(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記更新部は、一の端末装置の表示領域において他の端末装置の表示領域と重複する重複領域に対し、一の端末装置から送信される操作データに基づいて前記表示画面を更新し、他の端末装置から送信される操作データを無効とする、
請求項1または2に記載の遠隔表示装置。
前記更新部は、前記重複領域に対し前記複数の端末装置のそれぞれから送信される操作データが競合するとき、前記操作データを送信した前記端末装置のそれぞれを使用するユーザに与えられた操作の権限のレベルを判定し、前記権限のレベルに応じて選択された一のユーザが操作する前記一の端末装置から送信される前記操作データに基づいて前記表示画面を更新する、
請求項4に記載の遠隔表示装置。
前記更新部は、前記端末装置から操作データを受信したとき、前記端末装置を使用するユーザにおける操作権限を判定し、前記権限を有するユーザが使用する一の端末装置から送信される操作データに基づいて前記表示画面を更新し、前記権限を有しないユーザが使用する他の端末装置から送信される操作データを無効とする、
請求項1乃至4の何れかに記載の遠隔表示装置。
前記更新部は、前記表示画面に表示される事項の追加又は修正に係る操作を示す前記操作データを一の端末装置から受信したとき、前記操作データに基づいて前記表示画面において前記事項を追加し又は修正し、且つ、前記一の端末装置を使用するユーザに関する情報を表示する、
請求項8又は9に記載の遠隔表示装置。
前記表示用データ生成部は、特定の例外条件に合致する前記操作データを受信したとき、前記表示画面の一部を複写したデータに代えて、前記表示画面とは異なる画像を表示するための前記表示用データを生成し、
前記無線通信部は、前記操作データの送信元の前記端末装置へ、前記表示用データ生成部によって生成された表示用データを送信する、
請求項11に記載の遠隔表示装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下に示す各実施の形態は、本発明の技術的思想を具体化するための方法及び装置を例示するものであって、本発明の技術的思想は下記のものに限定されるわけではない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において種々の変更を加えることができる。
【0012】
(実施の形態1)
本実施の形態では、遠隔表示装置の表示画面における互いに異なる表示領域を複数の端末装置で表示し、端末装置が表示領域の変更を要求した結果、要求にしたがって変更すると複数の端末装置間で表示領域が重複する場合に、これらの端末装置間で表示領域が重複しないように各表示領域が設定される。
【0013】
<遠隔表示システムの構成>
図1は、本実施の形態に係る遠隔表示システムの構成を示す模式図である。
図1に示すように、遠隔表示システム100は、遠隔表示装置200と、複数の端末装置300とを備える。遠隔表示装置200は、海図を表示し、船舶の航路計画の立案及び策定に使用される電子海図表示装置であり、例えば船舶の船橋に設置される。この遠隔表示装置200は、テーブル型に形成されており、その上面には複数人での同時使用を可能とするために大型の画面を備えている。また、端末装置300は、画面表示及び入力が可能なタブレットである。遠隔表示装置200と端末装置300とは、互いに無線通信が可能である。
【0014】
図2は、遠隔表示装置200の機能的構成を示す機能ブロック図である。遠隔表示装置200は、無線LANによる無線通信機能を有している。
図2に示すように、遠隔表示装置200は、表示部210、表示用データ生成部220、無線通信部230、及び更新部240の各機能ブロックを有する。表示用データ生成部220は、表示部210に表示される表示画面のうちの一部で互いに異なる表示領域に対応する複数の表示用データを生成する。無線通信部230は、無線LANを介して端末装置300との間で無線通信を行い、表示用データ生成部220により生成された複数の表示用データを複数の端末装置300に各別に送信する。また、無線通信部230は、端末装置300から表示領域に対して行われた操作を示す操作データを受信する。更新部240は、無線通信部230によって受信された操作データに基づいて、表示部210の表示画面を更新する。
【0015】
図3は、遠隔表示装置200の具体的なハードウェア構成の一例を示すブロック図である。遠隔表示装置200は、表示部201と、入力部202と、無線通信部203と、制御部204と、記憶部205と、マイクロフォン206と、スピーカ207とを備える。表示部201は、複数人が同時に航路計画の策定を行えるように、大型(例えば、数十インチ)のLCD(液晶ディスプレイ)又は有機EL(有機エレクトロルミネッセンス)である。上述した表示部210は、この表示部201により実現される。また、入力部202は、感圧式又は静電容量式の透明なタッチパッド等の位置入力装置である。かかる入力部202は、表示部201と同程度の大きさ及び形状を有しており、表示部201の表面に貼付される。これにより、表示部201及び入力部202が一体型のタッチパネルとして構成される。
【0016】
無線通信部203は、IEEE802.11a/b/g/n/ac等の無線LAN規格にしたがった無線通信を可能とする通信部であり、無線通信用のアンテナ203aを有している。端末装置300(
図1参照)は、無線通信部203との間でIEEE802.11a、b、g、n、又はacによる無線通信を行うことができる。上述した無線通信部230は、この無線通信部203により実現される。
【0017】
制御部204は、CPU211と、メモリ212とを含み、遠隔表示装置200の各部を制御する。CPU211は、メモリ212内のコンピュータプログラムを実行する。そして、遠隔表示用のコンピュータプログラムである遠隔表示プログラム250をCPU211が実行することにより、後述するような表示画面の遠隔表示が可能となる。記憶部205はハードディスクであり、これには上述した遠隔表示プログラム250がインストールされている。上述した表示用データ生成部220及び更新部240は、この制御部204により実現される。また、記憶部205には、海図データ251及び航路データ252が記憶されており、CPU211が海図データ251及び航路データ252を読み出し、海図を表示部201に表示させ、この海図に航路を重畳表示させることができる。
【0018】
また、記憶部205には、遠隔表示装置200を使用するユーザの情報が格納されたユーザ管理データベース(ユーザ管理DB)253が設けられている。ユーザ管理DB253には、ユーザ名及びパスワードが対応付けて記憶される。
【0019】
図4は、端末装置300の構成を示すブロック図である。端末装置300は、表示部301と、入力部302と、無線通信部303と、制御部304と、記憶部305と、マイクロフォン306と、スピーカ307とを備える。端末装置300は1人操作用であるため、表示部301は小型(例えば、数インチ〜十数インチ)のLCD又は有機ELである。また、入力部302は、感圧式又は静電容量式の透明なタッチパッド等の位置入力装置である。入力部302は表示部301の表面に貼付されており、表示部301及び入力部302が一体型のタッチパネルとして構成される。
【0020】
無線通信部303は、IEEE802.11a/b/g/n/ac等の無線LAN規格にしたがった無線通信を可能とする通信部であり、無線通信用のアンテナ303aを有している。かかる無線通信部303により、端末装置300は遠隔表示装置200との間で無線通信が可能である。
【0021】
制御部304は、CPU311と、メモリ312とを含み、端末装置300の各部を制御する。CPU311は、メモリ312内のコンピュータプログラムを実行可能であり、端末用のコンピュータプログラムである端末プログラム350を実行することにより、後述するような動作が可能となる。記憶部305はフラッシュメモリであり、これには上述した端末プログラム350がインストールされている。
【0022】
また、船橋には図示しない無線LANのアクセスポイントが設置されており、遠隔表示装置200と各端末装置300とが、アクセスポイントを介して無線通信するように構成されている。
【0023】
<遠隔表示システムの動作>
以下、本実施の形態に係る遠隔表示システム100の動作について説明する。遠隔表示システム100は、ログイン処理、表示領域変更処理、航路作成修正処理、音声通話処理、及びログアウト処理の各処理を実行する。
【0024】
[ログイン処理]
まず、ログイン処理について説明する。
