特許第6985215号(P6985215)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6985215
(24)【登録日】2021年11月29日
(45)【発行日】2021年12月22日
(54)【発明の名称】滴下容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 51/24 20060101AFI20211213BHJP
   B65D 47/08 20060101ALI20211213BHJP
   B65D 83/00 20060101ALI20211213BHJP
   B65D 47/18 20060101ALI20211213BHJP
【FI】
   B65D51/24
   B65D47/08 100
   B65D83/00 G
   B65D47/18
【請求項の数】3
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2018-122849(P2018-122849)
(22)【出願日】2018年6月28日
(65)【公開番号】特開2020-1753(P2020-1753A)
(43)【公開日】2020年1月9日
【審査請求日】2021年1月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】110001542
【氏名又は名称】特許業務法人銀座マロニエ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 浩通
【審査官】 武内 大志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−230624(JP,A)
【文献】 特開2011−84282(JP,A)
【文献】 特開2015−199520(JP,A)
【文献】 実開平5−77042(JP,U)
【文献】 特開2008−295880(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0108378(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 51/24
B65D 47/08
B65D 47/18
B65D 83/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
胴部の上部に口部が立設された容器本体と、該口部に装着されたキャップとを備える滴下容器であって、
前記キャップが、
前記口部を通じて前記容器本体内と連通する排出孔を有するとともに、前記口部に装着される装着部と、
前記装着部に第1のヒンジを介して揺動可能に保持され、該第1のヒンジの閉状態で前記排出孔を閉鎖する蓋部と、
前記第1のヒンジの反対側に形成された第2のヒンジを介して前記蓋部に揺動可能に保持され、前記第1および第2のヒンジを共に開いて前記容器本体の反対側までめくり返すことで、前記容器本体の前記胴部を押圧可能な状態となる押圧操作レバーとを有することを特徴とする滴下容器。
【請求項2】
前記装着部は、前記第1のヒンジの下方位置に凸部を有し、
前記押圧操作レバーは、前記第1および第2のヒンジを共に開いて前記容器本体の反対側までめくり返した際に前記凸部と嵌合する穴を有し、
前記押圧操作レバーは、前記凸部および前記穴との嵌合箇所を支点として前記容器本体の前記胴部を押圧可能である、請求項1に記載の滴下容器。
【請求項3】
前記第1および第2のヒンジが共に閉状態にあるときに、前記容器本体の前記胴部に沿った前記押圧操作レバーの格納姿勢を保持する保持手段を備える、請求項1または2に記載の滴下容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器本体を逆さにし、容器本体の胴部を押圧することで内容液を吐出、滴下する滴下容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、口部、胴部および底部からなるボトル形状を有し内部に目薬などの内容液を収納した容器本体と、該容器本体の口部に固定され、該口部から起立する注出筒を有する中栓とを備え、容器本体を逆さにし、容器本体の胴部を指で挟んで押圧することで容器本体内が加圧され、注出筒先端から内容液が吐出、滴下される滴下容器がある(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−240624号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような滴下容器は、吐出に際して使用者の指によって押圧される容器本体の胴部領域が指1本ないし2本分と狭く、子供や高齢者など力の弱い使用者が容器本体の胴部を押し込むのに苦労するという問題があった。
【0005】
