(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6985171
(24)【登録日】2021年11月29日
(45)【発行日】2021年12月22日
(54)【発明の名称】抵抗膜式タッチパネル装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/045 20060101AFI20211213BHJP
G06F 3/041 20060101ALI20211213BHJP
【FI】
G06F3/045 G
G06F3/041 520
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-15856(P2018-15856)
(22)【出願日】2018年1月31日
(65)【公開番号】特開2019-133464(P2019-133464A)
(43)【公開日】2019年8月8日
【審査請求日】2021年1月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000230722
【氏名又は名称】NKKスイッチズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(72)【発明者】
【氏名】山中 剛
(72)【発明者】
【氏名】薄葉 康平
【審査官】
菅原 浩二
(56)【参考文献】
【文献】
特開2013−171351(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2013/0241850(US,A1)
【文献】
特開2008−299490(JP,A)
【文献】
特開平11−143622(JP,A)
【文献】
国際公開第2019/151342(WO,A1)
【文献】
特開2019−133463(JP,A)
【文献】
特開2012−14681(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/045
G06F 3/041
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
円形又は略円形の上部電極部と下部電極部とが対向するように配置されたアナログ方式の抵抗膜式タッチパネル装置であって、
前記上部電極部及び前記下部電極部に5個以上のキャリブレーションポイントが配置されており、
前記キャリブレーションポイントのうち4個以上の前記キャリブレーションポイントが前記上部電極部及び前記下部電極部の円縁部の近傍に円弧状に配置されており、前記上部電極部及び前記下部電極部の中心又は略中心を通る仮想直線によって結ばれた1対の前記キャリブレーションポイントが2対以上ある、
ことを特徴とする、抵抗膜式タッチパネル装置。
【請求項2】
前記キャリブレーションポイントの個数が偶数である場合には、前記キャリブレーションポイントのすべてが前記上部電極部及び前記下部電極部の円縁部の近傍に円弧状に配置されており、
前記キャリブレーションポイントの個数が奇数である場合には、前記キャリブレーションポイントのうち、1個が前記上部電極部及び前記下部電極部の中心又は略中心に配置され、残りのすべてが前記上部電極部及び前記下部電極部の円縁部の近傍に円弧状に配置されている、
請求項1に記載の抵抗膜式タッチパネル装置。
【請求項3】
前記仮想直線は、前記上部電極部及び前記下部電極部の中心において等角度で3本以上交差している、
請求項1又は2に記載の抵抗膜式タッチパネル装置。
【請求項4】
前記キャリブレーションポイントの個数は8個であり、前記1対の前記キャリブレーションポイントが4対ある、
請求項1〜3のうちいずれか1項に記載の抵抗膜式タッチパネル装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抵抗膜式タッチパネル装置に関する。さらに詳しくは、キャリブレーション機能を有する円形又は略円形の抵抗膜式タッチパネル装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、アナログ方式の抵抗膜式タッチパネル装置は存在する。従来技術としてのアナログ方式の抵抗膜式タッチパネル装置は、
図4に示すように、四角形の上部電極と下部電極との間に、絶縁体であるドットスペーサが複数配置された構成を有しており、上部電極には、可撓性を有する透明な導電膜が用いられている。このタッチパネル装置の上部を指やタッチペン等でタッチすると、タッチされた位置の上部電極がたわみ、ドットスペーサが存在しない部分で上部電極と下部電極とが接触して導電するので、その電圧値によって、タッチされた位置の座標が検出される。なお、ドットスペーサは、環境などの外的な要因によって上部電極と下部電極とが誤って接触しないように配置されるものである。
