(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記単位構造体に対して、前記第2の方向に伸長力が作用した際には、前記第1及び第2支持板が前記第2の方向に更に離間し、前記第1及び第2の傾斜板と前記第2仮想辺との間の角度が低減し、前記第1及び第2の傾斜板の間の角度が増大して、前記中心点が前記第2仮想辺に接近する、請求項3から5のいずれか一項に記載の伸縮基板。
前記単位構造体に対して、前記第1の方向に伸長力が作用した際には、前記中心点が前記第2仮想辺に接近し、前記第1及び第2の傾斜板の間の角度が増大して、前記第1及び第2の傾斜板と前記第2仮想辺との間の角度が低減し、前記第1及び第2支持板が前記第2の方向に更に離間する、請求項3から6のいずれか一項に記載の伸縮基板。
前記表示素子は、前記仮想矩形の前記頂点と、前記中心点の、いずれか一方または双方に対応付けて設けられている、請求項10から12のいずれか一項に記載の伸縮表示装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のようなエラストマー等の、伸縮基板を形成する材料は、ポアソン比が例えば0.5に近く、伸縮に伴う体積変化が非常に小さい。このような材料により形成された基板を、例えば長さ方向に伸長させると、基板の幅及び厚みが低減する。この幅及び厚みの低減度合いは、端部よりも中央近傍において特に大きく、このため伸縮基板は、中央近傍に歪が集中するように大きく変形する。
したがって、伸縮基板内に設けられた電子回路においては、特に中央近傍に設けられた部分に伸長時の負荷が集中してしまう。
【0006】
また、従来の伸縮基板においては、上記のように基板を長さ方向に伸長させると幅が低減するため、伸長させた際の面内寸法比が変化する。この面内寸法比の変化は、上記のように伸長時の幅の低減度合いは中央近傍において大きくなるため、端部近傍よりも中央近傍において特に顕著となる。
したがって、例えば伸縮基板内にLED等の表示素子を複数、格子状に整列することにより、伸縮性を有する表示装置を実現したとしても、伸縮基板が伸長した際には、特に伸長方向における中央近傍に表示される画像が大きく歪んでしまう。
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、伸長時の状態における電子回路への局所的な歪の集中や表示の歪みを低減可能な、伸縮基板及び伸縮表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。すなわち、本発明は、電子回路が設置され、伸縮性を有する材料により形成された伸縮基板であって、オーセチック構造体を備えている、伸縮基板を提供する。
本明細書において、長さが増大するのは、一方向における物体の全長が増大する場合のみならず、当該一方向における長さが全長よりも短い部分が全長を超えない範囲で増大する場合をも含む。また、ポアソン比が負の値を有するのは、物体が一方向に伸長した場合、この一方向に直交する方向における物体の全長が伸長する場合のみならず、当該直交方向における長さが全長よりも短い部分が全長を超えない範囲で伸長する場合をも含む。
オーセチック構造体は、伸長力が作用した方向に伸長するとともに、これに直交する少なくとも一つの方向においても伸長する構造体である。
このようなオーセチック構造体が伸縮基板に設けられているため、伸縮基板が、伸長力が作用した際にこれに直交する方向に収縮しようとしても、この収縮は、オーセチック構造体の直交方向における伸長に抗し得ない。結果として、伸縮基板も、伸長力が作用した方向に伸長するとともに、これに直交する方向においても、オーセチック構造体の伸長に伴って伸長するか、あるいは伸長しないまでも、直交方向における収縮が緩和されるように、変形する。
このように、伸縮基板は、伸長力が作用した際に、伸長力が作用した方向と、これに直交する方向の各々に伸長力を受けるため、直交方向における局所的な長さの大きな低減を抑制可能である。したがって、伸縮基板の局所的な大変形が抑制され、電子回路への局所的な歪の集中を抑制できる。
【0009】
また、本発明は、伸縮性を有する伸縮表示装置であって、複数の表示素子が設置された、伸縮性を有する材料により形成された伸縮基板を備え、当該伸縮基板は、オーセチック構造体を備えている、伸縮表示装置を提供する。
上記のような構成によれば、オーセチック構造体が伸縮基板に設けられているため、伸縮基板が、伸長力が作用した際にこれに直交する方向に収縮しようとしても、この収縮は、オーセチック構造体の直交方向における伸長に抗し得ない。結果として、伸縮基板も、伸長力が作用した方向に伸長するとともに、これに直交する方向においても、オーセチック構造体の伸長に伴って伸長するか、あるいは伸長しないまでも、直交方向における収縮が緩和されるように、変形する。
このように、伸縮基板は、伸長力が作用した際に、伸長力が作用した方向と、これに直交する方向の各々に伸長力を受けるため、直交方向における局所的な長さの大きな低減を抑制可能である。したがって、伸縮基板の局所的な大変形が抑制され、電子回路への局所的な歪の集中を抑制できる。
また、上記のように、伸縮基板は伸長力が作用した方向と直交方向の双方に伸長するため、伸長時における伸縮基板上の面内寸法比の変化を低減できる。したがって、伸縮表示装置に画像を表示させた際に、表示される画像の歪みを低減可能である。
【0010】
本発明の一態様においては、前記オーセチック構造体は、前記材料よりも高い弾性の材料により形成され、平面視したときに、ポアソン比が負の値となるように構成された複数の単位構造体が並べられて形成されている。
上記のような構成によれば、単位構造体は、平面視したときにポアソン比が負の値となるように構成されている。すなわち、単位構造体に対して平面内で伸長力が作用し、伸長力が作用した方向の長さが増大した際に、平面内で伸長力が作用した方向に直交する方向における長さも増大するように、単位構造体は形成されている。このような単位構造体が並べられることによりオーセチック構造体は形成されているため、オーセチック構造体に伸長力が作用した際に、オーセチック構造体は、伸長力が作用した方向に伸長するとともに、平面内でこれに直交する方向においても伸長する。
このようなオーセチック構造体が、伸縮基板を形成する材料よりも高い弾性の材料で形成されているため、伸縮基板が、伸長力が作用した際にこれに直交する方向に収縮しようとしても、この収縮は、オーセチック構造体の直交方向における伸長に抗し得ない。結果として、伸縮基板も、伸長力が作用した方向に伸長するとともに、これに直交する方向においても、オーセチック構造体の伸長に伴って伸長するか、あるいは伸長しないまでも、直交方向における収縮が緩和されるように、変形する。
このように、伸縮基板は、伸長力が作用した際に、伸長力が作用した方向と、これに直交する方向の各々に伸長力を受けるため、直交方向における局所的な長さの大きな低減を抑制可能である。したがって、伸縮基板の局所的な大変形が抑制され、電子回路への局所的な歪の集中を抑制できる。
【0011】
本発明の別の態様においては、前記オーセチック構造体の周縁部に位置する前記単位構造体のポアソン比の値よりも、内方部に位置する前記単位構造体のポアソン比の値が小さい。
上記のような構成によれば、伸縮基板に伸長力が作用した際に、伸長力が作用した方向に直交する方向における長さの変化が大きい内方部に、ポアソン比の値が小さい、すなわち伸長力が作用した際の直交方向における伸長度合いが大きい単位構造体が設けられている。これにより、伸縮基板が伸長した際の、特に内方部における収縮変形に、効果的に抗することができる。
したがって、伸長時の状態における電子回路への局所的な歪の集中や表示の歪みを低減可能な、伸縮基板及び伸縮表示装置を、効果的に実現可能である。
