(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記壁側ラックセル群を構成する前記ラックセルに配置され、前記使用済み核燃料から放出される放射線を遮蔽する放射線遮蔽部材を備える請求項1から3のうち、いずれか一項記載の核燃料貯蔵設備。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照して本発明を適用した実施の形態について詳細に説明する。
【0029】
(第1の実施形態)
図1〜
図4を参照して、第1の実施形態の核燃料貯蔵設備10について説明する。
図2では、
図1に示す核燃料貯蔵ラック24を簡略化して図示する。
図3は、
図1に示す核燃料貯蔵ラック21〜29のうち、核燃料貯蔵ラック24,25の斜視図である。
図3では、一部を切欠いた状態で核燃料貯蔵ラック24を図示する。
図1、及び
図3において、Xは核燃料貯蔵用ピット11の幅方向を示している。
図1〜
図4において、Y方向はX方向に対して直交する核燃料貯蔵用ピット11の長さ方向を示している。
図2〜
図4において、Z方向はX方向及びY方向に対して直交する鉛直方向を示している。
図1〜
図4において、同一構成部分には同一符号を付す。
【0030】
第1の実施形態の核燃料貯蔵設備10は、核燃料貯蔵用ピット11と、核燃料貯蔵ラック21〜29と、複数の連結部材30と、を有する。
【0031】
核燃料貯蔵用ピット11は、冷却用の水36が貯留されたピット(プール)である。核燃料貯蔵用ピット11は、壁部31〜34と、底部35と、を有する。
壁部31は、Y方向に対して直交し、かつX方向及びZ方向に延在する内側面31aを有する。壁部32は、X方向に対して直交し、かつY方向及びZ方向に延在する内側面32aを有する。
【0032】
壁部33は、Y方向に対して直交し、かつX方向及びZ方向に延在する内側面33aを有する。内側面33aは、Y方向において内側面31aと対向している。壁部34は、X方向に対して直交し、かつY方向及びZ方向に延在する内側面34aを有する。内側面34aは、Y方向において内側面32aと対向している。壁部31〜34は、核燃料貯蔵用ピット11の周囲を区画している。
【0033】
底部35は、壁部31〜34の下端部を連結している。底部35は、Z方向に対して直交し、かつX方向及びY方向に延在する底面35aを有する。底面35aは、核燃料貯蔵用ピット11の底を区画している。
【0034】
上記構成とされた核燃料貯蔵用ピット11の深さは、核燃料貯蔵ラック21〜29の高さの値よりも深くなるように構成されている。
【0035】
核燃料貯蔵ラック21〜29は、互いに隣り合うように、格子状に水平面方向(具体的には、X方向及びY方向)に配置されている。核燃料貯蔵ラック21〜29は、複数の連結部材30で連結された状態で、核燃料貯蔵用ピット11内に配置されている。
核燃料貯蔵ラック21〜29は、核燃料貯蔵用ピット11の壁部31〜34及び底部35に固定されていない状態で核燃料貯蔵用ピット11の底面35a上に配置されている。核燃料貯蔵ラック21〜29は、フリースタンディングラックである。核燃料貯蔵ラック21〜29は、水36に浸漬されている。核燃料貯蔵ラック21〜29は、核燃料貯蔵ラック群20を構成している。
【0036】
ここで、核燃料貯蔵ラック24について説明する。核燃料貯蔵ラック24は、ベースプレート40と、複数の脚部41と、支持格子部材を構成する下部支持格子43、中部支持格子45、及び上部支持格子47と、外周板48,49と、内側空間を有する複数のラックセル53と、壁側ラックセル群55と、収容用ラックセル群56と、使用済み核燃料である核燃料棒59と、を有する。
【0037】
ベースプレート40は、矩形とされた金属製の板材である。
複数の脚部41は、ベースプレート40の下面に設けられている。複数の脚部41は、ベースプレート40を支持している。複数の脚部41は、底面35a上に載置されている。
【0038】
下部支持格子43は、ベースプレート40上に固定されている。下部支持格子43は、X方向及びY方向に対して所定の間隔で配置された複数の板材で構成されている。下部支持格子43の形状は、格子形状とされている。
下部支持格子43は、X方向及びY方向に配置されている。下部支持格子43は、ラックセル53の下部(具体的には、下端)が挿入される四角柱形状とされた開口部を複数有する。下部支持格子43は、水平面方向に配置され、かつZ方向に延在する複数のラックセル53の下部を支持する。
【0039】
中部支持格子45は、格子形状とされている。中部支持格子45は、下部支持格子43に支持された複数のラックセル53の高さ方向における中部を支持するように設けられている。中部支持格子45は、下部支持格子43と同様な構成とされている。
【0040】
上部支持格子47は、格子形状とされている。上部支持格子47は、先に説明した下部支持格子43と同様な構成とされている。上部支持格子47は、下部支持格子43及び中部支持格子45に支持された複数のラックセル53の上部を支持する。
