(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6985453
(24)【登録日】2021年11月29日
(45)【発行日】2021年12月22日
(54)【発明の名称】光学装置
(51)【国際特許分類】
G02B 5/20 20060101AFI20211213BHJP
【FI】
G02B5/20 101
【請求項の数】9
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2020-85708(P2020-85708)
(22)【出願日】2020年5月15日
(65)【公開番号】特開2021-92750(P2021-92750A)
(43)【公開日】2021年6月17日
【審査請求日】2020年5月15日
(31)【優先権主張番号】16/710,584
(32)【優先日】2019年12月11日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507296388
【氏名又は名称】采▲ぎょく▼科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】VisEra Technologies Company Limited
(74)【代理人】
【識別番号】110000486
【氏名又は名称】とこしえ特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】塗 宗儒
【審査官】
小西 隆
(56)【参考文献】
【文献】
特開2009−266900(JP,A)
【文献】
国際公開第2005/101067(WO,A1)
【文献】
特開2009−238942(JP,A)
【文献】
韓国公開特許第10−2009−0102696(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 5/20 − 5/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心および縁部を有する基板と、
前記基板の前記中心から前記縁部の前記基板上に順次に配置された複数の中央のカラーフィルター、複数の第1のカラーフィルター、および複数の第2のカラーフィルターと、
前記複数の中央のカラーフィルター、前記複数の第1のカラーフィルター、および前記複数の第2のカラーフィルター上にそれぞれ配置された複数の中央の中空部材、複数の第1の中空部材、および複数の第2の中空部材とを含み、
前記中央の中空部材、前記第1の中空部材、および前記第2の中空部材のそれぞれは、空間を囲む連続壁構造を含み、
前記中央のカラーフィルターの中心線と前記中央の中空部材の中心線が同一線であり、
第1の距離はゼロより大きく、第2の距離は前記第1の距離より大きく
前記第1の距離は、前記第1のカラーフィルターの中心線と前記第1の中空部材の中心線との間の距離であり、
前記第2の距離は前記第2のカラーフィルターの中心線と前記第2の中空部材の中心線との間の距離であり、
前記複数の中央のカラーフィルターの中心線、前記複数の第1のカラーフィルターの中心線、及び、前記複数の第2のカラーフィルターの中心線は、前記基板の主面に対して法線方向に沿う直線であり、
前記複数の中央の中空部材の中心線、前記複数の第1の中空部材の中心線、及び前記複数の第2の中空部材の中心線は、前記基板の主面に対して法線方向に沿う直線であり、前記連続壁構造で囲われた前記空間を通る
光学装置。
【請求項2】
前記連続壁構造は、テーパー断面、長方形、円形、または三角形の形状に形成され、
前記連続壁構造の高さは0.1μmから0.7μmの範囲である請求項1に記載の光学装置。
【請求項3】
前記基板の上に配置された複数の金属グリッドをさらに含み、前記空間は、隣接する前記金属グリッド間の距離の3分の1未満の幅を有し、前記連続壁構造は長方形の形状をしている請求項2に記載の光学装置。
【請求項4】
前記基板の上に配置された複数の金属グリッドをさらに含み、前記空間は、隣接する前記金属グリッド間の距離の3分の1未満の直径を有し、前記連続壁構造は円形の形状をしている請求項2に記載の光学装置。
【請求項5】
前記中央のカラーフィルター、前記第1のカラーフィルター、および前記第2のカラーフィルターと、前記中央の中空部材、前記第1の中空部材、および前記第2の中空部材の前記連続壁構造とを覆い、且つ前記中央の中空部材、前記第1の中空部材、および前記第2の中空部材の前記空間に充填された低屈折率材料層をさらに含み、前記低屈折率材料層は、1.2から1.5の範囲にある屈折率を有する請求項1に記載の光学装置。
【請求項6】