図5は、本実施の形態に係る遠隔表示システム100のログイン処理の手順を示すフローチャートである。航路計画を策定するとき、遠隔表示プログラム250がCPU211によって実行される。遠隔表示装置200を使用するユーザは、入力部202に自分のユーザ名及びパスワードを入力することで、ログインの要求を行うことができる。CPU211は、ユーザ名及びパスワードの入力を受け付ける(ステップS101)。遠隔表示装置200には複数人による同時ログインが可能であり、ユーザ名及びパスワードを複数入力することも可能である。CPU211は、受け付けたユーザ名及びパスワードをユーザ管理DB253で照合し、登録されているユーザであるか否かを判定するユーザ認証処理を実行する(ステップS102)。
【0025】
ユーザ認証が成功すれば、CPU211は、海図データ251及び航路データ252を読み出し(ステップS103)、海図と航路を表示部201に重畳表示させる(ステップS104)。なお、航路がまだ設定されていない、即ち、航路データ252が存在しない場合、CPU211は、海図データ251のみを読み出し、海図を表示部201に表示させる。また、
図5には示していないが、ユーザ認証処理に失敗した場合、CPU211はログインを拒否し、これにより当該ユーザが遠隔表示システム100を操作することはできなくなる。
【0026】
また、CPU211は、その時点においてログインしているユーザ名を、海図に重畳表示させる(ステップS105)。
図6は、遠隔表示装置200の表示画面の一例を示す図である。
図6において、400が表示画面であり、401が海図であり、402が航路である。ユーザ名が表示される領域は、表示画面の左上部分又は右下部分など、表示画面の一部とされる。
図6では、表示画面の左上部分にユーザ名403を表示する例を示している。
【0027】
再び
図5を参照する。端末装置300を使用するユーザが航路計画の策定に参加する場合、端末装置300に端末プログラム350の実行を指示し、CPU311が、これを実行する。また、当該ユーザは、遠隔表示システム100にログインするために、入力部302に自分のユーザ名及びパスワードを入力する。CPU311は、ユーザ名及びパスワードの入力を受け付け(ステップS106)、受け付けたユーザ名及びパスワードを含むログイン要求データを遠隔表示装置200へ送信する(ステップS107)。遠隔表示装置200のCPU211は、ログイン要求データを受信すると(ステップS108)、ログイン要求データに含まれるユーザ名及びパスワードを用いてユーザ認証処理を実行する(ステップS109)。
【0028】
ユーザ認証が成功すれば、CPU211は、新たにログインしたユーザ名を、表示画面400におけるユーザ名領域に追加する(ステップS110)。次に、CPU211は当該ユーザに対して表示領域を設定する(ステップS111)。この表示領域は、遠隔表示装置200の表示部201の表示画面400の一部であり、他のユーザに割り当てられた表示領域とは重ならない領域とされる。CPU211は、設定された表示領域における画像を複写し、表示用データを生成する(ステップS112)。次にCPU211は、生成された表示用データと、その時点においてログインしているユーザに関する情報を表示するためのユーザ表示データとを端末装置300へ送信する(ステップS113)。端末装置300は、表示用データ、及びユーザ表示データを受信し(ステップS114)、CPU311が、受信された表示用データによって示される海図及び航路と、ユーザ表示データによって示されるユーザ名とを表示部301に表示させる(ステップS115)。
図7は、端末装置300の表示画面の一例を示す図である。
図7において、450が表示画面であり、451が海図であり、452が航路である。ユーザ名が表示される領域は、表示画面の左上部分又は右下部分など、表示画面450の一部とされる。
図7では、表示画面450の左上部分にユーザ名453を表示する例を示している。なお、
図5には示していないが、ユーザ認証処理に失敗した場合、CPU211はログインを拒否し、これにより当該ユーザに対して表示領域が設定されることはなく、端末装置300に海図及び航路が表示されることはない。
【0029】
図5を参照する。遠隔表示装置200のCPU211は、表示画面400内における表示領域を示す領域情報を海
図401に重畳表示させる(ステップS116)。
図6に示すように、領域情報404は、矩形の枠とされる。領域情報404は、この枠の内部の画像が、端末装置300において表示されていることを示している。また、領域情報404に対応付けて当該表示領域を表示しているユーザ名406が表示される。
図6では、領域情報404の枠の上側にユーザ名406が表示される例を示している。これにより、遠隔表示装置200のユーザは、表示画面400のどの部分をどのユーザが端末装置300で閲覧しているかを容易に確認できる。以上で、ログイン処理が終了する。
【0030】
[表示領域変更処理]
次に、遠隔表示システム100の表示領域変更処理について説明する。
図8は、本実施の形態に係る遠隔表示システム100の表示領域変更処理の手順を示すフローチャートである。端末装置300を使用するユーザは、入力部302を操作することによって、表示領域の変更、即ち、表示領域の移動、拡大、又は縮小を要求することができる。例えば、表示領域を移動させる場合、ユーザは入力部302を移動させる方向と反対方向に指でなぞること(所謂、スワイプ)で、その要求を与えることができる。また、表示領域を拡大又は縮小させる場合、ユーザは入力部302を2つの指で触れた状態でこれらの指を離反させたり近づけたりすること(所謂、ピンチアウト、ピンチイン)で、その要求を与えることができる。CPU311は、表示領域の変更要求を受け付け(ステップS121)、ユーザの入力部302に対する操作内容を示す操作データを遠隔表示装置200へ送信する(ステップS122)。
【0031】
遠隔表示装置200のCPU211は、操作データを受信すると(ステップS123)、受信された操作データを用いて、変更後の表示領域の座標を算出する(ステップS124)。この処理では、操作が表示領域の移動の要求であった場合には、CPU311は操作データを用いて移動方向及び移動量を算出し、この移動方向及び移動量から、変更後の表示領域の座標を算出する。また、操作が表示領域の拡大又は縮小の要求であった場合には、CPU311は操作データを用いて拡大率又は縮小率を算出し、この拡大率又は縮小率から、変更後の表示領域の座標を算出する。
【0032】
次にCPU211は、算出された座標によって特定される表示領域が、他の端末装置300の表示領域と重なるか否かを判定する(ステップS125)。表示領域が重なる場合には(ステップS125においてYES)、CPU211は、他の端末装置300の表示領域と重ならないように、変更後の表示領域の座標を再計算する(ステップS126)。この処理について説明する。
図9は、2つの表示領域が重複しないようにするための処理の一例を説明する図である。一の端末装置300aの表示領域500aの移動が要求された結果、移動後の表示領域500aの位置が他の端末装置300bの表示領域500bと重複する場合、表示領域500aの位置が、表示領域500bと重ならないように変更される。この例では、要求される移動方向の表示領域500bに接する位置に表示領域500aを移動させるよう座標が再計算される。なお、ここでは表示領域500bと接するように表示領域500aの位置を移動させる例について述べたが、これに限定されるものではなく、表示領域500aの位置を他の端末装置300bの表示領域500bと重ならないようにするのであれば、表示領域500bと接する位置でなくてもよい。また、変更要求された表示領域500aではなく、他の端末装置300bの表示領域500bを移動させたり、表示領域500a及び500bの両方を移動させたりすることにより、表示領域500a及び500bが互いに重ならないようにしてもよい。
【0033】
再び
図8を参照する。表示領域の座標を算出すると、CPU211は、この座標によって特定される表示領域を変更後の表示領域として設定する(ステップS127)。また、算出された座標によって特定される表示領域が、他の端末装置300の表示領域と重ならない場合には(ステップS125においてNO)、CPU211は、そのままステップS127へと処理を移し、この表示領域を変更後の表示領域として設定する(ステップS127)。表示領域を設定すると、CPU211は、設定された表示領域における画像を複写して表示用データを生成し(ステップS128)、生成された表示用データを端末装置300へ送信する(ステップS129)。端末装置300は、表示用データを受信し(ステップS130)、CPU311が、受信された表示用データによって示される海図及び航路を表示部301に表示させる(ステップS131)。また、遠隔表示装置200のCPU211は、表示画面400内における領域情報を算出された座標に変更する(ステップS132)。以上で、表示領域変更処理が終了する。かかる表示領域変更処理により、新たな表示領域に端末装置300の表示画面450が更新されると共に、遠隔表示装置200の表示画面400における領域情報404及びユーザ名406の位置が変更され、表示画面400が更新される。
