【文献】
書士隊特別ニンドリ班が行く フィールドワークin『モンスターハンターストーリーズ』,Nintendo DREAM,vol.271,株式会社アンビット,2016年11月01日,[検索日2020年7月31日]
【文献】
城とドラゴン 城vs城の激アツバトルが勃発!!,週刊ファミ通,株式会社KADOKAWA,2015年03月05日,No.1370,[検索日2020年7月31日]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
キャラクタを生成する素となるオブジェクトであって、生成されるキャラクタの能力が未確定である複数の種オブジェクトの中から任意の種オブジェクトを購入可能な購入画面を表示させる機能と、
前記購入画面においてユーザが購入した種オブジェクトをユーザが所有する種オブジェクトとして記憶する機能と、
前記ユーザが所有する種オブジェクトの中からユーザが指定した種オブジェクトをもとに、能力が確定したキャラクタを生成するための第1ゲームであって、かつ、所定のキャラクタが、ユーザによる選択に基づく経路を移動しつつ、経路上に配置された1つ以上の能力の素を獲得する第1ゲームを表示させる機能と、
前記ユーザが指定した種オブジェクトから生成されたキャラクタであって、かつ、前記第1ゲームの中で前記所定のキャラクタが獲得した能力の素に応じた能力を付与したキャラクタをユーザが所有するキャラクタとして記憶する機能と、
をコンピュータに実現させるためのゲームプログラム。
前記第1ゲームにより能力が確定したキャラクタを使用する第2ゲームを表示させる機能を前記コンピュータにさらに実現させることを特徴とする請求項1に記載のゲームプログラム。
前記第2ゲームは、ユーザと他者との対戦ゲームであって、ユーザの拠点と他者の拠点とを結ぶ複数の経路が設けられ、各経路において、ユーザが所有するキャラクタと、他者のキャラクタとが対戦し、所定の目的が達成された場合にユーザの勝利となる対戦ゲームであることを特徴とする請求項2に記載のゲームプログラム。
前記第1ゲームにおける前記所定のキャラクタの移動経路は、あみだくじの規則にしたがって定まることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のゲームプログラム。
キャラクタを生成する素となるオブジェクトであって、生成されるキャラクタの能力が未確定である複数の種オブジェクトの中から任意の種オブジェクトを購入可能な購入画面を表示させる購入画面表示部と、
前記購入画面においてユーザが購入した種オブジェクトをユーザが所有する種オブジェクトとして記憶する記憶部と、
前記ユーザが所有する種オブジェクトの中からユーザが指定した種オブジェクトをもとに、能力が確定したキャラクタを生成するための第1ゲームであって、かつ、所定のキャラクタが、ユーザによる選択に基づく経路を移動しつつ、経路上に配置された1つ以上の能力の素を獲得する第1ゲームを表示させるゲーム表示部と、
を備え、
前記記憶部は、前記ユーザが指定した種オブジェクトから生成されたキャラクタであって、かつ、前記第1ゲームの中で前記所定のキャラクタが獲得した能力の素に応じた能力を付与したキャラクタをユーザが所有するキャラクタとしてさらに記憶することを特徴とする情報処理装置。
キャラクタを生成する素となるオブジェクトであって、生成されるキャラクタの能力が未確定である複数の種オブジェクトの中から任意の種オブジェクトを購入可能な購入画面を表示させるステップと、
前記購入画面においてユーザが購入した種オブジェクトをユーザが所有する種オブジェクトとして記憶するステップと、
前記ユーザが所有する種オブジェクトの中からユーザが指定した種オブジェクトをもとに、能力が確定したキャラクタを生成するための第1ゲームであって、かつ、所定のキャラクタが、ユーザによる選択に基づく経路を移動しつつ、経路上に配置された1つ以上の能力の素を獲得する第1ゲームを表示させるステップと、
前記ユーザが指定した種オブジェクトから生成されたキャラクタであって、かつ、前記第1ゲームの中で前記所定のキャラクタが獲得した能力の素に応じた能力を付与したキャラクタをユーザが所有するキャラクタとして記憶するステップと、
