特許第6985141号(P6985141)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6985141流体薬剤成分を混合及び分注するための容器
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6985141
(24)【登録日】2021年11月29日
(45)【発行日】2021年12月22日
(54)【発明の名称】流体薬剤成分を混合及び分注するための容器
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/28 20060101AFI20211213BHJP
   A61M 5/315 20060101ALI20211213BHJP
【FI】
   A61M5/28 520
   A61M5/315 510
【請求項の数】9
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2017-533629(P2017-533629)
(86)(22)【出願日】2015年12月22日
(65)【公表番号】特表2018-500097(P2018-500097A)
(43)【公表日】2018年1月11日
(86)【国際出願番号】US2015067379
(87)【国際公開番号】WO2016109339
(87)【国際公開日】20160707
【審査請求日】2018年11月21日
【審判番号】不服2020-4261(P2020-4261/J1)
【審判請求日】2020年4月1日
(31)【優先権主張番号】62/098,079
(32)【優先日】2014年12月30日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520448463
【氏名又は名称】キンデーバ ドラッグ デリバリー リミティド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100146466
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 正俊
(74)【代理人】
【識別番号】100173107
【弁理士】
【氏名又は名称】胡田 尚則
(74)【代理人】
【識別番号】100202418
【弁理士】
【氏名又は名称】河原 肇
(72)【発明者】
【氏名】マーク エー.エグランド
(72)【発明者】
【氏名】チーン−イエ ン
(72)【発明者】
【氏名】ジョ エー.エッター
(72)【発明者】
【氏名】ラビ コラカルリ
【合議体】
【審判長】 内藤 真徳
【審判官】 莊司 英史
【審判官】 倉橋 紀夫
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭61−48377(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0254303(US,A1)
【文献】 国際公開第2013/124669(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M5/31,A61M5/315,A61J1/05,A61J1/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向軸、第1のアパーチャを有する第1の端部、前記第1の端部の反対側の第2のアパーチャを含む第2の端部、並びに前記第1及び第2の端部の間に配置されたバイパスを有する本体であって、
前記バイパスは、前記長手方向軸に沿った長さLを有する、本体と、
前記第1の端部に近接する前記本体内に摺動自在に配置された第1の栓と、
前記第1の栓と前記第2の端部との間の前記本体内に摺動自在に配置された第2の栓であって、
前記第1及び第2の栓は、前記第1及び第2の栓の間の前記本体内に配置された第1の区画を画定し、
第2の区画は、前記第2の栓と前記第2の端部との間の前記本体内に配置され、
前記第2の栓は、
前記第1の栓に面したトップ面と、
前記第2の端部に面した底面と、
前記トップ面と前記底面との間に延びる側壁であって、前記トップ面に近接する第1の縁部を有する第1の周囲シール、及び前記底面に近接する第2の縁部を有する第2の周囲シールを含む、側壁と、
前記側壁内の第1の開口部から前記第2の栓内に延びる一次導管と、
複数の二次導管であって、それぞれの二次導管は、前記一次導管から前記底面内の別個の第2の開口部に延びる、複数の二次導管と、を含む、第2の栓と、を備え、
前記第1の開口部は、前記第1の周囲シールと前記第2の周囲シールとの間に配置され、
前記二次導管のうちの少なくとも1つは、前記長手方向軸に平行ではない線に沿って前記二次導管のうちの前記少なくとも1つの第2の開口部から出る液体流動を誘導し、
距離Dは、前記第1の縁部から前記第2の縁部に長手方向に延び、
距離Eは、前記第1の縁部から前記第1の開口部に長手方向に延び、
D≧L、及びE<Lである、容器。
【請求項2】
前記二次導管のうちの2つ以上は、前記長手方向軸に平行ではない線に沿って前記第2の開口部から出る液体流動を誘導する、請求項1に記載の容器。
【請求項3】
前記底面は、球台、半球、懸垂面、回転放物面、切頂型円筒、円錐、切頂型円錐、及び錐台からなる群から選択される形状を実質的に規定する、請求項1又は2に記載の容器。
【請求項4】
記二次導管のうちの2つ以上はそれぞれ、各自の第1の開口部から第2開口部まで液体流動を誘導する、請求項1から3のいずれか一項に記載の容器。
【請求項5】
前記第2のアパーチャは、ニードル又はマイクロニードルデバイスを前記容器に結合するように適合される結合構造体を含む、請求項1に記載の容器。
【請求項6】
前記第1の区画は、第2の構成成分と混合される所定の量の第1の構成成分を収容し、周囲温度で、前記第1の構成成分は、気体、液体、又はゲルを含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の容器。
【請求項7】
前記第2の区画は、前記第1の構成成分と混合される所定の量の第2の構成成分を収容し、周囲温度で、前記第2の構成成分は、気体、液体、ゲル、実質的に乾燥した固体、又はペーストを含む、請求項6に記載の容器。
【請求項8】
組成物の第1及び第2の構成成分を混合する方法であって、
請求項7に記載の前記容器を用意することと、
前記容器の前記第1の区画内に配置された前記第1の構成成分を、前記容器の前記第2の区画内に配置された前記第2の構成成分に接触させることと、を含み、
前記第1の構成成分は、流体を含み、
前記第2の構成成分は、流体又は固体を含み、
前記第1の構成成分を前記第2の構成成分に接触させることは、少なくとも1つの第1の開口部が前記バイパス、前記第1の区画、及び前記第2の区画と流体連通するまで、前記第1の栓を前記第2の端部に向かって押し込むことを含み、
前記第1の栓を前記第2の端部に向かって押し込むことは、前記第1の構成成分の少なくとも一部分を前記第1の区画から前記第2の区画内に押し込むことを含む、方法。
【請求項9】
組成物の第1及び第2の構成成分を混合して前記組成物を分配する方法であって、
請求項7に記載の前記容器を用意することと、
前記容器の前記第1の区画内に配置された前記第1の構成成分を、前記容器の前記第2の区画内に配置された前記第2の構成成分に接触させることと、を含み、
前記第1の構成成分は、気体、液体、及びゲルからなる群から選択され、
前記第2の構成成分は、気体、液体、ゲル、粉末、及びペーストからなる群から選択され、
前記第1の構成成分を前記第2の構成成分に接触させることは、少なくとも1つの第1の開口部が前記バイパス、前記第1の区画、及び前記第2の区画と流体連通するまで、前記第1の栓を前記第2の端部に向かって押し込むことを含み、
前記第1の栓を前記第2の端部に向かって押し込むことは、所定の体積の前記第1の構成成分を前記第1の区画から前記第2の区画内に移送して、前記組成物を形成することを含む、ことと、
閉鎖状態から開放状態に前記第2の端部を変換することと、を含み、
前記所定の体積の前記第1の構成成分が前記第2の区画内に移送された後で、前記第1の栓を前記第2の端部に向かって押し込むことは、前記第2の栓を前記第2の端部に向かって押し込むことを更に含み、
前記第2の栓を前記第2の端部に向かって押し込むことは、前記組成物の少なくとも一部分を前記第2のアパーチャを介して前記本体から出して分配することを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2014年12月30日出願の米国特許仮出願第62/098,079号に対する優先権を主張するものであり、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
標準的な皮下注射器は、本体の軸に沿って延びる中央通路を有して形成された栓により閉鎖された前端部、及び本体内で長手軸方向に転置可能なピストンを備えた後端部を有する円筒形の管状の本体を含む。注射される一定量の液体は、ピストンと栓との間の本体内に保持され、プランジャによるピストンの前方変位が液体をニードルを通って本体の外に出させるように、ニードルが通路にその前端部で装着される。
【0003】
1回の使用のための注射器は、しばしば、既に凍結乾燥薬剤を収容して供給され、凍結乾燥薬剤に何らかの溶媒、例えば、滅菌水が加えられて、乾燥した薬剤が注射可能にされる。使用のために注射器を用意するために、ニードルが本体の前端部に取り付けられて、液体がその中に吸引される。
【0004】
米国特許第4,874,381号に記載されているように、2つのピストンがある、すなわち、本体の内部を、乾燥薬剤を保持する後部区画、及び乾燥薬剤用の溶媒、典型的には、水を保持する前部区画に細分する前部ピストンがあるようにすることもまた可能である。この場合では、本体は、ピストンの軸方向変位で薬剤及び液体の混合を可能にするバイパスを有して形成される。後部ピストンは、内容物を射出するために前進させられる。
【0005】