【0034】
[航路作成修正処理]
次に、遠隔表示システム100の航路作成修正処理について説明する。
図10は、本実施の形態に係る遠隔表示システム100の航路作成修正処理の手順を示すフローチャートである。遠隔表示装置200を直接操作するユーザ、及び端末装置300を操作するユーザは、航路の作成又は修正を行うことができる。遠隔表示装置200を直接操作するユーザが航路の作成又は修正を行う場合には、表示部201に表示されている海
図401において新たに作成する航路の位置又は既に作成されている航路402の位置をタッチ操作する等して入力部202に必要な入力を与えることで(
図6参照)、航路の作成又は修正を指示することができる。また、端末装置300を操作するユーザが航路の作成又は修正を行う場合には、表示部301に表示されている海
図451において新たに作成する航路の位置又は既に作成されている航路452の位置をタッチ操作する等して入力部302に必要な操作を与えることで(
図7参照)、航路の作成又は修正を指示することができる。
【0035】
端末装置300のCPU311は、航路の作成又は修正の指示を受け付けたか否かを判別し(ステップ141)、指示を受け付けた場合は(ステップS141においてYES)、ユーザの入力部302に対する操作量を示す操作データを遠隔表示装置200へ送信する(ステップS142)。航路の作成又は修正指示を受け付けなかった場合には(ステップS141においてNO)、CPU311は、ステップS141の処理を繰り返す。
【0036】
遠隔表示装置200のCPU211は、航路の作成又は修正を指示する操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS143)。この処理では、遠隔表示装置200の入力部202に操作が与えられたか否か、及び、端末装置300から操作データを受信したか否かの両方の判定が可能である。遠隔表示装置200及び端末装置300の何れも航路の作成又は修正を指示する操作が与えられない場合には(ステップS143においてNO)、CPU211は、ステップS143の処理を繰り返す。また、遠隔表示装置200及び端末装置300の何れかに航路の作成又は修正を指示する操作が与えられた場合には(ステップS143においてYES)、CPU211は、操作データを用いて、作成される航路又は修正後の航路を計算し(ステップS144)、作成又は修正された航路を示す航路データ252を記憶し(ステップS145)、新たな航路が作成される場合にはこの航路を海
図401に表示し、航路402が修正される場合には修正後の航路402に更新するとともに、航路402の作成又は修正を行ったユーザ名を航路402の更新部分に表示することで、表示画面400を更新する(ステップS146)。
【0037】
図11は、航路の修正を行った場合の遠隔表示装置200の表示画面の一例を示す図である。この図では、航路402の修正箇所405を太い線で示している。修正箇所405の近傍には、修正を行ったユーザ名407が表示される。これにより、この修正を行ったユーザが確認しやすくなる。
図11に示すように、航路402の修正箇所405を、その他の部分とは別の表示形式で表示するようにしてもよいし、修正箇所405をその他の部分と同じ表示形式で表示するようにしてもよい。修正箇所405を、その他の部分とは別の表示形式で表示する場合は、
図11に示すように航路402を示す線の太さを異ならせる他、線の色を異ならせたり、線種(実線、破線等)を異ならせるたりすることができる。
【0038】
再び
図10を参照する。CPU211は、表示画面400の変更箇所、即ち新たな航路402が端末装置300の表示領域に含まれているか否かを判定し(ステップS147)、含まれていれば(ステップS147においてYES)、設定された表示領域における画像を複写して表示用データを生成し(ステップS148)、生成された表示用データを端末装置300へ送信する(ステップS149)。端末装置300は、表示用データを受信し(ステップS150)、CPU311が、受信された表示用データによって示される海図を表示部301に表示させる(ステップS151)。この結果、新たな航路402が含まれる表示画面450に更新される。また、新たな航路402が端末装置300の表示領域に含まれていない場合には(ステップS147においてNO)、CPU211は処理を終了する。以上で、航路作成修正処理が終了する。
【0039】
[音声通話処理]
次に、遠隔表示システム100の音声通話処理について説明する。
図12は、本実施の形態に係る遠隔表示システム100の音声通話処理の手順を示すフローチャートである。遠隔表示装置200は、遠隔表示装置200及び端末装置300を使用するユーザ間での音声通話機能を有する。遠隔表示装置200を使用するユーザは、表示画面400に含まれるユーザ名403のうち、通話を希望するユーザ名403を指定する操作を入力部202に与えることができる。また、端末装置300を使用するユーザは、表示画面450に含まれるユーザ名453のうち、通話を希望するユーザ名を指定する操作を入力部302に与えることができる。このように、遠隔表示装置200及び端末装置300のそれぞれが、ユーザ名を指定した音声通話の要求を受け付けることができる。
【0040】
端末装置300のCPU311は、ユーザ名を指定した音声通話の要求を受け付けたか否かを判別し(ステップS161)、要求を受け付けた場合は(ステップS161においてYES)、指定されたユーザ名を含む相互通信要求を遠隔表示装置200へ送信する(ステップS162)。音声通話の要求を受け付けなかった場合には(ステップS161においてNO)、CPU311は、ステップS161の処理を繰り返す。
【0041】
遠隔表示装置200のCPU211は、ユーザ名を指定した相互通信要求を受け付けたか否かを判定する(ステップS163)。この処理では、遠隔表示装置200の入力部202に音声通話の要求操作が与えられたか否か、及び、端末装置300から相互通信要求を受信したか否かの両方の判定が可能である。遠隔表示装置200及び端末装置300の何れも相互通信要求が与えられない場合には(ステップS163においてNO)、CPU211は、ステップS163の処理を繰り返す。また、遠隔表示装置200及び端末装置300の何れかに相互通信要求が与えられた場合には(ステップS163においてYES)、CPU211は、指定されたユーザ名により特定されるユーザが使用する端末装置300に対して、音声通話の要求を通知するデータを送信し、これを端末装置300が受信して、画面表示又は音声出力によりユーザに対して音声通話の要求があることを通知する。ユーザはこの要求に応える場合、音声通話を許可する入力操作を入力部302に対して行い、これにより、CPU211がユーザ間での音声通話機能を実行する(ステップS164)。音声通話機能では、遠隔表示装置200を使用するユーザはマイクロフォン206及びスピーカ207を使用し、端末装置300を使用するユーザはマイクロフォン306及びスピーカ307を使用して、互いに音声通話を行うことができる。以上で、音声通話処理が終了する。例えば、あるユーザが航路を作成したり修正したりした場合、これを表示画面により確認した他のユーザが、どのような意図によりその航路を作成又は修正したのかを確認したいことがある。このような場合に、これらのユーザ間で音声通話を行うことで、ユーザがその意図を容易に確認することができる。
【0042】
[ログアウト処理]
次に、遠隔表示システム100のログアウト処理について説明する。遠隔表示システム100は、遠隔表示装置200又は端末装置300を使用するユーザがログアウトを要求する場合、ログアウト処理を実行する。遠隔表示装置200を使用するユーザが入力部202を操作してログアウトを要求した場合、CPU211はログアウトを実行し、当該ユーザのユーザ名403を表示画面400から削除する。また、端末装置300を使用するユーザが入力部302を操作してログアウトを要求した場合、端末装置300がログアウト要求を遠隔表示装置200へ送信し、遠隔表示装置200のCPU211がログアウトを実行し、当該ユーザのユーザ名403及び領域情報404を表示画面400から削除する。
【0043】
以上のように構成したことにより、複数の端末装置300に遠隔表示装置200の表示画面400の互いに異なる表示領域を表示させることができ、複数のユーザによる効率的な共同作業を支援することができる。また、表示領域の重複が防止されるため、同一期間に航路の同一箇所を複数のユーザが作成したり修正したりすることによる共同作業における混乱を防止することができる。
【0044】
(実施の形態2)
