【実施例3】
【0117】
2つの力覚センサ55の配置のうち第3の非限定的実施例は、医療機器と患者との間の相互作用力/トルク、及び外科医による相互作用力/トルクの両方とも測定するような、先端部本体52bと先端部継手53aとの間に配置される力覚センサ55;及びほぼ医療機器と患者との間の相互作用力/トルクのみを測定するような、先端部本体52bと係合手段51との間に配置される他の力覚センサ55を提供する。この場合、ハンドル56及び剛体の先端部本体52bは、一体となってもよい。
【0118】
この第3の実施例(第1の実施例のような)では、医療機器と患者との間の相互作用力/トルク、及び、外科医による相互作用力/トルクを同時に適用する場合、制御ユニットは、2つの力覚センサ55の検出結果の差に基づく、医療機器と患者との間の相互作用力/トルクを画定することができる方法に留意されたい。
【0119】
所望により、ロボットアーム5が、医療機器及び/又は患者と接触状態となるように、係合手段51に配置される追加の力覚センサ55を備えてもよい。
【0120】
追加の上記力覚センサ55は、上述の力覚センサ55と、実質的に類似している。
【0121】
軸受構造体4は、ガントリ3を支持するのに適した底部41と;底部41に対して上昇位置にベッド2を支持するのに適した少なくとも1つの支柱42と;底部41と適切に一体で、縦軸1aとほぼ平行して並進軸43aを画定するガイド43と;ガイド43に係合し、並進軸43aに沿ってガントリ3及びロボットアーム5を動かすのに好適な少なくとも1つの可動台44とを備える。
【0122】
ガイド43は、例えば、並進軸43aに沿って実質的に延在する少なくとも1つの可動台44の並進するリードスクリューと;適切に電気的な、並進軸43aの周囲でリードスクリューの回転を命令するモータとを備え、このように、上記軸43aに沿った少なくとも1つの可動台44の移動を構成してもよい。
【0123】
適切には、構造体4は、好ましくは枢動し、地面と底部41との間に位置するのに好適な車輪45を備え、デバイス1の移動を可能にしてもよい。
【0124】
底部41及び少なくとも1つの支柱42は、解放された空洞部4aを画定する。詳細には、解放された空洞部4aは、底部41によって、下部に、即ち地面周辺に画定され;支柱42の横方向の側面に沿って存在する場合;第2の支柱42の第1の側面の反対側の第2の横方向の側面に沿って;所望によりベッド2より上に画定される。結果的に、それは、縦軸1aとほぼ平行し、特に上面部2aに対してほぼ垂直に延在する上記空胴にアクセスするための2つの開いた横断面を有する。
【0125】
少なくとも1つの可動台44は、並進軸43aに沿ってガントリ3及びロボットアーム5を動かす可動台44を伴って摺動するように、ガントリ3(ガゼット板34cを介して)と、及びロボットアーム5に連結し、ガイド43に係合される。
【0126】
更に後述するように、ロボットアーム5は、少なくとも1つの可動台44(
図1A、1b、2a、2b、3a、3b、4a、4b)に直接接続することができるという点に留意されたい。
【0127】
あるいは(後述するように)、ロボットアーム5は、少なくとも1つの可動台44に間接的に接続することができ、特に、少なくとも1つの可動台44に接続し、並進軸43aに沿ってその移動を可能とする少なくとも1つの可動台44に、ロボットアーム5を結びつけるガントリ3(
図5A、5b、6a、及び6b)に接続することができる。
【0128】
以下では、結びつけられる用語によって一意に特定される表現「直接接続される」とは、所望により接続を成し遂げるために必要とされるものを除いて、互いに接続される構成要素の間に、更なる構成要素の欠如を確認するといった点を以下で留意されたい。逆に、以下では、関連付けられた用語によって一意に特定される表現「間接的に接続される」とは、互いに接続された構成要素の間に、所望により接続を成し遂げるために必要なそれらに加えて、更なる構成要素の存在を確認する(例えば、
図5a、5b、6a、及び6bでは、ガントリ3がそれらの間にある限り、ロボットアーム5は、少なくとも1つの可動台44に連結される)。
【0129】
