(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記巡視開始操作が行われたことにより前記病室カメラが起動している場合、前記巡視開始手段が設けられているいずれかの機器は、前記病室カメラ、前記ナースコール子機、前記プレート子機または前記ベッドサイドモニタのうちのいずれか一つの機器と通話できる構成となっている、
請求項1記載のナースコールシステム。
前記巡視開始手段が設けられているいずれかの機器から巡視開始操作が行われた場合、前記制御装置は、前記病室カメラを起動して撮像を開始させる前に、前記病室カメラ、前記ナースコール子機、前記プレート子機または前記ベッドサイドモニタのうちのいずれか一つの機器に、前記入院患者に巡視が開始されることを報知させる制御を実行する、
請求項1または2記載のナースコールシステム。
前記病室カメラ、前記ナースコール子機、前記プレート子機または前記ベッドサイドモニタのうちのいずれか一つの機器は、前記巡視開始操作に伴う病室カメラの起動を許可する巡視許可手段を備えており、
前記制御装置は、前記巡視許可手段を備えているいずれか一つの機器から前記報知を受けた前記入院患者により巡視許可操作が行われた場合に、前記病室カメラを起動する制御を実行する、
請求項3記載のナースコールシステム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、自分の担当する入院患者の数が多い場合、巡回を終えるにはかなりの時間を要する場合もあり、一日に何度も行う必要がある巡回業務は、看護業務の負担となっている。
【0005】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、病室に足を運ばなくても入院患者の様子を確認できるナースコールシステムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本願発明者は、以下のようなナースコールシステムを提案する。
【0007】
本発明のナースコールシステムは、入院患者が看護師を呼ぶために病室のベッド毎に備えられたナースコール子機と、ナースコール子機からの呼び出しに応答するためにナースステーションに設置されたナースコール親機と、ナースコール子機が接続され、病室内のベッド近傍に設置されるプレート子機と、病室のベッド毎に備えられて患者関連情報を表示可能なベッドサイドモニタと、ナースコール子機からの呼び出しに応答するために看護師が携行する複数の看護師用携帯電話と、ベッド上の入院患者を撮像できる病室カメラと、機器間の通話および通信を制御する制御装置と、を備えている。このナースコールシステムは、ナースコール親機または看護師用携帯電話の少なくとも一方には、看護師が巡視を開始する
際に、巡視開始操作が行われる巡視開始手段が設けられており、制御装置は、巡視開始手段が設けられているいずれかの機器からの巡視開始操作を受けて、巡視先に登録されている入院患者と関連付けられている病室カメラを起動し、巡視開始操作が行われた機器に病室カメラにより撮像された画像を送信する制御を実行する。
このような構成のナースコールシステムによれば、看護師等が巡視開始手段が設けられているナースコール親機または看護師用携帯電話から巡視開始操作を行うことにより病室カメラが起動し、病室カメラにより撮像された画像が巡視開始操作が行われたナースコール親機または看護師用携帯電話に送信される。そして、巡視開始操作が行われたナースコール親機または看護師用携帯電話において病室カメラにより撮像された画像を確認することにより入院患者の様子を確認することができるので、看護師が担当する入院患者の病室に一日に何度も訪れる必要性を低減することができ、看護業務の負担を軽減することができる。
【0008】
巡視開始操作が行われたことにより病室カメラが起動している場合、巡視開始手段が設けられているいずれかの機器は、病室カメラ、ナースコール子機、プレート子機またはベッドサイドモニタのうちのいずれか一つの機器と通話できる構成としてもよい。
このような構成のナースコールシステムによれば、看護師はナースコール親機または看護師用携帯電話において入院患者の様子を確認しながら入院患者と会話することができるため、体調の確認等をすることができ、入院患者の状態をより把握することができる。
【0009】
巡視開始手段が設けられているいずれかの機器から巡視開始操作が行われた場合、制御装置は、病室カメラを起動して撮像を開始させる前に、病室カメラ、ナースコール子機、プレート子機またはベッドサイドモニタのうちのいずれか一つの機器に、入院患者に巡視が開始されることを報知させる制御を実行してもよい。