【0012】
本発明の別の態様においては、前記単位構造体は、前記オーセチック構造体の周縁部よりも内方部の方に多く設けられている。
上記のような構成によれば、伸縮基板に伸長力が作用した際に、伸長力が作用した方向に直交する方向における長さの変化が大きい内方部に、直交する方向にも伸長するように構成された単位構造体が、周縁部よりも多く設けられている。これにより、伸縮基板が伸長した際の、特に内方部における収縮変形に、効果的に抗することができる。
したがって、伸長時の状態における電子回路への局所的な歪の集中や表示の歪みを低減可能な、伸縮基板及び伸縮表示装置を、効果的に実現可能である。
【0013】
本発明の別の態様においては、前記単位構造体は、平面視したときに、第1の方向と、当該第1の方向に直交する第2の方向に辺が延在する仮想矩形を外輪郭として形成され、前記第1の方向に延在する第1仮想辺の各々に沿って立てて設けられた、第1及び第2支持板と、前記第2の方向に延在する第2仮想辺に対応して設けられた、第1及び第2変形板と、を備え、当該第1及び第2変形板の各々は、前記第2仮想辺の中央部よりも前記仮想矩形の内側に位置する中心点と、当該第2仮想辺の接続する前記仮想矩形の各頂点とを結ぶ、前記第2仮想辺に対して傾斜した仮想線の各々に沿って立てて設けられた第1及び第2の傾斜板を備えている。
上記のような構成によれば、単位構造体に対して、第2の方向に伸長力が作用した際には、第1及び第2支持板が第2の方向に更に離間し、第1及び第2の傾斜板と第2仮想辺との間の角度が低減し、第1及び第2の傾斜板の間の角度が増大して、中心点が第2仮想辺に接近する。これにより、2つの第2仮想辺の各々に対応する中心点間が離間し、単位構造体の、特に第2の方向における中央部近傍は、第1の方向における長さが増大する。
また、単位構造体に対して、第1の方向に伸長力が作用した際には、中心点が第2仮想辺に接近し、第1及び第2の傾斜板の間の角度が増大して、第1及び第2の傾斜板と第2仮想辺との間の角度が低減し、第1及び第2支持板が第2の方向に更に離間する。これにより、単位構造体は第2の方向における長さが増大する。
このように、単位構造体は、第1及び第2のいずれの方向に伸長力が作用した場合であっても、伸長方向に直交する方向における長さが増大するように構成されている。
したがって、伸長時の状態における電子回路への局所的な歪の集中や表示の歪みを低減可能な、伸縮基板及び伸縮表示装置を、効果的に実現可能である。
【0014】
本発明の別の態様においては、複数の前記単位構造体は、前記第2の方向に並べて設けられて単位構造体行が形成され、前記単位構造体の第2支持板は、当該単位構造体の前記第2支持板側に位置して隣接する前記単位構造体における、前記第1支持板である。
上記のような構成によれば、単位構造体を密に並べて配置することができる。
したがって、伸長時の状態における電子回路への局所的な歪の集中や表示の歪みを低減可能な、伸縮基板及び伸縮表示装置を、効果的に実現可能である。
【0015】
本発明の別の態様においては、複数の前記単位構造体行が、前記第1の方向に並べて設けられ、前記単位構造体行を構成する前記単位構造体の前記第1及び第2傾斜板は、前記第1の方向に隣接する前記単位構造体行を構成する前記単位構造体及びこれに隣接する前記単位構造体の、前記第1または第2変形板である。
上記のような構成によれば、単位構造体を密に並べて配置することができる。
したがって、伸長時の状態における電子回路への局所的な歪の集中や表示の歪みを低減可能な、伸縮基板及び伸縮表示装置を、効果的に実現可能である。
【0016】
本発明の別の態様においては、前記単位構造体に対して、前記第2の方向に伸長力が作用した際には、前記第1及び第2支持板が前記第2の方向に更に離間し、前記第1及び第2の傾斜板と前記第2仮想辺との間の角度が低減し、前記第1及び第2の傾斜板の間の角度が増大して、前記中心点が前記第2仮想辺に接近する。
上記のような構成によれば、単位構造体は、第2の方向に伸長力が作用した場合であっても、特に第2の方向における中央部近傍が、第2の方向に直交する第1の方向に伸長するように構成されているため、伸長時の状態における電子回路への局所的な歪の集中や表示の歪みを低減可能な、伸縮基板及び伸縮表示装置を、効果的に実現可能である。
【0017】
本発明の別の態様においては、前記単位構造体に対して、前記第1の方向に伸長力が作用した際には、前記中心点が前記第2仮想辺に接近し、前記第1及び第2の傾斜板の間の角度が増大して、前記第1及び第2の傾斜板と前記第2仮想辺との間の角度が低減し、前記第1及び第2支持板が前記第2の方向に更に離間する。
上記のような構成によれば、単位構造体は、第1の方向に力が作用した場合であっても、これに直交する第2の方向に伸長するように構成されているため、伸長時の状態における電子回路への局所的な歪の集中や表示の歪みを低減可能な、伸縮基板及び伸縮表示装置を、効果的に実現可能である。
【0018】
本発明の別の態様の伸縮表示装置においては、前記表示素子は、前記仮想矩形の前記頂点と、前記中心点の、いずれか一方または双方に対応付けて設けられている。
伸縮表示装置に伸長力が作用した際に、この伸長力はオーセチック構造体の各単位構造体に作用する。単位構造体の各支持板や傾斜板は板体として構成されており、伸長時には、これら板体の表面が、隣接して周囲に位置するエラストマー等の伸縮基板を形成する材料の、伸長力が作用する方向に直交する方向に伸縮しようとする力に抗する。したがって、これらの板体には、伸長時には応力が作用して、歪が生じやすい。
これに対し、単位構造体の各板体が互いに接合された部分に相当する、仮想矩形の頂点や中心点においては、複数の板体が平面内の異なる方向から互いに接合されて支持されているため応力に抗しやすく、板体の表面部分に比べると歪が生じにくい。すなわち、上記のような構成によれば、表示素子が、オーセチック構造体の歪の生じにくい部分に対応付けて設けられているため、伸縮表示装置の伸長時に表示素子に作用する負荷を低減可能である。
【0019】
本発明の別の態様の伸縮表示装置においては、前記表示素子は、前記第1の単位構造体行の前記第1及び第2支持板に対応付けて設けられている。
伸縮基板に伸長力が作用すると、オーセチック構造体のポアソン比は負の値となるように構成されているため、伸縮基板は伸縮方向と平面内でこれに直交する方向の双方に伸長する。伸縮基板は、エラストマー等のポアソン比が正の値を有する材料で形成されているため、この平面内における2つの直交する方向へ共に、伸縮基板が伸長すると、伸縮基板の体積を維持しようとするために、伸縮基板の厚さが低減する。
ここで、各単位構造体においては、当該単位構造体の周辺に設けられた伸縮基板を形成する材料は支持板に支持されているため、伸縮基板の伸長による影響を受けにくく、厚さ方向に生じる歪も生じにくい。すなわち、上記のような構成によれば、表示素子が、伸縮基板を形成する材料の歪の生じにくい部分に対応付けて設けられているため、伸縮表示装置の伸長時に表示素子に作用する負荷を低減可能である。
【0020】
本発明の別の態様の伸縮表示装置においては、前記オーセチック構造体は、前記伸縮基板に設置されている。
上記のような構成によれば、伸縮表示装置を好適に実現可能である。
【0021】
本発明の別の態様の伸縮表示装置においては、前記伸縮基板は、前記表示素子が設置された伸縮基板本体と、支持基板とを備え、前記オーセチック構造体は、前記支持基板に設置され、当該支持基板は、前記伸縮基板本体の、前記表示素子による表示が視認される表示側とは反対側の表面に接合されている。
上記のような構成によれば、伸縮表示装置を好適に実現可能である。
