特許第6985339号(P6985339)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エーエーシー テクノロジーズ ピーティーイー リミテッドの特許一覧

特許6985339シーンベースの振動フィードバック方法および携帯端末
<>
  • 特許6985339-シーンベースの振動フィードバック方法および携帯端末 図000002
  • 特許6985339-シーンベースの振動フィードバック方法および携帯端末 図000003
  • 特許6985339-シーンベースの振動フィードバック方法および携帯端末 図000004
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6985339
(24)【登録日】2021年11月29日
(45)【発行日】2021年12月22日
(54)【発明の名称】シーンベースの振動フィードバック方法および携帯端末
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/01 20060101AFI20211213BHJP
【FI】
   G06F3/01 560
【請求項の数】8
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2019-132847(P2019-132847)
(22)【出願日】2019年7月18日
(65)【公開番号】特開2020-21481(P2020-21481A)
(43)【公開日】2020年2月6日
【審査請求日】2019年7月18日
(31)【優先権主張番号】201810880981.1
(32)【優先日】2018年8月4日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】518131698
【氏名又は名称】エーエーシー テクノロジーズ ピーティーイー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100128347
【弁理士】
【氏名又は名称】西内 盛二
(72)【発明者】
【氏名】沈 漢亮
(72)【発明者】
【氏名】王 修越
【審査官】 円子 英紀
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2016/136934(WO,A1)
【文献】 特開2017−077152(JP,A)
【文献】 特開2016−212886(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シーンベースの振動フィードバック方法であって、
アプリケーションの1つまたは複数のシーンを特定シーンとして予め設定するステップAと、
前記特定シーンに対応する振動感を予め設定するステップBと、
前記アプリケーションの実行状態において、前記アプリケーションに現在現れているシーンをリアルタイムでモニタリングし、モニタリングされたシーンが前記特定シーンであるときに、対応する前記振動感を提供するステップCとを含み、
また、ステップBは、
前記振動感に対応する振動感情報を予め設定するステップB1と、
前記特定シーンと前記振動感情報との対応関係を予め設定するステップB2とをさらに含み、
ステップCは、
モニタリングされたシーンが前記特定シーンである場合、前記対応関係に基づき、前記特定シーンに対応する振動感情報を取得するステップC1と、
ステップC1で取得された前記振動感情報に従って、端末に内蔵されるモータを駆動して振動させるステップC2とをさらに含み、
前記シーンベースの振動フィードバック方法は、ユーザが振動感強度を調整するためにトリガすることが可能な振動感強度調整信号を予め設定するステップであって、前記振動感強度が振動振幅および振動周波数を含むステップをさらに含み、
端末に内蔵される前記モータの数は、N個であり、前記Nは、1よりも大きい自然数であり、
前記振動感は、前記特定シーンに対応する前記N個のモータのそれぞれの振動感を含み、
前記対応関係は、特定シーンと前記N個のモータのそれぞれの振動感情報との対応関係を含み、
前記対応関係に基づき、前記特定シーンに対応する振動感情報を取得することは、具体的に、前記対応関係に基づき、前記特定シーンに対応する前記N個のモータのそれぞれの振動感情報を取得することを含み、
取得された振動感情報に従って端末に内蔵されるモータを駆動して振動させることは、具体的に、取得された前記特定シーンに対応する前記N個のモータのそれぞれの振動感情報に基づき、前記N個のモータをそれぞれ駆動して振動させることを含む
ことを特徴とするシーンベースの振動フィードバック方法。
【請求項2】
