(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、鞍乗型車両に代表されるオープンキャビンビークル特有の問題として、消費電力容量がある。鞍乗型車両に代表されるオープンキャビンビークルでは、種々の機器の搭載スペースが少ないため、搭載するバッテリ容量が抑制される。したがって、鞍乗型車両に代表されるオープンキャビンビークルで認証システムを実現する場合、消費電力を抑えることができる方が好ましい。
【0009】
さらに、鞍乗型車両に代表されるオープンキャビンビークルにはドアを有さない。ドアを有する自動四輪車の場合、運転者はドアを開ける操作、着座後にシートベルトを閉める操作等、自動四輪車を制御可能状態(エンジン等の駆動装置が始動可能な状態)とするまでに、種々の操作がある。しかしながら、オープンキャビンビークルの場合、ドアがないためにライダーの操作は限られる。そのため、特許文献3では、リクエストスイッチに対する操作ではなく、ライディングに必要なグリップを握るというライダーのビークルに対する操作に基づいて、認証のためのリクエスト信号を発信する。
【0010】
近年、鞍乗型車両に代表されるオープンキャビンビークルとして成立する消費電力を維持しつつ、利便性をさらに高めることが求められている。
【0011】
本発明の目的は、消費電力を抑え、利便性をさらに高めることができるオープンキャビンビークルを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
特許文献3では、上述のとおり、鞍乗型車両特有のライダーの操作である、グリップを握る等に着目した認証技術が提案されている。そこで、本発明者は、他のオープンキャビンビークル特有のライダーの操作による認証技術を検討した。
【0013】
一般的な四輪車では、自動四輪車を走行可能状態とするまでに、運転者はドアを開ける操作、着座後にシートベルトを閉める操作等、種々の操作を行う。一方、オープンキャビンビークルでは、ライダーがドア等を開くことなくオープンキャビンビークルに乗車可能である。そのため、オープンキャビンビークル特有のライダー操作は限られている。
【0014】
上記のとおり、オープンキャビンビークル特有のライダー操作が限られているため、本発明者は、発想を転換して、グリップを握る等のライダーのオープンキャビンビークルの操作ではなく、ライダーがオープンキャビンビークルに乗車するまでのライダーの動作(アクション)に注目した。そして、本発明者は、ライダーがオープンキャビンビークルに乗車するまでの動作を詳細に検討した。その結果、本発明者は、ライダーがオープンキャビンビークルに近づくという動作が必ず行われることに注目した。ライダーがなんら操作することなく、ライダーがオープンキャビンビークルに近づいただけで認証が実行され、オープンキャビンビークルの駆動装置を制御する駆動制御部が起動すれば、利便性がより高まる。
【0015】
しかしながら、ライダーがオープンキャビンビークルに近づくという動作を検知するためには、オープンキャビンビークルが、ライダーが近づいていることを少なくとも間欠的に検知しなければならない。この場合、オープンキャビンビークルが検知のために電力を消費するため、オープンキャビンビークルとして成立する消費電力に収まらないと考えられた。
【0016】
しかしながら、本発明者は、あえて採用が困難と思われる上記動作に注目した認証システムを検討した。
【0017】
ところで、オープンキャビンビークルには上述のとおりドアがない。そのため、オープンキャビンビークルからライダーまでの距離が遠い場合、ライダーの携帯端末によりオープンキャビンビークルが制御可能状態(エンジン等の駆動装置が始動可能な状態)となれば、ライダーがオープンキャビンビークルに到達する前に、ライダーよりもオープンキャビンビークルに近い位置にいた第三者がオープンキャビンビークルに先に到達して搭乗してしまう場合があり得る。したがって、発信機からの発信信号に対して携帯端末が応答可能な範囲は狭い方が好ましい。応答可能範囲が狭い場合、ライダーの近づく動作を正確に検知するためには、発信機からの発信信号の発信頻度を高める必要があると考えられた。
【0018】
そこで、本発明者は、どの程度の頻度で発信信号を発信するのが好ましいかを詳細に検討した。ライダーがオープンキャビンビークルの走行を開始するまでには、順番は問わないものの、必ず行われる動作(必須動作)がある。オープンキャビンビークルのシートに座る動作、スタンドを上げる動作等である。これらの必須動作は、ライダーがオープンキャビンビークルに到達した後に行われる。つまり、ライダーがオープンキャビンビークルに到達した直後に制御可能状態(駆動装置を始動可能な状態)とする必要はかならずしもない。ライダーがオープンキャビンビークルに到達した後、上記必須動作を行うための時間が必要になるためである。これらの必須動作に必要な時間を考慮した場合、発信信号の発信頻度が低くても、ライダーの近づく動作を十分に検知できることを本発明者は初めて見出した。
【0019】
オープンキャビンビークルが発信信号を発信する場合、発信信号の発信頻度を低くしてライダーの近づく動作を検知しても、認証システムとして十分に機能する。さらに、発信信号の応答可能範囲を狭くするため、発信信号を発信するための出力を低くできる。発信信号の出力を抑えることができるため、オープンキャビンビークルで発信信号を発信することに対する消費電力を大幅に抑制できる。
【0020】
以上のとおり、本発明者による検討の結果、消費電力と、ライダー以外の第三者への対策とを考慮すれば、採用が困難であると思われた、ライダーに代表される操作者によるオープンキャビンビークル及び携帯端末に対する操作なしに、オープンキャビンビークルから間欠的に発信信号を発信して認証を行うシステムの採用が可能であることを、本発明者は初めて見出した。
【0021】
以上の知見に基づいて完成した本発明によるオープンキャビンビークルは、次の構成を備える。
【0022】
(1)一の観点によれば、本発明のオープンキャビンビークルは、駆動装置と、制御装置と、電力供給装置とを備える。電力供給装置は、制御装置に電力を供給可能である。制御装置は駆動装置を制御する。制御装置は、駆動制御部と、識別信号発信部と、応答信号受信部と、要求信号送信部と、鍵情報信号受信部と、駆動起動許可判断部と、駆動起動制御部とを含む。駆動制御部は、駆動装置を制御する。識別信号発信部は、鍵情報を含む携帯端末を所持している操作者によるオープンキャビンビークル及び携帯端末に対する操作なしに、識別可能な情報である識別情報を含む識別信号を間欠的に発信する。応答信号受信部は、間欠的に発信された識別信号に応答して、鍵情報を含む携帯端末を所持している操作者によるオープンキャビンビークル及び携帯端末に対する操作なしに、携帯端末から送信された応答信号を受信する。要求信号送信部は、応答信号の受信に応じて、鍵情報を含む携帯端末を所持している操作者によるオープンキャビンビークル及び携帯端末に対する操作なしに、鍵情報を含む鍵情報信号の送信を携帯端末に要求する要求信号を送信する。鍵情報信号受信部は、要求信号送信部による要求信号に応答して、鍵情報を含む携帯端末を所持している操作者によるオープンキャビンビークル及び携帯端末に対する操作なしに、携帯端末から送信された鍵情報を含む鍵情報信号を受信する。駆動起動許可判断部は、鍵情報信号受信部により受信された鍵情報信号に基づいて、鍵情報を含む携帯端末を所持している操作者によるオープンキャビンビークル及び携帯端末に対する操作なしに、駆動制御部の起動を許可するか許可しないかを判断する。駆動起動制御部は、駆動起動許可判断部が駆動制御部の起動を許可したとき、鍵情報を含む携帯端末を所持している操作者によるオープンキャビンビークル及び携帯端末に対する操作なしに、駆動制御部を起動する。
