(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記アトロプ異性体がPアトロプ異性体である、請求項1に記載の化合物、そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体、アトロプ異性体、それらの混合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
請求項1に記載の化合物、そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体、アトロプ異性体、それらの混合物、またはそれらの薬学的に許容可能な塩、及び薬学的に許容可能な賦形剤を含む薬学的組成物。
Nav1.7によって媒介される疼痛、咳、または痒みを治療するための薬学的組成物であって、請求項1に記載の化合物、そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体、アトロプ異性体、それらの混合物、またはそれらの薬学的に許容可能な塩の治療的有効量を含む、前記薬学的組成物。
前記疼痛が、慢性疼痛、急性疼痛、神経因性疼痛、関節リウマチに関連する疼痛、変形性関節症に関連する疼痛、またはがんに関連する疼痛から選択される、請求項11に記載の薬学的組成物。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本発明は、上記で定義されたように、式(I)の化合物、そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体、アトロプ異性体、もしくはそれらの混合物、またはそれらの薬学的に許容可能な塩を提供する。本発明はまた、式(I)の化合物、化合物、そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体、アトロプ異性体、もしくはそれらの混合物、またはそれらの薬学的に許容可能な塩を含む薬学的組成物、及び式(I)の化合物、化合物、そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体、アトロプ異性体、もしくはそれらの混合物、またはそれらの薬学的に許容可能な塩を使用して、疼痛などの疾患及び/または状態を治療する方法を提供する。
【0039】
「C
α〜βアルク」という用語は、分枝状または線状の関係またはその2つの任意の組み合わせで最小でα個の及び最大でβ個の炭素原子を含むアルキル基(α及びβは整数を表す)を意味する。C
0アルクの表示は直接結合を示す。C
1〜6アルクの例には、以下が含まれるがこれらに限定されない:
【化2】
【0040】
「ハロ」または「ハロゲン」という用語は、F、Cl、BrまたはIから選択されるハロゲン原子を意味する。
【0041】
「C
α〜β−ハロアルク」という用語は、本明細書で定義されるように、水素原子の少なくとも1つがハロ原子で置き換えられた、本明細書で定義されたアルク基を意味する。一般的なC
α〜βハロアルク基はC
1〜3フルオロアルクである。一般的なC
1〜3フルオロアルク基の例は−CF
3である。
【0042】
本明細書で使用される「アルキニル」という用語は、単独でまたは組み合わせて、1つ以上の炭素−炭素三重結合を有し、かつ2〜約10個の炭素原子、より好ましくは2〜約6個の炭素原子を有する任意に置換された直鎖または任意に置換された分枝鎖炭化水素基、及び2〜約4個の炭素原子を有するものを指す。アルキニル基の例には、エチニル、2−プロピニル、2−ブチニル、1,3−ブタジニルなどが含まれる。
【0043】
本明細書で使用される「ヘテロ原子」という用語は、酸素、窒素または硫黄原子を意味する。
【0044】
「アリール」という用語は、環状芳香族炭化水素を意味する。アリール基の例にはフェニル及びナフチルが含まれる。一般的なアリール基は6〜13員環である。
【0045】
「ヘテロアリール」という用語は、アリール基の1つ以上の炭素原子がヘテロ原子で置き換えられた環状芳香族炭化水素を意味する。ヘテロアリール基が1つを超えるヘテロ原子を含有する場合、ヘテロ原子は同一または異なり得る。ヘテロアリール基の例には、ピリジル、ピリミジニル、イミダゾリル、チエニル、フリル、ピラジニル、ピロリル、インドリル、トリアゾリル、ピリダジニル、インダゾリル、プリニル、キノリジニル、イソキノリル、キノリル、ナフチリジニル、キノキサリニル、イソチアゾリル及びベンゾ[b]チエニルが含まれる。一般的なヘテロアリール基は、1〜4個のヘテロ原子を含有する5〜13員環である。1〜3個のヘテロ原子を含有する5員環及び6員環であるヘテロアリール基が特に一般的である。
【0046】
「ジアステレオ異性体」という用語は、一般に、Gessner G.Hawley(ed.),The Condensed Chemical Dictionary,10th Edition,Van Nostrand Reinhold Company Inc.,New York,1981,1135ppに定義されているように、2つの不斉炭素原子または2つの光学活性中心を含有する化合物で生じる4つの光学異性体の任意の群を指す。
【0047】
「薬学的に許容可能な塩」という用語は、従来の手段によって調製される塩を意味し、当業者によく知られている。「薬理学的に許容可能な塩」には、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、リンゴ酸、酢酸、シュウ酸、酒石酸、クエン酸、乳酸、フマル酸、コハク酸、マレイン酸、サリチル酸、安息香酸、フェニル酢酸、マンデル酸などが含まれるがこれらに限定されない無機及び有機酸の塩基性塩が含まれる。「薬理学的に許容可能な塩」の更なる例について及びBerge et al.,J.Pharm.Sci.66:1(1977)。
【0048】
「置換された」という用語は、分子または基の水素原子が基または原子で置き換えられていることを意味する。典型的な置換基には:ハロゲン、C
1〜8アルキル、ヒドロキシル、C
1〜8アルコキシ、−NR
XR
X、ニトロ、シアノ、ハロまたはペルハロC
1〜8アルキル、C
2〜8アルケニル、C
2〜8アルキニル、−SR
X、−S(=O)
2R
X、−C(=O)OR
X、−C(=O)R
X(式中、各R
Xは独立して水素またはC
1〜C
8アルキルである)が含まれる。置換基が−NR
XR
Xである場合、R
X基は窒素原子と一緒に結合されて環を形成し得ることが留意される。
【0049】
水素原子を置き換える基または原子は、置換基とも呼ばれる。
【0050】
任意の特定の分子または基は、置き換えられ得る水素原子の数に依存して、1つ以上の置換基を有し得る。
【0051】
「置換されていない」という用語は、分子または基の水素原子を意味する。「置換された」という用語は、分子または基の水素原子が基または原子で置き換えられていることを意味する。典型的な置換基には:ハロゲン、C
1〜8アルキル、ヒドロキシル、C
1〜8アルコキシ、−NR
XR
X、ニトロ、シアノ、ハロまたはペルハロC
1〜8アルキル、C
2〜8アルケニル、C
2〜8アルキニル、−SR
X、−S(=O)
2R
X、−C(=O)OR
X、−C(=O)R
X(式中、各R
Xは独立して水素またはC
1〜C
8アルキルである)が含まれる。置換基が−NR
XR
Xである場合、R
X基は窒素原子と一緒に結合されて環を形成し得ることが留意される。
【0052】
「−」という記号は、共有結合を表し、別の基への結合の個所を示すためにラジカル基でも使用され得る。化学構造において、その記号は分子内のメチル基を表すために一般的に使用される。
【0053】
「脱離基」という用語は、一般に、アミン、チオールまたはアルコール求核試薬などの求核試薬によって、または金属触媒カップリング条件下でのボロン酸またはボロネートなどの金属薬剤によって容易に置換可能な基を指す。そのような脱離基は当該技術分野でよく知られている。そのような脱離基の例には、N−ヒドロキシスクシンイミド、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール、ハライド、トリフラート、トシラートなどが含まれるがこれらに限定されない。好ましい脱離基は適切な場合に本明細書で示される。
【0054】
「保護基」という用語は、一般に、カルボキシ、アミノ、ヒドロキシ、メルカプトなどのような選択された反応性基が、求核、求電子、酸化、還元などの望ましくない反応を受けることを防止するために使用される当該技術分野でよく知られている基を指す。好ましい保護基は適切な場合に本明細書で示される。アミノ保護基の例には、アラルキル、置換アラルキル、シクロアルケニルアルキル及び置換シクロアルケニルアルキル、アリル、置換アリル、アシル、アルコキシカルボニル、アラルコキシカルボニル、シリルなどが含まれるがこれらに限定されない。アラルキルの例には、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、ニトロ、アシルアミノ、アシルなど、ならびにホスホニウム及びアンモニウム塩などの塩で任意に置換され得るベンジル、オルト−メチルベンジル、トリチル及びベンズヒドリルが含まれるが、これらに限定されない。アリール基の例には、フェニル、ナフチル、インダニル、アントラセニル、9−(9−フェニルフルオレニル)、フェナントレニル、ジウレニル(durenyl)などが含まれる。シクロアルケニルアルキルまたは置換シクロアルキレニルアルキルラジカルの例は、好ましくは6〜10個の炭素原子を有し、シクロヘキセニルメチルなどを含むがこれに限定されない。好適なアシル、アルコキシカルボニル及びアラルコキシカルボニル基には、ベンジルオキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、イソ−ブトキシカルボニル、ベンゾイル、置換ベンゾイル、ブチリル、アセチル、トリフルオロアセチル、トリクロロアセチル、フタロイルなどが含まれる。第1級アミノ基がアラルキル基及びアラルコキシカルボニル基の両方によって保護され得るように、保護基の混合物が同じアミノ基を保護するために使用され得る。アミノ保護基はまた、それらが結合する窒素と共に複層環式環を形成し得、それらは、例えば、1,2−ビス(メチレン)ベンゼン、フタルイミジル、スクシンイミジル、マレイミジルなどであり、これらの複素環式基は更に、隣接するアリール及びシクロアルキル環を含み得る。また、複素環式基は、一置換、二置換または三置換であり得、例えばニトロフタルイミジルである。アミノ基はまた、塩酸塩、トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸などの付加塩の形成を介して、酸化などの望ましくない反応に対して保護され得る。アミノ保護基の多くはまた、カルボキシ、ヒドロキシ及びメルカプト基を保護するのに好適である。例えば、アラルキル基。アルキル基はまた、ヒドロキシ及びメルカプト基を保護するのに好適な基、例えばtert−ブチルである。
【0055】
保護基は、分子の残りの部分に影響を及ぼさない条件下で除去される。これらの方法は、当該技術分野でよく知られており、酸加水分解、水素化分解などを含む。好ましい方法は、アルコール、酢酸など、またはそれらの混合物などの好適な溶媒系中でパラジウム炭素を利用する水素化分解によるベンジルオキシカルボニル基の除去などの、保護基の除去を含む。t−ブトキシカルボニル保護基は、ジオキサンまたは塩化メチレンなどの好適な溶媒系中で、HClまたはトリフルオロ酢酸などの無機または有機酸を利用して除去され得る。得られるアミノ塩は容易に中和されて遊離アミンを生成し得る。メチル、エチル、ベンジル、tert−ブチル、4−メトキシフェニルメチルなどのカルボキシ保護基は、当業者によく知られている加水分解及び水素化分解条件下で除去され得る。
【0056】
本発明の化合物は、環式及び非環式アミジン及びグアニジン基、ヘテロ原子置換芳香族ヘテロシクリル基(Y’=O、S、NR)などのような互変異性型で存在し得る基を含有し得ることに留意すべきであり、それらは以下に例示されており:
【化3】
1つの形態が本明細書で命名、記載、表示及び/または特許請求されるが、互変異性体の全てが、そのような名称、記載、表示及び/または特許請求の範囲に本質的に含まれることが意図される。
【0057】
本発明の化合物のプロドラッグも本発明によって企図される。プロドラッグは、患者へのプロドラッグの投与後に、加水分解、代謝などのようなインビボ生理学的作用を介して本発明の化合物に化学的に変性される活性または不活性化合物である。プロドラッグの製造及び使用に関与する好適性及び技術は、当業者によく知られている。エステルを含むプロドラッグの一般的な議論については、Svensson and Tunek Drug Metabolism Reviews 165(1988)及びBundgaard Design of Prodrugs,Elsevier(1985)を参照されたい。マスクされたカルボキシレートアニオンの例には、多様なエステル、例えばアルキル(例えば、メチル、エチル)、シクロアルキル(例えば、シクロヘキシル)、アラルキル(例えば、ベンジル、p−メトキシベンジル)、及びアルキルカルボニルオキシアルキル(例えば、ピバロイルオキシメチル)が含まれる。アミンは、インビボでエステラーゼによって開裂されて遊離薬物及びホルムアルデヒドを放出するアリールカルボニルオキシメチル置換誘導体としてマスクされている(Bundgaard J.Med.Chem.2503(1989))。また、イミダゾール、イミド、インドールなどのような酸性NH基を含有する薬物は、N−アシルオキシメチル基でマスクされている(Bundgaard Design of Prodrugs,Elsevier(1985))。ヒドロキシ基はエステル及びエーテルとしてマスクされている。EP039,051(Sloan and Little,4/11/81)は、マンニッヒ塩基ヒドロキサム酸プロドラッグ、それらの調製及び使用を開示している。
【0058】
「治療的有効量」という用語は、特定の疾患または状態の1つ以上の症状を改善、軽減、または排除するか、または特定の疾患または状態の1つ以上の症状の発症を予防または遅延させる化合物の量を意味する。
【0059】
「患者」という用語は、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ヒツジ及びヒトなどの動物を意味する。特定の患者は哺乳動物である。患者という用語には雄及び雌が含まれる。
【0060】
「薬学的に許容可能な」という用語は、式Iの化合物、または式Iの化合物の塩、または式Iの化合物を含有する製剤、または特定の賦形剤などの参考物質が、患者への投与に好適であることを意味する。
【0061】
「治療すること」、「治療する」または「治療」などの用語は、防止的(例えば、予防的)及び緩和的治療を含む。
【0062】
「賦形剤」という用語は、典型的には患者への製剤及び/または投与のために含まれる、活性薬学的成分(API)以外の、任意の薬学的に許容可能な添加剤、担体、希釈剤、アジュバント、または他の成分を意味する。
【0063】
本発明の化合物は、治療的有効量で患者に投与される。その化合物は、単独でまたは薬学的に許容可能な組成物または製剤の一部として投与され得る。また、化合物または組成物は、例えば、ボーラス注入によって全てを一度に、一連の錠剤などによって複数回で投与され得るか、または、例えば、経皮的送達を使用して、ある期間にわたって実質的に均一に送達され得る。化合物の用量は経時的に変えられ得ることにも留意される。
【0064】
また、本発明の化合物は、単独で、本発明の他の化合物と組み合わせて、または他の薬学的に活性な化合物と共に投与され得る。他の薬学的に活性な化合物は、本発明の化合物と同じ疾患もしくは状態または異なる疾患もしくは状態を治療することが意図され得る。患者が複数の薬学的に活性な化合物を取り入れるか、または取り入れている場合、化合物は同時にまたは連続して投与され得る。例えば、錠剤の場合、活性化合物は、1つの錠剤または別個の錠剤中に存在し得、これは一度にまたは任意の順序で連続して投与され得る。また、組成物は異なる形態であり得ることが認識されるべきである。例えば、1つ以上の化合物が錠剤によって送達され得る一方で、別のものは、注入によって、またはシロップとして経口的に投与される。全ての組み合わせ、送達方法及び投与順序が企図される。