特に、オーセチック構造体が表示側とは反対側の表面に接合されているため、オーセチック構造体は表示素子による表示を阻害しない。
【0022】
本発明の別の態様の伸縮表示装置においては、前記伸縮基板は、前記表示素子が設置された伸縮基板本体と、支持基板とを備え、前記オーセチック構造体は、前記支持基板に設置され、前記オーセチック構造体と前記支持基板のいずれか一方または双方は、透明な材料により形成され、前記支持基板は、前記伸縮基板本体の、前記表示素子による表示が視認される表示側の表面に接合されている。
上記のような構成によれば、伸縮表示装置を好適に実現可能である。
オーセチック構造体と支持基板は表示側に接合されてはいるが、オーセチック構造体と支持基板のいずれか一方または双方は透明な材料により形成されているため、表示素子による表示が阻害されにくい。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、伸長時の状態における電子回路への局所的な歪の集中や表示の歪みを低減可能な、伸縮基板及び伸縮表示装置を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態における伸縮基板及び伸縮表示装置の模式的な平面図、
図2は伸縮基板及び伸縮表示装置の、
図1中Y方向から視た際の側面図である。
【0026】
伸縮表示装置1は、伸縮性を有する材料により形成された伸縮基板2を備え、当該伸縮基板2に、電子回路3として設置、特に本実施形態においては埋設されて実現されている。これにより、伸縮表示装置1は、伸縮性を有するように形成されている。伸縮基板2は、第1の方向Yとこれに直交する第2の方向Xにより形成される平面内に収まるように、平板状に、かつ矩形形状に形成されている。伸縮基板2は、例えばエラストマー等の、伸縮性を備える絶縁体により形成されている。より具体的には、熱硬化性ポリウレタン、熱可塑性ポリウレタン、シリコーン、ポリ塩化ビニル、天然ゴム、および、エチレンプロピレンゴムなどの各種合成ゴムなどが適用可能である。また、可視光線に対して少なくとも部分的に透明であることがより好ましく、熱硬化性ポリウレタン、熱可塑性ポリウレタン、シリコーン、および、ポリ塩化ビニルが例示できる。更には、伸縮基板2を形成する樹脂として、例えば、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエチレンテレフタラート、ポリエチレンナフタラート等を用いることができるが、これに限られない。
伸縮表示装置1は、表示素子4と配線5を備えている。表示素子4と配線5は、伸縮基板2内に埋設されている。
【0027】
表示素子4は、LED、OLED、電子線や光によって励起される蛍光体を利用した素子等の発光素子、液晶素子やMEMSシャッターなどを利用した透過型光制御素子、並びに例えば電子ペーパーに用いられる各種の反射型光制御素子のいずれか若しくはこれらの組み合わせである。上記の中でも例えばLEDが発光素子として好適であり、本実施形態においては、発光素子はLEDである。LEDは、各々の画素に1以上の発光部を有している。LEDの寸法は特に限定されないが、発光面の一辺の長さは、精細度の点から上限は10mm以下であり、製造の容易さと出力の点から10μm以上であるのが望ましい。またLEDはパッケージ化されていてもよいが、されていなくても良く、反射材を備えていても良いが、備えていなくてもよい。表示素子4は、1つの発光素子に対し、複数のダイを備えることで多色化を実現していても良いし、1つの発光素子当たりのダイは1つであってもよい。表示素子の多色化を実現する方法として、複数種のダイを備えていてもよいし、単一色のダイに対して複数種の蛍光体と組み合わせてもよく、白色発光素子とカラーフィルターを組み合わせても良い。
表示素子4は、第2の方向Xと第1の方向Yの各々に沿って、各方向において略同等のピッチで、互いに間隔をあけて配列されている。
表示素子4は、本実施形態においては例えば3個の、第1サブピクセル11、第2サブピクセル12、及び第3サブピクセル13を備えている。第1〜第3サブピクセル11、12、13は、それぞれ、例えば赤色、緑色、及び青色の各々に対応して発光するように形成されている。
【0028】
配線5は、一の方向に延びる軸線の周りに、螺旋状に巻回されて形成されている。配線5は、配線5の螺旋が軸線の周りを一周するときの軸線方向における長さ、すなわちピッチ長が一定となるように形成されている。これにより、配線5は、軸線方向に伸縮基板2が伸縮された際に、これに追従して伸縮する。
配線5の材料は、例えば、銅、金、銀、アルミニウム、チタン、モリブデン、タングステン、ニッケル、鉄、及びこれらの合金のいずれかであるが、導電性の高い物質であればこれに限られない。また、これらの物質の積層体でもよい。
【0029】
配線5は、第1配線5aと第2配線5bを備えている。第1配線5aは、第2の方向Xに延び、第2の方向Xに隣接する表示素子4間を接続するように設けられている。第2配線5bは、第1の方向Yに延び、第1の方向Yに隣接する表示素子4間を接続するように設けられている。第1の方向Yに隣接する表示素子4間には、表示素子4内のサブピクセル数に応じた数の、例えば本実施形態においては3本の、第2配線5bが接続して設けられている。
このように、第1配線5aと第2配線5bは、伸縮基板2内に格子状に設けられている。
【0030】
図3は、アクティブマトリクス方式の伸縮表示装置1として実現される第1の電子回路3の回路構成を示す説明図である。
図4(a)は、伸縮表示装置1がパッシブマトリクス方式である場合の表示素子4の平面図、
図4(b)は、表示素子4を第1の方向Yから、特に
図4(a)における紙面下方向から視た際の側面図、及び、
図4(c)は、表示素子4を第2の方向Xから、特に
図4(a)における紙面右方向から視た際の側面図である。
図5は、伸縮表示装置1がアクティブマトリクス方式である場合の表示素子4の構成を示す模式的な側面図である。
図4に示される表示素子4は、パッシブマトリクス方式の伸縮表示装置1において使用されるものであり、トランジスタを含まない構成となっている。この場合においては、第1配線5aは走査線に相当し、第2配線5bはデータ線に相当する。各配線5a、5bは、対応する電極16に接続され、電極16は各第1〜第3サブピクセル11、12、13に接続されている。
図5に示される表示素子4は、アクティブマトリクス方式の伸縮表示装置1において使用されるものであり、トランジスタ14を含む構成となっている。この場合においては、第1配線5aはゲート線に相当し、第2配線5bはソース線に相当する。
より詳細には、各表示素子4は、各第1〜第3サブピクセル11、12、13に対応したトランジスタ14を備えている。各トランジスタ14のソース4aには、対応する電極16を介し、第1〜第3サブピクセル11、12、13の各々に対応した第2配線5bが接続されている。各トランジスタ14のゲート4bには、第1配線5aが接続されている。各トランジスタ14のドレイン4cは、各第1〜第3サブピクセル11、12、13に接続されている。
なお、アクティブマトリクス方式において各第1〜第3サブピクセル11、12、13に接続されるコモン電極は、
図5においては省略している。
【0031】
本実施形態における伸縮表示装置1は、アクティブマトリクス方式、パッシブマトリクス方式のいずれであっても構わない。これらのいずれの場合においても、第1配線5aを順次オンにし、このときの表示のレベルに対応した電圧が第2配線5bに供給されると、各第1〜第3サブピクセル11、12、13に当該電圧が伝達されることにより、伸縮表示装置1に画像が表示される。
【0032】
伸縮基板2は、オーセチック構造体20を備えている。
図6は、
図2のA−A部分の断面図である。
図7は、
図6のB矢視部分の拡大図である。