前記中央の中空部材、前記第1の中空部材、および前記第2の中空部材の前記連続壁構造は、前記低屈折率材料層の屈折率よりも大きく、且つ前記中央の中空部材、前記第1の中空部材、および前記第2の中空部材の前記連続壁構造のそれぞれ下の前記中央のカラーフィルター、前記第1のカラーフィルター、および前記第2のカラーフィルターの屈折率よりも大きい屈折率を有し、前記中央の中空部材、前記第1の中空部材、および前記第2の中空部材の連続壁構造の屈折率は1.6から1.9の範囲内にある請求項5に記載の光学装置。
【請求項7】
前記中央のカラーフィルター、前記第1のカラーフィルター、および前記第2のカラーフィルターと、前記中央の中空部材、前記第1の中空部材、および前記第2の中空部材との間に配置された保護層をさらに含む請求項1に記載の光学装置。
【請求項8】
前記中央の中空部材、前記第1の中空部材、および前記第2の中空部材の前記連続壁構造の上部に配置されたハードマスク層をさらに含む請求項1に記載の光学装置。
【請求項9】
前記基板は、前記基板の前記中心から前記縁部に順次に中央領域、第1の領域、および第2の領域を含み、
前記中央領域内に前記中央の中空部材で構成された複数の前記中央のカラーフィルターがあり、
前記第1の領域内に前記第1の中空部材で構成された複数の前記第1のカラーフィルターがあり、
前記第2の領域内に前記第2の中空部材で構成された複数の前記第2のカラーフィルターがあり、
前記中央の中空部材、前記第1の中空部材、および前記第2の中空部材の前記連続壁構造は、第1の周期構造を構成し、
前記中央の中空部材、前記第1の中空部材、および前記第2の中空部材の前記空間は、第2の周期構造を構成する請求項1に記載の光学装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学装置に関するものであり、特に、カラーフィルターの上に配置された中空部材を有する光学装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、画像センサ装置の光学装置では、入射光が画像センサ装置のマイクロレンズなどの周期構造を通過するとき、表面回折の悪化により、予期しないゴースト画像とフレア(petal flare)がディスプレイパネルに表示される。
【0003】
マイクロレンズがカラーフィルターの上に必要とされる複合金属グリッド(CMG)型構造を有する光学装置と比較して、現在、カラーフィルターを囲む低屈折率材料層が用いられる導波路構造を形成するマイクロレンズの代わりに、導波路カラーフィルター(WGCF)型構造を有する光学装置は、その応用上の利点があることが知られている。
【0004】
従って、ゴースト画像とフレアを効果的に除去できる導波路カラーフィルター(WGCF)型構造を有する光学装置の開発が望ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
カラーフィルターの上に配置された中空部材を有する光学装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態によれば、光学装置が提供される。光学装置は、基板、基板の中心から縁部の基板上に順次に配置された中央のカラーフィルター、第1のカラーフィルター、および第2のカラーフィルターと、中央のカラーフィルター、第1のカラーフィルター、および第2のカラーフィルター上にそれぞれ配置された中央の中空部材、第1の中空部材、および第2の中空部材を含む。中央のカラーフィルターの中心線と中央の中空部材の中心線が同一線である。第1のカラーフィルターの中心と第1の中空部材の中心との間は第1の距離がある。第2のカラーフィルターの中心と第2の中空部材の中心との間は第2の距離がある。第1の距離はゼロより大きい。第2の距離は第1の距離より大きい。
【0007】
いくつかの実施形態では、中央の中空部材、第1の中空部材、および第2の中空部材のそれぞれは、空間を囲む連続壁構造を含む。いくつかの実施形態では、連続壁構造は、テーパー断面を有する。いくつかの実施形態では、連続壁構造は、長方形、円形、または三角形の形状をしている。いくつかの実施形態では、光学装置は、基板の上に配置された複数の金属グリッドをさらに含む。いくつかの実施形態では、連続壁構造は、隣接する金属グリッド間の距離の3分の1未満の幅を有する。いくつかの実施形態では、連続壁構造は、約0.1μmから約0.7μmの範囲の高さを有する。いくつかの実施形態では、空間は、隣接する金属グリッド間の距離の3分の1未満の幅を有し、連続壁構造は長方形の形状をしている。いくつかの実施形態では、空間は、隣接する金属グリッド間の距離の3分の1未満の直径を有し、連続壁構造は円形の形状をしている。
【0008】