本実施の形態では、電子海図表示装置である遠隔表示装置において、表示画面より大きい範囲の海図データを読み出して表示用の海図を生成し、その一部を表示画面として表示する。端末装置において表示画面の外側の表示要求が与えられた場合に、遠隔表示装置が表示画面の外側を含む表示領域を設定し、端末装置にこの表示領域を表示させる。
【0045】
<遠隔表示システムの構成>
本実施の形態に係る遠隔表示システムの構成については、実施の形態1に係る遠隔表示システム100の構成と同様であるので、同一構成要素については同一符号を付し、その説明を省略する。
【0046】
<遠隔表示システムの動作>
本実施の形態に係る遠隔表示システム100の動作について説明する。なお、航路作成修正処理、音声通話処理、及びログアウト処理のそれぞれについては、実施の形態1において説明したものと同様であるので、その説明を省略する。
【0047】
[ログイン処理]
図5を用いて本実施の形態に係る遠隔表示システム100によるログイン処理を説明する。本実施の形態では、ステップS103において、CPU211は、表示部201に表示する範囲(つまり、表示画面400とする範囲)より大きい範囲の海図データを読み出す。またCPU211は、ステップS104において、読み出された海図データから当該海図データの範囲(以下、「表示可能範囲」という)の画面表示用の画像を生成し、生成された画像のうち、表示可能範囲より小さい範囲(以下、「表示範囲」という)の画像を表示画面400として表示部201に表示させる。
図13は、本実施の形態に係る遠隔表示装置200の表示画面の範囲を説明するための図である。遠隔表示装置200は、表示可能範囲600の画像をメモリ212に保持し、その画像のうち、表示範囲601の画像のみを表示する。本実施の形態に係るログイン処理におけるその他の処理については、実施の形態1において説明したものと同様であるので、説明を省略する。
【0048】
[表示領域変更処理]
次に、本実施の形態に係る遠隔表示システム100による表示領域変更処理について説明する。
図14は、本実施の形態に係る遠隔表示装置200の表示領域変更処理における動作手順を示すフローチャートである。ステップS121乃至S127の処理については、実施の形態1において説明したものと同様であるので、説明を省略する。
【0049】
遠隔表示装置200のCPU211は、端末装置から表示領域の変更要求があった場合に、変更された表示領域を設定した後、設定された表示領域が表示範囲601の外側を含んでいるか否か、つまり、表示領域が表示範囲601の外側に変更されるか否かを判定する(ステップS221)。
図13に、設定された表示領域が表示範囲601の外側を含んでいる場合の一例を示している。
図13の例では、表示領域500の移動が要求された結果、表示範囲601の外側を含む範囲510に表示領域500が設定される。
【0050】
設定された表示領域が表示範囲601の外側を含まない場合(ステップS221においてNO)、CPU211は、ステップS128へ処理を移す。他方、設定された表示領域が表示範囲601の外側を含んでいる場合(ステップS221においてYES)、CPU211は、表示可能範囲600の画像から、設定された表示領域の画像を複写し(ステップS222)、この画像に表示範囲の境界情報を付加して表示用データを生成する(ステップS223)。その後、CPU211は、ステップS129へ処理を移す。なお、ステップS129乃至S132の処理については、実施の形態1において説明したものと同様であるので、説明を省略する。
図15は、境界情報が付加された表示領域の画像の一例を示す図である。
図15に示すように、端末装置300の表示画像520に、境界情報521が付加される。境界情報521を付加することにより、端末装置300のユーザが、端末装置300の表示領域が遠隔表示装置200の表示範囲601から外れていることを認識できる。このため、ユーザは必要に応じて表示範囲601の中に表示領域を再度移動させるように操作することができ、他のユーザが作業中の範囲とは異なる範囲の航路を作成又は修正するようなことを防止できる。
【0051】
(実施の形態3)
本実施の形態では、電子海図表示装置である遠隔表示装置において、端末装置から表示領域の拡大若しくは縮小、又は遠隔表示装置の表示画面の外側への表示領域の移動が要求された場合に、遠隔表示装置が表示している画像とは解像度が異なる画像、又は表示画面の外側の画像を読み出し、端末装置にこの画像を表示させる。
【0052】
<遠隔表示システムの構成>
本実施の形態では、記憶部205が解像度の異なる複数種類の海図データ251を記憶している。本実施の形態に係る遠隔表示システムのその他の構成については、実施の形態1に係る遠隔表示システム100の構成と同様であるので、同一構成要素については同一符号を付し、その説明を省略する。
【0053】
<遠隔表示システムの動作>
本実施の形態に係る遠隔表示システム100の動作について説明する。なお、ログイン処理、航路作成修正処理、音声通話処理、及びログアウト処理のそれぞれについては、実施の形態1において説明したものと同様であるので、その説明を省略する。
【0054】
[表示領域変更処理]
次に、本実施の形態に係る遠隔表示システム100による表示領域変更処理について説明する。
図16は、本実施の形態に係る遠隔表示装置200の表示領域変更処理における動作手順を示すフローチャートである。ステップS121乃至S127の処理については、実施の形態1において説明したものと同様であるので、説明を省略する。
【0055】
遠隔表示装置200のCPU211は、端末装置から表示領域の変更要求があった場合に、変更された表示領域を設定した後、変更後の表示領域が予め設定された例外条件に合致するか否かを判定する(ステップS321)。例外条件には、変更後の表示領域が変更前の表示領域から所定の倍率以上で拡大されること、変更後の表示領域が変更前の表示領域から所定の倍率以下で縮小されること、及び、変更後の表示領域が遠隔表示装置200に表示されている表示画面の外側を含むことが含まれる。変更後の表示領域が例外条件に合致する場合(ステップS321においてYES)、CPU211は、表示画面の一部の画像を複写するのではなく、表示領域に設定された位置の海図データ251を記憶部205から読み出す(ステップS322)。変更後の表示領域が変更前の表示領域から所定の倍率以上で拡大される場合には、高倍率の海図データが読み出され、変更後の表示領域が変更前の表示領域から所定の倍率以下で縮小される場合には、低倍率の海図データが読み出される。高倍率の海図は、遠隔表示装置200によって表示されている海図よりも解像度が高く、低倍率の海図は、遠隔表示装置200によって表示されている海図よりも解像度が低い。したがって、海図の拡大又は縮小に応じて、適切な解像度の海図を端末装置300において表示することができる。また、変更後の表示領域が遠隔表示装置200に表示されている表示画面の外側を含む場合、遠隔表示装置200によって表示されている海図の外側を含む範囲の海図データが読み出される。
【0056】
その後、CPU211は、読み出された海図とその部分における航路とを含む表示用データを生成する(ステップS323)。ここで、変更された表示領域が遠隔表示装置200の表示画面の外側を含む場合には、実施の形態2と同様に、遠隔表示装置200の表示範囲の境界を示す境界情報が海図に付加された画像である表示用データが生成される。CPU211は、表示用データを生成すると、ステップS129へ処理を移し、生成された表示用データを端末装置へ送信する(ステップS129)。なお、ステップS130乃至S132の処理については、実施の形態1において説明したものと同様であるので、説明を省略する。
【0057】
(実施の形態4)
本実施の形態では、電子海図表示装置である遠隔表示装置において、一の端末装置の表示領域と、他の端末装置の表示領域とが重なる場合に、一の端末装置にはその表示領域の画像を表示させ、他の端末装置にはその表示領域のうち一の端末装置の表示領域と重なっている部分を表示させず、その他の部分を表示させる。
【0058】
<遠隔表示システムの構成>
本実施の形態に係る遠隔表示システムの構成については、実施の形態1に係る遠隔表示システム100の構成と同様であるので、同一構成要素については同一符号を付し、その説明を省略する。
【0059】
<遠隔表示システムの動作>
本実施の形態に係る遠隔表示システム100の動作について説明する。なお、ログイン処理、航路作成修正処理、音声通話処理、及びログアウト処理のそれぞれについては、実施の形態1において説明したものと同様であるので、その説明を省略する。
【0060】
[表示領域変更処理]
本実施の形態に係る遠隔表示システム100による表示領域変更処理について説明する。
図17は、本実施の形態に係る遠隔表示装置200の表示領域変更処理における動作手順を示すフローチャートである。ステップS121乃至S124の処理については、実施の形態1において説明したものと同様であるので、説明を省略する。
