特許第6985103号(P6985103)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6985103
(24)【登録日】2021年11月29日
(45)【発行日】2021年12月22日
(54)【発明の名称】バスバーモジュール
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/507 20210101AFI20211213BHJP
   H01M 50/55 20210101ALI20211213BHJP
   H01M 50/51 20210101ALI20211213BHJP
   H01M 50/209 20210101ALI20211213BHJP
   H01M 50/211 20210101ALN20211213BHJP
【FI】
   H01M50/507
   H01M50/55 101
   H01M50/51
   H01M50/209
   !H01M50/55 301
   !H01M50/211
【請求項の数】2
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-211036(P2017-211036)
(22)【出願日】2017年10月31日
(65)【公開番号】特開2019-83166(P2019-83166A)
(43)【公開日】2019年5月30日
【審査請求日】2020年8月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】507357232
【氏名又は名称】株式会社エンビジョンAESCジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(74)【代理人】
【識別番号】100066980
【弁理士】
【氏名又は名称】森 哲也
(72)【発明者】
【氏名】山崎 泰央
【審査官】 井原 純
(56)【参考文献】
【文献】 特開2017−199534(JP,A)
【文献】 特開2013−054997(JP,A)
【文献】 特開2012−252781(JP,A)
【文献】 国際公開第2017/047382(WO,A1)
【文献】 特開2013−033710(JP,A)
【文献】 特開2017−120711(JP,A)
【文献】 特開2013−157125(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0357620(US,A1)
【文献】 韓国公開特許第2018−0059987(KR,A)
【文献】 米国特許出願公開第2016/0248062(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/50−50/598
H01M 50/20−298
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
正極および負極の一対の電極端子を有する複数の電池体から構成されるバッテリスタックに取り付けられるバスバーモジュールであって、
隣り合う電池体相互の前記電極端子を接続するバスバーを保持するバスバー保持部を含むモジュール本体を備え、
前記モジュール本体は、前記複数の電池体の並び方向に連結される複数の単位モジュールによって構成され、
前記並び方向で隣接する二つの単位モジュールには、前記並び方向とは直交する方向での一端側は、当該隣接する二つの単位モジュール相互を前記バスバーで繋ぐように前記バスバー保持部に前記バスバーが配置されるとともに、当該バスバー保持部が設けられる側とは反対の他端は前記バスバーでは繋がれていない非導通部とされ、該非導通部にあっては前記電極端子よりも外側の端部に、当該隣接する二つの単位モジュール相互を係合する係合部が設けられており、
前記モジュール本体の両端部に位置する二個の端部モジュールと、前記二個の端部モジュール間に位置する中間モジュールと、を有し、
前記二個の端部モジュールは、同一構成の単位モジュールからなり、一方の端部モジュールと他方の端部モジュールとは、平面視において相対的に180度回転された状態において、対応する中間モジュールに連結されていることを特徴とするバスバーモジュール。
【請求項2】
前記複数の単位モジュールは、前記係合部が、前記非導通部での前記電極端子よりも外側の端部間に限って設けられるとともに、
前記バスバーに形成された嵌合用凹部と、前記モジュール本体の側に形成された嵌合用凸部とが、相互に嵌合するように形成され、