【0023】
本明細書において、オープンキャビンビークルとは、キャビンが密閉空間ではなく、外部に開放されている車両であって、シートの横にドアを有さない車両である。オープンキャビンビークルはたとえば、鞍乗型車両、ROV(Recreational Off highway Vehicle)等である。鞍乗型車両はたとえば、自動二輪車、全地形対応車(ATV:All Terrain Vehicle)等である。本実施形態では、オープンキャビンビークルの一例として、自動二輪車を示す。しかしながら、オープンキャビンビークルは自動二輪車に限定されない。オープンキャビンビークルは上記の定義の車両を含む。
【0024】
また、携帯端末を所持している操作者によるオープンキャビンビークル及び携帯端末に対する操作なしに、とは、操作者が携帯端末の物理キー(ハードキー)又はソフトキー(ソフトウェア的に再現されたキー)の操作ボタンを操作したり、オープンキャビンビークルの物理キー又はソフトキーを操作したりすることなしに、という意味である。物理キーは、スイッチ又はボタンが物理的に移動してオンオフを検知するキー(ハードキー)である。携帯端末の物理キー又はソフトキーはたとえば、キーボード、テンキー、電源ボタン、音量ボタン、ホーム画面に戻すためのホームボタン等である。オープンキャビンビークルの物理キーはたとえば、各種操作スイッチ(イグニッションスイッチ、メインスイッチ、アクセルグリップ、ブレーキレバー、ウインカースイッチ、ヘッドライトのハイ/ロー切り替えスイッチ)である。上記操作スイッチは、ソフトキーで機能可能な場合もある。
【0025】
携帯端末はたとえば、スマートフォン、携帯電話機に代表されるPDA(Personal Digital Assistant)、タブレット、スマートキー、ノートパソコン、携帯ゲーム機等である。
【0026】
(2)他の観点によれば、上記応答信号はさらに、携帯端末とオープンキャビンビークルとの間の距離に関する距離情報を含んでもよい。この場合、制御装置はさらに、距離判断部を含んでもよい。距離判断部は、距離情報を含む応答信号に基づいて、鍵情報を含む携帯端末を所持している操作者によるオープンキャビンビークル及び携帯端末に対する操作なしに、携帯端末とオープンキャビンビークルとの距離が特定距離内であるか否かを判断する。距離判断部が、距離情報に基づいて、携帯端末とオープンキャビンビークルとの間の距離が特定距離内であると判断したとき、要求信号送信部は、鍵情報を含む携帯端末を所持している操作者によるオープンキャビンビークル及び携帯端末に対する操作なしに、鍵情報を含む信号の送信を携帯端末に要求する要求信号を送信する。
【0027】
この場合、携帯端末を所持している操作者(ライダー)とオープンキャビンビークルとの間の距離が特定距離内となったときに、認証を実施する。そのため、操作者がオープンキャビンビークルに到達するまえに第三者がオープンキャビンビークルに乗り込むのを抑制しやすくなる。
【0028】
また、本発明におけるオープンキャビンビークルと通信可能な携帯端末は、次の構成を備える。
【0029】
(3)本発明による携帯端末は、搭乗エリアが密閉空間ではない上記オープンキャビンビークルと通信可能である。携帯端末は、鍵情報を格納する記憶部と、応答信号送信部及び鍵情報信号送信部とを備える。応答信号送信部は、間欠的に発信された識別信号に応答して、鍵情報を含む携帯端末を所持している操作者によるオープンキャビンビークル及び携帯端末に対する操作なしに、応答信号を送信する。鍵情報信号送信部は、要求信号送信部による要求信号に応答して、鍵情報を含む携帯端末を所持している操作者によるオープンキャビンビークル及び携帯端末に対する操作なしに、鍵情報を含む鍵情報信号を送信する。
【0030】
この場合、操作者は、オープンキャビンビークル及び携帯端末に対する操作をすることなく、オープンビークルに近づくというアクションを起こすだけで、エンジンやモータに代表される駆動装置を制御可能な制御可能状態とすることができる。そのため、操作者がオープンキャビンビークルに乗車した後、速やかに駆動装置の始動や、ハンドルロックの解除等を行うことができる。
【0031】
(4)他の観点によれば、応答信号はさらに、携帯端末とオープンキャビンビークルとの間の距離に関する距離情報を含む。オープンキャビンビークルの制御装置はさらに、距離判断部を含む。距離判断部は、距離情報を含む応答信号に基づいて、鍵情報を含む携帯端末を所持している操作者によるオープンキャビンビークル及び携帯端末に対する操作なしに、携帯端末とオープンキャビンビークルとの距離が特定距離内であるか否かを判断する。距離判断部が、距離情報に基づいて、携帯端末とオープンキャビンビークルとの間の距離が特定距離内であると判断したとき、要求信号送信部は、鍵情報を含む携帯端末を所持している操作者によるオープンキャビンビークル及び携帯端末に対する操作なしに、鍵情報を含む信号の送信を携帯端末に要求する要求信号を送信する。携帯端末はさらに、距離情報生成部を備える。距離情報生成部は、識別信号の受信に応じて、携帯端末とオープンキャビンビークルとの間の距離に関する距離情報を生成する。携帯端末の応答信号送信部は、携帯端末とオープンキャビンビークルとの間の距離に関する距離情報を含む応答信号を、鍵情報を含む携帯端末を所持している操作者によるオープンキャビンビークル及び携帯端末に対する操作なしに送信する。
【0032】
この場合、携帯端末を所持している操作者(ライダー)とオープンキャビンビークルとの間の距離が特定距離内となったときに、認証を実施する。そのため、操作者がオープンキャビンビークルに到達するまえに第三者がオープンキャビンビークルに乗り込むのを抑制しやすくなる。ここで、特定距離とは、予め設定された距離である。特定距離は、携帯端末の所有者により、適宜調整されてもよい。
【0033】
本明細書にて使用される場合、用語「及び/又は(and/or)」は1つの、又は複数の関連した列挙されたアイテム(items)のあらゆる又は全ての組み合わせを含む。
【0034】
