(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施形態を、
図1〜
図15を参照しつつ説明する。本実施形態の接続モジュール1は、電気自動車やハイブリット自動車等の車両の駆動源として使用される蓄電モジュールMを構成する。接続モジュール1は、
図1に示すように、複数の蓄電素子150が一列に並べられた蓄電素子群150Gに取り付けられて、複数の蓄電素子150を直列に接続する。
【0012】
[蓄電素子150および蓄電素子群150G]
蓄電素子150は、例えば、二次電池である。各蓄電素子150は、
図1に示すように、外形が扁平な直方体状であって、隣接する蓄電素子150と対向する面に対して垂直な電極配置面150F(
図1の上面)を有している。電極配置面150Fには、電極端子151A、151Bが配置されている。電極端子151A、151Bのうち一方は正極端子151Aであり、他方は負極端子151Bである。各電極端子151A、151Bは円柱状であって、外周面には、詳細には図示しないが、ねじ山が切られている。
【0013】
図1に示すように、複数の蓄電素子150が一列に並べられて蓄電素子群150Gを構成している。複数の蓄電素子150は、隣り合う2つの蓄電素子150において、異なる極性の電極端子151A、151Bが互いに隣り合うように(つまり、一の蓄電素子150の正極端子151Aと、これと隣接する他の蓄電素子150の負極端子151Bとが互いに隣り合うように)並べられている。
【0014】
[接続モジュール1]
接続モジュール1は、蓄電素子群150Gにおいて、各蓄電素子150の電極配置面150Fによって構成される面(
図1の上面)に組み付けられるモジュールである。接続モジュール1は、
図2に示すように、フレキシブルプリント基板20(以下、「FPC20」と記載する)と、FPC20に接続されて、隣り合う蓄電素子150の正極端子151Aと負極端子151Bとを接続する複数のバスバー10(接続部材に該当)と、バスバー10とFPC20とを保持する樹脂プロテクタ50(保持部材に該当)とを備えている。
【0015】
(バスバー10)
複数のバスバー10のそれぞれは、金属製であって、
図7に示すように、隣り合う蓄電素子150の正極端子151Aと負極端子151Bとを接続する電極接続部11と、この電極接続部11から連なり、FPC20に接続されるFPC接続片15と、FPC接続片15から連なる係止壁16とを備えている。
【0016】
電極接続部11は、全体として長方形の板状の部分であって、電極端子151A、151Bを挿通可能な2つの電極挿通孔12と、樹脂プロテクタ50との係合のための2つの係合凹部13とを有している。電極挿通孔12は、電極接続部11の一方の短辺11Sに近接した位置に1つ、他方の短辺11Sに近接した位置に1つが配置されている。2つの係合凹部13のうち一方は、電極接続部11の一方の短辺11Sから凹む凹部であり、他方は、他方の短辺11Sから凹む凹部である。
【0017】
電極接続部11は、一対の長辺11LA、11LBのうち一方の長辺11LAから凹む接続用凹部14を有している。この接続用凹部14は、長辺11LAと平行な第1奥縁14Aと、この第1奥縁14Aの両端と長辺11LAとを繋ぐ一対の第1側縁14Bとで定義される凹部である。FPC接続片15は、第1奥縁14Aから電極接続部11と同一平面内に延びる矩形の板片状の部分である。係止壁16は、FPC接続片15の先端から垂直に延びる短い板壁状の部分である。
【0018】
(FPC20)
FPC20は、複数のバスバー10とECU(電子制御ユニット:図示せず)とを電気的に接続するための部材であって、詳細には図示しないが、銅箔によって形成された複数の導電路と、導電路の両面を被覆する絶縁樹脂フィルムとを備えている。このFPC20は、
図9に示すように、FPC本体21と、FPC本体21から連なり、複数のバスバー10のそれぞれに接続される複数の第1可動部41とを備えている。
【0019】
FPC本体21は、
図9に示すように、ECUと接続される外部接続部22と、この外部接続部22から連なる6つの配線部(第1配線部23、第2配線部24、第3配線部25、第4配線部26、第5配線部27および第6配線部28:いずれも配索経路に該当)を備えている。
【0020】