上述した下部支持格子43、中部支持格子45、及び上部支持格子47よりなる支持格子部材は、複数のラックセル53の水平面方向への移動や転倒を抑制する。
【0041】
外周板48は、下部支持格子43の外枠と中部支持格子45の外枠との間から露出された複数のラックセル53の側面を四方から覆うように複数枚設けられている。
外周板49は、中部支持格子45の外枠と上部支持格子47の外枠との間から露出された複数のラックセル53の側面を四方から覆うように複数枚設けられている。
このように、核燃料貯蔵ラック21〜29が外周板48,49を有することで、地震の際、核燃料貯蔵ラック21〜29間の隙間において流体(水36)が働き、核燃料貯蔵ラック群20の減衰が大きくなるので、核燃料貯蔵用ピット11に作用する荷重を低下させることができる。
【0042】
複数のラックセル53は、四角の筒形状とされている。複数のラックセル53は、X方向及びY方向に所定の間隔で配置されている。複数のラックセル53の上部の一部は、上部支持格子47の上方に突出している。
【0043】
壁側ラックセル群55は、核燃料貯蔵用ピット11の壁部31の内側面31a側に配置された複数のラックセル53で構成されている。壁側ラックセル群55を構成するラックセル53には、核燃料棒59が挿入されていない。
壁側ラックセル群55は、核燃料貯蔵用ピット11の壁部31の内側面31aから所定の範囲内に配置されている。壁側ラックセル群55は、核燃料棒59を収容する収容用ラックセル群56と壁部31の内側面31aとを離間させる。
【0044】
収容用ラックセル群56は、壁側ラックセル群55の内側に配置された複数のラックセル53で構成されている。収容用ラックセル群56を構成する複数のラックセル53には、それぞれ核燃料棒59が挿入されている。
【0045】
次に、核燃料貯蔵ラック21について説明する。核燃料貯蔵ラック21は、壁部31,32の内側面31a,32aと接触するように、壁部31と壁部32とが形成する角部に配置されている。
【0046】
核燃料貯蔵ラック21は、核燃料貯蔵ラック24を構成する壁側ラックセル群55及び収容用ラックセル群56に替えて、壁側ラックセル群61及び収容用ラックセル群62を有すること以外は、核燃料貯蔵ラック24と同様に構成されている。
【0047】
壁側ラックセル群61は、壁部31,32の内側面31a,32a側に配置された2列のラックセル53で構成されている。壁側ラックセル群61を構成する複数のラックセル53には、核燃料棒59が収容されていない。
収容用ラックセル群62は、壁側ラックセル群61よりも内側に配置された複数のラックセル53で構成されている。収容用ラックセル群62を構成する複数のラックセル53には、それぞれ核燃料棒59が収容されている。
【0048】
次に、核燃料貯蔵ラック22について説明する。核燃料貯蔵ラック22は、壁部32の内側面32aと接触し、かつY方向において核燃料貯蔵ラック21と対向するように配置されている。
【0049】
核燃料貯蔵ラック22は、核燃料貯蔵ラック24を構成する壁側ラックセル群55及び収容用ラックセル群56に替えて、壁側ラックセル群64及び収容用ラックセル群65を有すること以外は、核燃料貯蔵ラック24と同様に構成されている。
【0050】
壁側ラックセル群64は、壁部32の内側面32a側に配置された2列のラックセル53で構成されている。壁側ラックセル群64を構成する複数のラックセル53には、核燃料棒59が収容されていない。
収容用ラックセル群65は、壁側ラックセル群64よりも内側に配置された複数のラックセル53で構成されている。収容用ラックセル群65を構成する複数のラックセル53には、それぞれ核燃料棒59が収容されている。
【0051】
次に、核燃料貯蔵ラック23について説明する。核燃料貯蔵ラック23は、壁部32,33の内側面32a,33aと接触するように、壁部32と壁部33とが形成する角部に配置されている。核燃料貯蔵ラック23は、Y方向において核燃料貯蔵ラック22と対向している。
【0052】
核燃料貯蔵ラック23は、核燃料貯蔵ラック24を構成する壁側ラックセル群55及び収容用ラックセル群56に替えて、壁側ラックセル群66及び収容用ラックセル群67を有すること以外は、核燃料貯蔵ラック24と同様に構成されている。
【0053】
壁側ラックセル群66は、壁部32,33の内側面33a,33a側に配置された2列のラックセル53で構成されている。壁側ラックセル群66を構成する複数のラックセル53には、核燃料棒59が収容されていない。
収容用ラックセル群67は、壁側ラックセル群66よりも内側に配置された複数のラックセル53で構成されている。収容用ラックセル群67を構成する複数のラックセル53には、それぞれ核燃料棒59が収容されている。
【0054】
次に、核燃料貯蔵ラック25について説明する。核燃料貯蔵ラック25は、核燃料貯蔵用ピット11の中央部に配置されている。核燃料貯蔵ラック25は、壁部31〜34の内側面31a〜34aと接触していない。
