(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ラジアータパイン、スラッシュパイン、サザンパイン、ロッジポールパイン、スプルースおよびダグラスファーから選択された針葉樹晒クラフトパルプに基づいたパルプ繊維、再生繊維および複合合成繊維を含む組合せウエブと、スパンボンド法で得たスパンボンドウエブとを積層して一体に形成してある不織布ワイパーであって、
前記組合せウエブにおける前記各繊維の含有比率は、前記パルプ繊維50〜85重量%、前記再生繊維10〜30重量%、前記複合合成繊維5〜20重量%であり、
前記組合せウエブは、前記パルプ繊維、再生繊維および複合合成繊維が均一に混合され一体化されている混合ウエブとして形成されおり、
前記再生繊維はレーヨン、キュプラ、リヨセルおよびポリノジックよりなる群から選択される、少なくとも1つの繊維であって、繊維長が20mm以下であり、
前記複合合成繊維は、溶融温度が異なる少なくとも2種の合成樹脂を用いて形成されており、繊維長が20mm以下であり、
前記2種の合成樹脂が、ポリエステル類、ポリアミド類およびポリオレフィン類から選択されたホモポリマー、コポリマ−、グラフト変性体あるいはこれらのポリマーアロイである、融点が相対的に高い第1の合成樹脂と、プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体およびエチレン−アクリル酸メチル共重合体から選択された、融点が相対的に低い第2の合成樹脂である、ことを特徴とする不織布ワイパー。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態について説明する。本発明に係る不織布ワイパーは、パルプ繊維、再生繊維および複合合成繊維を含んで構成されている組合せウエブと、スパンボンド法で得たスパンボンドウエブとを積層して一体形成した複合型の構造を有するものである。
【0014】
パルプ繊維は吸水性(吸液性)に富むので、清拭性に優れる。しかし、パルプ繊維はセルロースが水素結合した構造であるので、固く、風合に乏しいウエブを形成し易い。この不足点を補うように追加されている繊維が、上記再生繊維と複合合成繊維とである。
そして、再生繊維は、パルプ繊維よりも繊維長が揃っており、長繊維の割合が高いため不織布ワイパーの強度安定化に寄与する。また、親水性であることから吸水性の改善にも寄与する。その一方で、パルプ繊維よりも高価であるので、コスト面からは配合量は抑えることが望ましい。
また、複合合成繊維は、パルプ繊維と水素結合を形成しないので、嵩高性や風合の改善に寄与する。しかし、複合合成繊維が多過ぎると、不織布ワイパーの親水性が低下させることが懸念される。
【0015】
以上の点を総合的に勘案して、本発明の不織布ワイパーが有する組合せウエブでは、パルプ繊維50〜85重量%、再生繊維10〜30重量%、複合合成繊維5〜20重量%の比率とされている。
そして、前記スパンボンドウエブと前記組合せウエブとの重量比は2:8〜5:5とするのが好ましい。そして、前記不織布ワイパーの坪量は好ましくは20〜90g/m
2、より好ましくは30〜90g/m
2とする。
上記のように特定することで、繊維がそれぞれの機能を発揮するので、清拭性に優れ、風合と嵩高性が改善された不織布ワイパーを製造できる。そして、コストの面から見ても、不織布ワイパーを効率良く製造できる。
【0016】
上記パルプ繊維としては、ラジアータパイン、スラッシュパイン、サザンパイン、ロッジポールパイン、スプルースおよびダグラスファーから選択された針葉樹晒クラフトパルプなどを採用するこができる。
また、上記再生繊維としては、レーヨン、キュプラ、リヨセルおよびポリノジックよりなる群から選択するのが好ましい。複数の再生繊維を組合せて使用してもよい。
【0017】
