特許第6985277号(P6985277)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6985277
(24)【登録日】2021年11月29日
(45)【発行日】2021年12月22日
(54)【発明の名称】放射線撮像デバイス
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/03 20060101AFI20211213BHJP
   B25J 13/00 20060101ALI20211213BHJP
【FI】
   A61B6/03 377
   B25J13/00 Z
【請求項の数】12
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2018-539081(P2018-539081)
(86)(22)【出願日】2017年1月27日
(65)【公表番号】特表2019-504680(P2019-504680A)
(43)【公表日】2019年2月21日
(86)【国際出願番号】IB2017050438
(87)【国際公開番号】WO2017134546
(87)【国際公開日】20170810
【審査請求日】2020年1月27日
(31)【優先権主張番号】UB2016A000047
(32)【優先日】2016年2月1日
(33)【優先権主張国】IT
(31)【優先権主張番号】UB2016A000102
(32)【優先日】2016年2月1日
(33)【優先権主張国】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】517032255
【氏名又は名称】イマジナリス エス.アール.エル.
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】フォルトゥナ,ダミアーノ
(72)【発明者】
【氏名】マネッティ,レオナルド
(72)【発明者】
【氏名】デ ミケーリ,デニス マッティア
【審査官】 門 良成
(56)【参考文献】
【文献】 特表2015−520623(JP,A)
【文献】 特表2011−507581(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0035470(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00
B25J 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
縦軸(1a)を画定する放射線撮像デバイス(1)であり、
−前記放射線撮像を行うのに適し、解析領域(3a)を画定するガントリ(3)と;
−前記ガントリ(3)を支持している軸受構造体(4)と
−前記解析領域(3a)に対して医療機器を動かすのに適したロボットアーム(5)を備え
−前記軸受構造体(4)が、
−前記縦軸(1a)平行して並進軸(43a)を画定するガイド(43)と;
−前記並進軸(43a)に沿って前記ガントリ(3)及び前記ロボットアーム(5)を動かすのに適した少なくとも1つの可動台(44、44a、44b)と、を備え
前記ロボットアーム(5)に作用するトルク/力を測定するのに適した少なくとも1つの力覚センサ(55)を備え、
前記ロボットアーム(5)に作用し、一定して前記力覚センサ(55)により検出されるトルク/力を選択的に維持し、前記力覚センサ(55)により検出される前記トルク/力と比例して、前記ロボットアーム(5)の運動を命令するのに適した制御ユニットを備え、
前記ロボットアーム(5)が、少なくとも剛体(52、52a、52b)、並びに、少なくとも1つの前記剛体(52、52a、52b)及び少なくとも1つの前記力覚センサ(55)のうち2つを動かすのに適した少なくとも1つの機械式継手(53)を備え;2つの前記力覚センサ(55)が、少なくとも1つの前記剛体(52、52a,52b)のうち1つのみによって分離され、そのため前記医療機器と患者間との間の相互作用力/トルク、及び手術者との相互作用力/トルクが、互いに独立して2つの前記力覚センサ(55)により検出される、放射線撮像デバイス(1)。
【請求項2】
前記ガントリ(3)が、少なくとも1つの前記可動台(44、44a、44b)に接続し、放射線を発するのに適した放射源(31)と、前記放射線が前記解析領域(3a)を通過した後、前記放射線を受信するのに適した検出器(32)と、少なくとも前記放射源(31)及び前記検出器(32)を支持している回転子(33)と、片持ちされた前記回転子(33)を支持している固定子(34)と、前記固定子(34)に対して前記回転子(33)の回転部材(35)とを備え;前記少なくとも1つのロボットアーム(5)が、前記回転子(33)に接続している、請求項1に記載の放射線撮像デバイス(1)。
【請求項3】
少なくとも1つの前記ロボットアーム(5)は、少なくとも1つの前記ロボットアーム(5)が、前記解析領域(3a)に重ならないように、それ自体に収縮され、前記縦軸(1a)に沿って前記ガントリ(3)の投影部に完全に囲まれる格納姿勢と、少なくとも1つの前記ロボットアーム(5)が、前記解析領域(3a)に前記医療機器を位置付けている前記ガントリ(3)の前記投影部からはみ出すように、少なくとも部分的に伸展される少なくとも1つの展開姿勢とを画定する、請求項2に記載の放射線撮像デバイス(1)。
【請求項4】
前記回転子(33)が、前記放射源(31)及び片持ちにされた前記検出器(32)を支持するのに適した回転子板(33a)と、前記回転子板(33a)と共に、前記放射源(31)及び前記検出器(32)を収容するための区画(3b、3c)を画定する少なくとも1つの凸部(33c、33d)を備える回転子ケース(33b)と、少なくとも1つの前記凸部(33c、33d)よりも小さな軸方向拡張部を有する少なくとも1つの凹部(33e、33f)とを備え;少なくとも1つの前記ロボットアーム(5)が、前記少なくとも1つの凹部(33e、33f)で、前記回転子ケース(33b)に接続している、請求項2または3に記載の放射線撮像デバイス(1)。
【請求項5】
前記回転子ケース(33b)が、前記放射源(31)を収容するための第1の区画(3b)を画定する第1の凸部(33c)と、前記検出器(32)を収容するための第2の区画(3c)を画定する第2の凸部(33d)と、前記凸部(33c、33d)によって、相互に分離された第1の凹部(33e)と第2の凹部(33f)とを備え;前記放射線撮像デバイス(1)が、少なくとも1つの前記ロボットアーム(5)を2つ備え、各前記ロボットアーム(5)が、前記凹部(33e、33f)のうち1つで、前記回転子ケース(33b)に接続している、請求項4項に記載の放射線撮像デバイス(1)。
【請求項6】
前記可動台(44、44a、44b)が、前記ガントリ(3)及び前記ロボットアーム(5)に接続している、請求項4または5に記載の放射線撮像デバイス(1)。
【請求項7】
患者を支持するための上面部(2a)を画定しているベッド(2)を備え;前記軸受構造体(4)は、前記軸受構造体(4)と前記ベッド(2)との間の解放された空洞部(4a)を画定する高い位置に、前記ベッド(2)を支持するのに適しており;前記ロボットアーム(5)は、前記ロボットアーム(5)が前記解放された空洞部(4a)の高さ未満の高さ有する格納姿勢と、前記ロボットアーム(5)が、前記解析領域(3a)に前記医療機器を位置付けるように、少なくとも部分的に伸展される少なくとも1つの展開姿勢とを画定する、請求項6項に記載の放射線撮像デバイス(1)。
【請求項8】
前記軸受構造体(4)が、前記並進軸(43a)に沿って、前記ガントリ(3)及び前記ロボットアーム(5)を同時に動かすように、前記ガントリ(3)及び前記ロボットアーム(5)に接続している単一の可動台(44)を備える、請求項6〜7のうちいずれか一項に記載の放射線撮像デバイス(1)。
【請求項9】
前記軸受構造体(4)が、前記並進軸(43a)に沿って、前記ガントリ(3)及び前記ロボットアーム(5)と互いに独立して動かすように、前記ガントリ(3)に接続している第1の可動台(44a)、及び前記ロボットアーム(5)に接続している第2の可動台(44b)を備える、請求項6〜7のうちいずれか一項に記載の放射線撮像デバイス(1)。
【請求項10】
少なくとも1つの前記凸部(33c、33d)に配置され、前記回転子(33)に接続している少なくとも1つの前記ロボットアーム(5)の確認手段を備える、請求項のうちいずれか一項に記載の放射線撮像デバイス(1)。
【請求項11】
前記確認手段が、少なくとも1つの前記凸部(33c、33d)の上部に配置される、請求項10に記載の放射線撮像デバイス(1)。
【請求項12】
前記凸部(33c、33e)の上部にそれぞれ配列される前記確認手段のうち2つを備える、請求項6〜8のうちいずれか一項に記載の放射線撮像デバイス(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1に記載のプリアンブルにて詳述した形式の、放射線撮像デバイスに関する。
【0002】
特に、本発明は、患者の内部分析のうち少なくとも一部の画像を少なくとも入手するために、医学的/獣医学的範囲において用いられるのに適した特定のデバイスに関し、したがって、上記患者の診断又は他の評価の分析を実行する。
【背景技術】
【0003】
周知のように、現在市場に出ている放射線デバイスは、様々な分析を実行することが可能であり、類似の構造を有する。
【0004】
