【課題を解決するための手段】
【0005】
このために、本発明の第1の態様は、
フープと、
フープ上に複数の別個の検知ゾーンの中の1つの検知ゾーンを形成するとともに、使用者の手(limb)と上記検知ゾーンとの間の近接及び/又は接触を検知するようにそれぞれ構成された複数の存在検知センサーと、
複数の存在検知センサーを覆う外部シースと、
を備え、
上記複数の存在検知センサーは、同じ支持体に取り付けられ、存在検知センサーを備える支持体は、支持体を含む検知層を形成し、支持体は、ポリエチレン等の電気絶縁体によって形成され、第1の面において、例えば、少なくともニッケルで覆われたポリアミド糸によって形成された存在検知センサーを支持し、第2の面において、例えば、少なくともニッケルで覆われたポリアミド糸によって形成された少なくとも1つの接地導電体フィルム又は布を支持し、検知層は、複数の存在検知センサーのための接地導電体フィルム又は布を含むことを特徴とする、車両用ステアリングホイールに関する。
【0006】
換言すれば、接地導電体フィルム又は布は、複数の存在検知センサーに共通又は共有のものである。
【0007】
存在検知センサー及び/又は接地導体フィルムは、シート又はフィルムの形態であり、織布又は不織布から作製することができる。ただし、形成される検知層は可撓性である(検知層は、例えば、革によって覆われると目に見えなくなるように、引き伸ばすか又は圧縮するために、フープの周りに巻き付け、更には変形させることができる)。さらに、複数のセンサーに対して単一かつ共通の接地導体フィルム又は布(ガード又はシールドとも呼ぶ)により、検知層の構造が単純化され、車両に対する接続部の数が抑えられ、接続される電子部品が単純化される。実際のところ、全ての存在検知センサーに対して1つの接地接続部があれば事は足りる。これにより、ハブ内及び/又はシースの下に多数の接地導電体を通す必要が回避される。さらに、同じ接地素子が全てのセンサーに対して用いられるため、接地導体に接続される電子部品を多重化する必要がない。したがって、ステアリングホイール及び関連する電子部品は、より単純になる。
【0008】
支持体は、1つの接地導電体フィルム又は布を含むことが有利である。
【0009】
外部シースは、フープの少なくとも一部の周りに延在する少なくとも1つのシームで縫い合わされることが有利である。
【0010】
上記存在検知センサーのうちの少なくとも1つは、外部シースのシームの少なくとも一部に面して配置され、上記少なくとも1つのシームの少なくとも一部を含み、上記少なくとも1つのシームに対する横断方向における、上記少なくとも1つのシームのいずれの側にも延在する検知ゾーンを形成するようになっていることが有利である。
【0011】
上記実施形態に係るステアリングホイール(縫い合わされた外部シースがフープを覆っている)は、複数のセンサーを備えるが、これらのセンサーは、1つの同じ支持体に組み込まれている。これにより、製造中の取扱い及び適所に保持することが簡単になる。さらに、存在検知センサーのうちの1つは、フープの周りに延在する外部シースのシームに面する。
【0012】
そのようなシームは、シースをフープ上に固定するために、外部シースの2つの長手方向縁部をともに接続する。実際には、ステアリングホイール上に取り付ける前、外部シースは、通常、概ね矩形形状の材料片である。この矩形は、2つの長手方向縁部を有し、その長さは、実質的にフープの内周の長さであり(シームは、ハブに面するフープの内側にあるため)、そして、例えば、縁部同士が縫い合わされる。さらに、この矩形は、2つの側縁部を有し、その長さは、実質的に、ステアリングコラムの軸を含む平面におけるフープの断面の周囲の長さである。シームがフープの内側に位置することから、外部シースは、フープの外側付近に予め位置決めされ、その後、側縁部がフープの内側に面するように、内方に折り曲げられる。
【0013】
外部シースのシームに面する存在検知センサーに話を戻すと、存在検知センサーは、シームに沿って、またシームのいずれの側にも延在しており、シームを含むとともにこのシームのいずれにも沿って延在する検知ゾーンに対する近接及び/又は接触を検知することが可能である。換言すれば、運転者がステアリングホイールのフープの内側部分(ハブに面する部分)に触れているか否かを単一のセンサーによって検知することが可能である。したがって、この実施形態はまた、全体的なアーキテクチャを単純化することによって製造に改善を与える。すなわち、ただ1つの存在検知センサーがあれば十分であり、ただ1つの存在検知センサーにより、シームにおける、また(シームの長手方向に関して)シームのいずれの側にもおける近接及び/又は接触を検知することが可能である。
