(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御回路が前記コマンド信号を復号する前に、前記制御回路は前記センサコイルが前記電磁誘導型座標測位装置からのトリガー信号を受信することにより、前記トリガー信号に基づいて前記コマンド受信期間において前記コマンド信号を復号することを特徴とする請求項1に記載の座標指示器。
前記コマンド信号は同一の周波数が連続し且つ中断しない励起信号を含み、且つ異なる前記複数のデフォルトコマンドに応じて前記コマンド信号は、連続した励起信号が含まれる時間の長さが異なることを特徴とする請求項1に記載の座標指示器。
前記複数のデフォルトコマンドは圧力値データ返信コマンド、出荷日データ返信コマンド、及び識別データ返信コマンドを含み、前記制御回路は前記コマンド信号を復号するとき、前記コマンド信号の連続した励起信号を含む時間の長さに基づいて、前記コマンド信号が前記圧力値データ返信コマンド、前記出荷日データ返信コマンド、或いは前記識別データ返信コマンドであることを判断することを特徴とする請求項3に記載の座標指示器。
前記制御回路に接続されたストレージ回路を更に含み、前記制御回路が、前記コマンド信号が前記出荷日データ返信コマンドであると判断したとき、前記制御回路は前記ストレージ回路が出荷日データを出力するように制御し、前記データ信号に前記出荷日データを含ませ、前記出荷日データを前記電磁誘導型座標測位装置に出力することを特徴とする請求項4に記載の座標指示器。
前記制御回路が、前記コマンド信号が識別データ返信コマンドであると判断したとき、前記制御回路は前記ストレージ回路を制御して識別データを出力し、前記データ信号に前記識別データを含ませ、前記識別データを前記電磁誘導型座標測位装置に出力することを特徴とする請求項5に記載の座標指示器。
前記センサコイルに接続されると共に、前記電磁誘導型座標測位装置に加えた圧力に基づいてアナログの圧力信号を生成するエネルギー変換回路と、前記エネルギー変換回路に接続されると共に、A/D変換を行って前記アナログの圧力信号を圧力値に変換するA/D変換回路とを備え、前記制御回路が、前記コマンド信号が前記圧力値データ返信コマンドであると判断したとき、前記データ信号は前記圧力値を含み、前記圧力値を前記電磁誘導型座標測位装置に出力することを特徴とする請求項4に記載の座標指示器。
前記A/D変換回路は、前記コマンド信号が前記圧力値データ返信コマンドであるとき、前記アナログの圧力信号の圧力値への変換を開始し、前記コマンド信号が識別データ返信コマンド或いは前記出荷日データ返信コマンドであるとき、前記A/D変換回路は前記アナログの圧力信号を前記圧力値に変換しないことを特徴とする請求項7に記載の座標指示器。
前記センサコイルを収容するためのペン先と、ペン尻と、前記ペン先と前記ペン尻の間を連接するペン本体と、前記ペン本体に位置するサイドボタンと、前記サイドボタンが受けた圧力に基づいて前記サイドボタンに対応する第2のアナログの圧力信号を生成するための第2のエネルギー変換回路を備え、前記デフォルトコマンドは前記サイドボタンに対応する第2の圧力値データ返信コマンドを含み、前記制御回路は前記コマンド信号が前記第2の圧力値データ返信コマンドであると判断したとき、前記データ信号は前記サイドボタンに対応する第2の圧力値を含み、前記センサコイル或いは前記座標指示器の他のセンサコイルが、前記サイドボタンに対応する第2の圧力値を前記電磁誘導型座標測位装置に出力するようにトリガーすることを特徴とする請求項7に記載の座標指示器。
前記センサコイルを収容するためのペン先と、ペン尻と、前記ペン尻に収容される第2のセンサコイルと、前記ペン尻が前記電磁誘導型座標測位装置に加えた圧力に基づいて第2のアナログの圧力信号を生成するための第2のエネルギー変換回路を備え、前記制御回路は、前記コマンド信号が前記圧力値データ返信コマンドであり、且つ前記ペン尻が前記電磁誘導型座標測位装置に圧力を加えたと判断したとき、前記A/D変換回路は前記第2のアナログの圧力信号を他の圧力値に変換し、前記他のセンサコイルが前記他の圧力値及び前記ペン尻の動作情報を前記電磁誘導型座標測位装置に出力するようにトリガーする