【0003】
アナログ方式の抵抗膜式タッチパネル装置は、方式の違いによって4線式や5線式などの方式に分類することが可能であり、これらの方式のうち4線式が多く利用されている。4線式のものは、
図4に示すように、上部電極側にX座標回路が形成され、下部電極側にY座標回路が形成されている。このX座標回路及びY座標回路は、それぞれ異なった電圧勾配をもっているので、タッチされた位置の電圧が計測されると、その位置の座標が検出される。具体的には、X座標回路の電極X1と電極X2との間に、電圧Vccが印加された状態で、位置Aがタッチされると、下部電極を構成する電極Y1に電圧Vが発生する。このとき、透明導電膜は均一な抵抗値を持っているので、タッチされた位置Aから電極X1までの距離aと、位置Aから電極X2までの距離bとの比(a:b)は、抵抗R1の値と、抵抗R2の値との比(R1:R2)に等しくなる。このような原理によって、タッチされた位置Aの電圧値が算出されるとともに、算出された電圧値がA/D変換される。その結果、X座標回路における入力位置Aの座標がデジタル値で出力される。Y座標回路もX座標回路と同様の原理で、入力位置Aの座標がデジタル値で出力される。
【0004】
ところで、従来技術としてのアナログ方式の抵抗膜式タッチパネル装置は、操作を行うユーザの視差や、タッチパネルとLCD(Liquid Crystal Display)との取り付け公差などにより、表示画面上の目標座標と、この目標座標が正確にタッチされた際の検出座標との間にずれが生じることがある。このようなずれは「座標ずれ」とも呼ばれ、座標ずれが生じた場合には、座標ずれを補正するための機能(以下「キャリブレーション機能」と呼ぶ)が一般的に利用される(例えば特許文献1)。
【0005】
上述のように、従来技術としてのアナログ方式の抵抗膜式タッチパネル装置は、タッチされた位置の座標を特定する構成となっているため、上部電極及び下部電極の形状が、いずれも四角形であることが前提となっている。このため、特許文献1で提案されている技術を含め、従来から用いられているキャリブレーション機能は、四角形のタッチパネルを想定したものとなっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2015−166949号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、例えば製品の形状を円形や楕円形にすることで、購入者に柔らかな印象を与えることを目的とした製品を提供しようとする場合には、タッチパネル部分の形状を円形又は略円形にしたいというデザインコンセプト上の要望も多く存在する。このため、円形又は略円形のアナログ方式の抵抗膜式タッチパネル装置の開発が進んでおり、同時に、円形又は略円形のアナログ方式の抵抗膜式タッチパネル装置に対応可能なキャリブレーション機能の実現が求められている。
【0008】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、キャリブレーション機能を有する円形又は略円形のアナログ方式の抵抗膜式タッチパネル装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明に係る抵抗膜式タッチパネル装置は、
円形又は略円形の上部電極部と下部電極部とが対向するように配置されたアナログ方式の抵抗膜式タッチパネル装置であって、
前記上部電極部及び前記下部電極部に5個以上のキャリブレーションポイントが配置されており、
前記キャリブレーションポイントのうち4個以上の前記キャリブレーションポイントが前記上部電極部及び前記下部電極部の円縁部の近傍に円弧状に配置されており、前記上部電極部及び前記下部電極部の中心又は略中心を通る仮想直線によって結ばれた1対の前記キャリブレーションポイントが2対以上ある、
ことを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、上部電極部及び下部電極部に5個以上のキャリブレーションポイントが配置されているので、従来に比べてキャリブレーション機能を向上させることができる。また、4個以上のキャリブレーションポイントが、上部電極部及び下部電極部の円縁部の近傍に円弧状に配置されており、上部電極部及び下部電極部の中心又は略中心を通る仮想直線によって結ばれた1対のキャリブレーションポイントが2対以上あるので、キャリブレーションを行うことができる領域を上部電極部及び下部電極部の円縁部まで万遍なく拡大させることができる。その結果、キャリブレーション機能を有する円形又は略円形のアナログ方式の抵抗膜式タッチパネル装置を提供することができる。