ステップB1は、具体的には、モータを駆動して振動させるための複数のモータ駆動信号を予め設定し、それぞれのモータ駆動信号がモータを駆動して振動させることによってそれぞれ1つの前記振動感を発生させ、それぞれのモータ駆動信号が、それぞれ1つの前記振動感の前記振動感情報に対応するステップであり、
ステップC2は、
ステップC1で取得された前記振動感情報に基づき、対応する前記モータ駆動信号を見つけるステップC21と、
ステップC21で取得されたモータ駆動信号に従って、端末に内蔵されるモータを駆動して振動させるステップC22とをさらに含む、ことを特徴とする請求項1に記載のシーンベースの振動フィードバック方法。
【請求項3】
前記振動感情報は、前記モータ駆動信号のインデックス番号である、ことを特徴とする請求項2に記載のシーンベースの振動フィードバック方法。
【請求項4】
前記端末は、Android(登録商標)システムの端末であり、
前記ステップCは、具体的に、
アプリケーション層で前記アプリケーションに現在現れているシーンをリアルタイムでモニタリングすること、
モニタリングされたシーンが前記特定シーンである場合、前記対応関係に基づき、前記特定シーンに対応する前記インデックス番号を取得すること、
前記アプリケーション層でインターフェース呼び出しによって、取得されたインデックス番号をJNI層に送信して、前記JNI層で前記インデックス番号に基づき、モータ駆動信号を見つけること、および、
前記JNI層で見つけられたモータ駆動信号をドライブ層に転送して、前記ドライブ層内のドライブチップが前記モータ駆動信号を物理層内のモータに入力することを含む、ことを特徴とする請求項3に記載のシーンベースの振動フィードバック方法。
【請求項5】
前記アプリケーションは、ゲームアプリケーションである、ことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のシーンベースの振動フィードバック方法。
【請求項6】
前記特定シーンは、ゲーム要素が相互作用するときのシーンである、ことを特徴とする請求項に記載のシーンベースの振動フィードバック方法。
【請求項7】
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサに通信接続されるメモリとを含み、
前記メモリには、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な命令が記憶され、
前記命令は、前記少なくとも1つのプロセッサが請求項1〜のいずれか1項に記載のシーンベースの振動フィードバック方法を実行できるように、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行される、ことを特徴とする携帯端末。
【請求項8】
コンピュータプログラムが記憶されるコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されるとき、請求項1〜のいずれか1項に記載のシーンベースの振動フィードバック方法が実行される、ことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スマートデバイス分野に関し、特にシーンに基づいた振動フィードバック方法および携帯端末に関する。
【背景技術】
【0002】
科学技術の絶え間ない進歩につれて、電子機器に統合された機能がますます多くなってきて、携帯電話、タブレットコンピュータなどの端末製品の応用もますます広がってきている。現在のところ、人々は端末に様々なアプリケーションをインストールすることによって自分の使用ニーズを満たすことができる。たとえば、端末にニュース系アプリケーションをインストールして時事を知ることができ、ビデオ系や音楽系アプリケーションを端末にインストールしてビデオを視聴したり、ゲーム系アプリケーションを端末にインストールしてエンターテイメント、知能トレーニングや時間つぶしなどをすることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、本発明の発明者は、以下のことを見出した。即ち、従来技術では端末内に通常モータが設けられており、端末に着信やショートメッセージがあるときに、端末におけるモータが振動してユーザに提示したり、ユーザが端末を制御していくつかのアプリケーションを実行するときに、ユーザがアプリケーション内のある操作子をクリックすると、端末内のモータも振動して、ユーザに提示したりする。これから見られるように、従来技術では、端末モータの振動のトリガ方式は、情報(メールやショートメッセージ)によるトリガまたはボタン(物理的ボタンまたは仮想ボタン)によるトリガであることが多く、トリガ方式が単一であり、ユーザと端末との間のヒューマンコンピュータインタラクション体験のさらなる向上が制限されてしまう。
