【実施例】
【0093】
比較例1
米国特許第7,176,255号の実施例21(米国特許第7,176,255号の第50欄〜第55欄で説明されている)に従ってフリーラジカル重合反応を行った染料エマルジョンを調製した。調製プロセスの一部として、実施例21の水性乳化剤溶液(表1を参照のこと)から、超音波源を用いてミニエマルジョンを調製した。BASFから入手可能な染料であるLumogen(登録商標) F Red 300を、アクリレートおよびビニルモノマーから調製されたポリマー内に封入した。具体的には、201.5gの水、2.0gのラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、0.5gのLumogen(登録商標) F Red 300、2.5gのステアリルアクリレート、47.5gのスチレンおよび1.0gのジビニルベンゼンを、磁気攪拌子を備えたガラスジャー中で混合した。この混合物を、Branson sonifier 450を用いた超音波処理に供した。この赤色染料(1%の染料対ポリマー比)の大部分をモノマーミニエマルジョン中に分散させた。ジャー内および磁気撹拌子上に染料の沈殿物は観察されなかった。
【0094】
次いで、‘255特許の表1に記載される濃度でペルオキソ二硫酸ナトリウムの水性開始剤溶液を用いて、‘255特許の第50欄に記載されるパートIVで説明される手順に従ってモノマーミニエマルジョン中で重合を行った。得られた、Lumogen(登録商標) F Red 300が封入されたエマルジョンは、少量のポリマーと染料の沈殿物(染料+ポリマーの沈殿物 約5%)を含んでいた。測定された固形分含有量は20重量%であったが、これは、‘255特許で報告された17.6重量%という量に匹敵する。測定されたエマルジョン中の粒子のサイズは100nmであったが、これは、‘255特許で報告された152nmという粒子サイズに匹敵する。
【0095】
そうではないことが示されていない限り、以下の表1〜9において量は全て、グラムである。
【0096】
実施例1
【表1】
【0097】
1Lの四つ口フラスコに(A+B+C+D)を入れ、N
2パージを行いながら、60℃に加熱して、全ての樹脂が溶解するまで300rpmで30分間混合した。このフラスコに染料とN−ビニルピロリドンの溶液(E+F)を入れ、フラスコを、ステンレス鋼の撹拌機で混合しながら80℃に5分間加熱した。次いで、このフラスコに非イオン性界面活性剤(G)を入れた。10分後、このフラスコに過硫酸アンモニウム(開始剤)および水(H+I)を添加した。5分後、添加漏斗(addition funnel)により、このフラスコ内にスチレンモノマー(J)を1.5時間かけて添加した。10分後、このフラスコに架橋モノマー(K)を15分かけて入れた後、追加的な開始剤溶液(L+M)を添加した。この混合物を4時間そのままにし、ポリマー内に封入されたLumogen(登録商標) F Red 300を含むエマルジョンを生成させた。この封入された染料は、赤色を呈した。エマルジョン中に染料の沈殿物およびポリマーの凝塊は形成されなかった。
【0098】
実施例1では、(BASFの1.0重量%に対して)0.1重量%という染料対ポリマー比で、Lumogen(登録商標) F Red 300が、本出願の方法を用いてポリスチレン(PS)エマルジョン中で封入された。実際の染料対エマルジョン比は、(‘255特許の0.20重量%に対して)0.044重量%であった。
【0099】
重合済みのエマルジョンは、染料の沈殿物もポリマーの凝塊も含まず、封入された染料粒子は、長時間にわたって安定なままである。
【0100】
比較例2−封入されたPigment Blue 79染料
モノマーミニエマルジョンの調製:
比較例1の説明において上述された手順を用いて、以下の材料をガラスジャー中で混合した:
201.5gの水;
2.0gのSLS;0.125gのPigment Blue 79染料;
2.5gのステアリルアクリレート;