核燃料貯蔵ラック25は、X方向において核燃料貯蔵ラック22と核燃料貯蔵ラック28との間に配置されている。核燃料貯蔵ラック25は、Y方向において核燃料貯蔵ラック24と核燃料貯蔵ラック26との間に配置されている。
【0055】
核燃料貯蔵ラック25は、核燃料貯蔵ラック24を構成する壁側ラックセル群55及び収容用ラックセル群56に替えて、収容用ラックセル群69のみを有すること以外は、核燃料貯蔵ラック24と同様に構成されている。
核燃料貯蔵ラック25を構成する全てのラックセル53が収容用ラックセル群69を構成している。
【0056】
次に、核燃料貯蔵ラック26について説明する。核燃料貯蔵ラック26は、X方向において核燃料貯蔵ラック25と対向し、Y方向において核燃料貯蔵ラック23,29と対向するように配置されている。核燃料貯蔵ラック26は、壁部33の内側面33aと接触している。
【0057】
核燃料貯蔵ラック26は、核燃料貯蔵ラック24を構成する壁側ラックセル群55及び収容用ラックセル群56に替えて、壁側ラックセル群72及び収容用ラックセル群73を有すること以外は、核燃料貯蔵ラック24と同様に構成されている。
【0058】
壁側ラックセル群72は、壁部33の内側面33a側に配置された2列のラックセル53で構成されている。壁側ラックセル群72を構成する複数のラックセル53には、核燃料棒59が収容されていない。
収容用ラックセル群73は、壁側ラックセル群72よりも内側に配置された複数のラックセル53で構成されている。収容用ラックセル群73を構成する複数のラックセル53には、それぞれ核燃料棒59が収容されている。
【0059】
次に、核燃料貯蔵ラック27について説明する。核燃料貯蔵ラック27は、壁部31,34の内側面31a,34aと接触するように、壁部31と壁部34とが形成する角部に配置されている。
【0060】
核燃料貯蔵ラック27は、核燃料貯蔵ラック24を構成する壁側ラックセル群55及び収容用ラックセル群56に替えて、壁側ラックセル群75及び収容用ラックセル群76を有すること以外は、核燃料貯蔵ラック24と同様に構成されている。
【0061】
壁側ラックセル群75は、壁部31,34の内側面31a,34a側に配置された2列のラックセル53で構成されている。壁側ラックセル群75を構成する複数のラックセル53には、核燃料棒59が収容されていない。
収容用ラックセル群76は、壁側ラックセル群75よりも内側に配置された複数のラックセル53で構成されている。収容用ラックセル群76を構成する複数のラックセル53には、それぞれ核燃料棒59が収容されている。
【0062】
次に、核燃料貯蔵ラック28について説明する。核燃料貯蔵ラック28は、壁部34の内側面34aと接触し、X方向において核燃料貯蔵ラック25と対向するように配置されている。核燃料貯蔵ラック28は、Y方向において、核燃料貯蔵ラック27と核燃料貯蔵ラック29との間に配置されている。
【0063】
核燃料貯蔵ラック28は、核燃料貯蔵ラック24を構成する壁側ラックセル群55及び収容用ラックセル群56に替えて、壁側ラックセル群78及び収容用ラックセル群79を有すること以外は、核燃料貯蔵ラック24と同様に構成されている。
【0064】
壁側ラックセル群78は、壁部34の内側面34a側に配置された2列のラックセル53で構成されている。壁側ラックセル群78を構成する複数のラックセル53には、核燃料棒59が収容されていない。
収容用ラックセル群79は、壁側ラックセル群78よりも内側に配置された複数のラックセル53で構成されている。収容用ラックセル群79を構成する複数のラックセル53には、それぞれ核燃料棒59が収容されている。
【0065】
次に、核燃料貯蔵ラック29について説明する。核燃料貯蔵ラック29は、壁部33,34の内側面33a,34aと接触するように、壁部33と壁部34とが形成する角部に配置されている。核燃料貯蔵ラック29は、Y方向において核燃料貯蔵ラック28と対向している。核燃料貯蔵ラック29は、X方向において核燃料貯蔵ラック26と対向している。
【0066】
核燃料貯蔵ラック29は、核燃料貯蔵ラック24を構成する壁側ラックセル群55及び収容用ラックセル群56に替えて、壁側ラックセル群81及び収容用ラックセル群82を有すること以外は、核燃料貯蔵ラック24と同様に構成されている。
【0067】
壁側ラックセル群81は、壁部33,34の内側面33a,34a側に配置された2列のラックセル53で構成されている。壁側ラックセル群81を構成する複数のラックセル53には、核燃料棒59が収容されていない。
収容用ラックセル群82は、壁側ラックセル群81よりも内側に配置された複数のラックセル53で構成されている。収容用ラックセル群82を構成する複数のラックセル53には、それぞれ核燃料棒59が収容されている。
【0068】
上記構成とされた核燃料貯蔵ラック21〜29を含む核燃料貯蔵ラック群20の側面は、核燃料貯蔵用ピット11の壁部31〜34の内側面31a〜34aと接触している。
【0069】
