(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6985354
(24)【登録日】2021年11月29日
(45)【発行日】2021年12月22日
(54)【発明の名称】多重ゴム層が適用されたビードフィラーを備える空気入りタイヤ
(51)【国際特許分類】
B60C 15/06 20060101AFI20211213BHJP
B60C 15/00 20060101ALI20211213BHJP
【FI】
B60C15/06 B
B60C15/00 B
【請求項の数】10
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2019-202495(P2019-202495)
(22)【出願日】2019年11月7日
(65)【公開番号】特開2020-175880(P2020-175880A)
(43)【公開日】2020年10月29日
【審査請求日】2019年11月7日
(31)【優先権主張番号】10-2019-0044090
(32)【優先日】2019年4月16日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】514040088
【氏名又は名称】ハンコック タイヤ アンド テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】HANKOOK TIRE & TECHNOLOGY CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】チョ、ヨン ジュン
(72)【発明者】
【氏名】ホン、チャン ヒョ
【審査官】
増永 淳司
(56)【参考文献】
【文献】
特表2003−512214(JP,A)
【文献】
特開2005−112042(JP,A)
【文献】
特開2002−178724(JP,A)
【文献】
特開2011−140305(JP,A)
【文献】
特開2013−001283(JP,A)
【文献】
特開2014−054967(JP,A)
【文献】
特開2015−098198(JP,A)
【文献】
特開2018−099922(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60C 15/06
B60C 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
路面に直接接する厚いゴム層であるトレッドの両側に屈曲したサイドウォールと、車両のリムに装着されるビードコアと、ゴムの硬度差を有するように備えられるビード部とを含む空気入りタイヤにおいて、
タイヤの内部骨格として前記ビード部のビードコアを中心にターンアップされるように備えられるカーカスをさらに含み、
前記ビード部は、
タイヤの内側の前記カーカスとターンアップされたカーカスにより覆われる第1のビードフィラーと、
前記ターンアップされたカーカスの外側面とサイドウォール及びリムクッションとの間に配置され、異なる性質のゴム層で構成される多重ゴム層が適用される第2のビードフィラーとを含む、多重ゴム層が適用されたビードフィラーを備え、
前記第2のビードフィラーは、断面が上側終端及び下側終端へ行くほど狭くなる細長い形状に形成され、タイヤの半径方向を基準に上側終端がタイヤの外側を向くように傾斜して配置され、
前記第2のビードフィラーには、断面の長手方向に上側終端が位置する第1のフィラー部、断面の長手方向に下側終端が位置する第3のフィラー部、及び前記第1のフィラー部と第3のフィラー部との間に連結される第2のフィラー部が配置される
ことを特徴とする空気入りタイヤ。
【請求項2】
前記第2のビードフィラーは、第1のフィラー部、第2のフィラー部及び第3のフィラー部を異なる性質のゴム層で構成することにより、前記第2のビードフィラーの各位置の変形をコントロールする
請求項1に記載の多重ゴム層が適用されたビードフィラーを備える空気入りタイヤ。
【請求項3】
前記第1のフィラー部の上側終端は、タイヤの最大幅とタイヤの最大高さが交わる交差点からタイヤの幅方向と平行に延びる第1の直線部との角度が10〜30度となる第2の直線部に接するように配置される
請求項1に記載の多重ゴム層が適用されたビードフィラーを備える空気入りタイヤ。
【請求項4】
前記第1のフィラー部の下側終端及び第2のフィラー部の上側終端は、交差点を中心に前記第2の直線部との角度が10〜25度となる第3の直線部に接するように配置される
請求項3に記載の多重ゴム層が適用されたビードフィラーを備える空気入りタイヤ。
【請求項5】