【0011】
本発明に係る抵抗膜式タッチパネル装置において、前記キャリブレーションポイントの個数が偶数である場合には、前記キャリブレーションポイントのすべてが前記上部電極部及び前記下部電極部の円縁部の近傍に円弧状に配置されており、
前記キャリブレーションポイントの個数が奇数である場合には、前記キャリブレーションポイントのうち、1個が前記上部電極部及び前記下部電極部の中心又は略中心に配置され、残りのすべてが前記上部電極部及び前記下部電極部の円縁部の近傍に円弧状に配置されている、ことが好ましい。
【0012】
この発明によれば、キャリブレーションポイントの個数が偶数である場合には、キャリブレーションポイントのすべてが上部電極部及び下部電極部の円縁部の近傍に円弧状に配置されているので、キャリブレーションを行うことができる領域を上部電極部及び下部電極部の円縁部まで万遍なく拡大させることができるとともに、上部電極部及び下部電極部の円縁部におけるキャリブレーション機能を向上させることができる。また、キャリブレーションポイントの個数が奇数である場合には、キャリブレーションポイントのうち、1個が上部電極部及び下部電極部の中心又は略中心に配置され、残りのすべてが上部電極部及び下部電極部の円縁部の近傍に円弧状に配置されているので、キャリブレーションを行うことができる領域を上部電極部及び下部電極部の円縁部まで拡大させることができるとともに、上部電極部及び下部電極部の中心部におけるキャリブレーション機能をさらに向上させることができる。その結果、より良好なキャリブレーション機能を有する円形又は略円形のアナログ方式の抵抗膜式タッチパネル装置を提供することができる。
【0013】
本発明に係る抵抗膜式タッチパネル装置において、前記仮想直線は、前記上部電極部及び前記下部電極部の中心において等角度で3本以上交差している、ことが好ましい。
この発明によれば、キャリブレーションポイントが円弧状に均等に配置されるので、キャリブレーションを行うことができる領域を上部電極部及び下部電極部の円縁部までより万遍なく拡大させることができる。その結果、より良好なキャリブレーション機能を有する円形又は略円形のアナログ方式の抵抗膜式タッチパネル装置を提供することができる。
【0014】
本発明に係る抵抗膜式タッチパネル装置において、前記キャリブレーションポイントの個数は8個であり、前記1対の前記キャリブレーションポイントが4対ある、ことが好ましい。この発明によれば、8個のキャリブレーションポイントが円弧状に配置されているので、キャリブレーションを行うことができる領域を上部電極部及び下部電極部の円縁部までさらに万遍なく拡大させることができる。その結果、さらに良好なキャリブレーション機能を有する円形又は略円形のアナログ方式の抵抗膜式タッチパネル装置を提供することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、キャリブレーション機能を有する円形又は略円形のアナログ方式の抵抗膜式タッチパネル装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の抵抗膜式タッチパネル装置の一実施形態を示す外観図である。(A)は平面図、(B)は断面の一部を示す図である。
【
図2】キャリブレーション機能を発揮させた後のリニアリティを示す電圧マッピングの一例を示す図であり、(A)は電圧マッピングの平面図、(B)は電圧マッピングの斜視図である。
【
図3】キャリブレーションポイントの従来の配置例を示す図であり、(A)はキャリブレーションポイントが4個である場合を示す図、(B)はキャリブレーションポイントが4個である抵抗膜式タッチパネル装置を用いて、直交する複数の直線によって網目模様を描画した場合を示す図である。
【
図4】従来技術としてのアナログ方式の抵抗膜式タッチパネル装置のうち、4線式アナログ抵抗膜式タッチパネル装置の例を示す図であり、(A)は断面図、(B)は構成を示すイメージ図、(C)は等価回路を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の一実施形態である抵抗膜式タッチパネル装置1について、図面を参照しつつ説明する。なお、本発明は下記の実施形態に限定されるものではない。