をコンピュータが実行することを特徴とするゲーム方法。
【発明を実施するための形態】
【0013】
実施例のゲームプログラムは、ユーザに対して購入可能に提示するアイテム(実施例ではキャラクタ)の抽選後に購入の意思決定が可能なガチャシステムを提供し、かつ、キャラクタの能力値がその後の育成要素によって決定されるよう構成される。具体的には、ユーザは、キャラクタを生成する素となるオブジェクトである「タネ」をガチャシステムで購入可能であるが、その時点ではタネから生成されるキャラクタの能力は未確定である。実施例のゲームプログラムでは、能力が確定したキャラクタを生成するための第1ゲーム(後述の育成ゲーム)と、第1ゲームにより能力が確定したキャラクタを使用する第2ゲーム(後述の対戦ゲーム)とが別に設けられる。なお、実施例では、上記の第2ゲームは、ユーザが所有するタネのレアリティを高めるための第3ゲームの要素も含む。
【0014】
実施例のゲームプログラムによると、ビデオゲームの戦略性を一層高め、また、ビデオゲームの興趣を向上させることができる。実施例のビデオゲームでは、人間の体内に存在する細胞を擬人化したキャラクタが登場する。ユーザは、白血球や血小板等を擬人化した味方キャラクタを操作し、病原体等を擬人化した敵キャラクタと対戦し、勝利を目指す。
【0015】
図1は、実施例のゲームシステム10の構成を示す。ゲームシステム10は、ユーザ端末12とサーバ14を備える情報処理システムである。ユーザ端末12とサーバ14は、LAN・WAN・インターネット等を含む通信網16を介して接続される。
【0016】
ユーザ端末12は、ゲームの遊技者であるユーザにより操作され、上述のゲームプログラムがインストールされた情報処理装置である。実施例では、ユーザ端末12はスマートフォンとするが、変形例として、ユーザ端末12は、タブレット端末やPC等、他の種類の電子機器であってもよい。
【0017】
サーバ14は、ユーザ端末12におけるゲームの進行を支援する情報処理装置であり、ユーザ端末12におけるゲームプログラムの実行時に必要となる各種データをユーザ端末12へ提供する。サーバ14は、ゲームプログラムの実行時に必要となる各種データをユーザ端末12からの要求に応じて都度提供してもよく、各種データを事前に一括して提供してもよい。
【0018】
例えば、サーバ14は、ガチャシステムにおいて購入可能に提示すべき商品(後述のタネ)の抽選結果をユーザ端末12に提供してもよい。また、サーバ14は、後述の育成ゲームにおけるアイテムや敵キャラクタの配置位置等をユーザ端末12へ提供してもよい。また、サーバ14は、後述の対戦ゲームにおけるレイアウトデータや敵キャラクタの配置データをユーザ端末12に提供してもよい。
【0019】
図2は、
図1のユーザ端末12の機能ブロックを示すブロック図である。ユーザ端末12は、タッチスクリーン20、制御部22、記憶部24、通信部26を備える。本明細書のブロック図で示す各ブロックは、ハードウェア的には、コンピュータのプロセッサ、CPU、メモリをはじめとする素子や電子回路、機械装置で実現でき、ソフトウェア的にはコンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウェア、ソフトウェアの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0020】
タッチスクリーン20は、タッチパネルを備えたディスプレイである。制御部22は、ユーザ端末12の動作を制御するための各種データ処理を実行する。記憶部24は、制御部22により参照および更新されるデータを記憶する。通信部26は、所定の通信プロトコルにしたがって外部装置と通信する。制御部22は、通信部26を介して、サーバ14とデータを送受信する。
【0021】
記憶部24は、資金記憶部30、タネ記憶部32、キャラクタ記憶部34、対戦データ記憶部36を含む。
【0022】
