特許第6985234号(P6985234)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6985234
(24)【登録日】2021年11月29日
(45)【発行日】2021年12月22日
(54)【発明の名称】作業機
(51)【国際特許分類】
   B60R 3/00 20060101AFI20211213BHJP
   A01M 7/00 20060101ALI20211213BHJP
【FI】
   B60R3/00
   A01M7/00 D
【請求項の数】5
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2018-197591(P2018-197591)
(22)【出願日】2018年10月19日
(65)【公開番号】特開2020-63014(P2020-63014A)
(43)【公開日】2020年4月23日
【審査請求日】2021年1月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000141174
【氏名又は名称】株式会社丸山製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100176245
【弁理士】
【氏名又は名称】安田 亮輔
(74)【代理人】
【識別番号】100140682
【弁理士】
【氏名又は名称】妙摩 貞茂
(72)【発明者】
【氏名】前川 博司
【審査官】 上谷 公治
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−073096(JP,A)
【文献】 特開平10−127143(JP,A)
【文献】 実開昭63−018350(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 3/00
A01M 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体(3)と、
前記車体(3)の側方において前記車体(3)に沿って設けられたフロア(22)と、
前記フロア(22)に設けられた乗降用ステップ装置(100)と、を備える作業機(1)であって、
前記乗降用ステップ装置(100)は、
水平な第1軸(S1)を回動軸として軸支され、回動に伴って、下端(131c)が前記第1軸(S1)よりも下方に位置する第1状態と、前記下端(131c)が前記第1軸(S1)よりも上方に位置する第2状態とをとるステップ(130)と、
前記第1軸(S1)に平行な第2軸(S2)を回動軸として軸支され、回動に伴って前記ステップ(130)を回動させるレバー(151)を有する回動機構(150)と、を含み、
前記レバー(151)は、前記ステップ(130)が前記第1状態にあるときに、前記フロア(22)の上方に延在するとともに、前記レバー(151)の先端(153a)を下方に向けるように曲がっている、作業機(1)。
【請求項2】
前記第1状態において、前記レバー(151)の先端(153a)の位置は、前記フロア(22)の上面に近接している、請求項1に記載の作業機(1)。
【請求項3】
前記レバー(151)は、前記第2軸(S2)の位置から前記先端(153a)と異なる方向に延在する作用片(155)を含み、
前記回動機構(150)は、
前記作用片(155)と前記ステップ(130)とを連結し、前記レバー(151)の回動を前記ステップ(130)に伝達する連結ロッド(161)と、
前記フロア(22)と前記ステップ(130)とを接続する付勢部材(165)と、を含み、
前記付勢部材(165)は、前記第1状態と前記第2状態との両方において前記ステップ(130)を前記フロア(22)に向けて付勢する、請求項1又は2に記載の作業機(1)。
【請求項4】
前記ステップ(130)は、前記第1状態において前記フロア(22)に当接し前記ステップ(130)の回動を規制する第1係止部(136a)と、前記第2状態において前記フロア(22)に当接し前記ステップ(130)の回動を規制する第2係止部(136b)と、を更に備える、請求項1〜3のいずれか一項に記載の作業機(1)。
【請求項5】
前記ステップ(130)は、前記第1軸(S1)に軸止される一対の支柱(131)と、前記一対の支柱(131)間に掛け渡される踏桟(133)とを含み、
前記第1係止部(136a)及び前記第2係止部は(136b)、少なくとも一方の前記支柱(131)から他方の前記支柱(131)に向かって突出している、請求項4に記載の作業機(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、農作業を効率的に行うための作業機が知られている。例えば、特許文献1には、作業機の一例として、中間管理作業を行う乗用管理機が開示されている。この乗用管理機は、作業者が高い位置にある運転席に乗り込むための乗降用ステップを有している。乗降用ステップは、フロアに設けられた踏みペダルの操作によって、乗降可能な形状と折り畳まれた形状とに変化する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−73096号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示される乗降用ステップでは、フロアに設けられた踏みペダルがフロアの上面から突出している。そのため、例えば作業者の衣類が引っかかるなど、作業者による作業の邪魔になる虞がある。