それ故本発明の目的は、子供や高齢者などの力の弱い使用者であっても簡単に胴部の押圧操作を行うことができる滴下容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の滴下容器は、胴部の上部に口部が立設された容器本体と、該口部に装着されたキャップとを備え、前記キャップが、前記口部を通じて前記容器本体内と連通する排出孔を有するとともに、前記口部に装着される装着部と、前記装着部に第1のヒンジを介して揺動可能に保持され、該第1のヒンジの閉状態で前記排出孔を閉鎖する蓋部と、前記第1のヒンジの反対側に形成された第2のヒンジを介して前記蓋部に揺動可能に保持され、前記第1および第2のヒンジを共に開いて前記容器本体の反対側までめくり返すことで、前記容器本体の前記胴部を押圧可能な状態となる押圧操作レバーとを有する。
【0007】
本発明の滴下容器にあっては、前記装着部は、前記第1のヒンジの下方位置に凸部を有し、前記押圧操作レバーは、前記第1および第2のヒンジを共に開いて前記容器本体の反対側までめくり返した際に前記凸部と嵌合する穴を有し、前記押圧操作レバーは、前記凸部および前記穴との嵌合箇所を支点として前記容器本体の前記胴部を押圧可能であることが好ましい。
【0008】
また、本発明の滴下容器にあっては、前記第1および第2のヒンジが共に閉状態にあるときに、前記容器本体の前記胴部に沿った前記押圧操作レバーの格納姿勢を保持する保持手段を備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明の滴下容器によれば、押圧操作レバーを介して容器本体の胴部を押圧することができるため、子供や高齢者などの力の弱い使用者であっても簡単に胴部の押圧操作を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態の滴下容器の正面図である。
図2図1の滴下容器の背面図である。
図3図1の滴下容器の平面図である。
図4図1の滴下容器を一部断面で示す側面図である。
図5図1の滴下容器の使用方法を説明する図である。
図6図1の滴下容器を用いて内容液を滴下する様子を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。以下の説明において、正面、背面、前、後というときには、図1の正面図を基準に正面側を前、背面側を後として説明する。
【0012】
図1図3に示すように、本発明の一実施形態の滴下容器10は、主として、目薬などの内容液を収容する合成樹脂製の容器本体12と、容器本体12に装着された合成樹脂製のキャップ14とを備えている。
【0013】
容器本体12は、押圧(スクイズ)によって変形可能な胴部16と、胴部16の下端に形成された底部18と、図4に示すように、胴部16の上部中央に立設された口部20とを有している。口部20の外周面には、キャップ14が装着される嵌合突条20aが形成されている。嵌合突条20aに代えておねじを形成してもよい。
【0014】
キャップ14は、装着部22と、蓋部24と、押圧操作レバー26とを有している。装着部22と、蓋部24と、押圧操作レバー26とは、好ましくは一体的に形成される。
【0015】
装着部22は、有頂筒状をなし容器本体12の口部20に外側から装着される。装着部22の周壁部分28は、容器本体12の口部20を取り囲むとともに口部20を超えた高さ位置まで延在し、その内面には、キャップ14の打栓時に口部20の外周面の嵌合突条20aを乗り越えてそこに係止される嵌合突起28aが形成されている。嵌合突起28aに代えてめねじを形成してもよい。周壁部分28の正面側上端部の僅かに下方位置には鍵爪状の引掛け部28bが形成されている。周壁部分28の背面側下端部には、後方へ向けて突片状の凸部30が形成されている。凸部30の先端(後端)の下面には突起30aが形成されている。
【0016】
装着部22の頂壁部分32の中央には口部20を通じて容器本体12内と連通する排出孔32aが形成されている。また、頂壁部分32には、口部20の突端に向けて下垂しその下端部が該口部20の突端に液密に当接する注出筒34が形成されている。このように、注出筒34および口部20は協働して、容器本体12内と排出孔32aとを連通する注出路を形成している。
【0017】
蓋部24は、装着部22に背面側の第1のヒンジ(帯ヒンジ)36を介して揺動可能に保持されている。蓋部24の下面には、第1のヒンジ36の閉状態で装着部22の排出孔32aに嵌入する封止筒24aが形成されている。
【0018】
押圧操作レバー26は、第1のヒンジ36の反対側である蓋部24の正面側に第2のヒンジ(帯ヒンジ)38を介して揺動可能に保持されている。押圧操作レバー26は、第2および第1のヒンジ38,36をこの順に共に開くことで展開することができる。押圧操作レバー26は、蓋部24の幅と同じ幅の帯板状をなし、装着部22および容器本体12の胴部16に沿って胴部16の高さ方向中央を越える位置まで下方に延出している。押圧操作レバー26の高さ方向略中間部分は、前方へ向けて湾曲した膨出部26aが形成されている。押圧操作レバー26の背面(図4において周壁部分28に対向する面)には、装着部22の引掛け部28bを収める溝26bが形成され、該溝26bの下面には引掛け部28bに係止される係止凸部26cが形成されている。