いくつかの実施形態では、光学装置は、中央のカラーフィルター、第1のカラーフィルター、および第2のカラーフィルターと、中央の中空部材、第1の中空部材、および第2の中空部材の連続壁構造とを覆い、且つ中央の中空部材、第1の中空部材、および第2の中空部材の空間に充填された低屈折率材料層をさらに含む。いくつかの実施形態では、低屈折率材料層は、約1.2から約1.5の範囲にある屈折率を有する。いくつかの実施形態では、中央の中空部材、第1の中空部材、および第2の中空部材の連続壁構造は、低屈折率材料層の屈折率よりも大きく、且つ中央の中空部材、第1の中空部材、および第2の中空部材の連続壁構造のそれぞれ下の中央のカラーフィルター、第1のカラーフィルター、および第2のカラーフィルターの屈折率よりも大きい屈折率を有する。いくつかの実施形態では、中央の中空部材、第1の中空部材、および第2の中空部材の連続壁構造の屈折率は約1.6から約1.9の範囲にある。
【0009】
いくつかの実施形態では、光学装置は、中央のカラーフィルター、第1のカラーフィルター、および第2のカラーフィルターと、中央の中空部材、第1の中空部材、および第2の中空部材との間に配置された保護層をさらに含む。いくつかの実施形態では、光学装置は、中央の中空部材、第1の中空部材、および第2の中空部材の連続壁構造の上部に配置されたハードマスク層をさらに含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、基板は、基板の中心から縁部に順次に中央領域、第1の領域、および第2の領域を含む。いくつかの実施形態では、中央領域内に中央の中空部材で構成された複数の中央カラーフィルターがあり、第1の領域内に第1の中空部材で構成された複数の第1のカラーフィルターがあり、第2の領域内に第2の中空部材で構成された複数の第2のカラーフィルターがある。いくつかの実施形態では、中央の中空部材、第1の中空部材、および第2の中空部材の連続壁構造は、第1の周期構造を構成する。いくつかの実施形態では、中央の中空部材、第1の中空部材、および第2の中空部材の空間は、第2の周期構造を構成する。
【0011】
本発明では、光学装置に形成された2つの周期構造(即ち、連続壁構造により構成された第1の周期構造と低屈折率材料層で充填された空間により構成された第2の周期構造)が存在する。複雑な周期構造は光が通過する経路に配置されているため、特定の方向の表面回折(即ち、ゼロ次回折と正および負の1次回折)がこれにより低減され、表示パネル上の予期しないゴースト画像とフレアが効果的に除去される。また、中空導波路(hollow waveguide)部材は、高屈折率材料を有する連続壁構造、および連続壁構造によって囲まれた低屈折率材料層を含む。光エネルギーが高屈折率材料の連続壁構造を透過したとき、連続壁構造の隣接するエネルギー波の漏洩モードが結合して、低屈折率材料層の光エネルギーを改善し、例えば、基板の中央領域内で、光エネルギーを捕捉する能力を効果的に高め、QEスペクトル(R/G/B画素)を改善する。
【0012】
詳細な説明は、添付の図面と併せて以下の実施形態で説明する。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、ゴースト画像とフレアを効果的に除去できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本発明は、添付の図面を参照しながら以下の詳細な説明及び例を読むことで、より完全に理解することができる。
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態による光学装置の断面図である。
【
図2】
図2は、本発明の一実施形態による光学装置の断面図である。
【
図3】
図3は、本発明の一実施形態による光学装置の断面図である。
【
図4】
図4は、本発明の一実施形態による光学装置の断面図である。
【
図5】
図5は、本発明の一実施形態による光学装置の中空部材の上面図である。
【
図6】
図6は、本発明の一実施形態による光学装置の中空部材の上面図である。
【
図7】
図7は、本発明の一実施形態による光学装置の中空部材の上面図である。
【
図8】
図8は、光学装置の回折シミュレーション画像を示している。
【
図9】
図9は、本発明の一実施形態による光学装置の回折シミュレーション画像を示している。
【
図10】
図10は、本発明の一実施形態による光学デバイスのQEスペクトルを示している。
【
図11】
図11は、本発明の一実施形態による光学デバイスのQEスペクトルを示している。
【
図12】
図12は、従来の光学装置の光エネルギー分布プロファイルを示している。
【
図13】
図13は、本発明の一実施形態による光学装置の光エネルギー分布プロファイルを示している。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下の説明では、本発明を実施するベストモードを開示している。この説明は、本発明の一般原理を例示する目的のものであり、本発明を限定するものではない。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲を参考にして決定される。