【0005】
本発明の一形態は、作業者の邪魔になることが抑制された乗降用ステップ装置を有する作業機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面の作業機(1)は、車体(3)と、車体(3)の側方において車体(3)に沿って設けられたフロア(22)と、フロア(22)に設けられた乗降用ステップ装置(100)と、を備える作業機(1)であって、乗降用ステップ装置(100)は、水平な第1軸(S1)を回動軸として軸支され、回動に伴って、下端(131c)が第1軸(S1)よりも下方に位置する第1状態と、下端(131c)が第1軸(S1)よりも上方に位置する第2状態とをとるステップ(130)と、第1軸(S1)に平行な第2軸(S2)を回動軸として軸支され、回動に伴ってステップ(130)を回動させるレバー(151)を有する回動機構(150)と、を含み、レバーは、ステップ(130)が第1状態にあるときに、フロア(22)の上方に延在するとともに、レバー(151)の先端(153a)を下方に向けるように曲がっている。
【0007】
上記の作業機(1)では、レバー(151)を回動させることによって、ステップ(130)を第1状態から第2状態に切り替えることができる。通常の利用形態として、作業者は、ステップ(130)が第1状態のときに、ステップ(130)を利用してフロア(22)まで上る。そして、作業者はフロア(22)上からレバー(151)を操作することによって、ステップ(130)を第1状態から第2状態に切り替える。一側面においては、フロア(22)の上方に延在しているレバー(151)の先端(153a)が下方を向いているため、フロア(22)上の作業者にとってレバー(151)が邪魔になることが抑制される。
【0008】
第1状態において、レバー(151)の先端(153a)の位置は、フロア(22)の上面に近接していてもよい。この構成では、レバー(151)の先端(153a)からフロア(22)の上面までの距離が小さくなっているので、先端(153a)に衣類等が引っかかることが効果的に抑制される。
【0009】
レバー(151)は、第2軸(S2)の位置から先端(153a)と異なる方向に延在する作用片(155)を含み、回動機構(150)は、作用片(155)とステップ(130)とを連結し、レバー(151)の回動をステップ(130)に伝達する連結ロッド(161)と、フロア(22)とステップ(130)とを接続する付勢部材(165)と、を含み、付勢部材(165)は、第1状態と第2状態との両方においてステップ(130)をフロア(22)に向けて付勢してもよい。この構成では、レバー(151)の回動が作用片(155)に連結された連結ロッド(161)を介してステップ(130)に伝達されることによって、ステップ(130)を回動させることができる。そして、付勢部材(165)によって、ステップ(130)を第1状態と第2状態とのいずれかの状態に安定させることができる。
【0010】
ステップ(130)は、第1状態においてフロア(22)に当接しステップ(130)の回動を規制する第1係止部(136a)と、第2状態においてフロア(22)に当接しステップ(130)の回動を規制する第2係止部(136b)と、を備えてもよい。この構成では、第1係止部(136a)がフロア(22)に当接することによって、ステップ(130)は第1状態を安定的に維持する。また、第2係止部(136a)がフロア(22)に当接することによって、ステップ(130)は第2状態を安定的に維持する。
【0011】
ステップ(130)は、第1軸(S1)に軸止される一対の支柱(131)と、一対の支柱(131)間に掛け渡される踏桟(133)とを含み、第1係止部(136a)及び第2係止部は(136b)、少なくとも一方の支柱(131)から他方の支柱(131)に向かって突出してもよい。この構成では、第1係止部(136a)及び第2係止部(136b)が一対の支柱(131)における内側面に形成される。そのため、第1係止部(136a)及び第2係止部(136b)とフロア(22)との当接部分に異物等が入り込むことが抑制される。
【発明の効果】
【0012】
本発明の一側面によれば、作業者の邪魔になることが抑制された乗降用ステップ装置を有する作業機を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】一例の作業機を後方から見た斜視図である。
図2】乗降用ステップ装置を前方から見た斜視図である。
図3】乗降用ステップ装置を後方から見た斜視図である。
図4】乗降用ステップ装置の側面図である。
図5】乗降用ステップ装置の側面図である。
図6】乗降用ステップ装置を後方から見た斜視図である。