本明細書中で使用される場合、用語「含む、備える(including)」、「含む、備える(comprising)」又は「有する(having)」及びその変形の使用は、記載された特徴、工程、操作、要素、成分及び/又はそれらの等価物の存在を特定するが、ステップ、動作、要素、コンポーネント、及び/又はそれらのグループのうちの1つ又は複数を含むことができる。
【0035】
他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての用語(技術用語及び科学用語を含む)は、本発明が属する当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。
【0036】
一般的に使用される辞書に定義された用語のような用語は、関連する技術及び本開示の文脈における意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、本明細書で明示的に定義されていない限り、理想的又は過度に形式的な意味で解釈されることはない。
【0037】
本発明の説明においては、技術及び工程の数が開示されていると理解される。これらの各々は個別の利益を有し、それぞれは、他の開示された技術の1つ以上、又は、場合によっては全てと共に使用することもできる。従って、明確にするために、この説明は、不要に個々のステップの可能な組み合わせの全てを繰り返すことを控える。それにもかかわらず、明細書及び特許請求の範囲は、そのような組み合わせが全て本発明及び特許請求項の範囲内にあることを理解して読まれるべきである。
【0038】
以下の説明では、説明の目的で、本発明の完全な理解を提供するために多数の具体的な詳細を述べる。しかしながら、当業者には、これらの特定の詳細なしに本発明を実施できることが明らかである。本開示は、本発明の例示として考慮されるべきであり、本発明を以下の図面又は説明によって示される特定の実施形態に限定することを意図するものではない。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、本実施形態によるオープンキャビンビークル及びオープンキャビンビークルと通信可能な携帯端末について説明する。
【0041】
[第1の実施形態]
[オープンキャビンビークルの全体構成]
本明細書において、オープンキャビンビークルとは、キャビンが密閉空間ではなく、外部に開放されている車両であって、シートの横にドアを備えない車両である。オープンキャビンビークルはたとえば、鞍乗型車両、ROV(Recreational Off highway Vehicle)等である。鞍乗型車両はたとえば、自動二輪車、全地形対応車(ATV:All Terrain Vehicle)等である。本実施形態では、オープンキャビンビークルの一例として、自動二輪車を示す。しかしながら、オープンキャビンビークルは自動二輪車に限定されない。オープンキャビンビークルは上記の定義の車両を含む。
【0042】
図1は、本発明の第1の実施の形態によるオープンキャビンビークル(自動二輪車)の構成を示す模式図である。
図1を参照して、自動二輪車100には、フロントフォーク2が、車両1の前部に設けられる。フロントフォーク2の上端にハンドル4が取付けられる。フロントフォーク2の下端に前輪3が回転可能に取付けられる。
【0043】
車両1の略中央上部にシート5が配置される。シート5の後部の下方には、制御装置10と、電力供給装置20とが配置される。制御装置10は、駆動装置30を制御したり、自動二輪車100内の駆動装置30以外の他の要素を制御したりする。制御装置10は、ECU(Engine Control Unit:エンジン制御装置)を含んでもよい。ECUは制御装置10と別個に車両1に搭載されていてもよい。電力供給装置20はたとえば、バッテリである。車両1の下部には、駆動装置(パワーユニット)30が設けられる。駆動装置30はエンジンであってもよいし、モータであってもよい。車両1の後端下部には、後輪8が回転可能に取り付けられている。後輪8は、駆動装置30により発生される動力により回転する。
【0044】
[制御装置10周辺の機能ブロック図]
図2は、
図1中の制御装置10、電力供給装置20及び駆動装置30の機能ブロック図である。
図2を参照して、電力供給装置20は、制御装置10に電力を供給する。制御装置10は、電力供給装置20から電力の供給を受け、駆動装置30を制御する。具体的には、制御装置10は、携帯端末200を所持する操作者(ライダー)の携帯端末200及び自動二輪車100に対する操作なしに、携帯端末200と信号のやり取りを行い、自動二輪車100の制御装置10内の駆動制御部11(後述)を起動して、駆動制御部11が駆動装置30を制御可能な状態(制御可能状態)にする。携帯端末200を所持する操作者に対して自動二輪車100の操作を許可する場合、制御装置10は、駆動装置30を制御可能状態とする(たとえば、ECUを起動する)。ここで、携帯端末200を所持している操作者(ライダー)による自動二輪車100及び携帯端末200に対する操作なしに、とは、ライダーが携帯端末の物理キー(ハードキー)又はソフトキー(ディスプレイ内にソフトウェア的に再現されたキー)の操作ボタンを操作したり、自動二輪車100の物理キー又はソフトキーを操作したりすることなしに、という意味である。自動二輪車の物理キーはたとえば、各種の操作スイッチ(メインスイッチやイグニッションスイッチ等)である。以下、操作者の一例をライダーとして、説明を続ける。なお、操作者はライダーではなく、自動二輪車100にライダーと同乗するパッセンジャーであってもよい。
【0045】
[制御装置10の機能ブロック図]
図1に、制御装置10の機能ブロック図を示す。
図1を参照して、制御装置10は、駆動制御部11を含む。駆動制御部11は、駆動装置30を制御する。駆動制御部11はたとえば、ECUである。駆動制御部11が起動することにより、駆動装置30が制御可能状態となる。制御可能状態とはたとえば、駆動装置30を始動可能な状態を意味する。
【0046】
制御装置10はさらに、識別信号発信部12を含む。識別信号発信部12は、携帯端末200を所持しているライダーによる自動二輪車100及び携帯端末200に対する操作なしに、識別可能な情報である識別情報を含む識別信号ID(たとえばビーコン)を間欠的に外部に発信する。携帯端末200を所持しているライダーによる自動二輪車100及び携帯端末200に対する操作なしに、とは、ライダーが携帯端末の物理キー(ハードキー)又はソフトキー(ディスプレイ内にソフトウェア的に再現されたキー)の操作ボタンを操作したり、自動二輪車100の物理キー又はソフトキーを操作したりすることなしに、という意味である。また、識別情報は、識別信号発信部12の固有の識別IDであり、たとえば、UUID(University Unique IDentifier)やUIID(Unique Installation IDentifier)、SecureUDID(Unique Device IDentifier)等である。
【0047】