上述した構成とされた第1の実施形態の核燃料貯蔵ラック21〜24,26〜29によれば、核燃料貯蔵用ピット11の壁部31〜34の内側面31a〜34a側に配置され、壁部31〜34の内側面31a〜34aと接触する壁側ラックセル群55,61,64,66,72,75,78,81を有することで、壁部31〜34の内側面31a〜34aと壁側ラックセル群55,61,64,66,72,75,78,81の側面とを面接触させることが可能となる。これにより、簡便な構成で、核燃料貯蔵ラック21〜29の水平方向の移動、及び核燃料貯蔵ラック21〜29のロッキングの発生を抑制することができる。
【0070】
また、壁側ラックセル群55,61,64,66,72,75,78,81の内側に配置された収容用ラックセル群56,62,65,67,73,76,79,82のみに使用済み核燃料棒59を収容させ、壁側ラックセル群55,61,64,66,72,75,78,81に核燃料棒59を収容させないことで、核燃料棒59と核燃料貯蔵用ピット11の壁部31〜34の内側面31a〜34aとの距離を十分に確保することが可能となる。これにより、安全性を確保した上で、核燃料貯蔵用ピット11の壁部31〜34の内側面31a〜34aと壁側ラックセル群55,61,64,66,72,75,78,81とを接触させることができる。
【0071】
図1では、核燃料貯蔵ラック21〜24,26〜29の一例として、壁部31〜34の内側面31a〜34aに沿うように配列された2列のラックセル53を用いて壁側ラックセル群55,61,64,66,72,75,78,81を構成した場合を例に挙げて説明したが、壁側ラックセル群55,61,64,66,72,75,78,81を構成するラックセル53の列の数は、1列以上であればよく、これに限定されない。
【0072】
複数の連結部材30は、核燃料貯蔵ラック21〜29のうち、互いに隣り合うように配置された2つの核燃料貯蔵ラック間を接続するように複数設けられている。
具体的には、連結部材30は、互いに隣り合うように配置された2つの上部支持格子47の間、互いに隣り合うように配置された2つの中部支持格子45の間、及び互いに隣り合うように配置された2つの下部支持格子43の間にそれぞれ複数(
図1の場合、一例として2つ)設けられている。連結部材30は、X方向及びY方向に対して複数配置されている。
【0073】
ここで、連結部材30の構成について説明する。連結部材30は、突出部91,92と、ボルト93(或いは、ピン)と、を有する。
突出部91は、互いに隣り合う位置に配置された2つの核燃料貯蔵ラック21〜29のうち、一方の核燃料貯蔵ラック(
図4の場合、核燃料貯蔵ラック25)の上部支持格子47に設けられている。突出部91は、他方の核燃料貯蔵ラック(
図4の場合、核燃料貯蔵ラック24)の上部支持格子47に向かう方向に突出している。
【0074】
突出部91には、突出部91を貫通するねじ穴91Aが複数設けられている。ねじ穴91Aには、ボルト93のねじ部が螺合される。突出部91は、平面とされた上面91aを有する。
【0075】
なお、ボルト93に替えて、ピンを用いてもよい。この場合には、ねじ穴91Aの替りに貫通穴を用いるとよい。
【0076】
突出部92は、互いに隣り合う位置に配置された2つの核燃料貯蔵ラック21〜29のうち、他方の核燃料貯蔵ラック(
図4の場合、核燃料貯蔵ラック24)の上部支持格子47に設けられている。突出部92は、一方の核燃料貯蔵ラック(
図4の場合、核燃料貯蔵ラック25)の上部支持格子47に向かう方向に突出している。
突出部92は、平面とされた下面92aを有する。突出部92は、下面92aが突出部91の上面91aと重なる高さ(言い換えれば、接触可能な高さ)に配置されている。
【0077】
突出部92には、突出部92を貫通する貫通穴92Aが複数設けられている。貫通穴92Aには、ボルト93のねじ部が挿入される。突出部92は、ねじ穴91Aと貫通穴92Aとが重なる突出部91上の位置に配置されている。
【0078】
ボルト93は、ねじ穴91Aに螺合されている。これにより、互いに隣り合う位置に配置された2つの核燃料貯蔵ラックの上部が連結される。
【0079】
なお、第1の実施形態では、一例として、X方向に配置された核燃料貯蔵ラック間を連結する2つの連結部材30を設けるとともに、Y方向に配置された核燃料貯蔵ラック間を連結する2つの連結部材30を設けた場合を例に挙げて説明したが、X方向及びY方向に対して、それぞれ3つ以上の連結部材30を設けてもよいし、X方向及びY方向に対して、それぞれ1つの幅広形状とされた連結部材30を設けてもよい。
【0080】
このように、互いに隣り合う核燃料貯蔵ラック21〜29を連結する連結部材30を有することで、核燃料貯蔵ラック21〜29が連結されるため、各核燃料貯蔵ラック21〜29がばらばらに移動することを抑制可能となる。
【0081】