【0016】
図1を参照すると、本発明の一実施形態によれば、光学装置10が提供される。
図1は、光学装置10の断面図である。
【0017】
図1では、光学装置10は、基板12の中心12aから縁部12bに向かって順次に中央領域14、第1の領域16、および第2の領域18を含む基板12を含む。中央領域14は、基板12上に配置された複数の中央のカラーフィルター、例えば20a、20b、20c、および20dを含む。第1の領域16は、基板12上に配置された複数の第1のカラーフィルター、例えば22a、22b、22c、および22dを含む。第2の領域18は、基板12上に配置された複数の第2のカラーフィルター、例えば24a、24b、24c、および24dを含む。複数の中央の中空部材、例えば、26a、26b、26c、および26dがあり、中央のカラーフィルター(20a、20b、20c、および20d)上にそれぞれ配置されている。複数の第1の中空部材、例えば、28a、28b、28c、および28dがあり、第1のカラーフィルター(22a、22b、22c、および22d)上にそれぞれ配置されている。複数の第2の中空部材、例えば、30a、30b、30c、および30dがあり、第2のカラーフィルター(24a、24b、24c、および24d)上にそれぞれ配置されている。具体的には、中央領域14内では、中央の中空部材の中心点は、下の中央のカラーフィルターの中心点と重なり、例えば、中央の中空部材26aの中心点26Pcは、中央のカラーフィルター20aの中心点20Pcと重なり合う。即ち、中央の中空部材の中心点とその下の中央のカラーフィルターの中心点との間に距離がない。言い換えると、中央の中空部材の中心点とその下の中央のカラーフィルターの中心点は、基板12の厚さ方向(基板12の主面に対し法線方向)に沿う線上に位置している。つまり、中央の中空部材の中心線とその下の中央のカラーフィルターの中心線は、基板12の厚さ方向(基板12の種面に対し法線方向)に沿う、同一線になっている。第1の領域16内では、第1の中空部材の中心点は、第1のカラーフィルターの下の中心点から特定の距離離れており、例えば、第1の中空部材28aの中心点28Pcは、第1のカラーフィルター22aの中心点22Pcから第1の距離「D1」離れており、第1の距離「D1」はゼロより大きい。すなわち、第1の中空部材28аの中心点Pcと、第1のカラーフィルター22aの中心点22Pcは、基板12の主面に沿う方向で、第1の距離「D1」離れている。言い換えると、第1の中空部材28аの中線と、第1のカラーフィルター22aの中心線は、基板12の厚さ方向に沿った直線であって、互いの中心線が、基板12の主面に沿う方向で、第1の距離「D1」離れている。第2の領域18内では、第2の中空部材の中心点は、第2のカラーフィルターの下の中心点から特定の距離離れており、例えば、第2の中空部材30aの中心点30Pcは、第2のカラーフィルター24aの中心点24Pcから第2の距離「D2」離れている。第2の距離「D2」は、第1の距離「D1」よりも大きい。すなわち、第2の中空部材30aの中心点30Pcと第2のカラーフィルター24aの中心点24Pcは、基板12の主面に沿う方向で、第2の距離「D2」離れている。言い換えると、第2の中空部材30aの中心線と第2のカラーフィルター24aの中心線は、基板12の厚さ方向に沿った直線であって、互いの中心線が、基板12の主面に沿う方向で、第2の距離「D2」離れている。詳細には、中央領域14内の中央のカラーフィルター(20a、20b、20c、および20d)の位置と比較して、第1の領域16内の第1のカラーフィルター(22a、22b、22c、および22d)は、特定の距離、基板12の中心12aに向かってシフトする。また、第2の領域18内の第2のカラーフィルター(24a、24b、24c、および24d)は、特定の距離、基板12の中心12aに向かってシフトする。第2のカラーフィルター(24a、24b、24c、および24d)が基板12の中心12aに向かってシフトする距離は、第1のカラーフィルター(22a、22b、22c、および22d)が基板12の中心12aに向かってシフトする距離よりも大きい。 中央領域14内の中央の中空部材(26a、26b、26c、および26d)の位置と比較して、第1の領域16内の第1の中空部材(28a、28b、28c、および28d)は、特定の距離、基板12の中心12aに向かってシフトする。また、第2の領域18内の第2の中空部材(30a、30b、30c、および30d)は、特定の距離、基板12の中心12aに向かってシフトする。