【0061】
遠隔表示装置200のCPU211は、変更後の表示領域の座標を計算した後、この表示領域を新たな表示領域として設定し(ステップS421)、設定された表示領域における画像を表示画面から複写する(ステップS422)。次に、CPU211は、設定された表示領域が、他の端末装置300の表示領域と重なるか否かを判定する(ステップS423)。表示領域が重ならない場合には(ステップS423においてNO)、CPU211は、ステップS129へ処理を移し、複写画像である表示用データを端末装置300へ送信する。他方、表示領域が重なる場合には(ステップS423においてYES)、CPU211は、複写された画像の中の他の表示領域と重複する部分を特定の一色(例えば、黒色)に置き換えた画像、即ち、重複する部分を塗りつぶした画像を生成し、これを表示用データとする(ステップS424)。その後、CPU211は、ステップS129へ処理を移し、一部が単色に置き換えられた(以下、この部分を「非表示領域」という)画像である表示用データを端末装置300へ送信する。なお、ステップS129乃至S132の処理については、実施の形態1において説明したものと同様であるので、説明を省略する。
図18は、非表示領域を有する端末装置300の表示画像の一例を示す図である。
図18に示すように、端末装置300の表示画像540に、非表示領域541が設けられる。非表示領域541は、他の端末装置300で表示されている領域であり、端末装置300のユーザが非表示領域541を確認することで、他の端末装置300の表示領域と重なっていることを認識できる。また、非表示領域541には航路も表示されないため、ユーザが他の端末装置300で表示されている航路を編集することを防止できる。
【0062】
(実施の形態5)
本実施の形態では、電子海図表示装置である遠隔表示装置において、一の端末装置の表示領域と、他の端末装置の表示領域とが重なる場合に、両方の端末装置において表示領域の画像を表示させる。また、表示領域が重なっている複数の端末装置において航路の操作が行われた場合に、一の端末装置からの操作を実行し、他の端末装置からの操作を実行しない。
【0063】
<遠隔表示システムの構成>
本実施の形態に係る遠隔表示システムの構成については、実施の形態1に係る遠隔表示システム100の構成と同様であるので、同一構成要素については同一符号を付し、その説明を省略する。
【0064】
<遠隔表示システムの動作>
本実施の形態に係る遠隔表示システム100の動作について説明する。なお、ログイン処理、音声通話処理、及びログアウト処理のそれぞれについては、実施の形態1において説明したものと同様であるので、その説明を省略する。
【0065】
[表示領域変更処理]
本実施の形態に係る遠隔表示システム100による表示領域変更処理について説明する。
図19は、本実施の形態に係る遠隔表示装置200の表示領域変更処理における動作手順を示すフローチャートである。ステップS121乃至S124の処理については、実施の形態1において説明したものと同様であるので、説明を省略する。
【0066】
遠隔表示装置200のCPU211は、変更後の表示領域の座標を計算した後、この表示領域を新たな表示領域として設定し(ステップS521)、設定された表示領域における画像を表示画面から複写する(ステップS522)。次に、CPU211は、設定された表示領域が、他の端末装置300の表示領域と重なるか否かを判定する(ステップS523)。表示領域が重ならない場合には(ステップS523においてNO)、CPU211は、ステップS129へ処理を移し、複写画像である表示用データを端末装置300へ送信する。他方、表示領域が重なる場合には(ステップS523においてYES)、CPU211は、複写された画像に、他の表示領域の境界を示す境界情報を付加した画像を生成し、これを表示用データとする(ステップS524)。その後、CPU211は、ステップS129へ処理を移し、境界情報が付加された画像である表示用データを端末装置300へ送信する。なお、ステップS129乃至S132の処理については、実施の形態1において説明したものと同様であるので、説明を省略する。
図20は、境界情報が付加された表示領域の画像の一例を示す図である。
図20に示すように、端末装置300の表示画像550に、境界情報551が付加される。境界情報551を付加することにより、端末装置300のユーザが、当該端末装置300の表示領域が他の端末装置300の表示領域と重なっていることを認識できる。また、複数の端末装置300の間で表示領域が重なっている場合には、後述するように重なった領域における航路の操作が制限される。したがって、境界情報551を表示することで、境界情報551によって区分される領域における航路の操作を制限される可能性があることをユーザに認識させることができる。
【0067】
[航路作成修正処理]
次に、本実施の形態に係る遠隔表示システム100の航路作成修正処理について説明する。本実施の形態では、複数の端末装置300の間で表示領域が重複する場合において、その重複する領域(以下、「表示重複領域」という)に含まれる航路については、最初に航路の作成又は修正を指示したユーザによる作成又は修正を許可し、他のユーザによる航路の作成又は修正は許可しない。以下、航路作成修正処理を詳細に説明する。
【0068】
図21は、本実施の形態に係る遠隔表示システム100の航路作成修正処理の手順を示すフローチャートである。ステップS141乃至S143の処理については、実施の形態1において説明したものと同様であるので、説明を省略する。
【0069】
遠隔表示装置200及び端末装置300の何れかに航路の作成又は修正を指示する操作が与えられた場合には(ステップS143においてYES)、CPU211は、航路の操作箇所、即ち、航路の作成又は修正が指示された箇所が、複数の端末装置300の間における表示重複領域に含まれるか否かを判定する(ステップS541)。航路の操作箇所が表示重複領域に含まれない場合(ステップS541においてNO)、CPU211は、ステップS144へ処理を移す。他方、航路の操作箇所が表示重複領域に含まれる場合(ステップS541においてYES)、CPU211は、この表示重複領域に含まれる航路が、まだ他の端末装置300によって操作されていない航路であるか否かを判定する(ステップS542)。当該航路がまだ他の端末装置300によって操作されていない航路である場合(ステップS542においてYES)、CPU211は、ステップS144へ処理を移す。これにより、表示重複領域に含まれる航路について、最初に航路の作成又は修正を指示したユーザによる作成又は修正が許可される。なお、ステップS144乃至S151の処理については、実施の形態1において説明したものと同様であるので、説明を省略する。
【0070】
他方、当該航路が既に他の端末装置300によって操作された航路である場合(ステップS542においてNO)、CPU211は、操作の拒否を示す操作不可データを、操作データの送信元の端末装置300へ送信し(ステップS543)、処理を終了する。端末装置300のCPU311は、操作不可データを受信したか否かを判定し(ステップS544)。操作不可データを受信していない場合には(ステップS544においてNO)、ステップS150へ処理を移す。他方、操作不可データを受信した場合には、CPU311は、処理を終了する。これにより、表示重複領域に含まれる航路について、最初に航路の作成又は修正を指示したユーザ以外のユーザによる作成又は修正は拒否される。
【0071】
(実施の形態6)
本実施の形態では、電子海図表示装置である遠隔表示装置において、一の端末装置の表示領域と、他の端末装置の表示領域とが重なる場合に、両方の端末装置において表示領域の画像を表示させる。また、表示領域が重なっている複数の端末装置において航路の操作が競合する場合に、複数の端末装置のそれぞれに協議を指示し、協議の結果操作の権限が与えられた端末装置からの操作を実行し、他の端末装置からの操作を実行しない。
【0072】
<遠隔表示システムの構成>
本実施の形態に係る遠隔表示システムの構成については、実施の形態1に係る遠隔表示システム100の構成と同様であるので、同一構成要素については同一符号を付し、その説明を省略する。
【0073】
<遠隔表示システムの動作>
本実施の形態に係る遠隔表示システム100の動作について説明する。なお、ログイン処理、音声通話処理、及びログアウト処理のそれぞれについては、実施の形態1において説明したものと同様であるので、その説明を省略する。また、表示領域変更処理については、実施の形態5において説明したものと同様であるので、その説明を省略する。
【0074】
[航路作成修正処理]
本実施の形態に係る遠隔表示システム100の航路作成修正処理について説明する。
図22A及び