【0065】
本発明の化合物は、疼痛、慢性的な咳または痒みなどの、Nav1.7によって媒介される疾患及び/または状態の治療のための薬剤の製造に使用され得る。
【0066】
疼痛は典型的には、疼痛の持続時間に基づいて主要な種類:慢性及び急性の疼痛に分けられる。典型的には、慢性疼痛は3ヶ月を超えて続く。慢性疼痛の例には、関節リウマチ、変形性関節症、腰仙部神経根障害、またはがんに関連する疼痛が含まれる。慢性疼痛には特発性疼痛も含まれ、これは同定された原因を有しない疼痛である。特発性疼痛の例は線維筋痛である。
【0067】
別の種類の疼痛は侵害受容性疼痛である。侵害受容性疼痛は、熱的、機械的または化学的刺激要因などの非常に有害な事象に応答する末梢神経線維の刺激によって引き起こされる。
【0068】
また疼痛の別の種類は神経因性疼痛である。神経因性疼痛は、神経系の一部に影響する損傷または疾患によって引き起こされる疼痛である。幻肢痛は神経因性疼痛の一種である。幻肢痛では、身体が、もはや存在しない身体の一部からの疼痛を検出する。例えば、足を切断した人は、足がもはや存在しなくても足の疼痛を感じる場合がある。
【0069】
式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を使用して本発明によって提供される治療方法の一実施形態では、疾患は慢性疼痛である。別の態様では、慢性疼痛は、ヘルペス後神経痛(帯状疱疹)、関節リウマチ、変形性関節症、糖尿病性ニューロパシー、複合性局所疼痛症候群(CRPS)、がんまたは化学療法誘発性疼痛、慢性背中疼痛、幻肢痛、三叉神経痛、HIV誘発性ニューロパシー、群発頭痛障害、及び片頭痛、原発性肢端紅痛症、ならびに発作性激痛障害に関連するがこれらに限定されない。Nav1.7阻害剤の他の適応症には、うつ病(Morinville et al.,J Comp Neurol.,504:680−689(2007))、双極性及び他のCNS障害(Ettinger and Argoff,Neurotherapeutics,4:75−83(2007))、てんかん:同書、及びGonzalez,Termin,Wilson,Methods and Principles in Medicinal Chemistry,29:168−192(2006))、多発性硬化症(Waxman,Nature Neurosci.7:932−941(2006))、パーキンソン病(Do and Bean,Neuron39:109−120(2003);Puopolo et al., J. Neurosci.27:645−656(2007))、むずむず脚症候群、運動失調、振戦、筋力低下、ジストニア、破傷風(Hamann M.,et.al.,Exp.Neurol.184(2):830−838,2003)、不安症、うつ病:McKinney B. C,et.al.,Genes Brain Behav.7(6):629−638,2008),学習及び記憶、認識(Woodruff−Pak D.S.,et.al.,Behav.Neurosci.120(2):229−240,2006)、心臓不整脈及び細動、収縮、鬱血性心不全、洞不全症候群(Haufe V.,et.al.,.J Mol.Cell Cardiol.42(3):469−477,2007)、統合失調症、ストローク後神経防護作用、薬物及びアルコール乱用(Johannessen L.C.,CNS Drugs 22(1)27−47,2008)、アルツハイマー病(Kim D.Y.,et.al.,Nat.Cell.Biol.9(7):755−764,2007)、ならびにがん(Gillet L.,et.al.,J Biol Chem 2009,Jan 28(epub))が含まれるがこれらに限定されない。
【0070】
本発明の別の態様は、本発明に係る化合物を投与する工程を含む、急性及び/または慢性の炎症性及び神経因性疼痛、歯痛、一般頭痛、偏頭痛、群発頭痛、混合血管及び非血管症候群、緊張性頭痛、一般炎症、関節炎、リウマチ性疾患、関節リウマチ、変形性関節症、炎症性腸障害、炎症性眼障害、炎症性もしくは不安定性膀胱障害、乾癬、炎症性要素を伴う皮膚病状、慢性炎症性状態、炎症性疼痛及び関連する痛覚過敏及び異痛症、神経因性疼痛及び関連する痛覚過敏及び異痛症、糖尿病性神経障害疼痛、灼熱痛、交感神経依存性疼痛、除神経後痛症候群、喘息、上皮組織損傷または機能障害、単純ヘルペス、呼吸器、泌尿生殖器、胃腸または血管の領域における内臓運動の乱れ、創傷、火傷、アレルギー性皮膚反応、掻痒、白斑、一般胃腸障害、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、下痢、壊死因子によって誘発される胃病変、毛の成長、血管運動またはアレルギー性鼻炎、気管支障害または膀胱障害を治療する方法に関する。好ましい種類の治療対象の疼痛は慢性神経因性疼痛である。別の好ましい種類の治療対象の疼痛は慢性炎症性疼痛である。
【0071】
本発明の別の態様では、本発明の化合物は、疼痛を治療するために使用される他の化合物と組み合わせて使用され得る。そのような他の化合物の例には、アスピリン、セレコキシブ、ヒドロコドン、オキシコドン、コデイン、フェンタニル、イブプロフェン、ケトプロフェン、ナプロキセン、アセトアミノフェン、ガバペンチン及びプレガバリンが含まれるがこれらに限定されない。本発明の化合物と組み合わせて使用され得る化合物を含有する薬の分類の例には、非ステロイド性抗炎症性化合物(NSAIDS)、ステロイド性化合物、シクロオキソゲナーゼ阻害剤及びオピオイド鎮痛剤が含まれる。
【0072】
本発明の化合物はまた、糖尿病、肥満症を治療するために、及び/または体重減少を促進するために使用され得る。
【0073】
本発明の化合物は、他の薬学的に活性な化合物と組み合わせて使用され得る。「薬学的に活性な化合物」という用語は、タンパク質、抗体及びペプチボディなどの生物製剤を含み得ることが留意される。
【0074】
本発明の一態様は、別々に投与され得る薬学的に活性な化合物の組み合わせを用いる疾患/状態の治療を企図するので、本発明は更に、キット形態の別個の薬学的組成物を組み合わせることに関する。キットは、2つの別個の薬学的組成物:本発明の化合物、及び第2の薬学的化合物を含む。キットは、分割されたボトルまたは分割されたホイルパケットなどの別個の組成物を含有させるための容器を含む。容器の追加の例には、シリンジ、箱及び袋(bag)が含まれる。典型的には、キットは別個の成分の使用のための指示書を含む。キット形態は、別個の成分が好ましくは異なる剤形(例えば、経口及び非経口)で投与され、異なる投薬間隔で投与される場合、または組み合わせの個々の成分のタイトレーションが処方医または獣医によって所望される場合に特に有利である。
【0075】
そのようなキットの例は、いわゆるブリスターパックである。ブリスターパックは包装産業においてよく知られており、薬学的単位剤形(錠剤、カプセルなど)の包装に広く使用されている。ブリスターパックは、一般に、好ましくは透明なプラスチック材料のホイルで覆われた比較的剛性の材料のシートからなる。包装プロセスの間、プラスチックホイルに凹部が形成される。凹部は、包装されるべき錠剤またはカプセルのサイズ及び形状を有する。次に、錠剤またはカプセルを凹部内に配置し、比較的剛性の材料のシートが、凹部が形成された方向とは反対側のホイルの面でプラスチックホイルに対して封止される。結果として、錠剤またはカプセルは、プラスチックホイルとシートとの間の凹部内に封止される。好ましくは、シートの強度は、凹部に手作業で圧力を加えることによってブリスターパックから錠剤またはカプセルが除去され得、それにより凹部の場所でシートに開口部が形成されるようなものである。錠剤またはカプセルは次いで前述の開口部によって取り出され得る。
【0076】
例えば、錠剤またはカプセルの隣に数字の形態で、キット上に記憶補助を提供し、それによりその数字を投薬計画の日と一致させ、そのように特定された錠剤またはカプセルが摂取されるようにすることが望ましい場合がある。そのような記憶補助の別の例は、例えば、「第1週、月曜日、火曜日、...など...第2週、月曜日、火曜日、...」などのようにカード上に印刷されたカレンダーである。記憶補助の他の類型は容易に明らかであろう。「1日用量」は、所与の日に服用されるべき単一の錠剤もしくはカプセルまたはいくつかの丸剤もしくはカプセルであり得る。また、本発明の化合物の1日用量は1つの錠剤またはカプセルからなり得る一方で、第2の化合物の1日用量はいくつかの錠剤またはカプセルからなり得、逆もまた同様である。記憶補助器はこれを反映し、活性薬剤の正しい投与を補助するはずである。
【0077】
本発明の別の特定の実施形態では、それらの意図された使用の順序で一度に1つずつ1日用量を分配するように設計された分配器が提供される。好ましくは、分配器は、投薬計画の遵守を更に容易にするために、記憶補助器を備えている。そのような記憶補助器の例は、分配された1日用量の数を示す機械的計数器である。そのような記憶補助器の別の例は、例えば、最後の1日用量が服用された日付を読み出す、及び/または次の用量が服用されるべき日付を思い出させる、液晶読み出し、または可聴リマインダ信号と連結されたバッテリ駆動のマイクロチップメモリである。
【0078】
本発明の化合物及び他の薬学的に活性な化合物は、所望により、経口で、直腸に、非経口で(例えば、静脈内に、筋肉内に、または皮下に)、嚢内に、膣内に、腹腔内に、膀胱内に、局所的に(例えば、粉末、軟膏またはドロップ)、または口腔もしくは鼻腔スプレーとしてのいずれかで患者に投与され得る。薬学的活性薬剤を投与するために当業者によって使用される全ての方法が企図される。
【0079】
非経口注入に好適な組成物は、生理学的に許容可能な無菌水性もしくは非水性溶液、分散液、懸濁液、またはエマルション、及び無菌の注入可能な溶液または分散液に再構成するための無菌粉末を含み得る。好適な水性及び非水性の担体、希釈剤、溶媒、またはビヒクルの例には、水、エタノール、ポリオール(プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセロールなど)、それらの好適な混合物、植物油(オリーブ油など)及びオレイン酸エチルなどの注入可能な有機エステルが含まれる。適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティングの使用によって、分散液の場合には必要とされる粒子サイズの維持によって、及び界面活性剤の使用によって維持され得る。
【0080】
これらの組成物はまた、保存剤、湿潤剤、乳化剤、及び分散剤などのアジュバントを含有し得る。微生物汚染は、様々な抗菌剤及び抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸などを添加することによって防止され得る。等張剤、例えば、糖、塩化ナトリウムなどを含むことも望ましい場合がある。注入可能な薬学的組成物の長期の吸収は、吸収を遅延させる薬剤、例えば、モノステアリン酸アルミニウム及びゼラチンの使用によってもたらされ得る。
【0081】
経口投与のための固体剤形には、カプセル、錠剤、粉末、及び顆粒が含まれる。そのような固体剤形では、活性化合物は、クエン酸ナトリウムまたはリン酸二カルシウムなどの少なくとも1種の不活性慣用賦形剤(または担体)または(a)充填剤または増量剤、例えば、デンプン、乳糖、スクロース、マンニトール、及びケイ酸;(b)バインダー、例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース、及びアカシア;(c)保湿剤、例えば、グリセロール;(d)崩壊剤、例えば、寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモまたはタピオカデンプン、アルギン酸、所定の複合ケイ酸塩、及び炭酸ナトリウム;(a)溶液遅延剤、例えば、パラフィン;(f)吸収促進剤、例えば、第4級アンモニウム化合物;湿潤剤、例えば、セチルアルコール及びグリセロールモノステアレート;(h)吸着剤、例えば、カオリン及びベントナイト;ならびに(i)潤滑剤、例えば、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、またはそれらの混合物と混合される。カプセル、及び錠剤の場合、その剤形はまた緩衝剤を含み得る。
【0082】
同様の種類の固体組成物はまた、ラクトースまたは乳糖、及び高分子量ポリエチレングリコールなどのような賦形剤を使用して、軟質及び硬質充填ゼラチンカプセル中の充填剤として使用され得る。
【0083】
錠剤、糖衣錠、カプセル、丸剤、及び顆粒などの固体剤形は、腸溶性コーティング及び当該技術分野でよく知られている他のものなどのコーティング及びシェルを用いて調製され得る。それらはまた、乳白剤を含有し得、それらが活性化合物(複数可)を腸管の所定の部分において遅延させる手法で放出するような組成物のものでもあり得る。使用され得る包埋組成物の例は、ポリマー物質及びワックスである。活性化合物はまた、適切な場合には、上記の賦形剤の1つ以上と共に、マイクロカプセル化された形態であり得る。
【0084】
経口投与のための液体剤形には、薬学的に許容可能なエマルション、溶液、懸濁液、シロップ、及びエリキシルが含まれる。活性化合物に加えて、液体剤形は、当該技術分野で一般に使用される不活性希釈剤、例えば水または他の溶媒、可溶化剤及び乳化剤、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油、特に綿実油、落花生油、トウモロコシ胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油、及びゴマ油、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール及びソルビタンの脂肪酸エステル、またはこれらの物質の混合物などを含有し得る。
【0085】
そのような不活性希釈剤の他に、組成物はまた、湿潤剤、乳化剤及び懸濁化剤、甘味剤、香味剤、及び芳香剤などのアジュバントを含み得る。懸濁液は、活性化合物に加えて、懸濁化剤、例えば、エトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトール及びソルビタンエステル、微晶質セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天、及びトラガカント、またはこれらの物質の混合物などを含有し得る。
【0086】
直腸投与のための組成物は、本発明の化合物を、通常の室温では固体であるが体温では液体であり、そのため、直腸または膣の空洞内で溶融して活性成分を放出する、ココアバター、ポリエチレングリコールまたは座薬ワックスなどの好適な非刺激性賦形剤または担体と混合することによって調製され得る好ましい座薬である。
【0087】
本発明の化合物の局所投与のための剤形には、軟膏、粉末、スプレー及び吸入剤が含まれる。活性化合物または適合化合物は、生理学的に許容可能な担体、及び必要とされ得る任意の保存剤、緩衝剤、または噴射剤と無菌条件下で混合される。眼科用製剤、眼軟膏、粉末、及び溶液も、本発明の範囲内であると企図される。
【0088】
本発明の化合物は、1日当たり約0.1〜約3,000mgの範囲の投薬量レベルで患者に投与され得る。約70kgの体重を有する正常な成人の場合、体重1キログラム当たり約0.01〜約100mgの範囲の投薬量で典型的には十分である。使用され得る具体的な投薬量及び投薬量範囲は、患者の要求、治療される状態または疾患の重篤度、及び投与される化合物の薬理学的活性を含む多数の要素に依存する。特定の患者についての投薬量範囲及び最適投薬量の決定は、その技術における通常の技術の範囲内である。
【0089】