47.5gのスチレン;および
1.0gのジビニルベンゼン。
【0101】
この混合物を、比較例1において記載される通りに超音波処理に供した。Pigment Blue 79染料は、モノマーミニエマルジョンに溶解せず、ミニエマルジョン混合物の上に浮かんだため、Pigment Blue 79はスチレンモノマーにあまり溶解しないようである。さらに、磁気撹拌子上に少量のPigment Blue 79染料の沈殿物が観察された。
【0102】
次いで、比較例1において上述される通りに、‘255特許の第50欄に記載されるパートIVで説明される手順に従ってモノマーミニエマルジョンを重合させた。モノマーの重合の後、重合エマルジョンは、ポリマー封入されたPigment Blue 79および染料の沈殿物を含んでいた。いくらかのポリマーの凝塊(測定された固形分の量から決定された場合、約5重量%)が形成され、攪拌機上に、温度プローブ上に、および重合後のエマルジョン中で、Pigment Blue 79染料が沈殿した。
【0103】
測定された比較例2のエマルジョンの固形分含有量は18.5重量%であり、測定された粒子サイズは196nmであった(120℃の真空オーブンを使用して溶媒を蒸発させて決定した場合)。
【0104】
‘255特許のミニエマルジョンを含む封入プロセスは、重合後に形成される染料の沈殿のせいで、特定のモノマーへの溶解性が低い染料にはあまり適していない、ということを比較例2は実証する。
【0105】
‘255特許の方法は、蛍光染料がスチレンなどのエチレン性不飽和モノマーにおいて良好な溶解性を有することを必要とするようである。これは、封入できる染料の量を制限する。しかし、本出願は、染料がモノマーに可溶であることを必要としない。それらは、最初に溶媒(重合性溶媒であってもよい)中で可溶化された。
【0106】
‘255特許の方法では、重合後に一定量のポリマーの凝塊が形成される。言い換えれば、封入された染料のエマルジョンは、安定ではない。一方、本発明の封入された染料のエマルジョンのプロセスは、安定なエマルジョンを生成する。
【0107】
実施例2
比較例2で使用されたのと同じ濃度で、以下の通りにPigment Blue 79染料を封入した。
【0108】
(‘255特許の0.25重量%に対して)0.1重量%という染料対ポリマー比で、Pigment Blue 79が、本出願の方法を用いてポリスチレン(PS)エマルジョン中で封入された。実際の染料対エマルジョン比は、(‘255特許の0.05重量%に対して)0.044重量%であった。ポリマー封入された被封入Pigment Blue 79を含むエマルジョンは、容器内に、攪拌機上に、および温度プローブ上に、染料の沈殿物を含まない。
【0109】
ほぼ同じ染料対エマルジョン比(0.050%に対して0.044%)で、本発明の方法は、遥かに少ない染料の沈殿を示し、その結果、生成したエマルジョンは、より濃い色および遥かに強い蛍光強度を有するようになる。
【0110】
本明細書で説明される方法の実施において、Pigment Blue 79染料は、比較例2の方法で達成されたものよりも少ないポリマーと染料の沈殿および比較例2の方法で達成されたものよりも強い染料蛍光シグナルを伴って、ポリマー封入された。
【0111】
実施例2:アニオン性のポリマー性界面活性剤としてJoncryl 678を用いた被封入Pigment Blue 79架橋ポリスチレン(PS)エマルジョンの調製
【0112】
【表2】
【0113】
水酸化アンモニウムはJoncryl 678樹脂を中和し、それが水に溶解するのを助け、その界面活性剤特性を促進する。重炭酸ナトリウムは、乳化重合媒体における緩衝剤として使用される。
【0114】
1Lの四つ口フラスコに(A+B+C+D)を入れ、N