これにより、地震等の発生により、複数の核燃料貯蔵ラック21〜29(核燃料貯蔵ラック群20)に滑りが生じた際、核燃料貯蔵ラック群20の側面(言い換えれば、複数の核燃料貯蔵ラックの側面)を介することで、壁部31〜34の内側面31a〜34aが押圧される。つまり、核燃料貯蔵用ピット11の壁部31〜34の内側面31a〜34aの特定の領域(狭い領域)のみに強い圧力が印加されることを抑制可能となるので、核燃料貯蔵用ピット11の破損を抑制することができる。
【0082】
第1の実施形態の核燃料貯蔵設備10によれば、核燃料貯蔵用ピット11の壁部31〜34の内側面31a〜34a側に配置され、壁部31〜34の内側面31a〜34aと接触する壁側ラックセル群55,61,64,66,72,75,78,81を有することで、壁部31〜34により核燃料貯蔵ラック群20のX方向及びY方向の位置を規制することが可能となる。これにより、簡便な構成で、核燃料貯蔵ラック21〜29の水平方向の移動、及び核燃料貯蔵ラック21〜29のロッキングの発生を抑制することができる。
【0083】
また、壁側ラックセル群55,61,64,66,72,75,78,81の内側に配置された収容用ラックセル群56,62,65,67,73,76,79,82のみに使用済み核燃料棒59を収容させることで、核燃料棒59と核燃料貯蔵用ピット11の壁部31〜34の内側面31a〜34aとの距離を十分に確保することが可能となる。
これにより、安全性を確保した上で、核燃料貯蔵用ピット11の壁部31〜34の内側面31a〜34aと壁側ラックセル群55,61,64,66,72,75,78,81とを接触させることができる。
【0084】
なお、第1の実施形態では、一例として、
図4に示す構造とされた連結部材30を例に挙げて説明したが、連結部材30は、互いに隣り合う核燃料貯蔵ラック21〜29を連結可能な構造であればよく、
図4に示す構造に限定されない。
【0085】
また、第1の実施形態の核燃料貯蔵設備10では、一例として、連結部材30を有する場合を例に挙げて説明したが、本発明は、連結部材30を介することなく、核燃料貯蔵ラック21〜29が直接接触する構造とされた核燃料貯蔵設備にも適用可能である。
このような構成とされた核燃料貯蔵設備では、隣接して配置された核燃料貯蔵ラック21〜29間の隙間を非常に小さくすることが可能となるので、耐震性を向上させることができる。
【0086】
また、第1の実施形態では、核燃料貯蔵ラック21〜29が複数の脚部41を有する場合を例に挙げて説明したが、複数の脚部41に替えて、平板が底面35aと接触するような台座を用いてもよい。
【0087】
また、第1の実施形態では、核燃料貯蔵ラック21〜29がそれぞれ外周板48,49を有する場合を例に挙げて説明したが、これに替えて、外周板48,49を備えていない複数の核燃料貯蔵ラックを用いてもよい。
【0088】
(第2の実施形態)
図5を参照して、第2の実施形態の核燃料貯蔵設備100について説明する。
図5において、
図1に示す構造物と同一構成部分には、同一符号を付す。
【0089】
第2の実施形態の核燃料貯蔵設備100は、第1の実施形態の核燃料貯蔵設備10を構成する核燃料貯蔵ラック21〜24,26〜29に替えて、核燃料貯蔵ラック111〜114,116〜119を有するとともに、さらに構造物101〜106を備えること以外は、核燃料貯蔵設備10と同様な構成とされている。
核燃料貯蔵ラック25,111〜114,116〜119は、核燃料貯蔵ラック群110を構成している。
【0090】
構造物101〜106は、核燃料貯蔵用ピット11内に設けられている。構造物101は、核燃料貯蔵ラック111の配置領域に対応する壁部32の内側面32aに設けられている。構造物102は、核燃料貯蔵ラック112の配置領域に対応する壁部32の内側面32aに設けられている。構造物103は、核燃料貯蔵ラック113の配置領域に対応する壁部32の内側面32aに設けられている。
【0091】
構造物104は、核燃料貯蔵ラック117の配置領域に対応する壁部34の内側面34aに設けられている。構造物105は、核燃料貯蔵ラック118の配置領域に対応する壁部34の内側面34aに設けられている。構造物106は、核燃料貯蔵ラック119の配置領域に対応する壁部34の内側面34aに設けられている。
【0092】
核燃料貯蔵ラック111は、核燃料貯蔵ラック21を構成する壁側ラックセル群61に構造物101を避ける切欠き部111Aを設けたこと以外は、核燃料貯蔵ラック21と同様に構成されている。壁側ラックセル群61は、構造物101から離間した位置に配置されている。壁側ラックセル群61と構造物101との間には、隙間が形成されている。
【0093】
核燃料貯蔵ラック112は、核燃料貯蔵ラック22を構成する壁側ラックセル群64に構造物102を避ける切欠き部112Aを設けたこと以外は、核燃料貯蔵ラック22と同様に構成されている。これにより、壁側ラックセル群64は、構造物102から離間した位置に配置されている。壁側ラックセル群64と構造物102との間には、隙間が形成されている。
【0094】