さらに、上記複合合成繊維は、溶融温度が異なる少なくとも2種の合成樹脂を用いて形成するのが好ましい。このような複合合成繊維は、例えば公知の芯鞘構造に設計した複合型の熱融着性繊維とすることができる。ここでは、芯部を構成する融点が相対的に高い第1の合成樹脂として、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル類、ナイロン6、ナイロン6,6等のポリアミド類、ポリメチルペンテン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレンビニルアルコール共重合体等のポリオレフィン類のホモポリマー、コポリマ−、グラフト変性体あるいはこれらのポリマーアロイなどの熱可塑性樹脂を用いることができる。
そして、鞘部を構成する融点が相対的に低い第2の合成樹脂として、例えばポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン−1−プロピレン三元共重合体等のプロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体などの熱可塑性樹脂を用いることができる。
また、上記複合合成繊維は、芯鞘構造に限らず、所謂、サイド−バイ−サイド構造などであってもよい。
【0018】
なお、上記スパンボンドウエブは、ポリプロピレン(PP)やポリエチレンテレフタレート(PET)等の合成樹脂を公知のスパンボンド法により製造したウエブである。スパンボンドウエブは、所定の剛性や強度を備えており、不織布ワイパーの形状維持の機能等を果たしている。
【0019】
ところで、本発明の不織布ワイパーに含まれる上記「組合せウエブ」は、上記パルプ繊維、再生繊維および複合合成繊維が均一に混合され一体化されている「混合ウエブ」の形態とすることができる。
また、上記「組合せウエブ」は、上記パルプ繊維によるパルプ繊維層と、上記再生繊維および複合合成繊維による組合せ繊維層がパルプ繊維層上に積層してある「積層ウエブ」の形態とすることができる。積層ウエブについては、後において詳述する。
【0020】
以下では、組合せウエブを混合ウエブとして構成した場合の実施形態例について先ず説明する。
混合ウエブは、上記3種類の繊維、パルプ繊維、再生繊維および複合合成繊維が均一に混合され、一体化されている。このような混合ウエブは、後述するように、好適にはエアレイド装置を用いて製造することができる。
【0021】
ここで使用する再生繊維は例えばレーヨンであり、その繊維長は20mm以下の短繊維とするのが好ましい。エアレイド装置を用いて効率良く繊維を混合し、更にその下流で水流交絡処理を受けたときに繊維同士の確実な交絡を実現するという観点から、再生繊維の繊維長は20mm以下とするのが好ましい。繊維長は5mm以下とするのがより好ましい。
【0022】
上記複合合成繊維は、例えばポリエチレン(PE)とポリプロピレン(PP)とによる芯鞘構造の繊維とすることができる。混合ウエブで採用する複合合成繊維についても繊維長は20mm以下とするのが好ましい。複合合成繊維の繊維長が20mmを超えると、エアレイド装置を用いて混合した際に、均一混合に支障が出るおそれがある。
【0023】
以下、
図1に例示した好適な製造装置を用いて、スパンボンドウエブ上に混合ウエブ(組合せウエブ)を有する、本発明の不織布ワイパーを製造する方法について説明する。
【0024】
図1に示す不織布ワイパーの製造装置1は、上流側にエアレイド装置2、スパンボンドウエブ供給装置3、そしてサクション装置4が配設されている。サクション装置4はエアレイド装置2の下側に対向するように配置されている。
搬送方向TDで、これらの装置2、3、4より下流には、上流側から順に、水流交絡処理を行うための水流噴射(ウオータジェット)装置5、乾燥装置6が配置されている。上記乾燥装置6の下流には連続して製造される不織布ワイパーCWebを巻き取るための巻取装置7が更に設けてある。
【0025】
上記エアレイド装置2は、繊維同士が密集しシート状となっている原料パルプRPをパルプ繊維に解繊する解繊機21や、図示しない送風機を備えて解繊されたパルプ繊維PFをエアレイドホッパ23へと搬送するダクト22を有している。