第1配線部23は、外部接続部22から延びる第1伸縮部23Aと、第1伸縮部23Aの延出端から連なる第1バスバー配置部23Bとを備えており、全体として細長い帯状の部分である。第1伸縮部23Aは、複数の折り線29に沿って軽く折り曲げられることで、山状の部分と谷状の部分とが交互に並んだ緩やかな波型に屈曲されており(
図6を併せて参照)、折り角度が変化することで、伸縮可能となっている。これにより、第1バスバー配置部23Bの、外部接続部22に対して近接−離間する方向の変位が許容されている。
【0021】
第2配線部24は、同様に、外部接続部22から延びる第2伸縮部24Aと、第2伸縮部24Aの延出端から連なる第2バスバー配置部24Bとを備えている。第4配線部26は、同様に、外部接続部22から延びる第4伸縮部26Aと、第4伸縮部26Aの延出端から連なる第4バスバー配置部26Bとを備えている。第5配線部27は、同様に、外部接続部22から延びる第5伸縮部27Aと、第5伸縮部27Aの延出端から連なる第5バスバー配置部27Bとを備えている。第2伸縮部24A、第4伸縮部26A、および第5伸縮部27Aの構成は、長さが異なる点を除き、第1伸縮部23Aと同様である。
【0022】
第3配線部25および第6配線部28は、外部接続部22から延びている。この第3配線部25は、伸縮部を有していない点で、上記4つの配線部23、24、26、27と異なっている。
【0023】
6つの配線部23、24、25、26、27、28は、外部接続部22から同方向に延び、並列して配置されている。
【0024】
第1可動部41は、
図3および
図9に示すように、FPC本体21から連なるS字の線ばね状の部分である。
図9に示すように、複数の第1可動部41のうち一部は、第3配線部25から連なっており、他の一部は、第6配線部28から連なっており、残りは、複数個ずつが、4つのバスバー配置部23B、24B、26B、27Bのそれぞれから連なっている。第1可動部41の先端部は、導電路の一部が接合用ランド(図示せず)として露出された接合片となっており、ここに、FPC接続片15が半田付けにより接続される。
【0025】
FPC本体21は、外部接続部22が、
図9に破線で示す山折り線、および、1点鎖線で示す谷折り線にそって折り畳まれている。これにより、
図8に示すように、第1配線部23、第2配線部24および第3配線部25が、一組の積層部(第1積層部31)を構成しており、第4配線部26、第5配線部27および第6配線部28が、他の一組の積層部(第2積層部32)を構成している。
【0026】
第1積層部31は、
図8に示すように、第2配線部24と第3配線部25とで構成される第1層の上に、第1配線部23により構成された第2層が重ねられた2層構造をなしている。第1積層部31において、第3配線部25と、第2バスバー配置部24Bと、第1バスバー配置部23Bとは、外部接続部22に近い方からこの順に一列に並んでおり、第3配線部25と、第2バスバー配置部24Bと、第1バスバー配置部23Bとに連なる複数の第1可動部41も、一列に並んでいる。
【0027】
同様に、第2積層部32は、第5配線部27と第6配線部28とで構成される第1層の上に、第4配線部26により構成される第2層が重ねられた2層構造をなしている。第2積層部32において、第6配線部28と、第5バスバー配置部27Bと、第4バスバー配置部26Bとは、外部接続部22に近い方からこの順に一列に並んでおり、第6配線部28と、第5バスバー配置部27Bと、第4バスバー配置部26Bとに連なる複数の第1可動部41も、一列に並んでいる。
【0028】
第1伸縮部23Aの伸縮により、第1バスバー配置部23Bは、隣りに配置された第2バスバー配置部24Bに対して近接−離間する方向の変位が許容されている。また、第2伸縮部24Aの伸縮により、第2バスバー配置部24Bは、隣りに配置された第1バスバー配置部23Bおよび第3配線部25に対して近接−離間する方向の変位が許容されている。同様に、第4伸縮部26Aの伸縮により、第4バスバー配置部26Bは、隣りに配置された第5バスバー配置部27Bに対して近接−離間する方向の変位が許容されている。また、第5伸縮部27Aの伸縮により、第5バスバー配置部27Bは、隣りに配置された第4バスバー配置部26Bおよび第6配線部28に対して近接−離間する方向の変位が許容されている。これらにより、蓄電素子群150Gの寸法公差に起因する電極端子151A、151Bの位置ずれに対応することができる。