図7】乗降用ステップ装置の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る実施の形態について図面を参照しながら具体的に説明する。便宜上、実質的に同一の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する場合がある。説明に際しては、図面に示されたXYZ直交座標系を参照する場合がある。なお、X方向を前後方向とし、Y方向を左右方向又は幅方向とし、Z方向を上下方向として説明する場合がある。
【0015】
図1は、一形態の作業機1を後方から見た斜視図である。図示例の作業機1は、ブームスプレーヤである。ブームスプレーヤは、圃場において農地または作物に薬液散布を行う、自走式の乗用管理機である。作業機1は、機体フレーム2を有する車体3と、車体3の前部に取り付けられたセンターブーム5と、センターブーム5の両端に連結された一対のサイドブーム6とを備えている。薬液散布を行う場合、サイドブーム6は、センターブーム5に対して一直線状となるように広げられる。サイドブーム6は、薬液散布を行わないときには折り畳まれた状態で格納されている。
【0016】
車体3の前部には、作業者が着座する空間を形成するキャビン7が設けられている。車体3の後部には、エンジンを収容するエンジンルーム8が設けられている。キャビン7とエンジンルーム8との間には、センターブーム5及びサイドブーム6から散布される薬液を収容する薬液タンク9が設けられている。車体3は、一対の前輪11と、一対の後輪12とを備えている。
【0017】
作業機1は、乗降性を向上させるために、サイドフロア20を更に備えている。サイドフロア20は、機体フレーム2の左右両側縁部から側方に張り出した部分であり、キャビン7の側方から機体フレーム2の後端まで延びている。サイドフロア20は、泥や液体を落とすことができるように、ここでは格子状部分を有する構成とされている。また作業機1には、一対の手摺り31が設けられている。手摺り31は、サイドフロア20の後方において、機体フレーム2に固定された接続フレーム4から立ち上がっている。接続フレーム4は、機体フレーム2の後端から左右方向にそれぞれ突出する金属製の丸パイプであってよい。手摺り31は、接続フレーム4を基端としてエンジンルーム8の高さを越える程度に延びて、さらに前方に折れ曲がり、キャビン7の後端に固定されている。
【0018】
サイドフロア20の後部には、作業者がサイドフロア20に乗降するための乗降用ステップ装置100が設けられている。この場合、サイドフロア20に対する乗り込み方向は、車体3の後方からとなる。
【0019】
図2は、乗降用ステップ装置100を前方から見た斜視図である。図3は、乗降用ステップ装置を後方から見た斜視図である。図4は、乗降用ステップ装置の側面図である。図4では、乗降用ステップ装置100を車体3に向かって見ている。図5は、乗降用ステップ装置の側面図である。図5では、乗降用ステップ装置100を車体3側から見ている。図6は、乗降用ステップ装置を後方から見た斜視図である。図7は、乗降用ステップ装置の側面図である。図7では、乗降用ステップ装置100を車体3に向かって見ている。
【0020】
乗降用ステップ装置100は、支持フレーム110と、ステップ130と、回動機構150とを含む。支持フレーム110は、サイドフロア20の幅(Y方向の長さ)と略同じ幅を有する上壁部111と、上壁部111の幅方向の両端からそれぞれ下側に突出する一対の側壁部112,113とを有する。上壁部111には、幅方向の一端から他端まで連続する切欠状のスリット111aが形成されている。スリット111aには、機体フレーム2に固定された接続フレーム4(図4,5参照)が配置される。
【0021】
上述の手摺り31の基端は、スリット111aと重複する位置において接続フレーム4に固定されている。また、支持フレーム110は、作業者が乗ることのできる天板115を含む。天板115の上面は、サイドフロア20の上面と略同じ高さに位置しており、サイドフロア20と共に、作業者の通路を形成する。すなわち、一形態においては、天板115を含む支持フレーム110とサイドフロア20とによって、フロア22が構成されている。
【0022】
天板115は、上壁部111の上面に固定されている(図3参照)。天板115は、その上面を構成する天井部115aと、Y方向において天井部115aの両端縁から下方に延びる板状の一対の脚部115bとを含む。図3に示すように、天板115は、手摺り31を避けて配置されている。また、天板115は、スリット111aを部分的に覆っており、スリット111aよりも前側及び後側の両方において上壁部111と固定されている。また、一例では、支持フレーム110を構成する天板115と上壁部111とによって接続フレーム4が挟持される。すなわち、支持フレーム110は、接続フレーム4を介して機体フレーム2に固定されている。図示例では、支持フレーム110の側壁部112,113に形成された円弧状の切欠状部分112a,113aと天板115の脚部115bに形成された円弧状の切欠状部分115cとによって、接続フレーム4が挟持されている(図4図5参照)。