少なくとも1つの可動台44に直接接続しているロボットアーム5の場合、軸受構造体4は、並進軸43aに沿って、ガントリ及びロボットアームを同時に動かすように、ガントリ3及びロボットアーム5が接続される単一の可動台44(
図1a、1b、2a、及び2b)を備えてもよい。
【0130】
少なくとも1つの可動台44に直接接続しているロボットアーム5の第2の実施例では、軸受構造体4は、即ち、並進軸43aに沿ってガントリ3を動かすのに好適なガントリ3に接続される第1の可動台44a、及びロボットアーム5に接続され、ガントリ3と独立して軸線43aに沿ってロボットアーム5を動かすのに好適な2つの可動台(
図3a、3b、4a、及び4b)を備えてもよい。
【0131】
この場合、第1の可動台44a及び第2の可動台44bは、並進軸43aに沿って互いに独立して摺動し、正確には、電動化されるのに好適であってもよい。
【0132】
所望により、両方とも単一の可動台44、並びに2つの可動台44a及び44bの場合には、軸受構造体4は、ロボットアーム5ごとに、ロボットアーム5とそれぞれの可動台44又は44bとの間に配置され、動かすのに、特に、少なくとも並進するのに適した、少なくとも1つの移動機46にて、上記可動台44又は44bに対するロボットアーム5を備えてもよい。
【0133】
移動機46は、互いに、ほぼ横向きの、好ましくは実質的に垂直な摺動軸46a及び接近軸46bのうち少なくとも1つに沿ってロボットアーム5を動かすのに適している。
【0134】
適切には、移動機46は、摺動軸46aに沿ってのみ、又は、接近軸46bに沿ってのみロボットアーム5を動かすのに適している。あるいは、移動機46は、摺動軸46a、及び接近軸46bに沿ってロボットアーム5を動かすのに適している。
【0135】
摺動軸46a及び接近軸46bは、表面2aとほぼ平行である。
【0136】
摺動軸46aは、移動機46で、ほぼ完全に解放された空洞部4aの内部にあるパーキング位置(
図2b及び4b);及び空胴4aから自由面の一部を通過して少なくとも部分的に突出する使用位置(
図1b及び3b)を、ロボットアーム5が画定することができるように、実質的に横向き、及び特に縦軸1aに対して垂直である。好ましくは、摺動軸46aは、ほぼ水平、即ち重力傾度に対して垂直である。
【0137】
適切には、摺動軸46bに沿った移動機の前後往復運動は、2つの使用位置を有し、したがって、ロボットアーム5が空胴4aから各自由面を通過して突出することができるように、表面2aの幅に、少なくとも等しく、縦軸1aに対して垂直に計算されている。あるいは、デバイス1は、反対側からベッド2に向かうように、自由面の隣に2本のアーム5をそれぞれ提供してもよい。
【0138】
接近軸46bは、少なくとも単一の可動台44の場合には、回転子33とロボットアーム5との間の距離を、移動機46が変動することを可能にするように、縦軸1aと実質的に平行である。好ましくは、接近軸46bは、重力傾度に対してほぼ垂直である。
【0139】
所望により、移動機46は、回転の軸46cの周囲で、好ましくは縦軸1aに対してほぼ垂直である、より好ましくはほぼ鉛直である(即ち重力傾度とほぼ平行である)ロボットアーム5を回転させるのに適した回転台又は他の類似の機構を備える。
【0140】
詳細には、回転軸46cは、軸46a及び46bに対して実質的に垂直である。
【0141】
あるいは、可動台44又は44bへの接続に対して、ロボットアーム5は、ガントリ3に接続させることができ、正確には、回転子板33aに対して対向する固定子34の側面に配置されるように、適切に回転子33に接続させることができる。
【0142】
より好ましくは、デバイス1は、凹部33e及び33fのうち1つと対応して回転子33に接続している少なくとも1つのロボットアーム5、更により好ましくは、凹部33e及び33fと対応して回転子33に各々接続している2本のアーム5を備える。
【0143】
ロボットアーム5は、回転子ケース33bに一体的に、又は、好ましくは、図に示されない、回転子板33aに一体的に接続し、回転子ケースは、凹部33e及び33fのうち1つに、それ自体を位置付けている回転子ケース33bから突出するロボットアーム5を通じて開口部33gを有する。