図8は、B矢視部分の斜視図である。
オーセチック構造体20は、ポアソン比が負の値となるように構成されたオーセチック構造(Auxetic Materials)を備えるように、特に本実施形態においては平面状に形成されている。オーセチック構造体20は、上記のようにポアソン比が負の値となるように構成されているため、一方向に伸長させると、オーセチック構造体20を形成する平面内でこの一方向に直交する直交方向においても伸長する。
ここで、長さが増大するのは、一方向における物体の全長が増大する場合のみならず、当該一方向における長さが全長よりも短い部分が全長を超えない範囲で増大する場合をも含む。また、ポアソン比が負の値を有するのは、物体が一方向に伸長した場合、この一方向に直交する方向における物体の全長が伸長する場合のみならず、当該直交方向における長さが全長よりも短い部分が全長を超えない範囲で伸長する場合をも含む。
オーセチック構造体20は、伸縮基板2を形成する材料よりも高い弾性の材料によって形成されている。オーセチック構造体20を形成する材料としては、例えば、ポリイミド、ポリアミド、ポリウレタンなどの樹脂を用いることができるが、これに限られない。
オーセチック構造体20は、本実施形態においては、伸縮基板2内に設置、特に本実施形態においては埋設されている。
【0033】
オーセチック構造体20は、
図6のように平面視したときに、複数の単位構造体21が密に並べられた構造となっている。
単位構造体21の各々は、平面視したときに、第1の方向Yと、第1の方向Yに直交する第2の方向Xに辺が延在する仮想矩形30を外輪郭として形成されている。
仮想矩形30は、第1の方向Yに延在する、互いに略平行に設けられた2つの第1仮想辺31と、第2の方向Xに延在する、互いに略平行に設けられた2つの第2仮想辺32を備えている。第1仮想辺31と第2仮想辺32の各々は、4か所に設けられた頂点33において互いに交わっている。
【0034】
単位構造体21は、第1支持板22、第2支持板23、第1変形板24、及び第2変形板25を備えている。第1変形板24と第2変形板25の各々は、第1傾斜板26と第2傾斜板27を備えている。これらの部材は全て、略同等の幅と厚さを有する板材である。これら板材は、幅方向が、第2の方向Xと第1の方向Yの各々に直交する厚さ方向Zと一致するように、第2の方向Xと第1の方向Yによって形成される平面に対して立てて設けられている。
第1支持板22と第2支持板23は、第1仮想辺31と略同等の長さを備えており、2つの第1仮想辺31の各々に沿って設けられている。
【0035】
第1変形板24は、
図7における上側の第2仮想辺32に対応して設けられている。第1変形板24を構成する第1傾斜板26は、上側の第2仮想辺32の、中央部よりも仮想矩形30の内側すなわち第2仮想辺32よりも下側に仮想的に設けられた点34と、
図7において左上に位置する頂点33とを結ぶ仮想線35に沿って設けられている。第1変形板24を構成する第2傾斜板27は、上記の点34と、
図7において右上に位置する頂点33とを結ぶ仮想線35に沿って設けられている。
このように、第1傾斜板26と第2傾斜板27が中心点34において互いに角度φを付けて接合されるように、第1変形板24は形成されている。第1傾斜板26の、中心点34とは反対側の端部は、左上の頂点33において第1支持板22に接合されている。第2傾斜板27の、中心点34とは反対側の端部は、右上の頂点33において第2支持板23に接合されている。
【0036】
第2変形板25は、
図7における下側の第2仮想辺32に対応して設けられている。第2変形板25を構成する第1傾斜板26は、下側の第2仮想辺32の、中央部よりも仮想矩形30の内側すなわち第2仮想辺32よりも上側に仮想的に設けられた点34と、
図7において左下に位置する頂点33とを結ぶ仮想線35に沿って設けられている。第2変形板25を構成する第2傾斜板27は、上記の点34と、
図7において右下に位置する頂点33とを結ぶ仮想線35に沿って設けられている。
このように、第1傾斜板26と第2傾斜板27が中心点34において互いに角度φを付けて接合されるように、第2変形板25は形成されている。第1傾斜板26の、中心点34とは反対側の端部は、左下の頂点33において第1支持板22に接合されている。第2傾斜板27の、中心点34とは反対側の端部は、右下の頂点33において第2支持板23に接合されている。
【0037】
上記のような構成により、第1傾斜板26、第2傾斜板27の各々は、対応する第2仮想辺32に対して仮想矩形30の内側に延在するように傾斜して設けられている。第1傾斜板26、第2傾斜板27の各々の第2仮想辺32に対する傾斜角θは、略同等となるように、単位構造体21は形成されている。
【0038】
オーセチック構造体20は、
図6に示されるように、複数の単位構造体21が整列されて構成されている。
複数の単位構造体21は、第2の方向Xに並べて設けられることにより、ひとつの単位構造体行28が形成されている。
図6に示される単位構造体21Aの第2支持板23Aは、この単位構造体21Aの第2支持板23側、すなわち
図6における右側に位置して隣接する単位構造体21Bにおける、第1支持板22Bとなるように構成されている。このように、第2の方向Xに隣接する2つの単位構造体21は、一つの支持板を共有する構造となっている。
【0039】
また、上記のようにして複数の単位構造体行28が形成され、これら複数の単位構造体行28が第1の方向Yに並べて設けられることで、オーセチック構造体20が形成されている。
図6に示される単位構造体21Aは、単位構造体21Aが属する単位構造体行28Aの下の単位構造体行28Bを構成する単位構造体21Cと第1の方向Yに隣接している。単位構造体21Aの、第2変形板25Aの第2傾斜板27Aは、単位構造体21Cの、第1変形板24Cの第1傾斜板26Cとなるように構成されている。また、単位構造体21Aに第2の方向Xに隣接する単位構造体21Bの、第2変形板25Bの第1傾斜板26Bは、単位構造体21Cの、第1変形板24Cの第2傾斜板27Cとなるように構成されている。このように、第1の方向Yに隣接する2つの単位構造体21は、一つの傾斜板を共有する構造となっている。
第1の方向Yに隣接する2つの単位構造体行28A、28Bにおいて、一方の単位構造体行28Aにおける単位構造体21の第1支持板22と第2支持板23は、隣接する他方の単位構造体行28Bにおける単位構造体21の第1支持板22と第2支持板23よりも、第1の方向Yの長さが長く形成されている。
【0040】
図9は、上記のようなオーセチック構造体20に伸長力が作用した際の、単位構造体21の形状を示す平面図である。
例えば、
図7に示されるような単位構造体21に対し、第2の方向Xに伸長力PXが作用した場合においては、第1支持板22と第2支持板23が第2の方向Xに互いに離間するように移動しようとする。これに伴い、これら第1支持板22と第2支持板23に頂点33において接合されている第1傾斜板26と第2傾斜板27も、第2の方向Xに離間しようとするが、第1傾斜板26と第2傾斜板27は中心点34において互いに接合されているため、結果的に第1傾斜板26と第2傾斜板27の間の角度φが増大して
図9に示されるような角度φ2となるように、第1変形板24と第2変形板25は変形する。これにより、第1傾斜板26と第2傾斜板27の各々と仮想矩形30との間の角度である傾斜角θが低減して
図9に示されるような傾斜角θ2となり、中心点34が仮想矩形30における外側に向けて、すなわち仮想矩形30の第2仮想辺32に接近するように移動し、中心点34間の距離が増大する。
このように、単位構造体21に対し、第2の方向Xに伸長力PXが作用した場合に、単位構造体21は第1の方向Yにおける長さが増大して、