2パージを行いながら、60℃に加熱して、全ての樹脂が溶解するまで300rpmで30分間混合した。このフラスコに染料とビニルピロリドンの溶液(E+F)を入れ、フラスコを、ステンレス鋼の撹拌機で混合しながら80℃に5分間加熱した。次いで、このフラスコに非イオン性界面活性剤(G)を入れた。10分後、このフラスコに過硫酸アンモニウム(開始剤)および水(H+I)を添加した。5分後、添加漏斗により、このフラスコ内にスチレンモノマー(J)を1.5時間かけて添加した。10分後、このフラスコに架橋モノマー(K)を15分かけて入れた後、追加的な開始剤溶液(L+M)を添加した。この混合物を4時間そのままにし、ポリマー内に封入されたPigment Blue 79を含むエマルジョンを生成させた。この封入された染料は、淡青色を呈した。エマルジョン中に染料の沈殿物およびポリマーの凝塊は形成されなかった。
【0115】
実施例3
モノマー性界面活性剤であるラウリル硫酸ナトリウム(SLS)を用いたポリ(スチレン−ブチルアクリレート−アクリル酸)(P(St−BA−AA))エマルジョン中の封入されたPigment Blue 79染料の調製
【0116】
【表3】
【0117】
1Lの四つ口フラスコに(A+B+C)を入れ、N
2パージを行いながら、60℃に加熱して300rpmで30分間混合した。このフラスコに染料とN−ビニルピロリドンの溶液(D+E)を入れ、フラスコを80℃に5分間加熱した。このフラスコに非イオン性界面活性剤(F)を入れた。10分後、このフラスコに過硫酸アンモニウム水溶液(G+H)を添加した。5分後、添加漏斗により、このフラスコにモノマーの混合物(I+J+K)を1.5時間かけて入れた。15分後、このフラスコに追加的な開始剤溶液(L+M)を入れて、4時間そのままにし、それにより、ポリマー内に封入されたPigment Blue 79を含むエマルジョンを生成させた。染料は、淡青色を呈した。エマルジョンは、いくらかの染料の沈殿物を含み、攪拌機のシャフト上および温度プローブ上にポリマーの凝塊が観察された。
【0118】
実施例4:界面活性剤としてJoncryl 678を用いたエマルジョン中でのポリ(メチルメタクリレート−エチルヘキシルアクリレート)P(MMA−EHA)中の封入されたPigment Blue 79の調製
【0119】
【表4】
【0120】
1Lの四つ口フラスコに(A+B+C+D)を入れ、N
2パージを行いながら、60℃に加熱して、全ての樹脂が溶解するまで300rpmで30分間混合した。次いで、このフラスコに染料とN−ビニルピロリドンの溶液(E+F)を入れ、フラスコを80℃に5分間加熱した。次いで、このフラスコに非イオン性界面活性剤(G)を入れた。10分後、このフラスコに過硫酸アンモニウム水溶液(H+I)を入れた。5分後、添加漏斗により、このフラスコにモノマーの混合物(J+K)を1.5時間かけて入れた。15分後、このフラスコに追加的な開始剤溶液(L+M)を入れ、この混合物を4時間そのままにし、それにより、ポリマー内に封入されたPigment Blue 79を含むエマルジョンを生成させた。染料は、濃青色を呈した。エマルジョンは、染料の沈殿物およびポリマーの凝塊を含まなかった。
【0121】
実施例5:顔料Paliogen black S0084封入非架橋PSエマルジョンの調製
【0122】
【表5】
【0123】
1Lの四つ口フラスコに(A+B+C+D)を入れ、N
2パージを行いながら、60℃に加熱して、全ての樹脂が溶解するまで300rpmで30分間混合した。次いで、このフラスコに顔料とN−ビニルピロリドンの溶液(E+F)を入れ、フラスコを80℃に5分間加熱した。次いで、このフラスコに非イオン性界面活性剤(G)を入れた。10分後、このフラスコに過硫酸アンモニウム水溶液(H+I)を添加した。5分後、添加漏斗により、このフラスコにスチレンモノマー(J)を1.5時間かけて入れた。15分後、このフラスコに追加的な開始剤水溶液(K+L)を入れ、この混合物を4時間そのままにし、それにより、ポリマー内に封入されたPaliogen black S0084を含むエマルジョンを生成させた。エマルジョンは、重合において形成された染料の沈殿物をいくらか含んでいた。