両方のシステムでは、注射器は、最初に、本体内に一定量の溶解薬剤を充填し、次に、それを凍結乾燥し、気化した溶媒を蒸発させてシリンダの開放した前端部を通って漏出させることにより調製される。無菌状態を維持しながら、前端部は栓をされ、このように調製された注射器は、次に、必要な先端キャップなどを装着されて袋詰めされる。
【0006】
そのような配置は、この使い捨て用品のコストを抑制することが必要であるため、大量生産が容易に可能ではない。事実、生産は、注射器及びその周囲を無菌状態に維持しながらシリンダ端部に栓をすることに関連付けられた問題の観点から、相当に困難である。
【発明の概要】
【0007】
本開示は、概して、2つの構成成分を(貯蔵用に)隔離して、その後、容器内の2つの構成成分を急速に容易に一体にするための容器に関する。任意選択的に、容器はまた、構成成分の混合物を分配するために使用することもできる。脱水した調合剤を貯蔵及び還元するために特に有用であるが、この容器及び方法が、様々な還元可能な組成物を貯蔵し調製するために有用であることを、当業者は認識するであろう。本発明の容器内に配置された第2の栓により生成された乱流は、液体還元媒体内での固体構成成分の急速な溶解及び/又は分散を促進する。
【0008】
一態様では、本開示は、容器を提供する。容器は、本体、第1の栓、及び第2の栓を備えることができる。本体は、長手方向軸、第1のアパーチャを有する第1の端部、第1の端部の反対側の第2のアパーチャを含む第2の端部、並びに第1及び第2の端部の間に配置された長さLを有するバイパスを有する。第1の栓は、第1の端部に近接する本体内に摺動自在に配置することができる。第2の栓は、第1の栓と第2の端部との間の本体内に摺動自在に配置することができる。第1及び第2の栓は、それらの間の本体内に配置された第1の区画の向かい合った端部を画定することができる。第2の区画は、第2の栓と第2の端部との間の本体内に配置することができる。第2の栓は、第1の栓に面したトップ面と、第2の端部に面した底面と、トップ面と底面との間に延びる側壁であって、トップ面に近接する第1の縁部を有する第1の周囲シール、及び底面に近接する第2の縁部を有する第2の周囲シールを含む、側壁と、側壁内の第1の開口部から第2の栓内に延びる一次導管と、複数の二次導管と、を含むことができ、それぞれの二次導管は、一次導管から底面内の別個の第2の開口部に延びる。第1の開口部は、第1の周囲シールと第2の周囲シールとの間に配置される。二次導管のうちの少なくとも1つは、長手方向軸に平行ではない線に沿って第2の開口部から出る液体流動を誘導することができる。距離Dは、第2の栓の第1の縁部から第2の縁部に長手方向に延び、距離Eは、第1の縁部から第1の開口部に長手方向に延び、D≧L及びE<Lである。
【0009】
別の態様では、本開示は、組成物の第1及び第2の構成成分を混合する方法を提供する。方法は、上記実施形態のいずれか1つによる容器を用意することを含むことができ、容器は、第1の区画内に配置された第1の構成成分、及び第2の区画内に配置された第2の構成成分を有する。方法は、第1の構成成分を第2の構成成分に接触させることを更に含むことができる。第1の構成成分は、流体を含むことができる。第2の構成成分は、流体又は固体を含むことができる。第1の構成成分を第2の構成成分に接触させることは、第1の開口部がバイパス、第1の区画、及び第2の区画と流体連通するまで、第1の栓を第2の端部に向かって押し込むことを含むことができる。第1の栓を第2の端部に向かって押し込むことは、第1の構成成分の少なくとも一部分を第1の区画から第2の区画内に押し込むことを含むことができる。
【0010】
また別の態様では、本開示は、組成物の第1及び第2の構成成分を混合して組成物を分配する方法を提供する。方法は、上記実施形態のいずれか1つによる容器を用意することを含むことができ、容器は、第1の区画内に配置された第1の構成成分、及び第2の区画内に配置された第2の構成成分を有する。方法は、第1の構成成分を第2の構成成分に接触させることを更に含むことができる。第1の構成成分は、流体を含むことができる。第2の構成成分は、流体又は固体を含むことができる。第1の構成成分を第2の構成成分に接触させることは、第1の開口部がバイパス、第1の区画、及び第2の区画と流体連通するまで、第1の栓を第2の端部に向かって押し込むことを含むことができる。第1の栓を第2の端部に向かって押し込むことは、所定の体積の第1の構成成分を第1の区画から第2の区画内に移送して、上記組成物を形成することを含むことができる。所定の体積の第1の構成成分が第2の区画内に移送された後で、第1の栓を第2の端部に向かって押し込むことは、第2の栓を第2の端部に向かって押し込むことを更に含む。第2の栓を第2の端部に向かって押し込むことは、組成物の少なくとも一部分を第2のアパーチャを介して本体から出して分配することを含む。上記の実施形態のいずれかでは、容器の第2の端部を閉鎖状態から開放状態に変換することは、流体密封シールを閉鎖状態から開放状態に変換することを含む。上記の実施形態のいずれかでは、方法は、第2の端部を輸液用器具に結合することを更に含むことができる。
【0011】
「備える/含む(comprise)」という用語及びその変形は、こうした用語が説明及び特許請求の範囲に見られる場合、限定の意味を有するものではない。
【0012】
本明細書において使用するとき、「1つ(a、an)」、「その(the)」、「少なくとも1つ(at least one)」及び「1つ以上(one or more)」は、互換的に使用される。したがって、例えば、1つの流路は、「1つ以上」の流路を意味するものと解釈することができる。
【0013】
「及び/又は」という用語は、列挙される要素のうちの1つ若しくはすべて、又は列挙される要素のうちの任意の2つ以上の組み合わせを意味する。
【0014】
また本明細書で、端点による数値範囲の記述は、その範囲内に包含されるすべての数値を含む(例えば、1から5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、5などを含む)。
【0015】
前述の本発明の概要は、本発明の開示される各実施形態又はすべての実装形態を記載するものではない。以下の説明は、例証となる実施形態をより詳細に示す。本出願を通していくつかの箇所において、例のリストによって指針が示されるが、それらの例は様々な組み合わせで使用することができる。各事例において、列挙されるリストは代表的な群として役立つだけであり、排他的なリストと解釈されるべきではない。
【0016】
これら及び他の実施形態の更なる詳細については、添付図面及び以下の説明において述べる。他の特徴、目的及び利点は、説明及び図面、並びに特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本開示による容器の一実施形態の部分的に断面の概略側面図である。
図2図1の容器の本体の上面図である。
図3】本開示による容器の一実施形態の部分的に断面の概略側面図である。
図4A図3の第2の栓の底面図である。
図4B図3の第2の栓の側面図である。
図4C図3の第2の栓の側面図である。
図5】特定の寸法的特徴を示し、第2の栓の長手方向軸に対する一次導管の関係を示す、図3の第2の栓の側面図である。
図6】バイパス及び第2の栓の特徴の特定の寸法的関係を示す、図3の本体及び第2の栓の側面図である。
図7】容器が第1の区画内の第1の構成成分及び第2の区画内の第2の構成成分を保持し、第2の栓がバイパスに対して第1の動作位置に配置された、本開示による容器の一実施形態の部分的に断面の概略側面図である。
図8】第2の栓がバイパスに対して第2の動作位置に配置された、図7の容器の部分的に断面の概略側面図である。
図9】第1及び第2の構成成分全部が第2の区画内でブレンドされ、第1及び第2の栓がブレンドされた構成成分を容器から排出するように配置された、図8の容器の部分的に断面の概略側面図である。
図10】シールの除去の後の、容器の内容物の排出を示す、図9の容器の概略側面図である。
図11】本開示による成形した底面を有する、第2の栓の一実施形態の概略側面図である。
図12】本開示による成形した底面を有する、第2の栓の代替の実施形態の概略側面図である。
図13】本開示による成形した底面を有する、第2の栓の代替の実施形態の概略側面図である。
図14A】本開示による第2の栓の2つの代替の実施形態の概略側面図である。
図14B】本開示による第2の栓の2つの代替の実施形態の概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本開示のいずれかの実施形態について詳細に説明する前に、本発明は、以下の説明に記載し又は以下の図面に図示する構成要素の構造及び配置の詳細にその用途が限定されないことを理解されたい。本発明は、他の実施形態が可能であり、様々な方法で実施又は実行することができる。また、本明細書において使用される語句及び専門用語は説明を目的としたものであり、限定するものと見なすべきではないことを理解されたい。本明細書における「含む(including)」、「備える(comprising)」又は「有する(having)」、及びこれらの変形の使用は、以下に挙げる品目及びその等価物、並びに付加的な品目を包含するものである。特に指示又は限定がない限り、「接続(connected)」及び「結合(coupled)」という用語及びこれらの変形は広義に使用されるものであり、直接的及び間接的な接続及び結合を包含する。更に、「接続」及び「結合」は、物理的又は機械的な接続又は結合に制限されるものでない。本開示の範囲から逸脱することなく、他の実施形態を利用することができ、構造上又は論理上の変更を加えることもできることを理解されたい。更に、「前」、「後」、「上」、「下」などの用語は、互いに関係する要素について説明するためにのみ使用され、デバイスの特有の向きについて記述すること、デバイスの必要な若しくは必要とされる向きを指示若しくは示唆すること、又は本明細書に記載する本発明が使用の際にどのように使用され、取り付けられ、表示され、若しくは位置決めさせるかを指定することを一切意味しない。
【0019】