【0014】
存在検知センサーの縁部間の空間に起因して検知が不可能であるシームに配置された接合ゾーン(センサーの縁部が触れることなく向き合う)を有する、フープを囲む存在検知センサーを備えるステアリングホイールと比較して、本発明は、シームにおいて1つのみの存在検知センサーによって検知の利点を提供する。換言すれば、本発明は、2つの検知ゾーン間の空間を利用して、接合ゾーンを位置決めする。これにより、検知ゾーンのカバー範囲が最適化される。
【0015】
シームの少なくとも一部に面して配置される存在検知センサーは、常にシームの同じ側にある少なくとも1つの縁部を有することが有利である。このセンサーは、例えば、概ね矩形形状を有することができる。このセンサーの1つ又は2つの辺は、シームに対して実質的に平行とすることができる。これにより、シームにおける全体の感度を維持しながら、センサー及び同時にセンサー支持体の切断面が最適化される。シームがフープの内側に位置することから、センサー支持体は、フープの内側、正面又は背面に予め位置決めされ、その後、側縁部が、フープの内側ではなく外側、正面又は背面を向くように折り返される。換言すれば、外部シースがフープの内側でシームにおいて閉じることから、センサー支持体は、外部シースに対して反対向きに、又は90度回転して位置決めされる。
【0016】
センサーは、静電容量型であることが有利である。
【0017】
上記少なくとも1つのシームは、外部シースのみを通ることが有利である。この実施形態は、シームに面する存在検知センサーが影響を受けないことを意味する。
【0018】
本発明の別の態様は、
フープと、
フープ上に複数の別個の検知ゾーンの中の1つの検知ゾーンを形成するとともに、使用者の手と上記検知ゾーンとの間の近接及び/又は接触を検知するようにそれぞれ構成された複数の存在検知センサーと、
少なくとも1つのスポークによってフープに接続されるハブと、
少なくとも複数の存在検知センサーを覆うプラスチック材料製の外被と、
を備え、
上記複数の存在検知センサーは、1つの支持体に取り付けられ、存在検知センサーを備える支持体は、支持体を含む検知層を形成し、支持体は、ポリエチレン等の電気絶縁体によって形成され、第1の面において、例えば、少なくともニッケルで覆われたポリアミド糸によって形成された存在検知センサーを支持し、第2の面において、例えば、少なくともニッケルで覆われたポリアミド糸によって形成された少なくとも1つの接地導電体フィルム又は布を支持し、検知層は、複数の存在検知センサーのための接地導電体フィルム又は布を含むことを特徴とする、車両用ステアリングホイールに関する。
【0019】
換言すれば、接地導電体フィルム又は布は、複数の存在検知センサーに共通又は共有のものである。
【0020】
存在検知センサー及び/又は接地導体フィルムは、シート又はフィルムの形態であり、織布材料又は不織布材料から作製することができる。ただし、形成される検知層は、可撓性である(検知層は、例えば、革によって覆われると目に見えなくなるように、引き伸ばすか又は圧縮するために、フープの周りに巻き付け、更には変形させることができる)。さらに、複数のセンサーに対して単一かつ共通の接地導体フィルム又は布(ガード又はシールドとも呼ぶ)により、検知層の構造が単純化され、それにより、車両に対する接続部の数が抑えられ、接続される電子部品が単純化される。実際のところ、全ての存在検知センサーに対して1つの接地接続部があれば事は足りる。これにより、ハブ内及び/又はシースの下に多数の接地導電体を通す必要が回避される。さらに、同じ接地素子が全てのセンサーに対して用いられるため、接地導体に接続される電子部品を多重化する必要がない。したがって、ステアリングホイール及び関連する電子部品は、より単純になる。
【0021】
支持体は、1つの接地導電体フィルム又は布を含むことが有利である。
【0022】
