(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6985398
(24)【登録日】2021年11月29日
(45)【発行日】2021年12月22日
(54)【発明の名称】排気測定装置用凝縮水分離機
(51)【国際特許分類】
G01N 1/22 20060101AFI20211213BHJP
F28B 1/02 20060101ALI20211213BHJP
B01D 8/00 20060101ALI20211213BHJP
B01D 53/26 20060101ALI20211213BHJP
B01D 5/00 20060101ALI20211213BHJP
【FI】
G01N1/22 P
F28B1/02
B01D8/00 Z
B01D53/26 100
B01D5/00 A
G01N1/22 D
【請求項の数】9
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2019-536860(P2019-536860)
(86)(22)【出願日】2017年12月1日
(65)【公表番号】特表2020-509344(P2020-509344A)
(43)【公表日】2020年3月26日
(86)【国際出願番号】EP2017081200
(87)【国際公開番号】WO2018127331
(87)【国際公開日】20180712
【審査請求日】2019年8月1日
(31)【優先権主張番号】102017100180.8
(32)【優先日】2017年1月6日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】511236970
【氏名又は名称】エイヴィエル エミッション テスト システムズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】AVL Emission Test Systems GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ノアベアト クレフト
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー ガーテ
(72)【発明者】
【氏名】トアステン ボアネマン
(72)【発明者】
【氏名】ディアク ヴォイキ
【審査官】
北条 弥作子
(56)【参考文献】
【文献】
特開2001−004503(JP,A)
【文献】
特開2005−233890(JP,A)
【文献】
中国特許出願公開第103471878(CN,A)
【文献】
中国実用新案第201955264(CN,U)
【文献】
特開2006−177717(JP,A)
【文献】
特開2008−045560(JP,A)
【文献】
独国特許出願公開第3706941(DE,A1)
【文献】
独国特許出願公開第1769579(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 1/22
F28B 1/00 −11/00
B01D 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
排気測定装置用凝縮水分離機であって、
凝縮水流出開口(22)を備えたケーシング(12)と、
冷却器(32)と、
前記ケーシング(12)内に流体を導入するための、前記冷却器(32)により冷却された流入導管(30)とを備えており、該流入導管(30)は、前記ケーシング(12)内に形成された流入開口(28)に開口しており、さらに、
ガス流入部(38)とガス流出部(40)とを有するガス流出用接続管片(35)を備えており、該ガス流出用接続管片(35)は、ガス流出導管(50)に開口している、排気測定装置用凝縮水分離機において、
前記ガス流出用接続管片(35)の前記ガス流入部(38)の横断面が、前記ガス流出用接続管片(35)の前記ガス流出部(40)の横断面よりも大きくなっており、