実際には、ほぼすべての周知の撮像デバイスは、患者を配置するベッド、デバイスの機能を制御するのに適した制御ステーションを備え;ガントリ、即ち、分析される部分に挿入され、患者の撮像を行うのに適した空洞を有するデバイスである。
【0005】
詳細には、ガントリには、X線放射源と、X線が分析される部分を通過した後にX線を受信する検出器と;患者の周辺で放射源及び検出器を同時に動かすのに適した動作システムとを確認することができる。
【0006】
近年、撮像デバイスは、手術者が患者を治療するのを補助することが可能なロボットアームによって補われている。
【0007】
これらの場合、室内に放射線撮像デバイスとロボットアームの両方が置かれており、撮像デバイスによって実施され取得されたものに応じて、患者の方へ動かし、したがって、ロボットアームによって医療機器(例えば放射線治療のための放射源)を患者の体部分の方へ動かして、治療する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】欧州特許第2444207号
【特許文献2】イタリア国発明特許第MI2014A001296号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
前述の従来技術は、いくつかの重要な欠点を有する。
【0010】
第1の重要な欠点は、複雑性並びにロボットアーム及び撮像デバイスを空間的に関連させることの難しさであり、したがって、2つの構成要素のうち1つに損傷を与える可能性のある衝突を回避するために、ロボットアームとガントリとの間の相対位置を制御することである。
【0011】
本問題の解決を試みるために、部屋には、多くの場合1つ以上のカメラが装着され、撮像デバイスとロボットアームの両方を撮影することによって、制御ステーションが撮像デバイスとロボットアームとの間の相対位置を確認することを可能にする。
【0012】
しかしながら、この解決策は、いくつかの重要な欠点を有する。
【0013】
第1の欠点は、室内には、多くの場合、手術者が存在し、部屋内部を動くことによって、カメラの視界を妨げ、ロボットアームと撮像デバイスとの間の相対位置の連続制御を具備することを実際に不可能にしているといった事実である。
【0014】
このような視覚の干渉は、動かすことにより、カメラとロボットアームとの間に入ることができるガントリによってもたらされ得ることに留意されたい。
【0015】
更に、可動式の放射線撮像デバイスの場合には、撮像デバイスはロボットアームから遠く、したがって、患者のすべての部分に到達することができず、手術者が機上の患者と共に撮像デバイスを動かすことを必要とするという点で、別の欠点が確認され得る。
【0016】
ロボットアームが患者に到達することができないことは更に、ベッドに対する特定の位置を仮定すると、ロボットアームが所望の位置に到達するのを妨げる可能性のある手術者によって画定され得る。
【0017】
ロボットアームのこのような動作は、手術者にとって非常に困難であり得て、とりわけ、患者を医療機器に接続しているカニューレ、点滴、又はケーブルの存在を想定すると、患者にとって特に危険であることもまた留意されたい。
【0018】
別の重要な欠点は、手術者は、ガントリ、加えて、ロボットアームの存在のために、動作の自由度が限られ、ロボットアームが放射線撮像デバイスのガントリに隣接して領域を占めることは、手術者にとって障害となることである。
【0019】
この状況における本発明の技術的な目的は、前述の欠点を実質的に克服することが可能な放射線撮像デバイスを発明することである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記の技術的課題の範囲内で、本発明の1つの重要な目的は、ロボットアームとデバイスの一部との間の衝突を回避するために、ロボットアームに対して容易に、及び一意に、空間的に関係するガントリを特徴とする放射線撮像デバイスを有することである。
【0021】
本発明の別の重要な目的は、ロボットアームが撮像デバイスに配置される患者のいかなる位置にも到達することができる撮像デバイスを提供することである。
【0022】
本発明の更なる目的は、手術者の動作の大きな自由度を確実なものとする撮像デバイスを発明することである。
【0023】
技術的な目的及び特定の目標は、添付の請求項1に記載の放射線撮像デバイスによって達成される。
【0024】
好ましい実施形態は、従属請求項から明白である。
【0025】
本発明の特性及び利点は、以下における添付の図面によって、その好ましい実施形態の下記の詳細な説明から、明らかに明白である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1a】放射線撮像デバイスの側面図を示す。
図1b図1aにおけるデバイスの正面図である。
図2a】異なる姿勢における放射線撮像デバイスの側面図である。
図2b図2aにおけるデバイスの正面図である。
図3a】本発明による別の放射線撮像デバイスの側面図を示す。
図3b図3aにおけるデバイスの正面図である。
図4a】側面図において、異なる態勢の図3a〜3bにおけるデバイスを示す。
図4b図4aにおけるデバイスの正面図である。
図5a】本発明による更なる放射線撮像デバイスの側面図を示す。
図5b図5aにおけるデバイスの正面図である。
図6a】側面図において、異なる態勢の図5a〜5bにおけるデバイスを示す。
図6b図6aにおけるデバイスの正面図である。
図7図5a〜6bにおける放射線撮像デバイスの詳細を示す。
図8】放射線撮像デバイスの部分的な横断面図に関して略図で例示する。
図9a図1a〜4bおける放射線撮像デバイスの詳細を示す。
図9b図5a〜6bにおける放射線撮像デバイスの詳細を示す。
図10図1a〜4bにおける撮像デバイス組立体の横断面図を示す。
図11】本発明による撮像デバイスの詳細を示す。
図12図11における詳細な別の実施例である。
図13図11における詳細な更なる実施例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本明細書において、手段、値、形状、及び幾何学的基準(直角度及び平行度等)は、「約」のような語、又は「ほぼ」若しくは「実質的に」といった他の類似した用語と併用する場合、測定誤差、又は生産及び/若しくは製造誤差による不正確さを除くように、とりわけ、本明細書が関係する値、測定、形状、又は幾何学的基準からのわずかな逸脱を除くように理解されるべきである。例えば、上記用語が、値に関連する場合、上記値の10%以下の相違を示すことが好ましい。
【0028】
加えて、「第1」、「第2」、「上部」、「下部」、「主」、及び「副」といった用いられる用語は、順序、優先関係、相対位置に必ずしも関連するというわけではないが、異なる構成要素と互いをより明確に区別するために単に用いてもよい。
【0029】
さもなければ特定される場合を除き、以下の考察によって証明されるように、「処理」、「コンピュータ」、「演算」、「評価」等のような用語は、コンピューターシステム、ログ、又は、他の情報記憶、伝送、若しくは表示デバイス内部の物理量のように類似して表される他のデータにおけるコンピューターシステムのログ及び/又は記憶装置の電子的容量といった、身体検査として表したデータを取り扱い及び/又は処理するコンピュータ若しくは計算システムの動作及び/又は処理に関することとみなす。
【0030】
記載の図面を参照すると、参照番号1は、本発明による放射線撮像デバイスを全体的に示す。
【0031】
それは、患者の内部分析のうち少なくとも一部分の放射線撮像、及び、有利には、例えば手術及び治療などの医学的/獣医学的処置を行うための医学的及び獣医学的領域の両方の使用に適している。特に、撮像デバイス1は、医学的及び/又は獣医学的領域において、X線、CTスキャン、蛍光透視法、若しくは他の放射線検査、手術、治療、又は、その他の医学的及び/若しくは獣医学的処置/操作の実施のために用いられるのに適している。
【0032】
放射線撮像デバイス1は、縦軸1aを画定し、主として、患者が横になるベッド2を備え;ガントリ3は放射線撮像を行うのに適しており、ベッド2のうち少なくとも一部を収容する解析領域3aを画定し;軸受構造体4は、ガントリ3、及び、好ましくは解放された空洞部4aを画定するようにベッド2を高い位置に保っているベッド2を支持し;少なくとも1つのロボットアーム5は、解析領域3a、したがってベッド2に対して医療機器を動かすのに適している。
【0033】
ベッド2は実質的に完全に放射線透過性であり、適切には少なくとも部分的に炭素又は他の放射線透過性の材料でできている。
【0034】
それは患者を支持し、患者を支持するための上面部2aを画定するのに適しており、即ち、表面は、使用中には地面に対向して面している。
【0035】
上面部2aは、縦軸1a、及び、特に地面とほぼ平行してそれ自体を配置するのに適している。
【0036】
ガントリ3は、主として、ガントリ3横軸の主拡張平面にある円形の拡張軌道に沿って、詳細には、縦軸1aに対してほぼ垂直に延在する。
【0037】
好都合には、円形軌道の拡張は、実質的に縦軸1aと一致するガントリ3の主拡張軸を画定する。
【0038】
それ故、ガントリ3は、その中心が実質的に縦軸1aに位置する状態で、ほぼアーチ型になっている。特に、それは、結果として円形の、及び、正確には実質的に円筒状の解析領域3aを画定するC型及び、好ましくは実質的にO型になっている。