前記第2のフィラー部の下側終端及び第3のフィラー部の上側終端は、交差点を中心に前記第3の直線部との角度が10〜30度となる第4の直線部に接するように配置される
請求項4に記載の多重ゴム層が適用されたビードフィラーを備える空気入りタイヤ。
【請求項6】
前記第3のフィラー部の下側終端は、交差点を中心に前記第4の直線部との角度が10〜30度となる第5の直線部に接するように配置される
請求項5に記載の多重ゴム層が適用されたビードフィラーを備える空気入りタイヤ。
【請求項7】
前記第2のビードフィラーには、前記第5の直線部と前記ターンアップされたカーカスが接する地点にタイヤの高さ方向と平行な第1の接線部が備えられ、前記第1の接線部に接するように前記第3のフィラー部の下側終端が配置される
請求項6に記載の多重ゴム層が適用されたビードフィラーを備える空気入りタイヤ。
【請求項8】
前記第2のビードフィラーには、前記第1の接線部からタイヤの外側方向に0〜5度の傾きで傾斜するように第2の接線部が備えられ、前記第2の接線部に接するターンアップされたカーカスに前記第3のフィラー部の上側終端及び前記第2のフィラー部の下側終端が配置される
請求項7に記載の多重ゴム層が適用されたビードフィラーを備える空気入りタイヤ。
【請求項9】
前記第2のビードフィラーには、前記第2の接線部からタイヤの外側方向に0〜8度の傾きで傾斜するように第3の接線部が備えられ、前記第3の接線部に接するターンアップされたカーカスに前記第2のフィラー部の上側終端及び前記第1のフィラー部の下側終端が配置される
請求項8に記載の多重ゴム層が適用されたビードフィラーを備える空気入りタイヤ。
【請求項10】
前記第2のビードフィラーには、前記第3の接線部からタイヤの外側方向に0〜10度の傾きで傾斜するように第4の接線部が備えられ、前記第4の接線部に接するターンアップされたカーカスに前記第1のフィラー部の上側終端が配置される
請求項9に記載の多重ゴム層が適用されたビードフィラーを備える空気入りタイヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビードフィラーを備える空気入りタイヤに関し、さらに詳しくは、ビードフィラーを多重ゴム層で形成することにより、ビードフィラーの各位置の変形をコントロールすることができる多重ゴム層が適用されたビードフィラーを備える空気入りタイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、タイヤは、路面に接触するゴム層であるトレッド(Tread)と、タイヤの内部のコード層であって、荷重を支持し、衝撃に耐え、走行中の屈伸運動に対する耐疲労性に優れ、タイヤの骨格を形成するカーカス(Carcass)と、タイヤを車両のリム(Rim)に装着させる役割を果たすビード(Bead)と、タイヤの横部分であって、カーカスを保護し、柔軟な屈伸運動をするサイドウォール(Side wall)に大きく分けられる。
【0003】
このようなタイヤは、高性能及び軽量化のために徐々に発展してきているが、軽量化及び車両荷重の増加に伴ってビードの耐久性不足による事故が発生している。
【0004】
そこで、従来は、ビードを補強するために二重ビード構造に製造されていた。これは、耐久性を向上させることができるが、重量及び転がり抵抗の増加などの問題がある。
【0005】
よって、前記問題を解決するために、ビードの各位置の変形をコントロールすることができるタイヤが求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】韓国登録特許第10−0578101号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、第2のビードフィラーを多重ゴム層で形成することにより、ビードフィラーの各位置の変形をコントロールすることができ、それにより重量を低減して転がり抵抗を向上させることができると共に、ターンアップされたカーカスのラインを内側に移動させることにより、ビード部の圧縮変形及び剪断変形を減少させることのできる多重ゴム層が適用されたビードフィラーを備える空気入りタイヤを提供することを技術的課題とする。
【0008】