第2の中空部材(30a、30b、30c、および30d)が基板12の中心12aに向かってシフトする距離は、第1の中空部材(28a、28b、28c、および28d)が基板12の中心12aに向かってシフトする距離よりも大きい。基板12の中心12aに向かう第1の中空部材(28a、28b、28c、および28d)と第2の中空部材(30a、30b、30c、および30d)との間のシフトの比率は、基板12の中心12aに向かう第1のカラーフィルター(22a、22b、22c、および22d)と第2のカラーフィルター(24a、24b、24c、および24d)との間のシフトの比率よりも大きい。また、カラーフィルターと中空部材は、入射光と反対方向にシフトする。例えば、入射光37aが、より小さな傾斜角で基板12の中心12aから縁部12bに向かって放射し、第1の領域16内に入射したとき、第1のカラーフィルター(22a、22b、22c、および22d)および第1の中空部材(28a、28b、28c、および28d)は、より短い距離、基板12の中心12aに向かってシフトする。入射光37bが、より大きな傾斜角で基板12の中心12aから縁部12bに向かって放射し、第2の領域18内に入射したとき、第2のカラーフィルター(24a、24b、24c、および24d)および第2の中空部材(30a、30b、30c、および30d)は、より大きな距離、基板12の中心12aに向かってシフトする。
【0018】
中央のカラーフィルター(14a、14b、14c、および14d)、第1のカラーフィルター(16a、16b、16c、および16d)、および第2のカラーフィルター(18a、18b、18c、および18d)は、赤(R)色フィルター、緑(G)カラーフィルター、または青(B)カラーフィルターを含む。中央の中空部材(26a、26b、26c、および26d)、第1の中空部材(28a、28b、28c、および28d)、および第2の中空部材(30a、30b、30c、および30d)のそれぞれは、空間38を囲む連続壁構造36を含む。
【0019】
図1では、複数の金属グリッド32が基板12上に配置され、パターン化された有機層34が中央のカラーフィルター(20a、20b、20c、および20d)、第1のカラーフィルター(22a 、22b、22c、および22d)、および第2のカラーフィルター(24a、24b、24c、および24d)の間に配置される。中央領域14内では、パターン化された有機層34は金属グリッド32上に配置される。第1の領域16内では、パターン化された有機層34は、例えば、第1のカラーフィルター(22a、22b、22c、および22d)の位置ずれにより、金属グリッド32の一部の上に配置される。第2の領域18内では、パターン化された有機層34は、例えば、第2のカラーフィルター(24a、24b、24c、および24d)のより大きな位置ずれにより、金属グリッド32のより小さい一部に配置される。
【0020】
光学装置10は、低屈折率材料層40をさらに含み、低屈折率材料層40は、中央のカラーフィルター(20a、20b、20c、および20d)と、第1のカラーフィルター(22a、22b、22c、および22d)と、第2のカラーフィルター(24a、24b、24c、および24d)と、中央の中空部材(26a、26b、26c、および26d)、第1の中空部材(28a、28b、28c、および28d)、及び第2の中空部材(30a、30b、30c、および30d)の連続壁構造36とを覆い、低屈折率材料層40は、中央の中空部材(26a、26b、26c、および26d)、第1の中空部材(28a、28b、28c、および28d)、及び第2の中空部材(30a、30b、30c、および30d)の空間38に充填されている。いくつかの実施形態では、低屈折率材料層40の屈折率は、約1.2から約1.5の範囲にある。具体的には、中央の中空部材(26a、26b、26c、および26d)、第1の中空部材(28a、28b、28c、28d)、および第2の中空部材(30a、30b、30c、および30d)の連続壁構造36の屈折率は、連続壁構造36の周りの構成要素の屈折率よりも大きく、例えば、低屈折率材料層40の屈折率よりも大きく、且つ中央の中空部材(26a、26b、26c、26d)、第1の中空部材(28a、28b、28c、28d)、および第2の中空部材(30a、30b、30c、30d)の連続壁構造36のそれぞれ下の中央のカラーフィルター(20a、20b、20c、および20d)、第1のカラーフィルター(22a、22b、22c、および22d)、および第2のカラーフィルター(24a、24b、24c、および24d)の屈折率よりも大きい。いくつかの実施形態では、中央の中空部材(26a、26b、26c、および26d)、第1の中空部材(28a、28b、28c、および28d)、および第2の中空部材(30a、30b、30c、および30d)の連続壁構造36の屈折率)は約1.6から約1.9の範囲にある。