【0019】
また、溝26bと第2のヒンジ38との間には、押圧操作レバー26を貫通する矩形の穴26dが形成されている。この穴26dは、図5に示すように、第1および第2のヒンジ36,38を共に開いて押圧操作レバー26をめくり返した際に装着部22の背面側の凸部30に対応する位置に形成されている。穴26dの幅寸法および高さ寸法は、凸部30の幅寸法および厚み寸法よりも大きく、凸部30を挿通可能である。好ましくは、穴26dの高さ寸法は、押圧操作レバー26をめくり返した際に穴26dの、凸部30の上面に対向する周縁部分が該上面に嵌合する大きさである。これにより穴26dと凸部30の嵌合箇所(当接箇所)Pを押圧操作レバー26を押し込むときの支点(てこの支点)とすることができる。
【0020】
次いで、上記構成を備える滴下容器10の使用態様について説明する。まず、図1図4に示した状態では、第1および第2のヒンジ36,38が閉じられ、蓋部24が頂壁部分32に合わさるとともに封止筒24aが排出孔32aを封止し、押圧操作レバー26は、保持手段としての引掛け部28bおよび係止凸部26cを介して、装着部22の周壁部分28および容器本体12の胴部16の正面に沿う格納姿勢に保持されている。
【0021】
この状態から押圧操作レバー26を前方に引き起こして引掛け部28bと係止凸部26cとの嵌合を先ず解除し、次に、図5に示すように第2および第1のヒンジ38,36をこの順に共に開いて排出孔32aと封止筒24aとの嵌合を解除した後、押圧操作レバー26の前面が容器本体12の反対側の胴部背面部分16bに対向するまでめくり返し、押圧操作レバー26の穴26dを装着部22の凸部30に嵌合(当接)させる。これにより、押圧操作レバー26の背面が外面として露出し、後方を向く。このとき、凸部30の先端下面に形成された突起30aを穴26dの周縁部分が乗り越えることで押圧操作レバー26の、凸部30から離脱は抑制される。
【0022】
続いて滴下容器10を図6に示すように逆さにし、使用者の人差し指や中指等の数本の指を容器本体12の胴部背面部分16b上にある押圧操作レバー26の外面に掛けると共に、親指等の他の指を容器本体12の反対側の胴部前面部分16f上に置く。この状態で使用者が押圧操作レバー26を押圧すると、押圧操作レバー26が内側へ移動するのに伴い、押圧操作レバー26の膨出部26aが胴部背面部分16bを押圧し、容器本体12内が加圧されて内容液が排出孔32aを通って吐出、滴下される。
【0023】
したがって、本実施形態の滴下容器10によれば、押圧操作レバー26がない場合と比べてより多くの指でもって押圧操作レバー26を介して容器本体12の胴部16を押圧することができるため、子供や高齢者などの力の弱い使用者であっても簡単に胴部16の押圧操作を行うことができる。また、使用時においてもキャップ14が容器本体12に装着されたままであるため、キャップ14の置き場所も不要である。
【0024】
特に、装着部22の、第1のヒンジ36の下方位置に凸部30を設け、押圧操作レバー26に、第1および第2のヒンジ36,38を共に開いて容器本体12の反対側までめくり返した際に該凸部30と嵌合する穴26dを形成した好適な例では、押圧操作レバー26を押し込んだ際に、凸部30と穴26dとの嵌合箇所Pを支点(てこの支点)として、その押圧力を押圧操作レバー26の膨出部26aに効率よく集中させて容器本体12の胴部16に印加することができるので、より小さな力で簡単に胴部16の押圧操作を行うことができる。
【0025】
また、第1および第2のヒンジ36,38が共に閉状態にあるときに、押圧操作レバー26が容器本体12の胴部16に沿うようにその姿勢を保持する保持手段として、例えば引掛け部28bおよび係止凸部26cを設けた好適な例では、非使用時において押圧操作レバー26を邪魔にならないように格納することができる(図4参照)。なお、保持手段は、図示例に限定されず、例えば、押圧操作レバー26の背面に凸または凹を、装着部22の周壁部分28の前面に該凸または凹と圧接可能な凹または凸をそれぞれ形成することにより、圧入により押圧操作レバー26の格納姿勢を保持する構造を採用してよい(図示せず)。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明の滴下容器によれば、子供や高齢者などの力の弱い使用者であっても簡単に胴部の押圧操作を行うことができる。
【符号の説明】
【0027】
10 滴下容器
12 容器本体
14 キャップ
16 胴部
18 底部
20 口部
22 装着部
24 蓋部
26 押圧操作レバー
26d 穴
28 周壁部分
30 凸部
32 頂壁部分
32a 排出孔
34 注出筒
36 第1のヒンジ
38 第2のヒンジ
図1
図2
図3
図4
図5
図6