特許第6985290号(P6985290)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6985290
(24)【登録日】2021年11月29日
(45)【発行日】2021年12月22日
(54)【発明の名称】オストミーバリア
(51)【国際特許分類】
   A61F 5/449 20060101AFI20211213BHJP
   A61F 5/448 20060101ALI20211213BHJP
   C09J 7/00 20180101ALI20211213BHJP
   C09J 201/00 20060101ALI20211213BHJP
【FI】
   A61F5/449
   A61F5/448
   C09J7/00
   C09J201/00
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2018-554578(P2018-554578)
(86)(22)【出願日】2017年4月19日
(65)【公表番号】特表2019-518492(P2019-518492A)
(43)【公表日】2019年7月4日
(86)【国際出願番号】US2017028292
(87)【国際公開番号】WO2017184690
(87)【国際公開日】20171026
【審査請求日】2020年3月17日
(31)【優先権主張番号】62/325,184
(32)【優先日】2016年4月20日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】591000414
【氏名又は名称】ホリスター・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】HOLLISTER INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(72)【発明者】
【氏名】オーガスティン、クリスティナ
(72)【発明者】
【氏名】ボテン、ロナルド・エス
(72)【発明者】
【氏名】フィール、ミーガン・アール
(72)【発明者】
【氏名】ビスコンティ、ピーター・エル
(72)【発明者】
【氏名】トッド、ラッセル・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】サクラメント、リン
(72)【発明者】
【氏名】ブドリク、ヘザー・エム
(72)【発明者】
【氏名】ジョケル、マーク・ダブリュ
【審査官】 田中 佑果
(56)【参考文献】
【文献】 特表2002−537067(JP,A)
【文献】 特表2002−516146(JP,A)
【文献】 国際公開第2015/116651(WO,A1)
【文献】 特開平06−285103(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0323192(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 5/449
A61F 5/448
C09J 7/00
C09J 201/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
裏打ち層に設けられた接着層であって、該接着層及び該裏打ち層は、それらに画定された開口部を含む、接着層と、
前記開口部と実質的に位置合わせされたシールであって、凸形状を有し、自身の中にストーマを受け入れるように構成されたアパーチャを有する、シールと、
前記シールと前記接着層との間に延在して、前記シールを前記接着層に接続する可撓性コネクタであって、前記可撓性コネクタは、一方で前記接着層に接続され、前記開口部の周囲から半径方向内向きに延在し、他方で前記シールに接続され、可撓性材料から形成されて、前記シールと前記接着層との間の相対的な移動を可能にする、可撓性コネクタと
を含む、オストミーバリア。
【請求項2】
前記シールは、シール接着層及び補強層を含み、
前記補強層は、凸状輪郭を有するように形成され、
前記シール接着層は、前記補強層の身体に面する側に配置されている、請求項1に記載のオストミーバリア。
【請求項3】
前記シール接着層は、親水コロイド接着剤から形成されている、請求項2に記載のオストミーバリア。
【請求項4】
前記補強層は、熱可塑性材料から形成されている、請求項2又は3に記載のオストミーバリア。
【請求項5】
身体に面する側と、該身体に面する側に対向する遠位側とを有し、
前記接着層は、前記身体に面する側に配置され、
前記裏打ち層は、前記遠位側に配置され、
前記シールは、前記接着層に対して、前記身体に面する側から前記遠位側へ可動である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のオストミーバリア。
【請求項6】
前記接着層及び前記裏打ち層は、不織テープから形成され、
