特許第6985239号(P6985239)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6985239着色感光性樹脂組成物、これを用いて製造されるカラーフィルタおよび前記カラーフィルタを含む表示装置
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  • 特許6985239-着色感光性樹脂組成物、これを用いて製造されるカラーフィルタおよび前記カラーフィルタを含む表示装置 図000009
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6985239
(24)【登録日】2021年11月29日
(45)【発行日】2021年12月22日
(54)【発明の名称】着色感光性樹脂組成物、これを用いて製造されるカラーフィルタおよび前記カラーフィルタを含む表示装置
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/004 20060101AFI20211213BHJP
   G03F 7/032 20060101ALI20211213BHJP
   G02B 5/20 20060101ALI20211213BHJP
【FI】
   G03F7/004 505
   G03F7/032 501
   G03F7/004 501
   G02B5/20 101
【請求項の数】11
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2018-211247(P2018-211247)
(22)【出願日】2018年11月9日
(65)【公開番号】特開2019-86781(P2019-86781A)
(43)【公開日】2019年6月6日
【審査請求日】2018年11月9日
(31)【優先権主張番号】10-2017-0148694
(32)【優先日】2017年11月9日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】503454506
【氏名又は名称】東友ファインケム株式会社
【氏名又は名称原語表記】DONGWOO FINE−CHEM CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110000914
【氏名又は名称】特許業務法人 安富国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チョ, スン−ヒョン
(72)【発明者】
【氏名】クォン, ヨン−ス
(72)【発明者】
【氏名】イ, ヒョン−ボ
【審査官】 塚田 剛士
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−167030(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/123340(WO,A1)
【文献】 韓国公開特許第10−2014−0147531(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F 7/004 − 7/18
G02B 5/20
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)着色剤;
(B)アルカリ可溶性樹脂;
(C)光重合性化合物;
(D)光重合開始剤;および
(E)溶剤を含む黒色感光性樹脂組成物であって、
前記アルカリ可溶性樹脂は、化学式1
【化1】
(RおよびRは、互いに独立に、水素またはメチル基であり、aおよびbは、それぞれ独立に、1〜20の整数である。)、
で表される構造を含むアルカリ可溶性樹脂であり、
前記アルカリ可溶性樹脂および前記光重合性化合物の総重量に対して、前記(B)アルカリ可溶性樹脂52〜80重量%と前記(C)光重合性化合物20〜48重量%が含まれ、
前記黒色感光性樹脂組成物を最終膜厚さが3.0(±0.2)μmとなるように塗布する工程;
80〜120℃で1〜2分間前焼成する工程;
露光量25〜35mJ/cmで全面を露光する工程;
1〜3重量%のアルカリ水溶液を用いて20〜40℃で現像する工程;及び
200〜250℃で10〜30分間後焼成する工程を経て形成された膜の、下記式1で計算される平坦化特性(DOP)値が、15〜75%である黒色感光性樹脂組成物:
[式1]
DOP(%)={(a−d)/a}×100、0≦d≦1.5um、d≦a≦b
(前記式1中、
aは、下部パターンの厚さで、dは、a+c−bの値であり、bおよびcは、次のように定義される:
bは、黒色感光性樹脂組成物によって平坦性が形成された膜の下部にパターンのない部分の厚さ、
cは、黒色感光性樹脂組成物によって平坦性が形成された膜の最高点から下部パターンの最高点を除いた部分の厚さ)。
【請求項2】
前記黒色感光性樹脂組成物の固形分含有量が15重量%〜22重量%の範囲内で25℃で測定したResistの粘度が2.8〜4.2cPである、請求項1に記載の黒色感光性樹脂組成物。
【請求項3】
前記(A)着色剤は、有機ブラック顔料、バイオレット顔料、青色顔料、およびカーボンブラックのうちの1つ以上を含む、請求項1に記載の黒色感光性樹脂組成物。
【請求項4】
前記(B)アルカリ可溶性樹脂は、重量平均分子量5,000〜20,000である、請求項1に記載の黒色感光性樹脂組成物。
【請求項5】
前記(B)アルカリ可溶性樹脂は、酸価30〜100mg KOH/gである、請求項4に記載の黒色感光性樹脂組成物。
【請求項6】
前記有機ブラック顔料は、ラクタムブラック、アニリンブラック、およびペリレンブラックからなる群より選択される1つ以上であり;前記バイオレット顔料は、C.I.ピグメントバイオレット14、19、23、29、32、33、36および37からなる群より選択される1つ以上であり;前記青色顔料は、C.I.ピグメントブルーB15:3、B15:4、B15:6、16、60、61および66からなる群より選択される1つ以上である、請求項3に記載の黒色感光性樹脂組成物。
【請求項7】
前記黒色感光性樹脂組成物は、熱開始剤、充填剤、硬化剤、界面活性剤、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、および凝集防止剤からなる群より選択される1種以上の(F)添加剤をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の黒色感光性樹脂組成物。
【請求項8】
前記黒色感光性樹脂組成物中の固形分の総重量に対して、(A)着色剤13〜50重量%、(B)アルカリ可溶性樹脂5〜60重量%、(C)光重合性化合物5〜50重量%、および(D)光重合開始剤0.05〜10重量%を含み、前記黒色感光性樹脂組成物の総重量に対して、(E)溶剤78〜85重量%を含むことを特徴とする、請求項1に記載の黒色感光性樹脂組成物。
【請求項9】
前記黒色感光性樹脂組成物中の固形分の総重量に対して、(F)添加剤が0.01〜10重量%さらに含まれることを特徴とする、請求項に記載の黒色感光性樹脂組成物。
【請求項10】
請求項1〜のいずれか1項に記載の黒色感光性樹脂組成物で製造されたブラックマトリックス、カラムスペーサまたはブラックカラムスペーサを含むカラーフィルタ。
【請求項11】
請求項10に記載のカラーフィルタを含む表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着色感光性樹脂組成物、前記組成物を用いて製造されるカラーフィルタおよび前記カラーフィルタを含む表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
カラーフィルタは、撮像素子、液晶表示装置(LCD)などの各種表示装置に広く用いられるもので、その応用範囲が急速に拡大している。前記撮像素子、液晶表示装置などに用いられるカラーフィルタは、レッド(Red)、グリーン(Green)、およびブルー(Blue)の3つのカラーの着色パターンからなるか、イエロー(Yellow)、マゼンタ(Magenta)、およびシアン(Cyan)の3つのカラーの着色パターンからなる。
【0003】
前記カラーフィルタそれぞれの着色パターンは、一般的に、顔料または染料などの着色剤、アルカリ可溶性樹脂、光重合性化合物、光重合開始剤、および溶剤を含む着色感光性樹脂組成物を用いて形成される。前記着色感光性樹脂組成物を用いた着色パターンの加工は、通常、リソグラフィ工程で行われている。
【0004】