本発明の化合物は、薬学的に許容可能な塩、共結晶、エステル、アミドまたはプロドラッグとして投与され得る。「塩」という用語は、本発明の化合物の無機及び有機塩を指す。塩は、化合物の最終的な単離及び精製の間にその場で調製され得るか、またはその遊離塩基または酸形態の精製された化合物を、好適な有機または無機の塩基または酸と別々に反応させ、そのようにして形成された塩を単離することによって調製され得る。代表的な塩には、臭化水素酸塩、塩酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、硝酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、ラウリン酸塩、ホウ酸塩、安息香酸塩、乳酸塩、リン酸塩、トシル酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、ナフチル酸塩、メシル酸塩、グルコヘプトン酸塩、ラクトビオン酸塩、及びラウリルスルホン酸塩などが含まれる。塩には、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどのようなアルカリ及びアルカリ土類金属に基づくカチオン、ならびに非毒性のアンモニウム、第4級アンモニウム、及びアミンカチオン(アンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、エチルアミンなどを含むがこれらに限定されない)が含まれ得る。例えば、S.M.Berge,et al.,“Pharmaceutical Salts,”J Pharm Sci,66:1−19(1977)を参照されたい。
【0090】
本発明の化合物の薬学的に許容可能なエステルの例には、C
1〜C
8アルキルエステルが含まれる。許容可能なエステルにはまた、C
5〜C
7シクロアルキルエステル、及びベンジルなどのアリールアルキルエステルが含まれる。C
1〜C
4アルキルエステルが一般的に使用される。本発明の化合物のエステルは、当該技術分野でよく知られている方法に従って調製され得る。
【0091】
本発明の化合物の薬学的に許容可能なアミドの例には、アンモニア、第1級C
1〜C
8アルキルアミン、及び第2級C
1〜C
8ジアルキルアミンに由来するアミドが含まれる。第2級アミンの場合、アミンはまた、少なくとも1つの窒素原子を含有する5員環または6員環のヘテロシクロアルキル基の形態であり得る。アンモニア、C
1〜C
3第1級アルキルアミン及びC
1〜C
2ジアルキル第2級アミンに由来するアミドが一般的に使用される。本発明の化合物のアミドは、当業者によく知られている方法に従って調製され得る。
【0092】
「プロドラッグ」という用語は、インビボで変換されて本発明の化合物を生成する化合物を意味する。変換は、血液中での加水分解を通じてなどの様々な機構によって生じ得る。プロドラッグの使用の議論は、T.Higuchi and W.Stella,“Pro−drugs as Novel Delivery Systems,”Vol.14 of the A.C.S.Symposium Seriesによって、及びBioreversible Carriers in Drug Design,ed.Edward B.Roche,American Pharmaceutical Association and Pergamon Press,1987.において提供されている。
【0093】
例示するため、本発明の化合物がカルボン酸官能基を含有する場合、プロドラッグは、酸基の水素原子を、(C
1〜C
8アルキル、(C
2〜C1
2)アルカノイルオキシメチル、4〜9個の炭素原子を有する1−(アルカノイルオキシ)エチル、5〜10個の炭素原子を有する1−メチル−1−(アルカノイルオキシ)エチル、3〜6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニルオキシメチル、4〜7個の炭素原子を有する1−(アルコキシカルボニルオキシ)エチル、5〜8個の炭素原子を有する1−メチル−1−(アルコキシカルボニルオキシ)エチル、3〜9個の炭素原子を有するN−(アルコキシカルボニル)アミノメチル、4〜10個の炭素原子を有する1−N−(アルコキシカルボニル)アミノメチル、3−フタリジル、4−クロトノラクトニル、ガンマ−ブチロラクトン−4−イル、ジ−N,N−(C
1〜C
2)アルキルアミノ(C
2〜C
3)アルキル(β−ジメチルアミノエチルなど)、カルバモイル−(C
1〜C
2)アルキル、N,N−ジ(C
1〜C
2)アルキルカルバモイル−(C
1〜C
2)アルキル及びピペリジノ−、ピロリジノ−またはモルホリノ(C
2〜
3)アルキルなどの基で置換することによって形成されたエステルを含み得る。
【0094】
同様に、本発明の化合物がアルコール官能基を含む場合、プロドラッグは、アルコール基の水素原子を、(C
1〜C
6)アルカノイルオキシメチル、1−((C
1〜C
6)アルカノイルオキシ)エチル、1−メチル−1−((C
1〜C
6)アルカノイルオキシ)エチル、(C
1〜C
6)アルコキシカルボニルオキシメチル、N−(C
1〜C
6)アルコキシカルボニルアミノメチル、スクシノイル、(C
1〜C
6)アルカノイル、α−アミノ(C
1〜C
4)アルカノイル、アリールアシル及びα−アミノアシル、またはα−アミノアシル−α−アミノアシル(各α−アミノアシル基は、独立して、天然型L−アミノ酸、−P(O)(OH)
2、−P(O)(O(C
1〜C
6)アルキル)
2またはグリコシル(炭水化物のヘミアセタール形態のヒドロキシル基の除去から得られるラジカル)から選択される)などの基で置換することによって形成され得る。
【0095】
また、本発明の化合物がスルホンアミド部分を含む場合、プロドラッグは、スルホンアミドN(H)を、−CH
2P(O)(O(C
1〜C
6)アルキル)
2または−CH
2OC(O)(C
1〜C
6)アルキルなどの基で置換することによって形成され得る。
【0096】
本発明の化合物はまた、プロドラッグの互変異性体を含む。
【0097】
本発明の化合物は、不斉またはキラル中心を含有し得、そのため、異なる立体異性体で存在し得る。ラセミ混合物を含む、化合物の全ての立体異性体及びその混合物が本発明の一部を形成することが企図される。また、本発明は全ての幾何及び位置異性体を企図している。例えば、化合物が二重結合を含有する場合、シス及びトランス形態(それぞれS及びEと表示される)の両方、ならびに混合物が企図される。
【0098】
ジアステレオマー混合物などの立体異性体の混合物は、クロマトグラフィ及び/または分別晶析などの既知の方法によってそれらの物理化学的差異に基づいて、それらの個々の立体化学成分に分離され得る。エナンチオマーはまた、エナンチオマー混合物を、適切な光学活性化合物(例えば、アルコール)との反応によってジアステレオマー混合物に転化し、ジアステレオマーを分離し、個々のジアステレオマーを対応する純粋なエナンチオマーに転化する(例えば、加水分解する)ことによって分離され得る。
【0099】
一般式(I)の化合物はまた、アトロプ異性体の形態で存在し得る。アトロプ異性体は、同一の構造式を有するが、単結合のいずれかの側での大きな立体障害のために、この単結合の周りでの回転が制限されることに起因する特定の空間配置を有する化合物である。アトロプ異性は、不斉炭素などの立体形成(stereogenic)要素の存在とは無関係である。「Pアトロプ異性体」または「Mアトロプ異性体」という用語は、同じ対の2つのアトロプ異性体を明確に名付けるために本明細書で使用される。例えば、以下の構造を有する以下の工程1の中間体B1の化合物は、キラルカラムを介してアトロプ異性体P及びMの対に分離され得る:
【化4】
【0100】
本発明の化合物は、非溶媒和形態で、及び水(水和物)、エタノールなどのような薬学的に許容可能な溶媒との溶媒和形態で存在し得る。本発明は、溶媒和形態及び非溶媒和形態の両方を企図し、包含する。
【0101】
本発明の化合物が異なる互変異性体で存在し得ることも可能である。本発明の化合物の全ての互変異性体が企図される。例えば、テトラゾール部分の互変異性体の全てが本発明に含まれる。また、例えば、化合物の全てのケト−エノール型またはイミン−エナミン型が本発明に含まれる。互変異性の他の例は以下の通りである:
【化5】
【0102】
当業者は、本明細書に含まれる化合物の名称及び構造が、化合物の特定の互変異性体に基づき得ることを認識するであろう。特定の互変異性体のみについての名称または構造が使用される一方で、他の記述されない限り、全ての互変異性体が本発明に包含されることが意図される。
【0103】
また、本発明は、合成化学者によく知られているものなどの実験室技術を使用してインビトロで合成される;または代謝、発酵、消化などを介するインビボ技術を使用して合成される化合物を包含することが意図される。また、本発明の化合物は、インビトロ及びインビボの技術の組み合わせを使用して合成され得ることが企図される。
【0104】
本発明はまた、本明細書に列挙されたものと同一であるが、1つ以上の原子が、通常自然に見られる原子質量または質量数とは異なる原子質量または質量数を有する原子で置き換えられているという事実により同位体標識化合物を含む。本発明の化合物に組み込まれ得る同位体の例には、
2H、
3H、
13C、
14C、
15N、
16O、
17O、
31P、
32P、
35S、
18F、及び
36Clなどの水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素及び塩素の同位体が含まれる。別の態様では、本発明の化合物は、1つ以上の水素原子の代わりに1つ以上の重水素原子(2H)を含有する。
【0105】
前述した同位体及び/または他の原子の他の同位体を含有する本発明の化合物は、本発明の範囲内である。本発明の所定の同位体標識化合物、例えば
3H及び
14Cなどの放射性同位体が組み込まれたものは、薬物及び/または基質組織分布アッセイにおいて有用である。トリチウム化、すなわち、
3H、及び炭素−14、すなわち、
14C同位体は、それらの調製及び検出の容易性のために特に好ましい。更に、重水素、すなわち
2Hなどのより重い同位体での置換は、より大きな代謝安定性、例えばインビボ半減期の増加、または投薬必要量の減少に起因する所定の治療的利点をもたらし得、それ故、いくつかの状況では好ましい場合がある。本発明の同位体標識化合物は、一般に、非同位体標識試薬の代わりに容易に入手可能な同位体標識試薬を用いることによって調製され得る。
【0106】
本発明の化合物は、結晶状態を含む様々な固体状態で及び非晶質状態として存在し得る。多形体とも呼ばれる異なる結晶状態、及び本化合物の非晶質状態は本発明の一部として企図される。
【0107】
本明細書で列挙される全ての特許及び他の刊行物は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0108】
以下に示される実施例は、本発明の特定の実施形態を例示している。これらの実施例は代表的であること意味しており、いかなる手法でも特許請求の範囲を限定することは意図されていない。
【0109】
液体に関してパーセント(%)が使用される場合、それは溶液に対して体積パーセントであることが留意される。固体と共に使用される場合、それは固体組成物に対するパーセントである。商業的供給業者から得られた材料は、典型的には更に精製することなく使用された。空気または湿気に感受性である試薬を含む反応は、典型的には、窒素またはアルゴン雰囲気下で実施された。純度は、254nm及び215nmでのUV検出を用いた高速液体クロマトグラフィ(HPLC)システム(システムA:Agilent Zorbax Eclipse XDB−C8 4.6x150mm、5μm、0.1%TFAを有するH
2O中5〜100%CH
3CN、1.5mL/分で15分間;システムB:Zorbax SB−C8、4.6x75mm、0.1%ギ酸を有するH
2O中10〜90%CH
3CN、1.0mL/分で12分間)(Agilent Technologies、Santa Clara、CA)を使用して測定された。シリカゲルクロマトグラフィは一般に、予め充填したシリカゲルカートリッジ(Biotage,Uppsala,Sweden or Teledyne−Isco,Lincoln,NE)を用いて実施した。
1H NMRスペクトルは、Bruker AV−400(400MHz)分光計(Bruker Corporation,Madison,WI)またはVarian(Agilent Technologies,Santa Clara,CA)400MHz分光計で周囲温度で記録した。観察された全てのプロトンは、指示された適切な溶媒においてテトラメチルシラン(TMS)または他の内部基準から百万分率(ppm)低磁場として報告される。データは次のように報告される:化学シフト、多重度(s=一重項、d=二重項、t=三重項、q=四重項、br=ブロード、m=多重項)、カップリング定数、及びプロトンの数。低分解能マススペクトル(MS)データは、254nm及び215nmのUV検出及び低共鳴エレクトロスプレーモード(ESI)を用いるAgilent 1100シリーズ(Agilent Technologies、Santa Clara、CA)LC/MSで測定した。
【0110】
合成例
本明細書を通して使用されるまたは一般に使用される以下の略語のリストは、以下を表し、本発明の理解を補助するはずである。
【表2】
【0111】
以下の式(I)の化合物及び中間体化合物の調製は、当業者が本発明をより明確に理解し実施することができるように与えられる。それらは、本発明の範囲を限定するものとしてみなされるべきではないが、単にその例示的かつ代表的なものであるとみなされるべきである。
【0112】
アルキン中間体A1〜A5の調製:
中間体A1:1−エチニル−1−(トリフルオロメチル)シクロプロパン
【0114】
工程1:N−メトキシ−N−メチル−1−(トリフルオロメチル)シクロプロパンカルボキサミド
10℃のDCM(48.7mL)中の1−(トリフルオロメチル)シクロプロパンカルボン酸(1.5g、9.73mmol)の撹拌溶液に、CDI(2.368g、14.60mmol)を三分して5分にわたって添加した。混合物を30分間撹拌し、次いでTEA(2.99mL、21.42mmol)及びN,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(1.899g、19.47mmol)を添加した。反応混合物を室温で48時間撹拌した。LC−MS及びTLC(KMNO4染色による)による分析は、生成物への完全な転化を示している。
【0115】
反応物を1N HCl及びジクロロメタンで希釈した。有機部分を水性NaHCO3で洗浄し、次いで回収した。これを濃縮し、10〜50%EtOAc/ヘプタン中で精製して、N−メトキシ−N−メチル−1−(トリフルオロメチル)シクロプロパンカルボキサミド(1.1g、5.58mmol、57.3%の収率)を得た。MSm/z=198(M+H)。
【0116】
工程2:1−(トリフルオロメチル)シクロプロパンカルバルデヒド
窒素雰囲気下で、THF(13.19mL)中のN−メトキシ−N−メチル−1−(トリフルオロメチル)シクロプロパンカルボキサミド(1.3g、6.59mmol)の冷却溶液に、水素化アルミニウムリチウム(THF中1M)(6.14mL、6.14mmol)を、シリンジを介して滴下して添加した。得られた混合物を0℃で45分間撹拌した。LC−MSによる分析は、出発材料の完全な消費を示した。次いで混合物を−5℃に冷却し、2Mの重硫酸カリウムの水溶液(13.95mL、13.95mmol)でピペットを介して滴下して処理した。混合物を30分間激しく撹拌した。次いで混合物をMTBEで希釈した。有機層を回収し、濃縮して、純粋なアルデヒド(250mg、1.81mmol、27.5%の収率)を得た。
1HNMR(400MHz、クロロホルム−d) δ ppm 9.70 (s,1H) 1.40 − 1.48 (m,4H)。
【0118】
工程3:1−エチニル−1−(トリフルオロメチル)シクロプロパン
メタノール(6mL)中の1−(トリフルオロメチル)シクロプロパンカルバルデヒド(500mg、3.62mmol)の混合物に炭酸カリウム(1g、7.24mmol)を添加した。得られた混合物を0℃に冷却し、1mLのMeOH中のOhira−Bestmann試薬(0.652mL、4.35mmol)の溶液で処理した。混合物を2時間撹拌し、次いで酢酸エチル及び水で希釈した。有機部分を回収し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、注意深く濃縮してアセチレンを得た。1H NMR(400
