され、反応混合物が加熱された。温度が100℃に達したら、亜硫酸水素アンモニウム(1.2kg、0.85L、37.5%)の添加が、10mL/分の速度で開始され、全量が添加されるまで同一速度で85分間継続された。
【0189】
15分後、125℃の温度に達したら、ABSの添加が開始され、反応中一定に保たれた。反応圧は45PSIに達し、過剰なガスの抜き取りによって一定に保たれた。
【0190】
6.5.時間後に、反応生成物は所望の色の強さ(ABs
610=0.245)に達し、その時点で、ガス通気孔が開放されて、反応混合物は23℃に冷却された。
【0191】
水酸化カリウム(0.200kg、50%)が添加されて、pH(2.96)が調節され、それは、最終的なカラメルの色の強さ(ABs
610=0.216)と、20℃で1.267gm/mlの見かけ密度とを与えた。
【0192】
実施例1に記載されるようにして測定された4−MeI濃度は9.56mg/kgであり、30℃で測定された粘度は35.78cPであった。
【0193】
実施例1に記載されるようにして測定されたカラメルは、グルコースシロップから製造された最も安定なカラメル着色料の67%程度安定性であることが立証され、それは、グルコースとスクロース非低4−MeI(>100ppm)カラメルの安定性比率に合致する。
【0194】
実施例4:: スクロースからの低4−MeIカラメルの製造
スクロース(2.0kg,)が0.5kgの水に添加され、亜硫酸水素アンモニウム(0.195kg、68%)およびリン酸(0.09kg、85%)が装填されて、反応混合物が加熱された。
【0195】
温度が100℃に達したら、残りの亜硫酸水素アンモニウム(0.46kg、68%)の添加が、85分間にわたり7.5mL/分の速度で開始された。15分後、125℃の温度に達したら、ABSの添加が開始され反応中一定(125℃)に保たれた。反応圧は45PSIに達し、過剰なガスの抜き取りによって一定に保たれた。
【0196】
6.0.時間後に、反応生成物は所望の色の強さ(ABs
610=0.245)に達し、その時点で、ガス通気孔が開放されて、反応混合物は23℃に冷却された。水酸化カリウム(0.200kg、50%)が添加されて、pH(2.96)が調節され、それは、最終的なカラメルの色の強さ(ABs
610=0.216)と、20℃で1.267gm/mlの見かけ密度とを与えた。
【0197】
測定された4−MeI濃度は14.3mg/kgであり、30℃で測定された粘度は30.23cPであり、カラメルは、グルコースシロップから製造された最も安定なカラメル着色料の67%程度安定性であることが立証され、それは、グルコースとスクロース非低4−MeIカラメルの安定性比率に合致する。
【0198】
実施例5:スクロースからの低4−MeIカラメルの製造
スクロース(2.0kg,)が0.5kgの水に添加され、リン酸(0.09kg、85%)が装填された。亜硫酸水素アンモニウム(0.195kg、68%)とメタ重亜硫酸ナトリウム(0.12kg)の混合物が添加されて、反応容器は閉鎖され、反応混合物が加熱された。
【0199】
温度が100℃に達したら、残りの亜硫酸水素アンモニウム(0.46kg、68%)およびアンモニウムメタ重亜硫酸(0.28kg)混合物の添加が、85分間にわたり7.5mL/分の速度で開始された。15分後、125℃の温度に達したら、ABSの添加が開始され反応中一定(125℃)に保たれた。反応圧は40PSIに達し、過剰なガスの抜き取りによって一定に保たれた。
【0200】
5.5.時間後に、反応生成物は所望の色の強さ(ABs
610=0.245)に達し、その時点で、ガス通気孔が開放されて、反応混合物は23℃に冷却された。水酸化カリウム(0.240kg、50%)が添加されて、pH(2.81)が調節され、それは、最終的なカラメルの色の強さ(ABs
610=0.216)と、20℃で1.259gm/mlの見かけ密度とを与えた。
【0201】