図22Bは、本実施の形態に係る遠隔表示システム100の航路作成修正処理の手順を示すフローチャートである。ステップS141乃至S143の処理については、実施の形態1において説明したものと同様であるので、説明を省略する。
【0075】
遠隔表示装置200及び端末装置300の何れかに航路の作成又は修正を指示する操作が与えられた場合には(ステップS143においてYES)、CPU211は、航路の操作箇所、即ち、航路の作成又は修正が指示された箇所が、複数の端末装置300の間における表示重複領域に含まれるか否かを判定する(ステップS641)。航路の操作箇所が表示重複領域に含まれない場合(ステップS641においてNO)、CPU211は、ステップS144へ処理を移す。他方、航路の操作箇所が表示重複領域に含まれる場合(ステップS641においてYES)、CPU211は、この表示重複領域に含まれる航路について、複数の端末装置300から操作データを受け付けたか否か、即ち、複数の端末装置300からの当該航路の操作が競合しているか否かを判定する(ステップS642)。操作が競合していない場合(ステップS642においてNO)、CPU211は、ステップS144へ処理を移す。これにより、表示重複領域に含まれる航路について、複数の端末装置300の間で操作が競合しない場合には、制限されることなく航路の操作が行われる。なお、ステップS144乃至S151の処理については、実施の形態1において説明したものと同様であるので、説明を省略する。
【0076】
他方、当該航路について複数の端末装置300の間で操作が競合している場合(ステップS642においてYES)、CPU211は、これらの端末装置300を操作するユーザの間での協議を指示する協議指示データを送信する(ステップS643)。端末装置300のCPU311は、協議指示データを受信したか否かを判定し(ステップS644)、協議指示データを受信していない場合には(ステップS644においてNO)、ステップS150へ処理を移す。他方、協議指示データを受信した場合には、CPU311は、ユーザ間での協議が指示されたことを通知する通知情報を表示し(ステップS645)、ユーザに協議の開始を促す。この通知情報には、協議が必要なユーザ名、即ち、操作が競合しているユーザ名が含まれる。ユーザは、通知情報により協議指示があったことを認識すると、協議が必要な他のユーザに対する協議の開始を要求する操作を入力部302に与える。CPU311は、この操作を受け付けると、協議の開始を要求する開始要求データを遠隔表示装置200へ送信する(ステップS646)。遠隔表示装置200のCPU211は、協議が必要な端末装置300の全てから開始要求データを受信すると(ステップS647)、これらの端末装置300の間での音声通話機能を実行する(ステップS648)。これにより、ユーザ間で協議が行われる。
【0077】
ユーザは、協議によって操作を許可する1人のユーザ(一つの端末装置300)を決定する。協議が終了すると、ユーザは協議の結果を入力部302に与える。端末装置300のCPU311は、協議の結果の入力を受け付けると(ステップS649)、この協議の結果を示す結果データを遠隔表示装置200へ送信する(ステップS650)。遠隔表示装置200のCPU211は、協議の結果データを受信すると(ステップS651)、操作が許可された端末装置300から送信された操作データによる航路の操作を実行、つまり、この操作データによって作成される航路又は修正後の航路を計算する(ステップS652)。ここで、操作が許可されていない端末装置300、即ち、協議の結果、操作が許可されなかった端末装置300から送信された操作データによっては、航路の計算は行われない。その後、CPU211は、処理をステップS145へ移す。
【0078】
(実施の形態7)
本実施の形態では、電子海図表示装置である遠隔表示装置において、一の端末装置の表示領域と、他の端末装置の表示領域とが重なる場合に、両方の端末装置において表示領域の画像を表示させる。また、数段階のレベルで航路の操作権限をユーザ毎に設定し、権限を有するユーザによる航路の操作を実行し、権限を有しないユーザによる航路の操作を実行しない。また、表示領域が重なっている複数の端末装置において航路の操作が競合する場合に、各ユーザの操作権限のレベルを判定し、最も操作権限のレベルが高いユーザによる航路の操作を実行し、他のユーザによる航路の操作を実行しない。
【0079】
<遠隔表示システムの構成>
本実施の形態に係る遠隔表示装置は、航路の操作権限をユーザ毎に設定するユーザ管理DB253aを記憶部205に記憶している。
図23は、ユーザ管理DB253aの構造を示す模式図である。ユーザ管理DB253aには、ユーザ毎に、ユーザ名、パスワード、及びユーザグループが互いに対応付けて記憶される。ユーザグループには、管理者、標準ユーザ、閲覧ユーザが設けられており、それぞれに航路データ252へのアクセス権限が設定されている。アクセス権限のレベルが高い順に、管理者、標準ユーザ、閲覧ユーザとなる。管理者には、航路の表示及び操作の権限が与えられる。つまり、管理者のユーザは、航路データ252を読み出して航路を遠隔表示装置200及び端末装置300に表示させることができ、また、航路の操作、即ち航路の作成又は修正をして、作成又は修正後の航路データ252を記憶部205に記憶させることができる。かかる管理者には、全航路データ252へ制限のないアクセス権限が与えられている。つまり、表示又は操作が禁止されている航路データについても、表示又は操作が可能とされる。標準ユーザには、管理者と同様に航路データ252の読み出し及び航路の操作権限が与えられるが、一部の航路データ252に対するアクセスは制限される。つまり、表示又は操作が禁止されている航路データについては、表示又は操作が禁止される。また、同一箇所の航路の操作が管理者と標準ユーザとで競合した場合、管理者による操作が実行され、標準ユーザによる操作は実行されない。また、閲覧ユーザには、航路の表示権限は与えられるが、操作権限は与えられない。本実施の形態に係る遠隔表示システムのその他の構成については、実施の形態1に係る遠隔表示システム100の構成と同様であるので、同一構成要素については同一符号を付し、その説明を省略する。
【0080】
<遠隔表示システムの動作>
本実施の形態に係る遠隔表示システム100の動作について説明する。なお、ログイン処理、音声通話処理、及びログアウト処理のそれぞれについては、実施の形態1において説明したものと同様であるので、その説明を省略する。また、表示領域変更処理については、実施の形態5において説明したものと同様であるので、その説明を省略する。
【0081】
[航路作成修正処理]
本実施の形態に係る遠隔表示システム100の航路作成修正処理について説明する。
図24A及び
図24Bは、本実施の形態に係る遠隔表示システム100の航路作成修正処理の手順を示すフローチャートである。ステップS141乃至S143の処理については、実施の形態1において説明したものと同様であるので、説明を省略する。
【0082】
遠隔表示装置200及び端末装置300の何れかに航路の作成又は修正を指示する操作が与えられた場合には(ステップS143においてYES)、CPU211は、操作指示を行ったユーザが航路の操作権限を有しているか否か、即ち、当該ユーザが管理者又は標準ユーザであるか否かを判定する(ステップS741)。ユーザが航路の操作権限を有していない場合(ステップS741においてNO)、CPU211は、処理を終了する。これにより、閲覧ユーザによる航路の作成又は修正は実行されない。
【0083】
他方、ユーザが航路の操作権限を有している場合(ステップS741においてYES)、CPU211は、航路の操作箇所、即ち、航路の作成又は修正が指示された箇所が、複数の端末装置300の間における表示重複領域に含まれるか否かを判定する(ステップS742)。航路の操作箇所が表示重複領域に含まれない場合(ステップS742においてNO)、CPU211は、ステップS144へ処理を移す。他方、航路の操作箇所が表示重複領域に含まれる場合(ステップS742においてYES)、CPU211は、この表示重複領域に含まれる航路について、複数の端末装置300から操作データを受け付けたか否か、即ち、複数の端末装置300からの当該航路の操作が競合しているか否かを判定する(ステップS743)。操作が競合していない場合(ステップS743においてNO)、CPU211は、ステップS144へ処理を移す。これにより、表示重複領域に含まれる航路について、複数の端末装置300の間で操作が競合しない場合には、制限されることなく航路の操作が行われる。なお、ステップS144乃至S151の処理については、実施の形態1において説明したものと同様であるので、説明を省略する。
【0084】