本発明が解決しようとする技術的課題は、前述の技術的課題に限定されるものではなく、言及していない他の技術的課題は、以下の記載から本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に明確に理解される。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記技術的課題を達成するために、本発明による多重ゴム層が適用されたビードフィラーを備える空気入りタイヤは、路面に直接接する厚いゴム層であるトレッドの両側に屈曲したサイドウォールと、車両のリムに装着されるビードコアと、ゴムの硬度差を有するように備えられるビード部とを含む空気入りタイヤにおいて、タイヤの内部骨格として前記ビード部のビードコアを中心にターンアップされるように備えられるカーカスをさらに含み、前記ビード部は、タイヤの内側の前記カーカスとターンアップされたカーカスにより覆われる第1のビードフィラーと、前記ターンアップされたカーカスの外側面とサイドウォール及びリムクッションとの間に配置され、重量を低減して転がり抵抗を向上させるように異なる性質のゴム層で構成される多重ゴム層が適用される第2のビードフィラーとを含む。
【0010】
本発明の実施形態において、前記第2のビードフィラーは、断面が上側終端及び下側終端へ行くほど狭くなる細長い形状に形成され、タイヤの半径方向を基準に上側終端がタイヤの外側を向くように傾斜して配置されてもよい。
【0011】
本発明の実施形態において、前記第2のビードフィラーには、断面の長手方向に上側終端が位置する第1のフィラー部、断面の長手方向に下側終端が位置する第3のフィラー部、及び前記第1のフィラー部と第3のフィラー部との間に連結される第2のフィラー部が配置されてもよい。
【0012】
本発明の実施形態において、前記第2のビードフィラーは、重量を低減して転がり抵抗を向上させるように、第1のフィラー部、第2のフィラー部及び第3のフィラー部を異なる性質のゴム層で構成することにより、前記第2のビードフィラーの各位置の変形をコントロールするものであってもよい。
【0013】
本発明の実施形態において、前記第1のフィラー部は、モジュラスが3.70E+07、損失正接が0.22に設定され、第2のフィラー部は、モジュラスが6.00E+06、損失正接が0.07に設定され、第3のフィラー部は、モジュラスが7.00E+06、損失正接が0.12に設定され、タイヤの変形の大きさによってモジュラスと損失正接が異なるゴム層で構成されてもよい。
【0014】
本発明の実施形態において、前記第1のフィラー部の上側終端は、タイヤの最大幅とタイヤの最大高さが交わる交差点からタイヤの幅方向と平行に延びる第1の直線部との角度が10〜30度となる第2の直線部に接するように配置されてもよい。
【0015】
本発明の実施形態において、前記第1のフィラー部の下側終端及び第2のフィラー部の上側終端は、交差点を中心に前記第2の直線部との角度が10〜25度となる第3の直線部に接するように配置されてもよい。
【0016】
本発明の実施形態において、前記第2のフィラー部の下側終端及び第3のフィラー部の上側終端は、交差点を中心に前記第3の直線部との角度が10〜30度となる第4の直線部に接するように配置されてもよい。
【0017】
本発明の実施形態において、前記第3のフィラー部の下側終端は、交差点を中心に前記第4の直線部との角度が10〜30度となる第5の直線部に接するように配置されてもよい。
【0018】
本発明の実施形態において、前記第2のビードフィラーには、前記第5の直線部と前記ターンアップされたカーカスが接する地点にタイヤの高さ方向と平行な第1の接線部が備えられ、前記第1の接線部に接するように前記第3のフィラー部の下側終端が配置されてもよい。
【0019】
本発明の実施形態において、前記第2のビードフィラーには、前記第1の接線部からタイヤの外側方向に0〜5度の傾きで傾斜するように第2の接線部が備えられ、前記第2の接線部に接するターンアップされたカーカスに前記第3のフィラー部の上側終端及び前記第2のフィラー部の下側終端が配置されてもよい。
【0020】
本発明の実施形態において、前記第2のビードフィラーには、前記第2の接線部からタイヤの外側方向に0〜8度の傾きで傾斜するように第3の接線部が備えられ、前記第3の接線部に接するターンアップされたカーカスに前記第2のフィラー部の上側終端及び前記第1のフィラー部の下側終端が配置されてもよい。
【0021】
本発明の実施形態において、前記第2のビードフィラーには、前記第3の接線部からタイヤの外側方向に0〜10度の傾きで傾斜するように第4の接線部が備えられ、前記第4の接線部に接するターンアップされたカーカスに前記第1のフィラー部の上側終端が配置されてもよい。
【発明の効果】
【0022】