【0039】
上記解析領域3aは、その中心が縦軸1aに位置させることが好ましい。
【0040】
ガントリ3は、放射線、好ましくはX線を放射するのに適した放射源31と;解析領域3aと、故に患者及びベッド2を交差させた後に、放射線を受信するのに適した検出器32と;少なくとも放射源31及び検出器32を支持するのに適した回転子33と;回転子33を支持するのに適した固定子34と;解析領域3aの周囲で、正確には、実質的に縦軸1aの中心に置かれた、放射源31及び検出器32の回転軌道を画定するのに適した縦軸1a周辺の固定子34に対する回転子33の回転部材35とを備え;放射源31、検出器32、及び他の構成要素の指揮統制電子装置がガントリ3に存在する。
【0041】
検出器32は、図9a及び9bに示すように、X線に感応する表面を画定し、X線、CTスキャン、及び/又は蛍光透視法を選択的に行うのに適した少なくとも1つの放射線センサ321と;感応する表面とほぼ平行し、かつ、適切に回転軌道にほぼ接している変動軸322aに沿って放射線センサを動かすのに適した変動部322と;変動軸322aにほぼ垂直な上昇軸323aに沿って放射線センサを並進させるのに適した上昇システム323とを備える。
【0042】
特に、上昇軸323aはほぼ垂直であり、より詳細には、縦軸1aに入射する。
【0043】
変動軸322aは、上昇軸323aと実質的に平行である。
【0044】
放射線センサ321は、平面又は凹形であって:リニアセンサ、及び、好ましくは、実質的に同一平面状にある感応する表面を画定する2つのリニアセンサ;フラットパネルとして既知であり、作動中の感応表面、即ちX線を検出することが可能な感応する表面部分の拡張部を変更するのに適した矩形センサ;直接的なフォトンカウンタ;デュアルエナジーセンサ;縦軸1aの方へ向いている凹面センサ;可変後退センサ:のうち少なくとも1つを備えてもよい。
【0045】
変動部322は、放射線センサ321に接続しているスライダと、変動軸322aを画定している変動ガイドと、変動ガイド上のスライダの動作を適切に電気的に制御するモータとを備える。
【0046】
上昇システム323は、好ましくは電気的に放射線センサ321を動かすのに適したリニアアクチュエータと、好ましくは上昇軸323aに沿った変動部とを備える。
【0047】
放射源31は、図9a及び9bに示すように、放射軸を画定するX線エミッタ311と、場合によっては、適切に縦軸1aとほぼ平行の傾斜軸を中心に、好ましくは実質的に静止したエミッタの焦点(焦点スポット)を実質的に保っているX線エミッタ311を回転させるのに適した傾斜システム312とを備える。
【0048】
傾斜システム312は、傾斜軸を中心にエミッタ311の回転の原因となるその長さを変化させるように、適切に電気的に動力化され、エミッタ311に対する一端、及び回転子33に対する他端にヒンジで取り付けられた伸縮可能な本体を備え、故に、感応する表面に対する放射軸の傾きの変動を含む。
【0049】
焦点と感応する表面間との距離は、実質的に1.4〜0.2mである。
【0050】
回転子33(図10、9a、及び9b)は、そこへ放射源31及び、縦軸1aに対する放射源31と反対側に、検出器32が接続された回転子板33aを備え;回転子板33aと共に、放射源31及び検出器32用の回転子収容容積を画定するのに適した回転子ケース33bを備える。
【0051】
回転子板33aは、少なくとも放射源31及び片持ちされた検出器32を支持するのに適している。
【0052】
回転子ケース33bは、固定子板33aと共に少なくとも1つの凸部を画定するように形づくられ、放射源31及び検出器32用の収容空間、及び少なくとも1つの凹部は、回転子ケース33bの輪郭を画定し、故に、回転子33の輪郭は、凸部の軸方向拡張部より小さな拡張部を有する。
【0053】
ここで、軸という用語は、本明細書の他の部分と同様に、縦軸1aに沿って計算された距離/長さ/測定値を特定する。
【0054】
特に、回転子ケース33b(図10)は、放射源31用の第1の収容区画3bを画定している第1の凸部33cと;縦軸1aに対して、第1の凸部33cと反対側の、検出器32用の第2の収容区画3cを画定している第2の凸部33dと;凸部33c及び33dによって相互に分けられ、凸部の軸方向拡張部よりも小さな軸方向拡張部を有し、適切に互いと同一である第1の凹部33e及び第2の凹部33fとを画定する。
【0055】
固定子34(図10)は、片持ちされた回転子33を実質的に支持するのに適しており、故に、回転子33は、固定子34の外側に実質的に位置する。
【0056】
固定子34は、固定子板34aであって、そこへ少なくとも回転子33上に存在する放射源31、検出器32、及び他の構成要素の制御装置が接続される固定子板34aと;固定子ケース34bであって、固定子板34aと共に、制御装置用の固定子収容容積を画定するのに適した固定子ケース34bと;及び、適切に、固定子板34aを、そしてそれゆえに固定子ケース34bを支持している軸受構造体4に対するガゼット板34cを備える。
【0057】
板33a及び34aは、互いに近接しており、ケース33bおよび34bは、プレート33a及び34aの対向側に配置される方法に留意されたい。
【0058】
回転部材35は、回転子33と一体の従車と;固定子板34aが回転子板33aを支持可能にするのに適した少なくとも1つのベアリングと;適切に電気的にエンコーダを取り付けられ、固定子板に接続され、例えば摩擦車又はベルトを介して、従車及びこのように回転子33の回転を制御するのに適したモータとを備える。
【0059】
固定子板34a、放射源31、検出器32、及び、もしガントリ3に接続している場合にはロボットアーム5、並びに、回転子板33aに配置される他の可能性がある構成要素に設置される制御装置との間のデータの移動を行うために、ガントリ3は、相互の回転の間に、固定子34と回転子33との間のデータ及び/又はエネルギーの移動を画定するのに適した(ケーブルホルダチェーン又はすべり接触のような)転送手段と;適切には、上記転送手段用の収容する隙間を作り出している板33aと34aとの間に、配置されるのに適した1つ以上のスペーサ35aとを備える方法に留意されたい。
【0060】
所望により、ガントリ3は、回転子板33aと一体の、放射源31の冷却システム36、及び、外科医において特定可能な手術者を補助するのに適したポインティング手段のうち少なくとも1つを備えることで、ガントリ3が中心にくるように合わせられ、それ故ベッド2に対して放射源31及び検出器32が中心に置かれ、したがって、患者が中心に置かれる。好ましくは、ガントリ3は、冷却システム36及びポインティング手段37の両方を備える。
【0061】
冷却システム36は、回転子板33aに片持して接続され、放射源31の近くに配置され、好ましくは、第1の区画3bにほぼ完全に収容される。
【0062】
ポインティング手段37は、ベッド2上へ投影するのに適した1つ以上のレーザー放射源、及び、特に、患者上に、ガントリ3を中央に置くための光学基準を備える。
【0063】
適切には、ポインティング手段37は、放射源に近く、放射軸に適切に平行なベッド2上の交差部を適切に投影する第1のレーザー放射源と;ベッドにおいて縦軸1aに平行な実質的に直線状のセグメントを、放射軸に適切に直角に投影するように、互いに対向しかつ相互に傾けられた2つの更なるレーザー放射源を備える。
【0064】
最後に、放射源31、検出器32、データ/エネルギーの伝達のためのケーブル、所望によりロボットアーム5、並びに、後述のように、存在する場合には、冷却システム36、及び/又は、ポインティング手段37は、回転子板33aに接続していることに留意されたい。
【0065】
ロボットアーム5は、特に、ベッド2に対して、例えば、放射線治療の放射源、患者に挿入される生体代行機器、及び/又は、ガントリ3に対する外科用機器(カニューレ、外科用メスなど)のような医療機器を動かすのに適している。好ましくは、ロボットアーム5は、外科用機器のガイド本体を動かすのに適している。
【0066】
ガイド本体といった表現は、干渉軸を画定するのに適した既知の機器を画定し、その干渉軸に沿って手術者が外科用機器を動かさなければならず、好ましくは、上記外科用機器の前後往復運動は、外科用機器を患者に挿入することができる最大深さを確認している。所望により、ガイド本体は、例えば切開/操作の長さを指示する任意の前後往復運動を画定してもよい。
【0067】
あるいは、ロボットアーム5によって可動の医療機器は、好ましい放射線形式の中で、例えば、問題の領域で外科用機器の動作/操作の確認といった関心部分の放射線確認を可能にするのに適した撮像手段を備える。
【0068】
各ロボットアーム5は、ロボットアーム5に対する少なくとも1つの医療機器の係合手段51を備える。
【0069】
係合手段51は、ロボットアーム5によって、係合可能でかつ可動な固有の医療機器を有するように、医療機器と一体である。
【0070】
あるいは、係合手段51は、医療機器を実施する手術及び/又は治療の形式に適応させるように、医療機器の変更を可能にするのに適している。したがって、それらは、医療機器を把持又は解放することが可能な把持部;及び、摺動軸を画定するのに適したガイド、並びに、好ましくは、係合手段51に対する器具の摺動前後往復運動部、並びに、このようなロボットアーム5のうち1つを備えてもよい。
【0071】