【0021】
図2に示すように、本実施形態と
図1の実施形態との違いは、その構造が異なることにある。以下は相違点のみを示しており、同じ部分は繰り返していない。この実施形態では、保護層42は、中央のカラーフィルター(20a、20b、20c、および20d)、第1のカラーフィルター(22a、22b、22c、および22d)、および第2のカラーフィルター(24a、24b、24c、および24d)と、中央の中空部材(26a、26b、26c、および26d)、第1の中空部材(28a、28b、28c、および28d)、および第2の中空部材(30a、30b、30c、および30d)との間にさらに配置される。いくつかの実施形態では、保護層42は、中央のカラーフィルター(20a、20b、20c、および20d)、第1のカラーフィルター(22a、22b、22c、および22d)、および第2のカラーフィルター(24a、24b、24c、および24d)を、後続のエッチングプロセスまたは他のプロセス中の損傷から保護するエッチングストップ層として用いられる。いくつかの実施形態では、保護層42の材料は、中央の中空部材(26a、26b、26c、および26d)、第1の中空部材(28a、28b、28c、および28d)、および第2の中空部材(30a、30b、30c、および30d)の連続壁構造36の材料と同じであるか、または異なる。いくつかの実施形態では、保護層42の材料に応じて、保護層42の適切な厚さが選択される。
【0022】
図3に示すように、本実施形態と
図1の実施形態との違いは、その構造が異なることにある。以下は相違点のみを示しており、同じ部分は繰り返していない。この実施形態では、中央の中空部材(26a、26b、26c、および26d)、第1の中空部材(28a、28b、28c、および28d)、および第2の中空部材(30a、30b、30c、および30d)の連続壁構造36は、テーパー断面を有する。つまり、基板12の主面に対して垂直面で連続壁構造36を切ったときの断面がテーパー形状になっている。いくつかの実施形態では、テーパー断面を有する連続壁構造36は、順方向エッチングおよび横方向エッチングを含むエッチングプロセスによって形成される。
【0023】
図4に示すように、本実施形態と
図1の実施形態との違いは、その構造が異なることにある。以下は相違点のみを示しており、同じ部分は繰り返していない。この実施形態では、ハードマスク層44は、中央の中空部材(26a、26b、26c、および26d)、第1の中空部材(28a、28b、28c、および28d)、および第2の中空部材(30a、30b、30cおよび30d)の連続壁構造36のそれぞれの上部36’にさらに配置される。いくつかの実施形態では、高アスペクト比の連続壁構造36がエッチングされるとき、適切な厚さのハードマスク層44がプロセスの利便性のために選択される。
【0024】
中央の中空部材(26a、26b、26c、および26d)、第1の中空部材(28a、28b、28c、および28d)、および第2の中空部材(30a、30b、30c、および30d)の連続壁構造36と空間38の形状と寸法は、次のようにさらに明確に示される。
図5〜
図7は、カラーフィルターの上に配置されたこれらの中空部材の一部の上面図である。ここでは、中央領域14内の中央の中空部材(26a、26b、26c、および26d)は例として挙げられる。
図5では、中央の中空部材(26a、26b、26c、および26d)の連続壁構造36は、長方形の形状である。連続壁構造36の幅「W
C」は、例えば、隣接する金属グリッド32間の距離「D
M」の3分の1未満である(
図1を参照)。連続壁構造36の高さ「H」は、約0.1μmから約0.7μmの範囲にある(
図1を参照)。また、空間38の幅「W
S」は、例えば、隣接する金属グリッド32間の距離「D
M」の3分の1未満である(
図1を参照)。
図6では、中央の中空部材(26a、26b、26c、および26d)の連続壁構造36は、円形の形状である。連続壁構造36の幅「W
C」は、例えば、隣接する金属グリッド32間の距離「D
M」の3分の1未満である(
図1を参照)。連続壁構造36の高さ「H」は、約0.1μmから約0.7μmの範囲にある(
図1を参照)。また、空間38の幅(直径)「W
S」は、例えば、隣接する金属グリッド32間の距離「D
M」の3分の1未満である(
図1を参照)。
図7では、中央の中空部材(26a、26b、26c、および26d)の連続壁構造36は三角形の形状である。連続壁構造36の幅「W
C」は、例えば、隣接する金属グリッド32間の距離「D
M」の3分の1未満である(
図1を参照)。連続壁構造36の高さ「H」は、約0.1μmから約0.7μmの範囲にある(
図1を参照)。また、空間38の幅「W
S」は、例えば、隣接する金属グリッド32間の距離「D