【0144】
特に、ロボットアーム5は、
図7及び9bに示すように、ロボットアーム5を回転子板33aに接続するのに適した接続プラットフォーム54を備え、正確には、回転子ケース33bの開口部を通じて回転子板33aからの突出するように、少なくとも部分的に回転子容積内に収容される底部剛体52aを備える。
【0145】
底部剛体52aは、好適な拡張軸を実質的に横方向にし、特に、回転子板に対して実質的に垂直にし、より具体的には、縦軸1aと実質的に平行にする。
【0146】
上記接続プラットフォーム54は、回転式のプラットフォームであることが好ましく、したがって、底部剛体52a、したがってロボットアーム5の回転軸54aを画定する。回転軸54aは、ほぼ横向きであり、特に、回転子板33aに対してほぼ垂直であり、より具体的には、縦軸1aと実質的に平行である。更により詳細には、回転軸は、実質的に平行であり、正確には、底部剛体52aの好適な軸と実質的に一致する。
【0147】
剛体52は、適切に直線的である。
【0148】
好ましくは、剛体52のうち1つ以上は、伸縮自在であり、即ちその長さを変化させるのに適している。より好ましくは、少なくとも底部剛体52aは、上記回転子ケース33bに対して回転子ケース33bに対向する剛体52を動かす好適な拡張軸に沿ったその拡張部、及び、縦軸1aに沿った係合手段51を変化させるように、伸縮自在である。
【0149】
制御ユニットは、上述した直接及び/又は間接的な運動学的機構によって、少なくともガントリ3及びロボットアーム5の操作及び動作を制御し命令するように、ケーブル及び/又はワイヤレス接続を介して、デバイス1の他の構成要素に接続している。
【0150】
それは、手術者がデバイス1を制御し、所望により放射線像を表示し分析可能にするのに適した、放射線撮像デバイス1及びインタフェース構成要素(タッチスクリーン、キーボードなど)を自動的に監視し、制御するのに適した制御カードを備える。
【0151】
加えて、制御ユニットは、使用中の医療機器及びロボットアーム5の位置、例えば、隣接した剛体52間と、隣接した剛体52(及び、所望により剛体52の長さ)に対する係合手段51の両方の傾斜角を認知し、命令するためのフロントエンドロボットを備え;適切には、機器及び搭載ステーション中のそれらの位置を知るための機器データベースを備え、それらを取り出すことができる。
【0152】
最後に、撮像デバイス1は、制御ユニットが個々の剛体52の位置を認知することを可能にしたロボットアーム5を監視するのに適した監視装置6を備えてもよく、したがって、制御ユニットが、他の対象物又は手術者との衝突を回避するロボットアーム5の位置を認知するのを可能にする。
【0153】
監視装置6は、少なくとも解析領域3a、即ち操作位置に相当するベッド2の一部、それ故、医療機器による介入のための患者の一部を撮影するのに適したロボットアーム5の確認/ナビゲーション手段(以下単に確認手段のみ)を備える。
【0154】
場合によっては、監視装置6は、1つ以上の標識を備え、デバイスの近くの対象物を空間的に通知するのに適した、好ましくは光学的な標識を備える。
【0155】
詳細には、監視装置6は、ロボットアーム5、特に剛体52と一体の1つ以上の標識を備えてもよい。あるいは、監視装置6は、確認手段が確認することができるように、医療機器に位置している1つ以上の標識を備えてもよく、したがって、ロボットアーム5によって操作される医療機器が、手術者によって動かされ、把持されるときに、空間的に通知する。更に代替的には、監視装置6は、ロボットアーム5と一体の1つ以上の標識、及び医療機器に位置している1つ以上の標識を備えてもよい。
【0156】
確認手段は、回転子33に接続しており、特に凸部33c及び33dのうち1つに接続しており、より具体的には、固定子34から最大の軸方向距離を有する回転子ケース33の表面/位置において特定可能な凸部33c及び33dの上部に接続している。
【0157】
詳細には、確認手段は、凸部33c及び33dのうち少なくとも1つにて、外部から回転子ケース33bに対する回転子33に接続しており、したがって、区画3b又は3cの内部ではない。あるいは、それらは、区画3b又は3cの内部に設置され、したがって、確認手段が少なくともロボットアーム5を撮影するために区画に配置されることを可能とするのに適した光学的窓を確認手段に取り付けることが好ましい。
