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特許6985475取付け可能な電子デバイスホルダのためのシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6985475
(24)【登録日】2021年11月29日
(45)【発行日】2021年12月22日
(54)【発明の名称】取付け可能な電子デバイスホルダのためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   B60R 11/02 20060101AFI20211213BHJP
【FI】
   B60R11/02 T
【請求項の数】23
【外国語出願】
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2020-145217(P2020-145217)
(22)【出願日】2020年8月31日
(62)【分割の表示】特願2017-516503(P2017-516503)の分割
【原出願日】2015年9月22日
(65)【公開番号】特開2021-2048(P2021-2048A)
(43)【公開日】2021年1月7日
【審査請求日】2020年9月16日
(31)【優先権主張番号】62/054,871
(32)【優先日】2014年9月24日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513181366
【氏名又は名称】ナイト・アイズ,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【弁理士】
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100117411
【弁理士】
【氏名又は名称】串田 幸一
(72)【発明者】
【氏名】オームスビー,ボウデン
(72)【発明者】
【氏名】アデルマン,グレゴリー・エム
(72)【発明者】
【氏名】コア,イアン・エム
【審査官】 瀬戸 康平
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2012/0097723(US,A1)
【文献】 特開2006−112592(JP,A)
【文献】 実開平3−82158(JP,U)
【文献】 特開2006−245295(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0138419(US,A1)
【文献】 特表2011−523829(JP,A)
【文献】 米国特許第6888940(US,B1)
【文献】 中国実用新案第202854644(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 11/00
F16B 2/00
F16M 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子デバイスを保持するためのシステムであって、
本体(140)と、
電子デバイスを前記本体に接続するための接続デバイスであって、前記接続デバイスは、前記本体に取り付けられる半円形部分(145)と、磁力を介して前記半円形部分に取り外し可能に取り付けられる取り外し可能なプレート(150)とを含み、前記半円形部分が、磁性の外層を有する中空のボールの一部分として形成される、接続デバイスと、
乗物の換気システムに取り付けられる一体のクリップ(130)であって、上部(110)と、下部(120)と、前記上部と前記下部との間の曲がり部分(230)とを有し、前記本体に取り付けられる、クリップと、
前記本体内に配向されかつ前記クリップと連通するカムレバー(135)であって、第1の位置および第2の位置を有し、前記第1の位置が、前記カムレバーが前記クリップと係合しないことを特徴とし、前記第2の位置が、前記カムレバーが前記クリップと係合して前記クリップの前記上部および前記下部を押し合わせることを特徴とする、カムレバーと、を備える、システム。
【請求項2】
前記本体は、かみ合う形で組み合わさる第1の本体部分(140A)と第2の本体部分(140B)と、前記第1の本体部分と前記第2の本体部分との間にあるスペーサ(220)とを含み、