本発明の実施形態によれば、多重ゴム層が適用されたビードフィラーを備える空気入りタイヤは、第2のビードフィラーを多重ゴム層で形成することにより、ビードフィラーの各位置の変形をコントロールすることができ、それにより重量を低減して転がり抵抗を向上させることができると共に、ターンアップされたカーカスのラインを内側に移動させることにより、ビード部の圧縮変形及び剪断変形を減少させることができるという効果がある。
【0023】
本発明の効果は、前記効果に限定されるものではなく、本発明の詳細な説明または特許請求の範囲に記載されている発明の構成から推論可能なあらゆる効果が含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の一実施形態による多重ゴム層が適用されたビードフィラーを備える空気入りタイヤの断面図である。
【
図2】本発明の一実施形態による多重ゴム層が適用されたビードフィラーを備える空気入りタイヤを直線部及び接線部と共に示す断面図である。
【
図3】従来のビード構造と本発明による多重ゴム層が適用されたビード構造の転がり抵抗を解析した結果である。
【
図4】従来のビード構造と本発明による多重ゴム層が適用されたビード構造のRunflat tireの空気圧とZero Pressure時のSED解析を行った結果である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付図面を参照して本発明について説明する。しかしながら、本発明は、様々な異なる形態で実現され得るので、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。また、図面において、本発明を明確に説明するために説明に関係のない部分は省略し、明細書全体を通して類似の部分には類似の符号を付した。
【0026】
明細書全体を通して、ある部分が他の部分と「連結(接続、接触、結合)」されているという場合、それには「直接的に連結」されているものだけでなく、その間にさらに他の部材を介して「間接的に連結」されているものも含まれる。また、ある一部分がある構成要素を「含む」という場合、それは特に断らない限り他の構成要素を除外するものではなく、他の構成要素をさらに備えてもよいことを意味する。
【0027】
本発明に用いられる用語は、単に特定の実施形態について説明するために用いられるものであり、本発明を限定しようとする意図はない。単数の表現には、文脈からみて明らかに他の意味を有さない限り、複数の言い回しを含む。本明細書における「含む」、「有する」などの用語は、明細書に記載されている特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品またはそれらの組み合わせが存在することを示すためのものであり、1つまたはそれ以上の他の特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品またはそれらの組み合わせの存在または付加可能性を予め排除するものではない。
【0028】
以下、添付図面を参照し、本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0029】
図1は、本発明の一実施形態による多重ゴム層が適用されたビードフィラーを備える空気入りタイヤの断面図であり、
図2は、本発明の一実施形態による多重ゴム層が適用されたビードフィラーを備える空気入りタイヤを直線部及び接線部と共に示す断面図である。
【0030】
図1及び
図2に示すように、本発明による多重ゴム層が適用されたビードフィラーを備える空気入りタイヤは、路面に直接接する厚いゴム層であるトレッドの両側に屈曲したサイドウォール110と、車両のリムに装着されるビードコア120と、ゴムの硬度差を有するように備えられるビード部とを含み、前記ビード部がビードコア120とビードフィラーを覆い、その外部をカーカス130が覆い、前記カーカス130の外側にリムクッション160が設けられる空気入りタイヤにおいて、タイヤの内部骨格として前記ビード部のビードコア120を中心にターンアップされるように備えられるカーカス130をさらに含み、前記ビード部は、タイヤの内側の前記カーカス130と前記ターンアップされたカーカス131により覆われる第1のビードフィラー140と、前記ターンアップされたカーカス131の外側面とサイドウォール110及びリムとの間に配置され、重量を低減して転がり抵抗を向上させるように異なる性質のゴム層で構成される多重ゴム層が適用される第2のビードフィラー150とを含む。
【0031】
本発明による多重ゴム層が適用されたビードフィラーを備 える空気入りタイヤ100は、カーカス130をさらに含む。
【0032】
より詳細には、前記カーカス130は、タイヤの内部骨格として前記ビード部のビードコア120を中心にターンアップされるように備えられる。