ここでいう「間欠的に」とは、識別信号IDを常時(連続的に)発信してもよいし、特定期間ごとに発信してもよい。さらに、不連続又は不定期に発信してもよい。好ましくは、識別信号発信部12は、常時又は特定期間ごとに識別信号IDを発信する。特定期間とはたとえば、10〜5000mm秒間隔である。特定期間の好ましい下限は50mm秒であり、さらに好ましくは100mm秒である。特定期間の好ましい上限は200mm秒であり、さらに好ましくは、1000mm秒であり、さらに好ましくは800mm秒であり、さらに好ましくは、700mm秒である。ただし、特定期間は上記間隔に限定されず、予め設定されていてもよいし、自由に設定可能であってもよい。
【0048】
制御装置10はさらに、応答信号受信部13を含む。応答信号受信部13は、識別信号IDに応答して、携帯端末200を所持しているライダーによる自動二輪車100及び携帯端末200に対する操作なしに、携帯端末200から送信された応答信号REを受信する。携帯端末200を所持しているライダーによる自動二輪車100及び携帯端末200に対する操作なしに、とは、ライダーが携帯端末の物理キー(ハードキー)又はソフトキー(ディスプレイ内にソフトウェア的に再現されたキー)の操作ボタンを操作したり、自動二輪車100の物理キー又はソフトキーを操作したりすることなしに、という意味である。
【0049】
制御装置10はさらに、要求信号送信部14を含む。要求信号送信部14は、応答信号REの受信に応じて、携帯端末200を所持しているライダーによる自動二輪車100及び携帯端末200に対する操作なしに、鍵情報KEYを含む信号の送信を要求する要求信号CAを携帯端末200に送信する。携帯端末200を所持しているライダーによる自動二輪車100及び携帯端末200に対する操作なしに、とは、ライダーが携帯端末の物理キー(ハードキー)又はソフトキー(ディスプレイ内にソフトウェア的に再現されたキー)の操作ボタンを操作したり、自動二輪車100の物理キー又はソフトキーを操作したりすることなしに、という意味である。
【0050】
ここで、鍵情報KEYは、固有のIDコードである。携帯端末200は、駆動起動許可判断部16に格納されている鍵情報(IDコード)に対応する鍵情報KEYを予め携帯端末200の記憶部221に格納している。
【0051】
制御装置10はさらに、鍵情報信号受信部15を含む。鍵情報信号受信部15は、携帯端末200を所持しているライダーによる自動二輪車100及び携帯端末200に対する操作なしに、携帯端末200から送信される鍵情報KEYを含む鍵情報信号を受信する。
【0052】
制御装置10はさらに、駆動起動許可判断部16を含む。駆動起動許可判断部16は、鍵情報信号受信部15により受信された鍵情報KEYに基づいて、携帯端末200を所持しているライダーによる自動二輪車100及び携帯端末200に対する操作なしに、駆動制御部11の起動を許可するか否かを判断する。携帯端末200を所持しているライダーによる自動二輪車100及び携帯端末200に対する操作なしに、とは、ライダーが携帯端末の物理キー(ハードキー)又はソフトキー(ディスプレイ内にソフトウェア的に再現されたキー)の操作ボタンを操作したり、自動二輪車100の物理キー又はソフトキーを操作したりすることなしに、という意味である。
【0053】
制御装置10はさらに、駆動起動制御部17を含む。駆動起動制御部17は、携帯端末200を所持しているライダーによる自動二輪車100及び携帯端末200に対する操作なしに、駆動制御部11を駆動する。携帯端末200を所持しているライダーによる自動二輪車100及び携帯端末200に対する操作なしに、とは、ライダーが携帯端末の物理キー(ハードキー)又はソフトキー(ディスプレイ内にソフトウェア的に再現されたキー)の操作ボタンを操作したり、自動二輪車100の物理キー又はソフトキーを操作したりすることなしに、という意味である。
【0054】
[携帯端末200の機能ブロック図]
図1に、携帯端末200の機能ブロック図を示す。
図1を参照して、携帯端末200は、記憶部221と、識別信号受信部222と、応答信号送信部223と、要求信号受信部224と、鍵情報信号送信部225とを備える。
【0055】
記憶部221には、駆動起動許可判断部16に格納されている鍵情報(IDコード)に対応する鍵情報KEYが格納されている。記憶部221にはさらに、識別信号発信部12から送信される識別信号ID内の識別情報を照合するための識別信号ID情報が格納されている。識別信号ID情報はたとえば、識別信号ID内の識別情報と同じ識別情報である。たとえば、識別信号ID内の識別情報がUUIDである場合、識別信号ID情報は、識別情報と同じUUIDである。
【0056】
識別信号受信部222は、間欠的に発信された識別信号IDを、携帯端末200を所持しているライダーによる自動二輪車100及び携帯端末200に対する操作なしに、受信する。ここで、携帯端末200を所持しているライダーによる自動二輪車100及び携帯端末200に対する操作なしに、とは、ライダーが携帯端末の物理キー(ハードキー)又はソフトキー(ディスプレイ内にソフトウェア的に再現されたキー)の操作ボタンを操作したり、自動二輪車100の物理キー又はソフトキーを操作したりすることなしに、という意味である。
【0057】
応答信号送信部223は、間欠的に発信された識別信号IDに応答して、携帯端末200を所持しているユーザによる自動二輪車100及び携帯端末200に対する操作なしに、応答信号REを送信する。ここで、携帯端末200を所持しているライダーによる自動二輪車100及び携帯端末200に対する操作なしに、とは、ライダーが携帯端末の物理キー(ハードキー)又はソフトキー(ディスプレイ内にソフトウェア的に再現されたキー)の操作ボタンを操作したり、自動二輪車100の物理キー又はソフトキーを操作したりすることなしに、という意味である。
【0058】
なお、応答信号送信部223では、受信した識別信号ID内の識別情報を、記憶部221内の識別信号ID情報と照合して、応答信号REを送信するか否かを判断する。照合した結果、識別情報が識別信号ID情報と対応していれば、応答信号送信部223は、応答信号REを送信する。ここで、識別情報が識別信号ID情報と対応しているとはたとえば、識別情報が識別信号ID情報と一致していることを意味する。一方、照合した結果、識別情報が識別信号ID情報と対応していない場合、応答信号送信部223は、応答信号REを送信しない。
【0059】
要求信号受信部224は、要求信号送信部14から送信された要求信号CAを、携帯端末200を所持しているライダーによる自動二輪車100及び携帯端末200に対する操作なしに、受信する。ここで、携帯端末200を所持しているライダーによる自動二輪車100及び携帯端末200に対する操作なしに、とは、ライダーが携帯端末の物理キー(ハードキー)又はソフトキー(ディスプレイ内にソフトウェア的に再現されたキー)の操作ボタンを操作したり、自動二輪車100の物理キー又はソフトキーを操作したりすることなしに、という意味である。
【0060】