このような構成のナースコールシステムによれば、これから病室カメラを使用した巡視が開始することを入院患者に報知することができるため、入院患者のプライバシーの向上を図ることができる。
【0010】
病室カメラ、ナースコール子機、プレート子機またはベッドサイドモニタのうちのいずれか一つの機器は、巡視開始操作に伴う病室カメラの起動を許可する巡視許可手段を備えており、制御装置は、巡視許可手段を備えているいずれか一つの機器から報知を受けた入院患者により巡視許可操作が行われた場合に、病室カメラを起動する制御を実行する構成としてもよい。
このような構成のナースコールシステムによれば、入院患者により巡視許可操作が行われた場合に病室カメラが起動するので、入院患者のプライバシーのさらなる向上を図ることができる。
【0011】
入院患者のバイタル情報を取得するバイタル情報取得手段と、バイタル情報取得手段により取得したバイタル情報から入院患者が睡眠中かどうか判断する状態判断手段とをさらに有しており、制御装置は、状態判断手段が入院患者が睡眠中であると判断した場合、入院患者により巡視許可操作が行われなくても病室カメラを起動する制御を実行する構成としてもよい。
このような構成のナースコールシステムによれば、入院患者が睡眠中である場合にスムーズに巡視を行うことができる。
【0012】
また、制御装置は、所定の時間帯には、入院患者により巡視許可操作が行われなくても病室カメラを起動する制御を実行する構成としてもよい。
なお、所定の時間帯は、設定によりどのような時間帯としてもよいが、消灯が行われてから朝までの時間帯、例えば22時から7時とすることができる。このような構成のナースコールシステムによれば、ほとんどの入院患者が睡眠中であると考えられる時間帯の巡視をスムーズに行うことができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、病室に足を運ばなくても入院患者の様子を確認できるナースコールシステムを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明のナースコールシステムの好ましい実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0016】
図1は、本発明の実施形態に係るナースコールシステムAの構成図である。
この図に示すように、ナースコールシステムAは、入院患者が看護師を呼び出すために病室のベッド毎に備えられたナースコール子機1と、このナースコール子機1が接続され、病室内のベッド近傍の壁面に設置されるプレート子機2と、病室のベッド毎に備えられて患者関連情報を表示可能なベッドサイドモニタ3と、病室の扉に設けられた電子錠4と、ベッド上の入院患者を撮像できる病室カメラ5と、病室近傍の廊下壁面に設置される廊下灯6と、ナースコール子機1からの呼び出しに応答するためにナースステーションに設置されたナースコール親機7と、ナースコール子機1、病室カメラ5、廊下灯6、ナースコール親機7等の各機器を制御する制御機8と、看護師が携行する看護師用携帯電話9と、入院患者が所持する入院患者用携帯電話10とを備えている。
また、このナースコールシステムAは、 制御機8に接続され、看護師用携帯電話9または入院患者用携帯電話10との通信を管理する交換機(以下、IP−PBXとする。)11と、看護師用携帯電話9または入院患者用携帯電話10とIP−PBX11との間で無線通信を行う基地局12と、入院患者の各種データが蓄積されたナースコールサーバ13と、看護師の位置情報を管理する位置管理サーバ14と、共用部に設置される共用部カメラ15と、IMES(Indoor Messaging System)送信機16を備えている。
【0017】
ナースコール子機1が接続されたプレート子機2は、伝送線を介して廊下灯6に接続されており、ベッドサイドモニタ3、電子錠4、病室カメラ5、廊下灯6、ナースコール親機7、制御機8、IP−PBX11、ナースコールサーバ13、位置管理サーバ14、および共用部カメラ15は、それぞれHUB17を介して、病院内に配設されたLAN18に接続されている。
また、IP−PBX11は、伝送線を介して基地局12と接続されている。
基地局12は、施設内の複数の箇所に適宜設定されている。
【0018】
ナースコール子機1は、
図2に示すように、看護師を呼び出すための呼出ボタン1aを有しており、プレート子機2に接続されている。
【0019】
プレート子機2は、