本開示は、概して、最初に別個の区画内に混合される2つの構成成分を保持し、その後、2つの構成成分を一体にして、結果として生じる2つの構成成分の組み合わせを分配するための容器に関する。加えて、本開示は、内部に隔離された構成成分を有する容器を用意する方法、及び、混合し、任意選択的に、結果として生じる混合された構成成分を分配するために容器を使用する方法に関する。本開示の容器は、好都合に、使用中の構成成分の改善された混合を提供する。
【0020】
本開示は、容器を提供する。任意の実施形態において、容器は、
長手方向軸、第1のアパーチャを有する第1の端部、第1の端部の反対側の第2のアパーチャを含む第2の端部、並びに第1及び第2の端部の間に配置されたバイパスを有する本体であって、
バイパスは、長さLを有する、本体と、
第1の端部に近接する本体内に摺動自在に配置された第1の栓と、
第1の栓と第2の端部との間の本体内に摺動自在に配置された第2の栓であって、
第1及び第2の栓は、第1及び第2の栓の間の本体内に配置された第1の区画を画定し、
第2の区画は、第2の栓と第2の端部との間の本体内に配置され、
第2の栓は、
第1の栓に面したトップ面と、
第2の端部に面した底面と、
トップ面と底面との間に延びる側壁であって、トップ面に近接する第1の縁部を有する第1の周囲シール、及び底面に近接する第2の縁部を有する第2の周囲シールを含む、側壁と、
側壁内の第1の開口部から第2の栓内に延びる一次導管と、
複数の二次導管であって、それぞれの二次導管は、一次導管から底面内の別個の第2の開口部に延びる、複数の二次導管と、を含む、第2の栓と、を備え、
第1の開口部は、第1の周囲シールと第2の周囲シールとの間に配置され、
二次導管のうちの少なくとも1つは、長手方向軸に平行ではない線に沿ってその第2の開口部から出る液体流動を誘導し、
距離Dは、第1の縁部から第2の縁部に長手方向に延び、
距離Eは、第1の縁部から第1の開口部に長手方向に延び、
D≧L、及びE<Lである。
【0021】
本開示による容器は、内部体積を有し軸に沿って軸上に中心を置いて延びる本体(例えば、管状の本体)を有する。本体は、軸方向の第1の端部に、本体の内部体積の少なくとも一部分へのアクセスを提供する第1のアパーチャを有する。本体は、軸方向の第2の端部に、第1のアパーチャの反対側の第2の開口部を有する。
【0022】
任意の実施形態において、第2の端部は、結合構造体を更に含む。結合構造体は、例えば、ニードル又はマイクロニードルデバイスに、容器を結合するように適合されることができる。好適な結合構造体の非限定的例としては、当該技術分野で周知であるルアー嵌合(例えば、ルアースリップ及びルアーロック型嵌合)が挙げられる。任意の実施形態において、結合構造体は、容器を輸液用器具に結合することができる。輸液用器具の非限定的例としては、カテーテル、カニューレ、ニードル、又はマイクロニードルデバイスが挙げられる。
【0023】
液体状態では、非常に急速にその効能が失われる薬剤組成物がある。その短い保存期間にも拘わらずこれらの組成物を使用するのを可能にするために、凍結乾燥の特別なデバイス及び方法が開発されてきた。したがって、溶液状態では長期間にわたって使用することができない調合剤は、例えば、凍結乾燥により、あるいは光が当たらないように貯蔵して耐久性のあるものにすることができる。乾燥した物質は、使用の直前に、単に再び溶解される、すなわち還元される。この目的に対して、凍結乾燥物を使用の直前に再溶解するために、二成分系が知られるようになってきた。
【0024】
使用の前の対応する貯蔵に続けて又は後に再溶解することができる製品を生産するために、すなわち、2つの構成成分の無菌状態を維持しながら二成分系を一体に混合することを可能にするために、この種の二重区画システムを使用して溶液内に存在する固形物質の凍結乾燥を実行するための、他の解決策が探索されてきた。注射器内の溶液の凍結乾燥は、特別な条件下でのみ可能であり、1つの問題は、凍結乾燥中にガス交換のために非常に小さな断面積のみが使用可能であることである。従来技術は、例えば、米国特許第5,788,670号、同第4,254,768号、同第8,002,734号、並びに欧州特許公開第0718002(A2)号及び同第0295337(B1)号に記載されたものを含む、これらの問題を解決するための多数の提案を含み、これらの特許及び特許公開はすべて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。引用した提案のそれぞれは、それらを本開示の容器より有用でなくする固有の欠点を有する。
【0025】
これらの欠点は、二成分系を確実に貯蔵及び混合するための、並びに更に2つの構成成分の混合物(又は懸濁液)を分注するための、操作が容易なデバイスに対する要求が依然あることを示す。任意の実施形態において、二成分系の1つの構成成分(例えば、本明細書で説明するような第2の構成成分)は、気体、液体、ゲル、実質的に乾燥した固体(例えば、凍結乾燥物)、又はペーストであり、二成分系の他の構成成分(例えば、本明細書で説明するような第1の構成成分)は、それ用の溶解/分散媒体(例えば、気体、液体、ゲル)である。具体的には、従来技術の欠点を回避しながら、容器内で直接凍結乾燥を実行することが可能でなければならない。外部からの汚染は、可能な限り除外しなければならない。具体的には、その後に続く混合は、デバイスの無菌の内側部分から構成成分を除去することなく、かつシステム内への外部干渉により無菌条件を損なうことなく行わなければならない。デバイスはまた、貯蔵することが容易でなければならない。更に、この種のデバイスを容易に充填する方法が提供されなければならない。デバイス及び方法は、工業規模で使用可能でなければならない。
【0026】
上述した目的は、本開示の容器の任意の実施形態の特徴によって実現される。これらの実施形態は、固体凍結乾燥物及びそれ用の液体還元媒体を分離して保持及び混合するための二重区画の容器を提供する。
【0027】
充填された状態では、容器はまた、別個の区画内で凍結乾燥物の構成成分及びそれ用の還元媒体の構成成分を貯蔵又は保存するためにも機能する。2つの構成成分は、容器を開放する必要なく、使用の直前に一体に混合することができる。2つの構成成分を混合することにより、例えば、溶解形態又は分散形態のいずれかの注射可能な溶液を調製することが可能である。任意の実施形態において、還元媒体は、水を含むことができるが、また何らかの他の溶媒又は溶媒の混合物とすることもできる。
【0028】
本開示による本体(例えば、円筒形本体)は、好ましくは一体に形成された、すなわちワンピースに作製された、2つの開放端を有する本質的に細長い中空の本体である。「円筒形」本体は、必ずしも形状が円筒形である必要はないが、これが最も一般的な形状である。例えば、角ばった又は卵形などの、細長い中空の本体のための任意の他の幾何学形状が可能であり、その場合、蓋及び分離ストッパなどは、選択された形状に一致していなければならない。本体が構成される又は含む材料は、本発明により特に限定されない。容器は、例えば、プラスチック又はガラスから選択することができる。任意の実施形態において、ガラスは、その透明性及びその多数の医療調合物との適合性の理由で優先とすることができる。したがって、ガラスが内部に含まれる構成成分に最も影響を及ぼさないため、本体は、好ましくはガラスからなる又はガラスを含み、本体は、好ましくは透明である。しかし、特定の要求に対して、特別なプラスチック(例えば、環状オレフィンコポリマー)などの他の材料が、好適である場合がある。可能な限り内部に含まれる媒体との相互作用がほとんどないことが望ましいため、医療安全は特に重要である。
【0029】
二重区画の容器は、2つの栓、容器の第2の端部(例えば、混合される固体構成成分が配置された)に設けられた第2の栓及び第1の端部(固体構成成分と混合される液体構成成分が配置された)に設けられた第1の栓を更に含む。更に、第2の栓がその位置から移動してバイパス内に押されることができるように、第1の栓が2つの構成成分を混合するために液体に圧力が印加されるのを可能にするならば、栓は、限定されない。
【0030】
第1の栓は、好ましくは、好適なシールを提供し、加えられる媒体に対して不活性であり、無菌状態条件を満足するストッパである。第1の栓は、ストッパの第2の位置で本体の第1の端部に近接する任意の開口部がそれにより密封されるようなサイズ又は形状のものでなければならない。
【0031】
円筒形本体内に配置された第2の栓は、2つの区画のサイズ/体積/寸法を規定し、第1の区画内に存在する任意の内容物(例えば、液体)の第2の区画内への通過を規制するための選択的バリアとして機能する。分離ストッパの形状は、特に限定されない。分離ストッパは、第1の位置で2つの区画が互いから密封されることを確実にするための好適な三次元形状を有する。分離ストッパは、任意の好適な形状、例えば、円筒形形状、曲線的な側面を有する円筒形形状、ダンベル形状、又は立方形のものとすることができる。
【0032】
いずれの場合でも、力、具体的には、手動力が作用すると、第1の栓は、本体の第1の端部で、したがって第1の区画内に配置された構成成分(例えば、液体構成成分)に向かって移動可能でなければならない。
【0033】
第2の栓は、好ましくは、弾性かつ可撓性の材料であり、好ましくは、天然ゴム又は合成ゴムなどのゴム、エラストマ、熱可塑性材料、熱可塑性エラストマなどのプラスチックなどで作製される。第2の栓の材料は、例えば、貯蔵中、本明細書で説明するように第2の栓が第1の位置にある場合に、第1及び第2の区画間の密封を提供しなければならない。
【0034】
本開示による好ましい実施形態により、第2の栓は、一方で、それが円筒形本体内のその最初に固定され規定された位置から押し出されるのを防止するであろうが、他方で、バイパス内への第2の栓の意図した変位を支援するであろう好適な形状、サイズ、及び/又は材料のものである。好都合なことに、これは、米国特許第8,002,734号に記載されたような、(粘着性)突起、口縁、ビーズ、稜線などを備えた好適な形状を有する第2の栓の好適な提供により、及び/又は好適な直径の選択により、実現することができる。
【0035】