【0158】
好ましくは、監視装置6は、第1の凸部33cに配置される単一の確認手段を備える。あるいは、上記単一の確認手段は、第2の凸部33dに配置される。更に代替的には、装置6は、凸部33c及び33dの最上部に、凸部33c及び33dの外側又は内側に各々配置される2つの確認手段を備える。
【0159】
確認手段は、光学的であり、カメラにて特定可能であることが好ましい。更に、監視装置6は、確認手段の各々に対して、回転子33に対する確認手段の移動機を備えてもよい。
【0160】
移動機は:好ましくは縦軸1aに実質的に平行な、より好ましくは、放射軸に対して実質的に垂直な軸に沿った確認手段の並進を制御するのに適したリニアアクチュエータと;縦軸1aに対して、より適切には、放射源の放射軸に対して最適にほぼ垂直な軸に沿った確認手段の回転を命令するのに適した回転装置のうち少なくとも1つを備える。
【0161】
所望により、移動機は、リニアアクチュエータと回転装置の両方を備える。
【0162】
構造的意味で上述した放射線撮像デバイスの機能は、以下の通りである。
【0163】
最初に、撮像デバイス1は、格納姿勢のロボットアーム5を有する。
【0164】
手術者は、患者をベッド2に配置した後、特に、少なくとも部分的な分析領域3aにて、撮像(例えば断層撮影法)の実行を命令し、3D断層撮影モデル及び図を評価して、操作位置及び軌道、言い換えると、医療機器が患者に、つまりベッド2に対して採択しなければならない座標及び/又は傾きを計画する。
【0165】
このような選択を確認した後、制御ユニットは、自動的に又は手術者によって与えられた命令に応答して、ロボットデータベースに基づき、所望の位置に到達するために追従されるべき軌道を決定する。例えば、それは、必要とされる剛体52、52a、と52bとの間の相互の角度を計算して、操作位置における医療機器の位置決めを可能にするロボットアーム5の所望の展開姿勢を画定する。
【0166】
ロボットアーム5が追従する経路は、本明細書に記載されるその他全ての動作と同様に、上述した直接及び/又は間接的な運動学的機構に基づいて決定されることができる方法に留意されたい。
【0167】
制御ユニットは、自動的に又は手術者によって与えられた命令に基づいて、操作空間における軌道又は継手空間における軌道を選択してもよい。
【0168】
適切には、制御ユニットは、係合手段51を伴う適切な医療機器が存在することを確認し、必要であれば、機器の変更を命じる。
【0169】
機器変更の場合には、ユニットは、可動台44を並進させ、手段51にある機器を置き、操作に必要とされる医療機器を取り出す搭載ステーションの方へロボットアーム5を動かす。
【0170】
所望の展開姿勢を決定し、係合手段51を伴う適切な医療機器の存在を確認した後、制御ユニットは、格納姿勢から上記所望の展開姿勢へロボットアーム5の移行を指示する。
【0171】
次に、ガントリ3に接続しているアームについては、ユニットは、回転子33に縦軸1aの周囲を回転し、所望の位置にロボットアーム5をもたらすよう指示する。
【0172】
あるいは、2つの可動台を有する軸受構造体4の場合には、制御ユニットは、第2の可動台44bに、単一の可動台44を有する軸受構造体4の場合には、可動台44に、ロボットアーム5が適切な位置に到達するまで、並進軸43aに沿って摺動するように指示する。同時に、ユニットは、ガントリ3にロボットアーム5の方へ凹部33e又は33fを動かし、及び/又は、摺動軸46aに沿って移動機46にロボットアーム5を動かすよう指示して、解放された空洞部4aからの退出を支持することができ、したがって、手段51によって操作位置に到達する。
【0173】
ここで、制御ユニットは、格納姿勢から上記所望の展開姿勢へロボットアーム5の通路を指示し、即ち、上記相互の傾斜角の到達まで、機械式継手53に剛体52を相互に回転させる。
【0174】