図9に示されるような形状となる。
【0041】
単位構造体21は、上記のように、単位構造体21に対して平面内で伸長力PXが作用して、伸長力PXが作用した第2の方向Xの長さL1がL2へと増大した際に、第2の方向Xに直交する第1の方向Yにおける、特に本実施形態においては第1変形板24と第2変形板25の中心点34間の長さL3もL4へと増大するように、形成されている。このように、単位構造体21は、第2の方向Xに伸長力PXが作用した際に、第1の方向Yにおける第1変形板24と第2変形板25の距離すなわち第1の方向Yにおける長さが増大するため、ポアソン比が負となるように構成されている。
中心点34の、単位構造体21の外側には、例えば
図7においては、第1の方向Yに隣接する他の単位構造体21Nの支持板22N、23Nが接合されている。このため、中心点34の第2仮想辺32に向けた移動により、他の単位構造体21Nの支持板22N、23Nが単位構造体21から離間するように移動し、結果として第1の方向Yに隣接する単位構造体21どうしが、互いに離れるように移動する。これにより、オーセチック構造体20に対し、第2の方向Xに伸長力PXが作用した場合に、オーセチック構造体20は第1の方向Yにおいても伸長する。
【0042】
逆に、
図9に示されるような単位構造体21に対し、第2の方向Xに収縮力SXが作用した場合においては、第1支持板22と第2支持板23が第2の方向Xに互いに接近するように移動しようとする。これに伴い、これら第1支持板22と第2支持板23に頂点33において接合されている第1傾斜板26と第2傾斜板27も、第2の方向Xに接近しようとするが、第1傾斜板26と第2傾斜板27は中心点34において互いに接合されているため、結果的に第1傾斜板26と第2傾斜板27の間の角度φ2が低減して
図7に示されるような角度φとなるように、第1変形板24と第2変形板25は変形する。これにより、傾斜角θ2が増大して
図7に示されるような傾斜角θとなり、中心点34が仮想矩形30における内側に向けて、すなわち仮想矩形30の第2仮想辺32から離間するように移動し、中心点34間の距離が減少する。
このように、単位構造体21に対し、第2の方向Xに収縮力SXが作用した場合に、単位構造体21は第1の方向Yにおける長さが減少して、
図7に示されるような形状となる。
中心点34の第2仮想辺32から離間する方向への移動により、第1の方向Yに隣接する他の単位構造体21Nの支持板22N、23Nが単位構造体21に接近するように移動し、結果として第1の方向Yに隣接する単位構造体21どうしが、互いに近づくように移動する。これにより、オーセチック構造体20に対し、第2の方向Xに収縮力SXが作用した場合に、オーセチック構造体20は第1の方向Yにおいても収縮する。
【0043】
また、
図7に示されるような単位構造体21に対し、第1の方向Yに伸長力PYが作用した場合においては、第1の方向Yに隣接する単位構造体21どうしが、互いに離れるように移動しようとする。これにより、単位構造体21から、第1の方向Yに隣接する他の単位構造体21Nの支持板22N、23Nが離間するように移動し、単位構造体21の中心点34が仮想矩形30における外側に向けて、すなわち仮想矩形30の第2仮想辺32に接近するように、第1の方向Yに移動し、中心点34間の距離が増大する。中心点34において互いに接合されている第1傾斜板26と第2傾斜板27は、中心点34とは反対側の端部がそれぞれ第1支持板22と第2支持板23に接合されているために、これら反対側の端部側は第1の方向Yに移動できず、したがって、これら反対側の端部に対して中心点34が相対的に第1の方向Yに移動する。これにより、第1傾斜板26と第2傾斜板27の間の角度φが増大して
図9に示されるような角度φ2となるように、第1変形板24と第2変形板25は変形する。結果として、傾斜角θが低減して
図9に示されるような傾斜角θ2となる。このように、第1変形板24と第2変形板25は、これらが第2の方向X方向の長さを増大させるように変形することにより、第1支持板22と第2支持板23が第2の方向Xに離間するように移動し、第1支持板22と第2支持板23の間の距離が増大する。
【0044】
単位構造体21は、上記のように、単位構造体21に対して平面内で伸長力PYが作用して、伸長力PYが作用した第1の方向Yの、特に本実施形態においては第1変形板24と第2変形板25の中心部間の長さL3がL4へと増大した際に、第1の方向Yに直交する第2の方向Xにおける長さL1もL2へと増大するように、形成されている。このように、単位構造体21は、第1の方向Yに伸長力PYが作用した際に、第2の方向Xにおける第1支持板22と第2支持板23の距離すなわち第2の方向Xにおける長さが増大するため、ポアソン比が負となるように構成されている。
上記のように、単位構造体21は、第1の方向Yにおける全域において、第2の方向Xにおける長さが増大するため、オーセチック構造体20は第2の方向Xに伸長する。
【0045】
逆に、
図9に示されるような単位構造体21に対し、第1の方向Yに収縮力SYが作用した場合においては、第1の方向Yに隣接する単位構造体21どうしが、互いに近づくように移動しようとする。これにより、単位構造体21に、第1の方向Yに隣接する他の単位構造体21Nの支持板22N、23Nが接近するように移動し、単位構造体21の中心点34が仮想矩形30における内側に向けて、すなわち仮想矩形30の第2仮想辺32から離間するように、第1の方向Yに移動し、中心点34間の距離が低減する。中心点34において互いに接合されている第1傾斜板26と第2傾斜板27は、中心点34とは反対側の端部がそれぞれ第1支持板22と第2支持板23に接合されているために、これら反対側の端部側は第1の方向Yに移動できず、したがって、これら反対側の端部に対して中心点34が相対的に第1の方向Yに移動する。これにより、第1傾斜板26と第2傾斜板27の間の角度φ2が低減して
図7に示されるような角度φとなるように、第1変形板24と第2変形板25は変形する。結果として、傾斜角θ2が増大して
図7に示されるような傾斜角θとなる。このように、第1変形板24と第2変形板25は、これらが第2の方向X方向の長さを縮小するように変形することにより、第1支持板22と第2支持板23が第2の方向Xに接近するように移動し、第1支持板22と第2支持板23の間の距離が低減する。
このように、単位構造体21に対し、第1の方向Yに収縮力SYが作用した場合に、単位構造体21は第2の方向Xにおける長さが減少して、
図7に示されるような形状となる。
上記のように、単位構造体21は、第1の方向Yにおける全域において、第2の方向Xにおける長さが減少するため、オーセチック構造体20は第2の方向Xに収縮する。
【0046】
図7に示されるようなオーセチック構造体20の単位構造体21に対し、第2の方向Xと第1の方向Yの双方に対して傾斜する斜め方向に伸長力PDが作用した場合においては、この伸長力PDを第2の方向Xと第1の方向Yの各々に分解した分力の各々に対し、伸長力PX、伸長力PYが作用した場合として既に説明したような変形が同時に作用する。結果として、オーセチック構造体20はこの場合においても、伸長力PDが作用した方向に直交する方向にも伸長する。
逆に、
図9に示されるような単位構造体21に対し、第2の方向Xと第1の方向Yの双方に対して傾斜する斜め方向に収縮力SDが作用した場合においては、この収縮力SDを第2の方向Xと第1の方向Yの各々に分解した分力の各々に対し、収縮力SX、収縮力SYが作用した場合として既に説明したような変形が同時に作用する。結果として、オーセチック構造体20はこの場合においても、収縮力SDが作用した方向に直交する方向にも収縮する。
【0047】