核燃料貯蔵ラック113は、核燃料貯蔵ラック23を構成する壁側ラックセル群66に構造物103を避ける切欠き部113Aを設けたこと以外は、核燃料貯蔵ラック23と同様に構成されている。これにより、壁側ラックセル群66は、構造物103から離間した位置に配置されている。壁側ラックセル群66と構造物103との間には、隙間が形成されている。
【0095】
核燃料貯蔵ラック117は、核燃料貯蔵ラック27を構成する壁側ラックセル群75に構造物104を避ける切欠き部117Aを設けたこと以外は、核燃料貯蔵ラック27と同様に構成されている。これにより、壁側ラックセル群75は、構造物104から離間した位置に配置されている。壁側ラックセル群75と構造物104との間には、隙間が形成されている。
【0096】
核燃料貯蔵ラック118は、核燃料貯蔵ラック28を構成する壁側ラックセル群78に構造物105を避ける切欠き部118Aを設けたこと以外は、核燃料貯蔵ラック28と同様に構成されている。これにより、壁側ラックセル群78は、構造物105から離間した位置に配置されている。壁側ラックセル群78と構造物105との間には、隙間が形成されている。
【0097】
核燃料貯蔵ラック119は、核燃料貯蔵ラック29を構成する壁側ラックセル群81に構造物106を避ける切欠き部119Aを設けたこと以外は、核燃料貯蔵ラック29と同様に構成されている。これにより、壁側ラックセル群81は、構造物106から離間した位置に配置されている。壁側ラックセル群81と構造物106との間には、隙間が形成されている。
【0098】
第2の実施形態の核燃料貯蔵設備100によれば、壁側ラックセル群55,61,64,66,72,75,78,81が切欠き部111A〜113A,117A〜119Aを有することで、壁部31〜34の内側面31a〜34aに構造物101〜106が設けられている場合でも構造物101〜106を避けて、壁側ラックセル群55,61,64,66,72,75,78,81の側面と壁部31〜34の内側面31a〜34aとを接触させることができる。
なお、第2の実施形態の核燃料貯蔵設備100は、第1の実施形態の核燃料貯蔵設備10と同様な効果を得ることができる。
【0099】
(第3の実施形態)
図6を参照して、第3の実施形態の核燃料貯蔵設備125について説明する。
図5において、
図1に示す構造物と同一構成部分には、同一符号を付す。なお、第3の実施形態では、弾性体の一例として、皿ばね127を例に挙げて説明する。
【0100】
第3の実施形態の核燃料貯蔵設備125は、第1の実施形態の核燃料貯蔵設備10の構成に、さらに複数の皿ばね127を有すること以外は、核燃料貯蔵設備10と同様に構成されている。
【0101】
皿ばね127は、互いに隣り合う核燃料貯蔵ラック21〜29の間に複数配置されている。皿ばね127は、X方向及びY方向に配列されている。
【0102】
第3の実施形態の核燃料貯蔵設備125によれば、互いに隣り合う核燃料貯蔵ラック21〜29の間に配置された複数の皿ばね127を有することで、核燃料貯蔵用ピット11の壁部31〜34の内側面31a〜34aに対して壁側ラックセル群55,61,64,66,72,75,78,81の側面が押圧された状態を維持することが可能となる。
【0103】
これにより、核燃料貯蔵用ピット11の壁部31〜34の内側面31a〜34aと壁側ラックセル群55,61,64,66,72,75,78,81との間に隙間が形成されることを抑制できる。
特に、核燃料貯蔵ラック21〜29が熱伸びを有する場合には、複数の皿ばね127で熱伸びを吸収することが可能となり、有効である。
【0104】
また、皿ばね127は、狭いスペースにも配置しやすく、かつ交換しやすいため、メンテナンス性を向上できる。
【0105】
なお、第3の実施形態では、弾性体の一例として、皿ばね127を例に挙げて説明したが、皿ばね127に替えて、他の弾性体を用いてもよい。他の弾性体としては、例えば、ゴム、板バネ、コイルばね等を例示することが可能である。
【0106】
また、第3の実施形態では、複数の皿ばね127を用いた場合を例に挙げて説明したが、複数の皿ばね127に替えて、複数のスペーサを用いてもよい。複数のスペーサを用いる場合、核燃料貯蔵ラック21〜29が熱伸び後に、複数のスペーサを配置させるとよい。この場合、第3の実施形態の核燃料貯蔵設備125と同様な効果を得ることができる。
【0107】
(第4の実施形態)
図7を参照して、第4の実施形態の核燃料貯蔵ラック130について説明する。
図7では、
図1に示す構造物と同一構成部分には、同一符号を付す。
【0108】
第4の実施形態の核燃料貯蔵ラック130は、第1の実施形態で説明した核燃料貯蔵ラック21を構成する壁側ラックセル群61と収容用ラックセル群62とを別体とし、収容用ラックセル群62に対して壁側ラックセル群61を着脱する複数の着脱部材131を有すること以外は、核燃料貯蔵ラック21と同様に構成されている。
【0109】
着脱部材131は、壁側ラックセル群61と収容用ラックセル群62との間に複数設けられている。着脱部材131は、X方向及びY方向に複数(
図7の場合、一例として2つ)配列されている。
着脱部材131としては、例えば、