加えて、係合手段51は、制御するのに適し得て、詳細には、医療機器を使用し得る方法もまた留意されたい。例えば、それらは、クランプの開閉又は適切な接続によって上記撮像手段の起動若しくは停止を制御してもよい。
【0072】
ロボットアーム5は、ガントリに対して係合手段51を動かすのに適している。このような目的のために、ロボットアーム5は、関節でつながれ、開閉され又は部分的に閉じられる運動学的連鎖から形成される。
【0073】
ロボットアーム5は、断面において特定可能な、1つ以上の剛体52、及び、動かすのに適した、正確には、剛体52を相互に回転させる1つ以上の機械式継手53を備えてもよい。
【0074】
剛体52との間に、アームを少なくとも1つの上記可動台及びガントリのうち1つに接続するのに適した底部剛体52a、並びに、係合部51と一体の先端部剛体52bが、特定可能である。
【0075】
機械式継手53は、動かすのに適しており、正確には、ロボットアーム5に対して画定する剛体52を相互に回転させ、剛体52が相互に並置された格納姿勢(図2a〜2b、4a〜4b、6a〜6b)は、結果的に、ロボットアーム5がそれ自体に収縮され、係合手段51をベッド2と遠位に配置し、剛体52のうち少なくとも一部が相互に離れている少なくとも1つの展開姿勢(図1a〜1b、3a〜3b、5a〜5b)は、これによって、ロボットアーム5が解析領域3aに係合手段51を配置するように、特にベッド2と近位に、少なくとも部分的に展開される。
【0076】
格納姿勢において、剛体52は、上記展開姿勢の最小寸法に対して、ガントリ3の主拡張平面にて計算され、即ち展開姿勢より小さくなるように、展開姿勢の角度より小さな相互の発散角を有する。それ故、この格納姿勢では、ロボットアーム5は、最小寸法を有するようにそれ自体に収縮される。
【0077】
正確には、格納姿勢において、ロボットアーム5は、ガントリ3(図6a〜6b)の投影部に、ほぼ完全に入ってしまい、特に、回転子33の投影部に、より正確には、縦軸1aに沿った回転子ケース33bの投影部に入ってしまう。あるいは(図2a〜2b及び4a〜4b)、格納姿勢において、ロボットアーム5は、重力傾度に対して垂直の適切に計算され、解放された空洞部4aの高さよりも実質的に低い高さを有する。
【0078】
展開姿勢において、ロボットアーム5は、少なくとも部分的に展開され、したがって、上記最小寸法より大きな寸法を示す。
【0079】
詳細には、それは、解析領域3aの係合手段51を配置し、上面部2aに適切に向いている上記投影部から、即ちベッド2に対して底部41の向かい側の側面から突出する。場合によっては(図1a〜1b及び3a〜3b)、展開姿勢において、ロボットアーム5は、領域3aに手段51を配置し、上面部2aに適切に向いて、即ちベッド2に対して底部41と向かい側に向いて、凹部33e又は33fにあるように、解放された空洞部4aより大きな高さを有してもよい。
【0080】
2つの姿勢の間の移行又はロボットアーム5の他のいかなる動作も、間接的な運動学的機構又は直接的な運動学的機構によって画定されることができる方法に留意されたい。したがって、たとえ明示的に述べられるとしても、本明細書に記載されているロボットアーム5のあらゆる動作は、間接的な運動学的機構又は直接的な運動学的機構による制御ユニットによって画定されるという点に留意すべきである。
【0081】
間接的な運動学的機構といった表現は、操作空間の軌道を、即ち(係合手段51及びこのような医療機器よって特定可能な)ロボットアーム5の末端部分の計算経路を画定する。その結果、制御ユニットは、ロボットアーム5の末端部分の上記経路を画定するために、個々の機械式継手53の位置、速度、及び加速度を決定する。
【0082】
直接的な運動学的機構といった表現は、関節空間における軌道計算を確認し、その中におけるロボットアーム5の末端部分の経路よりはむしろ、個々の機械式継手53の位置、速度、及び加速度が画定される。その結果、ロボットアーム5の末端部分の経路は、ユニットによって画定されないが、機械式継手53の位置、速度、及び加速度の結果である。
【0083】
機械式継手53は、好ましくは2つの隣接する剛体52のうち1つの好適な拡張軸とほぼ直角をなす少なくとも1つの回転軸に沿って、互いに独立して及び剛体52を相互に回転するのに適している。特に、機械式継手53は、2つの異なった回転軸に沿って、互いに独立して及び剛体52を相互に回転するのに適しており、それぞれが、ほぼ横切り、正確には、隣接する剛体52のうち1つの好適な拡張軸にほぼ垂直に横切ることが好ましい。
【0084】
機械式継手53は、非限定的な例として、角柱状、球状、らせん状、円柱状、又はヒンジ状継手のような、電動又は非電動のさまざまな機種からなる。
【0085】
所望により、継手53は、可変剛性アクチュエータにて、即ち2つの剛体52との間に、及び/又は、剛体52と手段51との間に配置されるアクチュエータにて確認されてもよく、それらの間で剛性を変化させることによって、上述した2つの構成要素を相互に動かすのに適している。可変剛性アクチュエータの実施例は、欧州特許第2444207号(特許文献1)の[0030]〜[0088]項に記載され、当該欧州特許第2444207号(特許文献1)の図1〜7において示されている。欧州特許第2444207号(特許文献1)のこれらの項及び上記図面は、参考として本明細書に組み込まれている。
【0086】
機械式継手53の中で、先端部の機械式継手53aは、先端部の剛体52bと隣接する剛体52との間に配置される。
【0087】
先端部の機械式継手53aは、先端部の剛体52bを回転させるのに適しており、故に、少なくとも軸の周辺のロボットアーム5の残り部分に対する係合手段51を実質的に横向きに、及び、隣接する上記剛体52の好適な拡張軸に対して実質的にほぼ垂直に回転させるのに適している。好ましくは、先端部継手53aは、ほぼ横方向に2つの軸に沿って、より好ましくは、互いに垂直に、ロボットアーム5の残り部分に対して係合手段51を回転させるのに適している。
【0088】
各機械式継手53及び53aは、サーボモータ、即ち、上記モータによって与えられる、剛体52、52aと52bとの間の回転角を測定するのに好適なエンコーダを備え付けられた電動モータを備えて、安定してこのような角度を保持する。
【0089】
上述したロボットアーム5によって動かされる医療機器の交換を可能とするために、軸受構造体4は、取り出すことができる複数の医療機器を収容するのに適した搭載ステーションを備えてもよく、したがって、ロボットアーム5により用いられることができる。
【0090】
上記搭載ステーションは、解放された空洞部4aの内側に収容され、正確には、ロボットアーム5に近位の支柱42に対して接続される。
【0091】
別の形態として、搭載ステーションは、剛体52と一体のロボットアーム5に設けられる。
【0092】
革新的に、ロボットアーム5は、ロボットアーム5に作用する力/トルクを検出するのに適した力覚センサ55を少なくとも備えてもよい。
【0093】
少なくとも1つの上記力覚センサ55は、便宜上、図11〜13のみに示される。
【0094】
力覚センサ55は、係合手段51が、したがって、医療機器が関心部分に対して所望の位置に保持されることが可能なようにするのに適している。
【0095】
それは、以下の位置/速度の制御、力/トルクの制御、混成位置/力(いくつかの軸の位置及びその他のものの力/トルク)の制御、1つ以上の軸上の力/トルクよりはむしろインピーダンスの制御といった制御モードのうち少なくとも1つの機能を与える。軸という用語は、任意に画定した3本からなるデカルト軸を、機器、手段、又は周囲環境(例えば患者)によって一体的に識別するという点に留意すべきである。
【0096】
力覚センサ55は、排他的にではなく優先して、医療機器と、患者及び外科医の特定可能な周囲環境との間の相互作用力/トルクを測定することができる。
【0097】
特に、それは、患者と医療機器との間の相互作用力/トルクを測定し、またその測定に基づいてロボットアーム5が手段51、したがって、患者及び/又は特定の位置に作用する特定の力/トルクを有し、患者と接触する医療機器を保持する保持状態をロボットアーム5に対して画定するのに適している。
【0098】
代替的に又は追加的に、ロボットアーム5の保持状態において、力覚センサ55は、患者から係合手段51を所定の距離に保つ。
【0099】
適切には、力覚センサ55は、外科医によるロボットアーム5の力/トルクの相互作用を測定するのに適しており、そのようなものに基づいて、ロボットアーム5の動作は、力覚センサ55によって測定され、そして、このように手動でアームを動かすことが可能な手術者によって印加される力/トルクと実質的に比例する追跡状態をロボットアーム5に対して画定する。
【0100】
知覚センサの信号55を用いて、制御ユニットは、1つ以上の上記軸に対するロボットアームの回転及び/又は並進によって手術者が動かすことを可能にすることができる方法に留意されたい。
【0101】
場合によっては、制御ユニットは、一部の自由度を抑制することができ、したがって、医療機器が限定された数の抑制されない自由度を有することが可能であり、故に、力覚センサ55は、抑制されない自由度上でのみ、上記制御モードのうち少なくとも1つの実行を可能とする。例えば、制御ユニットは、ロボットアーム5に、上記軸に沿って力覚センサ55により測定される力に比例して、軸に沿って並進だけさせるよう命令し、そして、ロボットアーム5に、残りの軸に沿ってセンサによって測定された力、及び3本の軸に対して計算されたトルクに対抗するよう命令することができる。