そして、ダクト22の途中には、解繊されたパルプ繊維PFの流れに合流させるように、解繊状態にある再生繊維RFを投入するための再生繊維投入ダクト25、及び解繊状態にある複合合成繊維CSFを投入するための複合合成繊維投入ダクト26が、付加配備されている。
なお、ここでは図示しないセンサや計測器等により、上記パルプ繊維PF、再生繊維RFおよび複合合成繊維CSFの配合割合(重量%)を、任意に調整できるようになっている。
【0026】
また、上記ダクト22よりも下流側にはエアレイドホッパ23が配置されている。このエアレイドホッパ23の内部では、解繊状態にある上記3種類の繊維が分散しながら降下し、下面に設定した積層位置24に徐々に積み上がるように設計してある。これにより、パルプ繊維PF、再生繊維RFおよび複合合成繊維CSFが均一に混合された状態にある混合ウエブMWが形成される(組合せウエブ形成工程)。
上記積層位置24の下側にはサクション装置4が対向配備してある。より詳細には、サクション装置4は装置本体41の上面にサクション部42を有しており、サクション部42が上記混合ウエブMWに吸引力(負圧)を作用させるべく積層位置24に対して設定してある。
【0027】
また、サクション装置4の周囲にはウエブ搬送用の搬送ワイヤ43が配設してある。搬送ワイヤ43は、積層位置24において混合ウエブMWが載置可能で、これを下流側に搬送するように配置されている。ただし、混合ウエブMWは直接、搬送ワイヤ43上に載置されない。これについては、後述の説明で明らかとなる。
搬送ワイヤ43はサクション部42の吸引力が、反対側(上側)に及ぶような目開き形態(メッシュ)で形成されている。
【0028】
上記エアレイド装置2の下側で、サクション装置4よりも上流側に、スパンボンドウエブ供給装置3が配置してある。このスパンボンドウエブ供給装置3には、予め準備されたスパンボンドウエブSWがロール状とされてセットされている。スパンボンドウエブ供給装置3からスパンボンドウエブSWが引出され、上述した搬送ワイヤ43に乗って上記積層位置24へと搬送されるようになっている。スパンボンドウエブSWとしては、スパンボンド法により形成された合成樹脂の連続フィラメントのウエブを用いるのが好ましい。
【0029】
積層位置24に位置した、スパンボンドウエブSWの上に、前述した混合ウエブMWが載置される(積層工程)。その際に、積層位置24ではサクション装置4のサクション部42による吸引力が搬送ワイヤ43を通過し、その上のスパンボンドウエブSWおよび混合ウエブMWに作用する。よって、スパンボンドウエブSWと混合ウエブMWとが積層された状態となっている予備的積層体PWebが下流側へと搬送される。
【0030】
上記した予備的積層体PWebは、サクション装置4の吸引力によって、吸引圧縮されたことにより積層状態が維持されている。このとき上側の混合ウエブMWは3種類の繊維が密にされた状態ではある。しかし、このまま予備的積層体PWebを下流側の水流噴射装置5内に搬送投入すると、水流(ウオータジェット)によってパルプ繊維PFの一部が舞い上がるおそれがある。
そこで、本製造装置1では、予備的積層体PWebを上下から挟んでスパンボンドウエブSW上での混合ウエブMWの載置状態を安定化させる為の挟持ローラ28、そして水流噴射装置5の上流側にパルプ繊維PFに飛散防止用に水分を付与するプレウエット装置30が配備してある。プレウエット装置30は、好適には、予備的積層体PWebの上方からウオータミストを吹き付ける噴霧ノズル31と予備的積層体PWebの下側(すなわち、スパンボンドウエブSWの下面)から吸引力を印加するサクション装置32とを含んで構成されている。
【0031】
水流噴射装置5は、前処理部28、30の処理を受けた予備的積層体PWebに高圧のウオータジェットを吹き付けることによりパルプ繊維同士の交絡を促進する。これにより上側に位置する混合ウエブMW層と下側に位置するスパンボンドウエブSW層との一体化が促進される(交絡処理工程)。