MHz、クロロホルム−d) δ ppm 2.66 − 2.70 (m,1H) 1.40 − 1.46(m,4H)。
【0119】
中間体A2:4,4,4−トリフルオロ−3,3−ジメチルブト−1−イン
【0121】
工程1において1−(トリフルオロメチル)シクロプロパンカルボン酸の代わりに3,3,3−トリフルオロ−2,2−ジメチルプロパン酸を使用したことを除き、中間体A1のものと類似の手法で表題化合物を調製した。中間体A2を透明な油として単離した。
【0122】
中間体A3:トリメチル((2−(トリフルオロメチル)シクロプロピル)エチニル)シラン
【0124】
工程1:N−メトキシ−N−メチル−2−(トリフルオロメチル)シクロプロパンカルボキサミド
10℃のDCM(19.97mL)中の2−(トリフルオロメチル)シクロプロパンカルボン酸(シス及びトランス混合物)(2g、12.98mmol)の撹拌溶液に、CDI(3.16g、19.47mmol)を三分して5分にわたって添加した。得られた混合物を30分間撹拌した。次いで、TEA(3.98mL、28.6mmol)及びN,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(2.53g、26.0mmol)を添加した。反応混合物を室温で18時間撹拌した。混合物を0℃に冷却し、3N HCl溶液を添加することによって急冷した。有機部分を回収し、重炭酸ナトリウム水溶液及び水で順次洗浄した。有機部分を回収し、濃縮し、5〜50%EtOAc/ヘプタン中で精製して、N−メトキシ−N−メチル−2−(トリフルオロメチル)シクロプロパンカルボキサミド(660mg、3.35mmol、25.8%の収率)を得た。MSm/z=198(M+H)。
【0125】
工程2:2−(トリフルオロメチル)シクロプロパンカルバルデヒド
0℃のTHF(16.74mL)中のN−メトキシ−N−メチル−2−(トリフルオロメチル)シクロプロパンカルボキサミド(0.66g、3.35mmol)の溶液に、水素化アルミニウムリチウムの溶液(3.68mL、3.68mmol)を滴下して添加した。得られた混合物を0℃で45分間撹拌した。LC−MSによる分析は、出発材料の完全な消費を示した。混合物を−5℃に冷却し、重硫酸カリウム(Aq.1M)(9mL、8.34mmol)で滴下して処理した。これを30分間激しく撹拌した。次いで混合物をMTBEで希釈した。有機層を回収し、濃縮して、純粋なアルデヒドを得た。
【0127】
工程3:1−(2,2−ジブロモビニル)−2−(トリフルオロメチル)シクロプロパン
トリフェニルホスフィン(3.19g、12.17mmol)及びジクロロメタン(15.21mL)の溶液を0℃で5分間撹拌した。四臭化炭素(2.017g、6.08mmol)を少量ずつ添加し、反応混合物を0℃で30分間撹拌した。得られた不均質のオレンジ色の混合物を、2mLのDCM中の2−(トリフルオロメチル)シクロプロパンカルバルデヒド(0.42g、3.04mmol)の溶液で処理した。混合物を室温まで1時間かけて加温し、2時間撹拌した。反応物を20mLのヘプタンで処理し、得られた混合物を1時間激しく撹拌した。得られた茶色の沈殿物を回収し、濾液を濃縮して透明な油を得た。これを10%DCM/ヘプタン中で希釈し、濃縮した。得られた沈殿物を除去し、濾液を濃縮して4−(2,2−ジブロモビニル)−1,1−ジフルオロシクロヘキサンをオレンジ色の油(820mg、2.80mmol、92%の収率)として得た。
【0128】
工程4:トリメチル((2−(トリフルオロメチル)シクロプロピル)エチニル)シラン
−78℃のテトラヒドロフラン(6.97mL)中の1−(2,2−ジブロモビニル)−2−(トリフルオロメチル)シクロプロパン(0.410g、1.395mmol)の溶液に、n−ブチルリチウム(ヘプタン中2.5M;1.395mL、3.49mmol)をシリンジを介して滴下して添加した。得られた混合物を−78℃で40分間撹拌した。この時点でのTLC分析は、出発材料の完全な消失を示した。次いで反応混合物にトリメチルクロロシラン(0.624mL、4.88mmol)を、シリンジを介して滴下して添加した。反応物を30分間かけて周囲温度に加温し、1時間撹拌した。次いで混合物をエーテル及び水で希釈した。有機部分を回収し、その体積の半分に濃縮し、シリカゲルのパッドに通した。次いでこれを濃縮して、トリメチル((2−(トリフルオロメチル)シクロプロピル)エチニル)シラン(180mg、0.873mmol、62.6%の収率)のシス及びトランス混合異性体を得た。(180mg、0.873mmol、62.6%の収率)。
1HNMR(400MHz、クロロホルム−d) δ ppm 1.85 − 2.15 (m,2H) 1.61 − 1.68(m,2H),0.51 (s,9H)。
【0129】
中間体A4:((4,4−ジフルオロシクロヘキシル)エチニル)トリメチルシラン
【0131】
工程3において2−(トリフルオロメチル)シクロプロパンカルバルデヒドの代わりに4,4−ジフルオロシクロヘキサンカルバルデヒド(Matrix Scientificから購入)を使用したことを除き、中間体A3のものと類似の手法で標記化合物を調製した。中間体A4(1.07g、4.95mmol、93%の収率)を黄色の油として単離した。
1HNMR(400MHz,クロロホルム−d) δ ppm 2.57 − 2.64 (m,1H),2.03 − 2.18 (m,2H),1.74 − 1.92 (m,6H),0.22
(s、9H)。
【0132】
中間体A5:3−エチニル−1,1−ジフルオロシクロヘキサン
【0134】
工程3において1−(トリフルオロメチル)シクロプロパンカルバルデヒドの代わりに3,3−ジフルオロシクロヘキサンカルバルデヒド(Enamineから購入)を使用したことを除き、中間体A1のものと類似の手法で標記化合物を調製した。中間体A5を透明な油として単離した。
【0135】
中間体B1〜B4の調製:
中間体B1:ラセミ体のペルフルオロフェニル1−(4−ブロモ−5−フルオロ−2−メトキシフェニル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−6−スルホネート
【0137】
工程−1:4−ブロモ−2−ヨードアニリン
シクロヘキサン(2.5L)中の4−ブロモ−アニリン(500g、2.90mol、2.0当量、Saibain Chem)の溶液に、ヨウ素(368g、1.45mol、1.0当量、Qualigens)を添加し、混合物を50℃で加熱した。30分後、反応混合物は均質になった。30%過酸化水素水溶液(250mL、Spectrochem)を反応混合物に添加した。反応物を50℃で4時間加熱した。反応物を室温に冷却し、酢酸エチル(5.0L)で希釈し、亜硫酸ナトリウム(4.0L中2.5Kg)水溶液で洗浄した。有機層を水(3.0L)及びブライン(3.0L)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して粗材料を得、これをカラムクロマトグラフィ(シリカゲル;メッシュサイズ60〜120、溶離0〜20%酢酸エチル及びヘキサン)によって精製して、4−ブロモ−2−ヨードアニリン(650g、75.0%)を灰色がかった白色の固体として得た。TLC溶媒系:100%ヘキサン。生成物のR
f:0.6。MS(ESI、陽イオン)m/z:297.0(M+1)。
1H
NMR (400 MHz,CDCl
3) δ 7.72 (d,J = 2.5 Hz,1H),7.23 (dd,J = 8.4,2.1 Hz,1H),6.62
(d,J = 8.3 Hz, 1H), 4.09 (s, 2H)。
【0138】
工程−2:エチル(E)−3−(2−アミノ−5−ブロモフェニル)アクリレート
DMF(5.0L)中の4−ブロモ−2−ヨードアニリン(750g、2.51mol、1.0当量)の溶液に、アクリル酸エチル(277g、2.76mol、1.1当量、Avra)及び重炭酸ナトリウム(680g、6.29mol、2.5当量)を添加した。反応混合物を窒素で20分間脱気し、続いて酢酸パラジウム(28.8g、128.27mmol、0.05当量、Hindustan Platinum)を添加した。反応混合物を70℃で3時間加熱した。反応物をCELITE(登録商標)を通して濾過し、そのCELITE(登録商標)床を酢酸エチル(2×500mL)で洗浄した。濾液を減圧下で濃縮して粗残留物を得、これをカラムクロマトグラフィ(シリカゲル;メッシュサイズ60〜120、溶出ヘキサン中0〜20%酢酸エチル)によって精製して、(E)−エチル3−(2−アミノ−5−ブロモフェニル)アクリレート(620g、77.0%)を黄色の固体として得た。TLC溶媒系:ヘキサン中20%酢酸エチル。生成物のR
f:0.4。MS(ESI、陽イオン)m/z;270.2(M+1)。
1H
NMR (400 MHz,DMSO) δ 7.75 (d,J = 16.1 Hz,1H),7.57 (d,J = 2.0 Hz,1H),7.16 (dd,J =
9.1,2.4 Hz,1H),6.66 (d,J = 8.6 Hz,1H),6.43 (d,J = 8.6 Hz,1H),5.81 (s,2H),4.20 (q,J
= 7.2 Hz,2H),1.27 (t,J = 7.2 Hz,3H)。
【0140】
工程3:エチル(E)−3−(2−アミノ−5−(ベンジルチオ)フェニル)アクリレート
1,4−ジオキサン(4.0L)中の(E)−エチル3−(2−アミノ−5−ブロモフェニル)アクリレート(620g、2.29mol、1.0当量)の溶液に、DIPEA(1.26L、8.88mol、3.9当量、GLR)を添加し、窒素で20分間脱気した。反応混合物にキサントホス(92.9g、106mmol、0.05当量、GLR)及びトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(84g、91.0mmol、0.04当量、Hindustan Platinum)を添加した。混合物を窒素でパージし、30分間80℃に加熱した。反応物を室温に冷却し、ベンジルメルカプタン(455.5g、3.67mol、1.6当量、Alfa Aesar)を添加し、反応物を80℃で更に4時間加熱した。反応物を室温に冷却し、酢酸エチル(4.0L)で希釈した。混合物をCELITE(登録商標)を通して濾過し、そのCELITE(登録商標)床を酢酸エチル(2×1.0L)で洗浄した。濾液を減圧下で濃縮して粗材料を得、これをクロマトグラフィ(シリカゲル;メッシュサイズ60〜120、溶出0〜40%酢酸エチル及び石油エーテル)によって精製して、(E)−エチル3−(2−アミノ−5−(ベンジルチオ)フェニル)アクリレート(520g、72.0%)を黄色の固体として得た。TLC溶媒系:ヘキサン中30%酢酸エチル。生成物のR
f:0.4。MS(ESI、陽イオン)m/z;314.1(M+1)。
1H
NMR (400 MHz,DMSO) δ 7.79 (d,J = 16.1 Hz,1H),7.37 (d,J = 2.0 Hz,1H),7.25 − 7.17
(m,5H) 7.10 (dd,J = 8.4,2.1 Hz,1H),6.61 (d,J = 8.3 Hz,1H),6.32 (d,J = 15.2 Hz,1H),5.75
(s,2H),4.20 (q,J = 7.2 Hz,2H),4.01 (s,2H),1.27 (t,J = 7.2 Hz,3H)。
【0142】
工程−4:1−ブロモ−2−フルオロ−4−ヨード−5−メトキシベンゼン
DCM(5.0L)中の2−ブロモ−1−フルオロ−4−メトキシベンゼン(500.0g、2.44mol、1.0当量)の溶液に、トリフルオロメタンスルホン酸銀(686.0g、2.68mol、1.1当量、Angene)を添加し、反応混合物を20分間撹拌した。ヨウ素(678.0g、2.68mol、1.1当量)を反応物に添加し、混合物を室温で16時間撹拌した。混合物をDCM(3.0L)で希釈し、CELITE(登録商標)を通して濾過した。CELITE床をDCM(2×1.0L)で洗浄し、濾液を20%水性チオ硫酸ナトリウム(3.0L)及び飽和重炭酸ナトリウム水溶液(3.0L)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して粗材料を得、これをクロマトグラフィ(シリカゲル;メッシュサイズ60〜120、溶離0〜5%酢酸エチル及びヘキサン)によって精製して、1−ブロモ−2−フルオロ−4−ヨード−5−メトキシベンゼン(720g、87%)を灰色がかった白色の固体として得た。TLC溶媒系:100%ヘキサン。生成物のR
f:0.6。MS(ESI、陽イオン)m/z:331.0(M+1)。
1H
NMR (400 MHz,CDCl
3) δ 7.55 (d,J = 7.2 Hz,1H),6.95 (d,J = 5.6 Hz,1H),3.89
(s,3H)。
【0143】
工程−5:エチル(E)−3−(5−(ベンジルチオ)−2−((4−ブロモ−5−フルオロ−2−メトキシフェニル)アミノ)フェニル)アクリレート
トルエン(2.5L)中の(E)−エチル3−(2−アミノ−5−(ベンジルチオ)フェニル)アクリレート(300g、958.1mmol、1.0当量)及び1−ブロモ−2−フルオロ−4−ヨード−5−メトキシベンゼン(348.0g、1051.6mmol、1.1当量)の溶液に、Cs
2CO
3(468g、1436.3mmol、1.5当量、Spectrochem)を添加し、混合物を窒素で20分間脱気した。Pd
2(dba)
3(35g、38.2mmol、0.04当量、Hindustan Platinum)及びキサントホス(44.6g、76.4mmol、0.08当量、GLR)を反応混合物に添加し、混合物を110℃で5時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、ジクロロメタン(2.0L)で希釈し、CELITE(登録商標)を通して濾過した。濾液を減圧下で濃縮して粗材料を得、これをヘキサン(3.0L)中5%酢酸エチルと30分間撹拌することによって精製し、濾過して(E)−エチル3−(5−(ベンジルチオ)−2−((4−ブロモ−5−フルオロ−2−メトキシフェニル)アミノ)フェニル)アクリレート(350g、71%)を黄色の固体として得た。TLC溶媒系:ヘキサン中30%酢酸エチル。生成物のR
f:0.5。MS(ESI、陽イオン)m/z;516.2(M+1)。
1H
NMR (400 MHz,DMSO) δ 7.73 − 7.61 (m,3H),7.34 − 7.15 (m,6H),7.02 (d,J = 11.4 Hz,1H),6.60
(d,J = 21.2 Hz,1H),6.33 (d, J = 14.1 Hz,1H),4.26 (s,2H),4.16 − 4.09 (m,2H),3.81
(s,3H),1.22 (t,J = 7.2 Hz,3H)。注:NHプロトンは観察されなかった。
【0145】
工程6:6−(ベンジルチオ)−1−(4−ブロモ−5−フルオロ−2−メトキシフェニル)キノリン−2(1H)−オン
メタノール(2.5L)中の(E)−エチル3−(5−(ベンジルチオ)−2−((4−ブロモ−5−フルオロ−2−メトキシフェニル)アミノ)フェニル)アクリレート(250.0g、484.0mmol、1.0当量)の溶液に、トリ(n−ブチル)ホスフィン(酢酸エチル中50%溶液、48.9mL、96.8mmol、0.2当量、Spectrochem)を添加し、反応混合物を70℃で5時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、減圧下で濃縮して粗材料を得、これをヘキサン(1.0mL)中5%酢酸エチルと共に撹拌することによって精製し、濾過して6−(ベンジルチオ)−1−(4−ブロモ−5−フルオロ−2−メトキシフェニル)キノリン−2(1H)−オン(201.0g、88%)を灰色がかった白色の固体として得た。TLC溶媒系:ヘキサン中30%酢酸エチル。生成物のR
f:0.3。MS(ESI、陽イオン)m/z;470.0(M+1)。
1H
NMR (400 MHz,DMSO) δ 7.92 (d,J = 9.1 Hz,1H),7.79 (d,J = 1.7 Hz,1H),7.65 (d,J = 6.1
Hz,1H),7.57 (d,J = 8.8 Hz,1H),7.40 − 7.22 (m,6H),6.68 (d,J = 9.6 Hz,1H),6.56 (d,J