資金記憶部30は、ユーザが保持するゲーム内通貨(ゲーム内で使用可能な仮想通貨)に関するデータを記憶する。実施例でのゲーム内通貨は、(1)原則として、ゲームの進行に伴いユーザに付与される第1の通貨(以下「ポイント」とも呼ぶ。)と、(2)原則として、ユーザが現実世界の通貨を用いて購入した第2の通貨(以下「ゴールド」とも呼ぶ。)を含む。なお、ポイントは、ゴールドを用いて購入されてもよく、また、ゴールドは、ゲームの運営主体から無償でユーザに付与された分を含んでもよい。資金記憶部30は、ユーザが保持するポイントの量とゴールドの量を記憶する。
【0023】
タネ記憶部32は、ユーザが所有するゲーム内のアイテム(言い換えればゲーム内のオブジェクト)の1つである「タネ」に関するデータを記憶する。タネは、キャラクタを生成する素となるアイテムであって、生成されるキャラクタの能力が未確定のアイテムである。実施例のゲームでは、複数種類のキャラクタに対応する複数種類のタネが設けられる。複数種類のタネは、例えば「赤血球のタネ」、「白血球のタネ」、「マクロファージのタネ」を含む。なお、タネにはレアリティ(すなわち希少度合い)が付与されている。タネに関するデータは、タネの種類およびレアリティを含む。タネのレアリティは、タネから生成されるキャラクタのレアリティとも言える。
【0024】
また、複数種類のタネは、生成されるキャラクタのレアリティを示すが、生成されるキャラクタの種類が未確定(少なくともゲーム画面上では未表示)のタネ(以下「多能性タネ」とも呼ぶ。)を含む。多能性タネは、複数種類のキャラクタのいずれかを生成するタネであり、例えば「ライトなタネ」、「ヘビーなタネ」、「積極的なタネ」を含む。ライトなタネは、白血球、赤血球、血小板のいずれかを生成する。ヘビーなタネは、単球、エフェクターT細胞、キラーT細胞のいずれかを生成する。積極的なタネは、キラーT細胞、マクロファージ、ナチュラルキラー細胞のいずれかを生成する。
【0025】
キャラクタ記憶部34は、ユーザが所有するゲーム内のアイテムの1つである「キャラクタ」(「味方キャラクタ」とも呼ぶ。)に関するデータを記憶する。キャラクタに関するデータは、キャラクタの個体識別番号(同じ種類のキャラクタであっても個々に異なる)、種類(実施例では細胞の種類)、レアリティ、能力値を含む。
【0026】
対戦データ記憶部36は、対戦ゲームに関するデータを記憶する。対戦ゲームに関するデータは、後述の準備画面でユーザが設定した内容を含み、具体的には、対戦ゲームに登場させるキャラクタの種類と、キャラクタ毎のゲームに登場させる順番を含む。実施例では、ユーザ端末12の記憶部24に記憶されることとしたデータのうち少なくとも一部がサーバ14に記憶されてもよいことはもちろんである。
【0027】
制御部22は、操作受付部40、ショップ画面表示部42、購入処理部44、育成ゲーム制御部46、育成ゲーム表示部48、準備画面表示部50、対戦データ更新部52、対戦ゲーム制御部54、対戦ゲーム表示部56を含む。これら複数の機能ブロックの機能を実装したゲームプログラムが記憶部24に格納されてもよい。ユーザ端末12のプロセッサは、そのゲームプログラムをメインメモリに読み出して実行することにより、制御部22の各機能ブロックの機能を発揮してもよい。
【0028】
操作受付部40は、タッチスクリーン20に入力された、ゲームに対するユーザの操作を受け付ける。操作受付部40は、受け付けたユーザの操作を他の機能ブロックへ通知する。ショップ画面表示部42は、ショップ画面の表示を指示するユーザの操作が受け付けられ、かつ、ユーザから所定量のポイントが支払われた場合にショップ画面をタッチスクリーン20に表示させる。ショップ画面は、ゲーム画面の1つであり、複数種類のタネの中から任意のタネを購入可能なように構成される。
【0029】
具体的には、ショップ画面表示部42は、ショップ画面に表示するタネの抽選をサーバ14に要求し、サーバ14から抽選結果を受け取る。ショップ画面表示部42は、サーバ14が抽選により決定した所定個数のタネのデータを並べたショップ画面を表示させる。実施例では、サーバ14は、複数種類(例えば30種類)のタネの中から、予め定められた確率にしたがって10個のタネを選択し、選択したタネのデータを抽選結果としてユーザ端末12へ送信する。