前記モジュール本体の連結状態は、前記バスバー保持部に装着された前記バスバーと前記係合部との協働により保持される請求項1に記載のバスバーモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の電池体を有するバッテリスタックに用いられるバスバーモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のバスバーモジュールは、隣り合う電池体の電極端子を相互に接続するバスバーを保持するモジュール本体を有する。モジュール本体として、例えば、特許文献1に記載のものが知られている。同文献には、複数の電池体に対応するために、複数の単位モジュールを連結してモジュール本体を構成する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−54995号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来技術のように、複数の単位モジュールを連結してモジュール本体を構成する場合、通常、両端部の単位モジュールには、バッテリスタックからの電源取り出し用の端子が設けられること等に起因して、種類の異なる複数の単位モジュールを用意する必要がある。そのため、単位モジュールの種類が増加すると、その製造コストが増加するという問題が生じる。また、単位モジュールの連結数が増加すると、組み付け作業性が低下するという問題が生じる。
そこで、本発明は、このような問題点に着目してなされたものであって、複数の単位モジュールを連結して構成されるモジュール本体を有するバスバーモジュールにおいて、単位モジュールの種類を低減するとともに、組み付け作業性の低下を抑制し得るバスバーモジュールを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係るバスバーモジュールは、正極および負極の一対の電極端子を有する複数の電池体から構成されるバッテリスタックに取り付けられるバスバーモジュールであって、隣り合う電池体相互の前記電極端子を接続するバスバーを保持するバスバー保持部を含むモジュール本体を備え、前記モジュール本体は、前記複数の電池体の並び方向に連結される複数の単位モジュールによって構成され、前記並び方向で隣接する単位モジュールには、当該隣接する単位モジュール相互を繋ぐように前記バスバー保持部に前記バスバーが配置されるとともに、当該バスバーが配置される側とは反対側の端部に、当該隣接する単位モジュール相互を係合する係合部が設けられており、前記モジュール本体の両端部に位置する二個の端部モジュールと、前記二個の端部モジュール間に位置する中間モジュールと、を有し、前記二個の端部モジュールは、同一構成の単位モジュールからなり、一方の端部モジュールと他方の端部モジュールとは、平面視において相対的に180度回転された状態において、対応する中間モジュールに連結されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明の一態様に係るバスバーモジュールによれば、二個の端部モジュールは、同一構成の単位モジュールからなり、一方の端部モジュールと他方の端部モジュールとは、平面視において相対的に180度回転された状態において、対応する中間モジュールに連結されている。すなわち、端部モジュールは一種類の単位モジュールによって構成される。そのため、モジュール本体が複数の単位モジュールを連結して構成される場合において、単位モジュールの種類を低減できる。
さらに、複数の単位モジュールは、並び方向で隣接する単位モジュールに、当該隣接する単位モジュール相互を繋ぐようにバスバー保持部にバスバーが配置されるとともに、当該バスバーが配置される側とは反対側の端部に、当該隣接する単位モジュール相互を係合する係合部が設けられているため、複数の単位モジュール相互の連結姿勢を安定させることができる。よって、単位モジュールの連結数が増加しても、組み付け作業性の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の一態様に係るバスバーモジュールが装着されたバッテリスタックの一実施形態を説明する模式的斜視図である。
図2図1のバッテリスタックの模式的回路図であり、同図(a)はバッテリスタック全体、(b)はバッテリスタックを構成する一の電池モジュールの模式的回路を示している。
図3図1のバッテリスタックに装着されたバスバーモジュールの一実施形態を説明する模式的平面図であり、同図は、図1のバッテリスタックからバスバー用のカバーを外した状態を示している。
図4図1のバスバーモジュールを構成するモジュール本体の一実施形態を説明する模式的正面図である。
図5図4におけるモジュール本体の要部を示す模式的平面図であり、同図(a)はモジュール本体を構成する単位モジュール相互を連結した状態を示し、同図(b)はモジュール本体を構成する単位モジュール相互を離隔した状態を示している。
図6図3におけるバスバーモジュールの要部を示す模式的平面図である。