他方、当該航路について複数の端末装置300の間で操作が競合している場合(ステップS743においてYES)、CPU211は、操作が競合している各ユーザの航路の操作権限を判定し、ユーザ間で最も操作権限のレベルが高いユーザが複数存在するか否かを判定する(ステップS744)。例えば、操作が競合しているユーザに管理者と標準ユーザとが含まれる場合、ユーザ間で最も操作権限のレベルが高いのは管理者のユーザである。したがって、この場合、ステップS744では、操作が競合しているユーザに複数の管理者が含まれるか否かが判定される。また、操作が競合しているユーザが標準ユーザだけである場合、ユーザ間で最も操作権限のレベルが高いのは標準ユーザということになる。したがって、この場合、ステップS744では、操作が競合しているユーザに複数の標準ユーザが含まれるか否かが判定される。ユーザ間で最も操作権限のレベルが高いユーザが複数存在しない場合、即ち、ユーザ間で最も操作権限のレベルが高いユーザが1人のみ存在する場合(ステップS744においてNO)、CPU211は、操作権限のレベルが最も高いユーザを選択し、このユーザの操作を許可する(ステップS745)。次にCPU211は、操作が許可されたユーザが使用する端末装置300から送信された操作データによる航路の操作を実行、つまり、この操作データによって作成される航路又は修正後の航路を計算する(ステップS746)。ここで、操作が許可されていない端末装置300、即ち、操作権限のレベルが低いユーザが使用する端末装置300から送信された操作データによっては、航路の計算は行われない。その後、CPU211は、処理をステップS145へ移す。このような処理によって、操作権限のレベルが高い管理者と、操作権限のレベルが低い標準ユーザとの間で操作が競合した場合には、管理者の操作が実行され、標準ユーザの操作は実行されない。
【0085】
他方、ユーザ間で最も操作権限のレベルが高いユーザが複数存在する場合(ステップS744においてYES)、CPU211は、ステップS643に処理を移し、これらのユーザ間での協議を指示する。なお、ステップS643乃至651の処理については、実施の形態6において説明したものと同様であるので、その説明を省略する。これにより、例えば複数の標準ユーザのみによって操作の競合が生じた場合には、これらの標準ユーザによる協議が行われ、協議により選択された1人のユーザによる操作が許可され、他のユーザによる操作は許可されない。遠隔表示装置200のCPU211は、操作が許可されたユーザが使用する端末装置300から送信された操作データによる航路の操作を実行、つまり、この操作データによって作成される航路又は修正後の航路を計算する(ステップS746)。ここで、操作が許可されていない端末装置300、即ち、協議の結果、操作が許可されなかった端末装置300から送信された操作データによっては、航路の計算は行われない。その後、CPU211は、処理をステップS145へ移す。
【0086】
(実施の形態8)
本実施の形態では、電子黒板装置である遠隔表示装置の表示画面における互いに異なる表示領域を複数の端末装置で表示する。教師(講師)が電子黒板装置の表示画面における生徒(受講者)用の端末装置の表示領域を指定し、指定された表示領域の画像が端末装置で表示される。
【0087】
<遠隔表示システムの構成>
図25は、本実施の形態に係る遠隔表示システムの構成を示す模式図である。
図25に示すように、遠隔表示システム101は、遠隔表示装置800と、複数の端末装置300とを備える。遠隔表示装置800は、授業、講義、研修等において使用される電子黒板装置であり、教師等の講師が児童、生徒、学生等の受講者に教示するための教示情報の入力を受け付け、この教示情報を表示することができる。本実施の形態では、教師が生徒に対して行う授業において遠隔表示システム101を使用する場合について説明する。電子黒板装置は、授業が行われる教室に設置される。この遠隔表示装置800は、教室の壁に掛けることにより設置され、その主面には複数の生徒による同時閲覧を可能とするために大型の画面を備えている。また、端末装置300については、実施の形態1で説明したものと同様であるので、その説明を省略する。遠隔表示装置800と端末装置300とは、互いに無線通信が可能である。
【0088】
図26は、遠隔表示装置800の機能的構成を示す機能ブロック図である。遠隔表示装置800は、無線LANによる無線通信機能を有している。
図26に示すように、遠隔表示装置800は、表示部810、表示用データ生成部820、無線通信部830、及び更新部840の各機能ブロックを有する。表示用データ生成部820は、表示部810に表示される表示画面のうちの一部で互いに異なる表示領域に対応する複数の表示用データを生成する。無線通信部830は、無線LANを介して端末装置300との間で無線通信を行い、表示用データ生成部820により生成された複数の表示用データを複数の端末装置300に各別に送信する。また、無線通信部830は、端末装置300から表示領域に対して行われた操作を示す操作データを受信する。更新部840は、無線通信部830によって受信された操作データに基づいて、表示部810の表示画面を更新する。
【0089】
図27は、遠隔表示装置800の具体的なハードウェア構成の一例を示すブロック図である。遠隔表示装置800は、表示部801と、入力部802と、無線通信部803と、制御部804と、記憶部805とを備える。表示部801は、複数の生徒が同時に教示情報を閲覧できるように、大型(例えば、数十インチ)のLCD又は有機ELである。上述した表示部810は、この表示部801により実現される。また、入力部802は、感圧式又は静電容量式の透明なタッチパッド等の位置入力装置である。かかる入力部802は、表示部801と同程度の大きさ及び形状を有しており、表示部801の表面に貼付される。これにより、表示部801及び入力部802が一体型のタッチパネルとして構成される。
【0090】
無線通信部803は、IEEE802.11a/b/g/n/ac等の無線LAN規格にしたがった無線通信を可能とする通信部であり、無線通信用のアンテナ803aを有している。上述した無線通信部830は、この無線通信部803により実現される。
【0091】
制御部804は、CPU811と、メモリ812とを含み、遠隔表示装置800の各部を制御する。CPU811は、メモリ812内のコンピュータプログラムを実行する。そして、遠隔表示用のコンピュータプログラムである遠隔表示プログラム850をCPU811が実行することにより、端末装置300による表示画面の遠隔表示が可能となる。上述した表示用データ生成部820及び更新部840は、この制御部804により実現される。記憶部805はハードディスクであり、これには上述した遠隔表示プログラム850がインストールされている。また、記憶部805には、教材データ851が記憶されており、CPU811が教材データ851を読み出し、教材を表示部801に表示させ、この教材に教師が入力した教示情報及び生徒から与えられた発表情報を重畳表示させることができる。
【0092】
また、記憶部805には、ユーザ、即ち教師及び授業を受ける生徒の情報が格納されたユーザ管理データベース(ユーザ管理DB)853が設けられている。ユーザ管理DB853には、教師及び生徒のユーザ名及びパスワードが対応付けて記憶される。
【0093】
また、遠隔表示装置800が設置された教室には図示しない無線LANのアクセスポイントが設置されており、遠隔表示装置800と各端末装置300とが、アクセスポイントを介して無線通信するように構成されている。
【0094】
<遠隔表示システムの動作>
以下、本実施の形態に係る遠隔表示システム101の動作について説明する。遠隔表示システム101は、ログイン処理、発表情報表示処理、及びログアウト処理の各処理を実行する。
【0095】
[ログイン処理]
まず、ログイン処理について説明する。
図28は、本実施の形態に係る遠隔表示システム101のログイン処理の手順を示すフローチャートである。授業を開始するとき、遠隔表示プログラム850がCPU811によって実行される。教師は、入力部802に自分のユーザ名及びパスワードを入力することで、ログインの要求を行うことができる。CPU811は、教師のユーザ名及びパスワードの入力を受け付ける(ステップS801)。CPU811は、受け付けたユーザ名及びパスワードをユーザ管理DB853で照合し、登録されているユーザであるか否かを判定するユーザ認証処理を実行する(ステップS802)。
【0096】
ユーザ認証が成功すれば、教師は、入力部802を操作して、授業に使用する教材データ851を指定する。CPU811は、教材データ851の指定を受け付けると(ステップS803)、指定された教材データ851を読み出し(ステップS804)、教材を表示部801に表示させる(ステップS805)。また、
図28には示していないが、ユーザ認証処理に失敗した場合、CPU811はログインを拒否し、これにより当該ユーザが遠隔表示装置800を操作することはできなくなる。
【0097】