【0030】
図3は、ショップ画面の例を示す。同図のショップ画面60は、タネ62で総称されるタネ62a、タネ62b、タネ62c、タネ62dのデータを示している。それぞれのタネ62は、名称(タネの種類)、レアリティ、価格を含む。実施例では、ゲーム内でのタネのレアリティは1〜6の範囲に制限され、このうちショップ画面60では、レアリティ3〜5のタネを購入できる。変形例として、タネのレアリティは上記範囲より狭くてもよく、広くてもよい。また、タネのレアリティは、ゲームの進行状況や、ゲームリリースからの経過時間に応じて変更されてもよい。また、タネ62を購入するためには、ユーザの課金に基づくゲーム内通貨であるゴールドの支払が必要になる。基本的に、タネ62のレアリティが高いほど、タネ62の価格も高くなるよう設定される。
【0031】
図2に戻り、購入処理部44は、ショップ画面の表示を指示するユーザの操作が受け付けられた場合に、資金記憶部30に記憶されたユーザが所有するポイントを所定量減算する。また、購入処理部44は、ショップ画面でユーザにより購入された(ユーザの購入操作の対象となった)1つ以上のタネのデータを、ユーザが所有するタネとしてタネ記憶部32に格納する。また、購入処理部44は、ショップ画面で購入された1つ以上のタネの価格の合計を、資金記憶部30に記憶されたユーザが所有するゴールドから減算する。
【0032】
実際には、サーバ14は、ユーザのポイントとゴールドを管理し、購入処理部44は、サーバ14と連携して購入処理を実行してもよい。また、購入処理部44とサーバ14の少なくとも一方は、クレジットカードシステム等の外部システムと連携して決済処理を実行してもよい。このような購入処理および決済処理は公知技術であるため、詳細な説明を省略する。
【0033】
育成ゲーム制御部46は、タネ記憶部32に記憶されたユーザが所有するタネの中からユーザにより指定されたタネをもとに、能力が確定したキャラクタを生成するためのゲームである育成ゲームを制御する。育成ゲームは、タネからキャラクタを生成し、生成したキャラクタの能力をユーザ自身の操作で獲得していき、能力を確定させるゲームである。育成ゲーム制御部46は、育成ゲームの画面データを生成し、育成ゲーム表示部48は、その画面データにしたがって、育成ゲーム画面をタッチスクリーン20に表示させる。
【0034】
図4は、育成ゲーム画面の例を示す。育成ゲームは、所定のキャラクタ(味方キャラクタ72)が、ユーザによる選択に基づく経路を移動しつつ、予め経路上に配置された1つ以上の能力の素(才能玉74)を収集するゲームである。味方キャラクタ72の移動経路は、あみだくじの規則にしたがって定まる。すなわち、味方キャラクタ72は、ユーザが選択した開始位置から画面下へ移動していき、途中に横への経路があれば必ず横方向に移動する。なお、育成ゲームは、ユーザの操作に応じてキャラクタの能力が決まるゲームであればよく、
図4に示す態様には制限されず、様々な態様をとりうる。
【0035】
育成ゲーム制御部46は、育成ゲーム画面70内の各要素の配置や動きを制御する。育成ゲーム制御部46は、育成ゲーム画面70に、味方キャラクタ72、才能玉74、敵キャラクタ76を配置する。才能玉74は、キャラクタの特定の能力を増加させるアイテムである。キャラクタの能力は、後述の対戦ゲームでの能力であり、体力、攻撃力、守備力、速度、成功率、連携の上手さを含む。
【0036】
ユーザは、味方キャラクタ72に所望の才能玉74を獲得させるように、味方キャラクタ72のルートを選択する。育成ゲーム制御部46は、ユーザ操作により選択されたルートに沿って、また、あみだくじの要領で味方キャラクタ72を上から下に移動させ、味方キャラクタ72を下端のゴールまで進ませる。
【0037】
育成ゲーム制御部46は、味方キャラクタ72が進むルートに才能玉74が存在する場合、その才能玉74が示す能力を味方キャラクタ72が獲得したこととして、その能力を育成ゲーム画面70上に表示させる。味方キャラクタ72が敵キャラクタ76に遭遇した場合、ユーザは、敵キャラクタ76を倒すように操作し、育成ゲーム制御部46は、敵キャラクタ76が倒される動作を表示後、味方キャラクタ72を再度進ませる。