図3に示すように、ナースコール子機1と接続されるナースコール子機接続部21、通話するためのマイク22およびスピーカ23、音声信号を処理する子機音声処理部24、プレート子機2を制御する子機CPU25、廊下灯6と通信する子機通信IF26、および報知動作等を停止できる復旧ボタン27を有している。
【0020】
ベッドサイドモニタ3は、入院患者のバイタル情報を測定するバイタル情報取得手段としてのバイタル測定機器(図示しない)と接続されており、
図4に示すように、各種情報を表示するモニタ31、モニタ31に表示する映像を処理するサイドモニタ映像処理部32、各種操作をするタッチパネルから成る操作部33、通話するためのマイク34およびスピーカ35、音声信号を処理するサイドモニタ音声処理部36、ベッドサイドモニタ3を制御するサイドモニタCPU37、制御機8と通信するサイドモニタ第1通信IF38、報知動作等を停止させたり液晶表示をオン/オフ操作できる復旧ボタン39、バイタル測定機器と通信するサイドモニタ第2通信IF40、および制御機8から巡視開始信号を受信した際にあらかじめ設定された所定の時間帯であるか判断したり、バイタル測定機器により取得したバイタル情報から入院患者が睡眠中かどうか判断する状態判断部49を有している。
なお、本実施形態では、状態判断部49には、消灯が行われてから朝までの時間帯(例えば22時から7時)が所定の時間帯として設定されているものとする。
【0021】
廊下灯6は、
図5に示すように、入院患者からの呼出発生を発光表示する呼出表示灯41、通話するためのマイク42およびスピーカ43、音声信号を処理する廊下灯音声処理部44、廊下灯6を制御する廊下灯CPU45、ナースコール親機7等と通信するための廊下灯第1通信IF46、報知動作を停止させるための復旧ボタン47、およびプレート子機2と通信するための廊下灯第2通信IF48を有している。
【0022】
ナースコール親機7は、
図6に示すように、ナースコール子機1からの呼び出しに応答するためのハンドセット61、警報音等を報音するスピーカ62、音声信号を処理すると共に警報音を処理する親機音声処理部63、各種情報を表示する親機モニタ64、親機モニタ64に表示する映像を処理する親機映像処理部65、各種操作をするタッチパネルから成る操作部66、ナースコール親機7全体を制御する親機CPU67、制御機8等の他の機器と通信する親機通信IF68、および各種情報を記憶する情報記憶部69を有している。
【0023】
制御機8は、
図7に示すように、看護師とその看護師が携行する看護師用携帯電話9を関連づけた携帯電話/看護師関連テーブル71、看護師と入院患者を関連づけた看護師/入院患者関連テーブル72、各種情報を記憶する情報記憶部73、制御機8を制御する制御機CPU74、および廊下灯6等の他の機器と通信する制御機通信IF75を有している。
情報記憶部73は、患者関連情報を記憶する患者関連情報記憶部73aを備えている。
この患者関連情報記憶部73aには、入院患者の氏名や年齢等の患者情報、入院患者の看護区分や診療科目、担当医師等の看護情報、ナースコール子機1の子機ID、プレート子機ID、ベッドサイドモニタID、ベッド番号、病室カメラID、入院患者の検査、手術等のスケジュール情報、入院患者の所有する入院患者用携帯電話10の携帯電話情報等が記憶されている。これらの情報は、ナースコール親機7を操作することにより入力される。
【0024】
看護師用携帯電話9および入院患者用携帯電話10は、携帯電話機能を備えた多機能型端末であり、例えばスマートフォンと称される機器に所定のアプリケーションソフトウェアをインストールして使用することができる。
看護師用携帯電話9は、ナースコール子機1からの呼び出しに応答したりすることができるものであればよい。
看護師用携帯電話9は、IMES送信機16と位置管理サーバ14とともに位置特定システムを構成しており、看護師用携帯電話9には、GPSの衛星電波を受信して自身の位置を特定し、自身のIDを特定した位置情報に付加して発信する、図示しないGPS通信部が内蔵されているものが使用される。
図8に示すように、看護師用携帯電話9は、タッチパネルから成る表示部51を備えており、看護師による所定の操作で、看護師が巡視を開始するための巡視開始ボタン51aが表示部51に表示される。
【0025】
IMES送信機16は、病棟内または病院内の適宜部位、例えば各病室、ナースステーション、手術室、待合室、談話室、廊下等の適宜位置に設置され、自身の位置情報をGPS電波と同じ電波形式の無線信号を使用して常時配信している。