上記存在検知センサーのうちの少なくとも1つは、ハブに面するフープの内周の少なくとも一部の周りに配置されており、上記少なくとも1つの内周の少なくとも一部を含み、上記少なくとも1つの内周に対する横断方向における、上記少なくとも1つの内周のいずれの側にも延在する検知ゾーンを形成するようになっていることが有利である。
【0023】
上記実施形態に係るステアリングホイール(滑らかで連続した外被を有する、又は、フープの周りにシームがなく、フープを覆って、複数の存在検知センサーをオーバーモールドするか若しくは埋め込んでいる)は、複数のセンサーを備えるが、これらのセンサーは、1つの同じ支持体に組み込まれている。それにより、製造中の取扱い及び適所に保持することが簡単になる。さらに、存在検知センサーのうちの1つは、フープの内周(ハブに面する部分)に配置され、そして、この内周の少なくとも一部の周りに、またいずれの側にも延在し、それにより、内周を含むとともに、この内周のいずれの側にも延在する検知ゾーンとの間の近接及び/又は接触が可能である。換言すれば、運転者がステアリングホイールのフープの内側部分(ハブに面する部分)に触れているか否かを単一のセンサーによって検知することが可能である。したがって、この実施形態はまた、全体のアーキテクチャを単純化することによって製造に改善を与える。すなわち、ただ1つの存在検知センサーがあれば十分であり、ただ1つの存在検知センサーにより、内周における、また(内周の長手方向に関して)内周のいずれの側にもおける近接及び/又は接触を検知することが可能である。
【0024】
したがって、本発明は、通常は存在検知を有しないゾーンにおいて縫合シース又はシームレスシースを有するステアリングホイールのための検知を提供する。
【0025】
車両用ステアリングホイールは、
使用者の手と、フープの内側部分に配置された第1の検知ゾーンとの間の近接及び/又は接触を検知するように構成された第1の存在検知センサーと、
使用者の手と、フープの外側部分の第1の半分に配置された第2の検知ゾーンとの間の近接及び/又は接触を検知するように構成された第2の存在検知センサーと、
使用者の手と、フープの外側部分の第2の半分に配置された第3の検知ゾーンとの間の近接及び/又は接触を検知するように構成された第3の存在検知センサーと、
を備えることが有利である。この実施形態に係るステアリングホイールは、使用者の握り方を識別することが可能である。使用者がステアリングホイールのフープの内側部分に触れている場合、第1の存在検知センサーがそれを検知する。使用者が右手のみでステアリングホイールのフープの外側に触れている場合、第2の存在検知センサー又は第3の存在検知センサーのうちの一方がそれを検知する。最後に、運転者が左手のみでステアリングホイールのフープの外側に触れている場合、第2の存在検知センサー又は第3の存在検知センサーのうちの他方がそれを検知する。当然ながら、この検知は、左右を区別するために、ステアリングホイールの回転を考慮することができる。
【0026】
車両用ステアリングホイールは、フープをハブに接続する少なくとも1つのスポークを備え、第1の存在検知センサーは、上記少なくとも1つのスポークを囲み、及び/又は、上記少なくとも1つのスポークを囲む切欠き部を有し、上記少なくとも1つのスポークによって分離される内周の少なくとも2つの部分をカバーすることが有利である。
【0027】
第1の存在検知センサーは、上記少なくとも1つのスポークによって分離される内周の部分のそれぞれを少なくとも部分的にカバーすることが有利である。
【0028】
複数の存在検知センサーの中の各存在検知センサーは、使用者の手とそれぞれの検知ゾーンとの間の近接及び/又は接触を連続的に検知するように構成されることが有利である。
【0029】
検知層及び/又は存在検知センサーを備える支持体は、フープの周りに配置される前は、2つの長手方向縁部及び2つの側縁部を有する細長く平坦な形状を有することが有利である。
【0030】
ステアリングホイールのフープは、実質的に、半径Rの円の周りにフープの断面を回転させることによって得られるトーラスの形態であることが有利である。
【0031】
長手方向縁部は、半径Rの円の円周と実質的に等しい長さであることが有利である。
【0032】
側縁部は、フープの断面(ステアリングホイール又はハブ又はステアリングコラムの回転軸を含む平面に沿った断面又は切断部)の円周と実質的に等しい長さであることが有利である。