図7】比較例を説明する図であり、同図は、隣接する単位モジュール相互を係合する係合部を設けない例を示している。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の一実施形態について、図面を適宜参照しつつ説明する。本実施形態では、電気自動車の車載電源装置を構成するバッテリスタックの例を説明する。つまり、本実施形態のバッテリスタックは、車載電源装置として用いられ、車両のシステム側の要求に応じ、モータジェネレータに対しインバータを介して三相交流電力に変換される直流電力を供給する。
【0009】
また、本実施形態のバッテリスタックは、車両のシステム側の判断に応じ、充電が必要な時などに、ジェネレータが発生させた三相交流電力がインバータを介して変換された直流電力を蓄電する。但し、電気自動車は、内燃機関であるエンジンと電動機とを車両の駆動源するハイブリッド電気自動車、および、電動機を車両の唯一の駆動源とする純正電気自動車を含む。
なお、各図面は模式的なものである。そのため、厚みと平面寸法との関係、比率等は現実のものとは異なることに留意すべきであり、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている。また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記の実施形態に特定するものではない。
【0010】
図1に示すように、本実施形態のバッテリスタック1は、同一形状に形成された複数の電池モジュール20を備えたリチウムイオンバッテリ装置として構成される。バッテリスタック1には、同図での上面にバスバーモジュール10が装着される。バスバーモジュール10は、着脱可能なバスバー用のカバー15で全体が覆われる。各電池モジュール20は、扁平な直方体形状のケース21を備える。ケース21内には、扁平形状のリチウムイオン二次電池である複数の電池セル22(図2(b)参照)が収納されている。
【0011】
複数の電池モジュール20は、隣接する電池モジュール20相互のケース側面が接触もしくは僅かな間隙を隔ててバスバーモジュール10の長手方向Lに併設され多段で重なっている。各電池モジュール20の長手方向(同図の上下方向)は、バスバーモジュール10の厚さ方向とされ、各電池モジュール20の長手方向の一方に形成された装着面2(図3に示す、正極端子3と負極端子5とが突出している面2)が面一になっている。バスバーモジュール10は、正極端子3および負極端子5を覆うように装着面2に装着される。これにより、各電池モジュール20は、バスバーモジュール10を用いて直列に接続される。
【0012】
図2(a)に示すように、このバッテリスタック1は、高電位側のスタック1Lと低電位側のスタック1Rとを有する。左右のスタック1L、1Rの正極端子Pおよび負極端子Nは、不図示のケーブルを介して外部負荷(例えばインバータの外部端子)と電気的に接続される。左右のスタック1L、1Rの間には、SDスイッチ(サービスディスコネクトスイッチ)6が設けられる。SDスイッチ6は、バッテリスタック1の保守、点検の時の安全性を確保するための安全装置であり、スイッチとヒューズとを電気的に直列に接続した電気回路から構成される。
【0013】
各電池モジュール20には、図2(b)に示すように、複数の電池セル22がケース21に内蔵されている。各電池セル22は、リチウムを吸蔵・放出する活物質を含む正極と負極とがセパレータを介して積層されてなる発電要素を有する。各電池セル22は、この発電要素が、電解液とともに絶縁性の外装体に収容されてなる積層電池である。各電池モジュール20は、複数の電池セル22を直列または並列、または直列と並列とを組み合わせて連結して構成される。ここで、外装体は、例えば、2枚のラミネートフィルムの周囲を熱封止したものでもよい。
【0014】
この例では、各電池モジュール20に内蔵された複数の電池セル22は、同図に示すように、並列接続された二組の電池セル22がさらに直列に接続されて構成されている。各電池モジュール20は、ハーネス等の接続線を介して不図示の電池制御装置と電気的に接続される。電池制御装置は、バッテリスタック1の状態の管理及び制御に係る処理を実行する。電池制御装置が実行する処理としては、バッテリスタック1の電圧及び電流の計測、バッテリスタック1の蓄電状態(SOC: State Of Charge)及び劣化状態(SOH: State Of Health)などの演算、並びに、各電池モジュール20の温度の計測、各電池セルの電圧の計測および各電池セルの蓄電量の調整処理などが実行される。
【0015】
各電池モジュール20には、所定に接続された複数の電池セル22の最高電位を外部に導出するための正極端子3と、最低電位を外部に導出するための負極端子5とがケース21の外部に露出して設けられる。また、本実施形態では、各電池モジュール20の中央に、途中電位を取り出す中間端子4が設けられている。これにより、各電池モジュール20には、その長手方向の一方の装着面2から、正極端子3および負極端子5並びに中間端子4が突設状態で配置される。バッテリスタック1は、各電池モジュール20の端子側から見ると、各電池モジュール20のそれぞれの正極端子3と負極端子5とが交互にならんでいる。