ことを特徴とする請求項7に記載の座標指示器。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照して本発明の構造と動作を説明する。ここで、
図1は本発明の座標指示器の実施形態の外観を示す図であり、
図2は本発明の座標指示器と電磁誘導型座標測位(位置検出)装置の関係を示す図である。
図1および
図2を参照する。電磁誘導型座標測位装置2は、ワークスペース29を有し、座標指示器1は、電磁誘導型座標測位装置2のワークスペース29に接触しても良いが非接触でも良く、いずれにせよ座標指示器1の位置がワークスペース29に近づくと、電磁誘導型座標測位装置2は、座標指示器1の信号を感知し、座標指示器1が出力した信号を受信することができる。
座標指示器1が電磁誘導型座標測位装置2に接触(近接)すると、電磁誘導型座標測位装置2は座標指示器1からの圧力信号をも受信することができる。なお、
図1および
図2に示されるように、電磁誘導型座標測位装置2は、他の電子機器3と有線又は無線により連動することもできる。
本実施形態では、電磁誘導型座標測位装置2は、タブレット、携帯電話、タブレットコンピュータ、ノートパソコン、デジタルボード、又はスマートノートブック等でも良く、座標指示器11は、電磁誘導ペン、マウス、または位置決めディスクでも良い。電子機器3は、携帯電話、タブレットコンピュータ、又はノートパソコンでも良い。
【0008】
次に、
図3と
図4を参照して本実施形態を説明する。ここで、
図3は本発明の座標指示器の実施形態を示すブロック図であり、
図4は
図3の共振回路及び電源回路の実施形態を示す回路図である。
図3、
図4に示すように、座標指示器1は、共振回路11、クロック生成回路12、及び制御回路13を備える。共振回路11は、
図4に示すようにセンサコイル111を備える。
座標指示器1が電磁誘導型座標測位装置2に近接している場合、
図5から
図7に示すように、座標指示器1の動作シーケンスは、チャージ期間T1、コマンド受信期間T2、及びデータ送信期間T3を有するものとなる。ここで、これらチャージ期間T1、コマンド受信期間T2、データ送信期間T3は、固定の時間の長さに設定される。
座標指示器1は、チャージ期間T1中に電磁誘導型座標測位装置2の励起磁場に電磁的に結合され、この電磁的な結合により得られた磁気エネルギーを座標指示器1が動作するためのエネルギーに変換することができる。
動作中、座標指示器1は、コマンド受信期間T2中に電磁誘導型座標測位装置2からコマンド信号S1を受信し、データ送信期間T3中にデータ信号S2を電磁誘導型座標測位装置2に送信することにより、前述のコマンド信号S1に応答することができ、このようにして座標指示器1は電磁誘導型座標測位装置2と通信することができる。
詳細には、チャージ期間T1の電磁結合期間T11に、電磁誘導型座標測位装置2によって励磁電流を発生させて特定周波数の励磁磁界(磁場)を形成し、座標指示器1の共振回路11がこの特定周波数を含む時間によって変化する磁場と結合することによって信号等を取得する。
更に、共振回路11におけるセンサコイル111とコンデンサを利用することにより、特定の周波数の時間によって変化する磁場に変換され、コンデンサと共振回路11のダイオード回路により直流の電気エネルギーに変換されてコンデンサに蓄えら、座標指示器1のクロック生成回路12、制御回路13等の動作に必要な電力となる。
【0009】
チャージ期間T1が過ぎた後は、
図5〜
図7に示すように、座標指示器1がコマンド受信期間T2にあるとき、センサコイル111はコマンド受信期間T2において電磁誘導型座標測位装置2が出力したコマンド信号S1を受信する。ここで、コマンド信号S1は固定のビット数を有し、例えば20ビットであっても良い。
また、クロック生成回路12は、動作中にクロック信号CLKを生成し、このクロック信号CLKは、座標指示器1及び電磁誘導型座標測位装置2を動作させるための共通するクロック信号として使用され、例えばクロック信号CLKの周波数は、450KHz、500KHz、750kHz、又は1MHz等であることができる。
チャージ期間T1は固定の時間の長さを有するので、制御回路13は、クロック信号CLKに基づいて座標指示器1がコマンド受信期間T2に既にあることを知ることができる。