本開示により、用語「形態(form)」は、外側の形状又は配列を指すことを意図している。用語「サイズ」は、寸法、すなわち、大きさの比率を指すことを意図している。
【0036】
任意の実施形態において、境界面を閉鎖するために本体の内壁と第2の栓との間に充分な圧力が増大されるが、力の作用下で第2の栓が本体内で移動可能であるように、第2の栓は、本体の内径より大きな外径を有することができる。したがって、第2の栓は、容器の本体内に、移動可能又は転置可能かつ流体密封であるように搭載される。
【0037】
本体内には、本体に沿った迂回線を生成する、隆起の形態のバイパスもある。隆起は、本体の周囲のほんの一部分を占めることができる、又は本体の周囲全周に延びることができる。通常、隆起は、第2の栓の直径より細い。第2の栓がバイパス内に押されると、第1の区画の内容物(例えば、液体還元媒体などの第1の構成成分)が第2の区画に入り内部の第2の構成成分(例えば、凍結乾燥物)と混合するための複数の通路を第2の栓が開放するように、バイパスの長さが第2の栓の高さより短いならば、バイパスは、特に限定されない。換言すれば、バイパスは、長手方向軸に沿った第2の栓の長さより長手方向軸に沿って短いバイパス区域を画定する本体内の領域であり、バイパスは、第2の栓がバイパス区域内に押されて内部に配置されると、第1の区画内に配置された第1の構成成分がストッパの周囲に流動することができるような、配置にされサイズを有する。したがって、第2の栓の少なくとも一部分の周囲に設けられたバイパスは、第2の栓のその長手方向軸に沿った高さHより短い、その長手方向軸に沿った長さLを有する。したがって、バイパスは、好ましくは、第2の栓より短く、よって、第2の栓がバイパス位置にある場合に第2の栓を通る液体の流動を生成する。
【0038】
任意の実施形態において、バイパスは、1つ以上の側面上、すなわち、容器の本体の1つ以上の側面上に設けることができる。任意の実施形態において、バイパスは、本体の内壁の1つの側面上のみに設けられる。貯蔵用の充填状態では、第2の栓は、バイパス区域の上方に(すなわち、第1の端部に近接して)配置され、混合するためには、バイパス区域内に押される。したがって、好ましくは、(粘着性)突起、ビーズ、稜線、又は口縁は、バイパス区域に第2の栓を解放可能に固定して第1の区画の内容物(例えば、液体還元媒体)の第2の区画(例えば、還元媒体内で可溶性及び/又は分散性の固体材料又はゲル)内への妨げられない通過を確実にするために、バイパス区域内に設けられる。
【0039】
第2の栓が本体内の第1の動作位置に配置されたとき、第1の区画の内容物が圧力下に置かれた場合、第2の栓は、最初は、摩擦力により本体の内壁に付着している。特定の用途に対して第2の栓の本体の壁への摩擦による付着が充分でない場合、偶発的移動を防止するために、小さなビーズ、口縁、稜線、又は突起などの突起部を第2の栓及び/又は本体の内壁に追加することにより、追加の摩擦力を提供することができる。したがって、圧力は、第2の区画内で増大しない。結果として、差圧が2つの区画間に生成される。追加の圧力を印加することにより、摩擦力が克服されて、第2の栓は、バイパスの方向に押される。この移動の結果として、第2の栓の少なくとも一部分が、バイパス内に移動され、第1の区画から第2の区画への第1の構成成分(例えば、液体構成成分)の移動を促進して、2つの構成成分が一体に混合される。
【0040】
本開示はまた、2つの構成成分を混合するための容器を調製する方法を提供し、方法は、以下の工程を含む。
(1)本明細書で開示する実施形態のいずれかによる、バイパス、第1の栓、及び第2の栓を有する本体を用意すること。
(2)第2の栓を、複数の第1の開口部それぞれが本体の第1の位置に配置されてバイパスと長手方向に整列する本体内の位置に挿入すること。
(3)第2の構成成分を第2のアパーチャを介して第2の区画内に配置すること。
(4)任意選択的に、第2の構成成分が内部で溶解及び/又は懸濁される場合に、第2の区画から溶媒を気化させて排気すること。
(5)本体の第2の端部を密封すること。
(6)第1の構成成分を第1のアパーチャを介して第1の区画内に配置すること。
(7)第1の栓を第1の端部に近接する本体内に挿入すること。
【0041】
プロセスを以下に詳細に説明する。このプロセスに関連して説明する任意の個別の特徴はまた、それに応じて二重区画の容器にも適用され、その逆もある。
【0042】
導管は、それらの形状及びサイズについて特に限定されない。それらは、第1の区画から第2の区画に移動される第1の構成成分の体積及び/又は粘度に依存して、随意に選択することができる。導管の可能な実施形態としては、円形、卵形、長円形、三角形、又は矩形の断面形状、及びそれらの組み合わせが挙げられる。導管はまた、互いから規定された間隔及び角度に配置することができる。
【0043】
任意の実施形態において、第1の栓及び第2の栓は、中心軸に対して回転対称とすることができる。
【0044】
第2の栓内に設けられた第1の開口部は、構成成分のうちの1つが偶発的に第2の栓を通過することが可能でないように、容器内にその壁の内面に第1の開口部を接触させて第2のストッパを押し込んで配置することにより自動的に閉鎖される。
【0045】
次に、密封された容器は、充填台に運ばれ、工程(6)で、第1のアパーチャを介して第1の構成成分(例えば、還元媒体)で充填される。第1の区画が一定量(例えば、所定の体積)の第1の構成成分(例えば、第2の構成成分用の溶解又は分散媒体)で充填された後で、容器は、蓋(すなわち、工程(7)の第1の栓)を装着される。好ましくは、ストッパは、第1の栓として使用することができる。しかし、当該技術分野で既知の任意の他の蓋も、それが圧力の作用下で転置可能であるならば、また使用することが可能である。液体の端部の第1の栓が、プラスチック、ゴム、又はエラストマ、熱可塑性材料、エラストマ熱可塑性材料などのゴム状の弾性材料などの弾性材料を含む又は弾性材料からなるストッパである場合、特に有利である。
【0046】
第1の栓は、容器を完全に密封するように、本体の第1の端部に設けられた任意の開口部(単数又は複数)を閉鎖するようにも設計される。無菌通路に沿って洗浄殺菌デバイス又は加圧滅菌器によって、第1の栓が供給されて挿入される場合、特に好都合である。容器が密封された後で、容器は、エアロックを通って無菌区域から取り出され、最終的にラベルが貼られて包装される。このプロセスでは、すべての表面及び装置が無菌作業用に設計されていることが理解されるであろう。
【0047】
本開示により、したがって、第2の栓は、多数の異なる機能を実行する。最初に、容器が組み立てられて充填されるとき、第2の栓は、本体内の2つの隔離された区画を形成するための分割構造体として機能する。次に、第2の栓は、貯蔵中に第2の構成成分を第1の構成成分から隔離するための本体内部の一時的蓋として機能する。使用中に、第2の栓は、2つの追加の機能を実行する:1)容器の第1の端部に印加された圧力により第2の栓がバイパス内に押し込まれると、一次導管が、第1の区画から第2の区画への第1の構成成分の移送を促進し、2)第1の構成成分が第2の区画に移送された後で、第1の栓が、第2の栓をバイパスから押し出して、容器の第1の端部の第1の栓に印加された継続した圧力が、第2の栓に第2の区画内のブレンドされた第1及び第2の構成成分を容器から排出されるように排出させる。
【0048】
任意の実施形態において、本開示の二重区画の容器は、1回又は複数回の使用のために構成された容器である。
【0049】
二重区画の容器の測定値は、生成される混合物又は分散体の体積に依存する。例えば、ヒトへの医療業務では、10mLの体積をめったに上回らないので、それは、最大約20mLの体積が通常充分であることを意味する。しかし、例外的な場合及び動物への使用に対しては、これらの体積を上回ることも可能である。
【0050】
本開示はまた、二重区画の容器内の第1の構成成分(例えば、固体凍結乾燥物)及び第2の構成成分(例えば、液体還元媒体)を混合する方法を提供し、この容器は、
長手方向軸、第1のアパーチャを有する第1の端部、第1の端部の反対側の第2のアパーチャを含む第2の端部、並びに第1及び第2の端部の間に配置されたバイパスを有する本体であって、
バイパスは、長さLを有する、本体と、
第1の端部に近接する本体内に摺動自在に配置された第1の栓と、
第1の栓と第2の端部との間の本体内に摺動自在に配置された第2の栓であって、
第1及び第2の栓は、第1及び第2の栓の間の本体内に配置された第1の区画を画定し、
第2の区画は、第2の栓と第2の端部との間の本体内に配置され、
第2の栓は、
第1の栓に面したトップ面と、
第2の端部に面した底面と、
トップ面と底面との間に延びる側壁であって、トップ面に近接する第1の縁部を有する第1の周囲シール、及び底面に近接する第2の縁部を有する第2の周囲シールを含む、側壁と、
側壁内の第1の開口部から第2の栓内に延びる一次導管と、
複数の二次導管であって、それぞれの二次導管は、一次導管から底面内の別個の第2の開口部に延びる、複数の二次導管と、を含む、第2の栓と、を備え、
第1の開口部は、第1の周囲シールと第2の周囲シールとの間に配置され、
二次導管のうちの少なくとも1つは、長手方向軸に平行ではない線に沿ってその第2の開口部から出る液体流動を誘導し、
距離Dは、第1の縁部から第2の縁部に長手方向に延び、
距離Eは、第1の縁部から第1の開口部に長手方向に延び、
D≧L、及びE<Lである。
【0051】
2つの構成成分を混合するために、第1の栓は、外力、具体的には手動で作用する力の印加により第2の栓に向かって押され、同時に、圧力が第1の栓に印加されて、第1の構成成分が第2の構成成分を含む区画への通路を有するように、第2の栓をバイパス内に押させる。したがって、2つの構成成分は、二重区画の容器の無菌条件に影響を及ぼすことなく、一体に混合することができる。
【0052】