【0004】
本発明の実施形態は、アプリケーションの現在のシーンに従って端末内のモータをトリガすることができ、ユーザと携帯端末との間のヒューマンコンピュータインタラクション体験の向上に寄与するシーンベースの振動フィードバック方法および携帯端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記技術問題を解決するために、本発明の実施形態が、シーンベースの振動フィードバック方法を提供し、当該方法は、
アプリケーションの1つまたは複数のシーンを特定シーンとして予め設定するステップAと、
特定シーンに対応する振動感を予め設定するステップBと、
アプリケーションの実行状態において、アプリケーションに現在現れているシーンをリアルタイムでモニタリングし、モニタリングされたシーンが特定シーンであるときに、対応する振動感を提供するステップCとを含み、
また、ステップBは、
振動感に対応する振動感情報を予め設定するステップB1と、
特定シーンと振動感情報との対応関係を予め設定するステップB2とをさらに含み、
ステップCは、
モニタリングされたシーンが特定シーンである場合、対応関係に基づき、特定シーンに対応する振動感情報を取得するステップC1と、
ステップC1で取得された振動感情報に基づき、端末に内蔵されるモータを駆動して振動させるステップC2とをさらに含む。
【0006】
本発明の実施形態は、携帯端末をさらに提供し、当該携帯端末は、
少なくとも1つのプロセッサと、
少なくとも1つのプロセッサに通信接続されるメモリとを含み、
また、メモリには、少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な命令が記憶され、
命令は、少なくとも1つのプロセッサが上記シーンベースの振動フィードバック方法を実行できるように、少なくとも1つのプロセッサによって実行される。
【0007】
本発明の実施形態は、コンピュータプログラムが記憶されるコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、当該コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されるとき、上記シーンベースの振動フィードバック方法が実行されるコンピュータ読み取り可能な記憶媒体をさらに提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の実施形態は、従来技術に対して、端末にはアプリケーションの1つまたは複数のシーンが特定シーンとして予め設定され、かつ、端末には特定シーンに対応する振動感が予め設定されていることによって、端末にアプリケーションの特定シーンと振動感情報との対応関係が予め設定されるようになる。このようにして、端末が上記アプリケーションを実行する際、予め設定された特定シーンと振動感情報との対応関係に基づき、アプリケーションに現在現れているシーンがある特定シーンであるときに、この特定シーンに対応する振動感情報を取得することができるので、取得された振動感情報に基づき、端末のモータを駆動して振動させて、対応する振動感を提供することができる。このようにすることで、端末内のモータはアプリケーションの現在のシーンに応じてトリガすることができるので、ユーザと端末との間のヒューマンコンピュータインタラクション体験を効果的に向上させる。
【0009】
また、ステップB1は、具体的には、モータを駆動して振動させるための複数のモータ駆動信号を予め設定し、それぞれのモータ駆動信号がモータを駆動して振動させることによってそれぞれ1つの振動感を発生させ、それぞれのモータ駆動信号が、それぞれ1つの振動感の振動感情報に対応するステップであり、ステップC2は、ステップC1で取得された振動感情報に基づき、対応するモータ駆動信号を見つけるステップC21と、ステップC21で取得されたモータ駆動信号に基づき、端末に内蔵されるモータを駆動して振動させるステップC22とをさらに含む。このようにして、異なる特定シーンが異なる振動感に対応するようにすることができ、ユーザに振動感に基づいてより多くの有効な情報を知らせることができ、ユーザと端末との間のヒューマンコンピュータインタラクション体験をさらに向上させる。
【0010】
また、振動感情報は、モータ駆動信号のインデックス番号である。このようにして、振動感情報の具体的な一実現形態が提供され、本発明の実施形態の柔軟性を向上させる。
【0011】