【0029】
(樹脂プロテクタ50)
樹脂プロテクタ50は、合成樹脂製であって、
図10に示すように、第1積層部31を保持する第1プロテクタ50Aと、第2積層部32を保持する第2プロテクタ50Bとで構成されている。第2プロテクタ50Bの構成は、第2積層部32に対する係止構造等の細部を除き、第1プロテクタ50Aの構成と概ね同様であるので、以下には、第1プロテクタ50Aを例にとり説明する。
【0030】
第1プロテクタ50Aは、第1積層部31を保持する部材であって、
図10に示すように、FPC本体21を保持する第1FPC保持部51と、バスバー10を保持する複数のバスバー保持部121、131とを備えている。
【0031】
第1FPC保持部51は、
図10および
図13に示すように、3つの保持ユニット(第1保持ユニット61、第2保持ユニット71、第3保持ユニット81)と、隣り合う保持ユニット61、71、81間を連結する2つの第1連結部91とを備えて、全体として第1積層部31とほぼ同等の大きさの細長い長方形の板状をなしている。第1保持ユニット61は、第3配線部25と、第2伸縮部24Aと、第1伸縮部23Aにおいて第3配線部25に重なる部分とを保持するユニットである。第2保持ユニット71は、第2バスバー配置部24Bと、第1伸縮部23Aにおいて第2バスバー配置部24Bに重なる部分とを保持するユニットである。第3保持ユニット81は、第1バスバー配置部23Bを保持するユニットである。
【0032】
第1保持ユニット61は、
図11および
図13に示すように、第1載置板62と、この第1載置板62から立ち上がる第1サイドリブ63と、この第1サイドリブ63から連なる複数の押さえ片64とを備えている。
【0033】
第1載置板62は、
図13に示すように、全体として長方形の板状をなす部分である。第1サイドリブ63は、
図11に示すように、第1載置板62の一対の長辺62LA、62LBのうち一方(
図11の上方)の長辺62LAから突出するすじ状の部分である。複数の押さえ片64のそれぞれは、
図11に示すように、第1サイドリブ63から、第1載置板62と平行に延びる細長い板片状の部分であって、第1載置板62との間で第1積層部31を挟んで保持できるようになっている。
【0034】
同様に、第2保持ユニット71は、第2載置板72と、この第2載置板72から立ち上がる第2サイドリブ73と、この第2サイドリブ73から連なる複数の押さえ片64とを備えている。また、第3保持ユニット81は、第3載置板82と、この第3載置板82から立ち上がる第3サイドリブ83と、この第3サイドリブ83から連なる複数の押さえ片84とを備えている。
【0035】
2つの第1連結部91のそれぞれは、
図12に示すように、W字形に屈曲された板ばね状の部分である。一方の第1連結部91は、
図11および
図14に示すように、第1載置板62と第2載置板72とを連結する部分であって、W字の一端が第1載置板62の短辺62Sに、他端が第2載置板72の短辺72Sに接続されている。他方の第1連結部91は、同様に第2載置板72と第3載置板82とを連結している。これらの第1連結部91によって、3つの保持ユニット61、71、81は、互いに近接−離間する方向に変位可能となっている。これにより、上記した第1バスバー配置部23B−第2バスバー配置部24B−第3配線部25間の変位に追従して、3つの保持ユニット61、71、81間の距離を変動させることができる。
【0036】
図10に示すように、複数のバスバー保持部121、131のうち、第1保持ユニット61において第2保持ユニット71とは反対側の端に位置する1つ、第3保持ユニット81において第2保持ユニット71とは反対側の端に位置する1つは、固定バスバー保持部131であり、その他は、第2可動部111を介して保持ユニット61、71、81に連結された可動バスバー保持部121である。以下には、第1保持ユニット61から連なる第2可動部111、可動バスバー保持部121および固定バスバー保持部131について説明し、第2保持ユニット71および第3保持ユニット81から連なる第2可動部111およびバスバー保持部121、131については、同様の構成に同一の符号を付して説明を省略する。