好ましくは、第1の栓は、ストッパ、具体的にはゴムストッパである。2つの構成成分は、特に好ましくは、容器を垂直に保持することにより、すなわち、第2の端部を第1の端部の下方に配向して、一体に混合される。任意の実施形態において、2つの構成成分が混合される間、第2の端部は、例えば、フランジの付いたキャップを有する密封円盤を使用して流体的に密封されるが、任意の他の好適な、任意選択的に取り外し可能な、蓋を使用することもまた可能である。
【0053】
第1の栓上の圧力は、指、第1の栓に取り付けられた若しくは接触する柄若しくはプランジャ、好適なポンチ、又は他の好適な機械的アクチュエータ、衝撃、若しくは手段を使用して印加することができる。第1の構成成分及び第2の栓の両方は、次に、第2の端部に向かって移動する。第2の栓は、バイパス位置内に移動して、それにより、複数の一次導管により第1の区画と第2の区画との間の流体経路を開放する。第1の栓により第1の構成成分に作用する圧力により、第1の構成成分が、第1及び第2の区画の間のバイパスにより開放された流体経路を通って流動して第2の構成成分(例えば、凍結乾燥物)を含む第2の区画に入ることが可能になる。
【0054】
第1の構成成分(例えば、還元媒体)は、第2の構成成分(例えば、固体凍結乾燥物)と混合して、第2の構成成分は、第1の構成成分内に溶解及び/又は懸濁される。第1の端部の第1の栓は、右に第2の栓まで押すことができる。溶液又は懸濁液は、最終的に完全に還元されて、使用できる状態である。
【0055】
任意の実施形態において、第1及び第2の構成成分の混合された(例えば、還元された)混合物は、本明細書で説明した第2のアパーチャを通って容器から出して分配することができる。これらの実施形態では、流体密封シールは、容器上に存在する場合、閉鎖状態から開放状態に変換される(例えば、キャップを除去すること、弁を開放すること、及び/又は貫通可能なシールを貫通することにより)。
【0056】
本開示はまた、人間医学及び獣医学における本発明による容器の使用に関する。
【0057】
本開示の容器及び方法は、多数の利点を有する。
【0058】
本開示により、一実施形態では、凍結乾燥物及び還元溶液を有する二重区画の容器が提供される。本開示による容器を使用することにより、溶液内で不安定である物質を直接凍結乾燥機内で乾燥させて、次に単一の本体内に二重区画システムを提供することが可能である。したがって、本開示による構造により、早過ぎる混合及びそれゆえの構成成分の効能の損失の発生なしに、二成分系の問題のない貯蔵が可能になる。本開示により提供される二成分系は、殺菌され、使用できる状態に予め充填された状態で貯蔵することができる。2つの構成成分の混合は、貯蔵後、使用の直前に行われる。二重区画の容器は、使用後に廃棄することができる。
【0059】
本発明による二重区画の容器を使用することにより、所望の溶液又は懸濁液を使用の直前に調製することができ、結果として、速くて信頼性のあるシステムとなるだけでなく、製造及び充填が容易になる。これは、一体型の解決策であり、すなわち、容器は、栓により互いに分離された2つの区画を有して得られる。
【0060】
本発明による二重区画の容器を使用することにより、容器を開封し、それにより、あるいは容器を望ましくない外部の細菌性、化学的、又は物理的な影響に曝露する必要なしに、簡易な操作により密封された二重区画システム内で凍結乾燥物の還元を実行することが可能である。
【0061】
説明した二重区画システムにより、既に凍結乾燥機内にある容器を密封しておくことが可能になる。これにより、特に、微粒子、病原体、及び任意の異物による凍結乾燥物の汚染が回避されるという利点につながる。更に、凍結乾燥物は、湿気及び酸素から保護される。容器は、一次包装として使用して、その明確にラベル付けされた形態で貯蔵することができる。したがって、二成分系、特に凍結乾燥調合剤の使用を、より簡易にすることができる。容器は、何らかの方法に限定されず、例えば、既に市販されている、いわゆるペンシステムの状態で使用することができる。
【0062】
図面を参照して、図1は、本開示による容器の本体100の一実施形態の部分的に断面の概略側面図である。本体100は、第1の端部102及び第1の端部と反対側の第2の端部104を有している。第1の端部102は、本体100の内部へのアクセス(又は、からの出口)を提供する第1のアパーチャ103を有する。第2の端部104は、本体100の内部へのアクセス(又は、からの出口)をまた提供する第2のアパーチャ107(図2を参照)を有する。任意選択的に、第2のアパーチャ107は、図1に示すように、第1のアパーチャ103より小さいものとすることができる。
【0063】
任意の実施形態において、第2の端部は、結合構造体106を更に含む。結合構造体106は、本体100を輸液用器具に結合(例えば、流体的に結合)して、それにより、本体内に含まれる組成物の輸液用器具への移送を可能にするために使用することができる。好適な結合構造体の非限定的例としては、当該技術分野で周知であるルアー嵌合(例えば、ルアースリップ及びルアーロック型嵌合)が挙げられる。輸液用器具の非限定的例としては、カテーテル、カニューレ、ニードル、又はマイクロニードルデバイスが挙げられる。
【0064】
任意の実施形態において、結合構造体106は、弁(図示せず)を含むことができる。弁は、容器内への又は容器から出る流体流動を可能にする開放位置、及び容器内への又は容器から出る流動を可能にしない閉鎖位置を有することができる。
【0065】
容器の本体100は、バイパス110を更に含む。バイパス110は、本体100を3つの部分、第1の端部102に近接する第1の部分100a、第2の端部104に近接する第2の部分100b、及び本体の第1の部分と第2の部分との間に配置されたバイパス部分100cに分割する。本体100の内部の断面直径は、第1の部分100a及び第2の部分100b内よりバイパス部分100c内でより大きい。
【0066】
図2は、図1の本体100の上面図である。本体100は、一端の第1のアパーチャ103及び他端の第2のアパーチャ107により境界をつけられた、円筒形内部体積を画定する壁101を含む。図示した実施形態の内部体積は円筒形であるが、当業者は、他の形状も可能であることを認識するであろう。また図2に、本体100の内部体積の断面積が本体の他の部分内より大きい、バイパス110を示す。
【0067】
本体100は、一体に混合されることを意図した2つの構成成分を収容するための任意の好適な材料から作製することができる。好ましくは、この材料は、混合される構成成分のいずれかとの相互作用に対して実質的に不活性である。任意の実施形態において、本体100は、成形されたガラス又はプラスチック(例えば、熱可塑性)材料であり、それらの両方が、容器内で混合プロセスが進行する際の混合プロセスの目視観測を提供することができる。代わりに、本体100は、当該技術分野で周知であるプロセスを使用して、金属(例えば、ステンレス鋼)から作製することができる。
【0068】
図3は、本開示による容器1000の一実施形態の部分的に断面の概略側面図を示す。容器1000は、本明細書で説明するような、第1のアパーチャ103を有する第1の端部102、第2の端部104、及びバイパス110を有する本体100を備える。本体100は、第1の栓200及び第2の栓300を内部に配置されて有する。第2の栓300の第1の周囲シール(以下に説明する第1のシール344)の少なくとも一部分は、本体100の第1の部分(図1の第1の部分100a)内に配置されている。この位置で、第2の栓300は、本体100の内部体積を2つの流体的に隔離された部分−本体の第1の端部102に近接する第1の区画120及び本体の第2の端部104に近接する第2の区画130に分割する。本開示の容器のあらゆる実施形態の要件ではないが、図3に示した実施形態では、第1の区画は、液体の第1の構成成分125を収容し、第2の区画は、固体の第2の構成成分135を収容する。
【0069】
容器1000は、本体100の第2の端部104を流体的に密封する任意選択の開放可能なシール400を更に備える。任意の実施形態において、シール400は、流体密封シールとすることができ、閉鎖構成では、流体密封シールは、第2のアパーチャ内への又は第2のアパーチャから出る流体流動を防止する。任意の実施形態において、開放可能なシール400は、例えば、摩擦嵌合により本体100の第2の端部104に取り付けられた、プラスチックのキャップなどの耐久性のあるシールを含むことができる。代わりに又は加えて、開放可能なシール400は、例えば、本体100の第2の端部104に粘着的に固定された、プラスチック又は金属箔のフィルムなどの壊れやすいシールを含むことができる。
【0070】
第1の栓200は、第1の端部102に近接した本体100内に少なくとも部分的に配置されている。第1の栓200は、容器1000の本体100内に移動可能な流体密封シールを形成することができる任意の形状の形態を取ることができる。任意選択的に、第1の栓200は、中央部分204から延びる1つ以上の延長部分202を含むことができる。延長部分202は、第1の栓200と本体100との間の摩擦の量を低減して、それにより、本体を通る第1の栓200の移動を促進する(すなわち、移動のために必要な力の量を低減する)ことができる。図3に示す実施形態では、延長部分202は、本明細書で説明するような第1及び第2の構成成分が容器1000内で混合されるまでの貯蔵期間中に、第1の区画120内の液体の第1の構成成分125を保持するシールを提供する。
【0071】
第1の栓200は、好ましくは、弾性かつ可撓性の材料であり、好ましくは、当該技術分野で周知のプロセス(例えば、射出成型工程)を使用して、天然ゴム又は合成ゴムなどのゴム、エラストマ、熱可塑性材料、熱可塑性エラストマなどのプラスチックなどで作製される。
【0072】
図4A図4Cは、図3の第2の栓300の一実施形態の各種図を示す。第2の栓300は、本開示の容器の本体の内側に密封して嵌合するように成形され大きさにされている。第2の栓300は、中央部分から延びる任意選択の延長部分302を有する中央部分304を有する。延長部分302は、第2の栓300と本体100との間の摩擦の量を低減して、それにより、本体100を通る第2の栓200の移動を促進する(すなわち、移動のために必要な力の量を低減する)ことができる。加えて、第2の栓300は、本体の第1の端部に面する軸方向のトップ面340、本体の第2の端部に面する軸方向の底面342、及び第2の栓内に延びる一次導管352を有する。