【0033】
また、前記ビード部は、第1のビードフィラー140と、前記第2のビードフィラー150とを含む。
【0034】
より詳細には、前記第1のビードフィラー140は、タイヤの内側の前記カーカス130と前記ターンアップされたカーカス131により覆われるように配置される。
【0035】
すなわち、前記カーカス130は、前記ビードコア120を中心にタイヤの外側を向くようにターンアップされ、その時、タイヤの内側の前記カーカス130と前記ターンアップされたカーカス131との間には第1のビードフィラー140が備えられる。
【0036】
よって、前記第1のビードフィラー140は、前記カーカス130により覆われるので、外部の衝撃を緩和し、大きな荷重によるビード部の変形を防止することができる。
【0037】
また、前記第2のビードフィラー150は、前記ターンアップされたカーカス131の外側面と、サイドウォール110及びリムクッション160との間に配置され、重量を低減して転がり抵抗を向上させるように異なる性質のゴム層で構成される多重ゴム層が適用される。
【0038】
より詳細には、前記第2のビードフィラー150は、前記ターンアップされたカーカス131の外側面と、タイヤの外側に位置するサイドウォール110及びリムクッション160との間に配置される。すなわち、前記第2のビードフィラー150の内側面は、前記ターンアップされたカーカス131の外側面に接し、前記第2のビードフィラー150の外側面の上部はサイドウォール110により覆われ、下部はリムクッション160により覆われる。
【0039】
よって、前記第2のビードフィラー150は、前記カーカス130の外側面と、サイドウォール110及びリムクッション160との間で外部の衝撃を緩和し、大きな荷重によるビード部の変形を防止することができる。
【0040】
また、前記第2のビードフィラー150は、断面が上側終端及び下側終端へ行くほど狭くなる細長い形状に形成され、タイヤの半径方向を基準に上側終端がタイヤの外側を向くように傾斜して配置される。
【0041】
より詳細には、前記第2のビードフィラー150は、断面形状がタイヤの高さ方向に細長い形状に形成され、細長い形状の上側終端及び下側終端へ行くほど狭くなるように形成され、断面形状においてタイヤの半径方向を基準に上側終端がタイヤの外側を向き、下側終端がビードコア120側を向くように形成される。
【0042】
また、前記第2のビードフィラー150には、断面の長手方向に上側終端が位置する第1のフィラー部151、断面の長手方向に下側終端が位置する第3のフィラー部153、及び前記第1のフィラー部151と第3のフィラー部153との間に連結される第2のフィラー部152が配置される。
【0043】
より詳細には、前記第2のビードフィラー150は、3種の異なる性質を有する素材で構成され、前記第1のフィラー部151は、第2のビードフィラー150の上側終端に配置され、前記第3のフィラー部153は、第2のビードフィラー150の下側終端に配置され、前記第1のフィラー部151と第3のフィラー部153との間に位置してそれぞれを連結する第2のフィラー部152が備えられる。
【0044】
よって、前記第1のフィラー部151、第2のフィラー部152及び第3のフィラー部153は、異なる性質の素材で構成されるので、外部の応力によりタイヤの変形を制御することができる。
【0045】
また、前記第1のフィラー部151は、モジュラス(Modulus)が3.70E+07、損失正接(Tanδ)が0.22に設定され、第2のフィラー部152は、モジュラスが6.00E+06、損失正接が0.07に設定され、第3のフィラー部153は、モジュラスが7.00E+06、損失正接が0.12に設定され、タイヤの変形の大きさによってモジュラスと損失正接が異なるゴム層で構成される。
【0046】
より詳細には、前記第1のフィラー部151、第2のフィラー部152及び第3のフィラー部153は、位置によって異なる外部応力が作用し、それによるタイヤの耐久性及び変形が異なる。よって、第1のフィラー部151、第2のフィラー部152及び第3のフィラー部153のモジュラスと損失正接を調節することにより、タイヤの変形を制御することができる。
【0047】
すなわち、変形が大きい部位ではモジュラスを高く、損失正接を低く設定することにより、側面変形を減少させ、ゴム材料特性の利点を得ることができる。
【0048】
また、第1のフィラー部151の上側終端は、タイヤの最大幅(S/W point)とタイヤの最大高さ(OD point)が交わる交差点170からタイヤの幅方向と平行に延びる第1の直線部171との角度αが10〜30度となる第2の直線部172に接するように配置される。