その結果、ロボットアーム5は、ユニットによって導かれ、係合手段51が解析領域3a、特に表面2aより上に、即ち操作位置に到達するまで、凹部33e及び33fのうち一方を通じて解析領域3aの方へ展開し始める。
【0175】
展開姿勢の達成は、係合手段51を回転させることにより、ベッド2、したがって、患者に対して適切な傾きで医療機器を配置した先端部の機械式継手53aによって完了する。
【0176】
所望により、制御ユニットは、ロボットアーム5に、剛体52の相互の傾きに加えて、1つ以上の伸縮自在の剛体52の長さを変化させることにより、所望の展開姿勢をとるよう指示することができる。
【0177】
ロボットアーム5は、手段51、結果的に、凸部33cと33dとの間、即ち操作位置に重ね合わせた係合手段51及び医療機器から放射線捕捉の実行を可能にする放射源31と検出器32との間に、医療機器を配置する方法に留意されたい。このような凸部33cと33dとの間の係合手段51の配置もまた、上記係合手段51を装置6に対して認識可能にする。
【0178】
ロボットアーム5の動作もまた、監視装置6によって撮影され、操作領域を撮影したユニットが、ロボットアーム5の位置を確かめることができ、このように、他の対象物又は手術者による衝撃又は衝突を回避する。
【0179】
ここで手術が開始される。
【0180】
手術者は、例えば、ロボットアーム5によって占有した反対側の凹部33e及び33fから操作位置に接近する外科用メスを取り出し、医療機器を挿入して、このようにそれを所望の深さで配置して、所望の長さの切開を行う。
【0181】
所望により、このような切開作業は、制御ユニットによって誘導されてもよく、手術者によって入力された情報に基づいて、操作軌道及び長さを決定し、このようなものに基づいて、上記経路に沿って係合手段51の移動を指示する。
【0182】
この移動は、剛体52及び/若しくは回転子33との間の回転、並びに/又は可動台44若しくは44bの並進によって達成される。
【0183】
最後に、操作の実行を向上させるために、放射線デバイス1は、手術の間に、例えば呼吸に起因する操作位置の移動に追従するようにユニットにより用いられる放射線捕捉の確認(好ましくは蛍光透視法)を行い、ロボットアーム5を利用して、上記移動にもかかわらず医療機器を適切な位置に保つことができる。
【0184】
上記に構造的及び機能的に記載された、放射線撮像デバイスによって、革新的な使用方法が画定されることができる。
【0185】
このような使用方法は、空間的な位置におけるロボットアーム5の位置決め工程、医療機器の空間的な位置の保持工程、及び、所望により、空間的な位置決めの1つ以上の反復工程を備える。
【0186】
位置決め工程は、手術者が、ベッド2に、したがって、おそらくその上に配置される患者に対する医療機器の所望の位置を画定する工程を提供する。
【0187】
この工程では、手術者は、所望の空間的な位置に医療機器を配置することによってロボットアーム5を動かす。
【0188】
制御ユニットは、少なくとも1つの力覚センサ55の信号、又は、手術者によって与えたれた命令を追従する信号のおかけで自動的に、追跡状態のロボットアーム5を配置する。
【0189】
正確には、2つの力覚センサ55については、制御ユニットが、患者によって作用する力に対して、手術者によってロボットアーム5に作用する力を区別して、このように追跡状態でロボットアーム5を配置することが可能である。あるいは、一方の力覚センサ55については、手術者は、その者がロボットアーム5に力を印加するであろうユニットに通知し、そのため、ユニットが追跡状態のロボットアーム5を配置する。
【0190】
具体的には、手術者は、力をロボットアーム5に、特にそれを動かす係合手段51に印加する。この力は、制御ユニットに信号を送信する少なくとも1つの力覚センサ55よって検出され、このような信号の受信に応じて、制御ユニットが、ロボットアーム5に手術者によって命令される動作を可能にするよう命令する。
【0191】
より具体的には、少なくとも1つの力覚センサ55は、各々の検出軸に対して、ロボットアーム5に作用する力/トルク構成要素を検出し、各方向に、上記構成要素と比例した移動を可能にする制御ユニットにこれらの構成要素を送信する。
【0192】