前記冷却器(32)は、底部と側壁とを備えて冷却媒体で満たされた容器を有しており、前記ケーシング(12)は、前記冷却器(32)の前記底部に配置されており、前記流入導管(30)は、前記冷却器(32)内で該冷却器(32)の前記側壁に沿ってらせん状に延在しており、前記流入開口(28)は、前記ケーシング(12)の側壁(26)に配置されており、前記流入導管(30)は、接線方向で前記ケーシング(12)に開口していることを特徴とする、排気測定装置用凝縮水分離機。
【請求項2】
前記ガス流出用接続管片(35)は、前記ガス流入部(38)と前記ガス流出部(40)との間に載頭円錐形の部分(42)を有している、請求項1記載の排気測定装置用凝縮水分離機。
【請求項3】
前記ガス流出用接続管片(35)は、前記ガス流入部(38)と前記ガス流出部(40)との間に段部を有している、請求項1記載の排気測定装置用凝縮水分離機。
【請求項4】
前記ガス流出用接続管片(35)は、前記ケーシング(12)内に侵入している侵入管(36)である、請求項1から3までのいずれか1項記載の排気測定装置用凝縮水分離機。
【請求項5】
前記侵入管(36)の前記ガス流入部(38)は、前記ケーシングの対称軸の方向で見て前記流入開口(28)と前記凝縮水流出開口(22)との間に配置されている、請求項4記載の排気測定装置用凝縮水分離機。
【請求項6】
前記侵入管(36)は、前記ケーシングと同心状に前記ケーシング(12)内へ侵入している、請求項4または5記載の排気測定装置用凝縮水分離機。
【請求項7】
前記ガス流出用接続管片(35)は、前記ケーシング(12)の上側の基底面(18)から外側に向かって延びている、請求項1から3までのいずれか1項記載の排気測定装置用凝縮水分離機。
【請求項8】
前記ガス流入部(38)の横断面は、前記ガス流出部(40)の横断面の2倍の大きさになっている、請求項1から7までのいずれか1項記載の排気測定装置用凝縮水分離機。
【請求項9】
前記ケーシング(12)は、内部に前記流入開口(28)が形成された円筒形のケーシング部分(14)と、該円筒形のケーシング部分(14)に続いており、内部に凝縮水流出開口(22)が形成された載頭円錐形のケーシング部分(16)と、を有している、請求項1から8までのいずれか1項記載の排気測定装置用凝縮水分離機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排気測定装置用凝縮水分離機であって、凝縮水流出開口を有するケーシングと、ケーシング内に流体を導入するための、冷却された流入導管とを備えており、流入導管は、ケーシング内に形成された流入開口に開口しており、さらにガス流入部とガス流出部とを有するガス流出用接続管片を備えており、ガス流出用接続管片は、ガス流出導管に開口している、排気測定装置用凝縮水分離機に関する。
【背景技術】
【0002】
凝縮水分離機は従来技術から知られており、流体、特にガスまたはガス混合物から水を分離するために用いられる。水または水蒸気を有する排気を含む測定ガス流から水を分離するために、凝縮水分離機は排気測定装置内で使用される。燃料の燃焼に際して、排気流中に成分として含まれている水蒸気が形成され、この場合、流体は露点において、ちょうど水蒸気で飽和した状態になる。流体の温度が露点未満に下がると、水蒸気は凝縮し、凝縮水が液相で生じる。測定装置内でのこのような凝縮により、一方では例えば分光器的に作動する測定装置が誤った結果をもたらし、他方では排気測定装置のユニットが汚染されるため、例えば腐食により、測定装置の耐用年数が減少することになる。
【0003】
よって、排気中の水蒸気の含有量を的確に減少させ、測定装置の上流で凝縮水を分離し、これにより測定ガスを乾燥させるために、流体温度の露点未満への低下が利用される。このために、測定ガスが冷却器を介して凝縮水分離機内へ案内され、凝縮水分離機内で凝縮水が流体から分離され、分離された凝縮水は凝縮水容器内へ案内され、凝縮水を、凝縮水容器から流出弁を介して時間的に間隔をあけてまたは連続的に導出することができる。
【0004】