【0016】
各電池モジュール20は、図3に示すように、バスバーモジュール10によって全て直列に接続される。本実施形態の例では、高電位側のスタック1Lと低電位側のスタック1Rとが、各スタックの端子部分を覆うように、二つのバスバーモジュール10によってそれぞれ直列に接続される。なお、この例では、左右のスタック1L、1Rのバスバーモジュール10毎に、着脱可能なカバー15が装着されている。
各バスバーモジュール10は、絶縁性材料(たとえば絶縁性の合成樹脂)で形成されたモジュール本体11を備える。同図に示すように、モジュール本体11には、複数のバスバー12が所定のバスバー保持部に一体的に嵌め込まれている。バスバー12は、矩形状をなす平板状の金属部材である。各バスバー12は、バスバーモジュール10がバッテリスタック1に装着されたときに、各電池モジュール20相互の隣接する端子3、5それぞれに接続され、各電池モジュール20を効率良く一体的に直列接続可能になっている。
【0017】
ここで、本実施形態のモジュール本体11は、バッテリスタック1を構成する各電池モジュール20それぞれに対応する複数の単位モジュール11A、11Bから構成されている。複数の単位モジュール11Bは、相互に隣接する単位モジュールの一方を、上記装着面2に沿って180°回転させた姿勢であっても相互に着脱可能な分割構造を有する。
詳しくは、図4に示すように、左右のスタック1L、1Rは、各スタックが計5個の単位モジュールの組から構成され、スタック1全体として、計10個の単位モジュールから構成されている。本実施形態では、左右のスタック1L、1Rの両側は、上記正極端子Pおよび負極端子Nを導出用の第一の単位モジュール11Aが用いられている。また、他の部分には、隣接する単位モジュール11A、11B相互に対して装着面2に沿って180°回転させた姿勢で組み付け可能な係合構造を有する第二の単位モジュール11Bが用いられている。
【0018】
なお、同図において、単位モジュール11Aにおいては、基準姿勢を符号11A1とし、装着面2に沿って180°回転させた姿勢を符号11A2として示している。同様に、単位モジュール11Bにおいては、基準姿勢を符号11B1とし、装着面2に沿って180°回転させた姿勢を符号11B2として示している。
ここで、このバスバーモジュール本体10には、図5に、高電位側のスタック1Lに装着される部分の平面図を示すように、センサ装着可能領域(温度センサ設置部)13と、ハーネス格納領域14とが射出成形等によってそれぞれ一体形成されている。ハーネス格納領域14は、電池モジュール20の電圧検出用電線(不図示)の配索路を兼ねており、バスバーモジュール10にその長手方向Lに沿って横断面が略矩形状の凹溝に形成される。
【0019】
同図において、各単位モジュールの外周形状を「細い実線」で示すとともに、射出成形等で一体形成された壁面部(高さがある部分)を「太い実線」で示している。また、「細い実線」で示す各単位モジュール毎の3つの円は、それぞれ上記正極端子3または負極端子5に対向する位置に形成された二つの貫通穴Thと、中央の中間端子4に対向する位置に形成された貫通穴4hとを示し、壁面部および貫通穴が形成された部分以外は、床面部を示している。なお、低電位側のスタック1Rについては、高電位側のスタック1Lと左右方向で反転した形状なので、図示を省略する。
【0020】
センサ装着可能領域13には、例えば図6に二点鎖線でイメージを示すように、仕様に応じた位置に、電池モジュール20の温度を検出する温度センサが格納される。本実施形態の温度センサはサーミスタ30である。サーミスタ30のハーネス32側のセンサ本体部31の端部が、ハーネス格納領域14に連続するように形成される。
装着されたサーミスタ30は、一端の装着部33が中間端子4に接続されるとともに、他端から導出されるハーネス32がハーネス格納領域14を経て不図示の電池制御装置に接続される。なお、図3に示す例では、バッテリスタック1を構成する全ての電池モジュール20に対してサーミスタ30が装着されている例を示しているが、サーミスタ30の数や装着位置等は仕様に応じて適宜装着される。
【0021】
各サーミスタ30は、ハーネス32を介して、バッテリスタック1を監視する電池制御装置(不図示)に内蔵された不図示の温度検出回路に接続される。電池制御装置は、電池モジュール20の温度をサーミスタ30により随時に監視する。電池制御装置は、サーミスタ30の検出値から、最高温度、最低温度、平均温度等を計算して各電池モジュール20の状態を監視し、その管理及び制御を行うとともに、上位制御装置にバッテリスタック1の状態や許容充放電電力などの充放電制御情報を通知する。
【0022】