【0023】
支持フレーム110の側壁部112,113は、下向きに突出して設けられる張出片114をそれぞれ含む(図2参照)。図示例の張出片114は、側壁部112,113の後端にそれぞれ形成されている。張出片114は、下端に向かって後方になるように傾斜している。張出片114は、矩形状部分114aと矩形状部分114aに連続する円弧状部分114bとを含む。矩形状部分114aの幅と円弧状部分114bの直径とは互いに等しくなっている。張出片114において、円弧状部分114bの円弧の中心点に相当する位置には、軸孔に挿通された回動軸(第1軸)S1が設けられている。この回動軸S1は、水平に配置されており、ステップ130を軸支している。
【0024】
ステップ130は、フロア22に上がるために作業者が足を掛けるための部材である。ステップ130は、回動軸S1に軸止される一対の支柱131と、一対の支柱131間に掛け渡される踏桟133とを含む。支柱131は、長尺板状をなしており、長手方向の一端(基端131a)において回動軸S1が挿通される軸孔を有する。また、支柱131には、複数(図示例では3つ)の開口131bが設けられている。開口131bは支柱131をY方向に貫通している。例えば、開口131bは作業者が手を掛ける部分として利用され得る。また、図示例のステップ130では、支柱131の側部の端縁にガード部材134が設けられている(図3参照)。また、一方の支柱131の外側面131dには、踏み板135が設けられている。図示例では、車体3から遠い側の支柱131に踏み板135が設けられている。踏み板135は、例えば台形状に屈曲された板体であってよい。また、一例の踏桟133は、コ字状(U字状)に屈曲された板体であってよい。踏桟133は、一対の支柱131間において、先端及び中央にそれぞれ掛け渡されている。図示の踏桟133には、滑り止めとして機能し得る切欠状の凹部133aが複数形成されている(図2参照)。
【0025】
ステップ130は、回動軸S1を中心に回動する。回動に伴って、ステップ130は、下端131cが回動軸S1よりも下方に位置する第1状態(図2図5参照)と、下端131cが回動軸S1よりも上方に位置する第2状態(図6図7参照)とをとる。なお、下端131cは、支柱131における回動軸S1から遠い端部である。第1状態では、ステップ130の下端131cがフロア22よりも下方に位置しており、作業者はステップ130に足を掛けてフロア22に上り得る。また、第2状態では、ステップ130の下端131cがフロア22よりも上方に位置しており、ステップ130は格納された状態となっている。
【0026】
一対の支柱131において互いに対向する内側面131eには、それぞれストッパ136が形成されている(図2図6参照)。ストッパ136は、第1係止部136a及び第2係止部136bを含む。第1係止部136aは、第1状態においてフロア22に当接しステップ130の回動を規制する。第2係止部136bは、第2状態においてフロア22に当接しステップ130の回動を規制する。本実施形態では、フロア22の一部を構成する支持フレーム110に第1係止部136a及び第2係止部136bが当接し得る。図示例では、第1係止部136a及び第2係止部136bは、それぞれの支柱131の内側面131eから対面する支柱131に向かって突出している。すなわち、第1係止部136a及び第2係止部136bは、内側面131eからY方向に突出している。第1係止部136aは、ステップ130が第1状態となっているときに、張出片114における矩形状部分114aの前端縁114cに当接する(図2参照)。第2係止部136bは、ステップ130が第2状態となっているときに、張出片114における矩形状部分114aの後端縁114dに当接する(図6参照)。本実施形態では、直線状に形成された第1係止部136a及び第2係止部136bが、中間部136cによって互いに接続されている。中間部136cは円弧状をなしている。中間部136cにおける円弧の中心点に相当する位置は、回動軸S1の位置と一致している。
【0027】
回動機構150は、レバー151と、連結ロッド161と、付勢部材165とを有する。レバー151は、回動軸S1に平行な回動軸S2(第2軸)に軸支されている。回動軸S2は、支持フレーム110の幅方向の一端に設けられている。図示例の回動軸S2は、支持フレーム110のうちの車体3から遠い側の側壁部112に位置している。例えば、側壁部112には回動軸S2を支持する支持片112bが固定されている。支持片112bは、側壁部112の前端に固定されている。すなわち、回動軸S2は回動軸S1よりも前側に位置している。また、図示例では、上下方向において、回動軸S2は回動軸S1よりも上側に位置している。
【0028】
一例のレバー151は、パイプ状のレバー本体153と、長尺板状の作用片155とを含む。レバー本体153と作用片155とは、互いの端部同士が溶接などにより連結されている。例えば、レバー151は、レバー本体153と作用片155との連結部分において回動軸S2に軸支されている。そのため、レバー本体153と作用片155とは回動軸S2から互いに異なる方向に延在している。