鍵情報信号送信部225は、要求信号CAに応答して、携帯端末200を所持しているライダーによる自動二輪車100及び携帯端末200に対する操作なしに、鍵情報KEYを含む鍵情報信号を送信する。ここで、携帯端末200を所持しているライダーによる自動二輪車100及び携帯端末200に対する操作なしに、とは、ライダーが携帯端末の物理キー(ハードキー)又はソフトキー(ディスプレイ内にソフトウェア的に再現されたキー)の操作ボタンを操作したり、自動二輪車100の物理キー又はソフトキーを操作したりすることなしに、という意味である。鍵情報KEYは、上述のとおり、記憶部221に予め格納されている。
【0061】
[自動二輪車100及び携帯端末200のハードウェア構成]
図3は、
図1及び
図2に示す自動二輪車100及び携帯端末200のハードウェア構成の一例を示す機能ブロック図である。
図3を参照して、自動二輪車100内の制御装置10は、ビーコン101と、マイコン102とを備える。ビーコン101とマイコン102とは1つのチップに搭載されていてもよい。ビーコン101はマイコン102と別個のチップに搭載されていてもよい。ビーコン101は、
図1の制御装置10の機能ブロック図における識別信号発信部12に相当する。ビーコン101は、電力供給装置20から電力の供給を受けてもよいし、ビーコン101内に電池等の電力供給装置20を備えていてもよい。
【0062】
図4は、
図3中のマイコン102の機能ブロック図である。マイコン102は中央処理演算装置(CPU)103と、メモリ104と、通信部105とを備える。CPU103と、メモリ104と、通信部105とは、図示しないバスで互いに接続されている。メモリ104は、図示しないRAM及びROMを含む。メモリ104内のROMに格納された車両応答処理プログラムがRAMにロードされ、CPU103で実行されることにより、
図3中の駆動制御部11、応答信号受信部13、要求信号送信部14、鍵情報信号受信部15、駆動起動許可判断部16、及び、駆動起動制御部17が実現する。
【0063】
図3を再び参照して、ビーコン101及びマイコン102は、電力供給装置20と接続されており、電力供給装置20から電力の供給を受ける。
【0064】
携帯端末200は、CPU201と、メモリ202と、通信部203とを備える。CPU201、メモリ202及び通信部203は、図示しないバスで互いに接続されている。メモリ202は、図示しないRAM及びROMを含む。メモリ202内に格納された携帯端末応答処理プログラムがロードされ、CPU201で実行されることにより、携帯端末200は、後述する携帯端末応答処理を実行する。つまり、メモリ202内に格納された携帯端末応答処理プログラムがロードされ、CPU201で実行されることにより、携帯端末200内に、記憶部221、識別信号受信部222、応答信号送信部223、要求信号受信部224、鍵情報信号送信部225が実現する。
【0065】
[駆動制御部起動システムの概要]
図1を参照して、制御装置10の識別信号発信部12は、間欠的に識別信号IDを発信する。このとき、識別信号発信部12は、自動二輪車100の平面視において、全方位的に識別信号IDを発信する。
【0066】
自動二輪車100のライダーの所持する携帯端末200には、予めメモリ202に格納された携帯端末応答処理プログラムが起動しており、記憶部221、識別信号受信部222、応答信号送信部223、要求信号受信部224、鍵情報信号送信部225が実現している。さらに、上述のとおり、自動二輪車100に固有の鍵情報KEYが記憶部221(メモリ202)に格納されている。
【0067】
携帯端末200を所持したライダーが自動二輪車100に近づくと、識別信号IDの到達範囲内で携帯端末200の識別信号受信部222が識別信号IDを受信する。このとき、携帯端末200の応答信号送信部223は、識別信号IDに対応した応答信号REを自動二輪車100に送信する。
【0068】
自動二輪車100の制御装置10内の応答信号受信部13は、携帯端末200からの応答信号REを受信する。このとき、応答信号REに応じて、自動二輪車100の制御装置10の要求信号送信部14は、携帯端末200内の鍵情報KEYを要求する要求信号CAを携帯端末200に送信する。携帯端末200内の要求信号受信部224は、要求信号CAを受信する。そして、携帯端末200内の鍵情報信号送信部225は、要求信号CAに応答して、鍵情報KEYを含む鍵情報信号を自動二輪車100に送信する。
【0069】
自動二輪車100の制御装置10内の鍵情報信号受信部15は、鍵情報信号を受信する。そして、駆動起動許可判断部16は、鍵情報KEYに基づいて、電力供給装置20から駆動制御部11への電力の供給を許可するか否かを判断する。自動二輪車100の制御装置10の駆動起動許可判断部16はたとえば、自身の記憶部であるメモリ104に格納された鍵情報KEY0と、携帯端末200から送信された鍵情報KEYとが一致するか否かを判断する。鍵情報KEY0と鍵情報KEYとが一致する場合、駆動起動許可判断部16は、駆動制御部11に電力の供給を許可する。この場合、制御装置10内の駆動起動制御部17が、駆動制御部11を起動する。具体的には、駆動起動制御部17は、電力供給装置20から駆動制御部11に電力を供給して、駆動制御部11を起動して、駆動装置30を制御可能な状態とする。一方、鍵情報KEY0と鍵情報KEYが一致しない場合、駆動起動許可判断部16は、駆動制御部11に電力の供給を許可しない。この場合、駆動起動制御部17は、電力供給装置20から駆動制御部11への電力の供給を遮断したまま維持する。そのため、駆動制御部11は起動しない。
【0070】
以上の一連の自動二輪車100と携帯端末200とのやり取りは、ライダーの自動二輪車100及び携帯端末200に対する操作なしに、実行される。携帯端末200を所持しているライダーによる自動二輪車100及び携帯端末200に対する操作なしに、とは、ライダーが携帯端末の物理キー(ハードキー)又はソフトキー(ディスプレイ内にソフトウェア的に再現されたキー)の操作ボタンを操作したり、自動二輪車100の物理キー又はソフトキーを操作したりすることなしに、という意味である。
【0071】
ドアを有する自動四輪車の場合、ドライバーはドアを開け、着座し、シートベルトを締める等の操作を行う。自動四輪車の場合、制御可能状態(エンジン等の駆動装置を始動可能な状態)とするまでに複数の操作を行う。したがって、これらの複数の操作の中で、物理キーを操作したり、携帯端末200を操作したりしても、それほどストレスにならない。
【0072】
一方、自動二輪車100のライダーは、走行用の服装を装着した後、自動二輪車100に近づく。そして、ライダーが自動二輪車100のシート5に着座した後、制御可能状態(駆動装置30を始動可能な状態)とするまでに行うライダーの操作は少ない。そのため、制御可能状態とするまでに、自動二輪車100のメインスイッチに代表される操作スイッチ等の物理キー又はソフトキーを1又は複数回操作する必要が生じたり、携帯端末200を服装から取り出して操作する必要が生じたりすれば、利便性が低下し、ライダーはこれらの操作をストレスに感じやすい。