【0037】
図14に示すように、第1載置板62は、一対の長辺62LA、62LBのうち他方(
図11の下方)の長辺62LBから内側に凹む複数のばね用凹部101を有している。各ばね用凹部101は、長辺62LBに平行な第2奥縁101Aと、この第2奥縁101Aの両端と長辺62LBとを繋ぐ一対の第2側縁101Bとで定義される凹部である。
【0038】
第2可動部111は、
図11に示すように、第2奥縁101Aから屈曲しながら延びる板ばね状の部分であって、第1載置板62に対して垂直に延びた後、折り返されて第1載置板62に近づくように延び、さらに折り返されて第1載置板62から離れるように延びるS字状をなしている。この第2可動部111は、隣り合う2つが対をなして1つの可動バスバー保持部121に接続されている。
【0039】
可動バスバー保持部121は、
図11および
図14に示すように、第2可動部111から連なる背板部122と、背板部122から連なる底板部123と、底板部123から延びる延長片125、第1バスバー係止片126、および2つの第2バスバー係止片127を備えている。
【0040】
背板部122は、
図11に示すように、第1載置板62に対して垂直な姿勢で配される板状の部分であって、一対の第2可動部111のそれぞれの先端部に接続されている。
【0041】
底板部123は、
図11および
図14に示すように、背板部122から、第1載置板62と反対方向に垂直に延びる板状の部分であって、2本のスリット124を有している。2本のスリット124のそれぞれは、底板部123の延出端から背板部122に向かって延びており、これらのスリット124によって、底板部123は、両端の端板部123Aと、中央の中板部123Bとに分割されている。延長片125は、
図14に示すように、中板部123Bの延出端から、底板部123と同一面上に延びる板片状の部分である。
【0042】
第1バスバー係止片126は、
図11に示すように、中板部123Bから延び、背板部122に対して隙間を空けて配置される第1撓み片126Aと、第1撓み片126Aの延出端から背板部122と反対方向に突出する第1係止爪126Bとを備えている。第1撓み片126Aは、中板部123Bから離れるほど背板部122から離れるように僅かに傾斜している。
【0043】
2つの第2バスバー係止片127のそれぞれは、
図11に示すように、2つの端板部123Aのそれぞれから延びている。各第2バスバー係止片127は、詳細には図示しないが、2つの端板部123Aの延出端から垂直に延びる第2撓み片と、第2撓み片の先端から背板部122に向かって突出する第2係止爪とを備えている。
【0044】
固定バスバー保持部131は、第2可動部111を有しておらず、背板部が第1載置板62の長辺62LBから延びている点を除いて、可動バスバー保持部121と同様の構成を有している。固定バスバー保持部131において、可動バスバー保持部121の各部位と同様の部位には、同一の符号を付して説明を省略する。
【0045】
複数のバスバー保持部121、131は、
図10に示すように、一列に並んでおり、隣り合う可動バスバー保持部121同士は、
図11に示すように、U字状の第2連結部141により連結されている。同様に、隣り合う固定バスバー保持部131と可動バスバー保持部121も、第2連結部141により連結されている。
【0046】
[接続モジュール1の組み立て]
上記の構成の接続モジュール1を組み立てる手順の一例を、以下に説明する。
【0047】
まず、複数のバスバー10をFPC20に接続する。各バスバー10のFPC接続片15をFPC20の各接合片に重ね、リフロー半田付けによって接合する。各バスバー10は、第1可動部41を介してFPC本体21と連結された状態となっており、第1可動部41が変形することによって、各バスバー10は、FPC本体21に対してある程度自由に変位することができる。
【0048】
次に、FPC20と複数のバスバー10との接合体を、樹脂プロテクタ50に組み付ける。
【0049】
まず、第1積層部31を、第1プロテクタ50Aに組み付ける。第1積層部31を、載置板62、72、82上に、押さえ片64、84との隙間に差し入れるようにして重ね、第1FPC保持部51に保持させる。押さえ片64の第1載置板62からの高さは、第1積層部31の厚さよりも大きくなっており、