制御回路13はコマンド受信期間T2にコマンド信号S1を復号して、制御回路13が、コマンド信号S1が複数の予め設定されたコマンド(事前設定コマンド)のどれに該当するのか判断する。具体的には、事前設定コマンドの数は4種類でも良く、制御回路13はコマンド信号S1が第1の事前設定コマンド、第2の事前設定コマンド、第3の事前設定コマンド、又は第4の事前設定コマンドであると判断することができる。
コマンド信号S1がどの事前設定コマンドであるか判断した後、制御回路13はコマンド信号S1に基づいて対応するデータ信号S2を選択する。ここで、データ信号S2は固定の数の複数のビットを含む。コマンド受信期間T2を過ぎた後は、制御回路13はクロック信号CLKに基づいて座標指示器1がデータ送信期間T3にあることも知ることができる。
データ送信期間T3において、制御回路13は、電磁誘導型座標測位装置2が送信したコマンド信号S1に応答するように、コマンド信号S1に対応するデータ信号S2を電磁誘導型座標測位装置2へ送るようにセンサコイル111にトリガーをかけ、更に、センサコイル111は、データ送信期間T3中に、データ信号S2の複数のビットを電磁誘導型座標測位装置2に順次送信する。ここで、各ビットの送信時間は固定値である。
具体的には、第1の事前設定コマンド、第2の事前設定コマンド、第3の事前設定コマンド、及び第4の事前設定コマンドにそれぞれ第1のデータ信号、第2のデータ信号、第3のデータ信号、第4のデータ信号が対応するとし、且つデータ信号S2が18ビットの場合を例にとり説明する。
第1のデータ信号、第2のデータ信号、第3のデータ信号、及び第4のデータ信号がいずれも18ビットを備えるものとし、制御回路13はコマンド信号S1が第3の事前設定コマンドであると判断した場合には、制御回路13がコマンド信号S1に対応するデータ信号S2が第3のデータ信号であるとして選択する。そして、
図5〜
図7に示すように、制御回路13は、第3のデータ信号の18ビット(0ビット(bit)目から17ビット目)を、データ送信期間T3の固定の送信時間で電磁誘導型座標測位装置2に順次送信するようにセンサコイル111をトリガーする。なお、その他の場合についても同様の取り扱いがなされるので説明を省略する。
このようにして、座標指示器1と電磁誘導型座標測位装置2との間の通信手順が完了する。その後、座標指示器1は、電磁誘導型座標測位装置2によって送信された他のコマンド信号S1に応答するように、チャージ手順、コマンド受信手順、及びデータ送信手順を繰り返し実行でき、座標指示器1は、電磁誘導型座標測位装置2と他の通信手順を実行できる。なお、本実施形態では、制御回路13は、特定用途向けの集積回路(ASIC)によって実現されても差し支えない。
このように、コマンド信号S1の長さは固定の長さなので、制御回路13のコマンド信号S1に対する復号手順が簡単になり、電磁誘導型座標測位装置2の動作周波数と比較して、座標指示器1は低い周波数で操作することができ、例えば、座標指示器1を動作させるための周波数は電磁誘導型座標測位装置2の動作周波数の半分程度で足りる。
さらに、チャージ期間T1、コマンド受信期間T2、及びデータ送信期間T3はすべて固定されており、データ信号S2の長さも固定されており、座標指示器1の各回路素子は、クロック信号CLKに基づいて電磁誘導型座標測位装置2と同期して動作することができ、座標指示器1の各回路素子はデジタル論理回路で構成した専用の集積回路でも実現できるので、回路構成も比較的簡単で消費電力も少なくできる。
本実施形態では、異なる変調技法によれば、共振回路11は、特定の周波数(Frequency Shift Keying,FSK)、位相(Phase Shift Keying,PSK)、若しくは振幅(Amplitude Shift Keying,ASK)でデータ信号S2を電磁誘導型座標測位装置2に送信できる。
【0010】
また、
図3に示すように、座標指示器1は、電源回路14をさらに備える。 電源回路14は、共振回路11、クロック生成回路12、制御回路13等の座標指示器1の各回路素子に接続されている。
センサコイル111は、チャージ期間T1中に磁気エネルギーを電気エネルギーに変換して蓄電し、電源回路14を介して、特定の周波数の時の磁界を直流電源に変換し、上述した座標指示器1の各回路素子の動作に必要な安定した電源を供給する。