前記カムレバーが、前記スペーサに取り付けられ、前記カムレバーが、前記カムレバーの第1の側面が前記カムレバーの第2の側面よりも短い距離だけ前記スペーサから延在するように、非対称形状とされ、前記第2の位置では、前記第2の側面が前記クリップを押し、前記第1の位置では、前記第1の側面が前記クリップに接触する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記クリップが、V字形状を有し、前記V字形状の交点が、前記本体内に配置され、前記上部および前記下部が、前記V字形状の端部に配置される、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記上部および前記下部が、前記V字形状の前記交点に近接した前記クリップよりも幅広であり、前記上部および前記下部の各々は、平らなU字形状またはV字形状である、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記クリップの前記上部および前記下部が、自動車の通気システムと係合するために相補的に距離を置いて位置決めされる、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記クリップの前記上部および前記下部が、通気口の垂直羽根板と係合するための切抜き部分を含む、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記上部および前記下部が、ゴム引き被覆を含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記カムレバーが、前記クリップが前記通気システムと係合するときに、前記カムレバーが留め具として機能して前記通気システムの羽根板が閉じるのを防ぐように、前記本体に対して位置決めされる、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記取り外し可能なプレートは磁気リング部品として画定される、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記磁気リング部品は、前記本体に取り付けられる円形磁石を含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記取り外し可能なプレートが、磁化可能な材料を含み、前記半円形部分が、磁化可能な材料を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記取り外し可能なプレートおよび前記半円形部分のうちの一方が、磁石を含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記取り外し可能なプレートが、前面を有し、前記前面が、くぼみを有し、前記くぼみが、前記半円形セクションの湾曲した端部を受け入れることができ、かつ、前記半円形セクションの前記湾曲した端部の全直径に満たない一部分を包囲することができるサイズとされ、前記取り外し可能なプレートが、高摩擦エラストマ材料の第1の部品を含み、前記高摩擦エラストマ材料の第1の部品が、前記取り外し可能なプレートの前記くぼみ内に配置され、前記磁化可能な材料が前記高摩擦エラストマ材料の第1の部品を取り囲むように前記取り外し可能なプレートの前記磁化可能な材料が位置決めされる、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
高摩擦エラストマ材料の第2の部品が、前記磁化可能な材料を取り囲む、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
水平および垂直の羽根板を有する通気口を含む換気システムを備えた乗物における、電子デバイスを取り付けるためのシステムであって、
かみ合う形で組み合わさる第1の本体部分(140A)と第2の本体部分(140B)と、前記第1の本体部分と前記第2の本体部分との間にあるスペーサ(220)とを含む本体(140)と、
電子デバイスを前記本体に接続するための接続デバイスであって、前記接続デバイスは、前記本体に取り付けられる半円形部分(145)と、磁力を介して前記半円形部分に取り外し可能に取り付けられる取り外し可能なプレート(150)とを含み、前記半円形部分が、磁性の外層を有する中空のボールの一部分として形成される、接続デバイスと、
乗物の換気システムに取り付けられるクリップ(130)であって、上部(110)および下部(120)を有し、前記本体に取り付けられるクリップであって、V字形状を有し、前記V字形状の交点が、前記本体内に配置され、前記上部および前記下部が、前記V字形状の端部に配置され、前記上部および前記下部が、前記V字形状の前記交点に近接した前記クリップよりも幅広である、クリップと、
前記本体の前記スペーサと回転可能に接続されかつ前記クリップと連通するカムレバー(135)であって、第1の位置および第2の位置を有し、前記第1の位置が、前記カムレバーが前記クリップと係合しないことを特徴とし、前記第2の位置が、前記カムレバーが前記クリップと係合して、前記クリップの前記上部および前記下部を押し合わせて前記通気口の水平羽根板を挟持することを特徴とする、カムレバーと、を備える、システム。
【請求項16】