【0038】
図2に戻り、育成ゲーム制御部46は、育成ゲームの中でユーザの操作に応じて獲得された能力を付与したキャラクタのデータを、ユーザが所有するキャラクタのデータとしてキャラクタ記憶部34に格納する。具体的には、育成ゲーム制御部46は、タネから生成されたキャラクタの個体識別番号、種類、レアリティ、育成ゲームにおいて獲得された能力値を対応付けてキャラクタ記憶部34に格納する。
【0039】
なお、育成ゲーム制御部46は、ユーザにより選択され、育成ゲームの対象になったタネのレアリティが高いほど、そのタネから生成されるキャラクタの能力として高い能力を獲得可能に構成された育成ゲームを表示させる。具体的には、育成ゲーム制御部46は、タネのレアリティが高いほど、より多くの才能玉74を獲得可能なように、味方キャラクタ72が進むルートの長さを長くした育成ゲーム画面70を表示させてもよい。例えば、1つのキャラクタの育成ゲームにおいて複数個の育成ゲーム画面70を表示させてもよい。また、育成ゲーム制御部46は、タネのレアリティが高いほど、1つの育成ゲーム画面70に、より多くの才能玉74を配置してもよい。
【0040】
準備画面表示部50は、ユーザが所有するキャラクタの中から対戦ゲームに登場させるキャラクタをユーザに選択させる準備画面をタッチスクリーン20に表示させる。実施例の準備画面では、対戦ゲームに登場させるキャラクタとして5種類のキャラクタを選択できる。また、準備画面は、同じ種類のキャラクタ(すなわち5種類のキャラクタのそれぞれ)について、対戦ゲームに登場させる順番をユーザに決定させる内容を含む。
【0041】
例えば、準備画面表示部50は、個体識別番号毎に個々のキャラクタの能力を準備画面に一覧表示させることにより、対戦ゲームに登場させる順番の決定を支援してもよい。以下、キャラクタの種類の異同に関わらず、キャラクタの1つ1つを指して「個体」とも呼ぶ。キャラクタ種類が同じ個体であっても、レアリティが異なることがあり、また、育成ゲームで獲得された能力も異なり得るため、個体の能力はそれぞれ異なり得る。準備画面は、対戦ゲームに登場させる5種類のキャラクタのそれぞれについて、対戦ゲームに登場させる個体の順番を決定するための内容を含む。
【0042】
対戦データ更新部52は、準備画面におけるユーザの設定内容を対戦データ記憶部36に格納する。上述したように、この設定内容は、対戦ゲームに登場させるキャラクタの種類と、各種類のキャラクタについて対戦ゲームに登場させる個体の順番を含む。
【0043】
対戦ゲーム制御部54は、ユーザが所有するキャラクタ(味方キャラクタ)を操作して、他者のキャラクタ(敵キャラクタ)と対戦する対戦ゲームを制御する。実施例の対戦ゲームは、いわゆるタワーディフェンスゲームであり、ユーザの拠点と他者の拠点とを結ぶ経路(以下「レーン」とも呼ぶ。)上で味方キャラクタと敵キャラクタとが対戦し、所定の目的が達成された場合にユーザの勝利となる。上記の目的は、例えば、味方キャラクタが他者の拠点に達したこと、または、他者の拠点を陥落させたことでもよい。
【0044】
対戦ゲーム制御部54は、対戦ゲームの画面データ(後述の対戦ゲーム画面80)を生成し、対戦ゲーム表示部56は、対戦ゲーム制御部54により生成された対戦ゲーム画面をタッチスクリーン20に表示させる。実施例では、敵キャラクタは、コンピュータが操作するNPC(Non Player Character)である。変形例として、敵キャラクタは、通信網16を介して接続される他のユーザ(不図示の他のユーザ端末)により操作されるPC(Player Character)であってもよい。この変形例では、対戦ゲーム制御部54は、敵キャラクタの配置や動きのデータを他のユーザ端末から受信してもよく、サーバ14を介して受信してもよい。
【0045】
図5は、対戦ゲーム画面の例を示す。対戦ゲーム画面80は、敵キャラクタ82と味方キャラクタ84とが戦う領域であるレーン86を含む。