着色感光性樹脂は、カラーフィルタ、液晶表示材料、有機発光素子、ディスプレイなどの必須材料である。例として、カラー液晶ディスプレイのカラーフィルタには、レッド、グリーン、ブルーのコントラストと発色効果を高めるために、着色層間の境界部分に黒色感光性組成物を用いた遮光層を形成する。また、最近は、アレイ基板上に位置することで、ブラックマトリックスの役割だけでなく、セルギャップ保持用スペーサも形成して一度に多様な役割が可能となるように要求されている。これによって、基本的な遮光のための光学効果だけでなく、弾性率および信頼性が良い特性を必要とする。
【0005】
このような要求に合わせて、特許文献1では、硬化膜の形成時、弾性回復率、解像度、耐薬品性が改善された着色感光性樹脂組成物が記述されている。しかし、従来技術は、一般的な共重合体を用いてNMP溶出信頼性が十分でないだけでなく、段差の実現においても工程マージンの問題を完璧に解決していない。したがって、より改善された着色感光性樹脂組成物の開発が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】韓国登録特許第10−1658374号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記の従来技術の問題点を解決するためになされたものであって、着色剤、アルカリ可溶性樹脂、光重合性化合物、光重合開始剤、および溶剤を含み、平坦化特性(degree of planarization:DOP)および光遮断性に優れるだけでなく、弾性回復率、パターン形状および耐薬品性、解像度に優れた着色感光性樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0008】
また、本発明は、上述した着色感光性樹脂組成物を用いてカラムスペーサとブラックマトリックスを同時に一体型に形成したブラックマトリックスおよび/またはカラムスペーサを含むカラーフィルタおよび前記カラーフィルタを備えた液晶表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、(A)着色剤;(B)アルカリ可溶性樹脂;(C)光重合性化合物;(D)光重合開始剤;および(E)溶剤を含む着色感光性樹脂組成物であって、
前記着色感光性樹脂組成物によって形成された膜の、下記式1で計算される平坦化特性(DOP)値が、15〜75%である着色感光性樹脂組成物を提供する。
【0010】
[式1]
DOP(%)={(a−d)/a}×100、0≦d≦1.5um、d≦a≦b
【0011】
前記式1中、
aは、下部パターンの厚さで、dは、a+c−bの値であり、bおよびcは、次のように定義される:bは、着色感光性樹脂組成物によって平坦性が形成された膜の下部にパターンのない部分の厚さ、cは、着色感光性樹脂組成物によって平坦性が形成された膜の最高点から下部パターンの最高点を除いた部分の厚さを意味する。
【0012】
本発明は、前述した着色感光性樹脂組成物で製造されたブラックマトリックス、カラムスペーサまたはブラックカラムスペーサを含むカラーフィルタを提供する。
【0013】
本発明は、前述したカラーフィルタを含む表示装置を提供する。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、平坦化特性(degree of planarization:DOP)および光遮断性に優れるだけでなく、弾性回復率、パターン形状および耐薬品性、解像度に優れるという利点がある。
【0015】
また、本発明は、前述した着色感光性樹脂組成物を用いてカラムスペーサとブラックマトリックスとを同時に一体型に形成したブラックマトリックスおよび/またはカラムスペーサを含むカラーフィルタおよび前記カラーフィルタを備えた液晶表示装置を製造可能である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の平坦化特性(degree of planarization:DOP)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明は、着色剤、アルカリ可溶性樹脂、光重合性化合物、光重合開始剤、および溶剤を含み、平坦化特性が15〜75%の範囲の値を有することにより、平坦化特性(degree of planarization:DOP)および光遮断性に優れるだけでなく、弾性回復率、パターン形状および耐薬品性、解像度に優れた着色感光性樹脂組成物を提供する。
【0018】
本発明の平坦化特性(DOP)値は、下記式1で計算され、前記着色感光性樹脂組成物によって形成された膜の平坦化特性(DOP)値は、15〜75%の場合に好ましい。下記式1は、図1に示すように、a〜dの値によって計算される。
【0019】
[式1]
DOP(%)={(a−d)/a}×100、0≦d≦1.5um、d≦a≦b
【0020】
前記式1中、
aは、下部パターンの厚さで、dは、a+c−bの値であり、bおよびcは、次のように定義される:bは、着色感光性樹脂組成物によって平坦性が形成された膜の下部にパターンのない部分の厚さ、cは、着色感光性樹脂組成物によって平坦性が形成された膜の最高点から下部パターンの最高点を除いた部分の厚さを意味する。
【0021】
本発明において、平坦性とは、下部基材に形成されているパターン上に組成物が塗布された時、下部にパターンのない部分の塗膜の厚さが一定に形成されることを意味する。すなわち、開口部の位置の偏差が最小化された状態を意味するのである。
【0022】
前記平坦化特性(DOP)値は、パネルを構成する各レイヤの設計値に応じて平坦化特性要求値に差がありうるが、好ましくは15〜75%、より好ましくは30〜60%であってもよい。これは、着色感光性樹脂組成物の固形分含有量が15重量%〜22重量%の範囲内で粘度が2.8〜4.2cPの場合に現れる特性である。平坦化特性値が前記範囲未満の場合、光学密度が低くなって、遮光特性が不良になってバックライトから光の漏れる問題、および外部光に対する視認性の問題が発生しうる。また、前記範囲を超える場合、段差が低くなって、段差生成が不良でスペーサの役割を果たせない問題が発生し、液晶マージンが不良になって製品の製造歩留まりに大きな影響を与えることがある。さらに、本発明は、平坦化特性値が30〜60%の範囲を有する場合、著しく優れた弾性回復率を示すことができる。
【0023】
(A)着色剤
本発明において、着色剤は、可視光線に遮光性のあるものを使用し、好ましくは、本発明の着色剤は、有機ブラック顔料、バイオレット顔料、および青色顔料を含むことができ、カーボンブラックを追加的にさらに含んでもよいが、これに制限されない。
【0024】
前記有機ブラック顔料は、ラクタムブラック、アニリンブラック、およびペリレンブラックからなる群より選択される1種以上を含み、好ましくは、ラクタムブラックを含む。前記有機ブラック顔料を含むことにより、光学密度を向上させることができ、誘電率および透過度の面においても有利である。
【0025】
前記バイオレット顔料は、400〜600nmの領域における透過率を減少させて光学密度(optical density、O.D)を向上させる役割を果たす。また、前記バイオレット顔料の使用により有機ブラック顔料の含有量を低減可能で、着色感光性樹脂組成物の信頼性を向上させることができる。前記バイオレット顔料はその種類を特に限定するものではないが、C.I.ピグメントバイオレット14、19、23、29、32、33、36および/または37などを使用することが好ましく、C.I.ピグメントバイオレット29を使用することがより好ましい。
【0026】
また、前記青色顔料は、中心金属を含まない化合物で、前記中心金属を含まない青色顔料を使用することにより、工程上に使用される液晶との接触時に問題を引き起こさず、装備の駆動にメリットを確保することができる。本発明において、前記青色顔料は、中心金属を含まない化合物であればその種類を特に限定するものではないが、C.I.ピグメントブルーB15:3、B15:4、B15:6、16、60、61および/または66などを使用することが好ましく、C.I.ピグメントブルー60を使用することがより好ましい。
【0027】
本発明において、前記着色剤は、着色感光性樹脂組成物中の固形分の総重量に対して13〜50重量%含まれ、好ましくは25〜45重量%含まれる。前記着色剤が13〜50重量%の範囲に含まれると、光学密度に優れる効果を得ることができる。
【0028】
本発明の着色剤にカーボンブラックがさらに含まれると、光学密度に優れた着色感光性樹脂組成物を得ることができる。
【0029】
本発明において、着色感光性樹脂組成物中の固形分とは、溶剤を除去した成分の合計を意味する。
【0030】