また、端末は、Android(登録商標)システムの端末であり、ステップCは、具体的に、アプリケーション層でアプリケーションに現在現れているシーンをリアルタイムでモニタリングすること、モニタリングされたシーンが特定シーンである場合、対応関係に基づき、特定シーンに対応するインデックス番号を取得すること、アプリケーション層でインターフェース呼び出しによって、取得されたインデックス番号をJNI層に送信して、JNI層でインデックス番号に基づき、モータ駆動信号を見つけること、および、JNI層で見つけられたモータ駆動信号をドライブ層に転送して、ドライブ層内のドライブチップがモータ駆動信号を物理層内のモータに入力することを含む。このようにして、端末内のモータがアプリケーションの現在のシーンに応じて振動をトリガする具体的な一実現形態が提供され、本発明の実施形態の柔軟性を向上させる。
【0012】
また、端末に内蔵されるモータの数は、N個であり、Nは、1よりも大きい自然数であり、振動感は、特定シーンに対応する前記N個のモータのそれぞれの振動感を含み、対応関係は、特定シーンとN個のモータのそれぞれの振動感情報との対応関係を含み、対応関係に基づき、特定シーンに対応する振動感情報を取得することは、具体的に、対応関係に基づき、特定シーンに対応するN個のモータのそれぞれの振動感情報を取得することを含み、取得された振動感情報に基づき、端末に内蔵されるモータを駆動して振動させることは、具体的に、取得された特定シーンに対応するN個のモータのそれぞれの振動感情報に基づき、N個のモータをそれぞれ駆動して振動させることを含む。このようにして、端末にはいくつかのモータが内蔵されており、これらのモータの単独なまたは協調的な動作は、より多くの形態の振動感を提供することができ、ユーザが振動感に基づいてより多くの有効的な情報を知ることを可能にし、ユーザと端末との間のヒューマンコンピュータインタラクション体験をさらに向上させる。
【0013】
また、シーンベースの振動フィードバック方法は、ユーザが振動感強度を調整するためにトリガすることが可能な振動感強度調整信号を予め設定するステップをさらに含み、ここで、振動感強度は、振動振幅および/または振動周波数を含む。このようにして、ユーザは、端末によって現在提供されている振動感がユーザの個人的ニーズに合致できるように、自分でモータの動作形態を調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の第1実施形態のシーンベースの振動フィードバック方法のフローチャートである。
図2】本発明の第3実施形態のシーンベースの振動フィードバック方法のフローチャートである
図3】本発明の第5実施形態の携帯端末の構造を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の目の、技術案及び利点をより明瞭にするために、図面を参照しながら、本発明の各実施形態をより詳しく説明する。ただし、本発明の各実施形態において、読者が本発明をよりよく理解するために多くの技術の詳細が提出されるが、これらの技術の詳細と下記各実施形態に基づく種々の変更及び修正がなくても、本発明の特許請求の範囲において請求される技術案を実現し得ることは、当業者に理解されるべきである。
【0016】
本発明の第1実施形態は、シーンベースの振動フィードバック方法に関し、具体的なフローは、図1に示す通りである。本実施形態に係る振動フィードバック方法は、端末のアプリケーションに実行されるものであり、端末は、携帯電話、タブレットコンピュータなどの携帯型電子機器であってもよい。以下に、本実施形態におけるシーンベースの振動フィードバック方法について具体的に説明し、ステップは、以下の通りである。
【0017】
ステップ101:アプリケーションにおける1つ又は複数のシーンを特定シーンとして予め設定する。
【0018】
具体的には、ユーザや技術者は、アプリケーションに1つ又は複数のシーンを特定シーンとして予め選定することができる。例えば、アプリケーションがゲームアプリケーションであるときに、ユーザや技術者は、ゲームアプリケーションにおける対戦シーンを特定シーンとして選定することができる。
【0019】
より具体的には、ユーザによってアプリケーションにおける1つ又は複数のシーンを特定シーンとして予め設定する際に、アプリケーションが実行するときに現れるシーンが設定しようとする特定シーンであるときに、ユーザが特定シーンの設定を迅速に行えるように、アプリケーションには特定シーンの設定のトリガ方式(例えば、ボタンによるトリガ、コンビネーションキーによるトリガなど)が設けられてもよい。このようにすることで、操作が簡単であるだけでなく、設定された特定シーンとユーザのニーズとの合致性が高い。つまり、アプリケーションにはカスタマイズ機能が設けられてもよく、ユーザがこのカスタマイズ機能を利用して、特定シーンを自分で設定することができる。