= 8.8 Hz,1H),4.24 (s,2H),3.69 (s,3H)。
【0146】
工程7及び8:ペルフルオロフェニル1−(4−ブロモ−5−フルオロ−2−メトキシフェニル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−6−スルホネート
アセトニトリル(2.5L)中の6−(ベンジルチオ)−1−(4−ブロモ−5−フルオロ−2−メトキシフェニル)キノリン−2(1H)−オン(250.0g、531.5mmol、1.0当量)の溶液に、酢酸(200mL)及び水(130mL)を添加した。得られた混合物を0℃に冷却し、1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルイミダゾリジン−2,4−ジオン(188.5g、956.7mmol、1.8当量、Aldrich)を20分かけて少しずつ添加し、5℃未満の内部温度を維持した。得られた懸濁液を0〜5℃で窒素下で45分間撹拌した。次いでアセトニトリル(200mL)中のペンタフルオロフェノール(127.2g、690.95mmol、1.3当量、Apollo)の溶液を5分かけて添加し、続いてNEt
3(307.7mL、2.12mol、4.0当量)を20分かけて添加し、5℃未満の内部温度を維持した。混合物を0〜5℃で30分間撹拌し続けた。水(4.0L)を添加し、酢酸エチル(2×2.0L)で抽出した。有機層をブライン(1.0L)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して粗物質を得、これをイソプロピルアルコール:ヘキサン(1:1、1.0L)と共に撹拌することによって精製し、濾過してラセミ体のペルフルオロフェニル1−(4−ブロモ−5−フルオロ−2−メトキシフェニル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−6−スルホネート(190g、60%)を白色の固体として得た。TLC溶媒系:石油エーテル中30%酢酸エチル、生成物のR
f:0.4。MS(ESI、陽イオン)m/z;594.2(M+1)。
1H−NMR
(400 MHz,DMSO) δ 8.60 (d,J = 2.0 Hz,1H),8.26 (d,J = 9.8 Hz,1H),7.95 (dd,J = 2.2,9.1
Hz,1H),7.70 (t,J = 8.6 Hz,2H),6.95 − 6.88 (m,2H), 3.72 (s,3H)。
【0147】
中間体B2:(P)−1−(4−ブロモ−5−フルオロ−2−メトキシフェニル)−N−(イソキサゾール−3−イル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−6−スルホンアミド
【0149】
工程1:(P)−ペルフルオロフェニル1−(4−ブロモ−5−フルオロ−2−メトキシフェニル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−6−スルホネート
ラセミ体のペルフルオロフェニル1−(4−ブロモ−5−フルオロ−2−メトキシフェニル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−6−スルホネート(上記の中間体B1を参照、76.90g)を、Chiralcel OJカラム(40%MeOH/60%CO
2)を介して分離して、(P)−ペルフルオロフェニル1−(4−ブロモ−5−フルオロ−2−メトキシフェニル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−6−スルホネート及び(M)−ペルフルオロフェニル1−(4−ブロモ−5−フルオロ−2−メトキシフェニル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−6−スルホネートを淡黄色の綿状固体として得た。ピーク1のデータ:m/z(ESI)594.0(M+H)
+。ピーク2のデータ:m/z(ESI)594.0(M+H)
+。
【0151】
工程2:(P)−1−(4−ブロモ−5−フルオロ−2−メトキシフェニル)−N−(イソキサゾール−3−イル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−6−スルホンアミド
250mLの丸底フラスコ内の(P)−ペルフルオロフェニル1−(4−ブロモ−5−フルオロ−2−メトキシフェニル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−6−スルホネート(6.00g、10.10mmol)及び3−アミノイソキサゾール(0.821ml、11.11mmol)のTHF(200mL)溶液を0℃に冷却し、THF中1.0Mのリチウムビス(トリメチルシリル)アミドの溶液(21.20ml、21.20mmol)を滴下して添加した。黄色の溶液を0℃で15分間撹拌した後、それを1N HClで0℃で急冷し、EtOAcで3回抽出した。有機抽出物を組み合わせ、MgSO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮して淡褐色の残留物を得た。Et
2Oを添加し、スラリーを粉砕し、超音波処理した。濾過により灰色がかった白色の固体を得、これをEt
2Oで2回洗浄し、真空中で乾燥させて3.88gの生成物を灰色がかった白色の固体として得た。濾液を真空中で濃縮し、カラムクロマトグラフィ(12gのシリカゲル、35%〜100%EtOAc/ヘプト勾配)を介して精製して、追加の1.36gの生成物を淡黄色の綿状固体として得た。合計で5.24gの(P)−1−(4−ブロモ−5−フルオロ−2−メトキシフェニル)−N−(イソキサゾール−3−イル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−6−スルホンアミドを得た。m/z(ESI)494.1(M+H)
+。
【0152】
中間体B3:(P)−ペルフルオロフェニル1−(4−ブロモ−5−クロロ−2−メトキシフェニル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−6−スルホネート
【0154】
1−ブロモ−2−クロロ−4−ヨード−5−メトキシベンゼンの調製
DCM(2.0L)中の2−ブロモ−1−クロロ−4−メトキシベンゼン(176.0g、7946mmol、1.0当量、Aurum pharmatech)の溶液に、トリフルオロメタンスルホン酸銀(224.6g、8641mmol、1.1当量、Angene)を添加し、反応混合物を20分間撹拌した。ヨウ素(221.0g、8641mmol、1.1当量)を反応物に添加し、混合物を室温で16時間撹拌した。混合物をDCM(2.0L)で希釈し、セライトを通して濾過した。セライト床をDCM(2×1.0L)で洗浄した。濾液を20%チオ硫酸ナトリウム水溶液(3.0L)及び飽和重炭酸ナトリウム水溶液(2.0L)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して粗材料を得、これをカラムクロマトグラフィ(シリカゲル;メッシュサイズ60〜120、溶離0〜5%酢酸エチル及び石油エーテル)によって精製して、化合物−2(200g、72.4%)を灰色がかった白色の固体として得た。MS(ESI、陽イオン)m/z:非イオン化。
1H NMR
(400 MHz,DMSO−d
6) δ 7.99 (s,1H),7.35 (s,1H),3.86
(s,3H)。
【0155】
工程1:(E)−エチル3−(5−(ベンジルチオ)−2−((4−ブロモ−5−クロロ−2−メトキシフェニル)アミノ)フェニル)アクリレート
(E)−エチル3−(2−アミノ−5−(ベンジルチオ)フェニル)アクリレート(中間体B1の調製の工程3を参照)50.0g、160mmol)、1−ブロモ−2−クロロ−4−ヨード−5−メトキシベンゼン66.5g、191mmol)、キサントホス(4.62g、7.98mmol)、Pd
2(dba)
3(3.65g、3.99mmol)、及び炭酸セシウム(72.8g、223mmol)をフラスコに入れた。還流冷却器を取り付け、反応物を窒素雰囲気下に置いた。CPME(319ml)を添加し、反応物を90℃で36時間加熱した。混合物を室温に冷却し、1000mLのEtOAcと1000mLの水との間で分配した。層を分離し、水層を200mLのEtOAcで抽出した。組み合わされた有機層をシリカプラグを介して注ぎ、茶色の溶液を得た。その溶液を約100mLの溶媒が残るまで濃縮し、不均質な茶色のスラッジを得た。イソプロパノール(500mL)を溶液に添加し、黄色の固体を沈殿させた。黄色の固体を(200mLのイソプロパノールですすいで)真空濾過によって回収し、所望の生成物(E)−エチル3−(5−(ベンジルチオ)−2−((4−ブロモ−5−クロロ−2−メトキシフェニル)アミノ)フェニル)アクリレート(76.4g、143mmol、90%の収率)を黄色の固体として得た。m/z(ESI)531.9(M−H)
−。
【0156】
工程2:6−(ベンジルチオ)−1−(4−ブロモ−5−クロロ−2−メトキシフェニル)キノリン−2(1H)−オン
(E)−エチル3−(5−(ベンジルチオ)−2−((4−ブロモ−5−クロロ−2−メトキシフェニル)アミノ)フェニル)アクリレート(73.2g、137mmol)及びMeOH(687ml)をフラスコに入れ、黄色の懸濁液を得た。ナトリウムメトキシド(MeOH中25重量%)(15.01ml、54.9mmol)を添加し、還流冷却器を取り付けた。フラスコを70℃の加熱浴中に下げ、70℃で18時間撹拌した。混合物を室温まで冷却し、3インチのシリカプラグを介して注ぎ、黒色の粒状物を除去した。シリカプラグ上で粉砕された生成物を、プラグを介してDCMで洗浄した。母液をその体積の半分に濃縮し、次いでIPA(500mL)を添加し、溶液を再度濃縮した。追加の500mLのIPAを添加し、黄褐色の固体を沈殿させた。黄褐色の固体を真空濾過によって回収して、6−(ベンジルチオ)−1−(4−ブロモ−5−クロロ−2−メトキシフェニル)キノリン−2(1H)−オン(50.34g、103mmol、75%の収率)を暗い黄褐色の粉末状の固体として得た。m/z(ESI)486.0(M+H)
+。
【0158】
工程3:ペルフルオロフェニル1−(4−ブロモ−5−クロロ−2−メトキシフェニル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−6−スルホネート
6−(ベンジルチオ)−1−(4−ブロモ−5−クロロ−2−メトキシフェニル)キノリン−2(1H)−オン(46.34g、95mmol)、アセトニトリル(298ml)、酢酸(11.34ml)、及び水(7.46ml)をフラスコに入れた。溶液を0℃に冷却した。その溶液に、1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルイミダゾリジン−2,4−ジオン(18.75g、95mmol)を固体として一度に添加し、10分間撹拌した。追加の0.3当量の1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルイミダゾリジン−2,4−ジオン(5.63g、28.6mmol)、次いで0.2当量の1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルイミダゾリジン−2,4−ジオン(3.75g、19.04mmol)を、スルホニルクロライド6−(ベンジルスルフィニル)−1−(4−ブロモ−5−クロロ−2−メトキシフェニル)キノリン−2(1H)−オンへの転化が完了するまで添加した。この時点で、2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェノールを含有する事前に計量したバイアルからの移動を助けるために10mLのアセトニトリルを使用して、2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェノール(21.03g、114mmol)を加温液体(室温で粘着性のある固体)として添加した。次いで、TEA(53.1ml、381mmol)を添加漏斗から添加した。添加中、白色の煙が生成された。溶液を0℃で30分間維持し、次いで室温に加温し、20分間撹拌した。反応混合物を1:1のブライン:水(500mL)及びEtOAc(700mL)との間で分配した。層を分離し、水層をEtOAc(2×400mL)で抽出した。両方の層が白色固体を懸濁させた。組み合わされた有機層を濾過して懸濁固体を除去し、濃縮して茶色のスラッジを得た。回収された固体は、澄んだ生成物のペルフルオロフェニル1−(4−ブロモ−5−クロロ−2−メトキシフェニル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−6−スルホネートであり、これを取っておいた。残った茶色のスラッジをIPA(500mL)に取り込み、黄褐色の固体を沈殿させ、これを(200mLのIPAですすいで)減圧濾過によって回収して、追加の19.961gのペルフルオロフェニル1−(4−ブロモ−5−クロロ−2−メトキシフェニル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−6−スルホネートを得た。水層は依然として黄褐色の懸濁固体を有し、これをDCM(2×500mL)で抽出した。組み合わされた有機層を濃縮して、4.542gのペルフルオロフェニル1−(4−ブロモ−5−クロロ−2−メトキシフェニル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−6−スルホネートを黄褐色の固体として得た。3つのロットを組み合わせて、36.21g、59.3mmol(62.3%の収率)のペルフルオロフェニル1−(4−ブロモ−5−クロロ−2−メトキシフェニル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−6−スルホネートを得た。
1H NMR(400
MHz,DMSO−d
6) δ 8.60 (d,J = 2.35 Hz,1H),8.19 −
8.31 (m,1H), 7.96 (dd,J = 2.30,9.05 Hz,1H),7.82 − 7.89 (m,1H),7.74 − 7.80 (m,1H),6.92
− 6.98 (m,1H),6.84 − 6.91 (m,1H),3.71 − 3.80(s,3H)。m/z(ESI)609.9(M+H)
+。
【0160】
工程4:(P)−ペルフルオルフェニル1−(4−ブロモ−5−クロロ−2−メトキシフェニル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−6−スルホネート
ラセミ体のペルフルオロフェニル1−(4−ブロモ−5−クロロ−2−メトキシフェニル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−6−スルホネート(36.21g)を50%イソプロパノール/50%CO
2で溶離させて(S,S)Whelk−Oカラム(5ミクロン、5×15cm)を介してキラルSFCによって分離して、(P)−ペルフルオロフェニル1−(4−ブロモ−5−クロロ−2−メトキシフェニル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−6−スルホネート及び(M)−ペルフルオロフェニル1−(4−ブロモ−5−クロロ−2−メトキシフェニル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−6−スルホネートを得た。ピーク1のデータ:m/z(ESI)609.9(M+H)
+。ピーク2のデータ:m/z(ESI)609.9(M+H)
+。
【0161】
中間体B4:(P)−ペルフルオロフェニル1−(4−ブロモ−2−メトキシフェニル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−6−スルホネート
【0163】