図4に示すように、第2伸縮部24Aは、屈曲変形がある程度許容された状態で、押さえ片64と第1載置板62との間で挟まれて保持される。同様に、第1伸縮部23Aも、屈曲変形がある程度許容された状態で保持される。
第2積層部32も、同様に第2プロテクタ50Bに組み付けられる。
【0050】
次に、各バスバー10を各バスバー保持部121、131に組み付ける。第1バスバー係止片126と第2バスバー係止片127とを撓ませつつ、電極接続部11を底板部123に向かって押し込む。電極接続部11が底板部123に当接すると、
図6に示すように、第1バスバー係止片126が弾性復帰して、係止壁16が中板部123Bと第1係止爪126Bとの間で挟まれる。また、第2バスバー係止片127が係合凹部13に挿通されて、電極接続部11に係合する。このようにして、各バスバー10が各バスバー保持部121、131に固定される。このとき、バスバー10は、第1可動部41が変形することによって、FPC本体21に対してある程度自由な変位が許容されているので、バスバー10のバスバー保持部121、131に対する組み付け作業を容易に行うことができる。また、バスバー10を底板部123に向かって押し込むだけで、容易にバスバー保持部121、131に組み付けることができる。
【0051】
[接続モジュール1の蓄電素子群150Gへの組み付け]
上記の構成の接続モジュール1を蓄電素子群150Gに組み付ける手順の一例を、以下に説明する。
【0052】
図1に示すように、蓄電素子群150G上の所定位置に接続モジュール1を配置し、各バスバー10の電極挿通孔12に電極端子151A、151Bを挿通させる。その後、各電極端子151A、151Bに図示しないナットをねじ付けることにより、電極端子151A、151Bとバスバー10とを接続する。
【0053】
図1に示すように、第1プロテクタ50Aは、電極端子151A、151Bの2つの列のうち一方の列(
図1の右下の列)に沿って組み付けられ、第1積層部31を構成する第1配線部23、第2配線部24および第3配線部25に接続されたバスバー10が、一方の列をなす電極端子151A、151Bに接続される。また、第2プロテクタ50Bは、電極端子151A、151Bの他方の列(
図1の左上の列)に沿って組み付けられ、第2積層部32を構成する第4配線部26、第5配線部27および第6配線部28に接続されたバスバー10が、他方の列をなす電極端子151A、151Bに接続される。
【0054】
ここで、電極端子151A、151Bの一方の列に組み付けられる第1積層部31は、複数の配線部23、24、25が積層されて構成されている。このような構成によれば、電極端子151A、151Bの一方の列に接続される全てのバスバー10に対応する導電路を、1層の配索経路に収めた場合と比較して、各配線部23、24、25の幅、および、これらの配線部23、24、25により構成される第1積層部31の幅を小さくすることができる。第2積層部32についても同様である。これにより、蓄電素子群150G上の限られた配索スペース内に配索経路を収めることができる。
【0055】
また、接続モジュール1が、樹脂プロテクタ50を備え、この樹脂プロテクタ50は、第1プロテクタ50Aと第2プロテクタ50Bとを備えている。第1プロテクタ50Aは、第1積層部31と、この第1積層部31を構成する配線部23、24、25に接続されたバスバー10とを保持している。このような構成によれば、第1プロテクタ50Aによって、複数の配線部23、24、25を積層した状態で、複数のバスバー10とともにまとめて保持し、一括して蓄電素子群150G上の所定位置にセットすることができる。同様に、第2プロテクタ50Bによって、複数の配線部26、27、28を積層した状態で、複数のバスバー10とともにまとめて保持し、一括して蓄電素子群150G上の所定位置にセットすることができる。これにより、接続モジュール1の蓄電素子群150Gへの組み付け作業性を向上させることができる。
【0056】
また、上記したように、第1積層部31においては、第1バスバー配置部23B−第2バスバー配置部24B−第3配線部25間の変位が許容されている。これにより、蓄電素子群150Gの寸法公差に起因する電極端子151A、151Bの位置ずれに対応することができる。