技術者によってアプリケーションにおける1つ又は複数のシーンを特定シーンとして予め設定する際に、アプリケーションがプリセットサーバへアクセスすることで特定シーンに関する情報を取得するによって、特定シーンがプリセットを実現するように、技術者が特定シーンに関する情報を予め収集してプリセットサーバに保存しておいてもよい。例えば、アプリケーションがゲームアプリケーションである場合、対戦シーンが特定シーンとして選定されるときに、技術者は、対戦シーンに関する情報(例えば、レイヤ、レンダリングオブジェクト、レンダリングオブジェクトの指定された動作、各レンダリングオブジェクトの位置関係など)をプリセットサーバに入力して保存することができる。つまり、アプリケーションは、設定に関与するユーザの操作を減らすために、特定シーンのプリセットを自分で行うことができ、アプリケーションのインテリジェント化のレベルが高い。実際の操作時に、アプリケーションにカスタマイズ機能と特定シーンを自ら設定する機能の両方を兼備することができるため、アプリケーションの応用範囲をより広くすることができる。
【0020】
ステップ102:特定シーンに対応する振動感を予め設定する。
【0021】
具体的には、ユーザや技術者は、アプリケーションの特定シーンごとに振動感を設定する。本実施形態におけるステップ102は、サブステップ1021とサブステップ1022を含み、以下に具体的に説明する。
【0022】
サブステップ1021:振動感に対応する振動感情報を予め設定する。
【0023】
具体的には、ユーザや技術者は、モータを駆動して振動させるための複数のモータ駆動信号を予め設定することができる。ここで、それぞれのモータ駆動信号がモータを駆動して振動させることによってそれぞれ1つの振動感が生じ、それぞれのモータ駆動信号がそれぞれ1つの振動感の振動感情報に対応する。このようにして、異なる特定シーンが異なる振動感に対応するようにすることができ、ユーザが振動感に基づいてより多くの有効な情報を知ることができ、ユーザと端末との間のヒューマンコンピュータインタラクション体験をさらに向上させる。
【0024】
サブステップ1022:特定シーンと振動感情報との対応関係を予め設定する。
【0025】
具体的には、アプリケーションにおいて特定シーンと振動感情報の対応関係の設定を実現するために、ユーザや技術者が、アプリケーションの特定シーンごとに振動感情報を設定する。
【0026】
ステップ103:アプリケーションの実行状態において、アプリケーションに現在現れているシーンをリアルタイムでモニタリングして、モニタリングされたシーンが特定シーンであるときに、対応する振動感を提供する。
【0027】
具体的には、ユーザが端末に上記アプリケーションに対応するアプリアイコンを選定するときに、端末が当該アプリケーションを実行することになる。本実施形態におけるステップ103は、サブステップ1031とサブステップ1032とを含み、以下に具体的に説明する。
【0028】
サブステップ1031:モニタリングされたシーンが特定シーンであるときに、対応関係に基づき、特定シーンに対応する振動感情報を取得する。
【0029】
具体的には、アプリケーションが現在現れているシーンをリアルタイムでモニタリングして取得し、現在現れているシーンが特定シーンであるかどうかを判断する。ここで、アプリケーションが現在現れているシーンをモニタリングして取得する方式は、以下の方式であってもよい。即ち、アプリケーションが現在展示されているシーン要素、例えば、レイヤ、レンダリングオブジェクト、レンダリングオブジェクトの指定された動作、各レンダリングオブジェクトの位置関係などをモニタリングして取得し、取得されたシーン要素に基づき、現在現れているシーンを特定する。ここで、レイヤ、レンダリングオブジェクト、レンダリングオブジェクトの指定された動作、各レンダリングオブジェクトの位置関係などのシーン要素は、例示的に示されるものに過ぎず、本実施形態は、シーン要素の特定の実施形態を限定するものではない。
【0030】
より具体的には、アプリケーションがゲームアプリケーションであり、ゲーム要素の相互作用するシーンが特定シーンであることを例として、アプリケーションがステップ1031を実行するときに、ゲームアプリケーションが衝突検出を行うことができ、衝突検出結果に基づき、各レンダリングオブジェクトの位置関係を取得して、ゲーム要素が相互作用するかどうかを判断することによって、現在のシーンが特定シーンであるかどうかを判断することができる。例えば、ゲームアプリケーションの衝突検出結果が衝突の発生であると、ゲームアプリケーションは、ゲーム要素が相互作用したと判定し、ステップ1031の判断結果がYESである。このように、プレーヤーに直観的に警告と提示するために基礎を提供するので、高度な対戦に重要な情報がプレーヤーに無視されることをできるだけ回避可能となり、プレーヤーのゲームへの関与度をさらに促すことができ、ゲーム体験を向上させる。