図5では、第1レーン86a、第2レーン86b、第3レーン86cの3領域で、並行して戦いが行われる。また、対戦ゲーム画面80は、対戦に参加可能な味方キャラクタ84のストックを示すストックエリア88を含む。
【0046】
図5では、3つのレーン86を含む対戦ゲーム画面80を示したが、対戦ゲーム制御部54は、ユーザのステータスやゲームの進行状況等に応じて、対戦ゲーム画面80に設けるレーン86の数(例えば1〜3のいずれか)を決定してよい。一般的に、レーン数が多いほどユーザが考慮すべき点が増え、難易度が高まる。そのため、攻略の難易度を高くすべきゲームステージほど、対戦ゲームにおけるレーンの数を多くしてもよい。また、ゲームの序盤や、ユーザのランクが所定値より低い場合、ユーザのゲームスキルが低いと考えられるため、レーン数を相対的に少なくしてもよい。一方、ゲームの後半や、ユーザのランクが所定値より高い場合、攻略の難易度を高めるために、レーン数を相対的に多くしてもよい。
【0047】
ストックエリア88には、ユーザにより予め設定された、対戦に参加可能なキャラクタの種類と、各キャラクタのストック数(あと何体参加させられるか)が表示される。ストック数は、最大20個であり、すなわち1回の対戦に1つの種類のキャラクタを20個体参加させることができる。
図5では、いずれの種類のキャラクタもあと15個体参加可能であることを示している。
【0048】
対戦ゲーム制御部54は、敵キャラクタ82を各レーン86の左端に出現させ、各レーン86の右端を目指して移動を開始させる。ユーザは、各レーンに存在する敵キャラクタ82との相性を考慮して、ストックエリア88のキャラクタのアイコンをいずれかのレーン86にドラッグする。対戦ゲーム制御部54は、ドラッグ先のレーン86の右端に味方キャラクタ84を出現させ、当該レーン86の左端を目指して移動を開始させる。
【0049】
対戦ゲーム制御部54は、或る種類の味方キャラクタ84がレーン86にドラッグされた場合、ユーザが準備画面で予め設定した順番にしたがって、当該種類の味方キャラクタ84の個体をレーン86に配置する。すなわち、いずれの種類の味方キャラクタ84についても、レーン86に配置される順序は、ユーザが予め設定した順序となり、それぞれ能力が異なる味方キャラクタ84の個体がレーン86に順次配置される。
【0050】
敵キャラクタ82と味方キャラクタ84が近接すると、対戦ゲーム制御部54は、両者の戦いを表示させる。対戦ゲーム制御部54は、敵キャラクタ82の能力と、育成ゲームにて獲得された味方キャラクタ84の能力に応じて、敵キャラクタ82と味方キャラクタ84の勝敗を決定する。実施例の対戦ゲームでは、味方キャラクタ84が全てのレーン86の左端に到達した場合、ユーザの勝利となる。一方、敵キャラクタ82がいずれかのレーン86の右端に到達した場合、ユーザの敗北となる。
【0051】
なお、実施例における対戦ゲームは、ユーザが所有するタネのレアリティを高めるためのゲームでもある。ユーザは、自身で所有するタネの中から予め定められた個数のタネを、対戦時に保持するタネとして指定できる。実施例では、準備画面表示部50は、準備画面に、対戦時に保持するタネをユーザに指定させるための内容を表示させる。対戦データ更新部52は、準備画面で指定された、対戦時に保持するタネの識別情報を対戦データ記憶部36に記憶させる。
【0052】
対戦ゲーム制御部54は、ユーザが対戦ゲームに勝利した場合、(1)その対戦時に保持したタネのレアリティを高めてもよく、(2)タネのレアリティを高めるための所定のパラメータ(レベル等)を高めてもよい。(2)の場合、ユーザ端末12の制御部22は、ユーザの操作に応じて、最大レベルの同レアリティの2つのタネを合成するタネ合成部をさらに備えてもよい。タネ合成部は、合成対象の2つのタネの代わりに1段階上のレアリティの新たなタネを生成し、新たなタネのデータをタネ記憶部32に格納してもよい。
【0053】
以上の構成によるユーザ端末12の動作を説明する。