また、前記着色剤は、顔料の粒径が均一に分散した顔料分散液を使用することが好ましい。顔料の粒径を均一に分散させるための方法の例としては、顔料分散剤(a1)を含有させて分散処理する方法などが挙げられ、前記方法により顔料が溶液中に均一に分散した状態の顔料分散液を得ることができる。
【0031】
(a1)顔料分散剤
前記顔料分散剤は、顔料の脱凝集および安定性維持のために添加するもので、顔料分散剤の具体例としては、陽イオン系、陰イオン系、非イオン系、両性系、ポリエステル系、ポリアミン系などの界面活性剤などが挙げられ、これらは、それぞれ単独または2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0032】
前記陽イオン系界面活性剤の具体例としては、ステアリルアミン塩酸塩およびラウリルトリメチルアンモニウムクロライドなどのアミン塩または4級アンモニウム塩などが挙げられる。
【0033】
前記陰イオン系界面活性剤の具体例としては、ラウリルアルコール硫酸エステルナトリウムおよびオレイルアルコール硫酸エステルナトリウムなどの高級アルコール硫酸エステル塩類、ラウリル硫酸ナトリウムおよびラウリル硫酸アンモニウムなどのアルキル硫酸塩類、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムおよびドデシルナフタレンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルアリールスルホン酸塩類などが挙げられる。
【0034】
前記非イオン系界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアリールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、その他のポリオキシエチレン誘導体、オキシエチレン/オキシプロピレンブロック共重合体、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、およびポリオキシエチレンアルキルアミンなどが挙げられる。
【0035】
その他、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリエチレングリコールジエステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、脂肪酸変性ポリエステル類、3級アミン変性ポリウレタン類、およびポリエチレンイミン類などが挙げられる。
【0036】
また、前記顔料分散剤は、ブチルメタクリレート(BMA)またはN,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート(DMAEMA)を含むアクリレート系分散剤(以下、アクリレート系分散剤)を含むことが好ましい。前記アクリレート系分散剤は、リビング制御方法によって製造されたものを使用することが好ましく、市販品としては、DISPER BYK−2000、DISPER BYK−2001、DISPER BYK−2070、またはDISPER BYK−2150などが挙げられ、前記アクリレート系分散剤は、それぞれ単独または2種以上を混合して使用することができる。
【0037】
前記顔料分散剤は、アクリレート系分散剤のほか、他の樹脂タイプの顔料分散剤を使用してもよい。前記他の樹脂タイプの顔料分散剤としては、公知の樹脂タイプの顔料分散剤、特に、ポリウレタン、ポリアクリレートに代表されるポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸の(部分的)アミン塩、ポリカルボン酸のアンモニウム塩、ポリカルボン酸のアルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアミドホスフェート塩、ヒドロキシル基−含ポリカルボン酸のエステルおよびこれらの改質生成物、またはフリー(free)カルボキシル基を有するポリエステルとポリ(低級アルキレンイミン)との反応によって形成されたアミドまたはこれらの塩のような油質の分散剤;(メタ)アクリル酸−スチレンコポリマー、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリレートエステルコポリマー、スチレン−マレイン酸コポリマー、ポリビニルアルコール、またはポリビニルピロリドンのような水溶性樹脂または水溶性ポリマー化合物;ポリエステル;改質ポリアクリレート;エチレンオキシド/プロピレンオキシドの付加生成物;およびホスフェートエステルなどが挙げられる。
【0038】
前記他の樹脂タイプの顔料分散剤の市販品としては、陽イオン系樹脂分散剤としては、例えば、BYK(ビック)ケミー社の商品名:DISPER BYK−160、DISPER BYK−161、DISPER BYK−162、DISPER BYK−163、DISPER BYK−164、DISPER BYK−166、DISPER BYK−171、DISPER BYK−182、DISPER BYK−184;BASF社の商品名:EFKA−44、EFKA−46、EFKA−47、EFKA−48、EFKA−4010、EFKA−4050、EFKA−4055、EFKA−4020、EFKA−4015、EFKA−4060、EFKA−4300、EFKA−4330、EFKA−4400、EFKA−4406、EFKA−4510、EFKA−4800;Lubrizol社の商品名:SOLSPERS−24000、SOLSPERS−32550、NBZ−4204/10;川研ファインケミカル社の商品名:ヒノアクト(HINOACT)T−6000、ヒノアクトT−7000、ヒノアクトT−8000;味の素社の商品名:アジスパー(AJISPUR)PB−821、アジスパーPB−822、アジスパーPB−823;共栄社化学社の商品名:フローレン(FLORENE)DOPA−17HF、フローレンDOPA−15BHF、フローレンDOPA−33、フローレンDOPA−44などが挙げられる。
【0039】
前記アクリレート系分散剤のほか、他の樹脂タイプの顔料分散剤は、それぞれ単独または2種以上を混合して使用することができ、アクリレート系分散剤と併用して使用してもよい。
【0040】
前記顔料分散剤は、着色剤1重量部に対して0超過1重量部以下で含まれ、好ましくは0.05〜0.5重量部含まれる。前記0超過1重量部以下で顔料分散剤が含まれると、均一に分散した顔料が得られるので、好ましい。
【0041】
(B)アルカリ可溶性樹脂
本発明に使用されるアルカリ可溶性樹脂(B)は、パターンを形成する時の現像処理工程で用いられるアルカリ現像液に対して可溶性を付与する成分である。
【0042】
本発明に係るアルカリ可溶性樹脂(B)は、本発明の溶媒に溶解可能で光または熱の作用に対する反応性を有し、アルカリ性現像液に溶解可能な樹脂であれば、その種類を特に制限なく使用することができる。具体的には、カルボキシル基含有単量体およびこれと共重合可能な単量体などを使用することができる。
【0043】
具体的には、カルボキシル基含有単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、α−クロロアクリル酸、ケイ皮酸などの不飽和モノカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸などの不飽和ジカルボン酸;不飽和トリカルボン酸などの分子中に1個以上のカルボキシル基を有する不飽和カルボン酸などが挙げられる。これらは、単独または2種以上混合して使用することができる。本発明において、カルボキシル基含有単量体に相当する不飽和カルボン酸は、酸無水物であってもよいし、具体的には、マレイン酸無水物、イタコン酸無水物、シトラコン酸無水物などが挙げられる。また、前記不飽和カルボン酸は、そのモノ(2−メタクリロイルオキシアルキル)エステルであってもよいし、例えば、コハク酸モノ(2−アクリロイルオキシエチル)、コハク酸モノ(2−メタクリロイルオキシエチル)、フタル酸モノ(2−アクリロイルオキシエチル)、フタル酸モノ(2−メタクリロイルオキシエチル)などが挙げられる。さらに、前記不飽和カルボン酸は、その両末端ジカルボキシ重合体のモノ(メタ)アクリレートであってもよいし、例えば、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノアクリレート、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノメタクリレートなどが挙げられる。
【0044】