【0031】
サブステップ1032:取得された振動感情報に基づき、端末に内蔵されるモータを駆動して振動させる。
【0032】
具体的には、アプリケーションは、取得された振動感情報に基づき、対応するモータ駆動信号を見つけて、取得されたモータ駆動信号に基づき、端末に内蔵されるモータを駆動する。ここで、モータ駆動信号は、波形データの形態で存在してもよく、かつ、振動感情報は、モータ駆動信号のインデックス番号であってもよい。このようにして、アプリケーションが取得された振動感情報に基づき端末に内蔵されるモータを駆動して振動させるときに、プログラム命令を短くして、端末の処理負荷を低減させることができる。例えば、アプリケーションは、モータ駆動信号の波形データに基づいて振動周波数および振動振幅を取得し、取得された振動周波数および振動振幅に従って振動するようにモータを制御することができる。
【0033】
より具体的には、端末のモータの数は、1つであってもよいし、複数であってもよく、いずれもシーンに基づいて振動フィードバックを実現する目的を達成することができる。本実施形態では、端末に内蔵されるモータの数がN個であり、Nが1よりも大きい自然数である。振動感は、特定シーンに対応するN個のモータのそれぞれの振動感を含み、かつ、特定シーンと振動感情報との対応関係は、特定シーンとN個のモータのそれぞれの振動感情報との対応関係であってもよい。このようにして、端末が対応関係に基づき、モニタリングされたシーンに対応する振動感情報を取得するときに、特定シーンに対応するN個のモータのそれぞれの振動感に基づき、それぞれN個のモータを駆動して振動させることができる。このようにして、複数のモータの単独なまたは協調的な動作で、より多くの形態の振動感を提供することができ、ユーザが振動感に基づいて多くの有効的な情報を知ることを可能にし、ユーザと端末との間のヒューマンコンピュータインタラクション体験をさらに向上させる。
【0034】
本実施形態では、ステップ101およびステップ102は、情報の初期設定として、一般的に1回だけ行えばよく、ユーザがアプリケーションを起動するたびに情報のプリセットを行う必要がないため、ユーザの手動操作が簡単になり、ユーザが良い使用体験を得ることを可能にする。
【0035】
本実施形態は、従来技術に対して、端末にはアプリケーションの1つまたは複数のシーンが特定シーンとして予め設定され、かつ、端末には特定シーンに対応する振動感が予め設定されていることによって、端末にアプリケーションの特定シーンと振動感情報との対応関係が予め設定されるようにする。このようにして、端末が上記アプリケーションを実行する際、予め設定された特定シーンと振動感情報との対応関係に基づき、アプリケーションに現在現れているシーンが、ある特定シーンであるときに、この特定シーンに対応する振動感情報を取得することができるので、取得された振動感情報に基づき、端末のモータを駆動して振動させて、対応する振動感を提供することができる。このようにすることで、端末内のモータはアプリケーションの現在のシーンに応じてトリガすることができるので、ユーザと端末との間のヒューマンコンピュータインタラクション体験を効果的に向上させる。
【0036】
本発明の第2実施形態は、シーンベースの振動フィードバック方法に関する。第2実施形態は、第1実施形態に基づいて詳細化されたものであり、主な詳細化された点は、本発明の第2実施形態では、端末内のモータがアプリケーションの現在のシーンに応じて振動をトリガする具体的な実現形態を提供することにある。以下に、本実施形態におけるシーンベースの振動フィードバック方法について具体的に説明する。
【0037】
本実施形態では、端末は、Androidシステムの端末である。アプリケーションがステップ103を実行する際に、アプリケーションは、アプリケーション層でアプリケーションに現在現れているシーンをリアルタイムでモニタリングし、モニタリングされたシーンが特定シーンであるときに、対応関係に基づき、特定シーンに対応するインデックス番号を取得する。その後、アプリケーションは、アプリケーション層でインターフェース呼び出しによって取得されたインデックス番号をJNI層に転送して、JNI層でインデックス番号に基づき、モータ駆動信号を見つけ、JNI層で見つけられたモータ駆動信号をドライバ層に転送して、ドライバ層でのドライバチップがモータ駆動信号を物理層内のモータに入力する。例えば、アプリケーション層は、触覚ソフトウェア開発キットHaptic SDK(Software Development Kit、「SDK」と略称)インターフェースを呼び出して、プログラム命令PlayVibrate(int index)をJNI層に出力する。ここで、indexは、インデックス番号を意味する。JNI層は、プログラム命令PlayVibrate(int index)に従って、対応関係からindexインデックス番号に対応するモータ駆動信号を取得してドライバ層に伝達して、ドライバ層のドライバチップは、モータ駆動信号に基づき、対応する電気信号を取得し、電気信号をモータに入力して、モータを振動させる。ここで、ドライバチップは、電気信号をモータに入力する前に、電気信号を増幅することができる。