独国特許出願公開第3706941号明細書には、ガス冷却装置が開示されている。この冷却器は、冷却液が充填された容器を有している。冷却液が充填された容器を通って流入導管が延在しており、流入導管は凝縮水分離機に開口しており、冷却されるべき液体は流入導管を通流する。凝縮水分離機は、円筒形の部分と、これに続く載頭円錐形の部分とから構成されている。載頭円錐形の部分は下方に向かって収縮して延びており、かつ凝縮水流出開口に開口している。凝縮水分離機の、凝縮水流出開口とは反対の側に位置する端部では、ガス流出用接続管片として用いられかつガス導出導管に開口する侵入管が凝縮水分離機内に侵入しており、凝縮水分離により乾燥されたガスが、侵入管を通流して凝縮水分離機から流出する。
【0005】
前掲の独国特許出願公開第3706941号明細書に記載の構成における欠点は、ガス流出用接続管片を通って流出するガス体積流が、その高い流速に基づき、既に分離された凝縮水を連行し、これにより、凝縮水が、凝縮水分離機から侵入管を介して測定装置に向かって共に搬送されてしまう点にある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、分離された凝縮水がガス体積流によって測定装置に向かって連行されないように、凝縮水分離機をさらに改良するという課題が生じる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題は、独立請求項1に記載の特徴を有する排気測定装置用エンクロージャによって解決される。
【0008】
ガス流出用接続管片のガス流入部の横断面が、ガス流出用接続管片のガス流出部の横断面よりも大きくなっていることにより、ガス流出用接続管片のガス流入部におけるガス体積流の流速が低下し、これにより、ガス体積流による、ガス流出用接続管片内および測定装置への凝縮水の連行が、簡単かつ廉価に防がれる。
【0009】
好適には、流入開口はケーシングの側壁に配置されており、流入導管は接線方向でケーシングに開口しており、流体は接線方向でケーシング内へ導入される。ケーシングは、好適には円筒形に形成されている。接線方向で流体を導入することにより、流体は円形の循環軌道にもたらされ、この際、凝縮水は、凝縮水に作用する遠心力によって外側に向かって凝縮水分離機の側壁に対して遠心分離され、凝縮水分離機の側壁において制動されて付着し、この結果、凝縮水が流体体積流から分離される。分離された凝縮水は、凝縮水分離機の側壁に沿って下方に向かって凝縮水流出開口へ流れる。このように乾燥されたガスは、ガス流出用接続管片を通って凝縮水分離機から流出する。このようにして、凝縮水は流体から簡単かつ廉価に分離される。
【0010】
好適には、ガス流出用接続管片は、ガス流入部とガス流出部との間に載頭円錐形の部分を有しており、これにより、不連続な横断面移行時に生じる死容積が回避される。ガス流出用接続管片内の死容積を回避することにより、排気測定装置内のガス導管を縮小し、かつ測定に必要な排気体積流量を減らすことができる。
【0011】
好適な構成では、ガス流出用接続管片は、ガス流出用接続管片のガス流入部とガス流出用接続管片のガス流出部との間に段部を有しており、これにより、ガス流出用接続管片のガス流出部とガス流入部との間に横断面変化を簡単に提供することができる。
【0012】
好適な構成では、ガス流出用接続管片は、ケーシング内に侵入して静的な分離機の機能を満たす、侵入管である。
【0013】
好適には、侵入管のガス流入部は、ケーシングの対称軸の方向で見て流入開口と凝縮水流出開口との間に配置されており、これにより、凝縮水の分離前に流体が侵入管内へ直接に流入する恐れのある、流入開口と流出開口との間の短絡が回避される。つまり、ケーシング内に流入する流体は強制的に、まずケーシングの円筒壁に沿って循環してから、侵入管内へ流入することができるようになっている。
【0014】
好適には、侵入管はケーシング内に同心状に侵入しており、これにより、ガス流出部に向かう流れが、凝縮水分離機内の接線方向流に影響を及ぼさないようになっている。加えて、凝縮水分離機の円錐形の流出領域が用いられると、底部までの十分な間隔が得られる。
【0015】
好適な構成では、ガス流出用接続管片は、ケーシングの上側の基底面から外側に向かって延びている。これにより、ガス流出用接続管片を、ケーシングの製造プロセス時に既に製造することができるので、製造・組立コストが削減される。
【0016】