【0057】
例えば、電極端子151A、151B間の距離が設計寸法よりも小さい場合には、
図2に示すように、第1伸縮部23Aを屈曲させて長さを縮め、第1バスバー配置部23Bと第2バスバー配置部24Bとの距離を小さくすることができる。同様に、第2伸縮部24Aを屈曲させて長さを縮め、第2バスバー配置部24Bと第3配線部25との距離を小さくすることができる。一方、電極端子151A、151B間の距離が設計寸法よりも大きい場合には、
図15に示すように、第1伸縮部23Aを伸長させて第1バスバー配置部23Bと第2バスバー配置部24Bとの距離を大きくすることができる。同様に、第2伸縮部24Aを伸長させて第2バスバー配置部24Bと第3配線部25との距離を大きくすることができる。第2積層部32についても同様である。
【0058】
また、第1バスバー配置部23B−第2バスバー配置部24B−第3配線部25間の変位に追従して、第1プロテクタ50Aにおいて、3つの保持ユニット61、71、81間の距離の変動が許容されているから、第1プロテクタ50Aによって第1バスバー配置部23B−第2バスバー配置部24B−第3配線部25間の変位が妨げられることがない。第2プロテクタ50Bについても同様である。
【0059】
[まとめ]
以上のように本実施形態によれば、接続モジュール1は、電極端子151A、151Bを備える複数の蓄電素子150により構成される蓄電素子群150Gに取り付けられて複数の蓄電素子150を接続するモジュールであって、複数の配線部23、24、25、26、27、28を備えるFPC20と、配線部23、24、25、26、27、28に接続されて、隣り合う蓄電素子150の電極端子151A、151B同士を接続する複数のバスバー10とを備え、FPC20が折り畳まれていることにより、複数の配線部23、24、25が積層されて第1積層部31を構成しているとともに、複数の配線部26、27、28が積層されて第2積層部32を構成している。
【0060】
上記の構成によれば、全てのバスバー10に対応する配線(導電路)を、1層の配索経路に収めた場合と比較して、配線部23、24、25、26、27、28の幅を小さくすることができるから、蓄電素子群150G上の限られた配索スペース内に配索経路を収めることができる。
【0061】
また、接続モジュール1は、複数のバスバー10と第1積層部31、第2積層部32とを保持する樹脂プロテクタ50を備える。
【0062】
このような構成によれば、複数の配線部23、24、25、26、27、28を、積層した状態で、複数のバスバー10とともにまとめて保持し、一括して蓄電素子群150G上の所定位置にセットすることができる。これにより、接続モジュール1の蓄電素子群150Gへの組み付け作業性を向上させることができる。
【0063】
<他の実施形態>
本明細書によって開示される技術は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような種々の態様も含まれる。
(1)上記実施形態では、第1積層部31が3つの配線部23、24、25により構成されていたが、積層部が2つまたは4つ以上の配索経路により構成されていても構わない。
【0064】
(2)上記実施形態では、第1積層部31が2層構造をなしていたが、積層部が、3つ以上の層により構成されていても構わない。また、上記実施形態では、第1層が第2配線部24と第3配線部25とで構成され、第2層が第1配線部23により構成されていたが、1つの層が3つ以上の配索経路により構成されていても構わない。
【0065】
(3)積層部を構成するためのフレキシブルプリント基板の折り畳み方は、上記実施形態の限りではなく、例えば、長尺のフレキシブルプリント基板が、側縁に対して垂直な折り線に沿って折り畳まれていても構わない。
【0066】
(4)上記実施形態では、樹脂プロテクタ50が押さえ片64、84を備えていたが、保持部材において、フレキシブルプリント基板を保持する構成は上記実施形態の限りではなく、例えば、保持部材に設けたピンを、フレキシブルプリント基板に設けたピン孔に挿通する構成であってもよく、保持部材に設けた係止片にフレキシブルプリント基板を係合させる構成であっても構わない。