【0033】
検知層は、それぞれ長さ方向に2つの端部を接続する2つの長手方向縁部を有する細長形状を有し、複数の存在検知センサー及び上記少なくとも1つの接地導電体フィルム又は布は、それぞれ接続部を有し、接続部は全て同じ長手方向縁部に沿って配置されることが有利である。この実施形態により、全ての接続部が検知層の同じ側にあるので、検知層の電気的接続を単純化することが可能である。さらに、センサーの全てに共通である1つのみの接地フィルム又は布が存在することから、共通の接地フィルム又は布の表面が、必然的にこの長手方向縁部に接する又は共通であるため、1つの長手方向縁部に沿って接続部を設けることが簡単になる。したがって、本発明に係るステアリングホイールの層と車両の車載ネットワークとの接続部を設けることがより簡単になる。接続部は、センサー部であり、すなわち、センサーの材料と同じ材料で形成され、それにより、検知層が、別の部材を用いることにより過度に厚くなることがない。
【0034】
接続部は、フープと少なくとも1つのスポークとの間の接続ゾーンに位置決めされることが有利である。接続ゾーンは、ステアリングホイールの底部、代替的には6時位置ゾーンと呼ばれるところに位置することが好ましい。これにより、検知ゾーンに対する接続ゾーンの位置を最適化することが可能である。
【0035】
第2のセンサーの接続部及び第3のセンサーの接続部は、第1のセンサーのいずれの側にも配置されることが有利である。
【0036】
第1のセンサーの接続部は、第2のセンサーと第3のセンサーとの間に配置されることが有利である。
【0037】
車両用ステアリングホイールは、フープをハブに接続する少なくとも1つのスポークを備え、上記少なくとも1つのスポークの第1の側縁部が、第1の曲率半径を有してフープに接続し、上記少なくとも1つのスポークの第2の側縁部が、フープを第1の曲率半径よりも大きい第2の曲率半径に接続し、支持体及び存在検知センサーのうちの少なくとも1つは、上記少なくとも1つのスポークの一部を覆い、支持体及びセンサーのうちの上記少なくとも1つは、上記少なくとも1つのスポークの幅に対して第1の側縁部に向かってオフセットされた切欠き部を有することが有利である。この実施形態は、小さい方の曲率半径を有する側縁部の切欠き部を近づけることによって、検知層のテンプレート又は平坦形状の切欠きを容易にする。これにより、また、ステアリングホイールにおけるテンプレートの被覆が容易になり、折り目の形成されるリスクが抑えられる。
【0038】
本発明の別の態様は、
フープと、
フープ上に複数の別個の検知ゾーンの中の1つの検知ゾーンを形成するとともに、使用者の手と上記検知ゾーンとの間の近接及び/又は接触を検知するようにそれぞれ構成された複数の存在検知センサーと、
複数の存在検知センサーを覆い、フープの少なくとも一部の周りに延在する少なくとも1つのシームで縫い合わされる外部シースと、
を備え、
上記複数の存在検知センサーは、同じ支持体に取り付けられることと、上記存在検知センサーのうちの少なくとも1つは、外部シースのシームの少なくとも一部に面して配置されており、上記少なくとも1つのシームの少なくとも一部を含むとともに、上記少なくとも1つのシームに対する横断方向における、上記少なくとも1つのシームのいずれの側にも延在する検知ゾーンを形成するようになっていることを特徴とする、車両用ステアリングホイールに関する。
【0039】
上記実施形態に係るステアリングホイール(縫い合わされた外部シースがフープを覆っている)は、複数のセンサーを備えるが、これらのセンサーは、1つの同じ支持体に組み込まれている。これにより、製造中の取扱い及び適所に保持することが簡単になる。さらに、存在検知センサーのうちの1つは、フープの周りに延在する外部シースのシームに面する。
【0040】
そのようなシームは、シースをフープ上に固定するために、外部シースの2つの長手方向縁部を接続する。実際には、ステアリングホイール上に取り付ける前、外部シースは、通常、普通は矩形形状の材料片である。この矩形は、2つの長手方向縁部を有し、その長さは、実質的にフープの内周の長さであり(シームは、ハブに面するフープの内側にあるため)、そして、例えば、縁部同士が縫い合わされる。さらに、この矩形は、2つの側縁部を有し、その長さは、実質的に、ステアリングコラムの軸を含む平面におけるフープの断面の周囲の長さである。