本実施形態では、電磁誘導型座標測位装置2がコマンド信号S1を送信する前に、電磁誘導型座標測位装置2は更にトリガー信号を送信し、センサコイル111はクロック信号CLKに基づいてこのトリガー信号を受信する。
制御回路13は、コマンド受信期間T2における最初の立ち上がりエッジ(rising edge)を受信トリガー信号とする。制御回路13はさらに、トリガー信号に基づいて、トリガー信号の後に受信された信号が、トリガー信号によるノイズではなく、コマンド信号S1であることを確認する。制御回路13は、トリガー信号に基づいてコマンド信号S1を復号して、座標指示器1と電磁誘導型座標測位装置2との間の通信品質を向上させることができる。
本実施形態では、コマンド信号S1は、同じ周波数の連続し且つ中断しない励起信号を含み、異なる事前設定コマンドに基づき、異なるコマンド信号S1が励起信号の存在下にある時間の長さは同じではない。
たとえば、次の表1に示すように、第1の事前設定コマンド、第2の事前設定コマンド、第3の事前設定コマンド、及び第4の事前設定コマンドがデジタル信号であり、すべて20ビットの場合を例に取り、「1」を以って励起信号を表すものとする。
次の表1のように、第1の事前設定コマンドには4個の同じ周波数の連続した励起信号が含まれ、第2の事前設定コマンドには8個の同じ周波数の連続した励起信号が含まれ、第3の事前設定コマンドには12個の同じ周波数の連続した励起信号が含まれ、第4の事前設定コマンドには16個の同じ周波数の連続した励起信号が含まれる。
これにより、予め設定された4つのコマンドに基づく同一周波数の連続した励磁信号の長さが異なり、制御回路13は、コマンド受信期間T2における連続した励磁信号を含むコマンド信号S1の時間の長さを判断要素とすることにより、コマンド信号S1が第1の事前設定コマンド、第2の事前設定コマンド、第3の事前設定コマンド、或いは第4の事前設定コマンドであると判断できる。センサコイル111は、対応する第1のデータ信号、第2のデータ信号、第3のデータ信号又は第4のデータ信号を電磁誘導型座標測位装置2に送信するようにトリガーされる。
【0012】
本実施形態では、前述の複数の事前設定コマンドは、圧力値データ返信コマンド、出荷日データ返信コマンド、及び識別(ID)データ返信コマンド等を含む。電磁誘導型座標測位装置2はコマンド信号S1を送信して、座標指示器1にその識別データ、出荷日データ、又は電磁誘導型座標測位装置2に適用される圧力値データを要求する。
制御回路13は、連続した励磁信号を含むコマンド信号S1の時間の長さに基づいて、コマンド信号S1が識別データ返信コマンド、出荷日データ返信コマンド、または圧力値データ返信コマンドであることを判別できる。
そして、制御回路13は、センサコイル111をトリガーして、識別データ、出荷日データ、又は圧力値データを含むデータ信号S2を対応するように送信する。すなわち、前述の第1データ信号、第2データ信号、及び第3データ信号は、それぞれ識別データ、出荷日データ、圧力値データを含む。詳細には、
図3に示すように、座標指示器1は更に、ストレージ回路16を含み、ストレージ回路16は、電子的に消去が可能な書き換え可能ROM(EEPROM)又はフラッシュメモリーでも良い。
ストレージ回路16は、電源回路14および制御回路13に接続されている。ストレージ回路16は、座標指示器1の識別データと出荷日データを記憶している。
制御回路13は、コマンド信号S1が識別データ返信コマンドであると判断すると、制御回路13は、データ信号S2に識別データを含ませるように、ストレージ回路16が座標指示器1の識別データを出力するように制御する。
【0013】
図5に示すように、コマンド受信期間T2が経過すると、識別データ返信コマンドのコマンド信号S1に応答するように、センサコイル111は、データ送信期間T3において、識別データを含むデータ信号S2を電磁誘導型座標測位装置2に送信する。
または、制御回路13が、コマンド信号S1が出荷日データ返信コマンドであると判断した場合、制御回路13は、ストレージ回路16を制御して、データ信号S2に出荷日データが含まれるように、座標指示器1の出荷日データを出力し、センサコイル111は、出荷日データ返信コマンドのコマンド信号S1に応答するように、出荷日データを含むデータ信号S2を電磁誘導型座標測位装置2に送信する。