工程1において1−ブロモ−2−クロロ−4−ヨード−5−メトキシベンゼンの代わりに5−ブロモ−2−ヨードアニソール(Oakwoodから購入)を使用したことを除き、中間体B3について記載されたものと同様の手法で(P)−ペルフルオロフェニル1−(4−ブロモ−2−メトキシフェニル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−6−スルホネートを合成した。得られたラセミ体のペルフルオロフェニル1−(4−ブロモ−2−メトキシフェニル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−6−スルホネートを50%イソプロパノール/50%CO
2で溶離させて(S,S)Whelk−Oカラム(5ミクロン、5×15cm)を介してキラルSFCによって分離して、(P)−ペルフルオロフェニル1−(4−ブロモ−2−メトキシフェニル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−6−スルホネート及び(M)−ペルフルオロフェニル1−(4−ブロモ−2−メトキシフェニル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−6−スルホネートを得た。ピーク1のデータ:m/z(ESI)575.9(M+H)
+。ピーク2のデータ:m/z(ESI)575.9(M+H)
+。
【実施例】
【0164】
実施例1(P)−1−(4−((4,4−ジフルオロシクロヘキシル)エチニル)−5−フルオロ−2−メトキシフェニル)−N−(イソキサゾール−3−イル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−6−スルホンアミド
【0165】
【化23】
【0166】
5mLのTHF中の((4,4−ジフルオロシクロヘキシル)エチニル)トリメチルシラン(上記の中間体A3を参照、0.744g、3.44mmol)の混合物に、TBAF(THF中1M)(3.44mL、3.44mmol)を添加した。得られた混合物を周囲温度で15分間撹拌した。反応物をDMF(10mL)で希釈し、これに(P)−1−(4−ブロモ−5−フルオロ−2−メトキシフェニル)−N−(イソキサゾール−3−イル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−6−スルホンアミド(上記の中間体B2を参照、1g、2.023mmol)、Pd−テトラキス(0.468g、0.405mmol)、ヨウ化銅(I)(0.077g、0.405mmol)及びジイソプロピルアミン(4.33mL、30.3mmol)を添加した。反応物を窒素でパージし、次いで50℃で5時間撹拌した。混合物を周囲温度に冷却し、1N水性HCl及び酢酸エチルの1:1の冷却した混合物(100mL)に徐々に注いだ。有機部分を回収し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。得られた粗物質を10〜60%(EtOA/EtOH3:1ブレンド)/ヘプタン中で精製して、(P)1−(4−((4,4−ジフルオロシクロヘキシル)エチニル)−5−フルオロ−2−メトキシフェニル)−N−(イソキサゾール−3−イル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−6−スルホンアミド(800mg、1.435mmol、70.9%の収率)を白色の固体として得た。MSm/z=558(M+H)。
1H
NMR (400 MHz,DMSO−d
6) δ ppm 11.65 (br.s,1 H)
8.71 − 8.75 (m,1 H) 8.36 (d,J = 2.18 Hz,1 H) 8.21 (d,J = 9.59 Hz,1 H) 7.82 (dd,J
= 8.97,2.23 Hz,1 H) 7.48 (d,J = 9.23 Hz,1 H) 7.37 (d,J = 6.32 Hz,1 H) 6.76 − 6.81
(m,2 H) 6.40 − 6.45 (m,1 H) 3.67 (s,3 H) 2.86 − 3.06 (m,1 H) 1.81 − 2.12 (m,8 H)。
【0167】
実施例2(P)−1−(5−フルオロ−2−メトキシ−4−(4,4,4−トリフルオロ−3,3−ジメチルブト−1−イン−1−イル)フェニル)−N−(イソキサゾール−3−イル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−6−スルホンアミド
【0168】
【化24】
【0169】
DMF(2mL)中の(P)−1−(4−ブロモ−5−フルオロ−2−メトキシフェニル)−N−(イソキサゾール−3−イル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−6−スルホンアミド(上記の中間体B2を参照、0.25g、0.46mmol)の溶液に、4,4,4−トリフルオロ−3,3−ジメチルブト−1−イン(上記の中間体A2を参照、0.16g、1.14mmol)、ヨウ化銅(I)(0.013g、0.068mmol)、Pd−テトラキス(0.079g、0.068mmol)及びジイソプロピルアミン(0.649mL、4.55mmol)を添加した。反応物を窒素でパージし、次いで50℃で16時間撹拌した。混合物を周囲温度に冷却し、次いで1N水性HCl及びEtOAcで徐々に処理した。有機部分を濃縮し、ヘプタン中の10〜80%{EtOAc/EtOHブレンド(3:1)}中で精製して、(P)−1−(5−フルオロ−2−メトキシ−4−(4,4,4−トリフルオロ−3,3−ジメチルブト−1−イン−1−イル)フェニル)−N−(イソキサゾール−3−イル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−6−スルホンアミド(50mg、0.092mmol、20%の収率)を灰色がかった白色の固体として得た。MSm/z=550(M+H)。
1H
NMR (400 MHz,DMSO−d
6) δ ppm 11.66 (br.s,1 H)
8.71 − 8.74 (m,1 H) 8.37 (d,J = 2.13 Hz,1 H) 8.22 (d,J = 9.69 Hz,1 H) 7.82 (dd,J
= 8.97,2.23 Hz,1 H) 7.54 (d,J = 9.17 Hz,1 H) 7.39 (d,J = 6.22 Hz,1 H) 6.78 − 6.85
(m,2 H) 6.43 − 6.45 (m,1 H) 3.71 (s,3 H) 1.57(s,6 H)。
【0170】
実施例3(P)−1−(4−(シクロペンチルエチニル)−2−メトキシフェニル)−N−(イソキサゾール−3−イル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−6−スルホンアミド
【0171】
【化25】
【0172】
工程1:(P)−ペルフルオロフェニル1−(4−(シクロペンチルエチニル)−2−メトキシフェニル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−6−スルホネート
DMF(12mL)中の(P)−ペルフルオロフェニル1−(4−ブロモ−2−メトキシフェニル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−6−スルホネート(中間体B4を参照、1.4g、2.429mmol))に、エチニルシクロペンタン(Aldrich)?1.144g、12.15mmol)、ヨウ化銅(i)(10.70μl、0.316mmol)、Pd−テトラキス(0.281g、0.243mmol)、及びジイソプロピルアミン(1.731mL、12.15mmol)を添加した。得られた混合物を50℃で3時間撹拌した。混合物を周囲温度に冷却し、次いで1N HCl水溶液及びEtOAcで徐々に処理し、10分間撹拌した。有機部分を回収し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、その体積の半分に濃縮した。有機部分を冷却すると、灰色がかった白色の沈殿物が形成した。これを回収し、乾燥させて、(P)−ペルフルオロフェニル1−(4−(シクロペンチルエチニル)−2−メトキシフェニル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−6−スルホネート(0.8g、1.36mmol、55.9%の収率)を得た。MSm/z=590(M+H)。
【0173】
工程2:(P)−1−(4−(シクロペンチルエチニル)−2−メトキシフェニル)−N−(イソキサゾール−3−イル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−6−スルホンアミド
テトラヒドロフラン(3mL)中の(P)−ペルフルオロフェニル1−(4−(シクロペンチルエチニル)−2−メトキシフェニル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−6−スルホネート(284mg、0.409mmol)とイソキサゾール−3−アミン(51.6mg、0.614mmol)との混合物を氷浴内に置き、15分間冷却した。次いでLHMDS(THF中1M)(0.90mL、0.901mmol)をシリンジを介して滴下して添加した。混合物を更に15分間撹拌した。反応物を1N水性HCl(50mL)で徐々に酸性化し、次いで酢酸エチルで抽出した。有機部分をブラインで洗浄し、次いで濃縮して黄色の残留物を得た。これをヘプタン中の10〜80%{EtOAc/EtOHブレンド(3:1)}中で精製して、(P)−1−(4−(シクロペンチルエチニル)−2−メトキシフェニル)−N−(イソキサゾール−3−イル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−6−スルホンアミド(80mg、0.163mmol、39.9%の収率)を淡黄色の固体として得た。MSm/z=490(M+H)。
1H
NMR (400 MHz,DMSO−d
6) δ ppm 11.59 (br.s, 1 H)
8.64 − 8.68 (m,1 H) 8.30 (d,J = 2.23 Hz,1 H) 8.15 (d,J = 9.64 Hz,1 H) 7.77 (dd,J
= 8.99,2.20 Hz,1 H) 7.17 − 7.25 (m,2 H) 7.05 − 7.12 (m,1 H) 6.64 − 6.77 (m,2 H)
6.38 − 6.40 (m,1 H) 3.62 (s,3 H) 2.82 − 2.90 (m,1 H) 1.91 − 1.99 (m,2 H) 1.51 −
1.73 (m,6 H)。
【0174】
実施例4(P)−1−(5−フルオロ−2−メトキシ−4−((2−(トリフルオロメチル)シクロプロピル)エチニル)フェニル)−N−(イソキサゾール−3−イル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−6−スルホンアミド
【0175】
【化26】
【0176】
工程1:標記化合物の調製
((4,4−ジフルオロシクロヘキシル)エチニル)トリメチルシラン(中間体A4)の代わりにトリメチル((2−(トリフルオロメチル)シクロプロピル)エチニル)シラン(中間体A3)を使用したことを除き、実施例1の(P)−1−(4−((4,4−ジフルオロシクロヘキシル)エチニル)−5−フルオロ−2−メトキシフェニル)−N−(イソキサゾール−3−イル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−6−スルホンアミドのものと類似の手法で標記化合物を調製した。MSm/z=548(M+H)。
1H
NMR (400 MHz,DMSO−d
6) δ ppm 11.61 (br.s,1 H)
8.66 − 8.69 (m,1 H) 8.32 (d,J = 2.18 Hz,1 H) 8.17 (d,J = 9.69 Hz,1 H) 7.79 (dd,J
= 8.99,2.20 Hz,1 H) 7.45 (d,J = 9.23 Hz,1 H) 7.35 (d,J = 6.32 Hz,1 H) 6.71 − 6.77
(m,2 H) 6.38 − 6.41 (m,1 H) 3.62 (s,3 H) 2.22 − 2.31 (m,1 H) 1.32 − 1.41 (m,2 H)
1.14 − 1.18 (m,1H)
【0177】
工程2:シス及びトランス異性体の実施例4A及び4Bへの分離:
次いでシス及びトランス混合物を超臨界流体クロマトグラフィ(SFC)を介して分離した。使用したカラムはChiralpak OJ−Hであった。移動相をアイソクラティック条件(15%のメタノールを用いてCO
2)下で移動させて以下を得た:
【0178】
実施例4A:(P)−1−(4−((4,4−ジフルオロシクロヘキシル)エチニル)−5−フルオロ−2−メトキシフェニル)−N−(イソキサゾール−3−イル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−6−スルホンアミド(シスシクロプロピル異性体(ラセミ)として任意に割り当てられた)。MSm/z=548(M+H)。
1H
NMR (400 MHz,DMSO−d
6) δ ppm 11.61 (br.s,1 H)
8.66 − 8.69 (m,1 H) 8.32 (d,J = 2.18 Hz,1 H) 8.17 (d,J = 9.69 Hz,1 H) 7.79 (dd,J
= 8.99,2.20 Hz,1 H) 7.45 (d,J = 9.23 Hz,1 H) 7.35 (d,J = 6.32 Hz,1 H) 6.71 − 6.77
(m,2 H) 6.38 − 6.41(m,1 H) 3.62 (s,3 H) 2.26 − 2.32 (m,1 H) 1.39 − 1.46 (m,2 H)
1.05 − 1.11 (m,1 H)及び
【0179】
実施例4B:(P)−1−(4−((4,4−ジフルオロシクロヘキシル)エチニル)−5−フルオロ−2−メトキシフェニル)−N−(イソキサゾール−3−イル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−6−スルホンアミド(トランスシクロプロピル異性体(ラセミ)として任意に割り当てられた)。MSm/z=548(M+H)。
1H
NMR (400 MHz,DMSO−d
6) δ ppm 11.61 (br.s, 1 H)
8.66 − 8.69 (m,1 H) 8.32 (d,J = 2.18 Hz,1 H) 8.17 (d,J = 9.69 Hz,1 H) 7.79 (dd,J
= 8.99,2.20 Hz,1 H) 7.45 (d,J = 9.23 Hz,1 H) 7.35 (d,J = 6.32 Hz,1 H) 6.71 − 6.77
(m,2 H) 6.38 − 6.41 (m,1 H) 3.62 (s,3 H) 2.24 − 2.28 (m,1 H) 1.35 − 1.43 (m,2 H)
1.11 − 1.13 (m,1H)。
【0180】
実施例5:(P)−1−(5−フルオロ−2−メトキシ−4−((1−(トリフルオロメチル)シクロプロピル)エチニル)フェニル)−N−(イソキサゾール−3−イル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−6−スルホンアミド
【0181】
【化27】
【0182】
4,4,4−トリフルオロ−3,3−ジメチルブト−1−インの代わりに1−エチニル−1−(トリフルオロメチル)シクロプロパン(中間体A1)を使用したことを除き、実施例2の(P)−1−(5−フルオロ−2−メトキシ−4−(4,4,4−トリフルオロ−3,3−ジメチルブト−1−イン−1−イル)フェニル)−N−(イソキサゾール−3−イル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−6−スルホンアミドのものと類似の手法で標記化合物を調製した。MSm/z=548(M+H)。
1H
NMR (400 MHz,DMSO−d
6) δ ppm 11.67 (br.s,1 H)
8.71 − 8.74(m,1 H) 8.37 (d,J = 2.18 Hz,1 H) 8.23 (d,J = 9.64 Hz,1 H) 7.83 (dd,J
= 8.97,2.23 Hz,1 H) 7.54 (d,J = 9.17 Hz,1 H) 7.42 (d,J = 6.22 Hz,1 H) 6.76 − 6.84