【0124】
実施例6:染料のための溶媒として非重合性酢酸エチルを用いたUFB403赤色染料封入PSエマルジョンの調製
【0125】
【表6】
【0126】
1Lの四つ口フラスコに(A+B+C+D)を入れ、N
2パージを行いながら、60℃に加熱して、全ての樹脂が溶解するまで300rpmで30分間混合した。次いで、このフラスコに染料と酢酸エチルの溶液(E+F)を入れ、フラスコを80℃に5分間加熱した。次いで、このフラスコに非イオン性界面活性剤(G)を入れ、10分後、このフラスコに過硫酸アンモニウム水溶液(H+I)を添加した。5分後、添加漏斗により、このフラスコにスチレンモノマー(J)を1.5時間かけて入れた。15分後、このフラスコに追加的な開始剤水溶液(K+L)を入れ、この混合物を4時間そのままにし、それにより、ポリマー内に封入されたUFB403赤色染料を含むエマルジョンを生成させた。このエマルジョン中には、重合後に形成された染料の沈殿物がいくらか存在した。
【0127】
動的光散乱法(DLS)によってエマルジョンの粒子サイズを測定するための方法:
得られたエマルジョンを水で20倍希釈した。希釈したエマルジョンのサンプルの粒子サイズを、Mie理論に従ったHoriba LB−500での動的光散乱法によって3回測定し、平均値を記録した。
【0128】
比較例X:ミニエマルジョンプロセスを利用および使用する‘255特許のプロセスによってLumogen(登録商標) F Red 300を封入した(約19重量%の固形分、0.1の被封入染料対ポリマー比(w/w))。
【0129】
モノマーミニエマルジョンの調製
比較例1の説明において上述された手順を用いて、磁気撹拌子を備えたガラスジャー中で以下の材料を混合した:
201.5gの水;
2.0gのSLS;
0.052gのLumogen(登録商標) F Red 300;
2.5gのステアリルアクリレート;
47.5gのスチレン;および
1.0gのジビニルベンゼン。
【0130】
この混合物を、比較例1において記載される通りに超音波処理に供した。ジャー内および磁気撹拌子上に染料の沈殿物は観察されなかった。
【0131】
次いで、比較例1において上述される通りに、‘255特許の第50欄に記載されるパートIVで説明される手順に従ってモノマーミニエマルジョンを重合させた。いくらかのポリマーの凝塊(約5重量%)が形成され、攪拌機上に、温度プローブ上に、および重合後のエマルジョン中で、Lumogen(登録商標) F Red 300が沈殿した。
【0132】
測定された比較例Xのエマルジョンの固形分含有量は18.4%であった。
【0133】
実施例X:本発明の方法によるLumogen(登録商標) F Red 300封入エマルジョン(約40重量%の固形分)(0.1重量%の被封入染料対ポリマー比(w/w))
【0134】
【表7】
【0135】
1Lの四つ口フラスコに(A+B+C)を入れ、N
2パージを行いながら、60℃に加熱して、全ての樹脂が溶解するまで300rpmで30分間混合した。このフラスコに染料とN−ビニルピロリドンの溶液(D+E)を、ステンレス鋼の撹拌機で混合しながら5分間入れた。次いで、このフラスコに非イオン性界面活性剤(F)を入れた。10分後、このフラスコにt−ブチルヒドロペルオキシド(70%)(G)を入れ、10分間そのままにした。次いで、このフラスコにアスコルビン酸水溶液(H+I)とスチレンモノマー(J)の10%を添加した。15分後、添加漏斗により、このフラスコに(H+I)と(J)の残りを1.5時間かけて添加した。モノマー(J)の添加後、このフラスコに架橋モノマー(K)を5分かけて入れ、続いて、このフラスコに追加的なレドックス開始剤溶液(L)+(M+N)を添加した。この混合物を3時間そのままにして、ポリマー内に封入されたLumogen(登録商標) F Red 300を含むエマルジョンを生成させた。エマルジョン中に染料の沈殿物およびポリマーの凝塊は形成されなかった。