上記のように、単位構造体21及びオーセチック構造体20は、これを形成する平面内におけるいずれの方向に伸長力、収縮力が作用した場合においても、第1変形板24及び第2変形板25が変形して中心点34間の距離が変位することで、これら伸長力、収縮力が作用した方向に平面内で直交する方向にも同様に伸長、あるいは収縮する。このように、単位構造体21及びオーセチック構造体20は、ポアソン比が負の値となるように構成されている。
【0048】
本実施形態においては、オーセチック構造体20の周縁部PEに位置する単位構造体21のポアソン比の値よりも、内方部Iに位置する単位構造体21のポアソン比の値が小さく、すなわち伸縮時における中心点34間の距離の変位量が大きくなるように、オーセチック構造体20は形成されている。
例えば、
図6において周縁部PEに位置している単位構造体21Dの傾斜角θDよりも、内方部Iに位置している単位構造体21Eの傾斜角θEのほうが大きくなっている。
【0049】
非伸縮時における、第1傾斜板26、第2傾斜板27の、第2仮想辺32との傾斜角θが大きいと、第1傾斜板26と第2傾斜板27の間の角度φが小さくなるため、第1支持板22と第2支持板23がより接近した状態となる。また、オーセチック構造体20が伸長した場合の第1傾斜板26と第2傾斜板27の間の角度φの広がり代が大きくなる。このため、伸長時の第1支持板22と第2支持板23の離間距離が大きくなる。すなわち、第1傾斜板26、第2傾斜板27の、第2仮想辺32との傾斜角θが大きいと、伸縮時における中心点34間の距離の変位量が大きくなる。
逆に、非伸縮時における、第1傾斜板26、第2傾斜板27の、第2仮想辺32との傾斜角θが小さいと、第1傾斜板26と第2傾斜板27の間の角度φが大きくなるため、第1支持板22と第2支持板23がより離間した状態となる。また、オーセチック構造体20が伸長した場合の第1傾斜板26と第2傾斜板27の間の角度φの広がり代が小さくなる。このため、伸長時の第1支持板22と第2支持板23の離間距離が小さくなる。すなわち、第1傾斜板26、第2傾斜板27の、第2仮想辺32との傾斜角θが小さいと、伸縮時における中心点34間の距離の変位量が小さくなる。
【0050】
このように、周縁部PEに位置している単位構造体21Dよりも、内方部Iに位置している単位構造体21Eの方が、伸縮時における中心点34間の距離の変位量が大きい。このように、オーセチック構造体20の周縁部PEに位置する単位構造体21のポアソン比の値よりも、内方部Iに位置する単位構造体21のポアソン比の値が小さく、したがって、オーセチック構造体20のポアソン比は、周縁部PEよりも内方部Iの方が小さくなっている。
特に本実施形態においては、オーセチック構造体20は、周縁部PEから内方部Iに移るに従い、単位構造体21の傾斜角θが段階的に大きくなるように、すなわちポアソン比の値が段階的に小さくなるように、構成されている。
【0051】
本実施形態においては、表示素子4は、単位構造体21の、仮想矩形30の頂点33と、中心点34の双方に対応付けて設けられ、これらの位置でオーセチック構造体20に固定されている。
【0052】
上記のようなオーセチック構造体20は、フォトリソグラフィ、インクジェット、モールド加工などの、様々な方法により製造され得る。
フォトリソグラフィの場合においては、例えば基板上にポリイミドなどのオーセチック構造体20を形成する材料による層を形成し、当該層の上にマスク層を形成した後、エッチングを行うことにより、オーセチック構造体20が形成され得る。
インクジェットの場合においては、オーセチック構造体20を形成する材料が溶融された溶液を、オーセチック構造体20の形状のパターンとなるように基板上に吹き付けることにより、オーセチック構造体20が形成され得る。
また、モールド加工の場合においては、オーセチック構造体20の形状を実現する金型を製造し、この金型内にオーセチック構造体20を形成する材料を導入し、硬化させることにより、オーセチック構造体20が形成され得る。
オーセチック構造体20は、上記以外の他の製造方法により製造されても構わない。
【0053】
次に、上記の伸縮基板2及び伸縮表示装置1の効果について説明する。
【0054】
本実施形態の伸縮基板2は、電子回路3が設置され、伸縮性を有する材料により形成された伸縮基板2であって、オーセチック構造体20を備えている。
また、本実施形態の伸縮表示装置1は、伸縮性を有する伸縮表示装置1であって、複数の表示素子4が設置された、伸縮性を有する材料により形成された伸縮基板2を備え、伸縮基板2は、オーセチック構造体20を備えている。
上記のような構成によれば、オーセチック構造体20が伸縮基板2に設けられているため、伸縮基板2が、伸長力が作用した際にこれに直交する方向に伸長して直交方向に収縮しようとしても、この収縮は、オーセチック構造体20の直交方向における伸長に抗し得ない。結果として、伸縮基板2も、伸長力が作用した方向に伸長するとともに、これに直交する方向においても、オーセチック構造体20の伸長に伴って伸長するか、あるいは伸長しないまでも、直交方向における収縮が緩和されるように、変形する。
このように、伸縮基板2は、伸長力が作用した際に、伸長力が作用した方向と、これに直交する方向の各々に伸長力を受けるため、直交方向における局所的な長さの大きな低減を抑制可能である。したがって、伸縮基板2の局所的な大変形が抑制され、電子回路3への局所的な歪の集中を抑制できる。
また、上記のように、伸縮基板2は伸長力が作用した方向と直交方向の双方に伸長するため、伸長時における伸縮基板2上の面内寸法比の変化を低減できる。したがって、伸縮表示装置1に画像を表示させた際に、表示される画像の歪みを低減可能である。
【0055】
また、オーセチック構造体20は、伸縮基板2が形成される材料よりも高い弾性の材料により形成され、平面視したときに、ポアソン比が負の値となるように構成された複数の単位構造体21が並べられて形成されている。
上記のような構成によれば、単位構造体21は、平面視したときにポアソン比が負の値となるように構成されている。すなわち、単位構造体21に対して平面内で伸長力が作用し、伸長力が作用した方向の長さが増大した際に、平面内で伸長力が作用した方向に直交する方向における長さも増大するように、単位構造体21は形成されている。このような単位構造体21が並べられることによりオーセチック構造体20は形成されているため、オーセチック構造体20に伸長力が作用した際に、オーセチック構造体20は、伸長力が作用した方向に伸長するとともに、平面内でこれに直交する方向においても伸長する。
このようなオーセチック構造体20が、伸縮基板2を形成する材料よりも高い弾性の材料で形成されているため、伸縮基板2が、伸長力が作用した際にこれに直交する方向に伸長して直交方向に収縮しようとしても、この収縮は、オーセチック構造体20の直交方向における伸長に抗し得ない。結果として、伸縮基板2も、伸長力が作用した方向に伸長するとともに、これに直交する方向においても、オーセチック構造体20の伸長に伴って伸長するか、あるいは伸長しないまでも、直交方向における収縮が緩和されるように、変形する。
このように、伸縮基板2は、伸長力が作用した際に、伸長力が作用した方向と、これに直交する方向の各々に伸長力を受けるため、直交方向における局所的な長さの大きな低減を抑制可能である。したがって、伸縮基板2の局所的な大変形が抑制され、電子回路3への局所的な歪の集中を抑制できる。
【0056】
また、オーセチック構造体20の周縁部PEに位置する単位構造体21のポアソン比の値よりも、内方部Iに位置する単位構造体21のポアソン比の値が小さい。
上記のような構成によれば、伸縮基板2に伸長力が作用した際に、伸長力が作用した方向に直交する方向における長さの変化が大きい内方部Iに、ポアソン比の値が小さい、すなわち伸長力が作用した際の直交方向における伸長度合いが大きい単位構造体21が設けられている。これにより、伸縮基板2が伸長した際の、特に内方部Iにおける収縮変形に、効果的に抗することができる。