【0073】
一次導管は、第2の栓300の半径方向の第1の開口部(第1の開口部350)から中央部分304に延びる。加えて、複数の二次導管(それぞれ二次導管356a及び356b)は、一次導管352内に配置された第2の開口部(それぞれ第2の開口部355a及び355b)から第2の栓300の底面342の別個の第3の開口部(それぞれ第3の開口部357a及び357b)に延びる。第2の栓は、2つ以上の一次導管(図示せず)を含むことができることが意図されている。第2の栓は、そこに一次導管から延びる2、3、4、5、6、8、10、12、15、又は20個の一次導管を有することができる。したがって、任意の実施形態において、第2の栓は、2〜4個の一次導管、2〜6個の一次導管、2〜8個の一次導管、2〜10個の一次導管、2〜12個の一次導管、4〜10個の一次導管、又は10〜20個の一次導管を含むことができる。
【0074】
二次導管のうちの少なくとも1つは、第2の栓300の長手方向軸「X」に平行ではない線に沿って第2の開口部から出る液体流動を誘導する。図4Bの線「M」及び「N」により示すように、両方の二次導管(二次導管356a及び356b)は、第2の栓300の長手方向軸「X」に平行でない線に沿った二次導管のそれぞれの第2の開口部から出る液体流動を誘導する。任意の実施形態において、二次導管のうちの少なくとも1つ(例えば、二次導管356b)は、図4A図4Cに示すように、第2の栓300の長手方向軸Xに対して合成角度を形成する線に沿った第2の開口部(例えば、第2の開口部357b)から出る液体流動を誘導する。任意の実施形態において、二次導管のうちの2つ以上はそれぞれ、長手方向軸に対して合成角度を形成する線に沿ってその第2の開口部から出る液体流動を誘導する。
【0075】
少なくとも1つが長手方向軸に平行でない線に沿った液体流動を誘導する二次導管の構成は、第2の区画内に配置された構成成分を、液体流動が長手方向軸に平行な線に沿って誘導される場合より急速で完全に混合することができるように、追加の乱流を生成する(例えば、本体の側壁を離れる液体流動の偏向により)。
【0076】
任意の実施形態(図示せず)において、複数の二次導管のうちの少なくとも1つは、長手方向軸に平行でない線に沿った第2の開口部から出る液体流動を誘導し、複数の二次導管のうちの少なくとも1つは、長手方向軸に実質的に平行な線に沿った第2の開口部から出る液体流動を誘導する。本明細書で使用される場合、「実質的に平行な」は、3°未満の角度を形成するように長手方向軸と交差する線を指す。
【0077】
第2の栓300は、好ましくは、弾性かつ可撓性の材料であり、好ましくは、当該技術分野で周知のプロセス(例えば、射出成型工程)を使用して、天然ゴム又は合成ゴムなどのゴム、エラストマ、熱可塑性材料、熱可塑性エラストマなどのプラスチックなどで作製される。一次導管は、第2の栓が形成される間に形成することができる、又は代わりに、第2の栓が形成された後で形成することができる(例えば、レーザードリル加工工程を使用して)。
【0078】
第2の栓300(図5を参照)は、本開示の容器の本体の第1又は第2の部分内に配置された場合に容器内の流体密封シールを形成する、少なくとも2つの部分(それぞれ、周囲シール344及び346)を含む。第1の周囲シール344は、第2の栓300のトップ面340に近接する第1の縁部345を含む。第2の周囲シール346は、第2の栓300の底面342に近接する第2の縁部347を含む。第1の開口部(第1の開口部350)は、第1の周囲シール344と第2の周囲シール346との間に配置される。距離「E」は、第1の縁部345から第1の縁部に最も近接して位置する第1の開口部(すなわち、図5の一次導管352の第1の開口部350)に延びる。距離Eは、距離L未満である。距離「D」は、第1の縁部345から第2の縁部347に長手方向に延びる。
【0079】
図6は、図3の容器1000の本体100及び第2の栓300の側面図を示す。図示した実施形態では、第2の栓300の第1の縁部345と第2の縁部347との間の軸方向長さDは、本体100のバイパス110の軸方向長さLより大きい。この関係により、第2の栓300がバイパス領域(図1のバイパス領域100cを参照)を通って移動する際に、第1の縁部345及び/又は第2の縁部347のいずれかが本体100と周囲接触していることが確実になる。これにより更に、第2の栓300の第1の端部102側から第2の栓の第2の端部104側への任意の流体流動が、一次導管252、及び複数の二次導管(すなわち、それぞれ二次導管356a及び356b)のうちの1つ以上を通るものでなければならないことが確実になる。
【0080】
使用するとき、本開示による容器は、一定時間期間の間容器内に互いに隔離されて保持されてきた2つの構成成分(例えば、流体構成成分(例えば、液体)及び固体構成成分)を混合するために使用することができる。図7図9は、方法により2つの構成成分を混合するプロセスの各種段階における、容器1000の部分的に断面の概略側面図を示す。
【0081】
図7は、それぞれ本明細書で説明するような、第1の端部102、第2の端部104、及びバイパス110を有する本体100を備える容器1000を示す。第1の栓200は、本明細書で説明するように、第1の端部102に近接する本体100の第1の部分(図1の第1の部分100a)内に配置されている。第2の栓300は、本明細書で説明するように、本体100の第1の部分(図1の第1の部分100a)内の第1の動作位置に配置されている。第2の栓300は、本明細書で説明するように、一次導管352、及び一次導管352から第2の栓の第2の表面に第2の栓300を通って延びる複数の二次導管(二次導管356a及び356b)を含む。第1の構成成分125(例えば、中に第2の構成成分を溶解及び/又は懸濁することができる液体)を収容する第1の区画120は、第1の栓200と第2の栓300との間に配置されている。任意の実施形態において、第1の構成成分125は、水、緩衝用水、水性食塩溶液、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される水性の液体とすることができる。
【0082】
任意の実施形態において、第1の構成成分125は、所定の量で第1の区画内に存在することができる。第2の構成成分135(例えば、第1の構成成分125内に溶解又は懸濁することができる凍結乾燥固体)を収容する第2の区画130は、第2の栓300と第2の端部104との間に配置されている。任意の実施形態において、第2の構成成分135は、粉末の形態で存在することができる。任意の実施形態において、第2の構成成分は、所定の量の薬学的に有効な化合物を含むことができる。任意の実施形態において、粉末は、ワクチンを含むことができる。任意の実施形態において、粉末は、小分子、タンパク質、ペプチド、糖タンパク質、ホルモン、又はポリヌクレオチドを含むことができる。粉末は、天然由来の化合物又は合成化合物とすることができる。容器1000は、容器内に配置された第1及び第2の構成成分(それぞれ125及び135)に対して不浸透性であるシール400を更に備える。したがって、図7に示す容器1000は、第1の構成成分125及び第2の構成成分135を、本明細書で説明する混合プロセスの前に構成成分を貯蔵するために使用することができる構成で内部に収容して有する。
【0083】
方法により、第1の栓200は、図8に示すように、圧力(例えば、手動又は機械の圧力)下で第2の端部104に向かって本体100内に押し込まれる。本体内への第1の栓200の移動を促進するために、押すための物体(例えば、任意選択的に第1の栓に取り付けられた、図示しない柄)を使用して、矢印「A」の方向に第1の栓に力を印加することができる。第1の栓200に対する力は、第1の区画120及び第1の構成成分125を介して第2の栓300に移転されて、図8に示すように、第2の栓を第2の端部104に向かって第2の動作位置に移動させる。第2の栓300のトップ面340(図7に示す)がバイパス110内に移動すると、第1の栓200に対する力は、第1の構成成分125をバイパス110内に(矢印「B」により示すように)、一次導管352を通って、二次導管356a及び356bを通って、第2の栓300を出て、図8の矢印「C」により示すように第2の区画130内に移動させた。第2の区画130に入ると、第1の構成成分125の流動は、乱流(図示せず)を発生させ、第2の構成成分135の急速な溶解及び/又は懸濁を促進して、第1の構成成分125の実質的にすべてが圧力下で第1の区画120から第2の区画130に移送されると、混合物170の形成を引き起こす。好都合に、任意の実施形態において、方法は、第1の構成成分が第2の区画内に移送された後で第1及び第2の構成成分の均一な混合(又は懸濁)を実現するために、追加の振動(例えば、手動及び/又は機械的に支援された振動)を必要としない。
【0084】
使用するとき、本開示による容器は、2つの構成成分(例えば、流体構成成分(例えば、液体)及び固体構成成分)を混合して、更に2つの構成成分の組み合わせを分配するための方法において、使用することができる。図7図10は、この方法により2つの構成成分を混合するプロセスの各種段階における、容器1000の部分的に断面の概略側面図を示す。
【0085】
多重区画の容器内の空気圧力の管理は、容器の貯蔵及び/又はその後の区画内に配置された構成成分を混合するための使用中の要因であることが意図されている。第2の区画内の空気圧力の増大を回避することにより、第1及び第2の栓が容器の第2の端部に向かって押し込まれる際に過度の背圧が生じるのを防止するであろう。可能な解決策としては、空気を第2の区画から排気すること(例えば、第2の構成成分の凍結乾燥中)、又は第2のアパーチャを介してベント(例えば、ニードル)を挿入すること、又は第1の構成成分が第1の区画から第2の区画に移送される間に第2のアパーチャで弁若しくはベント(図示せず)を作動させることが挙げられるが、これらに限定されない。