前記接着層は、シール材料と異なる材料から形成されている、請求項1〜5のいずれか一項に記載のオストミーバリア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下の説明は、概して、オストミー器具、特にオストミーバリアに関する。
【背景技術】
【0002】
身体の老廃物を収集するためのオストミーパウチは、結腸造瘻術、回腸造瘻術又は人工膀胱造設術(urostomy)などの手術を受けた人によって使用される。一般に、オストミーパウチは、接着層を含むオストミーバリアを介して、使用者に取り付けられる。オストミーパウチは、パウチにシールされたオストミーバリアを含む、シングルピースのパウチシステムとして提供され得る。オストミーパウチは、身体側連結リングを含むオストミーバリアと、パウチ側連結リングを含むパウチとを含む、ツーピースのシステムとしても提供され得る。身体側連結リング及びパウチ側連結リングは、互いに係合して、使用者に取り付けられたオストミーバリアにパウチを固定するように構成され得る。オストミーバリアは、使用者の身体に接着してパウチを支持すると共にストーマ周囲領域の周りをシールし、例えばストーマからの流出物の漏れを防止するように構成され得る。追加的なシーリング要素が、ストーマの周りに接触すると共にそれをシールするように設けられ得る。
【0003】
ストーマ及びストーマを囲むストーマ周囲面の表面形状(topography)は、オストミーを有する人によって異なり、そのように異なるストーマ周囲面及びストーマに対してオストミー器具をシールすることは、依然としてさらに改良されるべき領域として残る。例えば、ストーマの突出が異なることがあり得るし、又はさらには同一平面であるか若しくは窪んでいることもあり得る。同一平面の又は窪んだストーマを有するオストミーを有する使用者は、ストーマ周囲領域にあるバリア外部から支持するか又は圧力を加えることが、ストーマからの流出物の排出を直接オストミーパウチへ向けることを促進し得ることを見出すことができる。従って、面板とストーマ周囲皮膚表面との間の接着シール(すなわち接着層によって形成されたシール)の効果が延長され得る。従って、凸状インサート及び凸状リング、例えば本出願の譲受人から入手可能なADAPT(登録商標)凸状バリアリングは、そのようなストーマ周囲領域の周りに圧力を加えるか又は支持を与えるために開発された。
【0004】
しかしながら、従来の凸状バリアは、堅固であり、身体と一緒に曲がることも移動することもない。従って、オストミーシステムを装着している使用者の通常の動きにおいて又はオストミーシステムの構成要素に力が加えられると、その力は、凸状バリアに、次いでストーマに伝達され得る。これらの力は、使用者に不快感を与え、使用者の皮膚に対する面板の接着性を弱め、且つ/又はストーマの周りのシールを破壊し得る。
【0005】
他の配置構成は、オストミーバリアに波形を含み、これにより、ストーマ周囲領域に対してオストミーバリアが移動することを可能にし得る。しかしながら、この配置構成では、オストミーバリアは、依然としてその全体で使用者の身体に接着される。従って、上述したものと同じ欠点が存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、オストミーパウチ支持機能から切り離されたシーリング機能を有するオストミーバリアを提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一態様によれば、裏打ち層に設けられた接着層であって、接着層及び裏打ち層は、それに画定された開口部を有する、接着層と、開口部と実質的に位置合わせされたシールであって、自身の中にストーマを受け入れるように構成されたアパーチャを有する、シールと、シールと接着層との間に延在して、シールを接着層に接続する可撓性コネクタとを含む、オストミーバリアが提供される。可撓性コネクタは、可撓性材料から形成されて、シールと接着層との間の相対的な移動を可能にし得る。
【0008】
シールは、凸形状であるか又は全体的に平坦であり得る。可撓性コネクタは、弾性材料から形成され得る。実施形態では、シールは、軟質且つ可撓性の成形可能な材料から形成され得る。別の実施形態では、シールは、親水コロイド接着剤から形成され得る。さらに別の実施形態では、シールは、接着層及び補強層を含み得る。そのような実施形態では、補強層は、熱可塑性材料から形成され、且つ凸状輪郭を有し得る。接着層は、親水コロイド接着剤から形成され、且つ補強層の身体に面する側に配置され得る。いくつかの実施形態では、接着層及び裏打ち層は、不織テープから形成され得、接着層は、シール材料と異なる材料から形成され得る。
【0009】