図1で例示的に示している水流噴射装置5は、搬送方向TDに沿って多段(
図1では例示しているのは4段)に水流噴射ノズル51が配置されている。第1段目の水流噴射ノズルを低圧で吹き付ける事により、上述したプレウエット装置30の代用としてもよい。
図1では、搬送方向TDに対して直角な方向(装置1の幅方向)におけるノズルの様子は図示していないが、幅方向においても複数の水流噴射ノズルが配置してある。
【0032】
上記水流交絡処理をする際の水圧は、混合ウエブMWとスパンボンドウエブSWの坪量を勘案して設定するのが望ましい。例えば、1〜30MPaの範囲において選択するのが好ましい。
【0033】
そして、上記水流噴射ノズル51と対向するように、サクション装置52が配設してある。水流噴射ノズル51から出る高圧のウオータジェットを上側に位置しているパルプウエブに吹き付けつつ、下側に位置しているスパンボンドウエブSWの下側にサクション装置52の吸引力を作用させる。水流噴射ノズル51とサクション装置52との協働作用によって、混合ウエブMW側の繊維が下側のスパンボンドウエブSWに入り込んだ状態や、スパンボンドウエブSWを貫通して反対側にまで至った状態などが形成されると推定される。その作用により2つの層の一体化が促進される。
【0034】
水流噴射装置5にも、搬送ワイヤ55が配設してある。搬送ワイヤ55は前処理部28、30の下流で予備的積層体PWebを受けて、水流噴射装置5内へと搬送する。搬送ワイヤ55は水流噴射装置5の水流噴射ノズル51とサクション装置52との間を、上流側から下流に向かって通過するように配設されている。
よって、搬送ワイヤ55上を搬送される予備的積層体PWebは、搬送方向TDで下流に向かう程に、より多くの水流交絡処理を受けることになり、水流噴射装置5を出るときには上側の混合ウエブMW層と下側のスパンボンドウエブSW層との十分な交絡処理が実現される。
水流噴射装置5を出た直後にあっては、ウエブはウエット状態であり、乾燥前にあってはパルプ繊維同士などの結合は十分に確立されてはいない。
【0035】
そこで、
図1で示すように、水流噴射装置5の下流側には積層体の乾燥を行って、不織布ワイパーの製造を完了するための乾燥装置6が配備してある。ここで採用される乾燥装置6は非圧縮型のドライヤである、好適にエアスルードライヤを採用することができる。
図1で、エアスルードライヤの回転可能なドライヤ本体61は筒状体であり、その周表面には多数の貫通孔が設けてあり、図示しない熱源で加熱された熱風がドライヤ本体71の外周から中心部側に向かって吸い込む構成である。
なお、上記のように不織布ワイパーのウエブが加熱されると、前述した複合合成繊維の内で低融点となっている繊維の少なくとも一部が熱融着するように作用するので、不織布ワイパーの強度向上に寄与することになる。
このように連続的に製造される複合型の不織布ワイパーCWebは巻取装置7のローラ71に巻取られて一連の工程が完了する。
【0036】
上記のように製造される不織布ワイパーは、スパンボンドウエブ上にパルプ繊維だけによるウエブを採用した場合の不都合を改善できる組合せウエブを有しているので、清拭性を備え、更に風合と嵩高性が改善されて対人用にも優れた不織布ワイパーとなる。
【0037】
(実施例)
以下、更に、上記のように製造される混合ウエブを備えている本発明の不織布ワイパーの実施例について説明する。
混合ウエブに用いて繊維は以下の通りである。
パルプ繊維 材種:サザンパイン 繊維長:2.5mm
再生繊維 組成:レーヨン 繊維長:5mm
複合合成繊維 組成:ポリエチレン(PE)/ポリプロピレン(PP)
繊維太さ:2.2dtex 繊維長:5mm
【0038】
図1に示した製造装置を用いて、下記表1に示す実施例、比較例の不織布ワイパーを前述のように製造して、厚み(mm)、風合い(官能評価)、引張試験に基づく強度、吸水性を求めて総合判断をした。
以下の条件で評価した。
不織布ワイパーの測定方法は以下の通りである。