【0102】
有利には、少なくとも1つの力覚センサ55は、医療機器と患者との間の相互作用力/トルク、若しくは外科医による相互作用力/トルク、及び/又は上記相互作用力/トルクの組み合わせを測定することができる。結果として、それは、保持状態及び追跡状態を選択的に画定するのに適している。
【0103】
少なくとも1つの力覚センサ55は、力覚センサ55で測定されるデータに基づき、保持及び追跡状態の間にロボットアーム5を制御する制御ユニットに接続される。
【0104】
保持から追跡状態への移行は、手術者により制御され、及び/又は自動的に制御ユニットで測定されることができる。
【0105】
ロボットアーム5は、医療機器と患者との間の相互作用力/トルク、外科医による相互作用力/トルク、及び、より適切には、上記相互作用力/トルクの組み合わせを測定するのに適した単一の力覚センサ55を備えてもよい。好ましくは単一の上記力覚センサ55は、先端部の剛体52bと残り部分のロボットアーム5との間に、より正確には、先端部の剛体52bと先端部の機械式継手53a(図11)との間に配置される。
【0106】
この場合、制御ユニットは、手術者によって示される命令に応じて、ロボットアーム5に保持又は追跡状態のうち1つを起動させるよう命令する。代替的に又は追加的に、ユニットは、ロボットアーム5に保持又は追跡状態のうち1つを起動させるよう、自動的に(即ち手術者の介入なしに)命令することができる。
【0107】
好ましくは、ロボットアーム5は、手術者がロボットアーム5を動かすことが可能な、手術者によって把持されるのに適したハンドル56を備えてもよい。
【0108】
ハンドル56は、便宜上、図11〜13においてのみ表される。
【0109】
上記ハンドル56は、先端部剛体52bと適切に一体で、力覚センサ55の下流側に配置される。下流側という用語は、ハンドルが、ロボットアーム5によって画定される運動学的機構に沿って、力覚センサ55より係合手段51の近くに配置されることを意味している。
【0110】
あるいは、ロボットアーム5は、2つの力覚センサ55を備えてもよく、そのため、医療機器と患者との間の相互作用力/トルク、及び外科医の作業による相互作用力/トルクは、互いに独立して、その自動的認識を可能にする2つの上記力覚センサ55によって測定される。
【0111】
この場合、外科医による相互作用力/トルクから、医療機器と患者との間の相互作用力/トルクを識別することが可能な制御ユニットは、ロボットアーム5に保持及び追跡状態のうち1つを起動させるよう自動的に命令することができる。
【0112】
単独で作用する医療機器と患者との間の相互作用力/トルク、及び外科医による相互作用力/トルクを有するため、2つの力覚センサ55は、互いと接触しない。特に、それらは、1つ以上の剛体52、52a、及び52bによって、好ましくは単一の剛体52又は52bによって、並びに、より好ましくは先端部剛体52bによって相互に分離される。
【0113】
適切には、ロボットアーム5は、手術者がロボットアーム5を動かすことが可能な、手術者によって把持されるのに適したハンドル56を備えてもよい。
【実施例1】
【0114】
2つの力覚センサ55の配置のうち第1の非限定的実施例(図12)は、ほぼ外科医による相互作用力/トルクだけを測定するような、ハンドル56と先端部本体52bとの間に配置された力覚センサ55;及び医療機器と患者との間の相互作用力/トルク、及び外科医による相互作用力/トルクの両方とも測定するような、先端部本体52bと先端部継手53aとの間に配置された他の力覚センサ55を提供する。
【0115】
本実施例では、医療機器と患者との間の相互作用力/トルク、及び、外科医による相互作用力/トルクを同時に適用する場合、制御ユニットは、2つの力覚センサ55の検出結果の差に基づく、医療機器と患者との間の相互作用力/トルクを決定することができる方法に留意されたい。
【実施例2】
【0116】
2つの力覚センサ55の配置のうち第2の非限定的実施例(図13)は、ほぼ外科医による相互作用力/トルクだけを測定するような、ハンドル56と先端部剛体52bとの間に配置される力覚センサ55;及びほぼ医療機器と患者との間の相互作用力/トルクのみを測定するような、先端部本体52bと係合手段51との間に配置される他の力覚センサ55を提供する。
【実施例3】
【0117】
2つの力覚センサ55の配置のうち第3の非限定的実施例は、医療機器と患者との間の相互作用力/トルク、及び外科医による相互作用力/トルクの両方とも測定するような、先端部本体52bと先端部継手53aとの間に配置される力覚センサ55;及びほぼ医療機器と患者との間の相互作用力/トルクのみを測定するような、先端部本体52bと係合手段51との間に配置される他の力覚センサ55を提供する。この場合、ハンドル56及び剛体の先端部本体52bは、一体となってもよい。
【0118】
この第3の実施例(第1の実施例のような)では、医療機器と患者との間の相互作用力/トルク、及び、外科医による相互作用力/トルクを同時に適用する場合、制御ユニットは、2つの力覚センサ55の検出結果の差に基づく、医療機器と患者との間の相互作用力/トルクを画定することができる方法に留意されたい。
【0119】
所望により、ロボットアーム5が、医療機器及び/又は患者と接触状態となるように、係合手段51に配置される追加の力覚センサ55を備えてもよい。
【0120】
追加の上記力覚センサ55は、上述の力覚センサ55と、実質的に類似している。
【0121】
軸受構造体4は、ガントリ3を支持するのに適した底部41と;底部41に対して上昇位置にベッド2を支持するのに適した少なくとも1つの支柱42と;底部41と適切に一体で、縦軸1aとほぼ平行して並進軸43aを画定するガイド43と;ガイド43に係合し、並進軸43aに沿ってガントリ3及びロボットアーム5を動かすのに好適な少なくとも1つの可動台44とを備える。
【0122】
ガイド43は、例えば、並進軸43aに沿って実質的に延在する少なくとも1つの可動台44の並進するリードスクリューと;適切に電気的な、並進軸43aの周囲でリードスクリューの回転を命令するモータとを備え、このように、上記軸43aに沿った少なくとも1つの可動台44の移動を構成してもよい。
【0123】
適切には、構造体4は、好ましくは枢動し、地面と底部41との間に位置するのに好適な車輪45を備え、デバイス1の移動を可能にしてもよい。
【0124】
底部41及び少なくとも1つの支柱42は、解放された空洞部4aを画定する。詳細には、解放された空洞部4aは、底部41によって、下部に、即ち地面周辺に画定され;支柱42の横方向の側面に沿って存在する場合;第2の支柱42の第1の側面の反対側の第2の横方向の側面に沿って;所望によりベッド2より上に画定される。結果的に、それは、縦軸1aとほぼ平行し、特に上面部2aに対してほぼ垂直に延在する上記空胴にアクセスするための2つの開いた横断面を有する。
【0125】
少なくとも1つの可動台44は、並進軸43aに沿ってガントリ3及びロボットアーム5を動かす可動台44を伴って摺動するように、ガントリ3(ガゼット板34cを介して)と、及びロボットアーム5に連結し、ガイド43に係合される。
【0126】
更に後述するように、ロボットアーム5は、少なくとも1つの可動台44(図1A、1b、2a、2b、3a、3b、4a、4b)に直接接続することができるという点に留意されたい。
【0127】
あるいは(後述するように)、ロボットアーム5は、少なくとも1つの可動台44に間接的に接続することができ、特に、少なくとも1つの可動台44に接続し、並進軸43aに沿ってその移動を可能とする少なくとも1つの可動台44に、ロボットアーム5を結びつけるガントリ3(図5A、5b、6a、及び6b)に接続することができる。
【0128】
以下では、結びつけられる用語によって一意に特定される表現「直接接続される」とは、所望により接続を成し遂げるために必要とされるものを除いて、互いに接続される構成要素の間に、更なる構成要素の欠如を確認するといった点を以下で留意されたい。逆に、以下では、関連付けられた用語によって一意に特定される表現「間接的に接続される」とは、互いに接続された構成要素の間に、所望により接続を成し遂げるために必要なそれらに加えて、更なる構成要素の存在を確認する(例えば、図5a、5b、6a、及び6bでは、ガントリ3がそれらの間にある限り、ロボットアーム5は、少なくとも1つの可動台44に連結される)。
【0129】
少なくとも1つの可動台44に直接接続しているロボットアーム5の場合、軸受構造体4は、並進軸43aに沿って、ガントリ及びロボットアームを同時に動かすように、ガントリ3及びロボットアーム5が接続される単一の可動台44(図1a、1b、2a、及び2b)を備えてもよい。
【0130】
少なくとも1つの可動台44に直接接続しているロボットアーム5の第2の実施例では、軸受構造体4は、即ち、並進軸43aに沿ってガントリ3を動かすのに好適なガントリ3に接続される第1の可動台44a、及びロボットアーム5に接続され、ガントリ3と独立して軸線43aに沿ってロボットアーム5を動かすのに好適な2つの可動台(図3a、3b、4a、及び4b)を備えてもよい。
【0131】
この場合、第1の可動台44a及び第2の可動台44bは、並進軸43aに沿って互いに独立して摺動し、正確には、電動化されるのに好適であってもよい。
【0132】