図4に示す連結部材30と同様な構造のものを用いることができるが、これに限定されない。着脱部材131としては、例えば、差し込み構造とされた部材を用いてもよい。
【0110】
(第5の実施形態)
図8を参照して、第5の実施形態の核燃料貯蔵設備140について説明する。
図8では、
図1に示す構造物と同一構成部分には、同一符号を付す。
【0111】
第5の実施形態の核燃料貯蔵設備140は、第1の実施形態の核燃料貯蔵設備10を構成する核燃料貯蔵ラック21〜24,26〜29に替えて、核燃料貯蔵ラック141〜144,146〜149を有するとともに、さらに、複数の放射線遮蔽部材150を備えること以外は、核燃料貯蔵設備10と同様な構成とされている。
【0112】
核燃料貯蔵ラック141は、核燃料貯蔵ラック21を構成する壁側ラックセル群61及び収容用ラックセル群62に替えて、壁側ラックセル群151及び収容用ラックセル群152を有すること以外は、核燃料貯蔵ラック21と同様に構成されている。
【0113】
壁側ラックセル群151は、壁部31,32の内側面31a,32aに沿って配置された1列のラックセル53で構成されている。壁側ラックセル群151の側面は、壁部31,32の内側面31a,32aと接触している。
【0114】
収容用ラックセル群152は、壁側ラックセル群151の内側に配置された複数のラックセル53で構成されている。収容用ラックセル群152は、収容用ラックセル群62よりも壁部31,32に近い位置に配置されている。収容用ラックセル群152を構成する複数のラックセル53には、それぞれ核燃料棒59が収容されている。
【0115】
核燃料貯蔵ラック142は、核燃料貯蔵ラック22を構成する壁側ラックセル群64及び収容用ラックセル群65に替えて、壁側ラックセル群153及び収容用ラックセル群154を有すること以外は、核燃料貯蔵ラック22と同様に構成されている。
【0116】
壁側ラックセル群153は、壁部32の内側面32aに沿って配置された1列のラックセル53で構成されている。壁側ラックセル群153の側面は、壁部32の内側面32aと接触している。
【0117】
収容用ラックセル群154は、壁側ラックセル群153の内側に配置された複数のラックセル53で構成されている。収容用ラックセル群154は、収容用ラックセル群65よりも壁部32に近い位置に配置されている。収容用ラックセル群154を構成する複数のラックセル53には、それぞれ核燃料棒59が収容されている。
【0118】
核燃料貯蔵ラック143は、核燃料貯蔵ラック23を構成する壁側ラックセル群66及び収容用ラックセル群67に替えて、壁側ラックセル群155及び収容用ラックセル群156を有すること以外は、核燃料貯蔵ラック23と同様に構成されている。
【0119】
壁側ラックセル群155は、壁部32,33の内側面32a,33aに沿って配置された1列のラックセル53で構成されている。壁側ラックセル群155の側面は、壁部32,33の内側面32a,33aと接触している。
【0120】
収容用ラックセル群156は、壁側ラックセル群155の内側に配置された複数のラックセル53で構成されている。収容用ラックセル群156は、収容用ラックセル群67よりも壁部32,33に近い位置に配置されている。収容用ラックセル群156を構成する複数のラックセル53には、それぞれ核燃料棒59が収容されている。
【0121】
核燃料貯蔵ラック144は、核燃料貯蔵ラック24を構成する壁側ラックセル群55及び収容用ラックセル群56に替えて、壁側ラックセル群158及び収容用ラックセル群159を有すること以外は、核燃料貯蔵ラック24と同様に構成されている。
【0122】
壁側ラックセル群158は、壁部31の内側面31aに沿って配置された1列のラックセル53で構成されている。壁側ラックセル群158の側面は、壁部31の内側面31aと接触している。
【0123】
収容用ラックセル群159は、壁側ラックセル群158の内側に配置された複数のラックセル53で構成されている。収容用ラックセル群159は、収容用ラックセル群56よりも壁部31に近い位置に配置されている。収容用ラックセル群159を構成する複数のラックセル53には、それぞれ核燃料棒59が収容されている。
【0124】
核燃料貯蔵ラック146は、核燃料貯蔵ラック26を構成する壁側ラックセル群72及び収容用ラックセル群73に替えて、壁側ラックセル群161及び収容用ラックセル群162を有すること以外は、核燃料貯蔵ラック26と同様に構成されている。
【0125】
壁側ラックセル群161は、壁部33の内側面33aに沿って配置された1列のラックセル53で構成されている。壁側ラックセル群161の側面は、壁部33の内側面33aと接触している。
【0126】
収容用ラックセル群162は、壁側ラックセル群161の内側に配置された複数のラックセル53で構成されている。収容用ラックセル群162は、収容用ラックセル群73よりも壁部33に近い位置に配置されている。収容用ラックセル群162を構成する複数のラックセル53には、それぞれ核燃料棒59が収容されている。
【0127】