カルボキシル基含有単量体と共重合可能な他の単量体の具体例としては、3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−9−イルアクリレート、3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルアクリレートなどの3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン環を有する単量体、ジシクロペンテン環(トリシクロ[5.2.1.02,6]−3−デセン環)を有する単量体;スチレン、α−メチルスチレン、o−ビニルトルエン、m−ビニルトルエン、p−ビニルトルエン、p−クロロスチレン、o−メトキシスチレン、m−メトキシスチレン、p−メトキシスチレン、o−ビニルベンジルメチルエーテル、m−ビニルベンジルメチルエーテル、p−ビニルベンジルメチルエーテルなどの芳香族ビニル化合物;メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルアクリレート、n−プロピルメタクリレート、i−プロピルアクリレート、i−プロピルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、i−ブチルアクリレート、i−ブチルメタクリレート、sec−ブチルアクリレート、sec−ブチルメタクリレート、t−ブチルアクリレート、t−ブチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、3−ヒドロキシブチルアクリレート、3−ヒドロキシブチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、アリルアクリレート、アリルメタクリレート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、フェニルアクリレート、フェニルメタクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、2−メトキシエチルメタクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、2−フェノキシエチルメタクリレート、メトキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシジエチレングリコールメタクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、メトキシトリエチレングリコールメタクリレート、メトキシプロピレングリコールアクリレート、メトキシプロピレングリコールメタクリレート、メトキシジプロピレングリコールアクリレート、メトキシジプロピレングリコールメタクリレート、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、ジシクロペンタジエニルアクリレート、ジシクロペンタジエニルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルメタクリレート、グリセロールモノアクリレート、グリセロールモノメタクリレートなどの不飽和カルボン酸エステル類;2−アミノエチルアクリレート、2−アミノエチルメタクリレート、2−ジメチルアミノエチルアクリレート、2−ジメチルアミノエチルメタクリレート、2−アミノプロピルアクリレート、2−アミノプロピルメタクリレート、2−ジメチルアミノプロピルアクリレート、2−ジメチルアミノプロピルメタクリレート、3−アミノプロピルアクリレート、3−アミノプロピルメタクリレート、3−ジメチルアミノプロピルアクリレート、3−ジメチルアミノプロピルメタクリレートなどの不飽和カルボン酸アミノアルキルエステル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニルなどのカルボン酸ビニルエステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテルなどの不飽和エーテル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、シアン化ビニリデンなどのシアン化ビニル化合物;アクリルアミド、メタクリルアミド、α−クロロアクリルアミド、N−2−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−2−ヒドロキシエチルメタクリルアミドなどの不飽和アミド類;マレイミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミドなどの不飽和イミド類;1,3−ブタジエン、イソプレン、クロロプレンなどの脂肪族共役ジエン類;ポリスチレン、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリ−n−ブチルアクリレート、ポリ−n−ブチルメタクリレート、ポリシロキサンの重合体分子鎖の末端にモノアクリロイル基またはモノメタクリロイル基を有する巨大単量体類;炭素数2〜4の環状エーテル構造とエチレン性不飽和結合を有する単量体;3−(メタクリロイルオキシメチル)オキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−3−エチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−2−トリフルオロメチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−2−フェニルオキセタン、2−(メタクリロイルオキシメチル)オキセタン、2−(メタクリロイルオキシメチル)−4−トリフルオロメチルオキセタンなどの不飽和オキセタン化合物;メチルグリシジル(メタ)アクリレートなどの不飽和オキシラン化合物;炭素数4〜16のシクロアルカンまたはジシクロアルカン環で置換された(メタ)アクリレート;などが挙げられる。これらは、単独または2種以上混合して使用することができる。
【0045】
本発明のアルカリ可溶性樹脂は、カルボキシル基含有単量体およびこれと共重合して化学式1の構造を形成可能な単量体との共重合体がより好ましいことがある。化学式1で表される構造を含むアルカリ可溶性樹脂を使用するのが、硬度、耐溶剤性、耐熱性が優れた高性能の硬化被膜が形成されるということを見出し、保存安定性まで改善する面から、より好ましい。
【0046】
【化1】
【0047】
前記化学式1のRおよびRは、互いに独立に、水素、またはメチル基等の炭素数1〜4のアルキル基であり、aおよびbは、それぞれ独立に、1〜20の整数である。
【0048】
この点で、3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−9−イルアクリレート、3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルアクリレートなどが化学式1の構造を形成可能な単量体である点から、より好ましい。
【0049】
アルカリ可溶性樹脂(B)の分子量は、例えば、ポリスチレン換算重量平均分子量(以下、重量平均分子量)が5,000〜20,000であり、好ましくは7,000〜15,000であってもよいし、酸価は30〜100mg KOH/gであり、より好ましくは40〜80mg KOH/gであってもよい。前記重量平均分子量および酸価範囲を満足する場合、固形分含有量が15重量%〜22重量%の範囲内でResistの粘度が2.8〜4.2cPの範囲で調節可能になって平坦化特性が良くなり、アルカリ可溶性樹脂の酸価による現像特性を調節可能でマージンの確保に有利な効果を有することができる。また、前記酸価範囲を満足する場合、現像されず、未現像、残像が発生する問題が発生せず、現像速度が過度に速くなって工程マージンが不良になる問題も解決できる。このため、平坦化特性(DOP)に優れて段差形成マージンが改善される効果がある。
【0050】
前記アルカリ可溶性樹脂は、着色感光性樹脂組成物中の固形分の総重量に対して5〜60重量%含まれ、20〜50重量%含まれることが好ましい。前記アルカリ可溶性樹脂の含有量が前記範囲以内であればパターン形成が容易であり、解像度および残膜率が向上するので、好ましい。
【0051】
また、前記アルカリ可溶性樹脂(B)は、アルカリ可溶性樹脂および後述する光重合性化合物(C)の総重量に対して、(B)アルカリ可溶性樹脂40〜80重量%含まれてもよい。前記範囲内に含まれる場合、現像液への溶解性が十分でパターン形成が容易であり、現像時に露光部の画素部分の膜減少が防止され、非画素部分の欠落性が良好になるので、好ましい。
【0052】
(C)光重合性化合物