前記クリップの前記上部および前記下部が、自動車の通気システムと係合するために相補的に距離を置いて位置決めされる、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記クリップは、前記上部と前記下部との間の曲がり部分(230)を有する一体のクリップ(130)であり、
前記クリップの前記上部および前記下部の各々が、通気口の垂直羽根板と係合するための切抜き部分を画定する平らなU字形状またはV字形状を含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記取り外し可能なプレートが、磁化可能な材料を含み、前記半円形部分が、磁化可能な材料を含み、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記取り外し可能なプレートおよび前記半円形部分のうちの一方が、磁石を含む、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記取り外し可能なプレートが、前面を有し、前記前面が、くぼみを有し、前記くぼみが、前記半円形セクションの湾曲した端部を受け入れることができ、かつ、前記半円形セクションの前記湾曲した端部の全直径に満たない一部分を包囲することができるサイズとされ、前記取り外し可能なプレートが、高摩擦エラストマ材料の第1の部品を含み、前記高摩擦エラストマ材料の第1の部品が、前記取り外し可能なプレートの前記くぼみ内に配置され、前記磁化可能な材料が前記高摩擦エラストマ材料の第1の部品を取り囲むように前記取り外し可能なプレートの前記磁化可能な材料が位置決めされる、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
高摩擦エラストマ材料の第2の部品が、前記磁化可能な材料を取り囲む、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
電子デバイスを通気口に取り付ける方法であって、前記方法が、
電子デバイスを取り付けるためのシステムを用意するステップであって、前記システムが、
かみ合う形で組み合わさる第1の本体部分(140A)と第2の本体部分(140B)と、前記第1の本体部分と前記第2の本体部分との間にあるスペーサ(220)とを含む本体(140)と、
電子デバイスを前記本体に接続するための接続デバイスであって、前記接続デバイスは、前記本体に取り付けられる半円形部分(145)と、磁力を介して前記半円形部分に取り外し可能に取り付けられる取り外し可能なプレート(150)とを含み、前記半円形部分が、磁性の外層を有する中空のボールの一部分として形成される、接続デバイスと、
乗物の換気システムに取り付けられるクリップ(130)であって、上部(110)および下部(120)を有し、前記本体に取り付けられるクリップであって、V字形状を有し、前記V字形状の交点が、前記本体内に配置され、前記上部および前記下部が、前記V字形状の端部に配置され、前記上部および前記下部が、前記V字形状の前記交点に近接した前記クリップよりも幅広である、クリップと、
前記本体の前記スペーサと回転可能に接続されかつ前記クリップと連通するカムレバーであって、第1の位置および第2の位置を有し、前記第1の位置が、前記カムレバーが前記クリップと係合しないことを特徴とし、前記第2の位置が、前記カムレバーが前記クリップと係合して、前記クリップの前記上部および前記下部を押し合わせて挟持することを特徴とする、カムレバーと、を備える、システムを用意するステップと、
前記クリップの前記上部および前記下部を前記通気口の水平の通気口羽根板の両面上に配置するステップと、
前記カムレバーを前記第1の位置から前記第2の位置へ回転させるステップと、
前記水平の通気口羽根板を挟持するステップと、を含む、方法。
【請求項23】
前記取付けデバイスの一部分である取り外し可能なプレートを前記電子デバイスに取り付けるステップと、
前記半円形部分を前記取り外し可能なプレートに係合させるステップであって、前記取り外し可能なプレートが、磁化可能な材料を含み、前記半円形部分が、磁化可能な材料を含む、ステップと、をさらに含む、請求項22に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
スマートフォンを含む電子デバイスは、至る所で目にするようになってきて、ユーザにナビゲーション、情報、および娯楽のための様々なツールを提供している。これらのデバイスは、ユーザがデバイスを直接保持または操作していないときでさえ、音声情報および視覚情報をユーザに送達することができる。ユーザは、電子デバイスまたはスマートフォンから情報を受け取るのと同時に、自動車または他の乗物などの他のものを操作したいと望む場合がある。電子デバイスから情報を受け取るために、デバイスは、ユーザがデバイスを見ることができるように配向されることを必要とし得る。したがって、デバイスのためのホルダが望ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