一旦手術者がアームに印加するのを中断すると、制御ユニットは、手術者による力の欠如を示し、保持状態でロボットアーム5を配置する。あるいは、制御ユニットは、手術者によって与えられた命令の後、保持状態への移行を指示する。
【0193】
正確には、2つの力覚センサ55については、制御ユニットは、手術者によって作用する力から、患者によってロボットアーム5に作用する力を区別して、このように保持状態でロボットアーム5を配置することが可能である。あるいは、一方の力覚センサ55については、手術者は、その者がロボットアーム5に力を印加するのを止めるであろうユニットに通知し、そのため、ユニットが追跡状態にロボットアーム5を至らせる。
【0194】
同時に、制御ユニットは、ロボットアーム5の位置に対するデータを保存する。
【0195】
より具体的には、ロボットアーム5の位置決めを完了した後、即ち手術者がいかなる動作もアームに課さない場合、制御ユニットは、ロボットアーム5を制限して、アームに、即ち患者とロボットアーム5との間に作用させる圧力に対して少なくとも1つの力覚センサ55から来るデータを保存する。
【0196】
あるいは、位置決め工程は、制御ユニットによって実行されてもよく、適切には、手術者よって与えられる命令に基づいて、所望の空間的な位置にロボットアーム5の配置を指示する。
【0197】
ロボットアーム5の空間的な位置に対してデータを保存した後、特に、少なくとも1つの力覚センサ55によって検出された圧力に対して、位置決め工程が完了し、空間的な位置の保持工程が始まる。
【0198】
この段階では、ロボットアーム5は、保持状態で維持している。
【0199】
ここで制御ユニットは、少なくとも1つの力覚センサ55からデータを使用して、適切な位置にロボットアーム5を維持し、このように、係合手段51及び医療機器は、それに連結される。
【0200】
特に、制御ユニットは、例えば、呼吸に起因する動作のような患者の動きがある場合でさえ、センサ55によって検出された実質的に一定の圧力を保つようなアームに動作を課す。
【0201】
あるいは、位置決め工程及び学習工程は、標識、及び好ましくは制御ユニットにデータ接続中の少なくとも1つの力覚センサ55を提供した医療機器を用いて実施されることができる。この場合、位置決め工程は、所望の空間的な位置にて、ロボットアーム5に取り付けられない医療機器を把持して、配置することを手術者に提供し、それにより確認手段が、医療機器上の標識を用いて、医療機器の空間的な位置を記録することを可能にする。加えて、その者は、少なくとも1つの力覚センサ55によって検出され、制御ユニットに伝達される特定の圧力を有する患者と接触する医療機器を配置してもよい。
【0202】
このような保持工程が完了した場合、停止工程が開始される。
【0203】
この工程では、手術者は、ロボットアーム5、したがって、少なくとも1つの力覚センサ55のおかげでこのような力を検出する制御ユニットを動かし、保存した空間的な位置から離れて動作中のロボットアーム5に手術者に追従するよう指示する。
【0204】
あるいは、制御ユニットは、手術者によって与えられた命令に応じて、初期位置へのロボットアーム5の帰還を課す。
【0205】
手術者が、保存した空間的な位置にもう1度ロボットアーム5を配置することを望む場合、使用方法によって、繰り返す位置決め工程及び保持工程のうち少なくとも1つの工程を提供されてもよい。
【0206】
この工程では、手術者は、実質的に、及び、少なくとも部分的に位置決め工程を繰り返すことによって、ロボットアーム5、正確には係合手段51を配置し、したがって、医療機器は、すでに保存された空間的な位置に配置される。
【0207】
制御ユニットは、機械式継手53及び53aのサーボモータ、並びに/又は監視装置6のおかげで、保存した空間的な位置に達したことを確認し、このように、保持工程の実行を命令する。
【0208】
あるいは、位置は、手術者によって与えられる適切な命令に応じて、ロボットアーム5によって自動的に集約されることができる。
【0209】
この場合、制御ユニットは、以前の位置決め工程における保存データを用いて、自動的に又は手術者によって与えられた命令に基づいて、記憶された空間的な位置にて医療機器の配置を指示し、力覚センサ55のおかげで、患者による適切な接触圧力にて医療機器を配置して保つ。