前記光重合性化合物(C)は、光および後述する光重合開始剤の作用で重合可能な化合物であって、単官能単量体、2官能単量体、その他の多官能単量体などが挙げられる。
【0053】
本発明に使用される光重合性化合物(C)は、ディスプレイ装置の全面遮光層形成用感光性樹脂組成物の現像性、感度、密着性、表面問題などを改良するために、官能基の構造や官能基の数が異なる2個またはそれ以上の光重合性化合物を混合して使用することができ、この分野で一般的に使用されるものであればその種類は特に制限されない。
【0054】
単官能単量体の具体例としては、ノニルフェニルカルビトールアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−エチルヘキシルカルビトールアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、N−ビニルピロリドンなどが挙げられる。2官能単量体の具体例としては、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのビス(アクリロイルオキシエチル)エーテル、3−メチルペンタンジオールジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。その他の多官能単量体の具体例としては、トリペンタエリスリトール(メタ)アクリレート、ポリペンタエリスリトール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、エトキシ化ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどが挙げられ、トリペンタエリスリトール(メタ)アクリレート、ポリペンタエリスリトール(メタ)アクリレートを含む場合、より好ましいことがある。これらのうち、2官能以上の多官能単量体が好ましく使用される。
【0055】
前記光重合性化合物は、着色感光性樹脂組成物中の固形分の総重量に対して5〜50重量%含まれてもよい。このような含有量範囲は、最終的に得られるブラックマトリックスまたはスペーサとしての強度や平滑性が良好になる傾向などを多角的に考慮して選定された範囲であって、もしその含有量が前記範囲未満であれば強度および平滑性が不足し、逆に、前記範囲を超える場合、高い強度によってパターニングが容易でない問題が発生するので、前記範囲内で適切に使用される。
【0056】
また、前記光重合性化合物(C)は、前記アルカリ可溶性樹脂(B)および光重合性化合物(C)の総重量に対して、前記(C)光重合性化合物20〜60重量%含まれてもよい。前記範囲内に含まれる場合、画素部の感度が向上してパターンの強度や平坦性が良好になって、段差形成が容易な効果を有する。
【0057】
(D)光重合開始剤
光重合開始剤は、前記光重合性化合物の重合を開始するための化合物で、本発明で特に限定されないが、アセトフェノン系、ベンゾフェノン系、トリアジン系、チオキサントン系、オキシム系、ベンゾイン系、アントラキノン系、およびビイミダゾール系化合物などを使用することができ、これらは、単独または2種以上混合して使用可能である。
【0058】
前記アセトフェノン系化合物としては、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパン−1−オンのオリゴマーなどが挙げられ、特に、これらのうち、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オンが好ましく使用できる。
【0059】
前記ベンゾフェノン系化合物としては、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンなどが挙げられる。
【0060】
前記トリアジン系化合物としては、2,4,6−卜リクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(卜リクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3’,4’−ジメトキシスチリル)−4,6−ビス(卜リクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4’−メトキシナフチル)−4,6−ビス(卜リクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(卜リクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(卜リクロロメチル)−s−トリアジン、2−ビフェニル−4,6−ビス(卜リクロロメチル)−s−トリアジン、ビス(卜リクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト1−イル)−4,6−ビス(卜リクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシナフト1−イル)−4,6−ビス(卜リクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−卜リクロロメチル(ピペロニル)−6−トリアジン、2,4−卜リクロロメチル(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジンなどが挙げられる。
【0061】
前記チオキサントン系化合物としては、2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントンなどが挙げられる。
【0062】
前記オキシム系化合物としては、o−エトキシカルボニル−α−オキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オンなどが挙げられ、市販品として、バスフ社のOXE01、OXE02が代表的である。
【0063】
前記ベンゾイン系化合物としては、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルジメチルケタールなどが使用可能である。
【0064】
前記アントラキノン系化合物としては、2−エチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノンなどが挙げられる。
【0065】
前記ビイミダゾール系化合物としては、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2,3−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(アルコキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(トリアルコキシフェニル)ビイミダゾール、4,4’,5,5’位置のフェニル基がカルボアルコキシ基によって置換されているビイミダゾール化合物などが挙げられる。
【0066】
本発明において、前記光重合開始剤は、着色感光性樹脂組成物中の固形分の総重量に対して0.05〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%含まれる。光重合開始剤が前述した範囲内に含まれる場合、着色感光性樹脂組成物が高感度化され、前記着色感光性樹脂組成物を用いて形成した画素部の強度および前記画素部の表面における平滑性が良好になる。
【0067】
前記光重合開始剤は、光重合開始補助剤を組み合わせて使用してもよい。前記光重合開始剤に光重合開始補助剤を併用すれば、これらを含有する着色感光性樹脂組成物はさらに高感度され、これを用いてセルギャップ保持用支持スペーサを形成する時、生産性が向上するので、好ましい。
【0068】
光重合開始補助剤は、重合効率を高めるために使用可能であり、アミン系化合物、アルコキシアントラセン系化合物、およびチオキサントン系化合物などが使用できる。
【0069】
前記アミン系化合物としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸−2−ジメチルアミノエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、N,N−ジメチルパラトルイジン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンズフェノン(通称、ミヒラーズケトン)、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(エチルメチルアミノ)ベンゾフェノンなどが挙げられ、なかでも、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンが好ましい。
【0070】