本実施形態のバスバーモジュール10は、電池モジュール20が、正負の両端子3,5間の位置に当該電池モジュール20の途中電位を取り出す中間端子4を有し、サーミスタ30が、一端の装着部33が中間端子4に接続されるとともに他端から導出されるハーネス32が電池制御装置に接続されるので、本実施形態のバスバーモジュール10によれば、各電池モジュール20の中間端子4が、電池モジュール20に格納された複数の電池セル22の途中電位が接続された端子であることから、サーミスタ30による温度の検出精度が向上する。
【0023】
ここで、本実施形態のモジュール本体11には、図3に符号Kを付して示す係合部形成位置に限って、隣接する単位モジュール11A、11B相互を係合する係合部16が形成されている。なお、同図および図6では係合部16のイメージを「=」にて図示している。
詳しくは、図5に示すように、この係合部16は、その係合部形成位置Kが、平面視において、隣接する単位モジュール11A、11B相互のバスバー保持部に各バスバー12が配置される側とは反対側の端部に限って設けられている。本実施形態では、各係合部16は、隣接する単位モジュール11A、11B相互の一方に設けられた係合凸部17と、隣接する単位モジュール11A、11B相互の他方に設けられた係合凹部18と、の組から構成されている。
【0024】
本実施形態では、係合凸部17は、先端に傾斜面を有する鉤爪状に形成され、係合凹部18は、係合凸部17の鉤爪と係合可能な凹の段部を有する。これにより、係合凸部17の鉤爪を係合凹部18の凹の段部に差し込む際には、鉤爪の斜面に沿って円滑に嵌め込み可能とされ、嵌め込み後には、鉤爪形状が凹の段部に引っ掛かることにより不意の脱落が防止されている。なお、係合凸部17と係合凹部18とは、バスバーモジュール10の長手方向Lにて、僅かに移動可能な程度の間隙を隔てた嵌合状態とされ、これにより、組み付け時の累積誤差を吸収して、組み付け作業性の低下をより良く抑制可能になっている。
【0025】
さらに、本実施形態では、バスバー12には、図3に示すように、各端子3、5の上下の位置それぞれに、矩形溝状に形成された嵌合用凹部12dが計4箇所に設けられている。一方、図5に黒い太線で示すように、モジュール本体11の側には、各バスバー12が装着されるバスバー保持部において、嵌合用凹部12dのそれぞれに対向する位置に、矩形凸状に形成された嵌合用凸部11tが、嵌合用凹部12dに嵌合するように形成されている。
これにより、本実施形態によれば、バスバー12が所定のバスバー保持部に一体的に嵌め込まれたときに、隣接する単位モジュール相互をより確実に繋ぐことができる。そのため、モジュール本体11に対する各バスバー12の装着状態が安定するとともに、複数のバスバー12によって連結状態とされたモジュール本体11の連結姿勢がより安定するようになっている。
【0026】
次に、上述のバスバーモジュール10を装着したバッテリスタック1の作用効果について説明する。
本実施形態のバスバーモジュール10によれば、モジュール本体11の両端部に位置する二個の端部モジュール11Aと、二個の端部モジュール11A間に位置する中間モジュール11Bとを有し、二個の端部モジュール11Aは、同一構成の単位モジュールからなり、一方の端部モジュール11A1と他方の端部モジュール11A2とは、平面視において相対的に180度回転された状態において、対応する中間モジュール11Bに連結される構成なので、単位モジュールの種類を低減することができ、その製造コストを低減することができる。また、単位モジュール11A、11Bの増減が容易であるから、顧客要望による、電池モジュール20の数やそれに応じたサーミスタ30の数および装着位置等に仕様変更が生じた場合であっても、容易にその仕様変更に対応可能である。
【0027】
さらに、本実施形態のバスバーモジュール10によれば、モジュール本体11が、複数の単位モジュール11A、11Bによって構成され、隣接する単位モジュールに着目したときに、当該隣接する単位モジュール相互を係合する係合部16が、当該隣接する単位モジュール相互を繋ぐバスバー12が配置される側とは反対側の係合部形成位置Kに限って設けられているので、複数の単位モジュール11A、11B相互の連結姿勢をより安定させることができる。よって、単位モジュール11A、11Bの連結数が増加しても、組み付け作業性の低下を抑制することができる。また、組み付け間違いが防止でき、組み付け作業時間を短縮できる。
【0028】
特に、係合部形成位置Kは、当該隣接する単位モジュール相互を繋ぐバスバー12が配置される側とは反対側の端部に限って設けられているので、可及的に少ないコストによって組み付け作業性の低下を抑制するとともに、組み付け間違いを防止し、組み付け作業時間を短縮可能とする上で極めて優れている。つまり、本実施形態のバスバーモジュール10によれば、バスバー12の装着により連結姿勢が安定するバスバー保持部側の端部の位置には係合部16を意図的に設けていない。
【0029】