【0049】
より詳細には、タイヤの最大幅とタイヤの最大高さが交わる地点を交差点170と指定し、指定した交差点170からタイヤの幅方向と水平な方向に前記第1の直線部171が形成され、前記交差点170を中心に前記第1の直線部171との角度が10〜30度となる第2の直線部172に接するように前記第1のフィラー部151の上側終端が配置される。すなわち、前記第1のフィラー部151の上側終端は、第2の直線部172及びターンアップされたカーカス131に接する地点に配置される。
【0050】
また、第1のフィラー部151の下側終端及び第2のフィラー部152の上側終端は、交差点170を中心に前記第2の直線部172との角度βが10〜25度となる第3の直線部173に接するように配置される。
【0051】
より詳細には、前記交差点170を中心に前記第2の直線部172との角度が10〜25度となるように前記第3の直線部173が形成される。前記第1のフィラー部151の下側終端及び第2のフィラー部152の上側終端は、前記第3の直線部173に接するように配置される。
【0052】
すなわち、前記第1のフィラー部151の下側終端及び第2のフィラー部152の上側終端は互いに連結され、前記第3の直線部173が前記第1のフィラー部151の下側終端及び第2のフィラー部152の上側終端を区分する基準となる。
【0053】
また、第2のフィラー部152の下側終端及び第3のフィラー部153の上側終端は、交差点170を中心に前記第3の直線部173との角度γが10〜30度となる第4の直線部174に接するように配置される。
【0054】
より詳細には、前記交差点170を中心に前記第3の直線部173との角度が10〜30度となるように第4の直線部174が形成される。前記第2のフィラー部152の下側終端及び第3のフィラー部153の上側終端は、前記第4の直線部174に接するように配置される。
【0055】
すなわち、前記第2のフィラー部152の下側終端及び第3のフィラー部153の上側終端は互いに連結され、前記第4の直線部174が第2のフィラー部152の下側終端及び第3のフィラー部153の上側終端を区分する基準となる。
【0056】
また、第3のフィラー部153の下側終端は、交差点170を中心に前記第4の直線部174との角度δが10〜30度となる第5の直線部175に接するように配置される。
【0057】
より詳細には、前記交差点170を中心に前記第4の直線部174との角度が10〜30度となるように第5の直線部175が形成される。前記第3のフィラー部153の下側終端は、前記第5の直線部175に接するように配置される。
【0058】
よって、前記第1のフィラー部151、第2のフィラー部152及び第3のフィラー部153は、前記第1の直線部171、第2の直線部172、第3の直線部173、第4の直線部174及び第5の直線部175により区分されるように配置されるので、タイヤの変形の大きさによって各位置の変形をコントロールすることができ、タイヤの重量を低減して転がり抵抗を向上させることができる。
【0059】
また、前記第2のビードフィラー150には、第5の直線部175と前記ターンアップされたカーカス131が接する地点にタイヤの高さ方向と平行な第1の接線部181が備えられ、前記第1の接線部181に接するように前記第3のフィラー部153の下側終端が配置される。
【0060】
より詳細には、前記第1の接線部181は、前記第5の直線部175と前記ターンアップされたカーカス131が接する地点からタイヤの高さ方向と平行に形成され、前記第1の接線部181を基準に第3のフィラー部153の下側終端が配置される。
【0061】
また、前記第2のビードフィラー150には、第1の接線部181からタイヤの外側方向に0〜5度の傾きaで傾斜するように第2の接線部182が備えられ、前記第2の接線部182に接するターンアップされたカーカス131に前記第3のフィラー部153の上側終端及び第2のフィラー部152の下側終端が配置される。
【0062】
より詳細には、前記第2の接線部182は、前記第1の接線部181からタイヤの外側方向に0〜5度の傾きで傾斜するように形成され、前記第2の接線部182には、前記第3のフィラー部153の上側終端及び第2のフィラー部152の下側終端が配置される。
【0063】
すなわち、第2の接線部182により、ターンアップされたカーカス131に接する前記第3のフィラー部153の上側終端及び前記第2のフィラー部152の下側終端を設定することができる。
【0064】