【0086】
この方法は、図7図9に示し上述した工程を含む。第1及び第2の構成成分が混合物170を形成するために混合された後で、シール400は、容器の第2の端部から除去され、それにより、第2のアパーチャ(図2を参照、図7図10に示されない)を露出させる。矢印Aの方向の第1の栓200に対する継続する力は、第2の栓及び混合物170に移転されて、図10の矢印「P」により示すように、混合物170を第2の端部104から流出させる。
【0087】
本開示の容器の任意の実施形態において、第2の栓の底面は、第2の栓の長手方向軸に直交する平面以外の形態を取ることができる。したがって、任意の実施形態において、第2の栓の底面は、非平面形状の形態を取ることができる。底面の好適な形状の非限定的例としては、球台、半球、懸垂面、回転放物面、頂型円筒、円錐、切頂型円錐、及び錐台が挙げられる。好都合に、成形した表面は、少なくとも2つの機能を実行することができる:1)第2の栓の突出した底面は、第2の端部の第2のアパーチャの形状により良好に適合することができ、したがって、容器からの混合物全体の排出を促進することができ、2)第2の栓の成形した底面は、第2の区画内の追加の乱流を生成することができ、それにより、第1の構成成分への第2の構成成分のより急速な溶解及び/又は分散を促進することができる。
【0088】
図11図13は、成形した底面(それぞれ342a、243b、及び342c)を有する第2の栓の3つの実施形態(それぞれ301、302、及び303)を示し、それぞれの第2の栓は、栓内に延びる一次導管352、及び一次導管から第2の栓の底面(すなわち、それぞれ底面342a、342b、及び342c)に延びる複数の二次導管356を有する。図示した実施形態のそれぞれでは、一次導管352のうちの少なくとも1つは、長手方向軸に平行ではない線(図示せず)に沿って第2の開口部から出る液体流動を誘導する。図11の第2の栓301は、円錐形に成形した底面342aを含む。図12の第2の栓302は、切頂型円錐形に成形した底面342bを含む。図13の第2の栓303は、半球形に成形した底面342cを含む。
【0089】
上述した図示した実施形態の一次導管(例えば、図11図13の一次導管352)は、クリース、ノッチ、又は陥凹として示されているが、本開示の一次導管は、貫通孔又は行き詰まり流路の形態を取ることができることもまた意図されている。
【0090】
図14Aは、栓305を通って横に延びる貫通孔を画定する一次導管352’を有する第2の栓305の一実施形態を示す。一次導管352’は、第2の栓305の長手方向軸に実質的に垂直に配向されている。複数の二次導管(二次導管356a及び356b)が、一次導管352’から第2の栓305の第2の表面342に延びている。これらの実施形態では、一次導管352’が本開示による容器の第1の区画と流体連通に置かれると(すなわち、供給路の導管356及び第1の周囲シール344が共にバイパス(図示せず)内に配置されると)、第1の構成成分(例えば、液体)は、一次導管352’並びに二次導管356a及び356bを介して第2の栓305を通って移動することができる。第2の周囲シール346もまた、図14Aに示されている。
【0091】
図14Bに示した実施形態では、一次導管352’’は、第2の栓305内に延びる行き詰まり流路である。複数の二次導管(二次導管356a及び356b)が、一次導管352’’から第2の栓305の第2の表面342に延びている。これらの実施形態では、一次導管352’’が本開示による容器の第1の区画と流体連通に置かれると(すなわち、供給路の導管356’及び第1の周囲シール344が共にバイパス(図示せず)内に配置されると)、第1の構成成分(例えば、液体)は、一次導管352’’並びに二次導管356a及び356bを介して第2の栓305を通って移動することができる。第2の周囲シール346もまた、図14Bに示されている。
【0092】
第2の栓(図示せず)は、少なくとも1つの二次導管が栓の第2の表面に延びる一次導管352’又は352’’と同様の複数の一次導管を含むことができることが意図されている。
【0093】
例示的な実施形態
実施形態Aは、容器であって、
長手方向軸、第1のアパーチャを有する第1の端部、第1の端部の反対側の第2のアパーチャを含む第2の端部、並びに第1及び第2の端部の間に配置されたバイパスを有する本体であって、
バイパスは、長さLを有する、本体と、
第1の端部に近接する本体内に摺動自在に配置された第1の栓と、
第1の栓と第2の端部との間の本体内に摺動自在に配置された第2の栓であって、
第1及び第2の栓は、第1及び第2の栓の間の本体内に配置された第1の区画を画定し、
第2の区画は、第2の栓と第2の端部との間の本体内に配置され、
第2の栓は、
第1の栓に面したトップ面と、
第2の端部に面した底面と、
トップ面と底面との間に延びる側壁であって、トップ面に近接する第1の縁部を有する第1の周囲シール、及び底面に近接する第2の縁部を有する第2の周囲シールを含む、側壁と、
側壁内の第1の開口部から第2の栓内に延びる一次導管と、
複数の二次導管であって、それぞれの二次導管は、一次導管から底面内の別個の第2の開口部に延びる、複数の二次導管と、を含む、第2の栓と、を備え、
第1の開口部は、第1の周囲シールと第2の周囲シールとの間に配置され、
二次導管のうちの少なくとも1つは、長手方向軸に平行ではない線に沿ってその第2の開口部から出る液体流動を誘導し、
距離Dは、第1の縁部から第2の縁部に長手方向に延び、
距離Eは、第1の縁部から第1の開口部に長手方向に延び、
D≧L、及びE<Lである。
【0094】
実施形態Bは、実施形態Aの容器であって、一次導管のうちの2つ以上はそれぞれ、長手方向軸に平行ではない線に沿ってその第2の開口部から出る液体流動を誘導する。
【0095】
実施形態Cは、実施形態A又は実施形態Bの容器であって、底面は、球台、半球、懸垂面、回転放物面、頂型円筒、円錐、切頂型円錐、及び錐台からなる群から選択される形状を実質的に規定する。
【0096】
実施形態Dは、前述の実施形態のいずれか1つの容器であって、二次導管のうちの少なくとも1つは、長手方向軸に対して合成角度を形成する線に沿ってその第2の開口部から出る液体流動を誘導する。
【0097】
実施形態Eは、実施形態Dの容器であって、二次導管のうちの2つ以上はそれぞれ、長手方向軸に対して合成角度を形成する線に沿ってその第2の開口部から出る液体流動を誘導する。
【0098】
実施形態Fは、前述の請求項のいずれか1つの容器であって、第2の区画は、内部に配置された凍結乾燥試薬を有する。
【0099】
実施形態Gは、実施形態Fの容器であって、凍結乾燥試薬は、所定の量の薬学的に有効な化合物を含む。
【0100】
実施形態Hは、前述の実施形態のいずれか1つの容器であって、第1の栓に動作可能に結合された柄を更に備える。
【0101】
実施形態Iは、前述の実施形態のいずれか1つの容器であって、第2の端部は、結合構造体を含む。
【0102】
実施形態Jは、前述の実施形態のいずれか1つの容器であって、容器は、第2のアパーチャに近接する開放可能な流体密封シールを含み、閉鎖構成では、流体密封シールは、第2のアパーチャ内への又は第2のアパーチャから出る流体流動を防止する。
【0103】
実施形態Kは、実施形態I又は実施形態Jの容器であって、結合構造体は、ニードル又はマイクロニードルデバイスを容器に結合するように適合される。
【0104】
実施形態Lは、実施形態Kの容器であって、結合構造体は、容器から出る流体流動を可能にする開放位置、及び容器から出る流体流動を可能にしない閉鎖位置を有する弁を含む。
【0105】
実施形態Mは、前述の実施形態のいずれか1つの容器であって、第1の区画は、第2の構成成分と混合される所定の量の第1の構成成分を収容し、周囲温度で、第1の構成成分は、気体、液体、又はゲルを含む。
【0106】
実施形態Nは、実施形態Mの容器であって、第2の区画は、第1の構成成分と混合される所定の量の第2の構成成分を収容し、周囲温度で、第2の構成成分は、気体、液体、ゲル、実質的に乾燥した固体、又はペーストを含む。
【0107】
実施形態Oは、組成物の第1及び第2の構成成分を混合する方法であって、この方法は、
実施形態Nの容器の第1の区画内に配置された第1の構成成分を、容器の第2の区画内に配置された第2の構成成分に接触させることを含み、
第1の構成成分は、流体を含み、
第2の構成成分は、流体又は固体を含み、
第1の構成成分を第2の構成成分に接触させることは、少なくとも1つの第1の開口部がバイパス、第1の区画、及び第2の区画と流体連通するまで、第1の栓を第2の端部に向かって押し込むことを含み、
第1の栓を第2の端部に向かって押し込むことは、第1の構成成分の少なくとも一部分を第1の区画から第2の区画内に押し込むことを含む。
【0108】
実施形態Pは、組成物の第1及び第2の構成成分を混合して組成物を分配する方法であって、この方法は、
実施形態Nの容器の第1の区画内に配置された第1の構成成分を、容器の第2の区画内に配置された第2の構成成分に接触させることであって、
第1の構成成分は、気体、液体、及びゲルからなる群から選択され、
第2の構成成分は、気体、液体、ゲル、粉末、及びペーストからなる群から選択され、
第1の構成成分を第2の構成成分に接触させることは、少なくとも1つの第1の開口部がバイパス、第1の区画、及び第2の区画と流体連通するまで、第1の栓を第2の端部に向かって押し込むことを含み、
第1の栓を第2の端部に向かって押し込むことは、所定の体積の第1の構成成分を第1の区画から第2の区画内に移送して、上記組成物を形成することを含む、ことと、
閉鎖状態から開放状態に第2の端部を変換することと、を含み、
所定の体積の第1の構成成分が第2の区画内に移送された後で、第1の栓を第2の端部に向かって押し込むことは、第2の栓を第2の端部に向かって押し込むことを更に含み、
第2の栓を第2の端部に向かって押し込むことは、組成物の少なくとも一部分を第2のアパーチャを介して本体から出して分配することを含む。
【0109】
実施形態Qは、実施形態Pの方法であって、容器の第2の端部を閉鎖状態から開放状態に変換することは、流体密封シールを閉鎖状態から開放状態に変換することを含む。