1つの実施形態では、電子デバイスを保持するためのシステムが、本体と、電子デバイスを本体に接続するための接続デバイスであって、その少なくとも一部分が本体に取り付けられる接続デバイスと、を含む。システムは、上部および下部を有するクリップをさらに含み、クリップは、本体に取り付けられる。システムは、本体内に配向されかつクリップと連通するカムレバーをさらに含み、カムレバーは、第1の位置および第2の位置を有し、第1の位置は、カムレバーがクリップと係合しないことを特徴とし、第2の位置は、カムレバーがクリップと係合して、クリップの上部および下部を押し合わせることを特徴とする。場合により、カムレバーは、本体に相互接続された枢支点に取り付けられ、また、前記枢支点の周りに回転するカムレバーは、カムレバーの第1の側面がカムレバーの第2の側面よりも短い距離だけ枢支点から延在するように非対称形状とされ、第2の位置では、第2の側面がクリップを押し、第1の位置では、第1の側面がクリップに接触する。1つの構成では、クリップは、V字形状を有し、V字形状の交点は、本体内に配置され、上部および下部は、V字形状の端部に配置される。場合により、上部および下部は、V字形状の交点に近接したクリップよりも幅広である。あるいは、クリップの上部および下部は、自動車の通気システムと係合するために相補的に距離を置いて位置決めされる。1つの代替形態では、クリップの上部および下部は、通気口の垂直羽根板と係合するための切抜き部分を含む。場合により、上部および下部は、ゴム引き被覆を含む。あるいは、取付けデバイスは、半円形部分を含む。場合により、取付けデバイスは、取り外し可能なプレートを含み、取り外し可能なプレートは、磁化可能な材料を含み、半円形部分は、磁化可能な材料を含み、取り外し可能なプレートは、磁力を介して半円形部分に取り外し可能に取り付けられる。1つの構成では、取り外し可能なプレートおよび半円形部分のうちの一方が、磁石を含む。別の構成では、取り外し可能なプレートは、前面を有し、前述の前面は、くぼみを有し、前述のくぼみは、半円形セクションの湾曲した端部を受け入れることができ、かつ、半円形セクションの湾曲した端部の全直径に満たない一部分を包囲することができるサイズとされ、取り外し可能なプレートは、高摩擦エラストマ材料の第1の部品を含み、高摩擦エラストマ材料の第1の部品は、前述の取り外し可能なプレートのくぼみ内に配置され、取り外し可能なプレートの磁化可能な材料は、高摩擦エラストマ材料の第1の部品を取り囲むように位置決めされる。場合により、高摩擦エラストマ材料の第2の部品が、磁化可能な材料を取り囲む。
【0003】
別の実施形態では、通気換気システムを有する乗物における、電子デバイスを取り付けるためのシステムは、水平および垂直の羽根板を有する通気口を備え、システムは、本体と、電子デバイスを本体に接続するための接続デバイスであって、その少なくとも一部分が本体に取り付けられる接続デバイスと、を含む。システムは、上部および下部を有するクリップをさらに含み、クリップは本体に取り付けられる。クリップは、V字形状を有し
、V字形状の交点が、本体内に配置され、上部および下部は、V字形状の端部に配置され、上部および下部は、V字形状の交点に近接したクリップよりも幅広である。システムは、本体内に配向されかつクリップと連通するカムレバーをさらに含み、カムレバーは、第1の位置および第2の位置を有し、第1の位置は、カムレバーがクリップと係合しないことを特徴とし、第2の位置は、カムレバーがクリップと係合して、クリップの上部および下部を押し合わせて通気口の水平羽根板を挟持することを特徴とする。場合により、クリップの上部および下部は、自動車の通気システムと係合するために相補的に距離を置いて位置決めされる。あるいは、クリップの上部および下部は、通気口の垂直羽根板と係合するための切抜き部分を含む。場合により、カムレバーは、クリップが通気システムに係合するときにカムレバーが留め具として機能して通気システムの羽根板が閉じるのを防ぐように、本体に対して位置決めされる。1つの構成では、半円形部分は、中空のボールの一部分である。場合により、取付けデバイスは、半円形部分を含み、また、取付けデバイスは、取り外し可能なプレートを含み、取り外し可能なプレートは、磁化可能な材料を含み、半円形部分は、磁化可能な材料を含み、取り外し可能なプレートは、磁力を介して半円形部分に取り外し可能に取り付けられる。1つの構成では、取り外し可能なプレートおよび半円形部分のうちの一方は、磁石を含む。1つの代替形態では、取り外し可能なプレートは、前面を有し、前述の前面は、くぼみを有し、前述のくぼみは、半円形セクションの湾曲した端部を受け入れることができ、かつ、半円形部分の湾曲した端部の全直径に満たない一部分を包囲することができるサイズとされ、取り外し可能なプレートは、高摩擦エラストマ材料の第1の部品を含み、高摩擦エラストマ材料の第1の部品は、前述の取り外し可能なプレートのくぼみ内に配置され、取り外し可能なプレートの磁化可能な材料は、高摩擦エラストマ材料の第1の部品を取り囲むように位置決めされる。別の代替形態では、高摩擦エラストマ材料の第2の部品が、磁化可能な材料を取り囲む。