測定された4−MeI濃度は7.3mg/kgであり、30℃で測定された粘度は27.62cPであり、カラメルは、グルコースシロップから製造された最も安定なカラメル着色料の62%程度安定性であることが立証され、それは、グルコースとスクロース非低4−MeIカラメルの安定性比率に合致する。
【0202】
実施例6:通常二倍濃縮カラメルの加工
二倍濃縮クラスIVカラメル(117.2kgs)(供給元:DD Williamson)および処理済みプロセス水(100.5kg)が供給タンク内で混合された。得られた希釈カラメルのpHは、25%NaOH溶液(食品等級)を使用して約pH7.9に調節された。
【0203】
カラメル溶液は、約80°Fの濾過温度および約525psiの濾過圧で、分子量カットオフが約700の8インチナノ濾過らせんメンブレンエレメントが装着された濾過ユニット(GEA Model R Pilot Filtration Unit)を使用して、ダイアフィルター処理された。透析濾過中に、カラメル溶液のpHは7.8±0.15dに保たれ、供給タンク内の水のレベルは一定レベルに保たれた。
【0204】
透過液は、2つの8インチROエレメントがある逆浸透(RO)ユニット(Filtration Engineering Pilot)のバランスタンクに誘導される。ROユニットの透過流束は、最初にm
2あたり毎時約18リットルで、濾過ユニットと整合された。
【0205】
1時間の透析濾過後、濾過ユニットは、m
2あたり毎時約33リットルの一定流量様式に切り替えられた。次にROユニットの透過流束は、m
2あたり毎時約33リットルで、濾過ユニットと整合された。透析濾過(Diafilitration)は、さらに6時間継続された。
【0206】
供給タンク内の濃縮水は、約0.35の着色力(Tintorial Power)(TP)に濃縮された。濃縮水(retenate)のpHは、75%リン酸(食品等級)で約pH3に調節された。濃縮水は収集されて冷蔵条件で保存され、または長期保存のためにカラメル粉末にさらに噴霧乾燥された。
【0207】
TPが約0.35の濃縮水は、0.8ppmの4−MeI含有量を有した。
【0208】
実施例7:低4−MeI二倍濃縮カラメルの加工
低4−MeI二倍濃縮カラメル(115kgs)および処理済みプロセス水(110kg)が、供給タンク内で混合された。得られた希釈カラメルのpHは、25%NaOH溶液(食品等級)を使用して約pH7.9に調節された。
【0209】
カラメル溶液は、約80°Fの濾過温度および約525psiの濾過圧で、分子量カットオフが約600〜800の8インチナノ濾過らせんメンブレンエレメントが装着された濾過ユニット(GEA Model R Pilot Filtration Unit)を使用して、ダイアフィルター処理された。透析濾過中に、カラメル溶液のpHは7.8±0.15dに保たれ、供給タンク内の水のレベルは一定レベルに保たれた。
【0210】
透過液は、2つの8インチROエレメントがある逆浸透(RO)ユニット(Filtration Engineering Pilot)のバランスタンクに誘導される。ROユニットの透過流束は、最初にm
2あたり毎時約18リットルで、濾過ユニットと整合された。
【0211】
1時間の透析濾過後、濾過ユニットは、m
2あたり毎時約27リットルの一定流量様式に切り替えられた。次にROユニットの透過流束は、m
2あたり毎時約27リットルで、濾過ユニットと整合された。透析濾過(Diafilitration)は、さらに6時間継続された。
【0212】
供給タンク内の濃縮水は、約0.35の着色力(Tintorial Power)(TP)に濃縮される。濃縮水(retenate)のpHは、75%リン酸(食品等級)で約pH3に調節された。濃縮水は収集されて冷蔵条件で保存され、または長期保存のためにカラメル粉末にさらに噴霧乾燥された。
【0213】
TPが約0.35の濃縮水は、0.09ppmの4−MeI含有量を有した。