【0038】
なお、Androidシステムでは、フォアグラウンドで動作するアプリケーションを有しても良く、バックグラウンドで動作するアプリケーションを有しても良い。本実施形態では、アプリケーションは、ユーザに不要な振動を与えないようにするために、アプリケーションがフォアグラウンドで動作するとき、本実施形態に係るシーンベースの振動フィードバック方法を実行する。しかしながら、本実施形態では、アプリケーションがアプリケーションに現在現れているシーンをリアルタイムでモニタリングすることを予め設定するタイミングについて、なんら限定もせず、実際の操作時に、ユーザは、自分の実際のニーズに応じて、アプリケーションがフォアグラウンドまたはバックグラウンドで動作するときに現在アプリケーションに現れているシーンをリアルタイムでモニタリングすることを予め設定することができる。
【0039】
本発明の第3実施形態は、シーンベースの振動フィードバック方法に関し、具体的なフローは、図2に示す通りである。第3実施形態は、第1実施形態や第2実施形態に基づいて改良されるものであり、主な改良点は、本発明の第3実施形態では、ユーザは、端末によって現在提供されている振動感がユーザの個々のニーズと合致できるように、振動感強度を調整するように端末を制御することができることにある。以下に、本実施形態におけるシーンベースの振動フィードバック方法について具体的に説明する。
【0040】
本実施形態におけるステップ202〜ステップ204は、第1実施形態におけるステップ101〜ステップ103とほぼ同じであり、サブステップ2031〜サブステップ2032は、サブステップ1021〜サブステップ1022とほぼ同じであり、サブステップ2041〜サブステップ2042は、サブステップ1031〜サブステップ1032とほぼ同じであり、重複説明を減らすために、ここではそれらについての詳細な説明を省略して、以下に、異なる部分のみについて説明する。
【0041】
ステップ205:ユーザによってトリガされた振動感強度調整信号を受信したとき、振動感強度を調整する。
【0042】
具体的には、ユーザが振動感強度調整信号をトリガして振動感強度を調整できるように、技術者がアプリケーションに振動感強度調整信号を予め設定する。ここで、振動感トリガ信号は、ボタン、コンビネーションキー、またはジェスチャの形態で存在してもよい。振動感強度は、振動振幅、振動周波数、または振動振幅と振動周波数の組合せ情報を含むことができる。
【0043】
より具体的には、アプリケーションは、起動して動作するときに、プロンプトインタフェースを提供することができる。ここで、プロンプトインタフェースは、ユーザが振動感フィードバック機能をオンまたはオフにするための振動感フィードバック機能オプションを含む。プリケーションはユーザが振動感フィードバック機能をオンにしたことを検出すると、それは、ユーザが振動感強度調整信号をトリガすることによって振動感強度を調整できることを意味する。このように、ユーザは、現在の実際の運用要求に従って振動感機能の有効化または無効化を便利かつ迅速に設定することができ、それによって面倒な設定操作を省くだけでなく、アプリケーションによって提供されるサービスをユーザの使用ニーズと高く合致させることができ、ユーザの良い体験になる。例えば、プロンプトインタフェースには、仮想ボタン「はい」および仮想ボタン「いいえ」を含むことができ、ユーザが仮想ボタン「はい」の所在位置をクリックすると、アプリケーションは、ユーザが振動感フィードバック機能をオンにすることが検出されたものと見なすことができる。或いは、プロンプトインタフェースには、例えば、「画面をダブルクリックすると振動感フィードバック機能がオンにされる」のようなテキストプロンプト情報を含むことができ、ユーザが画面をダブルクリックしたことを検知すると、アプリケーションは、ユーザが振動感フィードバック機能をオンにしたことが検出されたものと見なすことができる。ただし、上述したプロンプトインタフェースの例は、例示的に示されるものに過ぎず、本実施形態においてプロンプトインタフェースの具体的な実現形態は、限定されるものではない。