【0210】
本発明は、いくつかの重要な利点を達成する。
【0211】
第1の重要な利点が、可動台及びガントリ3のうち1つに接続しているロボットアーム1は、絶対的及び限定的な方法で空間的に上記ガントリ3に関連づけられており、したがって、デバイスに外部の複雑かつ面倒な測定システムを必要としないという事実にある。
【0212】
そのうえ、この態様は、回転子33の特別な形状によって更に増加し、それによって、ロボットアーム5が凹部33e又は33fを通じて解析領域3aに接近し、場合によっては、ロボットアーム5を凹部33f又は33eの回転子に接続することができる。
【0213】
例えば、手術者がロボットアーム5によって妨げられる位置を採択することを必要とする場合、制御ユニットは、確認手段のおかげで、このような差し迫った危険を検出して、ロボットアーム5及び/又は回転子33に、手術者が係合手段51のない位置に到達するのを可能にする移動を課し、このように、医療機器は操作位置に対して動かされる。
【0214】
この状態は、デバイス1上のロボットアーム5の一体化によって達成され、このように、制御ユニットの存在によってガントリ3及びロボットアーム5に命令させることができ、したがって、ガントリ3及びロボットアーム5の動作を同期させている。
【0215】
この利点は、制御ユニットが手術者の位置を検出することを可能にするように、医療機器が動かされて、ロボットアーム5を用いずに手術者によって直接把持される場合でも、1つ以上の標識を医療機器に配置することによって増加する方法に留意されたい。
【0216】
重要な利点は、回転子33での確認手段の、特に凸部33c及び/又は33dの革新的な配置によって与えられ、それによって、上記手段は、手術者及び/又は他の構成要素が視認性を妨げ、領域の適切な撮影を阻止する危険のない操作位置を撮影することができる。
【0217】
実際には、例えば手術者が動かす場合、確認手段の視界を妨げる制御ユニットは、アームを適切に見ることが確認手段の不可能なことを検出し、このように回転子33に回転するよう命令して、ロボットアーム5を調べるための最適位置に確認手段を配置する。
【0218】
このような利点は、回転子33に対して確認手段を動かすことによる移動機の存在下で達成され、上記確認手段にロボットアーム5の最適な視界を約束する。
【0219】
そのうえ、回転子33と通信する確認手段の配置、並びに、特に凸部33c及び/又は33dは、ロボットアーム5及び確認手段を、それら相対位置の連続的な校正/調整を過剰にする絶対的及び限定的な方法で、互いに対して空間的であるようにする。
【0220】
制御ユニットが手術者の位置を検出することを可能にするように、医療機器が動かされて、ロボットアーム5を用いずに機器によって直接把持される場合でも、1つ以上の標識を医療機器に配置することにより、この利点が増す方法に留意されたい。
【0221】
別の利点は、回転子33に接続され、特に凹部33e又は33fに配置されるロボットアーム5は、操作を遅くし、又は、ケーブル及び患者に結びついた管と干渉するような動作又は中断を手術者に課すことなく、患者のすべての部分に容易に到達することができるといった事実である。
【0222】
重要な利点は、ガントリ3及びロボットアーム5を動かすための同じガイド43を用いた撮像デバイス1は、非常に単純に構成され、コストが削減されるといった事実である。
【0223】
そのうえ、ガントリ3及びロボットアーム5を動かすための同じガイド43の使用は、それらの位置の測定誤差のリスクを低下させ、ガントリ3及びロボットアーム5を相互に空間的に通知する際の最大精度を決定する。
【0224】
別の利点は、解放された空洞部4aに留まるガイド43に沿って摺動することが可能なロボットアーム5は、操作を遅くし、又は、ケーブル及び患者に結びついた管と干渉するような動作又は中断を手術者に課すことなく、患者のすべての部分に容易に到達することができるといった事実である。
【0225】