ユーザは、ユーザ端末12でゲームプログラムを起動する。ユーザは、所定量のポイント(ここでは1000ポイントとする)の支払を承認した上で、ショップ画面60の表示を指示する操作をユーザ端末12へ入力する。購入処理部44は、資金記憶部30に記憶されたユーザが所有するポイントから1000ポイントを減額することにより、ポイントの支払を実行する。ショップ画面表示部42は、ユーザから1000ポイント支払われた場合に、ショップ画面60を表示させる。ショップ画面60では、抽選で選択された10個のタネが購入可能に提示される(
図3)。
【0054】
ユーザは、ショップ画面60に表示されたタネの中から所望のタネを選択し、購入操作を入力する。購入処理部44は、購入操作にて購入対象として選択されたタネの価格を、資金記憶部30に記憶されたユーザが所有するゴールドから減額することにより、ゴールドの支払を実行する。購入処理部44は、ユーザが購入したタネのデータをタネ記憶部32に格納することにより、ユーザが購入したタネを、ユーザが所有するタネとして記憶させる。ユーザは、ショップ画面60の内容を確認し、タネを購入しないこともできる。この場合、1000ポイントは戻らないが、ゴールドは消費されない。
【0055】
既述したように、ポイントは、ゲームの進行に伴い自動的にユーザに付与されるものである一方、ゴールドは、ユーザが現実世界の通貨を使用して購入したもの(課金により取得したもの)である。このように実施例では、性格が異なる2種類の通貨を使い分けさせることで、ユーザにとって利用しやすいガチャシステムを実現できる。例えば、ユーザにとって負担が少ないゴールドの使用によって購入画面を表示させることで、ユーザは、購入可能なタネの一覧を、ゴールドの消費を気にすることなく気軽に確認できる。
【0056】
ユーザは、自身が所有するタネの一覧表示を指示する操作をユーザ端末12へ入力する。育成ゲーム制御部46は、タネ記憶部32に記憶されたユーザが所有するタネのデータ(名称(一部はキャラクタの種類を示す)、レアリティ等)を一覧で示すタネ一覧画面を表示させる。タネ一覧画面においてユーザが育成するタネを指定すると、育成ゲーム制御部46は、指定されたタネからキャラクタを誕生させるアニメーションを表示させた後、そのキャラクタの能力を決定するための育成ゲーム画面70(
図4)を表示させる。このとき、育成ゲーム制御部46は、タネのレアリティが高いほど、高い能力を獲得可能に構成された育成ゲーム画面70を表示させる。
【0057】
ユーザは、育成ゲーム画面70において、所望の才能玉74を獲得するルートに味方キャラクタ72を誘導することにより、タネから生成されたキャラクタに所望の能力を付与する。育成ゲーム制御部46は、育成ゲーム画面70において獲得された才能玉74に対応する能力を付与したキャラクタのデータを、ユーザが所有するキャラクタとしてキャラクタ記憶部34に格納する。
【0058】
このように実施例のユーザ端末12により実行されるゲームプログラムによると、能力が未確定のタネを購入後、そのタネから生まれるキャラクタに対して、ユーザが育成ゲームにおいて所望の能力を与えることができる。これにより、戦略性に富んだゲームを実現できる。例えば、攻撃力に特化したキャラクタ、速度に特化したキャラクタ、能力のバランスがいいキャラクタ等、ユーザが自身の戦略に応じてキャラクタの能力をデザインすることができる。また、同じ種類のキャラクタであっても個体毎に能力が異なるため、新キャラクタを頻繁に出すことが難しい場合でも、ユーザに飽きを感じさせにくくできる。
【0059】
また、実施例のゲームプログラムでは、ショップ画面60に表示されるタネの中には、タネから生成されるキャラクタのレアリティを示すが、生成されるキャラクタの種類が未表示のタネが含まれ得る。一方で、レアリティが高いほど、育成ゲームにおいて高い能力が獲得できる。したがって、キャラクタの種類は未確定であるがレアリティが高ければとりあえず購入しておく、という戦略も可能になり、ゲームの戦略性や興趣を一層高めることができる。
【0060】
ユーザは、準備画面の表示を指示する操作をユーザ端末12へ入力する。準備画面表示部50は、準備画面を表示させ、ユーザは、対戦ゲームに登場するキャラクタの種類と、キャラクタの種類毎の対戦ゲームに登場させる順番を準備画面に入力する。対戦データ更新部52は、準備画面に入力されたデータを対戦データ記憶部36に格納する。