好適な構成では、ガス流入部の横断面は、ガス流出部の横断面の2倍の大きさになっている。このような、ガス流出用接続管片のガス流入部の横断面とガス流出部の横断面との相互関係に基づき、特に既に分離された凝縮水が、ガス体積流によりガス流出用接続管片内へ連行されることはほとんどなくなる。
【0017】
好適には、流入導管は冷却器を通ってらせん状に延在している。冷却器内では流体が冷却され、流体内に存在する水蒸気が凝縮し、このとき、凝縮水は流体流により連行される。流入導管のらせん状の構成により、流体からより多くの熱を排出することができる。なぜなら、冷却媒体によって、流入導管のより大きな表面積が包囲されているからである。
【0018】
好適な構成では、流入導管の直径は少なくとも、凝縮する凝縮水滴の直径に相応している。このようにして、ポンプによって発生する流体体積流が常に保証され、流入導管の閉塞および凝縮水によって生じる、流入導管内での圧力上昇が防がれる。
【0019】
好適には、ケーシングは、内部に流入開口が形成された円筒形のケーシング部分と、円筒形のケーシング部分に続いており、内部に凝縮水流出開口が形成された載頭円錐形のケーシング部分と、を有している。円筒形のケーシング部分において、流体は凝縮水分離機内へ導入されると共に、円筒形の循環軌道にもたらされる。円筒形のケーシング部分に続く載頭円錐形のケーシング部分において流体の流速が高まることで、凝縮水に作用する遠心力が高まり、これにより、流体から分離される凝縮水の量が増大する。このようにして、飛沫水が生じガス流出部へ連行されることになる恐れのある、流入開口からその下に位置するケーシングの平滑面に対する凝縮水の滴下が回避される。
【0020】
したがって、分離された凝縮水がガス体積流によりガス流出用接続管片内へ連行されることを簡単かつ廉価に防止し、これにより、測定装置の汚染、測定時の不正確な測定および測定装置の腐食に起因する故障が回避される、排気測定装置用凝縮水分離機が得られる。
【0021】
本発明による排気測定装置用凝縮水分離機の実施例を図示し以下で説明する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明による、ガス流出用接続管片の第1の構成を備えた凝縮水分離機を示す図である。
【
図2】本発明による、ガス流出用接続管片の第2の構成を備えた凝縮水分離機を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1には、円筒形のケーシング部分14と、載頭円錐形のケーシング部分16とから構成されたケーシング12を備えた、排気測定装置(図示せず)用の凝縮水分離機10が示されている。円筒形のケーシング部分14は、閉じられた上側の基底面18と、開かれた下側の基底面20とを有しており、開かれた下側の基底面20に、載頭円錐形のケーシング部分16が続いている。載頭円錐形のケーシング部分16は下方に向かって収縮して延びており、載頭円錐形のケーシング部分16の直径は、円筒形のケーシング部分14の開かれた下側の基底面20を起点として、載頭円錐形のケーシング部分16の下端部に配置された凝縮水流出開口22に到るまで縮小している。凝縮水流出開口22には、凝縮水分離機10を例えば凝縮水収集皿(図示せず)に接続する、流出導管24が続いている。
【0024】
円筒形のケーシング部分14の環状の側壁26には、流入導管30と接続された流入開口28が形成されており、流入導管30はらせん状に形成されておりかつ冷却器32を通って延在している。
【0025】
円筒形のケーシング部分14の閉じられた上側の基底面18を貫通して、ガス流出導管50と接続された侵入管36がケーシング12に侵入しており、この場合、侵入管36は、ガス流出用接続管片35を形成している。侵入管36は、ケーシング12内に配置されたガス流入部38と、円筒形のケーシング部分14の上側の基底面18の水平面に配置されかつガス流出導管50の方に向けられたガス流出部40とを有している。
【0026】