【0004】
1つの実施形態では、電子デバイスを通気口に取り付ける方法が、電子デバイスを取り付けるためのシステムを用意するステップを含み、このシステムは、本体と、電子デバイスを本体に接続するための接続デバイスであって、その少なくとも一部分が本体に取り付けられる接続デバイスと、を含む。システムは、上部および下部を有するクリップをさらに含み、クリップは、本体に取り付けられる。クリップは、V字形状を有し、V字形状の交点が、本体内に配置され、上部および下部は、V字形状の端部に配置され、また、上部および下部は、V字形状の交点に近接したクリップよりも幅広である。システムは、本体内に配向されかつクリップと連通するカムレバーをさらに含み、カムレバーは、第1の位置および第2の位置を有し、第1の位置は、カムレバーがクリップと係合しないことを特徴とし、第2の位置は、カムレバーがクリップと係合して、クリップの上部および下部を押し合わせて挟持することを特徴とする。方法は、クリップの上部および下部を通気口の水平の通気口羽根板の両面上に配置するステップをさらに含む。方法は、カムレバーを第1の位置から第2の位置へ回転させるステップと、水平の通気口羽根板を挟持するステップとをさらに含む。場合により、方法は、取付けデバイスの一部分である取り外し可能なプレートを電子デバイスに取り付けるステップと、半円形部分を取り外し可能なプレートに係合させるステップとを含む。取付けデバイスは、半円形部分を含み、取り外し可能なプレートは、磁化可能な材料を含み、半円形部分は、磁化可能な材料を含み、取り外し可能なプレートは、磁力を介して半円形部分に取り外し可能に取り付けられる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】通気口取付け式電子デバイスホルダの1つの実施形態の斜視図である。
図2図1の通気口取付け式デバイスホルダの分解組立図である。
図3図1の通気口取付け式電子デバイスホルダのクリップの詳細な斜視図である。
図4図1の通気口取付け式デバイスホルダのカムレバーの詳細な斜視図である。
図5図1の通気口取付け式デバイスホルダの本体の破断斜視図である。
図6】使用時の図1の通気口取付け式デバイスホルダの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
通気口取付け式電子デバイスホルダの実施形態は、一般に、乗物の通気口または他の領域への取付けのための取付け端部と、電子デバイスを通気口取付け式電子デバイスに接続するための接続端部とを含む。多くの実施形態では、取付け端部は、乗物の通気口を挟持するクランプ(またはクリップ)部分を含む。クランプ部分は、乗物の冷暖房を実現するほとんどの自動車の通気口への容易な取付けのために、特別なサイズおよび形状とされる。多くの実施形態では、接続端部は、電子デバイスへの取付けのための磁気接続デバイスを含む。様々な代替形態においては、他の相互接続デバイスが使用され得る。
【0007】
図1は、通気口取付け式電子デバイスホルダ100の1つの実施形態の斜視図を示す。この図では、クリップ130の上部110および下部120が見られる。クリップ130の上部110と下部120との間の距離は、いくつかの実施形態では、通気口にぴったり合うように最適化され得る。通気口の羽根板は、おおよそ1〜5mmの厚さであるので、デバイスは、そのような厚さへの把持力を提供するように適応され、かつ、そのような厚さから取り外し可能とされる。一般に、クリップ部分は、乗物の通気口への取付けのために使用される。カムレバー135が、通気口へのクリップ130の保持を強化するために使用される。クリップ130は、本体部分140A、Bに相互接続される。反対側の端部では、半円形部分145が、電子デバイスへの取付けのために使用される。カムレバー135はまた、動作時には、本体部分140A、Bから離れる方向に延在する。この構成では、通気口取付け式電子デバイスホルダ100が通気口に係合するときに、カムレバー135は、留め具レバーとして機能することにより、通気口の羽根板がさらに傾くこと、および通気口が閉じることを防ぐことができる。半円形部分145は、典型的には金属で作られ、また、磁力を帯びることができるか、または、磁力を帯びることができるコアもしくはコア直下の層を含む。半円形部分145は、中空であってもよく、または、いくつかの実施形態では中実とされる場合もある。