【0073】
本実施形態では、ライダーが何らかの操作をするのではなく、自動二輪車100に近づくという動作(アクション)を起こせば、携帯端末200を所持しているライダーによる自動二輪車100及び携帯端末200に対する操作なしに、駆動装置30を始動可能な状態(制御可能状態)とすることができる。そのため、上述の余分な操作を実行する必要がなく、利便性がさらに高まる。
【0074】
以下、上述の駆動制御部起動システムの動作フローの詳細を説明する。
【0075】
[駆動制御部起動システムの処理動作]
本発明による駆動制御部起動システムは、識別信号IDを間欠的に発信するビーコン発信処理と、識別信号IDに応答した携帯端末200の動作処理(携帯端末応答処理)と、携帯端末の動作処理に応答した自動二輪車100の動作処理(車両応答処理)とを含む。ビーコン発信処理及び車両応答処理は、自動二輪車100内の制御装置10により実施される。携帯端末応答処理は携帯端末200により実施される。
【0076】
図5は、ビーコン発信処理の動作フロー図である。
図5を参照して、制御装置10内の識別信号発信部12は、Δt時間経過ごとに(S2でYES)、識別信号IDを、自動二輪車100の平面視において全方位的に発信する(S1)。Δt時間は、予め設定されていてもよいし、調整可能であってもよい。
【0077】
図6は、携帯端末200が実行する携帯端末応答処理の動作フロー図であり、
図7は、自動二輪車100が実行する車両応答処理の動作フロー図である。
図6及び
図7を参照して、携帯端末200の識別信号受信部222が識別信号発信部12から発信された識別信号IDを受信する(S11)。このとき、携帯端末200の識別信号受信部222は、携帯端末200を所有するライダーの自動二輪車100及び携帯端末200に対する操作なしに、識別信号IDを受信する。識別信号IDを受信したとき、携帯端末200の応答信号送信部223は、携帯端末200を所有するライダーの自動二輪車100及び携帯端末200に対する操作なしに、応答信号REを自動二輪車100に送信する(S12)。なお、応答信号送信部223は、応答信号REを送信する前に、受信した識別信号ID内の識別情報を、記憶部221内の識別信号ID情報と照合して、応答信号REを送信するか否かを判断する。上述のとおり、携帯端末200では、予めメモリ202に格納された携帯端末応答処理プログラムが作動している。携帯端末200はさらに、記憶部221に、自動二輪車100の制御装置10内の識別信号発信部12に固有の識別情報に関する情報(識別信号ID情報)を格納している。照合した結果、識別情報が識別信号ID情報と対応していれば、応答信号送信部223は、応答信号REを送信する。ここで、識別情報が識別信号ID情報と対応しているとはたとえば、識別情報が識別信号ID情報と一致していることを意味する。一方、照合した結果、識別情報が識別信号ID情報と対応していない場合、応答信号送信部223は、応答信号REを送信しない。
【0078】
自動二輪車100の制御装置10内の応答信号受信部13は、ライダーの自動二輪車100及び携帯端末200に対する操作なしに、携帯端末200からの応答信号REを受信する(S21でYES)。応答信号受信部13による応答信号REの受信に応じて、要求信号送信部14は、ライダーの自動二輪車100及び携帯端末200に対する操作なしに、鍵情報KEYを含む鍵情報信号の送信を携帯端末200に要求するための要求信号CAを送信する(S22)。
【0079】
携帯端末200内の要求信号受信部224は、ライダーの自動二輪車100及び携帯端末200に対する操作なしに、要求信号CAを受信する(S13でYES)。携帯端末200内の鍵情報信号送信部225は、受信した要求信号CAに応じて、記憶部221内に予め格納された鍵情報KEYを含む鍵情報信号を、ライダーの自動二輪車100及び携帯端末200に対する操作なしに、自動二輪車100に送信する(S14)。
【0080】
自動二輪車100の制御装置10内の鍵情報信号受信部15は、ライダーの自動二輪車100及び携帯端末200に対する操作なしに、鍵情報KEYを含む信号を受信する(S23でYES)。このとき、制御装置10内の駆動起動許可判断部16は、認証処理を実行する(S24)。
【0081】
認証処理では、駆動起動許可判断部16が、携帯端末200を所持するライダーの自動二輪車100及び携帯端末200に対する操作なしに、ステップS23で受信した鍵情報KEYに基づいて、駆動制御部11の起動を許可するか否かを判断する(S25)。判断手法は特に限定されない。たとえば、駆動起動許可判断部16が実行する認証処理は、イモビライザー認証であってもよいし、他の周知の認証方法であってもよい。一例として、上記のとおり、制御装置10の駆動起動許可判断部16は、メモリ104に格納された鍵情報KEY0と、携帯端末200から送信された鍵情報KEYとが一致するか否かを判断する。
【0082】
鍵情報KEYを認証できない場合(S25でNO)、制御装置10の車両応答処理動作はステップS21に戻る。つまり、車両応答処理がやり直される。この場合、駆動起動制御部17は、駆動制御部11を起動しない。つまり、駆動起動制御部17は、携帯端末200を所有するライダーの自動二輪車100及び携帯端末200に対する操作なしに、駆動制御部11への電力供給装置20からの電力の供給を遮断したまま維持する。一方、鍵情報KEYを認証できた場合、駆動起動許可判断部16は、駆動制御部11の起動を許可する(S25でYES)。このとき、駆動起動制御部17は、携帯端末200を所持するライダーの自動二輪車100及び携帯端末200に対する操作なしに、駆動制御部11を起動する(S26)。具体的には、駆動起動制御部17は、駆動制御部11に、電力供給装置20からの電力を供給する。これにより、駆動制御部11は駆動装置30を始動可能な状態(制御可能状態)となる。
【0083】
制御可能状態となった後、ライダーは自動二輪車100に到達する。そのため、ライダーはシート5に着座した後、たとえば、図示しない自動二輪車100のメインスイッチを押せば、駆動装置30を速やかに始動できる。なお、駆動装置30の始動と同時にハンドルロックが解錠してもよい。
【0084】
以上のとおり、第1の実施の形態における駆動制御部起動システムでは、ライダーが何らかの操作をするのではなく、自動二輪車100に近づくという動作(アクション)を起こせば、ライダーの自動二輪車100及び携帯端末200に対する操作なしに、駆動装置30を制御可能な状態(つまり、制御可能状態)とすることができる。そのため、上述の余分な操作を実行する必要がなく、利便性がさらに高まる。
【0085】
[第2の実施形態]
図8は、第2の実施形態による制御装置10の模式図である。
図8を参照して、
図8に示す制御装置10は、
図1に示す制御装置10と比較して、新たに距離判断部18を備える。また、
図8に示す携帯端末200は、