所望により、両方とも単一の可動台44、並びに2つの可動台44a及び44bの場合には、軸受構造体4は、ロボットアーム5ごとに、ロボットアーム5とそれぞれの可動台44又は44bとの間に配置され、動かすのに、特に、少なくとも並進するのに適した、少なくとも1つの移動機46にて、上記可動台44又は44bに対するロボットアーム5を備えてもよい。
【0133】
移動機46は、互いに、ほぼ横向きの、好ましくは実質的に垂直な摺動軸46a及び接近軸46bのうち少なくとも1つに沿ってロボットアーム5を動かすのに適している。
【0134】
適切には、移動機46は、摺動軸46aに沿ってのみ、又は、接近軸46bに沿ってのみロボットアーム5を動かすのに適している。あるいは、移動機46は、摺動軸46a、及び接近軸46bに沿ってロボットアーム5を動かすのに適している。
【0135】
摺動軸46a及び接近軸46bは、表面2aとほぼ平行である。
【0136】
摺動軸46aは、移動機46で、ほぼ完全に解放された空洞部4aの内部にあるパーキング位置(図2b及び4b);及び空胴4aから自由面の一部を通過して少なくとも部分的に突出する使用位置(図1b及び3b)を、ロボットアーム5が画定することができるように、実質的に横向き、及び特に縦軸1aに対して垂直である。好ましくは、摺動軸46aは、ほぼ水平、即ち重力傾度に対して垂直である。
【0137】
適切には、摺動軸46bに沿った移動機の前後往復運動は、2つの使用位置を有し、したがって、ロボットアーム5が空胴4aから各自由面を通過して突出することができるように、表面2aの幅に、少なくとも等しく、縦軸1aに対して垂直に計算されている。あるいは、デバイス1は、反対側からベッド2に向かうように、自由面の隣に2本のアーム5をそれぞれ提供してもよい。
【0138】
接近軸46bは、少なくとも単一の可動台44の場合には、回転子33とロボットアーム5との間の距離を、移動機46が変動することを可能にするように、縦軸1aと実質的に平行である。好ましくは、接近軸46bは、重力傾度に対してほぼ垂直である。
【0139】
所望により、移動機46は、回転の軸46cの周囲で、好ましくは縦軸1aに対してほぼ垂直である、より好ましくはほぼ鉛直である(即ち重力傾度とほぼ平行である)ロボットアーム5を回転させるのに適した回転台又は他の類似の機構を備える。
【0140】
詳細には、回転軸46cは、軸46a及び46bに対して実質的に垂直である。
【0141】
あるいは、可動台44又は44bへの接続に対して、ロボットアーム5は、ガントリ3に接続させることができ、正確には、回転子板33aに対して対向する固定子34の側面に配置されるように、適切に回転子33に接続させることができる。
【0142】
より好ましくは、デバイス1は、凹部33e及び33fのうち1つと対応して回転子33に接続している少なくとも1つのロボットアーム5、更により好ましくは、凹部33e及び33fと対応して回転子33に各々接続している2本のアーム5を備える。
【0143】
ロボットアーム5は、回転子ケース33bに一体的に、又は、好ましくは、図に示されない、回転子板33aに一体的に接続し、回転子ケースは、凹部33e及び33fのうち1つに、それ自体を位置付けている回転子ケース33bから突出するロボットアーム5を通じて開口部33gを有する。
【0144】
特に、ロボットアーム5は、図7及び9bに示すように、ロボットアーム5を回転子板33aに接続するのに適した接続プラットフォーム54を備え、正確には、回転子ケース33bの開口部を通じて回転子板33aからの突出するように、少なくとも部分的に回転子容積内に収容される底部剛体52aを備える。
【0145】
底部剛体52aは、好適な拡張軸を実質的に横方向にし、特に、回転子板に対して実質的に垂直にし、より具体的には、縦軸1aと実質的に平行にする。
【0146】
上記接続プラットフォーム54は、回転式のプラットフォームであることが好ましく、したがって、底部剛体52a、したがってロボットアーム5の回転軸54aを画定する。回転軸54aは、ほぼ横向きであり、特に、回転子板33aに対してほぼ垂直であり、より具体的には、縦軸1aと実質的に平行である。更により詳細には、回転軸は、実質的に平行であり、正確には、底部剛体52aの好適な軸と実質的に一致する。
【0147】
剛体52は、適切に直線的である。
【0148】
好ましくは、剛体52のうち1つ以上は、伸縮自在であり、即ちその長さを変化させるのに適している。より好ましくは、少なくとも底部剛体52aは、上記回転子ケース33bに対して回転子ケース33bに対向する剛体52を動かす好適な拡張軸に沿ったその拡張部、及び、縦軸1aに沿った係合手段51を変化させるように、伸縮自在である。
【0149】
制御ユニットは、上述した直接及び/又は間接的な運動学的機構によって、少なくともガントリ3及びロボットアーム5の操作及び動作を制御し命令するように、ケーブル及び/又はワイヤレス接続を介して、デバイス1の他の構成要素に接続している。
【0150】
それは、手術者がデバイス1を制御し、所望により放射線像を表示し分析可能にするのに適した、放射線撮像デバイス1及びインタフェース構成要素(タッチスクリーン、キーボードなど)を自動的に監視し、制御するのに適した制御カードを備える。
【0151】
加えて、制御ユニットは、使用中の医療機器及びロボットアーム5の位置、例えば、隣接した剛体52間と、隣接した剛体52(及び、所望により剛体52の長さ)に対する係合手段51の両方の傾斜角を認知し、命令するためのフロントエンドロボットを備え;適切には、機器及び搭載ステーション中のそれらの位置を知るための機器データベースを備え、それらを取り出すことができる。
【0152】
最後に、撮像デバイス1は、制御ユニットが個々の剛体52の位置を認知することを可能にしたロボットアーム5を監視するのに適した監視装置6を備えてもよく、したがって、制御ユニットが、他の対象物又は手術者との衝突を回避するロボットアーム5の位置を認知するのを可能にする。
【0153】
監視装置6は、少なくとも解析領域3a、即ち操作位置に相当するベッド2の一部、それ故、医療機器による介入のための患者の一部を撮影するのに適したロボットアーム5の確認/ナビゲーション手段(以下単に確認手段のみ)を備える。
【0154】
場合によっては、監視装置6は、1つ以上の標識を備え、デバイスの近くの対象物を空間的に通知するのに適した、好ましくは光学的な標識を備える。
【0155】
詳細には、監視装置6は、ロボットアーム5、特に剛体52と一体の1つ以上の標識を備えてもよい。あるいは、監視装置6は、確認手段が確認することができるように、医療機器に位置している1つ以上の標識を備えてもよく、したがって、ロボットアーム5によって操作される医療機器が、手術者によって動かされ、把持されるときに、空間的に通知する。更に代替的には、監視装置6は、ロボットアーム5と一体の1つ以上の標識、及び医療機器に位置している1つ以上の標識を備えてもよい。
【0156】
確認手段は、回転子33に接続しており、特に凸部33c及び33dのうち1つに接続しており、より具体的には、固定子34から最大の軸方向距離を有する回転子ケース33の表面/位置において特定可能な凸部33c及び33dの上部に接続している。
【0157】
詳細には、確認手段は、凸部33c及び33dのうち少なくとも1つにて、外部から回転子ケース33bに対する回転子33に接続しており、したがって、区画3b又は3cの内部ではない。あるいは、それらは、区画3b又は3cの内部に設置され、したがって、確認手段が少なくともロボットアーム5を撮影するために区画に配置されることを可能とするのに適した光学的窓を確認手段に取り付けることが好ましい。
【0158】
好ましくは、監視装置6は、第1の凸部33cに配置される単一の確認手段を備える。あるいは、上記単一の確認手段は、第2の凸部33dに配置される。更に代替的には、装置6は、凸部33c及び33dの最上部に、凸部33c及び33dの外側又は内側に各々配置される2つの確認手段を備える。
【0159】
確認手段は、光学的であり、カメラにて特定可能であることが好ましい。更に、監視装置6は、確認手段の各々に対して、回転子33に対する確認手段の移動機を備えてもよい。
【0160】
移動機は:好ましくは縦軸1aに実質的に平行な、より好ましくは、放射軸に対して実質的に垂直な軸に沿った確認手段の並進を制御するのに適したリニアアクチュエータと;縦軸1aに対して、より適切には、放射源の放射軸に対して最適にほぼ垂直な軸に沿った確認手段の回転を命令するのに適した回転装置のうち少なくとも1つを備える。
【0161】
所望により、移動機は、リニアアクチュエータと回転装置の両方を備える。
【0162】
構造的意味で上述した放射線撮像デバイスの機能は、以下の通りである。
【0163】
最初に、撮像デバイス1は、格納姿勢のロボットアーム5を有する。
【0164】
手術者は、患者をベッド2に配置した後、特に、少なくとも部分的な分析領域3aにて、撮像(例えば断層撮影法)の実行を命令し、3D断層撮影モデル及び図を評価して、操作位置及び軌道、言い換えると、医療機器が患者に、つまりベッド2に対して採択しなければならない座標及び/又は傾きを計画する。
【0165】
このような選択を確認した後、制御ユニットは、自動的に又は手術者によって与えられた命令に応答して、ロボットデータベースに基づき、所望の位置に到達するために追従されるべき軌道を決定する。例えば、それは、必要とされる剛体52、52a、と52bとの間の相互の角度を計算して、操作位置における医療機器の位置決めを可能にするロボットアーム5の所望の展開姿勢を画定する。