いくつかの実施形態では、通気口から離れる方向に延在するデバイスの部分がレバーアームとして働き、そのレバーアームの端部の重量の影響が通気口にかかる力を増大させ得るときに、ボールの中空の性質により、通気口取付け式電子デバイスホルダ100によって加えられるトルクが制限される。動作にあたっては、半円形部分は、磁化可能な丸みのある表面を提供する。半円形部分145は、円形磁石155と内側および外側の高摩擦材料160、165とを含む磁気リング部品150と相互作用するように設計される。磁気リング部品は、電子デバイスの表面への取付けのための粘着性背面または他の手段を含む本体170に取り付けられる。あるいは、半円形部分145は、磁気リング部品151と相互作用してもよい。この磁気リング部品151は、本体171に取り付けられた円形磁石155および内側高摩擦材料160を含み、本体171は、電子デバイスの表面への取付けのための粘着性背面または他の手段を含む。磁気リング部品151は、外側高摩擦材料を省略する。これらの磁気リング部品および通気口取付け式電子デバイスホルダ100は、様々な相対的サイズ、および示されたサイズとは異なるサイズで作られてもよく、また、示された全ての部品は、一定の縮尺とは限らない。
【0008】
図2は、通気口取付け式電子デバイスホルダ100の分解組立図を示す。半円形部分145は、本体部分140A、Bと一体化するものとして、切り離されて示されている。本体部分140A、Bは、かみ合う形で組み合わさりかつねじ210を使用して結合される2つの部品に分割されているものとして示されている。ねじ210はまた、カムレバー135およびスペーサ220と相互接続する働きをする。クリップ130は、曲り部分を含むことが明白に分かる。ねじ240が、穴245を貫通して、本体部分140A、Bへの半円形部分145の取付けを実現する。動作にあたっては、ユーザはカムレバー135を回転させ、それが、カムレバー135のその形状およびその回転軸により、レバーをクリ
ップ130に対して圧迫することになり、クリップ130に上部110と下部120との間にある何かを把持させる。上部110および下部120はまた、通気口の把持を向上させるために、ゴム引き被覆を含む。多くの構成において、半円形の形状は、重量、およびクリップが相互接続デバイスにかかるてこ力(levered force)を減少させるために、くりぬかれる。代替形態では、クリップ130は、カムレバーによって制御される代わりにばねで留められるか、または、他の様々な方法で通気口の羽根板に圧力を与えるように適応され得る。
【0009】
図3は、クリップ130の拡大図を示す。この図では、ゴム引き被覆310が明白に分かる。多くの実施形態において、ゴム引き被覆130は、オーバモールド手順を介して適用される。これらの被覆は、40ショアAのデュロメータを有し得る。これらの被覆は、通気口の羽根板へのクリップの把持を向上させる。通気口にたびたび含まれる垂直羽根板に対応するために、間隙320が含まれる。
【0010】
図4は、カムレバー135を詳細な図で示す。カムレバー135は、動作にあたって、開口410の周りに回転する。カムレバー135は、本体部分130上の枢支点のまわりで枢動する開口410に関して、対称的な形状とされていない。代わりに、側面420は、側面430と比較して、開口410の中心から短い距離延在する。したがって、動作にあたって、側面420がクリップ130に係合すると、側面430がクリップ130に係合したときと比較して少ない圧力がクリップに加えられる。さらに、丸みを帯びた隅部440が、開口410の中心からさらに長い距離突出する。したがって、動作にあたって、ユーザがカムレバー135を係合する側面420から係合する側面430へ回転させるときに、隅部440は乗り越えられなければならず、また、隅部440は、かなりの量の圧力が加えられない限り、カムレバー135が回転して側面420に戻るのを防いで、カムレバーを所定の位置に効果的にロックする。カムレバー135は、ポリカーボネートで作られてもよい。いくつかの実施形態では、クリップ130に接触して回転するのを容易にするために、カムレバー135に潤滑油が塗布され得る。
【0011】
図5は、本体部分140Aの破断図を示す。内側のくりぬかれた部分、本体部分140Aは、カムレバー135を取り付けるための開口510を含む。本体部分140Aは、半円形部分145を取り付けるためのねじ穴520をさらに含む。半円形部分145を支持するために、突出部530が本体部分140Aから延在する。本体部分140Aはまた、カムレバー135のための切抜き部540、およびクリップ130のための切抜き部を含む。
【0012】
図6は、動作時の通気口取付け式電子デバイスホルダ100を示す斜視図である。ディスク150が、半円形部分145を介して通気口取付け式電子デバイスホルダ100に取り付けられる。ディスク150は、電子デバイスまたは他の物体に付着する、粘着性背面を含む。ディスク150は、あるいは、電子デバイスまたは任意の他の物体のためのケースに組み込まれてもよい。示された実施形態では、ディスク150は、磁石を含み、半円形部分145は、磁石に引き付けられる金属で構成される。