図1に示す携帯端末200と比較して、新たに距離情報生成部226を備える。
【0086】
本実施形態では、識別信号発信部12は、識別信号IDを間欠的に発信する。この識別信号は、制御装置10(の識別信号発信部12)から発信される識別信号IDの信号強度に関する情報(信号強度情報)を含む。
【0087】
携帯端末200の距離情報生成部226は、識別信号IDを受信したとき、信号強度情報に基づいて、識別信号発信部12と携帯端末200との間の距離に関する情報(距離情報)を生成する。そして、応答信号送信部223は、応答信号REに距離情報を含めて送信する。ここで、距離情報はたとえば、識別信号IDを受信した携帯端末での識別信号IDの信号強度であるRSSI(Received Signal Strength Indicator)である。距離情報は、信号強度情報及びRSSIに基づき決定される近接度(Proximity)であってもよい。
【0088】
近接度は、携帯端末200と自動二輪車100との距離を、複数段階に区分したものである。信号強度情報とRSSIとに基づいて得られた距離が特定距離DI1内である場合、距離情報である近接度を「DI1」とする。信号強度情報とRSSIとに基づいて得られた距離が、DI1よりも大きい場合、距離情報である近接度を「DI2」とする。本例では、近接度を距離に応じて2つの領域(DI1、DI2)に区分したが、近接度を3以上の領域に区分してもよい。近接度の区分数は特に制限されない。以降の説明では、距離情報が近接度であるとして、説明する。
【0089】
応答信号受信部13は、携帯端末200を所持しているライダーによる自動二輪車100及び携帯端末200に対する操作なしに、携帯端末200と自動二輪車100との間の距離に関する距離情報を含む応答信号REを受信する。
【0090】
距離判断部18は、応答信号REに基づいて、携帯端末200を所持しているライダーによる自動二輪車100及び携帯端末200に対する操作なしに、携帯端末200と自動二輪車100との距離が特定距離DI1内であるか否かを判断する。携帯端末200を所持しているライダーによる自動二輪車100及び携帯端末200に対する操作なしに、とは、ライダーが携帯端末200の物理キー(ハードキー)又はソフトキー(ディスプレイ内にソフトウェア的に再現されたキー)の操作ボタンを操作したり、自動二輪車100の物理キー又はソフトキーを操作したりすることなしに、という意味である。また、特定距離DI1は予め設定された距離である。特定距離DI1は携帯端末200を所有するライダーにより調整可能であってもよい。
【0091】
距離判断部18が、携帯端末200と自動二輪車100との距離があらかじめ設定された特定距離DI1内であると判断したとき、要求信号送信部14は、携帯端末200を所持しているライダーによる自動二輪車100及び携帯端末200に対する操作なしに、鍵情報を含む信号の鍵情報KEYを携帯端末200に要求する要求信号CAを送信する。以降の動作は第1の実施形態と同じである。
【0092】
以上の動作によれば、携帯端末200を所持するライダーが自動二輪車100に特定距離DI1以内に近づけば、ライダーの自動二輪車100及び携帯端末200に対する操作なしに、駆動装置30を制御可能な状態(つまり、制御可能状態)とすることができる。この場合、携帯端末200を所持するライダーが自動二輪車100から特定距離DI1よりも遠い位置である場合、携帯端末200が識別信号IDに応答した応答信号REを発信しても、制御装置10は、携帯端末200に要求信号CAを送信しない。つまり、駆動制御部11の起動を許可するか否かを判断しない。したがって、携帯端末200を所持するライダーが自動二輪車100にある程度近づいてから、駆動制御部11を起動できる。その結果、ライダーが自動二輪車100に到達する前に、第三者が、制御可能状態となった自動二輪車100に乗り込んでハンドルロックの解除及び/又は駆動装置30の始動等を行うのを抑制できる。
【0093】
以下、第2の実施形態における駆動制御部起動システムの処理動作の詳細を説明する。
【0094】
[駆動制御部起動システムの処理動作]
図9は、第2の実施形態における携帯端末応答処理の動作フロー図であり、
図10は、第2の実施形態における車両応答処理の動作フロー図である。
図9及び
図10を参照して、上述のとおり、本実施形態において、識別信号発信部12は、識別信号IDに距離情報を含む。
【0095】
携帯端末200が識別信号IDを受信したとき(S11)、携帯端末200の距離情報生成部226は、ライダーの自動二輪車100及び携帯端末200に対する操作なしに、識別信号IDに含まれていた距離情報を生成する(S15)。本例では、上述のとおり、距離情報を近接度として説明する。識別信号受信部222が識別信号IDを受信したとき、距離情報生成部226は、受信した識別信号IDの受信信号強度であるRSSIを求める。次に、距離情報生成部226は、識別信号IDに含まれる信号強度情報とRSSIとに基づいて、近接度を求める。仮に、識別信号IDを受信した携帯端末200が、特定距離DI1よりも遠い距離DIXに位置すると仮定する。この場合、距離情報生成部226は、信号強度情報と、求めたRSSIとに基づいて、携帯端末200が特定距離DI1よりも遠くに位置していると判断し、距離情報である近接度を「DI2」に決定する。
【0096】
距離情報生成部226が距離情報を生成した後、応答信号送信部223は、携帯端末200を所有するライダーの自動二輪車100及び携帯端末200に対する操作なしに、応答信号REを自動二輪車100に送信する(S16)。このとき、携帯端末200は、ステップS15で生成した距離情報を応答信号REに含めて送信する。
【0097】
制御装置10の応答信号受信部13は、携帯端末200を所持しているライダーによる自動二輪車100及び携帯端末200に対する操作なしに、距離情報を含む応答信号REを受信する(S21)。このとき、距離判断部18は、受信した応答信号RE内の距離情報に基づいて、携帯端末200を所持しているライダーによる自動二輪車100及び携帯端末200に対する操作なしに、携帯端末200と自動二輪車100との距離が特定距離DI1内であるか否かを判断する(S27)。
【0098】
判断の結果、携帯端末200と自動二輪車100との間の距離が特定距離DI1内よりも離れているため(S27でNO)、制御装置10は、車両応答処理の動作フローを終了する。つまり、この場合、駆動起動制御部17は、駆動制御部11に電力供給装置20からの電力を供給せず、駆動制御部11を起動しない。
【0099】
一方、携帯端末200を所有するライダーが自動二輪車100との距離をさらに近づいた結果、携帯端末200が特定距離DI1内に位置したとする。この場合、携帯端末200の識別信号受信部222が、携帯端末200を所有するライダーの自動二輪車100及び携帯端末200に対する操作なしに識別信号IDを受信した後(S11)、距離情報生成部226が、携帯端末200を所有するライダーの自動二輪車100及び携帯端末200に対する操作なしに距離情報を生成する(S15)。このとき、携帯端末200は、識別信号IDに含まれる信号強度情報と、生成したRSSIとに基づいて、携帯端末200が特定距離DI1内に位置していると判断し、距離情報である近接度を「DI1」に決定する。