そして、このIMES送信機16のうち近くのIMES送信機16が配信する位置情報を、看護師用携帯電話9に内蔵されているGPS通信部が受信して自身の位置を把握し、IDを付加して把握した位置情報を定期的に位置管理サーバ14に送信する。看護師用携帯電話9が送信する位置情報は、通常の通話信号の場合と同様に基地局12が受信し、交換機11、LAN18を介して位置管理サーバ14に伝送されて保存される。こうして、看護師用携帯電話9の現在位置を把握する位置特定システムを構築することができる。
ナースコール子機1から看護師の呼び出しがあった場合、制御機8は、位置管理サーバ14に、携帯電話/看護師関連テーブル71、看護師/入院患者関連テーブル72を参照して、呼び出しをした入院患者と関連づけられている看護師の中のうち、入院患者のナースコール子機1の場所に近い看護師を選択させて、その看護師の看護師用携帯電話9に呼び出しを通知する。
【0026】
共用部カメラ15は、病棟内または病院内の共用部、例えば各階の廊下、待合室、談話室等の共用部に適宜設けられている。この共用部カメラ15や病室カメラ5により撮像された画像は、ナースコール親機7の操作部66を操作することにより、適宜親機モニタ64に表示できるように構成されている。
【0027】
以上のように構成されたナースコールシステムAの動作を以下に説明する。
ただし、ナースコール子機1からの看護師の呼び出し、呼び出しを受けたナースコール親機7や看護師用携帯電話9の報音動作、ナースコール親機7または看護師用携帯電話9による応答操作は従来と同様であるため説明を省略し、ここでは看護師が看護師用携帯電話9から巡視開始操作を行った場合の動作について説明する。
なお、本実施形態では、バイタル測定機器による入院患者のバイタル情報の測定は常時行われているものとする。
【0028】
巡視を開始しようとする看護師が看護師用携帯電話9の巡視開始ボタン51aをタッチすると、制御機8は、携帯電話/看護師関連テーブル71、看護師/入院患者関連テーブル72および患者関連情報記憶部73aを参照して、巡視先となる入院患者およびその入院患者のベッドサイドモニタ3を特定し、巡視先となる入院患者のベッドサイドモニタ3に、これから巡視が開始されることを示す巡視開始信号を送信する。
なお、巡視先となる入院患者が複数である場合、本実施形態では、制御機8により選択された一人の入院患者のベッドサイドモニタ3に巡視開始信号が送信されるものとして説明するが、制御機8による制御のもと、巡視先となる複数の入院患者を看護師用携帯電話9に表示し、巡視先となる入院患者の選択を看護師が看護師用携帯電話9により行える構成としてもよい。この場合、看護師用携帯電話9により選択された入院患者のベッドサイドモニタ3に巡視開始信号が送信されることとなる。
【0029】
ベッドサイドモニタ3は、巡視開始信号を受信すると、サイドモニタCPU37の制御のもと、状態判断部49によりあらかじめ設定された所定の時間帯であるかが判断される。
所定の時間帯ではない場合、状態判断部49により、バイタル測定機器により測定されたバイタル情報から入院患者が睡眠中かどうか判断される。
【0030】
状態判断部49により入院患者が睡眠中ではないと判断された場合、サイドモニタCPU37の制御のもと、
図9に示すように「病室カメラによる巡視が開始されます。巡視の開始を許可してください。」等の、巡視の開始に伴う病室カメラ5の起動の許可を促すメッセージがモニタ31に表示されるとともにスピーカ35から同じ内容の音声メッセージが流される。また、サイドモニタCPU37の制御のもと、図示しないタイマが立ち上げられ、操作部33に、病室カメラ5の起動を許可するための許可ボタン33aが表示される。
なお、このような巡視の開始に伴う病室カメラ5の起動の許可を促す報知は、通知音とともにメッセージをモニタ31に表示する構成としてもよいし、音声メッセージのみにより行う構成としてもよい。
【0031】
あらかじめ設定された時間内に、入院患者により許可ボタン33aがタッチされた場合、サイドモニタCPU37の制御のもと、カメラ起動許可信号がベッドサイドモニタ3から制御機8に送信される。
制御機8は、カメラ起動許可信号を受信すると、患者関連情報記憶部73aを参照して巡視先となる入院患者に関連づけられている病室カメラ5を特定するとともに、特定した病室カメラ5を起動させ、病室カメラ5により撮像された画像を所定の入院患者情報(例えば入院患者の氏名、部屋番号、ベッド番号、看護情報、担当医師など)とともに巡視開始操作が行われた看護師用携帯電話9に送信する制御を実行する。
これにより、
図10に示すように、巡視開始操作が行われた看護師用携帯電話9の表示部51には、病室カメラ5により撮像された画像が所定の入院患者情報とともに表示される。