【0136】
測定された実施例Xのエマルジョンの固形分含有量は39.4%であった。
【0137】
比較例Y:ミニエマルジョンを利用および使用する‘255特許のプロセスによってUFB403赤色染料を封入した(約19重量%の固形分、0.1の被封入染料対ポリマー比(w/w))。
【0138】
モノマーミニエマルジョンの調製
比較例1の説明において上述された手順を用いて、磁気撹拌子を備えたガラスジャー中で以下の材料を混合した:
201.5gの水;
2.0gのSLS;
0.052gのUFB403赤色染料;
2.5gのステアリルアクリレート;
47.5gのスチレン;および
1.0gのジビニルベンゼン。
【0139】
この混合物を、比較例1において記載される通りに超音波処理に供した。ジャー内および磁気撹拌子上に染料の沈殿物は観察されなかった。
【0140】
次いで、比較例1において上述される通りに、‘255特許の第50欄に記載されるパートIVで説明される手順に従ってモノマーミニエマルジョンを重合させた。いくらかのポリマーの凝塊(約5重量%)が形成され、攪拌機上に、温度プローブ上に、および重合後のエマルジョン中で、UFB403赤色染料が沈殿した。
【0141】
測定された比較例Yのエマルジョンの固形分含有量は18.4%であった。
【0142】
実施例Y:本発明の方法によるUFB403赤色染料封入エマルジョン(約40重量%の固形分)(0.1の被封入染料対ポリマー比(w/w))
【0143】
【表8】
【0144】
1Lの四つ口フラスコに(A+B+C)を入れ、N
2パージを行いながら、60℃に加熱して、全ての樹脂が溶解するまで300rpmで30分間混合した。このフラスコに染料とN−ビニルピロリドンの溶液(D+E)を、ステンレス鋼の撹拌機で混合しながら5分間入れた。次いで、このフラスコに非イオン性界面活性剤(F)を入れた。10分後、このフラスコにt−ブチルヒドロペルオキシド(70%)(G)を入れ、10分間そのままにした。次いで、このフラスコにアスコルビン酸水溶液(H+I)とスチレンモノマー(J)の10%を添加した。15分後、添加漏斗により、このフラスコに(H+I)と(J)の残りを1.5時間かけて添加した。モノマー(J)の添加後、このフラスコに架橋モノマー(K)を5分かけて入れ、続いて、このフラスコに追加的なレドックス開始剤溶液(L)+(M+N)を添加した。この混合物を3時間そのままにして、ポリマー内に封入されたUFB403赤色染料を含むエマルジョンを生成させた。エマルジョン中にポリマーの凝塊は形成されず、時間が経つとエマルジョンの底にいくらかの染料の沈殿物が観察された。
【0145】
測定された実施例Yのエマルジョンの固形分含有量は40.1%であった。
【0146】
比較例Z:ミニエマルジョンを利用および使用する‘255特許のプロセスによってPigment Blue 79染料を封入した(約19重量%の固形分、0.1の被封入染料対ポリマー比(w/w))。
【0147】
モノマーミニエマルジョンの調製
比較例1の説明において上述された手順を用いて、磁気撹拌子を備えたガラスジャー中で以下の材料を混合した:
201.5gの水;
2.0gのSLS;
0.052gのPigment Blue 79染料;
2.5gのステアリルアクリレート;
47.5gのスチレン;および
1.0gのジビニルベンゼン。
【0148】
この混合物を、比較例1において記載される通りに超音波処理に供した。ジャー内および磁気撹拌子上に染料の沈殿物は観察されなかった。
【0149】
次いで、比較例1において上述される通りに、‘255特許の第50欄に記載されるパートIVで説明される手順に従ってモノマーミニエマルジョンを重合させた。いくらかのポリマーの凝塊が形成され、攪拌機上に、温度プローブ上に、および重合後のエマルジョン中で、Pigment Blue 79染料が沈殿した。全てのモノマーが重合したわけではなかった。
【0150】