別の態様によれば、オストミーバリアは、裏打ち層に設けられた接着層であって、接着層及び裏打ち層は、それらに画定された開口部を有する、接着層と、第1及び第2のシールと、第1及び第2の可撓性コネクタとを含み得る。第2のシールは、第1の開口部と実質的に位置合わせされると共にそれに画定された第2の開口部を含み得る。第1のシールは、第2の開口部と実質的に位置合わせされると共に自身の中にストーマを受け入れるように構成されたアパーチャを含み得る。第1の可撓性コネクタは、第1のシールと第2のシールとの間に延在して、第1のシールを第2のシールに接続し得る。第2の可撓性コネクタは、第2のシールと接着層との間に延在して、第2のシールを接着層に接続し得る。第1及び第2の可撓性コネクタのそれぞれは、可撓性材料から形成されて、第1のシールと第2のシールと接着層との間の相対的な移動を可能にする。
【0010】
実施形態では、第1及び第2のシールのそれぞれは、全体的に平坦であり得る。別の実施形態では、第1のシールは、凸形状を有し得る。一方、第2のシールは、全体的に平坦であり得る。第1及び第2の可撓性コネクタのそれぞれは、弾性材料から形成され得る。さらに、第1及び第2のシールのそれぞれは、軟質且つ可撓性の成形可能な材料から形成され得る。実施形態では、第1及び第2のシールのそれぞれは、親水コロイド接着剤から形成される。さらに別の実施形態では、第1のシールは、接着層及び補強層を含み得、補強層は、凸状輪郭を有する熱可塑性材料から形成され得、接着層は、補強層の身体に面する側に配置され得る。第1のシール及び第2のシールの接着層は、親水コロイド接着剤から形成され得る。
【0011】
上述の実施形態のいずれかでは、オストミーバリアは、身体に面する側と、身体に面する側に対向する遠位側とを有し得る。接着層は、身体に面する側に配置され得る。裏打ち層は、遠位側に配置される。シールのそれぞれは、接着層に対して、身体に面する側から遠位側へ可動であるように構成され得る。
【0012】
本開示の他の目的、特徴及び利点は、添付の図面と併せて下記の説明から明らかとなり、図面では、同様の符号は、同様の部分、要素、構成要素、ステップ及びプロセスを指す。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本明細書で説明する実施形態によるオストミーバリアの斜視図である。
図2図1のオストミーバリアの断面図である。
図3】本明細書で説明する別の実施形態によるオストミーバリアを示す斜視図である。
図4】実施形態による身体側連結リングを含むツーピースのオストミーパウチシステムのために構成された、図1〜2のオストミーバリアの斜視図である。
図5】実施形態によるワンピースのパウチシステムに取り付けられた、図1〜2のオストミーバリアの断面図である。
図6】さらに別の実施形態によるオストミーバリアの断面図である。
図7】実施形態によるオストミーバリアの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本開示は、様々な形態の実施形態が可能であるが、本開示が例示に過ぎないものと見なされ、説明又は図示する任意の具体的な実施形態に本開示を限定するものではないという理解をもって、1つ以上の実施形態が図面に示され、且つ以下に説明される。
【0015】
図1〜2を参照すると、実施形態によるオストミーバリアが示されている。オストミーバリア10は、一般的に、接着層12、裏打ち層13、シール14、及び接着層12とシール14との間の可撓性コネクタ16を含み得る。オストミーバリア10は、使用者の皮膚(すなわちオストミーバリアの装着者の皮膚)に接着するための、身体に面する側18と、身体に面する側18に対向する遠位側20とを有し得る。実施形態では、オストミーバリア10は、ツーピースのオストミーパウチシステムのための面板アセンブリとして構成され得る。この面板アセンブリは、遠位側20に配置された、図4に示すようなパウチ側連結リング(図示せず)と係合するための身体側連結リング30を含む。別の実施形態では、オストミーバリア10は、図5に示すようにパウチ8に取り付けられ得る。
【0016】
接着層12は、当業者に理解され且つ公知であるようなオストミーパウチを支持するために使用者の皮膚に接着するのに好適な1種又は複数の接着剤を含み得る。接着層12及び裏打ち層13は、開口部22も含み得る。開口部22は、接着層12及び裏打ち層13の実質的に中心に位置決めされ得るが、そのような位置に限定されない。接着層12は、ストーマが開口部22内に配置されるか又は全体的にそれと位置合わせされた状態で使用者の腹部に接着されるように構成され得る。いくつかの実施形態では、接着層12及び裏打ち層13は、当業者に理解され且つ公知であるようなオストミーバリアにおいて使用される接着剤塗布不織材料、例えば不織テープから形成され得る。
【0017】