本実施形態では、ストレージ回路16は、座標指示器1の色データを更に記憶することができる。制御回路13が、コマンド信号S1が識別データ返信コマンドであると判断すると、制御回路13は、データ信号S2に識別データと色データを含ませるように、ストレージ装置16を制御して、座標指示器1の識別データと色データを出力する。
センサコイル111は、データ送信期間T3において、識別データおよび色データを含むデータ信号S2を電磁誘導型座標測位装置2に送信する。電磁誘導型座標測位装置2は、色データを受信した後に、赤、緑、青、又は黒等の前述の色データに従って対応する色を表示することができる。
【0014】
本実施形態では、
図3および
図4に示すように、座標指示器1は、エネルギー変換回路19、フィルターアンプ回路18、及びA/D(アナログ/デジタル)変換回路10を更に含む。
また、これらの構造としては、エネルギー変換回路19の構造は、共振回路11を跨るように又は一致するように配置することができる。エネルギー変換回路19は、フィルターアンプ回路18に結合される。フィルターアンプ回路18は、A/D変換回路10に接続される。制御回路13は、圧力値を受信するようにA/D変換回路10に結合されている。
エネルギー変換回路19は、可変コンデンサ、可変抵抗器、又は可変インダクタンスとすることができ、エネルギー変換回路19は、座標指示器1によって電磁誘導型座標測位装置2に加えられる圧力に応じてアナログの圧力信号を生成することができる。
フィルターアンプ回路18は、アナログの圧力信号をフィルタリングして増幅することができ、A/D変換回路10は、このフィルタリングと増幅が行われたアナログの圧力信号を受信し、それをデジタル値に変換する。
【0015】
図6に示すように、制御回路13は、A/D変換回路10を制御して、チャージ期間T1のA/D変換期間T12中にアナログ信号をデジタル信号に変換して、アナログの圧力信号をデジタルの圧力値に変換する。
【0016】
あるいは、
図7に示すように、制御回路13は、コマンド受信期間T2とデータ送信期間T3との間のA/D変換期間T4にA/D変換を行うようにA/D変換回路10を制御して、上述した圧力値を生成してもよい。
これに基づいて、制御回路13がコマンド受信期間T2中にコマンド信号S1が圧力値データ返信コマンドであると判断すると、制御回路13は、センサコイル111をトリガーして、データ送信期間T3中に、圧力値を含むデータ信号S2を電磁誘導型座標測位装置2に送信し、電磁誘導型座標測位装置2が圧力値を受信した後、電磁誘導型座標測位装置2は、圧力値に応じてそのワークスペース29の対応する座標に異なる太さの線を表示し又は異なる濃さの線を表示できる。
【0017】
本実施形態では、
図4に示されるように、共振回路11は、ダイオード115、117、及び電圧レギュレータ116を更に含む。ダイオード115、117、及び電圧レギュレータ116は、電源端子Vccとグランド端子GNDとの間に並列に接続される。電圧レギュレータ116は、ツェナー(Zener)ダイオード又は電圧調整器(Voltage Regulator)によって構成されてもよく、
図4はツェナーダイオードで構成した場合を示している。
【0018】
本実施形態では、座標指示器1は、
図1に示すようにペン先T及びペン尻Eを含み、
図3のエネルギー変換回路19は、エネルギー変換回路19Tおよびエネルギー変換回路19Eを含む。また、センサコイル111とエネルギー変換回路19Tはペン先Tに配置され、エネルギー変換回路19Eはペン尻Eに設けられている。
エネルギー変換回路19Tは、ペン先Tが電磁誘導型座標測位装置2に加えた圧力を感知して、ペン先Tのアナログの圧力信号を生成する。A/D変換回路10がペン先Tのアナログの圧力信号をデジタル値に変換した後、センサコイル111は、ペン先Tの圧力値とペン先Tの動作を示すペン先の移動情報を、電磁誘導型座標測位装置2に送信する。また、データ信号S2は、ペン先Tの圧力値と上述したペン先の移動情報を含む。
電磁誘導型座標測位装置2は、ペン先Tの圧力値とペン先の移動情報を受信すると、ワークスペース29にペン先Tの太さが異なる線跡や色の濃淡が異なる線を表示する。
【0019】
また、
図3に示すように、共振回路11は、共振回路11Tと共振回路11Eを含み、座標指示器1は