【0044】
ステップ206:調整された振動感強度に従って振動するように、端末に内蔵されるモータを駆動する。
【0045】
具体的には、技術者はアプリケーションに振動感トリガ信号と振動感強度との対応関係を予め記憶しておいてもよく、アプリケーションは、取得された振動感トリガ信号に基づき、対応する振動感強度を取得して、調整された振動感強度に従って振動するように端末に内蔵されるモータを駆動する。あるいは、アプリケーションには、振動感強度の調整情報を予め記憶してもよく、アプリケーションは、振動感トリガ信号を検出するたびに、予め設定された振動感強度調整情報に従って振動感強度を調整することができる。
【0046】
なお、アプリケーションは、フィードバック情報に基づき、特定シーンと振動感情報との対応関係を更新するように、ユーザによってトリガされた振動感トリガ信号に基づき、フィードバック情報を生成することができる。例えば、アプリケーションは、トリガされた振動感トリガ信号に従って、振動振幅の調整量、振動周波数の調整量、または振動振幅と振動周波数の調整量を含むフィードバック情報を生成することができる。
【0047】
上記実施形態と比べて、本実施形態の有益な効果は、以下の通りである。すなわち、ユーザは、端末によって現在提供されている振動感がユーザの個人的ニーズに合致できるように、自分でモータの動作形態を調整することができる。そして、端末は、ユーザの入力したフィードバック情報に応じて対応関係を更新するので、次回にモータの振動を制御する際に、端末がユーザの個人的な使用習慣と高く合致する振動感を提供することができ、インテリジェント化のレベルが高く、ユーザと端末の間のヒューマンコンピュータインタラクション体験をさらに向上させる。
【0048】
本発明の第4実施形態は、図3に示すように、少なくとも1つのプロセッサ301と、前記少なくとも1つのプロセッサ301に通信接続されるメモリ302とを含む携帯端末に関する。ここで、メモリ302は、前記少なくとも1つのプロセッサ301によって実行可能な命令を記憶し、前記命令は、前記少なくとも1つのプロセッサ301が上記実施形態におけるシーンベースの振動フィードバック方法を実行することを可能にするように、前記少なくとも1つのプロセッサ301によって実行される。
【0049】
ここで、メモリ302およびプロセッサ301はバス方式で接続され、バスは、1つまたは複数のプロセッサ301とメモリ302の様々な回路とを接続する任意の数の相互接続されたバスおよびブリッジを含み得る。当該技術分野で周知のように、バスは、周辺機器、電圧調整器、および電力管理回路などの他の様々な回路に接続することもでき、したがって本明細書ではこれ以上の説明は行わない。バスインタフェースは、バスとトランシーバとの間のインターフェースを提供するものである。トランシーバは、1つの素子であってもよいし、例えば伝送媒体において様々な他の装置と通信するための手段を提供する複数の受信機と送信機などの複数の素子であってもよい。プロセッサ301によって処理されたデータは、アンテナを介して無線媒体を介して送信され、さらにアンテナはデータを受信してプロセッサ301に送信する。
【0050】
プロセッサ301は、バスおよび通常の処理を司るものであり、さらに、タイミング、周辺インターフェース、電圧調整、電力管理、および他の制御機能を含む様々な機能も提供することができる。メモリ302は、プロセッサ301が操作を実行する際に使用されるデータを格納するために用いられることができる。
【0051】
本発明の実施形態は、従来技術に対して、端末内のモータは、アプリケーションの現在のシーンに基づいてトリガすることができるので、ユーザと端末との間のヒューマンコンピュータインタラクション体験を向上することに有利となる。
【0052】
本発明の第5実施形態は、コンピュータプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に関する。上述した方法実施形態は、コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されるときに実現される。
【0053】
本発明の実施形態は、従来技術に対して、端末内のモータは、アプリケーションの現在のシーンに基づいてトリガすることができるので、ユーザと端末との間のヒューマンコンピュータインタラクション体験を向上することに有利となる。
【0054】
上述した各実施形態は、本発明を実現するための具体的な実施例であるが、実際の応用では、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で形式や詳細を各種の改良を行うことが可能であることは、当業者には理解されるところである。
図1
図2
図3