測定された比較例Zのエマルジョンの固形分含有量は8.0%であった。
【0151】
実施例Z:本発明の方法によるPigment Blue 79染料封入エマルジョン(約40重量%の固形分、0.1の被封入染料対ポリマー比(w/w))
【0152】
【表9】
【0153】
1Lの四つ口フラスコに(A+B+C)を入れ、N
2パージを行いながら、60℃に加熱して、全ての樹脂が溶解するまで300rpmで30分間混合した。このフラスコに染料とN−ビニルピロリドンの溶液(D+E)を、ステンレス鋼の撹拌機で混合しながら5分間入れた。次いで、このフラスコに非イオン性界面活性剤(F)を入れた。10分後、このフラスコにt−ブチルヒドロペルオキシド(70%)(G)を入れ、10分間そのままにした。次いで、このフラスコにアスコルビン酸水溶液(H+I)とスチレンモノマー(J)の10%を添加した。15分後、添加漏斗により、このフラスコに(H+I)と(J)の残りを1.5時間かけて添加した。モノマー(J)の添加後、このフラスコに架橋モノマー(K)を5分かけて入れ、続いて、このフラスコに追加的なレドックス開始剤溶液(L)+(M+N)を添加した。この混合物を3時間そのままにして、ポリマー内に封入されたPigment Blue 79染料を含むエマルジョンを生成させた。エマルジョン中にポリマーの凝塊は形成されなかった。時間が経つと、エマルジョンの底に少量のPigment Blue 79染料が沈殿した。
【0154】
測定された実施例Zのエマルジョンの固形分含有量は39.3重量%であった。
【0155】
実施例10:相対強度の測定
それぞれ0.1の染料/ポリマー比(w/w)および0.02重量%の染料/総エマルジョン分散系比でLumogen(登録商標) F Red 300、USF403およびPigment Blue 79を使用して実施例X、YおよびZならびに比較例X、YおよびZのポリマー封入された染料のエマルジョンを調製することに加えて、NMP中で0.02重量%という染料の濃度で各染料の溶液をN−メチルピロリドン(NMP)溶媒で調製した。このNMP溶液は、発光データを生成する際の参照用として使用された。
【0156】
ポリマー封入された発光染料について図中で提示される強度の測定値は、付属の分岐型光ファイバープローブを備えたThorlabs CCS200ユニットを有する光ファイバーを利用した分光計およびそれに関連するソフトウェアにより決定した。SMAコネクタを有する470nmのLED励起光源およびSMAコネクタを有する5mW 635nmのレーザーを、分光計のソフトウェアによって捕捉された発光スペクトルを生成するための励起光源として使用した。全ての測定について、適切なカットオフフィルターを分光計の前面に使用して、測定されたスペクトルから励起光の大部分を除去した。
【0157】
実施例X、YおよびZならびに比較例X、YおよびZのエマルジョン中のポリマー封入された染料のそれぞれについての蛍光強度は、染料のNMP溶液のピーク強度の波長において測定された。ポリマー封入された染料の相対蛍光強度は、実施例X、YおよびZならびに比較例X、YおよびZのそれぞれの蛍光強度を適切な染料のNMP溶液の蛍光強度で割ることによって決定された。結果を表10に示す。
【0158】
図2に示されるプロットは、本発明の方法によって(実施例X)、および‘255特許の方法によって(比較例X)、封入されたLumogen(登録商標) F Red 300についての光強度対波長を示す。また、このプロットには、Lumogen(登録商標) F Red 300のNMP溶液(NMP中で0.02重量%の染料)についての光強度対波長も示されている(
図2で識別されているように、染料+溶媒)。
【0159】
【表10】
【0160】
その好ましい実施形態を含め、本発明が詳細に説明されている。しかし、当業者が、本開示を考慮して、本発明の範囲および趣旨に含まれる改変および/または改良を本発明に加えてよい、ということが理解されるであろう。