【0041】
外部シースのシームに面する存在検知センサーに話を戻すと、存在検知センサーは、シームに沿って、またシームのいずれの側にも延在しており、シームを含むとともにこのシームのいずれの側にも沿って延在する検知ゾーンに対する近接及び/又は接触を検知することが可能である。換言すれば、運転者がステアリングホイールのフープの内側部分(ハブに面する部分)に触れているか否かを単一のセンサーによって検知することが可能である。したがって、この実施形態はまた、全体的なアーキテクチャを単純化することによって製造に改善を与える。すなわち、ただ1つの存在検知センサーがあれば十分であり、ただ1つの存在検知センサーにより、シームにおける、また(シームの長手方向に関して)シームのいずれの側にもおける近接及び/又は接触を検知することが可能である。
【0042】
存在検知センサーの縁部間の空間に起因して検知が不可能であるシームに配置された接合ゾーン(センサーの縁部が触れることなく向き合う)を有する、フープを囲む存在検知センサーを備えるステアリングホイールと比較して、本発明は、シームにおいて1つのみの存在検知センサーによって検知の利点を提供する。換言すれば、本発明は、2つの検知ゾーン間の空間を利用して、接合ゾーンを位置決めする。これにより、検知ゾーンのカバー範囲が最適化される。
【0043】
センサーは、静電容量型であることが有利である。
【0044】
上記少なくとも1つのシームは、外部シースのみを通ることが有利である。この実施形態は、シームに面する存在検知センサーが影響を受けないことを意味する。
【0045】
本発明の別の態様は、
フープと、
フープ上に複数の別個の検知ゾーンの中の1つの検知ゾーンを形成するとともに、使用者の手と上記検知ゾーンとの間の近接及び/又は接触を検知するようにそれぞれ構成された複数の存在検知センサーと、
少なくとも1つのスポークによってフープに接続されるハブと、
少なくとも複数の存在検知センサーを覆うプラスチック材料製の外被と、
を備え、
上記複数の存在検知センサーは、1つの支持体に取り付けられることと、上記複数の存在検知センサーは、ハブに面するフープの内周の少なくとも一部の周りに配置されており、上記少なくとも1つの内周の少なくとも一部を含むとともに、上記少なくとも1つの内周に対する横断方向における、上記少なくとも1つの内周のいずれの側にも延在する検知ゾーンを形成するようになっていることとを特徴とする、車両用ステアリングホイールに関する。
【0046】
上記実施形態に係るステアリングホイール(滑らかで連続した外被を有する、又は、フープの周りにシームがなく、フープを覆って、複数の存在検知センサーをオーバーモールドするか若しくは埋め込んでいる)は、複数のセンサーを備えるが、これらのセンサーは、1つの同じ支持体に組み込まれている。それにより、製造中の取扱い及び適所に保持することが簡単になる。さらに、存在検知センサーのうちの1つは、フープの内周(ハブに面する部分)に配置され、そして、この内周の少なくとも一部の周りに、またいずれの側にも延在し、それにより、内周を含むとともに、この内周のいずれの側にも延在する検知ゾーンとの間の近接及び/又は接触が可能である。換言すれば、運転者がステアリングホイールのフープの内側部分(ハブに面する部分)に触れているか否かを単一のセンサーによって検知することが可能である。したがって、この実施形態はまた、全体のアーキテクチャを単純化することによって製造に改善を与える。すなわち、ただ1つの存在検知センサーがあれば十分であり、ただ1つの存在検知センサーにより、内周における、また(内周の長手方向に関して)内周のいずれの側にもおける近接及び/又は接触を検知することが可能である。
【0047】
したがって、本発明は、通常は存在検知を有しないゾーンにおいて縫合シース又はシームレスシースを有するステアリングホイールのための検知を提供する。
【0048】
当然ながら、上記独立態様の全ては、本発明の特定の実施形態を得るために組み合わせることができる。
【0049】
本発明の別の態様は、先行する態様に係るステアリングホイールを備える自動車に関する。
【0050】
本発明の更なる特徴及び利点は、非限定的な例として与えられ、添付図面によって示されている、本発明の一実施形態の以下の詳細な記載からより明らかになるであろう。