【0018】
図1は、抵抗膜式タッチパネル装置1の外観図である。(A)は抵抗膜式タッチパネル装置1の平面図、(B)は抵抗膜式タッチパネル装置1の断面の一部を示す図である。
【0019】
[基本構成]
抵抗膜式タッチパネル装置1は、
図1に示すように、円形又は略円形の上部電極部11と下部電極部21とが対向するように配置されたアナログ方式の抵抗膜式タッチパネル装置であり、上部電極部11及び下部電極部21の円縁部の近傍には、8個のキャリブレーションポイント100が円弧状に均等に配置されており、1対のキャリブレーションポイント100を結ぶ仮想直線Lが、上部電極部11及び下部電極部21の中心で4本交差している。
【0020】
ここで、「キャリブレーションポイント」とは、抵抗膜式タッチパネル装置1の座標ずれを補正する際にタッチされるターゲットとなるポイントをいう。上述したように、従来技術としてのアナログ方式の抵抗膜式タッチパネル装置は、タッチされた位置の座標を特定する構成となっている。このため、上部電極部と下部電極部との関係は、縦軸(Y軸)と横軸(X軸)との関係になるので、上部電極部及び下部電極部の形状は、縦軸と横軸とを構成し易い形状、すなわち四角形を前提とした構成となる。このような事情から、従来のキャリブレーションポイントも、上部電極及び下部電極の形状がいずれも四角形であることを前提とした配置となっていた。具体的には例えば、キャリブレーションポイントが4個である場合には、これら4個キャリブレーションポイントは、四角形の四隅近傍にそれぞれ配置されることになる。このため、従来の配置の仕方で、円形又は略円形のアナログ方式の抵抗膜式タッチパネル装置に4個キャリブレーションポイントを配置した場合、キャリブレーションが行われる領域Cは、
図3(A)に示す四角形の内側の領域のみになる。このような抵抗膜式タッチパネル装置を用いて、直交する複数の直線によって網目模様を描画すると、
図3(B)に示すように、キャリブレーションが行われる領域C以外の領域Dに存在する直線は、内側にたわんでしまう。このため、キャリブレーションが行われない領域Dを最小化させるとともに、キャリブレーションが行われる領域Cを最大化させる必要があった。なお、キャリブレーションを行う具体的な手法は特に限定されない。従来から用いられている技術を含め、キャリブレーションを行うためのあらゆる手法を用いることができる。
【0021】
以下、抵抗膜式タッチパネル装置1の各構成要素について詳しく説明する。
【0022】
(上部電極部)
上部電極部11は、
図1に示すように、円形又は略円形の上部電極板101と、1対の電極を含むX座標回路が形成された円形又は略円形の上部導電膜102と、を少なくとも有する。なお、「少なくとも」としたのは、それ以外の構成要素が含まれていてもよいことを意味する。例えば、上部電極板101の表面を傷や汚れなどから保護するための、円形又は略円状のハードコート(図示せず)等が上部電極部11に含まれていてもよい。
上部電極板101は、上部電極部11の上部に配置された円形又は略円形の電極板である。上部電極板101は、指やタッチペンでタッチされることでたわむ透明な素材で構成される。例えば、PET(ポリエチレンテレフタラート)フィルムや薄いガラス等の素材を上部電極板として用いることができる。上部電極板101の上部表面には、上部電極板101の表面を傷や汚れなどから保護するためのハードコート(図示せず)を付着させる処理が施されていてもよい。
上部導電膜102は、上部電極板101の下部に、後述する下部導電膜202に対向するように配置された円形又は略円形の導電膜である。上部導電膜102の表面には、1対の電極を含むX座標回路が形成されている。上部導電膜102は均一な抵抗値をもつが、具体的な抵抗値は特に限定されない。例えば、抵抗値が300Ω/□〜500Ω/□程度のものを用いることができる。上部導電膜102の材質は特に限定されない。透明なフィルムに対し、ITO(Indium Tin Oxide:酸化インジウムスズ)を蒸着したものや、銀等の金属材料を塗布(印刷)したものを用いることができる。
【0023】
(下部電極部)
下部電極部21は、図示はしないが、円形又は略円形の下部電極板201と、1対の電極を含むY座標回路が形成された下部導電膜202と、ドットスペーサ203と、を少なくとも有する。なお、「少なくとも」としたのは、それ以外の構成要素が含まれていてもよいことを意味する。例えば、光の反射を低減させるための位相差板(図示せず)等が下部電極部21に含まれていてもよい。