端末装置300を使用する生徒は、端末装置300に端末プログラム350の実行を指示し、CPU311が、これを実行する。また、当該ユーザは、遠隔表示システム101にログインするために、入力部302に自分のユーザ名及びパスワードを入力する。CPU311は、ユーザ名及びパスワードの入力を受け付け(ステップS806)、受け付けたユーザ名及びパスワードを含むログイン要求データを遠隔表示装置800へ送信する(ステップS807)。遠隔表示装置800のCPU811は、ログイン要求データを受信すると(ステップS808)、ログイン要求データに含まれるユーザ名及びパスワードを用いてユーザ認証処理を実行する(ステップS809)。ユーザ認証処理が成功すれば、生徒による遠隔表示システム101のログインが完了し、当該生徒が遠隔表示システム101を使用できるようなる。以上で、ログイン処理が終了する。
【0098】
[発表情報表示処理]
次に、遠隔表示システム101の発表情報表示処理について説明する。
図29は、本実施の形態に係る遠隔表示システム101の発表情報表示処理の手順を示すフローチャートである。教師は、問題を含む教材を遠隔表示装置800に表示させることにより、生徒に対して問題を提示する。教師は生徒に遠隔表示システム101を用いて問題の解答を発表させることができる。この場合、教師は複数の生徒に解答を発表させることも可能である。教師は入力部802を操作して、発表させる生徒のユーザ名を指定し、この生徒の遠隔表示装置800における表示領域を指定する。遠隔表示装置800のCPU811は、生徒のユーザ名の指定を受け付け(ステップS821)、また、表示領域の指定を受け付ける(ステップS822)。ユーザ名の指定は、例えば入力部802に対して特定の操作を行った場合に、その時点でログインしている生徒のユーザ名のリストが表示部801に表示され、そのリストの中からユーザ名を選択する入力を入力部802に与えることで行うことができる。また、表示領域の指定は、入力部802の所望の位置を特定の操作によって選択することで、その位置を表示領域の特定の座標(例えば左上座標)として入力することができる。
【0099】
CPU811は、指定された表示領域を設定し(ステップS823)、教材が表示されている表示画面(以下、「黒板画面」という)に表示領域を示す領域情報を重畳表示させる(ステップS824)。
図30は、遠隔表示装置800の表示画面の一例を示す図である。
図30に示すように、黒板画面900には、矩形の枠である領域情報901が重畳表示される。再び
図29を参照する。CPU811は、その表示領域における画像を黒板画面から複写して表示用データを生成し(ステップS825)、生成された表示用データを端末装置300へ送信する(ステップS826)。端末装置300は、表示用データを受信し(ステップS827)、CPU311が、受信された表示用データによって示される黒板画面の一部の画像を表示部301に表示させる(ステップS828)。
【0100】
教師は、指定した生徒に問題の解答を端末装置300に入力させる。生徒は、入力部302を操作することによって、問題の解答を端末装置300に入力する。CPU311は、解答の入力を受け付けたか否かを判定し(ステップS829)、解答の入力を受け付けていない場合には(ステップS829においてNO)、ステップS829の処理を繰り返す。また、解答の入力を受け付けた場合には(ステップS829においてYES)、CPU311は、受け付けられた解答を示す発表情報を含む操作データを遠隔表示装置800へ送信する(ステップS830)。遠隔表示装置800のCPU811は、操作データを受信したか否かを判定し(ステップS831)、操作データを受信していない場合には(ステップS831においてNO)、ステップS831の処理を繰り返す。また、操作データを受信した場合には(ステップS831においてYES)、CPU811は、受信された操作データに含まれる発表情報を黒板画面に重畳表示させる(ステップS832)。この場合、CPU811は、更新された表示領域の画像を複写して表示用データを生成し(ステップS833)、生成された表示用データを端末装置300へ送信する(ステップS834)。端末装置300は、表示用データを受信し(ステップS835)、CPU311が、受信された表示用データによって示される更新された表示領域の画像を表示部301に表示させる(ステップS836)。
図30を参照する。
図30では、4人の生徒による発表情報を表示している例を示している。黒板画面には、4つの表示領域を示す領域情報901が表示され、その表示領域のそれぞれに、生徒の発表内容を示す発表情報が表示される。これにより、生徒の発表情報を授業に参加している他の生徒も共有することができる。また、同時に複数の生徒によって発表を行うことが可能となる。
【0101】
教師は、生徒による発表を終了する場合、入力部802に特定の操作を行うことにより、設定された表示領域の解除を指示することができる。CPU811は、表示領域の解除の指示を受け付けたか否かを判定する(ステップS837)、解除の指示を受け付けていない場合には(ステップS837においてNO)、CPU811は、ステップS831へ処理を戻す。他方、表示領域の解除の指示を受け付けた場合には(ステップS837においてYES)、CPU811は、表示領域を解除し(ステップS837)、表示領域の解除を通知する解除通知データを端末装置300へ送信する(ステップS838)。端末装置300のCPU311は、解除通知データを受信したか否かを判定し(ステップS839)、解除通知データを受信していない場合には(ステップS839においてNO)、ステップS829へ処理を戻す。他方、解除通知データを受信した場合には(ステップS839においてYES)、CPU311は、処理を終了する。以上で、発表情報表示処理が終了する。
【0102】
[ログアウト処理]
次に、遠隔表示システム101のログアウト処理について説明する。授業を終了するとき、教師及び生徒は遠隔表示システム101からログアウトをする。教師が入力部802を操作してログアウトを要求した場合、CPU811はログアウトを実行し、表示部801から黒板画面を消去する。また、生徒が入力部302を操作してログアウトを要求した場合、端末装置300がログアウト要求を遠隔表示装置800へ送信し、遠隔表示装置800のCPU811がログアウトを実行する。
【0103】
(その他の実施の形態)
上述した実施の形態1乃至8においては、遠隔表示装置200,800に表示されている画面の一部を表示領域として設定し、この表示領域を複写した画像を端末装置300に表示させる構成について述べたが、これに限定されるものではない。遠隔表示装置に表示されている画面の一部を表示領域として設定し、この表示領域の画像に対応する画像を記憶部に記憶されている画像データから遠隔表示装置が読み出し、この画像を端末装置に表示させる構成とすることもできる。つまり、遠隔表示装置が、その表示画面とは異なる画像データを表示用データとして生成し、この表示用データを端末装置へ送信してもよい。このようにすることによっても、例えば遠隔表示装置に海図が表示されている場合、その一部の表示領域と同じ位置の海図のデータを表示用データとして端末装置に送信することにより、この海図を端末装置に表示させることができる。また、この場合、遠隔表示装置に表示されている画像とは解像度が異なる画像を表示することもできる。また、端末装置が画像データを記憶しており、遠隔表示装置がその表示画面の一部を表示領域として設定し、この表示領域の位置情報を表示用データとして端末装置に送信し、端末装置が表示用データによって特定される位置の画像データを読み出して、この画像データに示される画像を表示する構成とすることもできる。
【0104】
また、上述した実施の形態1乃至8においては、遠隔表示装置200,800の表示画面に端末装置300の表示領域を示す領域情報を表示する構成について述べたが、これに限定されるものではない。遠隔表示装置の表示画面に、その表示画面を縮小した縮小画面を表示画面に重畳表示し、この縮小画面に各表示領域の位置を表示することもできる。
【0105】
また、上述した実施の形態1乃至8においては、ユーザ間の連絡を音声通話によって行う構成について述べたが、これに限定されるものではない。ユーザ間で文字情報をリアルタイムに交換する機能(所謂、チャット)を遠隔表示装置に設け、音声通話に代えて、ユーザ間で文字情報の交換を行う構成としてもよい。
【0106】
また、上述した実施の形態1乃至8においては、ログイン処理におけるユーザ認証(つまり、ログイン)に失敗すると、当該ユーザに対する遠隔表示システム100の全ての機能を制限する構成について述べたが、これに限定されるものではない。例えば、ユーザ認証に失敗した場合には、海図及び航路を表示するが、ユーザ名を表示せず、また航路の操作権限を与えない等、一部の機能を制限する構成とすることもできる。