【0029】
ステップ130が第1状態となっている場合、レバー本体153は回動軸S2から上方に向かって延在し、作用片155は回動軸S2から下方に向かって延在している。また、レバー本体153の先端153aは下方に向かって曲がっている。図示のレバー本体153は、回動軸S2側から順番に基端部153bと、湾曲部153cと、先端部153dとを含む。基端部153bは、直線状をなし、第1状態では先端153aに向かって前方に傾斜している。湾曲部153cは、円弧状をなしており、約90度の角度で湾曲している。湾曲部153cには、作業者がフロア22上からレバー151を操作する際にレバー151を踏み込むための踏み部156が固定されている。先端部153dは、直線状をなし、第1状態では前方に向かって下方に傾斜している。この結果、レバー本体153の先端153aの位置は、フロア22の上面に近接している。例えば、レバー本体153の先端153aとフロア22との間の距離は、レバー本体153の直径よりも小さくてよい。
【0030】
連結ロッド161は、作用片155とステップ130とを連結し、レバー151の回動をステップ130に伝達する。一例の連結ロッド161は、金属製の棒体であってよい。連結ロッド161には、例えば折れ曲がりを抑制するための補強部材162が軸方向に沿って設けられてもよい。連結ロッド161の両端は、略直角に屈曲しており、それぞれレバー151の作用片155とステップ130の支柱131とに軸支されている。図示例では、連結ロッド161の一端161aは作用片155の先端に軸支されており、連結ロッド161の他端161bはステップ130の支柱131に軸支されている。支柱131における連結ロッド161が軸支されている軸孔131fの位置は、ステップ130が第1状態のときに回動軸S2の下方に位置している(図4参照)。ステップ130が第2状態になると、軸孔131fの位置は回動軸S2の上方に移動する(図7参照)。
【0031】
付勢部材165は、フロア22とステップ130とを接続する。付勢部材165は、第1状態と第2状態との両方においてステップ130を前方側に向けて付勢する。図示例の付勢部材165は、コイルバネである。本実施形態では、フロア22の一部を構成する支持フレーム110に付勢部材165の一端165aが接続されている。図5に示されるように、車体3に近い側の側壁部113には、付勢部材165の一端165aが接続されるための接続片113bが形成されている。接続片113bは、側壁部113から車体3側に突出するとともに、下方に向かって延在している。付勢部材165の一端165aは、接続片113bに固定されたリング付きボルト113cに支持されている。上下方向において、付勢部材165と接続片113bとの接続位置(すなわち、リング付きボルト113cの位置)は、ステップ130の回動軸S1の位置と略同じであってよい。また、付勢部材165の他端165bは、ステップ130の支柱131に形成された支持部131gに支持される。支持部131gは例えば円柱状の突起であってよい。支持部131gは、ステップ130が第1状態のときに回動軸S2の下方に位置している。ステップ130が第2状態になると、支持部131gは回動軸S2の上方に移動する(図6参照)。
【0032】
続いて、乗降用ステップ装置100の動作について説明する。図2に示されるように、ステップ130が第1状態にあるときには、付勢部材165の付勢力によりストッパ136の第1係止部136aが張出片114の矩形状部分114aに当接した状態にある。この状態で、レバー151の踏み部156はサイドフロア20の側方でサイドフロア20より上方に位置する(図4参照)。ステップ130が第1状態となっている場合、作業者はステップ130を伝いサイドフロア20に上ることができる。
【0033】
サイドフロア20上の作業者が踏み部156を踏むと、回動軸S2を支点としてレバー本体153が図4の左回りに回動する。レバー本体153の回動に伴い、レバー本体153に固定された作用片155も図4の左回りに回動する。すると、作用片155の先端に接続された連結ロッド161が後方に移動する。連結ロッド161が後方に移動すると、連結ロッド161の他端161bに軸支されたステップ130が回動軸S1を支点として図4の左回りに回動する。
【0034】
ステップ130の回動が進むと、支柱131における連結ロッド161との接続位置である軸孔131fの位置が回動軸S1を中心として図4の左回りに移動する。また、付勢部材165の他端165bが支持されている支持部131gの位置が回動軸S1を中心にして図5の右回りに移動する。回動の初期において、付勢部材165はステップ130が第1状態を維持するようにステップ130を付勢しているが、回動軸S1の軸線方向視において支持部131gの位置が回動軸S1の位置よりも上方になると、付勢部材165は、第2状態になるようにステップ130を付勢する。この付勢力により、作業者による踏み部156のそれ以上の踏み込み力がなくてもステップ130は回動軸S1を支点に更に回動する。そして、ストッパ136の第2係止部136bが張出片114の矩形状部分114aに当接し(図6)、ステップ130の回動が規制される。このようにして、ステップ130が第1状態から第2状態へと切り替わる。ステップ130が第2状態にあるとき、レバー151の先端部153dはサイドフロア20の上面よりも下側に位置している。