M」の3分の1未満である(
図1を参照)。いくつかの実施形態では、それによって囲まれた低屈折率材料層40を充填する空間があれば、連続壁構造36の他の形状も本発明における選択に適する。
図5〜
図7では、中央の中空部材(26a、26b、26c、および26d)の連続壁構造36は、第1の周期構造46を構成する。中央の中空部材(26a、26b、26c、および26d)の空間38は、第2の周期構造48を構成する。即ち、2つの周期構造(即ち、連続壁構造36および空間38)が光学装置10に形成される。
【0025】
本発明では、光学デバイスに形成された2つの周期構造(即ち、連続壁構造で構成された第1の周期構造および低屈折率材料層で充填された空間で構成された第2の周期構造)がある。複雑な周期構造は光が通過する経路に配置されているため、特定の方向の表面回折(即ち、ゼロ次回折と正および負の1次回折)がこれにより低減され、表示パネル上の予期しないゴースト画像とフレアが効果的に除去される。また、中空導波路(hollow waveguide)部材は、高屈折率材料を有する連続壁構造、および連続壁構造によって囲まれた低屈折率材料層を含む。光エネルギーが高屈折率材料の連続壁構造を透過したとき、連続壁構造の隣接するエネルギー波の漏洩モードが結合して、低屈折率材料層の光エネルギーを改善し、例えば、基板の中央領域内で、光エネルギーを捕捉する能力を効果的に高め、QEスペクトル(R/G/B画素)を改善する。
【0026】
(例1)光学装置におけるゴースト画像およびフレアの除去
この例では、カラーフィルターの上に配置された中実導波路(solid waveguide)部材を有する従来の画像センサ装置が提供される。カラーフィルターの上に配置された中空導波路部材を有する本画像センサ装置(
図1に示すように)も提供される。これらの2つの画像センサ装置の表面回折(つまり、0次回折と1次回折)の程度が評価される。ゼロ次回折はゴースト画像を形成する。一次回折はフレアを形成する。従来の画像センサ装置では、ゼロ次回折と1次回折の両方が100%のエネルギーに達するため、非常に明白なゴースト画像とフレアが現れる。従来の画像センサ装置の回折シミュレーション画像は
図8に示される。
図8では、中央領域の光点aは、ゴースト画像の強度を表している。周辺領域の光点(b、c、d、およびe)は、フレアの強度を表している。
図8では、中央領域と周辺領域に位置する光点(a、b、c、d、およびe)が非常に明るいため、従来のイメージセンサー装置で発生した非常に明らかなゴースト画像とフレアがあることを示している。しかしながら、本画像センサ装置では、ゼロ次回折のエネルギーは約92.1%に低下する(約8%低下)。また、一次回折のエネルギーは、特定の中空導波路部材によって引き起こされる表面回折の程度が大幅に低下するために、約30.6%(約70%低下)に低下する。本画像センサ装置の回折シミュレーション画像は
図9に示される。
図9では、中央領域の光点a’は、ゴースト画像の強度を表している。周辺領域の光点(b ’、c’、d’、およびe’)は、フレアの強度を表している。
図9では、中央および周辺領域に位置する光点(a、b、c、dおよびe)が暗いため、本画像センサ装置で発生したごくわずかなゴースト画像とフレアがあることを示している。従って、
図8および
図9に示された回折シミュレーション画像によれば、従来の画像センサ装置と比較し、本画像センサ装置では、ゴースト画像およびフレアは著しく改善されている。
【0027】
(例2)光学装置のQEスペクトルの改善
この例では、カラーフィルターの上に配置された中実導波路部材を有する従来の画像センサ装置が提供される。カラーフィルターの上に配置された中空導波路部材を有する本画像センサ装置(
図1に示すように)も提供される。これらの2つの画像センサ装置の基板の中央領域内のQEスペクトル(R/G/B画素)が評価される。
図10に示すように、曲線「A」は、従来の画像センサ装置のQEスペクトル(R/G/B画素)を示している。曲線「B」は、本画像センサ装置のQEスペクトル(R/G/B画素)を示している。従来の画像センサ装置によって構築されたQEスペクトル(曲線「A」)と比較して、本画像センサ装置によって構築されたQEスペクトル(曲線「B」)では、R画素は100%から100.6%に引き上げられ、G画素は100%から102.5%に引き上げられ、B画素は100%から105.2%に引き上げられる。
【0028】
(例3)光学装置のQEスペクトルの維持
この例では、カラーフィルターの上に配置された中実導波路部材を有する従来の画像センサ装置が提供される。カラーフィルターの上に配置された中空導波路部材を有する本画像センサ装置(
図1に示すように)も提供される。これらの2つの画像センサ装置の基板の縁部領域内のQEスペクトル(R/G/B画素)が評価される。