このような構成のナースコールシステムAによれば、看護師は、病室カメラ5により撮像された画像を看護師用携帯電話9で確認することにより入院患者の様子を確認することができるので、入院患者の様子を確認するために担当する入院患者の病室に一日に何度も訪れる必要性を低減することができ、看護業務の負担を軽減することができる。
また、操作部33に許可ボタン33aが表示される場合には、入院患者により巡視許可操作が行われたときに病室カメラ5が起動するので、入院患者のプライバシーの向上を図ることができる。
【0032】
制御機8はまた、巡視開始操作が行われたことにより病室カメラ5を起動させた場合、巡視開始操作が行われた看護師用携帯電話9と入院患者のベッドサイドモニタ3との間の通話状態を確立する制御を実行する。
このような構成のナースコールシステムAによれば、看護師は看護師用携帯電話9で入院患者の様子を確認しながら入院患者と会話することができるため、体調の確認等をすることができ、入院患者の状態をより把握することができる。
【0033】
看護師は、看護師用携帯電話9を通じて該入院患者の様子を確認し終わった場合、
図10に示す看護師用携帯電話9の表示部51の巡視終了ボタン51bをタッチする。
巡視終了ボタン51bがタッチされると、制御機8は、該入院患者に関連づけられた病室カメラ5を停止させ、巡視開始操作が行われた看護師用携帯電話9と入院患者のベッドサイドモニタ3との間で確立されている通話状態を終了させる。
また、巡視先となる入院患者が他にいる場合には、まだ行われていない巡視先の入院患者のベッドサイドモニタ3に巡視開始信号を送信する。
巡視先となる入院患者が他にいない場合には、巡視は終了する。
【0034】
一方、あらかじめ設定された時間内に、入院患者により許可ボタン33aがタッチされなかった場合、制御機8は、病室カメラ5を起動させることなく該入院患者の巡視を停止する。そして、巡視先となる入院患者が他にいる場合にはまだ行われていない巡視先の入院患者のベッドサイドモニタ3に巡視開始信号を送信する。
なお、入院患者により許可ボタン33aがタッチされなかった場合、制御機8は、他の巡視先の入院患者の巡視が終了した後に該入院患者のベッドサイドモニタ3に巡視開始信号を送信する制御を実行するように構成してもよいし、看護師用携帯電話9の表示部51に巡視が終了していない入院患者情報が表示される制御を実行するように構成してもよい。
【0035】
状態判断部49により入院患者が睡眠中であると判断された場合には、サイドモニタCPU37の制御のもと、カメラ起動許可信号がベッドサイドモニタ3から制御機8に送信され、入院患者により巡視許可操作が行われなくても制御機8により病室カメラ5を起動する制御が実行され、上述のように、巡視が開始される。
このような構成のナースコールシステムAによれば、入院患者が睡眠中である場合にスムーズに巡視を行うことができる。
【0036】
状態判断部49により現在あらかじめ設定された所定の時間帯であると判断された場合にも、サイドモニタCPU37の制御のもと、カメラ起動許可信号がベッドサイドモニタ3から制御機8に送信され、入院患者により巡視許可操作が行われなくても制御機8により病室カメラ5を起動する制御を実行され、上述のように、巡視が開始される。
このような構成のナースコールシステムAによれば、ほとんどの入院患者が睡眠中であると考えられる時間帯の巡視をスムーズに行うことができる。
【0037】
なお、看護師は、諸事情により途中で巡視を中断したい場合、
図10に示す看護師用携帯電話9の表示部51の巡視中断ボタン51cをタッチする。
巡視中断ボタン51cがタッチされると、制御機8は、病室カメラ5を起動している場合には病室カメラ5を停止させ、看護師用携帯電話9と入院患者のベッドサイドモニタ3との間で確立されている通話状態を終了させる。また、巡視先となる入院患者が他にいる場合でも、まだ行われていない巡視先の入院患者のベッドサイドモニタ3に巡視開始信号を送信しない。
また、巡視中断ボタン51cがタッチされると、
図11に示すように、看護師用携帯電話9の表示部51には巡視再開ボタン51dが表示される。
看護師は、この巡視再開ボタン51dをタッチすることで巡視を再開することができる。すなわち、巡視再開ボタン51dがタッチされると、制御機8は、まだ行われていない巡視先の入院患者のベッドサイドモニタ3に巡視開始信号を送信する。
【0038】
以上の本実施形態のナースコールシステムAは、看護師用携帯電話9から巡視が開始される構成となっているものとして説明したが、巡視開始ボタン等の巡視開始手段を備える看護師用携帯電話9またはナースコール親機7の少なくとも一方から巡視が開始される構成となっていればよい。
【0039】