【0166】
ロボットアーム5が追従する経路は、本明細書に記載されるその他全ての動作と同様に、上述した直接及び/又は間接的な運動学的機構に基づいて決定されることができる方法に留意されたい。
【0167】
制御ユニットは、自動的に又は手術者によって与えられた命令に基づいて、操作空間における軌道又は継手空間における軌道を選択してもよい。
【0168】
適切には、制御ユニットは、係合手段51を伴う適切な医療機器が存在することを確認し、必要であれば、機器の変更を命じる。
【0169】
機器変更の場合には、ユニットは、可動台44を並進させ、手段51にある機器を置き、操作に必要とされる医療機器を取り出す搭載ステーションの方へロボットアーム5を動かす。
【0170】
所望の展開姿勢を決定し、係合手段51を伴う適切な医療機器の存在を確認した後、制御ユニットは、格納姿勢から上記所望の展開姿勢へロボットアーム5の移行を指示する。
【0171】
次に、ガントリ3に接続しているアームについては、ユニットは、回転子33に縦軸1aの周囲を回転し、所望の位置にロボットアーム5をもたらすよう指示する。
【0172】
あるいは、2つの可動台を有する軸受構造体4の場合には、制御ユニットは、第2の可動台44bに、単一の可動台44を有する軸受構造体4の場合には、可動台44に、ロボットアーム5が適切な位置に到達するまで、並進軸43aに沿って摺動するように指示する。同時に、ユニットは、ガントリ3にロボットアーム5の方へ凹部33e又は33fを動かし、及び/又は、摺動軸46aに沿って移動機46にロボットアーム5を動かすよう指示して、解放された空洞部4aからの退出を支持することができ、したがって、手段51によって操作位置に到達する。
【0173】
ここで、制御ユニットは、格納姿勢から上記所望の展開姿勢へロボットアーム5の通路を指示し、即ち、上記相互の傾斜角の到達まで、機械式継手53に剛体52を相互に回転させる。
【0174】
その結果、ロボットアーム5は、ユニットによって導かれ、係合手段51が解析領域3a、特に表面2aより上に、即ち操作位置に到達するまで、凹部33e及び33fのうち一方を通じて解析領域3aの方へ展開し始める。
【0175】
展開姿勢の達成は、係合手段51を回転させることにより、ベッド2、したがって、患者に対して適切な傾きで医療機器を配置した先端部の機械式継手53aによって完了する。
【0176】
所望により、制御ユニットは、ロボットアーム5に、剛体52の相互の傾きに加えて、1つ以上の伸縮自在の剛体52の長さを変化させることにより、所望の展開姿勢をとるよう指示することができる。
【0177】
ロボットアーム5は、手段51、結果的に、凸部33cと33dとの間、即ち操作位置に重ね合わせた係合手段51及び医療機器から放射線捕捉の実行を可能にする放射源31と検出器32との間に、医療機器を配置する方法に留意されたい。このような凸部33cと33dとの間の係合手段51の配置もまた、上記係合手段51を装置6に対して認識可能にする。
【0178】
ロボットアーム5の動作もまた、監視装置6によって撮影され、操作領域を撮影したユニットが、ロボットアーム5の位置を確かめることができ、このように、他の対象物又は手術者による衝撃又は衝突を回避する。
【0179】
ここで手術が開始される。
【0180】
手術者は、例えば、ロボットアーム5によって占有した反対側の凹部33e及び33fから操作位置に接近する外科用メスを取り出し、医療機器を挿入して、このようにそれを所望の深さで配置して、所望の長さの切開を行う。
【0181】
所望により、このような切開作業は、制御ユニットによって誘導されてもよく、手術者によって入力された情報に基づいて、操作軌道及び長さを決定し、このようなものに基づいて、上記経路に沿って係合手段51の移動を指示する。
【0182】
この移動は、剛体52及び/若しくは回転子33との間の回転、並びに/又は可動台44若しくは44bの並進によって達成される。
【0183】
最後に、操作の実行を向上させるために、放射線デバイス1は、手術の間に、例えば呼吸に起因する操作位置の移動に追従するようにユニットにより用いられる放射線捕捉の確認(好ましくは蛍光透視法)を行い、ロボットアーム5を利用して、上記移動にもかかわらず医療機器を適切な位置に保つことができる。
【0184】
上記に構造的及び機能的に記載された、放射線撮像デバイスによって、革新的な使用方法が画定されることができる。
【0185】
このような使用方法は、空間的な位置におけるロボットアーム5の位置決め工程、医療機器の空間的な位置の保持工程、及び、所望により、空間的な位置決めの1つ以上の反復工程を備える。
【0186】
位置決め工程は、手術者が、ベッド2に、したがって、おそらくその上に配置される患者に対する医療機器の所望の位置を画定する工程を提供する。
【0187】
この工程では、手術者は、所望の空間的な位置に医療機器を配置することによってロボットアーム5を動かす。
【0188】
制御ユニットは、少なくとも1つの力覚センサ55の信号、又は、手術者によって与えたれた命令を追従する信号のおかけで自動的に、追跡状態のロボットアーム5を配置する。
【0189】
正確には、2つの力覚センサ55については、制御ユニットが、患者によって作用する力に対して、手術者によってロボットアーム5に作用する力を区別して、このように追跡状態でロボットアーム5を配置することが可能である。あるいは、一方の力覚センサ55については、手術者は、その者がロボットアーム5に力を印加するであろうユニットに通知し、そのため、ユニットが追跡状態のロボットアーム5を配置する。
【0190】
具体的には、手術者は、力をロボットアーム5に、特にそれを動かす係合手段51に印加する。この力は、制御ユニットに信号を送信する少なくとも1つの力覚センサ55よって検出され、このような信号の受信に応じて、制御ユニットが、ロボットアーム5に手術者によって命令される動作を可能にするよう命令する。
【0191】
より具体的には、少なくとも1つの力覚センサ55は、各々の検出軸に対して、ロボットアーム5に作用する力/トルク構成要素を検出し、各方向に、上記構成要素と比例した移動を可能にする制御ユニットにこれらの構成要素を送信する。
【0192】
一旦手術者がアームに印加するのを中断すると、制御ユニットは、手術者による力の欠如を示し、保持状態でロボットアーム5を配置する。あるいは、制御ユニットは、手術者によって与えられた命令の後、保持状態への移行を指示する。
【0193】
正確には、2つの力覚センサ55については、制御ユニットは、手術者によって作用する力から、患者によってロボットアーム5に作用する力を区別して、このように保持状態でロボットアーム5を配置することが可能である。あるいは、一方の力覚センサ55については、手術者は、その者がロボットアーム5に力を印加するのを止めるであろうユニットに通知し、そのため、ユニットが追跡状態にロボットアーム5を至らせる。
【0194】
同時に、制御ユニットは、ロボットアーム5の位置に対するデータを保存する。
【0195】
より具体的には、ロボットアーム5の位置決めを完了した後、即ち手術者がいかなる動作もアームに課さない場合、制御ユニットは、ロボットアーム5を制限して、アームに、即ち患者とロボットアーム5との間に作用させる圧力に対して少なくとも1つの力覚センサ55から来るデータを保存する。
【0196】
あるいは、位置決め工程は、制御ユニットによって実行されてもよく、適切には、手術者よって与えられる命令に基づいて、所望の空間的な位置にロボットアーム5の配置を指示する。
【0197】
ロボットアーム5の空間的な位置に対してデータを保存した後、特に、少なくとも1つの力覚センサ55によって検出された圧力に対して、位置決め工程が完了し、空間的な位置の保持工程が始まる。
【0198】
この段階では、ロボットアーム5は、保持状態で維持している。
【0199】
ここで制御ユニットは、少なくとも1つの力覚センサ55からデータを使用して、適切な位置にロボットアーム5を維持し、このように、係合手段51及び医療機器は、それに連結される。
【0200】
特に、制御ユニットは、例えば、呼吸に起因する動作のような患者の動きがある場合でさえ、センサ55によって検出された実質的に一定の圧力を保つようなアームに動作を課す。
【0201】
あるいは、位置決め工程及び学習工程は、標識、及び好ましくは制御ユニットにデータ接続中の少なくとも1つの力覚センサ55を提供した医療機器を用いて実施されることができる。この場合、位置決め工程は、所望の空間的な位置にて、ロボットアーム5に取り付けられない医療機器を把持して、配置することを手術者に提供し、それにより確認手段が、医療機器上の標識を用いて、医療機器の空間的な位置を記録することを可能にする。加えて、その者は、少なくとも1つの力覚センサ55によって検出され、制御ユニットに伝達される特定の圧力を有する患者と接触する医療機器を配置してもよい。
【0202】
このような保持工程が完了した場合、停止工程が開始される。
【0203】
この工程では、手術者は、ロボットアーム5、したがって、少なくとも1つの力覚センサ55のおかげでこのような力を検出する制御ユニットを動かし、保存した空間的な位置から離れて動作中のロボットアーム5に手術者に追従するよう指示する。
【0204】
あるいは、制御ユニットは、手術者によって与えられた命令に応じて、初期位置へのロボットアーム5の帰還を課す。
【0205】