一実施形態では、可撓性コネクタ16は、エラストマーなどの弾性材料から形成され、接着層12とシール14とを接続するように構成され得る。可撓性コネクタ16は、開口部22の周囲24に全面的に延在すると共に、そこから内向きに延在し得る。一実施形態では、開口部22は、実質的に円形形状であり得る。また、可撓性コネクタ16は、開口部22の周囲24から半径方向内向きに延在する。しかしながら、可撓性コネクタ16は、上記の例に限定されないことが理解される。例えば、可撓性コネクタ16は、波形材料、又は開口部22にシール14を緩く支持するようなサイズにされて、開口部22内での及び/又は接着層12に対するシール14の移動を可能にする材料として形成され得る。いくつかの実施形態では、可撓性コネクタ16は、ストーマからの流出物の漏れに対してシールするのに好適な材料、例えば好適なファブリック材料から作製され得る。
【0018】
シール14は、可撓性コネクタ16に接続され得ると共に、オストミーバリア10の平面図において開口部22内に配置され得る。可撓性コネクタ16は、シール14の外周24に延在し得ると共に、シールの外周26に沿ってシール14に接続され得る。一実施形態では、シール14は、平面図において実質的に円形であり得ると共に、平面図において可撓性コネクタ16及び開口部22内に半径方向に延在し得る。シールは、ストーマ(図示せず)を受け入れるように構成されたアパーチャ28を含む。一実施形態では、アパーチャ28は、シール14上で実質的に中心にある。シール14は、好ましくは、軟質の可撓性材料で形成され、ストーマに対して係合及びシールすると共に、使用者(すなわち装着者)に適切な快適さをもたらすように構成される。シール14に好適な材料は、親水コロイド接着剤及び他の軟質な皮膚に優しい接着剤を含み得る。シール14は、成形可能な材料からも形成され得る。シール14は、図1〜2に示すように、全体的に凸状の形状又は輪郭を有し得る。或いは、シール114は、図3に示すように全体的に平坦な輪郭を有し得る。
【0019】
可撓性コネクタ16は、接着層12及びシール14に連続的に封止接続されて、バリア10を通るストーマからの流出物の漏れを防止又は制限し得る。可撓性コネクタ16はまた、接着層12及び/又はシール14の一部分に重なり得る。例えば、可撓性コネクタ16は、遠位側20に重なり得る。或いは、可撓性コネクタ16は、重ならずに開口部22の周囲24及び/又はシール14の外周26に接続され得る。
【0020】
図2を参照すると、可撓性コネクタ16は、シール14が接着層12及び裏打ち層13に対して浮遊することを可能にするように構成され得る。使用中、接着層12の身体に面する側18は、使用者の皮膚に接着される。シール14は、シールアパーチャ28の周囲でストーマに係合するように構成される。従って、シール14は、ストーマ及びストーマ周囲領域と一緒に移動し得る。その一方で、接着層12及び裏打ち層13は、ストーマからさらに離れた箇所で使用者の皮膚に接着されたままである。図2に示すように、例えば、シール14は、接着層12にある開口部22に対して全体的に軸方向に移動又は浮遊し得る。一実施形態では、シール14は、接着層12及び裏打ち層13にある開口部22を通って、身体に面する側18から遠位側20へ移動し得る。
【0021】
図6は、実施形態によるオストミーバリアの断面図である。オストミーバリア100は、上述のオストミーバリア10と実質的に同じように構成され、一般的に、接着層112、裏打ち層113、シール114、及び可撓性コネクタ116を含み得る。この実施形態では、シール114は、接着層132及び補強層134を含む多層構造であり、全体的に凸状の輪郭を有し得る。接着層132は、皮膚に優しい好適な接着剤、例えば親水コロイド接着剤から形成され得る。補強層134は、好適な材料、例えば熱可塑性ポリマーから形成され、シール114の凸状輪郭を維持するように構成され得る。補強層134は、十分な剛性を有して、使用者のストーマ周囲領域に対して所望の圧力をもたらすようにも構成され得る。使用中、シール114の凸面が使用者の方に向けられ得る。それにより、シール114は、使用者のストーマ周囲領域に圧力を加え得る。この圧力は、そうでなければ後退されるか又は同一平面にあるストーマがシール114のアパーチャ128を通って突出することを可能にし得る。従って、ストーマから排出された流出物は、実質的に使用者とオストミーバリア100との間に漏れがない状態で、取り付けられたオストミーパウチに受け入れられ得る。すなわち、ストーマは、シール114を通ると共にそれを十分に越えて突出し、ストーマからの流出物と接着層112との間の相互作用又は接触を実質的に防止し得る。
【0022】
図3は、本明細書で説明する別の実施形態によるオストミーバリア200を示す斜視図である。オストミーバリア200は、上述のオストミーバリア10と実質的に同じように形成され、一般的に、接着層212、シール214、及び可撓性コネクタ216を含み得る。しかしながら、この実施形態では、シール214は、全体的に平坦な輪郭を有するように形成され得る。この構成は、突き出た又は伸長したストーマを有する使用者に有用であり得る。この場合、ストーマ周囲領域における圧力が必要ではないことがあり得る。図3に示すシール214は、図1及び図2に関して上記の実施形態で説明したシール214と同様に、接着層212に対して浮遊し得る。