【0035】
作業者が作業機1から降りる場合には、サイドフロア20の後部において作業者が踏み板135を後方に蹴り出すように踏むと、回動軸S1を支点としてステップ130が図7の右回りに回動する。回動の初期において、付勢部材165はステップ130が第2状態を維持するように付勢しているが、回動軸S1の軸線方向視において支持部131gの位置が回動軸S1の位置よりも下方になると、付勢部材165は、第1状態になるようにステップ130を付勢する。この付勢力により、ステップ130は回動軸S1を支点に更に回動する。そして、ストッパ136の第1係止部136aが張出片114の矩形状部分114aに当接し(図2)、ステップ130の回動が規制される。このようにして、ステップ130が第2状態から第1状態へと切り替わる。なお、作業機1から降りた作業者はレバー151を手で引き下げることによって、踏み部156を踏み込んだ場合と同様に、ステップ130を第1状態から第2状態に切り替えることができる。この場合、作業者はレバー151の先端部153dを把持してもよい。
【0036】
以上説明したように、作業機1では、レバー151を回動させることによって、ステップ130を第1状態から第2状態に切り替えることができる。通常の利用形態として、作業者は、ステップ130が第1状態のときに、ステップ130を利用してフロア22まで上る。そして、作業者はフロア22上からレバー151を操作することによって、ステップ130を第1状態から第2状態に切り替える。一側面においては、フロア22の上方に延在しているレバー151の先端153aが下方を向いているため、フロア22上の作業者にとってレバー151が邪魔になることが抑制される。また、第2状態では、ステップ130の下端131cがフロア22よりも上方となるため、圃場を走行中に作物にステップ130が接触することが抑制される。
【0037】
第1状態において、レバー151の先端153aの位置は、フロア22の上面に近接していてもよい。この構成では、レバー151の先端153aからフロア22の上面までの距離が小さくなっているので、先端153aにズボン等の衣類が引っかかることが効果的に抑制される。
【0038】
レバー151は、回動軸S2の位置から先端153aと異なる方向に延在する作用片155を含む。回動機構150は、作用片155とステップ130とを連結し、レバー151の回動をステップ130に伝達する連結ロッド161と、フロア22とステップ130とを接続する付勢部材165と、を含む。付勢部材165は、第1状態と第2状態との両方においてステップ130をフロア22に向けて付勢する。この構成では、レバー151の回動が作用片155に連結された連結ロッド161を介してステップ130に伝達されることによって、ステップ130を回動させることができる。そして、付勢部材165によって、ステップ130を第1状態と第2状態とのいずれかの状態に安定させることができる。
【0039】
ステップ130は、第1状態においてフロア22に当接しステップ130の回動を規制する第1係止部136aと、第2状態においてフロア22に当接しステップ130の回動を規制する第2係止部136bと、を備えてもよい。この構成では、第1係止部136aがフロア22に当接することによって、ステップ130は第1状態を安定的に維持する。また、第2係止部136bがフロア22に当接することによって、ステップ130は第2状態を安定的に維持する。
【0040】
ステップ130は、回動軸S1に軸止される一対の支柱131と、一対の支柱131間に掛け渡される踏桟133とを含み、第1係止部136a及び第2係止部は136b、少なくとも一方の支柱131から他方の支柱131に向かって突出してもよい。この構成では、第1係止部136a及び第2係止部136bが一対の支柱131における内側面に形成される。そのため、第1係止部136a及び第2係止部136bとフロア22との当接部分に異物等が入り込むことが抑制される。
【0041】
以上、一実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られない。例えば、サイドフロア20の後方に乗降用ステップ装置100が配置されている例を示したが、これに限定されない。乗降用ステップ装置は、キャビンに続くフロアに隣接するように配置されていればよい。
【符号の説明】
【0042】
1…作業機、3…車体、22…フロア、100…乗降用ステップ装置、130…ステップ、131c…下端、150…回動機構、151…レバー、153a…先端、S1…回動軸(第1軸)、S2…回動軸(第2軸)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7