また、本実施形態のナースコールシステムAは、ベッドサイドモニタ3が巡視開始操作に伴う病室カメラ5の起動を許可する巡視許可手段を備えているものとして説明したが、ベッドサイドモニタ3ではなく、入院患者の病室カメラ5、ナースコール子機1またはプレート子機2が巡視許可手段を備える構成としてもよい。また、本実施形態のナースコールシステムAでは、巡視許可手段が操作部33に表示される許可ボタン33aであるものとして説明したが、音声により許可する構成としてもよい。
【0040】
一方、このような巡視許可手段を備えていない構成としてもよく、看護師用携帯電話9またはナースコール親機7から巡視開始操作が行われた場合、制御機8が、病室カメラ5を起動させて撮像を開始させる前に、病室カメラ5、ナースコール子機1、プレート子機2またはベッドサイドモニタ3のうちのいずれか一つの機器に、入院患者に巡視が開始されることを報知させる制御を実行する構成としてもよい。
この巡視開始の報知は、ノック音等の通知音により行う構成としてもよいし、「看護師による巡視が開始されます。病室カメラが起動します。」等の音声メッセージによって行われてもよい。また、これらとともにメッセージをモニタ31に表示する構成としてもよいし、文字メッセージのみにより行う構成としてもよい。
このように、制御機8が、病室カメラ5を起動して撮像を開始させる前に、病室カメラ5、ナースコール子機1、プレート子機2またはベッドサイドモニタ3のうちのいずれか一つの機器に、入院患者に巡視が開始されることを報知させる制御を実行する構成のナースコールシステムとすれば、これから病室カメラ5を使用した巡視が開始することを入院患者に報知することができるため、入院患者のプライバシーの向上を図ることができる。
【0041】
一方、制御機8が、巡視開始ボタン等の巡視開始手段が設けられている看護師用携帯電話9またはナースコール親機7のいずれかの機器からの巡視開始操作を受けると、入院患者に報知することなく、巡視先に登録されている入院患者と関連付けられている病室カメラ5を起動する制御を実行する構成とすることもできる。
【0042】
また、本実施形態のナースコールシステムAの制御機8は、巡視開始操作が行われたことにより病室カメラ5を起動させた場合、巡視開始操作が行われた看護師用携帯電話9と入院患者のベッドサイドモニタ3との通話状態を確立する構成となっているが、ベッドサイドモニタ3ではなく、入院患者の病室カメラ5、ナースコール子機1またはプレート子機2との通話状態を確立する構成としてもよい。ナースコール子機1と通話状態を確立する構成とする場合には、ナースコール子機1がマイクおよびスピーカを備える必要がある。病室カメラ5と通話状態を確立する構成とする場合も同様である。
一方、巡視開始操作が行われたことにより病室カメラ5を起動させた場合、巡視開始操作が行われた看護師用携帯電話9とこれらの機器との間の通話状態が確立されない構成としてもよい。
【0043】
また、本実施形態のナースコールシステムAは、ベッドサイドモニタ3が入院患者のバイタル情報を測定するためのバイタル測定機器と接続されており、制御機8から巡視開始信号を受信した際に所定の時間帯であるか、入院患者が睡眠中かどうかを状態判断部49が判断する構成となっているが、制御機8が所定の時間帯であるかを判断する構成としてもよい。
【0044】
また、状態判断部49を有しない構成としてもよい。具体的には、バイタル測定機器を備えず、入院患者のバイタル測定を行わない構成としてもよい。すなわち、ベッドサイドモニタ3はバイタル測定機器と接続されず、状態判断部49により入院患者が睡眠中であるか判断しない構成としてもよいし、制御機8から巡視開始信号を受信した際に現在あらかじめ設定された所定の時間帯であるか判断しない構成としてもよい。
【0045】
また、本実施形態のナースコールシステムAでは、制御機8が携帯電話/看護師関連テーブル71および看護師/入院患者関連テーブル72を有するものとして記載したが、ナースコール親機7、位置管理サーバ14または別の記録装置がこれらのうちのいずれかを有していてもよい。
【0046】
以上のように、本発明のナースコールシステムは、制御機8が、巡視開始ボタン等の巡視開始手段が設けられている看護師用携帯電話9またはナースコール親機7のいずれかの機器からの巡視開始操作を受けて、巡視先に登録されている入院患者と関連付けられている病室カメラ5を起動し、巡視開始操作が行われた看護師用携帯電話9またはナースコール親機7に病室カメラ5により撮像された画像を送信する制御を実行する構成となっていればよく、その他はどのように構成されていてもよい。位置特定システムや電気錠4、入院患者用携帯電話10を有しないナースコールシステムとしてもよい。