【0013】
動作にあたっては、通気口取付け式電子デバイスホルダ100のクリップ130は、乗物の換気システムの通気口羽根板に係合する。クリップ130は、カムレバー135に圧力を加えるばねとして機能する。クリップ130が羽根板に係合されると、カムレバー135は回転されることが可能になり、カムレバー135は、開口410に対するカムレバー135の非対称形状に起因して、クリップ130に圧力を加える。このようにして、クリップ130は、通気口羽根板を把持する。デバイスは乗物の通気口と相補的に機能するように設計されているが、クリップ130は、任意の物体に取り付けられてよい。代替実施形態では、通気口取付け式電子デバイスホルダ100は、クリップを別の物体に取り付
けることにより、スタンドとして使用され得る。場合により、通気口取付け式電子デバイスホルダ100のクリップ130およびカムレバー135の部分は、さらにスタンドの基部を形成してもよい。
【0014】
上述の詳細な説明は、通気口取付け式電子デバイスホルダのためのシステムおよび方法を実施するための少数の実施形態に関するものであり、範囲を限定するように意図されたものではない。以下の特許請求の範囲は、開示された通気口取付け式電子デバイスホルダのシステムおよび方法の多くの実施形態をより詳細に説明する。
以上説明したように、本発明は以下の形態を有する。
形態1
電子デバイスを保持するためのシステムであって、
本体と、
電子デバイスを前記本体に接続するための接続デバイスであって、前記接続デバイスの少なくとも一部分が前記本体に取り付けられる接続デバイスと、
上部および下部を有し、前記本体に取り付けられる、クリップと、
前記本体内に配向されかつ前記クリップと連通するカムレバーであって、第1の位置および第2の位置を有し、前記第1の位置が、前記カムレバーが前記クリップと係合しないことを特徴とし、前記第2の位置が、前記カムレバーが前記クリップと係合して前記クリップの前記上部および前記下部を押し合わせることを特徴とする、カムレバーと、
を備える、システム。
形態2
前記カムレバーが、前記本体に相互接続された枢支点に取り付けられ、前記枢支点の周りに回転する前記カムレバーが、前記カムレバーの第1の側面が前記カムレバーの第2の側面よりも短い距離だけ前記枢支点から延在するように、非対称形状とされ、前記第2の位置では、前記第2の側面が前記クリップを押し、前記第1の位置では、前記第1の側面が前記クリップに接触する、形態1に記載のシステム。
形態3
前記クリップが、V字形状を有し、前記V字形状の交点が、前記本体内に配置され、前記上部および前記下部が、前記V字形状の端部に配置される、形態2に記載のシステム。
形態4
前記上部および前記下部が、前記V字形状の前記交点に近接した前記クリップよりも幅広である、形態3に記載のシステム。
形態5
前記クリップの前記上部および前記下部が、自動車の通気システムと係合するために相補的に距離を置いて位置決めされる、形態4に記載のシステム。
形態6
前記クリップの前記上部および前記下部が、通気口の垂直羽根板と係合するための切抜き部分を含む、形態5に記載のシステム。
形態7
前記上部および前記下部が、ゴム引き被覆を含む、形態6に記載のシステム。
形態8
前記カムレバーが、前記クリップが前記通気システムと係合するときに、前記カムレバーが留め具として機能して前記通気システムの羽根板が閉じるのを防ぐように、前記本体に対して位置決めされる、形態6に記載のシステム。
形態9
前記取付けデバイスが、半円形部分を含む、形態8に記載のシステム。
形態10
前記半円形部分が、中空のボールの一部分である、形態9に記載のシステム。
形態11
前記取付けデバイスが、取り外し可能なプレートを含み、前記取り外し可能なプレートが、磁化可能な材料を含み、前記半円形部分が、磁化可能な材料を含み、前記取り外し可能なプレートが、磁力を介して前記半円形部分に取り外し可能に取り付けられる、形態10に記載のシステム。
形態12
前記取り外し可能なプレートおよび前記半円形部分のうちの一方が、磁石を含む、形態11に記載のシステム。
形態13
前記取り外し可能なプレートが、前面を有し、前記前面が、くぼみを有し、前記くぼみが、前記半円形セクションの湾曲した端部を受け入れることができ、かつ、前記半円形セクションの前記湾曲した端部の全直径に満たない一部分を包囲することができるサイズとされ、前記取り外し可能なプレートが、高摩擦エラストマ材料の第1の部品を含み、前記高摩擦エラストマ材料の第1の部品が、前記取り外し可能なプレートの前記くぼみ内に配置され、前記磁化可能な材料が前記高摩擦エラストマ材料の第1の部品を取り囲むように前記取り外し可能なプレートの前記磁化可能な材料が位置決めされる、形態12に記載のシステム。