前記アルコキシアントラセン系化合物としては、9,10−ジメトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジメトキシアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジエトキシアントラセンなどが挙げられる。
【0071】
前記チオキサントン系化合物としては、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントンなどが挙げられる。
【0072】
前記光重合開始補助剤は、直接製造または市販のものを購入して使用することができ、一例として、商品名「EAB−F」[製造元:保土谷化学工業株式会社]シリーズなどを使用することができる。
【0073】
前記光重合開始補助剤は、光重合開始剤1モルあたり、通常10モル以下、好ましくは0.01〜5モルの範囲内で使用することが好ましい。前記範囲内で光重合開始補助剤を使用する場合、重合効率を高めて生産性向上効果を期待することができる。
【0074】
(E)溶剤
前記溶剤としては、前記言及したものの組成を溶解または分散させることができるものであればいずれも使用可能であり、本発明において特に限定しない。好ましくは、塗布性および乾燥性の面から、沸点が100〜200℃の有機溶剤を使用することができる。
【0075】
代表的に、使用可能な溶剤としては、アルキレングリコールモノアルキルエーテル類、アルキレングリコールアルキルエーテルアセテート類、芳香族炭化水素類、ケトン類、低級および高級アルコール類、環状エステル類などが挙げられる。より具体的には、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルなどのアルキレングリコールモノアルキルエーテル類;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテルなどのジエチレングリコールジアルキルエーテル類;メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、メトキシブチルアセテート、およびメトキシペンチルアセテートなどのアルキレングリコールアルキルエーテルアセテート類;ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレンなどの芳香族炭化水素類;メチルエチルケトン、アセトン、メチルアミルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、グリセリンなどのアルコール類;3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチルなどのエステル類;γ−ブチロラクトンなどの環状エステル類などが挙げられる。
【0076】
前記溶剤のうち、好ましくは、アルキレングリコールアルキルエーテルアセテート類、ケトン類、3−エトキシプロピオン酸エチルや、3−メトキシプロピオン酸メチルなどのエステル類が使用可能であり、より好ましくは、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチルなどが使用可能である。これらの溶剤は、1種単独または2種以上混合して使用できる。
【0077】
前記溶剤は、着色感光性樹脂組成物の総重量に対して78〜85重量%含まれる。前記溶剤が前述した範囲内に含まれると、ロールコーター、スピンコーター、スリットアンドスピンコーター、スリットコーター(ダイコーターともいう場合がある)、およびインクジェットなどの塗布装置で塗布した時、塗布性が良好になる。
【0078】
(F)添加剤
本発明の着色感光性樹脂組成物は、多様な目的のためにこの分野で公知の添加剤をさらに含んでもよい。このような添加剤としては、熱開始剤、分散剤、充填剤、他の高分子化合物、紫外線吸収剤、凝集防止剤、硬化剤、密着促進剤、酸化防止剤、表面改質剤などが挙げられる。
【0079】
前記熱開始剤は、熱によって酸を発生させる物質であって、前記着色感光性樹脂組成物が硬化する過程で加えられる熱処理(例えば、ポストベークなど)によって酸を発生してパターンの硬化を促進する成分を称する。
【0080】
本発明の他の実施形態において、前記熱開始剤は、下記化学式2で表されてもよい。
【0081】
【化2】
【0082】
前記化学式2において、
R2は、炭素数3〜8シクロアルキル基であり、
R3は、炭素数1〜8アルキル基または炭素数6〜10アリール基である。
【0083】
本発明において、アルキル基は特に限定されないが、直鎖もしくは分枝鎖であってもよく、炭素数は1〜8のものが好ましい。具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、sec−ブチル、1−メチル−ブチル、1−エチル−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル、n−ヘキシル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、4−メチル−2−ペンチル、3,3−ジメチルブチル、2−エチルブチル、n−ヘプチル、1−メチルヘキシル、n−オクチル、tert−オクチル、1−メチルヘプチル、2−エチルヘキシル、2−プロピルペンチル、n−ノニル、2,2−ジメチルヘプチル、1−エチル−プロピル、1,1−ジメチル−プロピル、イソヘキシル、2−メチルペンチル、4−メチルヘキシル、5−メチルヘキシルなどがあるが、これらに限定されない。
【0084】
本発明において、シクロアルキル基は、炭素数3〜8のものが好ましい。具体例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、3−メチルシクロペンチル、2,3−ジメチルシクロペンチル、シクロヘキシル、3−メチルシクロヘキシル、4−メチルシクロヘキシル、2,3−ジメチルシクロヘキシル、3,4,5−トリメチルシクロヘキシル、4−tert−ブチルシクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルなどがあるが、これらに限定されない。
【0085】
前記シクロアルキル基は、ヒドロキシ基で置換もしくは非置換であってもよいが、同じくこれに限定されない。
【0086】
本発明において、前記アリール基は特に限定されないが、炭素数6〜8のものが好ましく、単環式アリール基または多環式アリール基であってもよい。前記単環式アリール基としては、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、スチルベニル基などになってもよいが、これらに限定されるものではない。前記多環式アリール基としては、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントリル基、ピレニル基、ペリレニル基、クリセニル基、フルオレニル基などになってもよいが、これらに限定されるものではない。
【0087】
前記アリール基は、アルキル基、具体的には、メチル基で置換もしくは非置換であってもよい。
【0088】
具体的には、前記化学式2で表される熱開始剤は、下記化学式2−1〜2−3で表されてもよいし、それぞれ単独でまたは2種以上混合して使用することができる。
【0089】
【化3】
【0090】
前記熱開始剤の含有量に関連し、添加剤のうち熱開始剤が単独で含まれる場合、着色感光性樹脂組成物中の固形分の総重量に対して1〜10重量%含まれてもよいし、1〜5重量%含まれる場合、より好ましいことがある。前記のような含有量で含まれる場合には、工程性およびアンダーカットにより好ましい。
【0091】
前記熱開始剤が前記範囲未満で含まれる場合、耐溶剤性の効果がわずかであり得、前記範囲を超える場合、現像速度が速くなって剥離タイプの現像性の問題点がありうるので、前記範囲内に含まれることが好ましい。
【0092】
前記分散剤としては、市販の界面活性剤を用いることができ、フッ素系界面活性剤、ウレタン系界面活性剤などが使用できる。前記フッ素系界面活性剤としては、BM−1000、BM−1100(BM Chemie社)、フロラードFC−135/FC−170C/FC−430(住友スリーエム(株))、SH−28PA/−190/SZ−6032(東レシリコーン(株))などが使用できる。前記ウレタン系界面活性剤としては、DiperBYK−163(BYK社)が挙げられる。また、Solsperse5000(Lubrizol社)のような分散補助剤も添加可能である。
【0093】