したがって、伸長時の状態における電子回路3への局所的な歪の集中や表示の歪みを低減可能な、伸縮基板2及び伸縮表示装置1を、効果的に実現可能である。
【0057】
また、単位構造体21は、平面視したときに、第1の方向Yと、第1の方向Yに直交する第2の方向Xに辺が延在する仮想矩形30を外輪郭として形成され、第1の方向Yに延在する第1仮想辺31の各々に沿って立てて設けられた、第1及び第2支持板22、23と、第2の方向Xに延在する第2仮想辺32に対応して設けられた、第1及び第2変形板24、25と、を備え、第1及び第2変形板24、25の各々は、第2仮想辺32の中央部よりも仮想矩形30の内側に位置する中心点34と、第2仮想辺32の接続する仮想矩形30の各頂点33とを結ぶ、第2仮想辺32に対して傾斜した仮想線35の各々に沿って立てて設けられた第1及び第2の傾斜板26、27を備えている。
上記のような構成によれば、単位構造体21に対して、第2の方向Xに伸長力PXが作用した際には、第1及び第2支持板22、23が第2の方向Xに更に離間し、第1及び第2の傾斜板26、27と第2仮想辺32との間の角度θが低減し、第1及び第2の傾斜板26、27の間の角度φが増大して、中心点34が第2仮想辺32に接近する。これにより、2つの第2仮想辺32の各々に対応する中心点34間が離間し、単位構造体21の、特に第2の方向Xにおける中央部近傍は、第1の方向Yにおける長さが増大する。
また、単位構造体21に対して、第1の方向Yに伸長力が作用した際には、中心点34が第2仮想辺32に接近し、第1及び第2の傾斜板26、27の間の角度φが増大して、第1及び第2の傾斜板26、27と第2仮想辺32との間の角度θが低減し、第1及び第2支持板22、23が第2の方向Xに更に離間する。これにより、単位構造体21は第2の方向Xにおける長さが増大する。
このように、単位構造体21は、第1及び第2のいずれの方向X、Yに伸力が作用した場合であっても、伸長方向に直交する方向における長さが増大するように構成されている。
したがって、伸長時の状態における電子回路3への局所的な歪の集中や表示の歪みを低減可能な、伸縮基板2及び伸縮表示装置1を、効果的に実現可能である。
【0058】
また、複数の単位構造体21は、第2の方向Xに並べて設けられて単位構造体行28が形成され、単位構造体21の第2支持板23は、単位構造体21の第2支持板23側に位置して隣接する単位構造体21における、第1支持板22である。
また、複数の単位構造体行28が、第1の方向Yに並べて設けられ、単位構造体行28を構成する単位構造体21の第1及び第2傾斜板26、27は、第1の方向Yに隣接する単位構造体行28を構成する単位構造体21及びこれに隣接する単位構造体21の、第1または第2変形板26、27である。
上記のような構成によれば、単位構造体21を密に並べて配置することができる。
したがって、伸長時の状態における電子回路3への局所的な歪の集中や表示の歪みを低減可能な、伸縮基板2及び伸縮表示装置1を、効果的に実現可能である。
【0059】
また、単位構造体21に対して、第2の方向Xに伸長力が作用した際には、第1及び第2支持板22、23が第2の方向Xに更に離間し、第1及び第2の傾斜板26、27と第2仮想辺32との間の角度θが低減し、第1及び第2の傾斜板26、27の間の角度φが増大して、中心点34が第2仮想辺32に接近する。
上記のような構成によれば、単位構造体21は、第2の方向Xに伸長力が作用した場合であっても、特に第2の方向Xにおける中央部近傍が、第2の方向Xに直交する第1の方向Yに伸長するように構成されているため、伸長時の状態における電子回路3への局所的な歪の集中や表示の歪みを低減可能な、伸縮基板2及び伸縮表示装置1を、効果的に実現可能である。
【0060】
また、単位構造体21に対して、第1の方向Yに伸長力が作用した際には、中心点34が第2仮想辺32に接近し、第1及び第2の傾斜板26、27の間の角度φが増大して、第1及び第2の傾斜板26、27と第2仮想辺32との間の角度θが低減し、第1及び第2支持板22、23が第2の方向Xに更に離間する。
上記のような構成によれば、単位構造体21は、第1の方向Yに伸長力が作用した場合であっても、これに直交する第2の方向Xに伸長するように構成されているため、伸長時の状態における電子回路3への局所的な歪の集中や表示の歪みを低減可能な、伸縮基板2及び伸縮表示装置1を、効果的に実現可能である。
【0061】
また、表示素子4は、仮想矩形30の頂点33と、中心点34の双方に対応付けて設けられている。
伸縮表示装置1に伸長力が作用した際に、この伸長力はオーセチック構造体20の各単位構造体21に作用する。単位構造体21の各支持板22、23や傾斜板26、27は板体として構成されており、伸長時には、これら板体の表面が、隣接して周囲に位置するエラストマー等の伸縮基板2を形成する材料の、伸長力が作用する方向に直交する方向に伸縮しようとする力に抗する。したがって、これらの板体には、伸長時には応力が作用して、歪が生じやすい。
これに対し、単位構造体21の各板体が互いに接合された部分に相当する、仮想矩形30の頂点33や中心点34においては、複数の板体が平面内の異なる方向から互いに接合されて支持されているため応力に抗しやすく、板体の表面部分に比べると歪が生じにくい。すなわち、上記のような構成によれば、表示素子4が、オーセチック構造体20の歪の生じにくい部分に対応付けて設けられているため、伸縮表示装置1の伸長時に表示素子4に作用する負荷を低減可能である。
【0062】
特に本実施形態においては、表示素子4は、オーセチック構造体20に固定されている。
このような構成によれば、伸長時の表示素子4間のピッチのずれを低減可能である。
【0063】
また、オーセチック構造体20は、伸縮基板2に設置されている。
上記のような構成によれば、伸縮表示装置1を好適に実現可能である。
【0064】
[実施形態の第1変形例]
次に、
図10、
図11を用いて、上記実施形態として示した伸縮基板2及び伸縮表示装置1の第1変形例を説明する。
図10は、本第1変形例における伸縮基板及び伸縮表示装置の平面図である。
図11は、本第1変形例における伸縮基板及び伸縮表示装置の、
図10中Y方向から視た際の平面図である。本第1変形例における伸縮表示装置41は、上記実施形態の伸縮表示装置1とは、表示素子4の配置が異なっている。
【0065】
既に説明したように、オーセチック構造体20の、第1の方向Yに隣接する2つの単位構造体行28A、28Bにおいて、一方の単位構造体行(第1の単位構造体行)28Aにおける単位構造体21の第1支持板22と第2支持板23は、第1の方向Yに隣接する他方の単位構造体行(第2の単位構造体行)28Bにおける単位構造体21の第1支持板22と第2支持板23よりも、第1の方向Yの長さが長く形成されている。
本変形例においては、表示素子4は、第1の単位構造体行28Aの、長く形成された第1及び第2支持板22、23の、特にこれら第1及び第2支持板22、23の中央の部分に対応付けて設けられている。
【0066】
伸縮基板42に伸長力が作用すると、オーセチック構造体20のポアソン比は負の値となるように構成されているため、伸縮基板42は伸長力が作用した方向に伸長するとともに、これに直交する方向においても伸長するか、あるいは直交方向における収縮が緩和されるように、変形する。伸縮基板42は、エラストマー等のポアソン比が正の値を有する材料で形成されているため、この平面内における2つの直交する方向の各々に伸縮基板42が上記のように変形すると、伸縮基板42の体積を維持しようとするために、伸縮基板42の厚さが低減する。