図11に示すように、曲線「A」は、従来の画像センサ装置のQEスペクトル(R/G/B画素)を示している。曲線「B」は、本画像センサ装置のQEスペクトル(R/G/B画素)を示している。従来の画像センサ装置によって構築されたQEスペクトル(曲線「A」)と比較して、本画像センサ装置によって構築されたQEスペクトル(曲線「B」)では、R/G/B画素は、同等のQEおよびクロストーク現象を維持する。
【0029】
(例4)光学装置のチャネル差の維持
この例では、カラーフィルターの上に配置された中実導波路部材を有する従来の画像センサ装置が提供される。カラーフィルターの上に配置された中空導波路部材を有する本画像センサ装置(
図1に示すように)も提供される。これらの2つの画像センサ装置の基板の縁部領域内のチャネル差(R/G/B画素)が評価される。チャネル差は、画素の最大感度と最小感度の差として定義される。従来の画像センサ装置では、Gr画素(R画素に隣接するG画素)のチャネル差は1.6%、Gb画素(B画素に隣接するG画素)は2.0%であり、R画素は4.2%であり、且つB画素は1.5%である。本画像センサ装置では、Gr画素(R画素に隣接するG画素)のチャネル差は2.9%、Gb画素(B画素に隣接するG画素)は2.1%であり、R画素は3.9%であり、且つB画素は1.4%である。評価結果によれば、従来の画像センサ装置と比較して、本画像センサ装置では、Gr/Gb/R/B画素は同等のチャネル差を維持している。
【0030】
(例5)光学装置の光エネルギーを捕捉する能力の改善
この例では、カラーフィルターの上に配置された中実導波路部材を有する従来の画像センサ装置が提供される。カラーフィルターの上に配置された中空導波路部材を有する本画像センサ装置(
図1に示すように)も提供される。これらの2つの画像センサ装置の導波路部材に光エネルギーを捕捉する能力が評価される。
図12は、従来の光学装置の中実導波路部材50(高屈折率材料を有する)における光エネルギー分布プロファイルを示している。
図13は、本光学装置の中空導波路部材(低屈折率材料層40を囲む(高屈折率材料を有する)連続壁構造36により構成された)内の光エネルギー分布プロファイルを示している。
図12に示されるように、光エネルギーの一部のみが高屈折率材料を有する中実導波路部材50に捕捉され、残りの光エネルギーは外側に広がる。しかしながら、
図13によれば、光エネルギーのほとんどは、連続壁構造36で囲まれた低屈折率材料層40に捕捉され、光エネルギーはほとんど拡散しない。本光学装置では、低屈折率材料層40の適切な寸法により、光エネルギーが高屈折率材料を有する連続壁構造36を透過したとき、連続壁構造36の隣接するエネルギー波の漏洩モードが結合し、これにより低屈折率材料層40の光エネルギーが大幅に増加する。従って、光エネルギーを捕捉する能力は、本光学装置に配置された特定の中空導波路部材によって改善される。
【0031】
本発明は、例として及び望ましい実施の形態によって記述されているが、本発明は開示された実施形態に限定されるものではない。逆に、当業者には自明の種々の変更及び同様の配置をカバーするものである。よって、添付の特許請求の範囲は、最も広義な解釈が与えられ、全てのこのような変更及び同様の配置を含むべきである。
【符号の説明】
【0032】
10 光学装置
12 基板
12a 基板の中心
12b 基板の縁部
14 中央領域
16 第1の領域
18 第2の領域
20a、20b、20c、20d 中央のカラーフィルター
22a、22b、22c、22d 第1のカラーフィルター
24a、24b、24c、24d 第2のカラーフィルター
26a、26b、26c、26d 中央の中空部材
28a、28b、28c、28d 第1の中空部材
30a、30b、30c、30d 第2の中空部材
20Pc 中央のカラーフィルターの中心点
22Pc 第1のカラーフィルターの中心点
24Pc 第2のカラーフィルターの中心点
26Pc 中央の中空部材の中心点
28Pc 第1の中空部材の中心点
30Pc 第2の中空部材の中心点
32 金属グリッド
34 パターン化された有機層
36 連続壁構造
37、37a、37b 入射光
38 空間
40 低屈折率材料層
D1 第1の距離
D2 第1の距離
H 連続壁構造の高さ
D
M 金属グリッド間の距離
42 保護層
36’ 連続壁構造の上部
44 ハードマスク層
46 第1の周期構造
48 第2の周期構造
W
C 連続壁構造の幅
W
S 空間の幅(直径)
a 中央領域の光点
b、c、d、e 周辺領域の光点
a’ 中央領域の光点
b’、c’、d’、e’ 周辺領域の光点
A 従来の画像センサ装置のQEスペクトル(R/G/B画素)
B 本画像センサ装置のQEスペクトル(R/G/B画素)
50 中実導波路部材