形態14
高摩擦エラストマ材料の第2の部品が、前記磁化可能な材料を取り囲む、形態13に記載のシステム。
形態15
水平および垂直の羽根板を有する通気口を含む換気システムを備えた乗物における、電子デバイスを取り付けるためのシステムであって、
本体と、
電子デバイスを前記本体に接続するための接続デバイスであって、前記接続デバイスの少なくとも一部分が前記本体に取り付けられる接続デバイスと、
上部および下部を有し、前記本体に取り付けられるクリップであって、V字形状を有し、前記V字形状の交点が、前記本体内に配置され、前記上部および前記下部が、前記V字形状の端部に配置され、前記上部および前記下部が、前記V字形状の前記交点に近接した前記クリップよりも幅広である、クリップと、
前記本体内に配向されかつ前記クリップと連通するカムレバーであって、第1の位置および第2の位置を有し、前記第1の位置が、前記カムレバーが前記クリップと係合しないことを特徴とし、前記第2の位置が、前記カムレバーが前記クリップと係合して、前記クリップの前記上部および前記下部を押し合わせて前記通気口の水平羽根板を挟持することを特徴とする、カムレバーと、
を備える、システム。
形態16
前記クリップの前記上部および前記下部が、自動車の通気システムと係合するために相補的に距離を置いて位置決めされる、形態15に記載のシステム。
形態17
前記クリップの前記上部および前記下部が、通気口の垂直羽根板と係合するための切抜き部分を含む、形態16に記載のシステム。
形態18
前記取付けデバイスが、半円形部分を含み、前記取付けデバイスが、取り外し可能なプレートを含み、前記取り外し可能なプレートが、磁化可能な材料を含み、前記半円形部分が、磁化可能な材料を含み、前記取り外し可能なプレートが、磁力を介して前記半円形部分に取り外し可能に取り付けられる、形態17に記載のシステム。
形態19
前記取り外し可能なプレートおよび前記半円形部分のうちの一方が、磁石を含む、形態18に記載のシステム。
形態20
前記取り外し可能なプレートが、前面を有し、前記前面が、くぼみを有し、前記くぼみが、前記半円形セクションの湾曲した端部を受け入れることができ、かつ、前記半円形セクションの前記湾曲した端部の全直径に満たない一部分を包囲することができるサイズとされ、前記取り外し可能なプレートが、高摩擦エラストマ材料の第1の部品を含み、前記高摩擦エラストマ材料の第1の部品が、前記取り外し可能なプレートの前記くぼみ内に配置され、前記磁化可能な材料が前記高摩擦エラストマ材料の第1の部品を取り囲むように前記取り外し可能なプレートの前記磁化可能な材料が位置決めされる、形態19に記載のシステム。
形態21
高摩擦エラストマ材料の第2の部品が、前記磁化可能な材料を取り囲む、形態20に記載のシステム。
形態22
電子デバイスを通気口に取り付ける方法であって、前記方法が、
電子デバイスを取り付けるためのシステムを用意するステップであって、前記システムが、
本体と、
電子デバイスを前記本体に接続するための接続デバイスであって、前記接続デバイスの少なくとも一部分が前記本体に取り付けられる接続デバイスと、
上部および下部を有し、前記本体に取り付けられるクリップであって、V字形状を有し、前記V字形状の交点が、前記本体内に配置され、前記上部および前記下部が、前記V字形状の端部に配置され、前記上部および前記下部が、前記V字形状の前記交点に近接した前記クリップよりも幅広である、クリップと、
前記本体内に配向されかつ前記クリップと連通するカムレバーであって、第1の位置および第2の位置を有し、前記第1の位置が、前記カムレバーが前記クリップと係合しないことを特徴とし、前記第2の位置が、前記カムレバーが前記クリップと係合して、前記クリップの前記上部および前記下部を押し合わせて挟持することを特徴とする、カムレバーと、
を備える、システムを用意するステップと、
前記クリップの前記上部および前記下部を前記通気口の水平の通気口羽根板の両面上に配置するステップと、
前記カムレバーを前記第1の位置から前記第2の位置へ回転させるステップと、
前記水平の通気口羽根板を挟持するステップと、
を含む、方法。
形態23
前記取付けデバイスの一部分である取り外し可能なプレートを前記電子デバイスに取り付けるステップと、
半円形部分を前記取り外し可能なプレートに係合させるステップであって、前記取付けデバイスが、前記半円形部分を含み、前記取り外し可能なプレートが、磁化可能な材料を含み、前記半円形部分が、磁化可能な材料を含み、前記取り外し可能なプレートが、磁力を介して前記半円形部分に取り外し可能に取り付けられる、ステップと、
をさらに含む、形態22に記載の方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6