核燃料貯蔵ラック147は、核燃料貯蔵ラック27を構成する壁側ラックセル群75及び収容用ラックセル群76に替えて、壁側ラックセル群163及び収容用ラックセル群164を有すること以外は、核燃料貯蔵ラック27と同様に構成されている。
【0128】
壁側ラックセル群163は、壁部31,34の内側面31a,34aに沿って配置された1列のラックセル53で構成されている。壁側ラックセル群163の側面は、壁部31,34の内側面31a,34aと接触している。
【0129】
収容用ラックセル群164は、壁側ラックセル群163の内側に配置された複数のラックセル53で構成されている。収容用ラックセル群164は、収容用ラックセル群76よりも壁部31,34に近い位置に配置されている。収容用ラックセル群164を構成する複数のラックセル53には、それぞれ核燃料棒59が収容されている。
【0130】
核燃料貯蔵ラック148は、核燃料貯蔵ラック28を構成する壁側ラックセル群78及び収容用ラックセル群79に替えて、壁側ラックセル群165及び収容用ラックセル群166を有すること以外は、核燃料貯蔵ラック28と同様に構成されている。
【0131】
壁側ラックセル群165は、壁部34の内側面34aに沿って配置された1列のラックセル53で構成されている。壁側ラックセル群165の側面は、壁部34の内側面34aと接触している。
【0132】
収容用ラックセル群166は、壁側ラックセル群165の内側に配置された複数のラックセル53で構成されている。収容用ラックセル群166は、収容用ラックセル群79よりも壁部34に近い位置に配置されている。収容用ラックセル群166を構成する複数のラックセル53には、それぞれ核燃料棒59が収容されている。
【0133】
核燃料貯蔵ラック149は、核燃料貯蔵ラック29を構成する壁側ラックセル群81及び収容用ラックセル群82に替えて、壁側ラックセル群167及び収容用ラックセル群168を有すること以外は、核燃料貯蔵ラック29と同様に構成されている。
【0134】
壁側ラックセル群167は、壁部33,34の内側面33a,34aに沿って配置された1列のラックセル53で構成されている。壁側ラックセル群167の側面は、壁部33,34の内側面33a,34aと接触している。
【0135】
収容用ラックセル群168は、壁側ラックセル群167の内側に配置された複数のラックセル53で構成されている。収容用ラックセル群168は、収容用ラックセル群82よりも壁部33,34に近い位置に配置されている。収容用ラックセル群168を構成する複数のラックセル53には、それぞれ核燃料棒59が収容されている。
【0136】
上記構成とされた核燃料貯蔵ラック25,141〜144,146〜149は、X方向及びY方向に配置された複数の連結部材30により連結されている。
【0137】
放射線遮蔽部材150は、壁側ラックセル群151,153,155,158,161,163,165,167を構成する各ラックセル53内に収容されている。
放射線遮蔽部材150は、核燃料棒59から放出される放射線を遮蔽する機能を有する。放射線遮蔽部材150としては、例えば、放射線を遮蔽する材料で構成された棒状の部材を用いることが可能である。放射線遮蔽部材150としては、例えば、鉛等の金属材料を用いることが可能である。
【0138】
第5の実施形態の核燃料貯蔵設備140によれば、壁側ラックセル群151,153,155,158,161,163,165,167を構成する複数のラックセル53に配置された放射線遮蔽部材150を有することで、核燃料棒59(使用済み核燃料)から放出される放射線を遮蔽することが可能となる。
【0139】
これにより、核燃料貯蔵用ピット11の壁部31〜34の内側面31a〜34aか収容用ラックセル群152,154,156,159,162,164,166,168に向かう方向に配置された壁側ラックセル群151,153,155,158,161,163,165,167を構成するラックセル53の数を少なくすることが可能となる。
つまり、収容用ラックセル群152,154,156,159,162,164,166,168を構成するラックセル53の数を増加させることが可能となる。これにより、収容用ラックセル群152,154,156,159,162,164,166,168に収容可能な使用済み核燃料棒59の数を増加させることができる。
【0140】
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明はかかる特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0141】
なお、第1〜第3の実施形態、及び第5の実施形態の核燃料貯蔵設備10,100,125,140では、一例として、連結された9つの核燃料貯蔵ラックで核燃料貯蔵ラック群20を構成した場合を例に挙げて説明したが、核燃料貯蔵ラック群20を構成する核燃料貯蔵ラックの数は、核燃料貯蔵ラックの外形の大きさや核燃料貯蔵用ピット11の大きさに応じて適宜設定することが可能であり、9つに限定されない。