・厚み: ピーコック紙厚計にて、37.85g/cm
2加重下で測定した。
・風合い:8人によるモニター調査を行った。
4段階[◎特に良好、○良好、△:同等、×劣る]で評価した。
・強度:JISP8113に基づく乾燥時の引張強さとして測定した。
・吸水性:JIS S 3104に規定された吸水速度試験に準拠し、滴下水量を0.5mLに変更し、水滴が試験片の表面に達したときから、試験片の鏡面反射が消えるまでの時間(秒)を測定し、評価した。ここでは、2秒以下の場合に十分な吸水性を備えているとして○、2秒を超える場合は×とした。
なお、下の表1の最上段は混合ウエブの組成を重量(%)で示している。不織布ワイパー(全体)の坪量からスパンボンドの坪量を引き算することで、混合ウエブの坪量が得られる。
【0040】
以上で説明した不織布ワイパーは、組合せウエブとして、エアレイド装置で製造される混合ウエブを採用した場合を説明したが、これに限らない。カード装置を用いて製造される積層ウエブを、前記組合せウエブとして採用してもよい。
前述した積層ウエブは、パルプ繊維によるパルプ繊維層と、カード装置を用いて製造される再生繊維および複合合成繊維による組合せ繊維層とを、積層した形態として構成されている。
そして、上記の組合せ繊維層は、再生繊維と複合合成繊維とを混合してカード処理して得る混合繊維層、1層のウエブ形態としてもよいし、再生繊維と複合合成繊維とを個別にカード処理して再生繊維層と複合合成繊維層とによる2層のウエブ形態としてもよい。
そして、前記パルプ繊維層は予め準備したパルプ繊維シート(ウエブ)或いは前述したようにエアレイド装置により形成されるウエブを採用することができる。
また、上記積層ウエブはパルプ繊維層が下側となってスパンボンドウエブ上に積層される形態とするのが好ましい。
【0041】
具体的には、カード装置として、従来から紡績工程で使用されていた公知のカード機(繊維綿を解繊し、繊維方向を揃える装置)を使用して、上記再生繊維と複合合成繊維とを混綿させて、前者の混合繊維層が1層のウエブを得ることができる。
また、後者の組合せ繊維層を2層とする場合には、2台のカード装置を準備して再生繊維層のウエブと複合合成繊維層のウエブとを個別に形成する。
上記のようなカード装置を、
図1のエアレイド装置の下流側に追加配備することで、組合せウエブとして積層ウエブを有する不織布ワイパーを製造することができる。
後者の積層ウエブの場合、パルプ繊維層を含めて3層となるので、製造設備が複雑化する。よって、前者の形態の積層ウエブを採用するのが好ましい。
【0042】
上記積層ウエブでは、前述した混合ウエブの場合と比較して、繊維長が相対的に長いものを採用するのが好ましく、再生繊維そして複合合成繊維については、繊維長が21mm〜61mmとするのが好ましい。このように積層ウエブに含まれる再生繊維および複合合成繊維の繊維長は、前述した混合ウエブの場合よりも長いので強度が向上する。よって、積層ウエブを採用した不織布ワイパーは相対的に強度の高いワイパーとして提供することができる。
【0043】
以上で説明した本発明に係る不織布ワイパーは、スパンボンドウエブ上に配置された組合せウエブがパルプ繊維以外に、レーヨン繊維等の再生繊維および複合合成繊維を含んで構成されている。再生繊維は親水性を備えると共に、繊維長がパルプ繊維よりも長く、繊維長さが揃っているので親水性改善および補強の両面から不織布ワイパーの機能を改善する。そして、複合合成繊維はセルロース繊維と水素結合を形成しないので、嵩高性や風合いの改善に寄与する。
よって、本発明に係る不織布ワイパーでは、清拭性だけでなく、風合や嵩高性にも優れて、より汎用性の高い不織布ワイパーなる。
そして、本発明の不織布ワイパーに含まれる、上記組合せウエブはエアレイド装置やカード装置を用いて製造することができる。
【0044】
以上で実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施することができることは言うまでもない。