下部電極板201は、下部電極部21の下部に配置された円形又は略円形の電極板である。下部電極板201の材質は特に限定されない。例えば、ソーダガラス(ソーダライムガラス、ソーダ石灰ガラス)、プラスチック製の板、フィルム等を用いることができる。
下部導電膜202は、下部電極板201の上部に、ドットスペーサ203を挟んで上部導電膜102に対向するように配置された導電膜である。下部導電膜202の表面には、1対の電極を含むY座標回路が形成されている。下部導電膜202は均一な抵抗値をもつが、具体的な抵抗値は特に限定されない。例えば、抵抗値が300Ω/□〜500Ω/□程度のものを用いることができる。下部導電膜202の素材は特に限定されない。透明なフィルムに対し、ITO(Indium Tin Oxide:酸化インジウムスズ)を蒸着したものや、銀等の金属材料を塗布(印刷)したものであってもよい。
ドットスペーサ203は、上部導電膜102と下部導電膜202の間に形成された絶縁体であり、抵抗膜式タッチパネル装置1に対するタッチ操作がなされていないときに上部導電膜102と下部導電膜202とが誤接触することを防止する。具体的には、ドットスペーサ203は、印刷等の手法によって下部導電膜202の表面に形成される。これにより、環境などの外的な要因によって上部電極部11と下部電極部21とがショートしてしまうことを防ぐことができる。
【0024】
(キャリブレーションポイント)
キャリブレーションポイント100は、
図1に示すように、抵抗膜式タッチパネル装置1の上部電極部11及び下部電極部21の円縁部の近傍に、円弧状に均等に配置されたキャリブレーションポイントであり、1対のキャリブレーションポイント100を結ぶ仮想直線Lが、上部電極部11及び下部電極部21の中心で4本交差している。キャリブレーションポイント100を
図1に示すような配置にすると、8個のキャリブレーションポイント100が円弧状に均等に配置されているので、さらに良好なキャリブレーション機能を有する、円形又は略円形のアナログ方式の抵抗膜式タッチパネル装置を提供することができる。
【0025】
次に、抵抗膜式タッチパネル装置1においてキャリブレーションが行われた場合の具体例について説明する。
図2は、キャリブレーション機能を発揮させた後のリニアリティを示す電圧マッピングの一例を示す図である。ここで、電圧マッピングとは、抵抗膜式タッチパネル装置1の形状に重畳して表示されるグラフであって、同じ大きさの電圧の部分が同じ層を形成するように色や色彩等により区分けして表示されたグラフである。リニアリティが保たれている場合、層の境界線が直線又は直線に近い形状で表示される。なお、下部電極部21の電圧マッピングは、上部電極部11の電圧マッピングを90度回転させたものであるため記載を省略している。
上部電極部11及び下部電極部21が円形又は略円形であったとしても、上記の構成のキャリブレーションポイント100においてキャリブレーションが行われことによって、
図2に示すように、全体的にリニアリティが保たれた状態にすることができる。
【0026】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。また、本発明に係る要旨を逸脱しない範囲内であれば種々の変更を施してもよい。
【0027】
例えば、上述の実施形態は、上部電極部11及び下部電極部21の円縁部の近傍に、8個のキャリブレーションポイント100が円弧状に均等に配置されており、1対のキャリブレーションポイント100を結ぶ仮想直線Lが、上部電極部11及び下部電極部21の中心で4本交差しているが、キャリブレーションポイント100の数、1対のキャリブレーションポイント100を結ぶ仮想直線Lの本数、及びキャリブレーションポイント100の配置間隔は、この値に限定されず、任意の値とすることができる。キャリブレーションポイント100は、数が多い程、キャリブレーション機能が向上するので、可能な限り数を増やすこともできる。ただし、キャリブレーションポイント100の数が増えると、その分必要となるROM(Read Only Memory)の容量も増えるので、キャリブレーションポイント100の数を少なくし、かつキャリブレーションの効果の最大化が図れるような組合せを選択することもできる。
【0028】
以上まとめると、本発明が適用される抵抗膜式タッチパネル装置は、次のような構成を取れば足り、各種各様な実施形態を取ることができる。
即ち、本発明が適用される抵抗膜式タッチパネル装置(例えば
図1の抵抗膜式タッチパネル装置1)は、
前記上部電極部(例えば