図4に示すように(第2の)センサコイル112を更に含んでもよい。共振回路11Tと共振回路11Eは、ペン先Tとペン尻Eにそれぞれ設けられ、センサコイル111は共振回路11Tに設けられ、センサコイル112はペン尻Eの共振回路11Eに設けられる。
構造的には、エネルギー変換回路19Eの構造は、共振回路11Eを跨るように又は一致するように配置することができる。エネルギー変換回路19Eは、可変コンデンサ、可変抵抗、又は可変インダクタンスで構成しても差し支えない。エネルギー変換回路19Eは、ペン尻Eによって電磁誘導型座標測位装置2に加えた圧力を感知して、他のアナログの圧力信号を生成し得る。
エネルギー変換回路19Eは、ペン尻Eでのアナログの圧力信号を、フィルターアンプ回路18を介してA/D変換回路10に送信する。A/D変換回路10は、アナログ/デジタル変換して、ペン尻Eにおけるアナログの圧力信号を他のデジタルの圧力値に変換する。
制御回路13が、コマンド信号S1が圧力値データ返信コマンドであると判断し、ユーザがペン尻Eで電磁誘導型座標測位装置2に圧力を加えると、制御回路13は、データ信号S2にペン尻Eの先端の圧力値とペン尻の先端の動きに関する情報を含ませるように、センサコイル112をトリガーしてペン尻Eの圧力値とペン尻Eの先端の動きに関する情報を、電磁誘導型座標測位装置2に出力する。
電磁誘導型座標測位装置2がペン尻Eの圧力値とペン尻の先端の動きに関する情報を受信した後、電磁誘導型座標測位装置2は、ユーザ定義に基づいて、ペン尻Eの圧力値等に応じて、ワークスペース29の対応する座標に異なるサイズの消しゴム機能や描画スプレー機能を発揮することができる。
【0020】
また、
図1と
図2に示すように、座標指示器1は、ペン先Tとペン尻Eとの間に接続されたペン本体Bを更に備え、座標指示器1は、エネルギー変換回路19S、及びサイドボタン17を備える。ペン本体Bにおいて、エネルギー変換回路19Sは、電源回路14、フィルターアンプ回路18、及びサイドボタン17に結合される。
例えば、ユーザが座標指示器1を握る力によってサイドボタン17を押すと、サイドボタン17は、上記の押圧を受け付ける。サイドボタン17は、エネルギー変換回路19Sと連動して、前述のユーザの力に従って、サイドボタン17に対応するアナログの圧力信号を生成することができる。
これに基づいて、前述の事前設定コマンドは、サイドボタン17に対応する他の圧力値データ返信コマンドをさらに含む。制御回路13が、コマンド信号が前述の他の圧力値データ返信コマンドであると判断すると、制御回路13は、A/D変換回路10を制御して、対応するサイドキー17のキーと当該キーから生ずる圧力値を生成することができる。すなわち、データ信号 S2には、対応するサイドキー17が、(複数ある場合にはそのうちの)どのサイドキー17かという情報に加え、当該キーによって生成された圧力値が含まれる。
制御回路13は、センサコイル111又はセンサコイル112をトリガーして、対応するサイドボタン17のキー値(どのサイドボタン17が押されたかという情報)と、その押されたサイドボタン17の圧力値を送信する。つまり、座標指示器1は、電磁誘導型座標測位装置2に適用されたペン先Tとペン尻Eの圧力値を送信でき、更に、サイドボタン17に対応するキー値と圧力値を電磁誘導型座標測位装置2に送信することもできる。
電磁誘導型座標測位装置2がサイドボタン17に対応するキー値と圧力値を受信した後、電磁誘導型座標測位装置2は、座標指示器1を握る力によって、例えば、ユーザの感情の変化を判断したり、感情障害や幼児を早期に治療したりする等のカスタマイズを行っても良い。
本実施形態では、前述のデータ信号S2は、一例として18ビットである。データ信号S2が出荷日データである場合、データ信号S2は、5ビットの年次データ、4ビットの月次データ、5ビットの日次データ、及び4ビットの時間データを含み得る。
また、データ信号S2が識別データ及び色データを含む場合、識別データは16ビットであって、色データは2ビットであっても良い。更に、データ信号S2が圧力値を含む場合、データ信号S2は、14ビットの圧力値、2ビットのペン先情報又はペン尻情報に加え、ユーザが、座標指示器1のどのサイドキー17を押したかを示す2ビットのキー値を含んでも良い。