(m,2 H) 6.41 − 6.47 (m,1 H) 3.68 (s,3 H) 1.51 − 1.56 (m,2 H) 1.43 − 1.48 (m,2 H)。
【0183】
実施例6:(P)−1−(5−クロロ−4−(シクロペンチルエチニル)−2−メトキシフェニル)−N−(イソキサゾール−3−イル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−6−スルホンアミド
【0184】
【化28】
【0185】
工程1において(P)−ペルフルオロフェニル1−(4−ブロモ−2−メトキシフェニル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−6−スルホネート(中間体B4)の代わりに(P)−ペルフルオロフェニル1−(4−ブロモ−5−クロロ−2−メトキシフェニル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−6−スルホネート(中間体B3)を使用したことを除き、実施例3の(P)−1−(4−(シクロペンチルエチニル)−2−メトキシフェニル)−N−(イソキサゾール−3−イル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−6−スルホンアミドのものと類似の手法で標記化合物を調製した。MSm/z=524(M+H)。
1H
NMR (500 MHz,DMSO−d
6) δ ppm 11.67 (br.s,1 H)
8.71 − 8.74 (m,1 H) 8.31 − 8.35 (m,1 H) 8.20 (d,J = 9.67 Hz,1 H) 7.83 (dd,J = 8.92,2.04
Hz,1 H) 7.61 (s,1 H) 7.38 (s,1 H) 6.76 − 6.82 (m,2 H) 6.41 − 6.44 (m,1 H) 3.68 (s,3
H) 2.98 − 3.01 (m,1 H) 2.01 − 2.04 (m,2 H) 1.71 − 1.82 (m,6 H)。
【0186】
実施例7:(P)1−(4−((3,3−ジフルオロシクロヘキシル)エチニル)−5−フルオロ−2−メトキシフェニル)−N−(イソキサゾール−3−イル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−6−スルホンアミド
【0187】
【化29】
【0188】
4,4,4−トリフルオロ−3,3−ジメチルブト−1−インの代わりに3−エチニル−1,1−ジフルオロシクロヘキサン(中間体A5)を使用したことを除き、実施例2の(P)−1−(5−フルオロ−2−メトキシ−4−(4,4,4−トリフルオロ−3,3−ジメチルブト−1−イン−1−イル)フェニル)−N−(イソキサゾール−3−イル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−6−スルホンアミドのものと類似の手法で標記化合物を調製した。MSm/z=558(M+H)。
1H
NMR (400 MHz,DMSO−d
6) δ ppm 11.66 (br.s,1 H)
8.71 − 8.74 (m,1 H) 8.31 − 8.35 (m,1 H) 8.22 (d,J = 9.64 Hz,1 H) 7.83 (dd,J = 8.97,2.23
Hz,1 H) 7.48 (d,J = 9.23 Hz,1 H) 7.34 (d,J = 6.32 Hz,1 H) 6.74 − 6.82 (m,2 H) 6.41
− 6.44 (m,1 H) 3.67 (s,3 H) 2.90 − 3.02 (m,1 H) 1.81 − 2.06 (m,6 H) 1.53 − 1.61
(m,2 H)。
【0189】
実施例8:(P)−1−(5−フルオロ−2−メトキシ−4−((1−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)シクロペンチル)エチニル)フェニル)−N−(イソキサゾール−3−イル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−6−スルホンアミド
【0190】
【化30】
【0191】
工程1:(P)−1−(5−フルオロ−4−((1−ヒドロキシシクロペンチル)エチニル)−2−メトキシフェニル)−N−(イソキサゾール−3−イル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−6−スルホンアミド
DMF(12mL)中の(P)−1−(4−ブロモ−5−フルオロ−2−メトキシフェニル)−N−(イソキサゾール−3−イル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−6−スルホンアミド(上記の中間体B2を参照、1.15g、2.327mmol)の混合物に、1−エチニルシクロペンタノール(Aldrich)0.799mL、6.98mmol)、ヨウ化銅(i)(0.012mL、0.349mmol)、Pd−テトラキス(0.403g、0.349mmol)及びジイソプロピルアミン(3.32mL、23.27mmol)を添加した。得られた混合物を50℃で3時間撹拌した。混合物を周囲温度に冷却し、次いで1N HCl水溶液及びEtOAcで徐々に処理し、10分間撹拌した。有機部分を回収し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して茶色の残留物を得た。これをヘプタン中の10〜80%{EtOAc/EtOHブレンド(3:1)}中で精製して、(P)−1−(5−フルオロ−4−((1−ヒドロキシシクロペンチル)エチニル)−2−メトキシフェニル)−N−(イソキサゾール−3−イル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−6−スルホンアミド(1.0g、1.91mmol、82%の収率)を淡黄色の固体として得た。MSm/z=524(M+H)。
【0192】
工程2:(P)−1−(5−フルオロ−2−メトキシ−4−((1−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)シクロペンチル)エチニル)フェニル)−N−(イソキサゾール−3−イル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−6−スルホンアミド
2,2,2−トリフルオロエタノール(509μl)中の(P)−1−(5−フルオロ−4−((1−ヒドロキシシクロペンチル)エチニル)−2−メトキシフェニル)−N−(イソキサゾール−3−イル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−6−スルホンアミド(80mg、0.153mmol)とトリフルオロ酢酸(1.177μl、0.015mmol)との混合物を40℃で16時間撹拌した。混合物を周囲温度に冷却し、次いでDCM及び水で希釈した。有機部分を回収し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して黄色の残留物を得た。これを逆相(20〜70%CH3CN/水;TFA改質剤)を介して精製して、(P)−1−(5−フルオロ−2−メトキシ−4−((1−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)シクロペンチル)エチニル)フェニル)−N−(イソキサゾール−3−イル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−6−スルホンアミド(36mg、0.059mmol、38.9%の収率)を白色の固体として得た。MSm/z=606(M+H)。
1H
NMR (400 MHz,DMSO−d
6) δ ppm 11.66 (br.s,1 H)
8.71 − 8.75 (m,1 H) 8.34 − 8.38(m,1 H) 8.23 (d,J = 9.64 Hz,1 H) 7.83 (dd,J = 8.97,2.23
Hz,1 H) 7.54 (d,J = 9.12 Hz,1 H) 7.45 (d,J = 6.22 Hz,1 H) 6.79 − 6.86 (m,2 H) 6.46
(d,J = 1.81 Hz,1 H) 4.21 (q,J = 9.21 Hz,2 H) 3.69 (s,3 H) 2.14 − 2.22 (m,2 H) 2.01
− 2.08 (m,2 H) 1.73 − 1.82 (m,4 H)。
【0193】
実施例9:(P)−1−(4−(シクロペンチルエチニル)−5−フルオロ−2−メトキシフェニル)−2−オキソ−N−3−ピリダジニル−1,2−ジヒドロ−6−キノリンスルホンアミド
【0194】
【化31】
【0195】
工程1:(P)−ペルフルオロフェニル1−(4−(シクロペンチルエチニル)−5−フルオロ−2−メトキシフェニル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−6−スルホネート
【0196】
(P)−ペルフルオロフェニル1−(4−ブロモ−5−フルオロ−2−メトキシフェニル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−6−スルホネート(上記の中間体B2の工程1を参照、2g、3.37mmol)、エチニルシクロペンタン(Aldrich)1.584g、16.83mmol)、ジイソプロピルアミン(2.398ml、16.83mmol)、ヨウ化銅(i)(0.064g、0.337mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.389g、0.337mmol)、及びDMF(16.83mL)を丸底フラスコに入れた。反応物を50℃で3時間撹拌した。混合物を水及び酢酸エチルで希釈した。有機部分を回収し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗材料をカラムクロマトグラフィ(RediSep Gold 40g、勾配溶離10〜75%[3:1EtOAc/EtOH]:ヘプタンにより精製して、(P)−ペルフルオロフェニル1−(4−(シクロペンチルエチニル)−5−フルオロ−2−メトキシフェニル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−6−スルホネート(1.25g、2.058mmol、61.1%の収率)を灰色がかった白色の固体として得た。m/z(ESI)608.0(M+H)
+。
【0197】
工程2:(P)−1−(4−(シクロペンチルエチニル)−5−フルオロ−2−メトキシフェニル)−2−オキソ−N−3−ピリダジニル−1,2−ジヒドロ−6−キノリンスルホンアミド
(P)−ペルフルオロフェニル1−(4−(シクロペンチルエチニル)−5−フルオロ−2−メトキシフェニル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−6−スルホネート(179mg、0.295mmol)及びピリダジン−3−アミン(36.4mg、0.383mmol)を丸底フラスコに入れた。DMSO(0.76ml)を添加して溶液を得、これを次いでTHF(2.21ml)で希釈した。フラスコを氷水浴中で15分間冷却し、次いでリチウムビス(トリメチルシリル)アミド(THF中1M)(678μl、0.678mmol)を2分かけて徐々に滴下して添加した。15分後、混合物を1N水性HCl及びEtOAcで希釈した。層を分離し、水層をEtOAc(2×)で抽出した。組み合わされた有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をシリカゲルでのクロマトグラフィ(50−g SNAP Ultraカラム、添加剤として10%DCMを有するヘプタン中の10〜70%の3:1EtOAc/EtOH溶液)によって精製した。純粋な生成物を含有する画分を組み合わせ、濃縮して、(P)−1−(4−(シクロペンチルエチニル)−5−フルオロ−2−メトキシフェニル)−2−オキソ−N−(ピリダジン−3−イル)−1,2−ジヒドロキノリン−6−スルホンアミド(60mg、0.116mmol、39.3%の収率)を灰色がかった白色の固体として得た。
1H
NMR (400 MHz,DMSO−d
6) δ ppm 14.46 (br.s.,1 H)
8.25 − 8.38 (m,2 H) 8.19 (d,J = 9.64 Hz,1 H) 7.90 − 7.97 (m,1 H) 7.82 (dd,J = 8.81,1.76
Hz,1 H) 7.69 (dd,J = 9.54,4.25 Hz,1 H) 7.43 (d,J = 9.23 Hz,1 H) 7.32 (d,J = 6.43
Hz,1 H) 6.70 − 6.77 (m,2 H) 3.66 (s,3 H) 2.95 − 3.01 (m,1 H) 1.98 − 2.08 (m,2 H)
1.58 − 1.79 (m,6 H)。m/z(ESI)519.0(M+H)
+。
【0198】
実施例10:(P)−1−(4−(シクロペンチルエチニル)−5−フルオロ−2−メトキシフェニル)−N−3−イソキサゾリル−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−6−キノリンスルホンアミド
【0199】
【化32】
【0200】
(P)−1−(4−ブロモ−5−フルオロ−2−メトキシフェニル)−N−(イソキサゾール−3−イル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−6−スルホンアミド(上記の中間体B2を参照、234mg、0.272mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィンパラジウム(0)(31.5mg、0.027mmol)、ヨウ化銅(i)(1.384μl、0.041mmol)、ジイソプロピルアミン(582μl、4.08mmol)、3,3−ジメチルブト−1−イン(Aldrich)?112mg、1.361mmol)及びDMF(1.36ml)を丸底フラスコに入れた。反応物を50℃で3時間撹拌した。混合物を水及び酢酸エチルで希釈した。有機部分を回収し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗材料をカラムクロマトグラフィ(RediSep Gold 40g、勾配溶離10〜75%[3:1EtOAc/EtOH]:ヘプタンにより精製して、(P)−1−(4−(シクロペンチルエチニル)−5−フルオロ−2−メトキシフェニル)−N−(イソキサゾール−3−イル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−6−スルホンアミド(45mg、0.089mmol、32.6%の収率)を灰色がかった白色の固体として得た。
1H
NMR (400 MHz,DMSO−d
6) δ ppm 11.60 (br.s, 1 H)
8.67 (d,J = 1.81 Hz,1 H) 8.30 − 8.38 (m,1 H) 8.15 (d,J = 9.69 Hz,1 H) 7.76 (dd,J
= 8.97,2.23 Hz,1 H) 7.39 (d,J = 9.17 Hz,1 H) 7.26 (d,J = 6.38 Hz,1 H) 6.70 − 6.79
(m,2H) 6.39 (d,J = 1.76 Hz,1 H) 3.60 (s,3 H) 2.85 − 2.89 (m,1 H) 1.91 − 1.99 (m,2
H) 1.51 − 1.73 (m,6 H)。m/z(ESI)508.0(M+H)
+。
【0201】
生物学的実施例
本発明の例示的な化合物を試験する際に以下のアッセイを使用した。以下に記載された手順に従って試験されたそれらの実施例のデータを以下の表1に示す。
【0202】
Nav1.7またはNav1.5IWQインビトロアッセイ
Nav1.7またはNav1.5のいずれかで安定にトランスフェクトされたHEK293細胞を、IonWorks(登録商標)Quattro自動電気生理システムを用いて製造業者の仕様(Molecular Devices、LLC、Sunnyvale、CA)に従って集団パッチクランプモードで記録した。連続的により大きな不活性化を誘発した一連の脱分極に応答して、ナトリウムチャネル電流を測定した。