【0110】
実施形態Rは、実施形態P又は実施形態Qの方法であって、第2の端部を閉鎖状態から開放状態に変換することは、シールを破壊することを含む。
【0111】
実施形態Sは、実施形態PからRのいずれか1つの方法であって、第2の端部を閉鎖状態から開放状態に変換することは、弁を閉鎖状態から開放状態に調節することを含む。
【0112】
実施形態Tは、実施形態PからSのいずれか1つの方法であって、第2のアパーチャを輸液用器具に流体的に結合することを更に含む。
【0113】
実施形態Uは、実施形態Tの方法であって、輸液用器具は、カテーテル、カニューレ、ニードル、又はマイクロニードルデバイスからなる群から選択される。
【0114】
実施形態Vは、実施形態PからUのいずれか1つの方法であって、第1の構成成分は、液体を含み、第2の構成成分は、実質的に乾燥した固体を含む。
【0115】
実施形態Wは、実施形態Vの方法であって、実質的に乾燥した固体は、粉末を含む。
【0116】
本明細書において引用したすべての特許、特許出願及び公報、並びに電子的に入手可能な資料の全開示が参照によって組み込まれる。本出願の開示と参照によって本明細書に組み込まれている文書の開示との間に矛盾が存在する場合には、本出願の開示が優先するものとする。上記の詳細な説明及び実施例は、理解しやすいように示したものにすぎない。それによって不要な限定がなされるものではない。本発明は図示及び記載された細部そのものに限定されず、当業者に明白な変形形態は、特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内に含まれる。
【0117】
すべての見出しは読者の便宜のためのものであり、明記しない限り、見出しに続く文の意味を限定するために使用されるものではない。
【0118】
本明細書に例示的に記載する本発明は、本明細書に具体的に開示しない何らかの要素がなくても好適に実行することができる。したがって、例えば、本明細書ではいずれの場合も、「備える、含む(comprising)」、「から本質的になる(consisting essentially of)」、及び「からなる(consisting of)」という用語のいずれかを、他の2つの用語のいずれかに置き換えることができる。用いた用語及び表現は、限定ではなく説明の用語として使用したものであり、そのような用語及び表現を使用する際、図示及び記載する特徴又はその一部分の何らかの均等物を除外する意図はなく、クレームされる本発明の範囲内で様々な修正形態が可能であることが理解される。したがって、好ましい実施形態及び任意選択の特徴によって、本発明について具体的に開示したが、本明細書に開示する概念の修正形態及び変形形態を、当業者であれば用いることができ、そのような修正形態及び変形形態は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内であると見なされることを理解されたい。本発明の実施態様の一部を以下の[項目1]−[項目20]に記載する。
[項目1]
長手方向軸、第1のアパーチャを有する第1の端部、前記第1の端部の反対側の第2のアパーチャを含む第2の端部、並びに前記第1及び第2の端部の間に配置されたバイパスを有する本体であって、
前記バイパスは、長さLを有する、本体と、
前記第1の端部に近接する前記本体内に摺動自在に配置された第1の栓と、
前記第1の栓と前記第2の端部との間の前記本体内に摺動自在に配置された第2の栓であって、
前記第1及び第2の栓は、前記第1及び第2の栓の間の前記本体内に配置された第1の区画を画定し、
第2の区画は、前記第2の栓と前記第2の端部との間の前記本体内に配置され、
前記第2の栓は、
前記第1の栓に面したトップ面と、
前記第2の端部に面した底面と、
前記トップ面と前記底面との間に延びる側壁であって、前記トップ面に近接する第1の縁部を有する第1の周囲シール、及び前記底面に近接する第2の縁部を有する第2の周囲シールを含む、側壁と、
前記側壁内の第1の開口部から前記第2の栓内に延びる一次導管と、
複数の二次導管であって、それぞれの二次導管は、前記一次導管から前記底面内の別個の第2の開口部に延びる、複数の二次導管と、を含む、第2の栓と、を備え、
前記第1の開口部は、前記第1の周囲シールと前記第2の周囲シールとの間に配置され、
前記二次導管のうちの少なくとも1つは、前記長手方向軸に平行ではない線に沿って前記二次導管のうちの前記少なくとも1つの第2の開口部から出る液体流動を誘導し、
距離Dは、前記第1の縁部から前記第2の縁部に長手方向に延び、
距離Eは、前記第1の縁部から前記第1の開口部に長手方向に延び、
D≧L、及びE<Lである、容器。
[項目2]
前記二次導管のうちの2つ以上は、前記長手方向軸に平行ではない線に沿って前記第2の開口部から出る液体流動を誘導する、項目1に記載の容器。
[項目3]
前記底面は、球台、半球、懸垂面、回転放物面、切頂型円筒、円錐、切頂型円錐、及び錐台からなる群から選択される形状を実質的に規定する、項目1又は2に記載の容器。
[項目4]
前記二次導管のうちの少なくとも1つは、前記長手方向軸に対して合成角度を形成する線に沿って前記二次導管のうちの前記少なくとも1つの第2の開口部から出る液体流動を誘導する、項目1から3のいずれか一項に記載の容器。
[項目5]
前記二次導管のうちの2つ以上はそれぞれ、前記長手方向軸に対して合成角度を形成する線に沿って前記二次導管のうちの前記2つ以上の第2の開口部から出る液体流動を誘導する、項目4に記載の容器。
[項目6]
前記第2の区画は、内部に配置された凍結乾燥試薬を有する、項目1から5のいずれか一項に記載の容器。
[項目7]
前記第1の栓に動作可能に結合された柄を更に備える、項目1から6のいずれか一項に記載の容器。
[項目8]
前記第2のアパーチャは、結合構造体を含む、項目1から7のいずれか一項に記載の容器。
[項目9]
前記容器は、前記第2のアパーチャに近接する開放可能な流体密封シールを含み、閉鎖構成では、前記流体密封シールは、前記第2のアパーチャ内への又は前記第2のアパーチャから出る流体流動を防止する、項目1から8のいずれか一項に記載の容器。
[項目10]
前記結合構造体は、ニードル又はマイクロニードルデバイスを前記容器に結合するように適合される、項目8又は9に記載の容器。
[項目11]
前記第1の区画は、第2の構成成分と混合される所定の量の第1の構成成分を収容し、周囲温度で、前記第1の構成成分は、気体、液体、又はゲルを含む、項目1から10のいずれか一項に記載の容器。
[項目12]
前記第2の区画は、前記第1の構成成分と混合される所定の量の第2の構成成分を収容し、周囲温度で、前記第2の構成成分は、気体、液体、ゲル、実質的に乾燥した固体、又はペーストを含む、項目11に記載の容器。
[項目13]
組成物の第1及び第2の構成成分を混合する方法であって、
項目12に記載の前記容器を用意することと、
前記容器の前記第1の区画内に配置された前記第1の構成成分を、前記容器の前記第2の区画内に配置された前記第2の構成成分に接触させることと、を含み、
前記第1の構成成分は、流体を含み、
前記第2の構成成分は、流体又は固体を含み、
前記第1の構成成分を前記第2の構成成分に接触させることは、少なくとも1つの第1の開口部が前記バイパス、前記第1の区画、及び前記第2の区画と流体連通するまで、前記第1の栓を前記第2の端部に向かって押し込むことを含み、
前記第1の栓を前記第2の端部に向かって押し込むことは、前記第1の構成成分の少なくとも一部分を前記第1の区画から前記第2の区画内に押し込むことを含む、方法。
[項目14]
組成物の第1及び第2の構成成分を混合して前記組成物を分配する方法であって、
項目12に記載の前記容器を用意することと、
前記容器の前記第1の区画内に配置された前記第1の構成成分を、前記容器の前記第2の区画内に配置された前記第2の構成成分に接触させることと、を含み、
前記第1の構成成分は、気体、液体、及びゲルからなる群から選択され、
前記第2の構成成分は、気体、液体、ゲル、粉末、及びペーストからなる群から選択され、
前記第1の構成成分を前記第2の構成成分に接触させることは、少なくとも1つの第1の開口部が前記バイパス、前記第1の区画、及び前記第2の区画と流体連通するまで、前記第1の栓を前記第2の端部に向かって押し込むことを含み、
前記第1の栓を前記第2の端部に向かって押し込むことは、所定の体積の前記第1の構成成分を前記第1の区画から前記第2の区画内に移送して、前記組成物を形成することを含む、ことと、
閉鎖状態から開放状態に前記第2の端部を変換することと、を含み、
前記所定の体積の前記第1の構成成分が前記第2の区画内に移送された後で、前記第1の栓を前記第2の端部に向かって押し込むことは、前記第2の栓を前記第2の端部に向かって押し込むことを更に含み、
前記第2の栓を前記第2の端部に向かって押し込むことは、前記組成物の少なくとも一部分を前記第2のアパーチャを介して前記本体から出して分配することを含む、方法。
[項目15]
前記容器の前記第2の端部を閉鎖状態から開放状態に変換することは、流体密封シールを閉鎖状態から開放状態に変換することを含む、項目14に記載の方法。
[項目16]
前記第2の端部を閉鎖状態から開放状態に変換することは、シールを破壊することを含む、項目14又は15に記載の方法。
[項目17]
前記第2の端部を閉鎖状態から開放状態に変換することは、弁を閉鎖状態から開放状態に調節することを含む、項目14から16のいずれか一項に記載の方法。
[項目18]
前記第2のアパーチャを輸液用器具に流体的に結合することを更に含む、項目14から17のいずれか一項に記載の方法。
[項目19]
前記輸液用器具は、カテーテル、カニューレ、ニードル、又はマイクロニードルデバイスからなる群から選択される、項目18に記載の方法。
[項目20]
前記第1の構成成分は、液体を含み、前記第2の構成成分は、実質的に乾燥した固体を含む、項目14から19のいずれか一項に記載の方法。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14A
図14B