【0061】
ユーザは、対戦の開始を指示する操作をユーザ端末12へ入力する。対戦ゲーム制御部54は、対戦ゲームの制御を開始し、対戦ゲーム表示部56は、対戦ゲーム制御部54の制御にしたがって対戦ゲーム画面80(
図5)を表示させる。対戦ゲームでは、ユーザは、予め準備画面で選択した種類の味方キャラクタ84を複数のレーン86のいずれかに配置し、敵キャラクタ82と戦わせる。対戦ゲーム制御部54は、予めユーザが設定した順番にしたがって、ユーザが指定するレーン86に各キャラクタの個体を登場させる。
【0062】
既述したが、ユーザが所有するキャラクタの能力は、同じ種類のキャラクタであっても、育成ゲームの結果(例えば獲得した才能玉の数や種類)に応じて個体毎に異なる。したがって、ユーザは自身の戦略にしたがって、キャラクタの登場順を決定することができる。例えば、ユーザは、所有する複数の白血球キャラクタについて、対戦ゲームの早期勝利を狙って、相対的に能力が高い個体が早く登場するよう設定してもよい。また、ユーザは、対戦ゲームの逆転勝利を狙って、相対的に能力が高い個体を遅く登場するよう設定してもよい。さらにまた、強力な敵キャラクタが対戦ゲームに登場するタイミングに応じて、キャラクタの登場順を決定してもよい。このように、実施例のゲームプログラムによると、戦略性に富んだゲームを実現できる。
【0063】
また、準備画面表示部50は、対戦ゲーム時に所持可能な所定個数のタネをユーザに選択させる内容を準備画面にさらに表示させる。ユーザは、対戦ゲーム時に所持するタネとして、レアリティを高めたいタネを選択する。対戦データ更新部52は、ユーザにより選択された対戦ゲーム時に所持するタネのデータを対戦データ記憶部36に格納する。
【0064】
対戦ゲーム制御部54は、対戦ゲームでユーザが敗北した場合、その対戦ゲーム時に所持したタネのレアリティを第1の値増加させ、ユーザが勝利した場合、その対戦ゲーム時に所持したタネのレアリティを第1の値より大きい第2の値増加させる。ユーザが敗北した場合、レアリティのサブパラメータであるタネのレベル(例えば最大値200)を1増加させてもよい。また、第1の値は0でもよく、すなわち、敗北時には、タネのレベルを増加させなくてもよい。一方、ユーザが勝利した場合、タネのレベルを、敗北時より大きく2増加させてもよい。
【0065】
実施例のゲームプログラムでは、ショップでタネを購入後、すぐにタネからキャラクタを生成し、そのキャラクタを用いて対戦ゲームを遊技することができる。また、能力の高いキャラクタを得るために、タネのまま、そのレアリティを高めていくこともできる。このように、実施例のゲームプログラムでは、戦略やゲームの楽しみ方に沿った多様な遊技をユーザに提供できる。
【0066】
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、実施例に記載の各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0067】
上記実施例のゲームは、ユーザ端末12にゲームプログラムがインストールされ、いわゆるネイティブアプリケーションとして実行された。変形例として、実施例と同内容のゲームが、ウェブアプリケーションとして提供されてもよく、いわゆるブラウザゲームとして実現されてもよい。この場合、サーバ14は、
図2に示した機能ブロックの少なくとも一部を備えてもよく、ユーザ端末12は、サーバ14による処理結果を取得してゲーム画面を表示する構成であってもよい。
【0068】
上述した実施例および変形例の任意の組み合わせもまた本発明の実施の形態として有用である。組み合わせによって生じる新たな実施の形態は、組み合わされる実施例および変形例それぞれの効果をあわせもつ。また、請求項に記載の各構成要件が果たすべき機能は、実施例および変形例において示された各構成要素の単体もしくはそれらの連携によって実現されることも当業者には理解されるところである。