本発明では、侵入管36またはガス流出用接続管片35のガス流入部の横断面は、侵入管36またはガス流出用接続管片35のガス流出部40の横断面よりも大きくなっている。ガス流入部38とガス流出部40との間の横断面変化のために、侵入管36は、円筒形の部分44に続く載頭円錐形の部分42を有している。侵入管36は円筒形の部分44を介して、円筒形のケーシング部分14の上側の基底面18に固定的に配置されていると共に、円筒形の部分44でもってケーシング12内に侵入している。ケーシング12内に侵入した円筒形の部分44には載頭円錐形の部分42が続いており、載頭円錐形の部分42はガス流入部38を起点として、円筒形の部分44への移行部まで収縮して延びている。代替的に、侵入管36は、載頭円錐形の部分42の代わりに段部を有していてもよい。
【0027】
図2に示す凝縮水分離機10は、
図1に示したものと同様に、円筒形のケーシング部分14の環状の側壁26に形成された流入開口28を備えた円筒形のケーシング部分14と、凝縮水流出開口22を備えた載頭円錐形のケーシング部分16とから構成されたケーシング12を備えている。円筒形のケーシング部分14は、上側の基底面18と、開かれた下側の基底面20とを有しており、開かれた下側の基底面20には載頭円錐形のケーシング部分16が続いている。載頭円錐形のケーシング部分16は、下方に向かって収縮して延びており、最下点に凝縮水流出開口22を有している。
【0028】
図1に示した構成とは異なり、ガス流出用接続管片35はケーシング12内に侵入しておらず、円筒形のケーシング部分14の上側の基底面に続いている。ガス流出用接続管片35は、ガス流入部38と、ガス流出導管50に流体接続されたガス流出部40とを有しており、ガス流入部38の直径は、円筒形のケーシング部分14の上側の基底面18の直径に対応しており、かつ上側の基底面18を起点として、ガス流出用接続管片35のガス流出部40まで収縮して延びている。これにより、ガス流入部38の横断面は、本発明ではガス流出部40の横断面よりも大きくなっている。
【0029】
凝縮水の分離過程は、
図1および
図2において説明した両方の構成において同様に進行する。凝縮水の分離過程において、流体はまず、冷却された流入導管30を介して流入開口28へ流入する。流入導管30の冷却は、冷却媒体で満たされた鉢形の容器である冷却器32を介して行われ、らせん状に形成された流入導管30は、鉢形の容器を通って延在している。このようにして、流体が流体の温度未満に冷却され、これにより、流体中に含まれる水蒸気が凝縮する。凝縮水は、流体の体積流によって連行され、ケーシング12内へ搬送される。流体は、凝縮した凝縮水と共に、円筒壁26に形成された流入開口28を介してケーシング12内へ接線方向に流入し、ケーシング12の円筒形状に基づき、流体および凝縮水は、ケーシング12の円筒壁26に沿って循環する。凝縮水滴の比較的大きな質量に基づき、凝縮水滴には比較的大きな遠心力が作用し、この遠心力により、流体の体積流により連行された凝縮水滴は、流体から円筒壁26に向かって遠心分離され、円筒壁26において制動され、かつ円筒壁26を介して凝縮水流出開口22へ流出させられる。凝縮水流出開口22には、凝縮水分離機10を例えば凝縮水収集皿(図示せず)に接続する、流出導管24が続いている。
【0030】
ケーシング12の載頭円錐形のケーシング部分16は、流体の体積流の流速を高めるために用いられ、これにより、凝縮水滴に作用する遠心力がさらに高まることで、凝縮水の分離もさらに向上することになる。
【0031】
このようにして凝縮水から除去されたガスは、ケーシング12の中間でガス流出用接続管片35のガス流入部38へ流入する。この場合、ガス流入部38の、ガス流出用接続管片35のガス流出部40に比べて大きな横断面は、ガス流入部38におけるガス体積流の流速の低下を生じさせ、これにより、既に分離された凝縮水が、ガス体積流によってガス流出用接続管片35内へ連行されることが防止される。
【0032】
したがって、既に分離された凝縮水の、ガス体積流による連行を防ぐと共に、測定装置の汚染、測定時の不正確な測定および測定装置の腐食に起因する故障を回避する排気測定装置用凝縮水分離機が、簡単かつ廉価に提供される。
【0033】
本発明の独立請求項の保護範囲が説明した実施例に限定されるものではないことは明らかである。