ここで、各単位構造体21においては、当該単位構造体21の周辺に設けられた伸縮基板42を形成する材料は支持板22、23に支持されているため、伸縮基板42の伸長による影響を受けにくく、厚さ方向に生じる歪も生じにくい。すなわち、上記のような構成によれば、表示素子4が、伸縮基板42を形成する材料の歪の生じにくい部分に対応付けて設けられているため、伸縮表示装置41の伸長時に表示素子4に作用する負荷を低減可能である。
【0067】
特に本変形例においては、
図11に示されるように、表示素子4はオーセチック構造体20に対して、厚さ方向Zに離れて設けられている。
本変形例においては、表示素子4がオーセチック構造体20から離れて設けられているため、上記のように伸縮基板42が伸長して伸縮基板42の厚さが低減した場合に、伸縮基板42を構成する材料に作用する応力によって、表示素子4がオーセチック構造体20へと押圧されにくい。したがって、伸縮表示装置41の伸長時に表示素子4に作用する負荷を低減可能である。
【0068】
本第1変形例が、既に説明した実施形態と同様な他の効果を奏することは言うまでもない。
【0069】
[実施形態の第2変形例]
次に、
図12を用いて、上記実施形態として示した伸縮基板2及び伸縮表示装置1の第2変形例を説明する。
図12は、本第2変形例に関する、伸縮基板及び伸縮表示装置の、オーセチック構造体の平面図である。本第2変形例における伸縮基板52及び伸縮表示装置51は、上記実施形態の伸縮基板2及び伸縮表示装置1とは、オーセチック構造体53における単位構造体54の配置が異なっている。
より詳細には、本変形例においては、単位構造体54は、オーセチック構造体53の周縁部PEよりも内方部Iの方に多く設けられている。
上記のような構成によれば、伸縮基板52に伸長力が作用した際に、伸長力が作用した方向に直交する方向における長さの変化が大きい内方部Iに、直交する方向における長さが増大する単位構造体54が、周縁部PEよりも多く設けられている。これにより、伸縮基板52が伸長した際の、特に内方部Iにおける収縮変形に、効果的に抗することができる。
したがって、伸長時の状態における電子回路への局所的な歪の集中や表示の歪みを低減可能な、伸縮基板52及び伸縮表示装置51を、効果的に実現可能である。
【0070】
本第2変形例が、既に説明した実施形態と同様な他の効果を奏することは言うまでもない。
【0071】
なお、本発明の伸縮基板及び伸縮表示装置は、図面を参照して説明した上述の実施形態及び各変形例に限定されるものではなく、その技術的範囲において他の様々な変形例が考えられる。
【0072】
例えば、上記実施形態においては、オーセチック構造体20は伸縮基板2内に埋設されていたが、オーセチック構造体20はこれ以外の構成によって伸縮基板2に固定されてよいのは、言うまでもない。
図13(a)の伸縮表示装置61においては、伸縮基板62は、表示素子4が設置された伸縮基板本体63と、支持基板64を備え、オーセチック構造体20は、支持基板64に設置され、支持基板64は、伸縮基板本体63の、表示素子4による表示が視認される表示側Dとは反対側の表面63aに接合されている。
上記のような構成によれば、伸縮表示装置を好適に実現可能である。特に、オーセチック構造体20が表示側Dとは反対側の表面63aに接合されているため、オーセチック構造体20は表示素子4による表示を阻害しない。
また、
図13(b)の伸縮表示装置71においては、伸縮基板72は、表示素子4が設置された伸縮基板本体73と、支持基板74を備えている。オーセチック構造体75は、支持基板74に設置され、オーセチック構造体75と支持基板74は、透明な材料により形成され、支持基板74は、伸縮基板本体73の、表示素子4による表示が視認される表示側Dの表面73bに接合されている。
上記のような構成によれば、伸縮表示装置71を好適に実現可能である。オーセチック構造体75と支持基板74は表示側Dに接合されてはいるが、オーセチック構造体75と支持基板74は透明な材料により形成されているため、表示素子4による表示が阻害されにくい。
伸縮表示装置71においては、伸縮表示装置61と同様に、伸縮基板本体73の表示側Dとは反対側の表面73aにおいても、オーセチック構造体20が設置された支持基板76が接合されている。しかし、伸縮基板本体73の表示側Dの表面73bのみに、オーセチック構造体75が設置された支持基板74が接合されていてもよい。
また、伸縮表示装置71においては、オーセチック構造体75と支持基板74の双方が透明な材料により形成されているが、表示素子4による表示が阻害されないのであれば、これらのうちいずれか一方のみが透明な材料により形成されていてもよい。
また、上記実施形態及び
図13を用いて説明した変形例の各々において、オーセチック構造体は伸縮基板や支持基板に埋設された構成となっていたが、必ずしもこれに限られず、例えばオーセチック構造体は伸縮基板や支持基板の表面に接合されていてもよい。
【0073】
また、上記実施形態においては、表示素子4は、仮想矩形30の頂点33と、中心点34の双方に対応付けて設けられていたが、頂点33と、中心点34の、いずれか一方のみに対応付けて設けられていてもよい。
【0074】
また、上記実施形態及び各変形例におけるオーセチック構造体は、平面状に形成されて、この平面と平行な方向に伸長力が作用した場合に、伸長力が作用した方向に直交する方向にも伸長するように構成されていた。既に説明したように、伸縮基板を形成する材料はポアソン比が正の値を有するものであるため、この平面内における2つの直交する方向へのオーセチック構造体の伸長の影響を受けた変形により、伸縮基板の厚さが低減する。
この厚さの低減に起因して表示素子に作用する負荷をさらに低減するために、オーセチック構造体として、平面内に上記実施形態のようにオーセチック構造体を形成するとともに、伸長力が作用した際にこの平面に直交する厚さ方向Zにおいても構造体が伸長するように、オーセチック構造体を立体的、例えば三次元的に、形成してもよい。
【0075】
また、上記実施形態及び各変形例においては、オーセチック構造体を構成する単位構造体としては、
図7を用いて示したような、板体を組み合わせた形状のものを使用した。これは、構造が簡潔となり設計、製造が容易であること、伸縮力が作用した際の変形メカニズムが明確であって所望されるポアソン比の実現が容易であること等の理由に依るものである。しかし、これらにおいて問題のない性能を実現できれば、単位構造体の形状は、上記のようなものには必ずしも限られず、例えば
図14に単位構造体81、82、83として示されるような、他の形状を備えていても構わない。あるいは、上記実施形態として示した単位構造体21と、単位構造体81、82、83が組み合わせて用いられていてもよい。
【0076】
また、上記実施形態及び各変形例においては、オーセチック構造体は樹脂で形成されていたが、これに替えて、例えば金属等のより弾性の高い材料により形成されていてもよい。この場合には、オーセチック構造体に伸長力が作用した際の変形を容易にするために、頂点33や中心点34において、板体どうしがヒンジにより接合されて、頂点33や中心点34を中心とした板体間の角度が変更自在に設けられていてもよい。
【0077】
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施形態及び各変形例で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりすることが可能である。
例えば、第2変形例として示したような分布で単位構造体54を配置したオーセチック構造体53に対し、表示素子4を、第1変形例として示したように、第1支持板22、第2支持板23に対応付けて設けてもよい。