図1の上部電極部11)及び前記下部電極部(例えば
図1の下部電極部21)に5個以上のキャリブレーションポイント(例えば
図1のキャリブレーションポイント100)が配置されており、
前記キャリブレーションポイントのうち4個以上の前記キャリブレーションポイントが前記上部電極部及び前記下部電極部の円縁部の近傍に円弧状に配置されており、前記上部電極部及び前記下部電極部の中心又は略中心を通る仮想直線(例えば
図1の仮想直線L)によって結ばれた1対の前記キャリブレーションポイントが2対以上ある。
これにより、上部電極部11及び下部電極部21に5個以上のキャリブレーションポイント100が配置されているので、従来に比べてキャリブレーション機能を向上させることができる。また、4個以上のキャリブレーションポイント100が、上部電極部11及び下部電極部21の円縁部の近傍に円弧状に配置されており、上部電極部11及び下部電極部21の中心又は略中心を通る仮想直線Lによって結ばれた1対のキャリブレーションポイント100が2対以上あるので、キャリブレーションを行うことができる領域を上部電極部11及び下部電極部21の円縁部まで万遍なく拡大させることができる。その結果、キャリブレーション機能を有する円形又は略円形のアナログ方式の抵抗膜式タッチパネル装置を提供することができる。
【0029】
また、前記キャリブレーションポイントの個数が偶数である場合には、前記キャリブレーションポイントのすべてが前記上部電極部及び前記下部電極部の円縁部の近傍に円弧状に配置されており、
前記キャリブレーションポイントの個数が奇数である場合には、前記キャリブレーションポイントのうち、1個が前記上部電極部及び前記下部電極部の中心又は略中心に配置され、残りのすべてが前記上部電極部及び前記下部電極部の円縁部の近傍に円弧状に配置されている、ことが好ましい。
これにより、キャリブレーションポイントの個数が偶数である場合には、キャリブレーションポイントのすべてが上部電極部及び下部電極部の円縁部の近傍に円弧状に配置されているので、キャリブレーションを行うことができる領域を上部電極部及び下部電極部の円縁部まで万遍なく拡大させることができるとともに、上部電極部及び下部電極部の円縁部におけるキャリブレーション機能を向上させることができる。また、キャリブレーションポイントの個数が奇数である場合には、キャリブレーションポイントのうち、1個が上部電極部及び下部電極部の中心又は略中心に配置され、残りのすべてが上部電極部及び下部電極部の円縁部の近傍に円弧状に配置されているので、キャリブレーションを行うことができる領域を上部電極部及び下部電極部の円縁部まで拡大させることができるとともに、上部電極部及び下部電極部の中心部におけるキャリブレーション機能をさらに向上させることができる。その結果、より良好なキャリブレーション機能を有する円形又は略円形のアナログ方式の抵抗膜式タッチパネル装置を提供することができる。
【0030】
また、本発明に係る抵抗膜式タッチパネル装置において、前記仮想直線(例えば
図1の仮想直線L)は、前記上部電極部及び前記下部電極部の中心において等角度で3本以上交差している、ことが好ましい。
これにより、キャリブレーションポイント100が均等に配置されるので、キャリブレーションを行うことができる領域Cを上部電極部11及び下部電極部21の円縁部までより万遍なく拡大させることができる。その結果、より良好なキャリブレーション機能を有する円形又は略円形のアナログ方式の抵抗膜式タッチパネル装置を提供することができる。
【0031】
また、本発明に係る抵抗膜式タッチパネル装置において、前記キャリブレーションポイント100の個数は8個であり、前記1対の前記キャリブレーションポイントが4対ある、ことが好ましい。
これにより、8個のキャリブレーションポイント100が均等に配置されているので、キャリブレーションを行うことができる領域Cを上部電極部11及び下部電極部21の円縁部までさらに万遍なく拡大させることができる。その結果、さらに良好なキャリブレーション機能を有する円形又は略円形のアナログ方式の抵抗膜式タッチパネル装置を提供することができる。
【符号の説明】
【0032】
1・・・ 抵抗膜式タッチパネル装置
11・・・ 上部電極部
21・・・ 下部電極部
100・・・ キャリブレーションポイント
101・・・ 上部電極板
102・・・ 上部導電膜
201・・・ 下部電極板
202・・・ 下部導電膜
203・・・ ドットスペーサ
C・・・ キャリブレーションを行うことができる領域
D・・・ キャリブレーションを行うことができない領域