前記充填剤としては、ガラス、シリカ、アルミナなどが使用可能であり、他の高分子化合物としては、エポキシ樹脂、マレイミド樹脂などの硬化性樹脂、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリフルオロアルキルアクリレート、ポリエステル、ポリウレタンなどの熱可塑性樹脂などが使用できる。
【0094】
前記紫外線吸収剤としては、2−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、アルコキシベンゾフェノンなどが使用可能であり、凝集防止剤としては、ポリアクリル酸ナトリウムなどが使用可能である。
【0095】
前記他の高分子化合物としては、相溶性に影響がない限り限定はないが、好ましくは、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、環状脂肪族エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、グリシジルメタクリレートを(共)重合した樹脂などが挙げられる。これらのうち、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂などが好ましい。
【0096】
これらの添加剤は、1種または2種以上が使用可能であり、前記添加剤は、着色感光性樹脂組成物中の固形分の総重量に対して0.01〜10重量%含まれ、好ましくは0.05〜2重量%含まれてもよい。
【0097】
一例として、着色剤を溶剤に添加した後、残りの組成およびその他添加剤を添加して、撹拌により得ることができる。この時、前記着色剤は、顔料などを予め溶剤またはアルカリ可溶性樹脂に溶解または分散させたミルベイス形態で添加される。添加剤は、溶液形態の場合、着色剤とともに溶媒に予め添加されてもよい。
【0098】
このように製造された着色感光性樹脂組成物は、表示装置、好ましくは、液晶表示装置のブラックマトリックス、セルギャップ保持のためのカラムスペーサまたはブラックカラムスペーサの製造に好ましく使用できる。
【0099】
本発明はまた、上述した着色感光性樹脂組成物が3.0μmの厚さを有する硬化膜に形成時、400〜600nmの範囲の波長に対して0.1%以下の光透過度を示し;700nm〜750nmの範囲の波長に対して10%以下の光透過度を示し;950nmの範囲の波長に対して15%以上の光透過度を示すことを特徴とする着色感光性樹脂組成物を提供する。
【0100】
特に、本発明の着色感光性樹脂組成物は、ブラックカラムスペーサ(ブラックマトリックス一体型スペーサ)の製造に好ましく使用可能であり、前記ブラックカラムスペーサは、ブラックマトリックスとカラムスペーサをそれぞれ形成するのではなく、1つのパターンでブラックマトリックスとカラムスペーサとが一体に形成されたものを意味する。
【0101】
本発明はまた、前記着色感光性樹脂組成物で製造されたブラックマトリックス、カラムスペーサまたはブラックカラムスペーサを含むカラーフィルタに関する。
【0102】
また、前記カラーフィルタを含む表示装置に関する。
【0103】
フォトリソグラフィ方法によるブラックマトリックス、カラムスペーサまたはブラックカラムスペーサを形成する通常のパターニング工程は、
a)基板に着色感光性樹脂組成物を塗布するステップと、
b)溶媒を乾燥するプリベークステップと、
c)得られた被膜上にフォトマスクを当てて活性光線を照射して露光部を硬化させるステップと、
d)アルカリ水溶液を用いて未露光部を溶解する現像工程を行うステップと、
e)乾燥およびポストベーク実行ステップとを含んでなる。
【0104】
前記基板は、ガラス基板やポリマー板が使用される。ガラス基板としては、特に、ソーダ石灰ガラス、バリウム、またはストロンチウム含有ガラス、鉛ガラス、アルミノケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラス、または石英などが好ましく使用可能である。また、ポリマー板としては、ポリカーボネート、アクリル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルスルフィド、またはポリスルホンなどが挙げられる。
【0105】
この時、塗布は、所望の厚さが得られるように、ロールコーター、スピンコーター、スリットアンドスピンコーター、スリットコーター(ダイコーターともいう場合がある)、インクジェットなどの塗布装置を用いた湿式コーティング方法により行われる。
【0106】
プリベークは、オーブン、ホットプレートなどによって加熱することにより行われる。この時、プリベークにおける加熱温度および加熱時間は、使用する溶剤に応じて適宜選択され、例えば、80〜150℃の温度で1〜30分間行われる。
【0107】
また、プリベークの後に行われる露光は、露光器によって行われてフォトマスクを介して露光することにより、パターンに対応する部分のみを感光させる。この時、照射する光は、例えば、可視光線、紫外線、X線、および電子線などが可能である。
【0108】
露光後のアルカリ現像非露光部分の除去されない部分の着色感光性樹脂組成物を除去する目的で行われ、この現像によって所望のパターンが形成される。このアルカリ現像に適した現像液としては、例えば、アルカリ金属やアルカリ土類金属の炭酸塩の水溶液などを使用することができる。特に、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウムなどの炭酸塩を1〜3重量%を含有するアルカリ水溶液を用いて、10〜50℃、好ましくは20〜40℃の温度範囲内で現像器または超音波洗浄器などを用いて行う。
【0109】
ポストベークは、パターニングされた膜と基板との密着性を高めるために行い、80〜220℃で10〜120分の条件で熱処理により行われる。ポストベークは、プリベークと同じく、オーブン、ホットプレートなどを用いて行う。
【0110】
この時、ブラックマトリックスの膜厚さとしては、0.2μm〜20μmが好ましく、0.5μm〜10μmがより好ましく、0.8μm〜5μmが特に好ましい。
【0111】
また、カラムスペーサおよびブラックカラムスペーサの膜厚さとしては、0.1μm〜8μmが好ましく、0.1μm〜6μmがより好ましく、0.1μm〜4μmが特に好ましい。
【0112】
本発明の着色感光性樹脂組成物で製造されたブラックマトリックス、カラムスペーサまたはブラックカラムスペーサは、光学密度、密着性、電気絶縁性、遮光性などの物性に優れるだけでなく、耐熱性および耐溶剤性などに優れて液晶表示装置の信頼度を向上させることができる。
【0113】
以下、実施例を通じて本発明をより詳細に説明する。しかし、下記の実施例は本発明をより具体的に説明するためのものであって、本発明の範囲が下記の実施例によって限定されるものではない。下記の実施例は本発明の範囲内で当業者によって適切に修正、変更可能である。
【実施例】
【0114】
製造例1:アルカリ可溶性樹脂B1の製造
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下漏斗および窒素導入管を備えた内容積1リットルの分離型フラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、「PGMEA」という)277gを投入、80℃に昇温後、3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−9−イルアクリレートと3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルアクリレートとの混合物[50:50(モル比)](すなわち、下記化学式1−1および化学式1−2で表される化合物、R=H)301g、メタクリル酸49g、およびアゾビスジメチルバレロニトリル23gをメトキシブチルアセテート350gに溶解させた混合溶液を5時間かけて滴下し、また、3時間熟成することにより、共重合体溶液(固形分濃度35.0%)を得た。得られた共重合体の酸価(dry)は60.2mg KOH/g、重量平均分子量(Mw)は9,000であった。
【0115】
【化4】
【0116】
(式中、Rは、水素原子、または炭素数1〜4のアルキル基などを示し、Rは、単結合、または炭素数1〜18のアルキレン基などを示す。)
【0117】
製造例2:アルカリ可溶性樹脂B2の製造