【0203】
細胞を−15mVの保持電圧から−110mVで3秒間(Nav1.7)または0.5秒間(Nav1.5)保持し、次いで5Hzの周波数で一連の150m秒の持続時間の26パルスを−20mVまでかけた。次いで細胞を3〜8分間の時間、クランプされていない状態とした一方で、単一濃度の試験化合物を添加した。次いで細胞を再度クランプし、同じ電圧プロトコルにかけた。−20mVへの26番目のパルスの終わりでの電流を、−20mVへの26番目のパルスによって誘発されたピーク電流から引いてリーク電流を補正した。遮断率を各濃度について二重に計算し、IC
50曲線を濃度の関数として遮断率に適合させた。
【0204】
Nav1.7インビトロPXアッセイ
ヒトNav1.7で安定にトランスフェクトされたHEK293細胞を、PatchXpress自動電気生理システム(Molecular Devices、LLC、Sunnyvale、CA)を用いて全細胞電圧クランプモードで記録した。化合物の影響は、ナトリウムチャネルの部分的に不活性化した状態で測定した。細胞をクランプして20〜50%の不活性化を生じさせる保持電位とした。ナトリウム電流を引き起こすために、チャネルを−10mVに20m秒間パルス化することによって活性化した。この電圧プロトコルを実験を通して0.1Hzの速度で繰り返した。単一濃度の試験化合物を3分の持続時間、細胞に適用した。ピークナトリウム電流を化合物添加期間の終わりに測定して阻害率を決定した。濃度当たり3〜5個の細胞を試験し、IC
50曲線を濃度の関数として阻害率に適合させた。本発明の代表的な化合物のデータを本明細書の表に示す。
【0205】
Nav1.5インビトロPXアッセイ
Nav1.5で安定にトランスフェクトされた293細胞を、PatchXpress自動電気生理システムを用いて製造業者の仕様(Molecular Devices、LLC、Sunnyvale、CA)に従って全細胞電圧クランプモードで記録した。細胞を−50mVの保持電位で保持してナトリウムチャネルを不活性化した。ナトリウム電流を引き起こすために、電圧を−120mVに変化させてチャネルの一部を回復させ、0.1Hzで20m秒の持続時間の試験パルスを送達して0mVとした。単一濃度の試験化合物を5分の持続時間、細胞に適用した。ピークナトリウム電流を化合物添加期間の終わりに測定して阻害率を決定した。濃度当たり最少で2個の細胞を試験した。IC
50曲線を濃度の関数として阻害率に適合させた。本発明の代表的な化合物のデータを本明細書の表に示す。
【0206】
本発明の化合物はまた、以下のインビボアッセイで試験され得る。
【0207】
持続性疼痛のラットホルマリンモデル
試験日に、試験の開始時に260〜300gの体重を有する動物(Naive、雄のSprague Dawleyラット)がHarlan(Indianapolis、IN)から得られ得る。全ての動物は、0600で点灯する12/12時間の明/暗サイクル下に収容され得る。げっ歯類は、トウモロコシ穂軸寝床材を有する固体底部ケージ上に1ケージに2匹収容され得、自由に食べ物及び水を入手し得る。試験が開始される前の少なくとも5日間、動物を飼育場に馴化させるべきであり、投薬の少なくとも30分前に試験室に持ち込まれるべきである。動物は、所望の前処置時間(典型的には試験開始の2時間前)に経口強制投与(gavage)または腹腔内注入のいずれかによって適切な試験化合物で前処置され、次いでそれらのホームケージに戻される。投薬後で試験開始の少なくとも30分前に、動物は個々の試験チャンバに順応され得る。試験時に、各動物は、左後肢を露出させてタオルに優しく包まれ得る。リン酸緩衝生理食塩水中のホルマリン(2.5%)の希釈溶液が、左後肢の背側表面に30gの針で50μLの容量で皮下注入され得る。注入の直後に、小さな金属バンドが、LOCTITE(接着剤)を滴下して左後肢の足底側に固定され得る。動物を次いで試験チャンバ内に入れ、ホルマリン注入の10〜40分後にフリンチの数が記録され得る。フリンチは、歩行に関連しない注入された後肢の高速でかつ自発的な動きとして定義される。フリンチは、the University of California、San Diego Department of Anesthesiologyによって構築された自動痛覚分析器(Automated Nociception Analyzer)を用いて定量化され得る。個々のデータは、次の式:(−(個々のスコア−溶媒平均スコア)/溶媒平均スコア))
*100=MPE%で計算された最大潜在効果%(MPE%)として表現され得る。
【0208】
有意な主効果について溶媒群と比較したBonferroniを使用した事後分析で、分散分析(ANOVA)によって統計分析が実施され得る。データは、各群について平均MPE%+/−標準誤差として表され得る。
【0209】
ラットオープンフィールドアッセイ
試験日に、試験の開始時に260〜300gの体重を有する動物(Naive、雄のSprague Dawleyラット)がHarlan(Indianapolis、IN)から得られ得る。全ての動物は、0600で点灯する12/12時間の明/暗サイクル下に収容され得る。げっ歯類は、トウモロコシ穂軸寝床材を有する固体底部ケージ上に1ケージに2匹収容され得、自由に食べ物及び水を入手し得る。試験が開始される前の少なくとも5日間、動物を飼育場に馴化させるべきであり、投薬の少なくとも30分前に試験室に持ち込まれるべきである。試験室から分離した室において、動物は、所望の前処置時間(典型的には試験開始の2時間前)に経口強制投与または腹腔内注入のいずれかによって適切な試験化合物で前処置され得、次いで前処置が経過するまでそれらのホームケージに戻され得る。試験時に、動物はそれらのホームケージにおけるオープンフィールド試験室に移され得る。各動物は別個の試験室内に入れられ、動作追跡システムが開始される。試験室内のハウスライトは消されるべきであり、動物を30分間新しいオープンフィールドを探索させ得る。San Diego Instruments、San Diego、CAによって作製された自動動作追跡機を使用して、動物の動きを検出するための赤外線フォトビームを用いて動物の探索を捉え得る。これらの挙動には、このアッセイの主要評価項目として使用され得る基本的な動き及び垂直立ち上がりが含まれる。試験の終わりに、ハウスライトがつけられ得、動物が試験装置から取り除かれるべきである。データは、以下の方程式を使用して溶媒対照からの変化率として表現された。
【0210】
(1−(試験平均/溶媒平均))
*100=変化%。
【0211】
有意な主効果をフォローアップするためにDunnettを使用する事後分析で、分散分析(ANOVA)によって統計分析が実施され得る。
【0212】
持続性疼痛のマウスホルマリンモデル
試験の開始時に22〜30gの体重を有するマウス(Naive、雄のC57Bl/6)がHarlan(Indianapolis、IN)から得られた。全ての動物は、0630で点灯する12/12時間の明/暗サイクル下に収容された。げっ歯類は、トウモロコシ穂軸寝床材を有する固体底部ケージ上に単独で収容され、自由に食べ物及び水を入手できた。試験が開始される前の少なくとも5日間、動物を飼育場に馴化させ、投薬の少なくとも30分前に試験室に持ち込んだ。動物は、所望の前処置時間(典型的には試験開始の2時間前)に経口強制投与または腹腔内注入のいずれかによって適切な試験化合物で前処置され、次いでそれらのホームケージに戻された。投薬後で試験開始の少なくとも5分前に、動物は個々の試験チャンバに順応された。試験時に、各動物は、左後肢を露出させて布製手袋に優しく包まれた。リン酸緩衝生理食塩水中のホルマリン(2%)の希釈溶液が、左後肢の背側表面に30gの針で20μLの容量で皮下注入された。次いで、動物を観察チャンバに入れ、ホルマリン注入後の60分間、挙動を記録した。疼痛様挙動は、歩行に関連しない注入された後肢の舐め及び/または免荷として定義された。
【0213】
任意の有意な主効果について溶媒群と比較したDunnett事後試験を使用した事後分析で、分散分析(ANOVA)によって統計分析が実施された。データは、各群について平均+/−標準誤差として表された。
【0214】
マウスオープンフィールドアッセイ
試験の開始時に22〜30gの体重を有するマウス(Naive、雄のC57Bl/6)がHarlan(Indianapolis、IN)から得られた。全ての動物は、0630で点灯する12/12時間の明/暗サイクル下に収容された。げっ歯類は、トウモロコシ穂軸寝床材を有する固体底部ケージ上に単独で収容され、自由に食べ物及び水を入手できた。試験が開始される前の少なくとも5日間、動物を飼育場に馴化させ、投薬の少なくとも30分前に試験室に持ち込んだ。試験室から分離した室において、動物は、所望の前処置時間(典型的には試験開始の2時間前)に経口強制投与または腹腔内注入のいずれかによって適切な試験化合物で前処置され、次いで前処置が経過するまでそれらのホームケージに戻された。試験時に、動物はそれらのホームケージにおけるオープンフィールド試験室に移された。各動物は別個の試験室内に入れられ、動作追跡システムが開始された。試験室内のハウスライトを消し、動物を30分間新しいオープンフィールドを探索させた。Kinder Scientific、Poway、CAによって作製された自動動作追跡機を使用して、動物の動きを検出するための赤外線フォトビームを用いて動物の探索を捉えた。これらの挙動には、このアッセイの主要評価項目として使用された基本的な動き及び垂直立ち上がりが含まれる。試験の終わりに、ハウスライトをつけ、動物を試験装置から取り除いた。
【0215】
任意の有意な主効果について溶媒群と比較したDunnett事後試験を使用した事後分析で、分散分析(ANOVA)によって統計分析が実施された。データは、各群について平均+/−標準誤差として表された。データはまた、以下の方程式を使用して溶媒対照からの変化率として表現された:
【0216】
(1−(試験平均/溶媒平均))
*100=変化%
【0217】
CFA−熱アッセイ
試験の開始時に260〜300gの体重を有する動物(Naive、雄のSprague Dawleyラット)がHarlan(Indianapolis、IN)から得られ得る。全ての動物は、0600で点灯する12/12時間の明/暗サイクル下に収容され得る。げっ歯類は、トウモロコシ穂軸寝床材を有する固体底部ケージ上に1ケージに2匹収容され得、自由に食べ物及び水を入手できる。試験が開始される前の少なくとも5日間、動物を飼育場に馴化させ得、投薬の少なくとも30分前に試験室に持ち込まれ得る。完全フロイントアジュバント(CFA)−熱アッセイは、馴化日、基準日、及び試験日からなる3日連続の試験スケジュールを使用し得る。1日目に、動物を試験室に持ち込み、標識化し、試験装置のそれらの個々の試験箱に入れ得る。動物を、少なくとも1時間は実際に試験することなくこの環境を探索させ得る。馴化後、動物をそれらのホームケージに戻して飼育場に戻し得る。2日目に、動物を試験室に戻して試験装置上に置き、鎮静化させ得る(典型的には30〜45分)。次いで基本的な熱閾値を次の手順で取得すべきである:鎮静化したらUgo Basileプランター装置を動物の左後肢の下に置く;始動ボタンを押し下げて着実に増加する熱源及びタイマーを作動させる;動物がその熱閾値に達すると、それはその後肢をひるませ(flinch)、タイマー及び熱刺激を停止する。このフリンチまでの潜伏(latency)は、試験の間の少なくとも5分間で、各動物について3回記録することができ、平均スコアを動物の基準閾値として使用し得る。試験後、動物に、25μg/50μlの完全フロイントアジュバントを左後肢に肢底内に注入し得る。次いで動物をそれらのホームケージに戻し、飼育場に戻す。試験日に、動物を熱試験装置に再度置き、上記で概説した手順でそれらのCFA後基準を得る。動物は、所望の前処置時間(典型的には試験開始の2時間前)に経口強制投与または腹腔内注入のいずれかによって適切な試験化合物で前処置され得、次いでそれらのホームケージに戻され得る。試験の30分前に、動物は装置上に再度置かれ得る。前処置時間が経過すると、動物は上記の手順で再度試験され得る。データは、以下の式を用いて最大潜在効果率として表され得る:
【0218】
((投薬後平均−投薬前平均)/(基準平均−投薬前平均))
*100=MPE%
【0219】
有意な主効果について溶媒群と比較したBonferroniを使用した事後分析で、分散分析(ANOVA)によって統計分析が実施され得る。データは、各群について平均MPE%+/−標準誤差として表され得る。
【0220】
脊髄神経結紮(Chung)
最初の試験の開始時に150〜200gの体重を有する動物(Naive、雄のSprague Dawleyラット)がHarlan(Indianapolis、IN)から得られ得る。全ての動物は、0600で点灯する12/12時間の明/暗サイクル下に収容され得る。げっ歯類は、トウモロコシ穂軸寝床材を有する固体底部ケージ上に1ケージに2匹収容され得、自由に食べ物及び水を入手できる。試験が開始される前の少なくとも5日間、動物を飼育場に馴化させ得る。次いでKim and Chung(1992)によって記載された方法に基づいて手術が実施され得る。簡潔には、動物はイソフルラン麻酔下に置かれ、無菌の手術野に置かれ得る。腰椎の領域が切除され、L4−L5における脊髄神経が露出される。L5脊髄神経が同定され、5−0シルク縫合できつく結紮される。筋肉は吸収性縫合糸で閉じられ得、皮膚は創傷クリップで閉じられ得る。動物は7〜14日間飼育場に戻され得、毎日監視され得る。試験日に、動物は試験室に持ち込まれ、個々の試験チャンバ内のワイヤメッシュ床上に置かれ得る。それらが穏やかになるまで、それらをチャンバに順応させ得る。次いで、較正された曲げ力を有する一連のSemmes−Weinsteinモノフィラメント(von Frey hairs)を適用して、Chaplanら(1994)によって説明された方法に従って痛覚過敏基準を決定する。簡潔には、基準値に達するまでフィラメントを増加する力(前の刺激に対して反応がなかった場合)または減少する力(前の刺激に対して反応があった場合)で適用する。動物は、所望の前処置時間(典型的には試験開始の2時間前)に経口強制投与または腹腔内注入のいずれかによって適切な試験化合物で前処置され、次いでそれらのホームケージに戻される。試験の30分前に、動物は装置上に再度置かれる。前処置時間が経過した後、上記の手順を繰り返して薬物有効性を決定する。データは、侵害挙動を引き起こすための平均グラム力として表現され得る。有意な主効果について溶媒群と比較したBonferroniを使用した事後分析で、分散分析(ANOVA)によって統計分析が実施され得る。
【0221】
表1は、本発明の代表的化合物として、本出願及びその優先権書類において例示された化合物のデータを以下の通り提供している:化合物名(ACDソフトウェア、バージョン12によって命名した;一方、本明細書に示される記載された実施例における化合物名は、ChemDraw Ultraバージョン12を使用して命名した);インビトロNav1.7PXデータ(μMでのIC
50)、Nav1.7IWQデータ(μMでのIC
50)、インビトロでのHLMデータ(μL/(分・mg))、及びヒトPXR@2μM POC S(%)を含む生物学的データ、(利用可能な場合)。実施例#は実施例番号を指す。本発明の化合物は、hNav1.7ならびにRLM及びヒトPXRデータに対して望ましい活性を示す。
表1:生物学的データ
【0222】
【表3】
【0223】
前述の発明は、明確性及び理解の目的のために、例示及び実施例によって幾分詳細に説明されている。当業者は、添付の特許請求の範囲内で変更及び改変が実施され得ることを理解する。そのため、上記の説明は例示的であり、限定的ではないことが意図されていることを理解されたい。そのため、本発明の範囲は、上記の説明を参照せずに決定されるべきであるが、代わりにそのような特許請求の範囲が権利を与えられる均等物の十分な範囲と共に、以下の添付の特許請求の範囲を参照して決定されるべきである。
【0224】
本明細書で引用された全ての特許、特許出願及び刊行物は、各々の個々の特許、特許出願または刊行物がそのように個々に表示されているのと同程度に、全ての目的のためにそれらの全体が参照により本明細書によって組み込まれる。