【0021】
本実施形態では、
図5から
図7に示すように、座標指示器1がチャージ手順の完了を確実に把握するために、チャージ期間T1とコマンド受信期間T2との間にディレイ期間TD1がある。
【0022】
さらに、
図5〜
図7に示すように、コマンド受信期間T2において、センサコイル111は、受信期間T21中にコマンド信号S1を受信し、受信期間T21が過ぎた後でも、コマンド受信期間T2には、データ信号S2がレジスタ回路15に格納され、データ信号S2の送信準備手順を確実に完了するため、ディレイ期間T22をさらに含む。
【0023】
例えば、
図5および
図6に示すように、コマンド信号S1が圧力値データ返信コマンドでない場合、ディレイ期間T22は、受信期間T21とデータ送信期間T3との間にある。
【0024】
また、
図7に示すように、コマンド信号S1が圧力値データ返信コマンドである場合、A/D変換回路10が出力した圧力値をデータ信号S2としてレジスタ回路15に確実に格納し、データ信号S2の送信準備手順を確実に完了するため、A/D変換期間T4の後に遅延期間TD2を更に含む。
【0025】
図8を参照して説明する。ここで、
図8は4つのコマンド信号S1がそれぞれ異なる長さの連続した励起信号を含むことを示している。
図8に示すように、センサコイル111は、コマンド受信期間T2において、異なる時間の長さの連続した励磁信号に基づいて、異なる時間の長さのセンサ信号を生成することができるので、座標指示器1と電磁誘導型座標測位装置2は双方向通信を行うことができる。
本実施形態では、座標指示器1は、共振回路11、クロック生成回路12、制御回路13、電源回路14、及びストレージ回路16に結合されたレジスタ回路15をさらに含む。レジスタ回路15は、上述した出荷日データ、識別データ、色データに加え、ペン先T及びペン尻Eの圧力値、ペン先及びペン尻の動作に関する情報、キー値等のコマンド信号S1とデータ信号S2を格納することができる。制御回路13は、レジスタ回路15に格納されるデータ信号S2を制御することができる。
本実施形態では、エネルギー変換回路19は、抵抗値、容量値、又はインダクタンス値を変化させることによりアナログの圧力信号を変化させることを利用して、異なるレベルの変化を適切に検査して解析することができる。
なお、チャージ期間T1、コマンド受信期間T2、データ送信期間T3、及びA/D変換期間T4の長さは固定の長さであるが、座標指示器1の種類、生産プロセス、又はアプリケーションに基づいてチャージ期間T1、コマンド受信期間T2、データ送信期間T3、及びA/D変換期間T4の長さを設計者が設定しても良い。
【0026】
以上のように、本発明の座標指示器1の実施形態によれば、圧力信号はデジタル信号の形式で電磁誘導型座標測位装置2に送信される。アナログの圧力信号と比較して、圧力値は座標指示器1が直接検出して分析する。
したがって、デジタル信号の圧力信号は比較的安定しており、アナログの圧力信号が電磁誘導型座標測位装置2に送信されてアナログの圧力を検知できないことにより生ずるエラーの可能性を低減でき、高度な分析能力を備える。
つまり、位相又は周波数の変化に関連する静電容量又はインダクタンスの変化を以って座標指示器1の圧力の変化を検出するよりも高い安定性が得られる。更に、A/D変換回路10は、圧力値を高い分解能で得ることができ、電磁誘導型座標測位装置2との間の双方向通信の速度が向上し、レポートレート(report rate)を高めることができる。
さらに、チャージ期間、コマンド受信期間、データ送信期間、A/D変換期間はすべて固定されており、コマンド信号S1とデータ信号S2の長さも固定されていることから、コマンド信号S1の復号処理が簡単に行える。
また、座標指示器1の各回路素子は、クロック信号CLKに基づいて電磁誘導型座標測位装置2と同期して動作することができ、座標指示器1の各回路素子は、デジタル論理回路の専用の集積回路で実現でき、座標指示器1は、より低い周波数でも動作でき、回路構成が簡単で、消費電力が少ない。
【0027】
本発明のこれらの実施形態は例示に過ぎず、本発明の実質的な内容から逸脱しない限り、当業者は本発明に基づいて様々な改変や変形ができるが、これらの改変等を行った発明についても特許請求の範囲に含まれるものとする。