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下漏斗および窒素導入管を備えた内容積1リットルの分離型フラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、「PGMEA」という)277gを投入、80℃に昇温後、3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−9−イルアクリレートと3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルアクリレートとの混合物[50:50(モル比)](すなわち、前記化学式1−1および化学式1−2で表される化合物、R=H)301g、メタクリル酸49g、およびアゾビスジメチルバレロニトリル23gをメトキシブチルアセテート350gに溶解させた混合溶液を8時間かけて滴下し、また、3時間熟成することにより、共重合体溶液(固形分濃度35.0%)を得た。得られた共重合体の酸価(dry)は61.5mg KOH/g、重量平均分子量(Mw)は15,000であった。
【0118】
製造例3:アルカリ可溶性樹脂B3の製造
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロートおよび窒素導入管を備えた分離型フラスコに、メチルメタクリレート72重量部、アクリル酸3重量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、「PGMEA」という)をモノマーの合計量に対して2倍量、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)をモノマーの合計量(100重量部)に対して5重量部添加し、均一に溶解させた。その後、窒素気流下、85℃で2時間撹拌し、再度100℃で1時間反応させた。得られた溶液にグリシジルメタクリレートを25重量部、トリエチルアミンをグリシジルメタクリレートに対して10重量部、ヒドロキノンをグリシジルメタクリレートに対して1重量部、および注入したモノマーとグリシジルメタクリレートとを合わせた重量が35重量%となるようにPGMEAをさらに添加し、100℃で5時間撹拌し、目的の共重合体溶液(固形分濃度31.5%)を得た。得られた共重合体の重量平均分子量(Mw)は30,000であり、酸価(dry)は72mg KOH/gであった。
【0119】
実施例1〜16および比較例1〜5
着色剤、アルカリ可溶性樹脂、分散剤、および溶剤を混合した混合物を、ペイントシェーカーにて常温で8時間分散処理した。0.1mmのジルコニアビーズを用いて分散を進行させ、分散終了後にフィルタリングして、着色分散液を製造した。
【0120】
前記着色分散液と、アルカリ可溶性樹脂、光重合性化合物、光重合開始剤、および溶剤を混合して着色感光性樹脂組成物を製造し、その含有量を下記表1に示した。(単位:g)
【0121】
【表1】
【0122】
OBP:ラクタム系有機ブラック顔料
V29:C.I.ピグメントバイオレット29
B60:C.I.ピグメントブルー60
CB:カーボンブラック
アルカリ可溶性樹脂:
B1)製造例1で製造したアルカリ可溶性樹脂
B2)製造例2で製造したアルカリ可溶性樹脂
B3)製造例3で製造したアルカリ可溶性樹脂
光重合性化合物(官能基として(メタ)アクリレート基使用)
光重合性化合物:Viscoat#802(8官能、大阪有機化学)
光重合開始剤:1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−エタノン−1−(O−アセチルオキシム)(Irgacure OXE−02:Ciba社)
添加剤:I−PAG−250(BASF社)および/またはF554(DIC社;表面改質剤)
溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
【0123】
実験例1.着色感光性樹脂組成物の物性の測定
1−1.粘度の測定
前記実施例の組成から得られた着色感光性樹脂組成物の粘度は、25℃でブルックフィールド粘度計(Brookfield Viscometer DV−I+、BROOKFIELD社製造)で測定して、結果を下記表2に示した。
【0124】
1−2.基板の作製および光特性の測定(光学密度、Uv−vis)
5cm×5cmのガラス基板(コーニング社)を中性洗剤および水で洗浄後、乾燥した。前記ガラス基板上に、前記実施例1〜16および比較例1〜5で製造した着色感光性樹脂組成物それぞれを最終膜厚さが3.0(±0.2)μmとなるようにスピンコーティングし、80〜120℃で前焼成し1〜2分間乾燥して溶剤を除去して、予備硬化膜を形成した。
【0125】
その後、露光量25〜35mJ/cmで露光してパターンを形成し、アルカリ水溶液を用いて非露光部を除去した。次に、200〜250℃で後焼成を10〜30分間行って、着色基板を製造した。
【0126】
形成された硬化膜を光学密度計(361T、X−rite社)を用いて550nmにおける透過率を測定して、1μmの厚さに対する光学密度を求めて、下記表2に示した。
【0127】
また、前記形成された硬化膜をUV−vis(UV−2550;Shimadzu社)を用いて光特性を評価し、評価基準は下記の通りであり、結果を下記表2に示した。
【0128】
<光特性評価基準1:700〜750nmの波長範囲内>
○:優秀、光透過性10%以下
△:不十分、光透過性10%超過12%以下
×:悪化、光透過性12%超過
【0129】
<光特性評価基準2:950nmの波長範囲内>
○:優秀、光透過性15%以上
△:不十分、光透過性13%以上15%未満
×:悪化、光透過性13%未満
【0130】
1−3.信頼性評価
前記1−2の方法で形成された硬化膜が被せられたガラス基板を3×3cmに切った後、これをNMP溶液に浸漬させた後、100℃で60分間熱を加えた。その後、NMP溶液のみを抽出して、NMP溶剤の溶出程度をUV−vis spectrometerを用いて吸光度を測定して、その結果を下記表2に記載した。
【0131】
<信頼性評価基準>
○:優秀、吸光度0.5以下
△:不十分、吸光度0.5超過0.8以下
×:悪化、吸光度0.8超過
【0132】
1−4.弾性回復率評価
前記1−2の基板の作製のように、カラムスペーサパターンのある基板を作製した。前記作製された基板をSNU(SIS−2000、SNU社)を用いて基準状態でパターンの厚さおよび高さを測定した。この後、硬度計(Nano−indenter HM500、Fisher社)を平面押子を用いてパターンが1μm変形する地点まで2mN/secの速度で押し付け、1μm変形する地点で5秒間Holding Timeをもった。この後、SNUを用いてパターンの厚さおよび高さを測定し、前後のパターンの厚さの変化から弾性回復率を測定した。具体的な評価基準は下記の通りであり、評価結果は下記表2に記載した。
【0133】
<弾性回復率評価基準>
優秀◎:98%以上
良好○:96%以上〜98%未満
不十分△:94%以上〜96%未満
悪化×:94%未満
【0134】
1−5.平坦化特性(DOP:Degree of Planarization)の測定
パターンの形成されている基板(5cm×5cmのglass基板)に、前記実施例1〜16および比較例1〜5で製造した着色感光性樹脂組成物それぞれを最終膜厚さが3.0(±0.2)μmとなるようにスピンコーティングし、80〜120℃で前焼成し1〜2分間乾燥して溶剤を除去して、予備硬化膜を形成した。
【0135】
その後、露光量25〜35mJ/cmで全面を露光して全面パターンを形成し、アルカリ水溶液を用いて現像を進行させる。次に、200〜250℃で後焼成を10〜30分間行って、全面着色基板を製造した。
【0136】
製造された全面着色基板を膜厚測定器(DEKTAK6M、Veeco社)により下部にパターンのある部分とない部分との厚さを測定した後、予め測定しておいた下部基材のパターンの厚さを用いて平坦化特性(DOP)を測定する。
【0137】
<平坦化特性(DOP)評価基準>
下部パターンの厚さ:1.17um、下部パターンのない平坦化部の厚さ:3.20umにて、
◎:極めて優秀、30%以上60%以下
○:優秀、15%以上30%未満、60%超過75%以下
△:不十分、10%以上15%未満、75%超過85%以下
×:悪化、10%未満、85%超過
【0138】
【表2】
【0139】
前記表から確認されるように、本発明の平坦化特性値の範囲を満足する実施例1〜16の着色感光性樹脂組成物は、優れた光学密度、遮光特性、信頼性および粘度特性を示すだけでなく、弾性回復率にも優れた結果を示した。特に、30%〜60%の範囲の平坦化特性値を有する実施例1〜12は、著しく優れた弾性回復率値を示すことを確認することができた。
【0140】
一方、本発明の平坦化特性値の範囲を超える比較例1〜5の場合、本発明の実施例と比較して、著しく低下した光学密度、遮光特性、信頼性、粘度および弾性回復率効果を示した。


図1