手術者が、保存した空間的な位置にもう1度ロボットアーム5を配置することを望む場合、使用方法によって、繰り返す位置決め工程及び保持工程のうち少なくとも1つの工程を提供されてもよい。
【0206】
この工程では、手術者は、実質的に、及び、少なくとも部分的に位置決め工程を繰り返すことによって、ロボットアーム5、正確には係合手段51を配置し、したがって、医療機器は、すでに保存された空間的な位置に配置される。
【0207】
制御ユニットは、機械式継手53及び53aのサーボモータ、並びに/又は監視装置6のおかげで、保存した空間的な位置に達したことを確認し、このように、保持工程の実行を命令する。
【0208】
あるいは、位置は、手術者によって与えられる適切な命令に応じて、ロボットアーム5によって自動的に集約されることができる。
【0209】
この場合、制御ユニットは、以前の位置決め工程における保存データを用いて、自動的に又は手術者によって与えられた命令に基づいて、記憶された空間的な位置にて医療機器の配置を指示し、力覚センサ55のおかげで、患者による適切な接触圧力にて医療機器を配置して保つ。
【0210】
本発明は、いくつかの重要な利点を達成する。
【0211】
第1の重要な利点が、可動台及びガントリ3のうち1つに接続しているロボットアーム1は、絶対的及び限定的な方法で空間的に上記ガントリ3に関連づけられており、したがって、デバイスに外部の複雑かつ面倒な測定システムを必要としないという事実にある。
【0212】
そのうえ、この態様は、回転子33の特別な形状によって更に増加し、それによって、ロボットアーム5が凹部33e又は33fを通じて解析領域3aに接近し、場合によっては、ロボットアーム5を凹部33f又は33eの回転子に接続することができる。
【0213】
例えば、手術者がロボットアーム5によって妨げられる位置を採択することを必要とする場合、制御ユニットは、確認手段のおかげで、このような差し迫った危険を検出して、ロボットアーム5及び/又は回転子33に、手術者が係合手段51のない位置に到達するのを可能にする移動を課し、このように、医療機器は操作位置に対して動かされる。
【0214】
この状態は、デバイス1上のロボットアーム5の一体化によって達成され、このように、制御ユニットの存在によってガントリ3及びロボットアーム5に命令させることができ、したがって、ガントリ3及びロボットアーム5の動作を同期させている。
【0215】
この利点は、制御ユニットが手術者の位置を検出することを可能にするように、医療機器が動かされて、ロボットアーム5を用いずに手術者によって直接把持される場合でも、1つ以上の標識を医療機器に配置することによって増加する方法に留意されたい。
【0216】
重要な利点は、回転子33での確認手段の、特に凸部33c及び/又は33dの革新的な配置によって与えられ、それによって、上記手段は、手術者及び/又は他の構成要素が視認性を妨げ、領域の適切な撮影を阻止する危険のない操作位置を撮影することができる。
【0217】
実際には、例えば手術者が動かす場合、確認手段の視界を妨げる制御ユニットは、アームを適切に見ることが確認手段の不可能なことを検出し、このように回転子33に回転するよう命令して、ロボットアーム5を調べるための最適位置に確認手段を配置する。
【0218】
このような利点は、回転子33に対して確認手段を動かすことによる移動機の存在下で達成され、上記確認手段にロボットアーム5の最適な視界を約束する。
【0219】
そのうえ、回転子33と通信する確認手段の配置、並びに、特に凸部33c及び/又は33dは、ロボットアーム5及び確認手段を、それら相対位置の連続的な校正/調整を過剰にする絶対的及び限定的な方法で、互いに対して空間的であるようにする。
【0220】
制御ユニットが手術者の位置を検出することを可能にするように、医療機器が動かされて、ロボットアーム5を用いずに機器によって直接把持される場合でも、1つ以上の標識を医療機器に配置することにより、この利点が増す方法に留意されたい。
【0221】
別の利点は、回転子33に接続され、特に凹部33e又は33fに配置されるロボットアーム5は、操作を遅くし、又は、ケーブル及び患者に結びついた管と干渉するような動作又は中断を手術者に課すことなく、患者のすべての部分に容易に到達することができるといった事実である。
【0222】
重要な利点は、ガントリ3及びロボットアーム5を動かすための同じガイド43を用いた撮像デバイス1は、非常に単純に構成され、コストが削減されるといった事実である。
【0223】
そのうえ、ガントリ3及びロボットアーム5を動かすための同じガイド43の使用は、それらの位置の測定誤差のリスクを低下させ、ガントリ3及びロボットアーム5を相互に空間的に通知する際の最大精度を決定する。
【0224】
別の利点は、解放された空洞部4aに留まるガイド43に沿って摺動することが可能なロボットアーム5は、操作を遅くし、又は、ケーブル及び患者に結びついた管と干渉するような動作又は中断を手術者に課すことなく、患者のすべての部分に容易に到達することができるといった事実である。
【0225】
更なる重要な利点は、凹部33e及び33f、並びに、ロボットアーム5及び確認手段の特定の配置の存在下で与えられ、放射線撮像デバイス1が、従来のデバイスに対して手術者により大きな動作の自由度を提供するといった事実である。
【0226】
そのうえ、凹部33e及び33fは、手術者が操作領域への最適な接近手段を有することができ、とりわけ、デバイス1に、走査を実行して、リアルタイムで患者及び操作の進行に対するロボットアーム5の位置を監視する。
【0227】
同じく重要な別の利点は、凹部33e又は33fにおけるロボットアーム5の配置は、使用空間を最適化して、それによって、ロボットアームを有するガントリの全体寸法を縮小し、デバイス1の運搬を容易にすることである。
【0228】
特に、このような最適な空間の使用は、実質的にロボットアームのない従来のガントリの寸法に等しい寸法を有し、連結した1つ又は2つのロボットアーム5を有するガントリ3を可能にする。
【0229】
最後の利点は、医師又は別の人が、彼ら自身の負傷、又はロボットアーム5への衝突によってアームに損害をあたえるのを防止することを可能にする、可変なコンプライアンスアクチュエータにて特定可能な機械式継手53及び53aを用いて与えられる。
【0230】
事実、これらの特定のアクチュエータは、可能性がある衝撃を吸収することが可能である。加えて、可能性がある衝撃によって決定される変位を測定することが可能であることによって、それらは、衝撃の後、失われた所望の位置を元に戻すことを可能にする。
【0231】
別の重要な利点は、手術者により容易に取り戻せる1つ以上の空間的な位置を画定することによって、ロボットアーム5の迅速かつ容易な位置決めを可能にする使用方法によって提供される。
【0232】
実際には、この方法によって、デバイス1が、保存されることによって、手術者による連続制御無しに獲得することができるロボットアーム5の1つ以上の空間的な位置を有することができる。
【0233】
加えて、革新的な保持工程によって、ロボットアームが、例えば呼吸に起因する、患者の動きを補正することができ、したがって、常に最適な位置に医療機器がいる。
【0234】
変形形態は、独立請求項、及び、相対的な技術的等価物に記載されている本発明の概念の要旨を逸脱しない範囲で、本発明になされ得る。上記範囲において、すべての詳細は、等価な構成要素及び材料により置き換えられてもよく、形状及び寸法は所望通りでもよい。
【0235】
例えば、ガントリ3は、回転子33及び固定子34の代わりに、伸縮自在であってよく、即ち、伸縮自在型ケースを提供して、その内側に放射源31、検出器32、及びガントリ3の拡張経路に実質的に沿った伸展部を収容してもよく、そして、内部収容容積と、縦軸1aの周囲で、円形の拡張軌道に沿って、放射源31及び/又は検出器32の回転を画定するのに適した少なくとも1つの内部移動機とを収容する。
【0236】
伸縮自在のケースは、上記ガントリ3の円形の拡張軌道に沿ったガントリの角度の拡張を変更するように、アーチ型の底部モジュール及びアーチ型の底部モジュールに対する可動式アーチ型モジュールを備える。
【0237】
この場合、ロボットアーム5が、ガントリ3に接続しているならば、底部のアーチ型モジュールに接続されることができる。あるいは、ロボットアーム5は、移動式アーチ型モジュールに接続される。
【0238】
好ましくは、デバイス1は、縦軸1aに、適切には上面部2aに実質的に横向きの回転軸周辺で、少なくともガントリ3の回転手段を備えることもできる。
【0239】
回転手段は、単一の可動台デバイスの場合には、ガントリ3及びロボットアーム5を同時に回転させるように、可動台44(又は第1の可動台44a)とロボットアーム5を加えたガントリ組立体3との間に配置される。
【0240】
このような伸縮自在のガントリ3は、したがって、伸縮自在型の筐体、内部移動機、少なくともガントリ3の回転手段、使用可能な補正部材、及び任意の1つ以上のカバーブロックが、イタリア国発明特許第MI2014A001296号(特許文献2)の7ページ10行目〜26ページ22行目、及び図1a〜5に記載されている。イタリア国発明特許第MI2014A001296号(特許文献2)のこれらの項及び上記図面は、参考として本明細書に組み込まれる。
図1a
図1b
図2a
図2b
図3a
図3b
図4a
図4b
図5a
図5b
図6a
図6b
図7
図8
図9a
図9b
図10
図11
図12
図13