また、第2のビードフィラー150には、前記第2の接線部182からタイヤの外側方向に0〜8度の傾きbで傾斜するように第3の接線部183が備えられ、前記第3の接線部183に接するターンアップされたカーカス131に前記第2のフィラー部152の上側終端及び前記第1のフィラー部151の下側終端が配置される。
【0065】
より詳細には、前記第3の接線部183は、前記第2の接線部182からタイヤの外側方向に0〜8度の傾きで傾斜するように形成され、前記第3の接線部183には、前記第2のフィラー部152の上側終端及び前記第1のフィラー部151の下側終端が配置される。
【0066】
すなわち、第3の接線部183により、ターンアップされたカーカス131に接する前記第2のフィラー部152の上側終端及び前記第1のフィラー部151の下側終端を設定することができる。
【0067】
また、第2のビードフィラー150には、前記第3の接線部183からタイヤの外側方向に0〜10度の傾きcで傾斜するように第4の接線部184が備えられ、前記第4の接線部184に接するターンアップされたカーカス131に前記第1のフィラー部151の上側終端が配置される。
【0068】
より詳細には、前記第4の接線部184は、第3の接線部183からタイヤの外側方向に0〜10度の傾きで傾斜するように形成され、前記第4の接線部184には、前記第1のフィラー部151の上側終端が配置される。
【0069】
すなわち、第4の接線部184により、ターンアップされたカーカス131に接する前記第1のフィラー部151の上側終端を設定することができる。
【0070】
図3は、従来のビード構造と本発明による多重ゴム層が適用されるタイヤのビード構造の転がり抵抗を解析した結果である。
【0071】
図3に示すように、Conventional tireとRunflat tireの両方において、従来の1つのゴム層が適用されるビード構造と比較して、変形が大きな部位に多重ゴム層が適用されるタイヤのビード構造を用いると、変形が減少し、転がり抵抗が向上することが確認される。
【0072】
図4は、従来のビード構造と本発明による多重ゴム層が適用されるタイヤのビード構造のRunflat tireの空気圧とZero Pressure時のSED解析を行った結果である。
【0073】
図4に示すように、空気圧とフラット状態の両方において、従来のビード構造と比較して、本発明による多重ゴム層が適用されたビード構造は、SIR部の圧縮変形を減少させることができ、ビード部の各位置の変形もタイヤの特性に応じた最適変形となるように導くことができる。
【0074】
よって、本発明による多重ゴム層が適用されるタイヤのビード構造は、耐久性及びタイヤの特性に応じて第2のフィラー部152を多重ゴム層で形成することにより、耐久性を向上させることができ、かつ重量を低減して転がり抵抗を向上させることができる。
【0075】
また、耐久性に劣る位置に多重ゴム層を自由に配置することができ、第2のビードフィラー150の各位置の変形をコントロールすることができる。
【0076】
前述した本発明の説明は例示のためのものであり、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の技術的思想や必須の特徴を変更することなく、他の具体的な形態に容易に変形できることを理解するであろう。よって、前述の実施形態はあくまで例示的なものであり、限定的なものではないことを理解すべきである。例えば、単一型で説明されている各構成要素を分散して実施してもよく、同様に分散したものと説明されている構成要素を結合された形態に実施してもよい。
【0077】
本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲により示され、特許請求の範囲の意味及び範囲、並びにその均等概念から導かれるあらゆる変更または変形された形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0078】
100 多重ゴム層が適用されたビードフィラーを備える空気入りタイヤ
110 サイドウォール
120 ビードコア
130 カーカス
131 ターンアップされたカーカス
140 第1のビードフィラー
150 第2のビードフィラー
151 第1のフィラー部
152 第2のフィラー部
153 第3のフィラー部
160 リムクッション
170 交差点
171 第1の直線部
172 第2の直線部
173 第3の直線部
174 第4の直線部
175 第5の直線部
181 第1の接線部
182 第2の接線部
183 第3の接線部
184 第4の接線部