ここで、図7に比較例のバスバーモジュール10Nを示すように、モジュール本体11Nに係合部16を有しないバスバーモジュール10Nであると、バスバー12の装着により連結効果は生じるものの、同図に示すように、バスバー12のみでは、モジュール本体11Nの長手方向Lでの蛇腹状の伸縮状態を拘束できない。
また、バスバーモジュール10Nが長くなると同図紙面方向での撓みが発生し、単位モジュール11A、11Bと接続部分での破損が生じたり、ハーネスの接続箇所が脱離したりするおそれがある。そのため、モジュール本体11Nに係合部16を有しない場合、組み付け作業性の低下を抑制する上で改善の余地がある。
【0030】
これに対し、本実施形態のバスバーモジュール10によれば、バスバー12が装着されたときの姿勢安定性を考慮して、バスバー保持部に装着されたバスバー12との協働効果によって、最小限の係合部16を所定の位置に形成するだけで連結姿勢を安定させることができる。換言すれば、本実施形態のバスバーモジュール10によれば、隣接する単位モジュール相互は、一端の側は、バスバー12を介した間接的連結構造により連結され、他端の側は、係合部16による直接的連結構造により連結されているので、可及的に少ないコストで連結姿勢を安定させて組み付け作業性の低下を抑制できる。また、組み付け間違いが防止でき、組み付け作業時間を短縮できる。さらに、モジュール本体11の製造コストを低減するとともに、モジュール本体11の組み付け工数を低減させることができる。
【0031】
さらに、本実施形態のバスバーモジュール10によれば、各バスバー12に形成された嵌合用凹部12dと、モジュール本体11のバスバー保持部側に形成された嵌合用凸部11tとが、相互に嵌合するように形成されているので、各バスバー12の装着状態が一層安定するとともに、複数のバスバー12によって連結状態とされたモジュール本体11の連結姿勢がより安定する。これにより、本実施形態のバスバーモジュール10によれば、モジュール本体11の連結状態が、装着されたバスバー12と係合部16との協働により一層確実に保持されるので、最小限のコストによってモジュール本体11の連結姿勢を安定させる構成として極めて優れている。
【0032】
なお、本発明に係るバスバーモジュールは、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しなければ種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態では、リチウムイオン二次電池から構成されるバッテリスタック1を例示したが、本発明は、これに限定されない。リチウムイオン二次電池以外に、例えば、ニッケル水素電池などの他の二次電池から構成されるバッテリスタック1に関しても適用できる。
【0033】
また、上述した実施形態によるバッテリスタック1を、他の電動車両、例えばハイブリッド電車などの鉄道車両、バスなどの乗合自動車、トラックなどの貨物自動車、バッテリ式フォークリフトトラックなどの産業車両などの車両用電源装置に利用することもできる。また、上述した実施形態によるバッテリスタック1を、コンピュータシステムやサーバシステムなどに用いられる無停電電源装置、自家用発電設備に用いられる電源装置など、電動車両以外の電源装置を構成するバッテリパックに適用してもよい。
また、上述した実施形態では、高電位側のスタック1Lと低電位側のスタック1Rとは直列に接続した例を説明したが、高電位側のスタック1Lと低電位側のスタック1Rを並列接続させてもよいし、複数の高電位側のスタック1Lと低電位側のスタック1Rとを直列と並列を組み合わせて接続してもよい。
【0034】
また、上述した実施形態では、電池モジュール20として、2つの電池セル22を並列接続した回路を2つ用意し、これらを直列接続した2並2直接続としたが、電池モジュール20に限らず、1つの電池モジュール20の代わりに1つの電池セルでもよい。
例えば、一般的な角型電池や円筒電池でもよく、ラミネートフィルム型電池セルの正負極端子を片側から突出させ端子を固定するスペーサを介したものでもよい。電池セルを端子が一方辺側に揃うように複数並べてバスバーモジュールのバスバーと電気的に接続させることもできる。
【符号の説明】
【0035】
1 バッテリスタック
2 装着面
3 正極端子
4 中間端子
5 負極端子
6 SDスイッチ
10 バスバーモジュール
11 モジュール本体
11A、11B 単位モジュール
12 バスバー
13 センサ装着可能領域
14 ハーネス格納領域
15 カバー
16 係合部
17 係合凸部
18 係合凹部
20 電池モジュール(電池体)
21 ケース
22 電池セル
30 サーミスタ(温度センサ)
31 センサ本体部
32 ハーネス
33 装着部
CL リード中心線
K 係合部形成位置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7