【0100】
続いて、携帯端末200の応答信号送信部223は、携帯端末200を所有するライダーの自動二輪車100及び携帯端末200に対する操作なしに、応答信号REを自動二輪車100に送信する(S16)。このとき、携帯端末200は、ステップS15で生成した距離情報を応答信号REに含めて送信する。
【0101】
制御装置10の応答信号受信部13は、携帯端末200を所持しているライダーによる自動二輪車100及び携帯端末200に対する操作なしに、距離情報を含む応答信号REを受信する(S21)。そして、距離判断部18は、受信した応答信号RE内の距離情報に基づいて、携帯端末200を所持しているライダーによる自動二輪車100及び携帯端末200に対する操作なしに、携帯端末200と自動二輪車100との距離が特定距離DI1内であるか否かを判断する(S27)。
【0102】
このとき、距離情報である近接度はDI1であるため、携帯端末200と自動二輪車100との間の距離が特定距離DI1内と判断する(S27でYES)。この場合、要求信号送信部14が要求信号CAを送信する(S22)。以降の動作は第1の実施形態と同じである。
【0103】
具体的には、携帯端末200の要求信号受信部224が、携帯端末200を所持するライダーの自動二輪車100及び携帯端末200に対する操作なしに、要求信号CAを受信する(S13でYES)。そして、鍵情報信号送信部225が携帯端末200を所持するライダーの自動二輪車100及び携帯端末200に対する操作なしに、鍵情報KEYを含む鍵情報信号を送信する(S14)。
【0104】
自動二輪車100の制御装置10の鍵情報信号受信部15は、携帯端末200を所持するライダーの自動二輪車100及び携帯端末200に対する操作なしに、鍵情報信号を受信する(S23でYES)。そして、駆動起動許可判断部16は、携帯端末200を所持するライダーの自動二輪車100及び携帯端末200に対する操作なしに、ステップS23で受信した鍵情報KEYに基づいて、駆動制御部11の起動を許可するか否かを判断する(S25)。鍵情報KEYを認証できない場合(S25でNO)、制御装置10の車両応答処理動作はステップS21に戻る。つまり、車両応答処理がやり直される。この場合、駆動起動制御部17は、駆動制御部11を起動しない。つまり、駆動起動制御部17は、携帯端末200を所有するライダーの自動二輪車100及び携帯端末200に対する操作なしに、駆動制御部11への電力供給装置20からの電力の供給を遮断したまま維持する。一方、鍵情報KEYを認証できた場合、駆動起動許可判断部16は、駆動制御部11の起動を許可する(S25でYES)。このとき、駆動起動制御部17は、携帯端末200を所持するライダーの自動二輪車100及び携帯端末200に対する操作なしに、駆動制御部11を起動する(S26)。具体的には、駆動起動制御部17は、駆動制御部11に、電力供給装置20からの電力を供給する。これにより、駆動制御部11は駆動装置30を始動可能な状態(制御可能状態)となる。
【0105】
第2の実施形態の場合、携帯端末200を所持するライダーの自動二輪車100までの距離に応じて、制御装置10は、駆動制御部11の起動を許可するか否かの判断を開始する。したがって、携帯端末200を所持するライダーが自動二輪車100にある程度近づいてから、駆動制御部11を起動できる。その結果、ライダーが自動二輪車100に到達する前に、第三者が自動二輪車100に乗り込んでハンドルロックの解除及び/又はエンジンの始動を行うのを抑制できる。
【0106】
上記特定距離は、自動二輪車100に代表されるオープンキャビンビークルの種類、大きさ等に応じた距離(たとえば、第三者によって自動二輪車100を操作されるのを抑制しやすい距離)、及びオープンキャビンビークルに搭載される電力供給装置20の容量、又は、ライダーに代表される操作者の不満が出にくい時間となるような条件に基づいて適宜決めることができる。当業者であれば、上記特定距離は、適宜設計可能である。
【0107】
上述の説明では、距離情報を近接度として説明した。しかしながら、距離情報は上記近接度に限定されない。たとえば、携帯端末200は、距離情報として、近接度に代えて、RSSIを送信してもよい。この場合、制御装置10内の距離判断部18はたとえば、信号強度情報とRSSIとに基づいて近接度を求める。そして、求めた近接度に基づいて、携帯端末200の位置が、特定距離DI1以内か否かを判断する。
【0108】
以上、本発明の実施の形態を説明した。しかしながら、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。したがって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変更して実施することができる。
【0109】
制御装置10の配置場所は、
図1に示す場所に限定されない。制御装置10は、自動二輪車100に代表されるオープンキャビンビークルに搭載されれば、制御装置10の位置は特に限定されない。
【0110】
また、携帯端末200内の鍵情報KEYや識別信号IDに関する情報は、サーバを経由して携帯端末200にダウンロード可能である。したがって、たとえば、ライダーに代表される操作者が携帯端末200を紛失した場合や、友人等に自動二輪車100を貸す場合、携帯端末200と異なる他の携帯端末に鍵情報KEY及び識別信号IDに関する情報をダウンロードすることにより、上述の駆動制御部起動システムを実行することができる。
【0111】
上述の実施の形態では、制御可能状態となった後、ハンドルロックの解除と駆動装置の始動とを同時とした。しかしながら、制御可能状態となった後、ハンドルロックの解除と、駆動装置の始動とを異なるタイミングで行うことも可能である。たとえば、メインスイッチを1回押すと、ハンドルロックが解錠され、メインスイッチをさらに1回押すと、駆動装置が始動してもよい。
【0112】
上記実施の形態では、携帯端末200では予め携帯端末応答処理プログラムが起動していると説明した。しかしながら、携帯端末応答処理プログラムは、携帯端末200が識別信号IDを受信したときに起動してもよい。
【0113】
上述の実施の形態において、識別信号発信部12は、電力供給装置20から電力の供給を受けてもよいし、ビーコン101内に電池等の電力供給装置を備えていてもよい。
【0114】
上述の実施の形態において、識別信号発信部12は、電力の供給がなくなるまで、間欠的に識別信号を常時発信してもよい。また、識別信号発信部12は、ライダーの操作に応じて、識別信号の発信を一時停止してもよい。また、自動二輪車100は赤外線センサを有しており、赤外線センサにて人を検知している間、識別信号発信部12が識別信号を間欠的に発信してもよい。