更なる重要な利点は、凹部33e及び33f、並びに、ロボットアーム5及び確認手段の特定の配置の存在下で与えられ、放射線撮像デバイス1が、従来のデバイスに対して手術者により大きな動作の自由度を提供するといった事実である。
【0226】
そのうえ、凹部33e及び33fは、手術者が操作領域への最適な接近手段を有することができ、とりわけ、デバイス1に、走査を実行して、リアルタイムで患者及び操作の進行に対するロボットアーム5の位置を監視する。
【0227】
同じく重要な別の利点は、凹部33e又は33fにおけるロボットアーム5の配置は、使用空間を最適化して、それによって、ロボットアームを有するガントリの全体寸法を縮小し、デバイス1の運搬を容易にすることである。
【0228】
特に、このような最適な空間の使用は、実質的にロボットアームのない従来のガントリの寸法に等しい寸法を有し、連結した1つ又は2つのロボットアーム5を有するガントリ3を可能にする。
【0229】
最後の利点は、医師又は別の人が、彼ら自身の負傷、又はロボットアーム5への衝突によってアームに損害をあたえるのを防止することを可能にする、可変なコンプライアンスアクチュエータにて特定可能な機械式継手53及び53aを用いて与えられる。
【0230】
事実、これらの特定のアクチュエータは、可能性がある衝撃を吸収することが可能である。加えて、可能性がある衝撃によって決定される変位を測定することが可能であることによって、それらは、衝撃の後、失われた所望の位置を元に戻すことを可能にする。
【0231】
別の重要な利点は、手術者により容易に取り戻せる1つ以上の空間的な位置を画定することによって、ロボットアーム5の迅速かつ容易な位置決めを可能にする使用方法によって提供される。
【0232】
実際には、この方法によって、デバイス1が、保存されることによって、手術者による連続制御無しに獲得することができるロボットアーム5の1つ以上の空間的な位置を有することができる。
【0233】
加えて、革新的な保持工程によって、ロボットアームが、例えば呼吸に起因する、患者の動きを補正することができ、したがって、常に最適な位置に医療機器がいる。
【0234】
変形形態は、独立請求項、及び、相対的な技術的等価物に記載されている本発明の概念の要旨を逸脱しない範囲で、本発明になされ得る。上記範囲において、すべての詳細は、等価な構成要素及び材料により置き換えられてもよく、形状及び寸法は所望通りでもよい。
【0235】
例えば、ガントリ3は、回転子33及び固定子34の代わりに、伸縮自在であってよく、即ち、伸縮自在型ケースを提供して、その内側に放射源31、検出器32、及びガントリ3の拡張経路に実質的に沿った伸展部を収容してもよく、そして、内部収容容積と、縦軸1aの周囲で、円形の拡張軌道に沿って、放射源31及び/又は検出器32の回転を画定するのに適した少なくとも1つの内部移動機とを収容する。
【0236】
伸縮自在のケースは、上記ガントリ3の円形の拡張軌道に沿ったガントリの角度の拡張を変更するように、アーチ型の底部モジュール及びアーチ型の底部モジュールに対する可動式アーチ型モジュールを備える。
【0237】
この場合、ロボットアーム5が、ガントリ3に接続しているならば、底部のアーチ型モジュールに接続されることができる。あるいは、ロボットアーム5は、移動式アーチ型モジュールに接続される。
【0238】
好ましくは、デバイス1は、縦軸1aに、適切には上面部2aに実質的に横向きの回転軸周辺で、少なくともガントリ3の回転手段を備えることもできる。
【0239】
回転手段は、単一の可動台デバイスの場合には、ガントリ3及びロボットアーム5を同時に回転させるように、可動台44(又は第1の可動台44a)とロボットアーム5を加えたガントリ組立体3との間に配置される。
【0240】
このような伸縮自在のガントリ3は、したがって、伸縮自在型の筐体、内部移動機、少なくともガントリ3の回転手段、使用可能な補正部材、及び任意の1つ以上のカバーブロックが、イタリア国発明特許第MI2014A001296号(特許文献2)の7ページ10行目〜26ページ22行目、及び
図1a〜5に記載されている。イタリア国発明特許第MI2014A001296号(特許文献2)のこれらの項及び上記図面は、参考として本明細書に組み込まれる。