【0023】
図7は、さらに別の実施形態によるオストミーバリアの斜視図である。オストミーバリア300は、上記の実施形態で説明したオストミーバリアと同様に形成され得るが、接着層312と、第1及び第2のシール314、315と、第1及び第2の可撓性コネクタ316、317とを含む、シール内にシールがある(seal-in-seal)オストミーバリアとして構成され得る。第1のシール314は、ストーマを受け入れるためにそれに画定されたシールアパーチャ328を含み得る。第2のシール315は、第1のシール314と接着層312との間に配置され得る。第1の可撓性コネクタ316は、第1のシール314と第2のシール315とを接続するように配置及び構成され得る。一方、第2の可撓性コネクタ317は、第2のシール315と接着層312とを接続するように配置及び構成され得る。
【0024】
上述の実施形態において説明したオストミーバリアの場合のように、第1及び第2の可撓性コネクタ316、317は、第1及び第2のシール314、315が浮遊することを可能にするように構成され得る。第1の可撓性コネクタ316は、第1のシール314が接着層312及び第2のシール315に対して浮遊し、且つ接着層312及び第2のシール315から実質的に独立してストーマと一緒に移動することを可能にするように構成され得る。第2の可撓性コネクタ317は、第2のシール315が接着層312及び第1のシール314に対して浮遊することを可能にし、且つ第2のシール315が、接着層312及び第1のシール314から実質的に独立して、隣接するストーマ周囲領域と一緒に移動することを可能にするように構成され得る。
【0025】
第1及び第2のシール314、315のそれぞれは、全体的に平坦な輪郭又は全体的に凸状の輪郭を有するように構成され得る。実施形態では、第1のシール314は、全体的に凸状の輪郭を有するように構成され得る。一方、第2のシール315は、図7に示すように全体的に平坦な輪郭を有し得る。別の実施形態では、第1及び第2のシール314、315は、両方とも全体的に平坦な輪郭を有するように構成され得る。ここで、第1のシール314の厚さは、第2のシール315よりも厚いことができる。或いは、第1及び第2のシール314、315は、同じ厚さを有することができる。さらに別の実施形態では、第2のシール315は、接着層312に設けられるか、又は第2の可撓性コネクタ317なしで接着層312に固定して取り付けられ得る。そのような実施形態では、第1のシール314のみがオストミーバリア300の残りの部分に対して浮遊するように構成され得る。
【0026】
従って、上記の実施形態では、ストーマの周りでのシーリング機能及びオストミーパウチの支持機能が分割され得る。例えば、接着層12、112、212、312は、ストーマからさらに離れた箇所で使用者の皮膚に接着されて、オストミーパウチを支持し得る。一方、シール14、114、214、314、315は、ストーマ及びストーマ周囲領域に対してシールし得る。シール14、114、214、314、315は、可撓性コネクタ16、116、216、316、317によって接着層12、112、212、312から切り離される。それにより、シール14、114、214、314、315及び接着層12、112、212、312は、互いに実質的に独立して動作する。従って、ストーマの周りでのシーリング機能及び接着剤の支持機能が最適化され得る。そのようなものとして、バリアは、既存の構成よりも可撓性があり、且つ使用者の身体と一緒に移動し得る。さらに、ストーマ周囲の皮膚に対する圧力が低減され得ると共に、使用者の快適さが向上され得る。
【0027】
上記の実施形態のいずれかに関して説明した特徴は、上記の他の実施形態のいずれかにおいて説明した特徴と一緒に実施され得るか、使用され得るか、又はそれらを置き換え得ることが理解される。
【0028】
本明細書で言及した全ての特許は、本開示の本文中で具体的にそのようなものとして指示したか否かに関わらず、参照によりその全体が本明細書に援用される。
【0029】
本開示では、「1つの(a)」又は「1つの(an)」という語は、単数形及び複数形の両方を含むと見なされる。反対に、複数形のアイテムへの何らかの言及は、適切な場合には単数形を含む。
【0030】
上記から、本発明の新規の概念の真の趣旨及び範囲から逸脱することなく、多数の修正形態及び変形形態が実施され得ることが観察される。説明する具体的な実施形態に関する限定は、意図されないか又は推測されるべきでないことが理解される。本開示は、添付の特許請求の範囲により、特許請求の範囲内にある全てのそのような修正形態を包含することが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7