(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6985512
(24)【登録日】2021年11月29日
(45)【発行日】2021年12月22日
(54)【発明の名称】待ち時間の少ない無線による音声コンテンツ共有
(51)【国際特許分類】
H04R 3/12 20060101AFI20211213BHJP
H04M 1/00 20060101ALI20211213BHJP
H04R 1/10 20060101ALI20211213BHJP
H04R 1/06 20060101ALI20211213BHJP
H04R 5/033 20060101ALI20211213BHJP
【FI】
H04R3/12 Z
H04M1/00 U
H04R1/10 101B
H04R1/10 104E
H04R1/06 310
H04R1/10 101A
H04R5/033 C
H04R1/06 320
【請求項の数】8
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2020-529514(P2020-529514)
(86)(22)【出願日】2018年11月29日
(65)【公表番号】特表2021-505078(P2021-505078A)
(43)【公表日】2021年2月15日
(86)【国際出願番号】US2018063045
(87)【国際公開番号】WO2019108782
(87)【国際公開日】20190606
【審査請求日】2020年5月29日
(31)【優先権主張番号】15/829,382
(32)【優先日】2017年12月1日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591009509
【氏名又は名称】ボーズ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】BOSE CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】上田 ジョージ
(72)【発明者】
【氏名】ネイサン・エー・ブラグローヴ
(72)【発明者】
【氏名】ナガナゴウダ・ビー・パティル
【審査官】
大石 剛
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2016/0366263(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2017/0150488(US,A1)
【文献】
米国特許第09820323(US,B1)
【文献】
米国特許第08660055(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 3/12
H04M 1/00
H04R 1/10
H04R 1/06
H04R 5/033
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の音声デバイスと、
第2の音声デバイスと、
を備えるシステムであって、
前記第1の音声デバイス内のプロセッサ及び前記第2の音声デバイス内のプロセッサは、
前記第1の音声デバイスに、第1の制御信号をソースデバイスと交換させ、それによって、前記ソースデバイスから第1の音声信号を受信させ、かつ
前記第2の音声デバイスに、前記第1の音声デバイスと第2の制御信号を交換させ、それによって前記ソースデバイスから前記第1の音声信号を受信させるように構成され、
前記第1の制御信号が、Bluetooth BR/EDRプロトコルを使用した通信を含み、かつ前記ソースデバイスから前記第1の音声デバイスへの音声ストリーミングのための第1のBluetoothリンクを確立し、及び
第2の制御信号は、Bluetooth Low Energy(BLE)プロトコルを使用する通信を含み、前記第2の音声デバイスに前記第1のBluetoothリンクのパラメータを転送することにより、前記第2の音声デバイスは、前記ソースデバイスから前記第1の音声デバイスに前記第1のBluetoothリンクを介して送信された音声ストリームを、受信及び復号することができる、システム。
【請求項2】
第3の音声デバイスを更に備え、
前記第1の音声デバイス内の前記プロセッサ及び前記第3の音声デバイス内のプロセッサは、前記第3の音声デバイスに、Bluetooth Low Energy(BLE)プロトコルを使用した通信を含む第3の制御信号を、前記第1の音声デバイスと交換させて、前記第3の音声デバイスが、前記ソースデバイスから前記第1の音声デバイスに前記第1のBluetoothリンクを介して送信された前記音声ストリームを受信し、復号することができるようにするように構成されている、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記ソースデバイスが、プロセッサと、ユーザーインターフェースと、を備え、
前記ソースデバイスの前記プロセッサが、第1のアプリケーションを実行して、前記ソースデバイスにユーザーインターフェースを表示させて、前記ソースデバイスのユーザーが、前記第1の音声デバイスに前記第2の制御信号を、どの第2の音声デバイスと交換させるのかを制御するのを可能にするように構成され、
前記ソースデバイスの前記プロセッサは、第2のアプリケーションを実行して、前記第1の制御信号及び前記第1のBluetoothリンクを制御するように構成され、
前記第2のアプリケーションは、前記第2の制御信号に関連するデータから分離される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記第1の音声デバイス内の前記プロセッサ及び前記第2の音声デバイス内の前記プロセッサが、
前記第1の音声デバイスに、前記第1の音声デバイス内のマイクロホンによって検出された音声を、前記ソースデバイスに前記第1のBluetoothリンクの復路チャネルを使用して送信させ、かつ、
前記第2の制御信号に、前記復路チャネルのパラメータを含ませて、前記第2の音声デバイスが前記第1のBluetoothリンクの前記復路チャネルから前記第1の音声デバイスのマイクロホン音声を受信し復号することを可能にする、
ように更に構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1の音声デバイス内の前記プロセッサ及び前記第2の音声デバイス内の前記プロセッサが、
前記第1のBluetoothリンクの復路チャネルのパラメータを前記第2の制御信号に含ませ、
前記第2の音声デバイスに、前記第2の音声デバイス内のマイクロホンによって検出された音声を、前記第1のBluetoothリンクの復路チャネルを使用して、前記ソースデバイスに送信させる、
ように更に構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
第2の音声デバイスと通信する第1の音声デバイスと、
第3の音声デバイスと、
を備えるシステムであって、
前記第1及び前記第3の音声デバイス内のプロセッサは、
前記第1の音声デバイスに、第1の制御信号をソースデバイスと交換させ、それによって、前記ソースデバイスから第1の音声信号を受信させ、
前記第1の音声デバイスに、第2の制御信号を前記第2の音声デバイスと交換させ、それによって、前記第2の音声デバイスに、前記第1の音声デバイスから第2の音声信号を受信させ、
前記第3の音声デバイスに、第3の制御信号を前記第1の音声デバイスと交換させ、それによって前記第1の音声デバイスから前記第2の音声信号を受信させるように構成され、
前記第1の制御信号及び前記第2の制御信号が、Bluetooth BR/EDRプロトコルを使用する通信を含み、かつ前記ソースデバイスから前記第1の音声デバイスへ、及び前記第1の音声デバイスから前記第2の音声デバイスへの音声ストリーミングのため、それぞれに対応する第1のBluetoothリンク及び第2のBluetoothリンクを確立し、
第3の制御信号は、Bluetooth Low Energy(BLE)プロトコルを使用した通信を含み、前記第3の音声デバイスに前記第2のBluetoothリンクのパラメータを転送し、前記第3の音声デバイスは、前記第1の音声デバイスから前記第2の音声デバイスに前記第2のBluetoothリンクを介して送信された音声ストリームを受信し、複号する、
システム。
【請求項7】
前記第1の音声デバイス及び前記第2の音声デバイスが、無線リンクされたステレオペアのスピーカを備え、前記第2の音声信号が、2つ以上の音声チャネルを含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
第4の音声デバイスを更に備え、
前記第1の音声デバイス内の前記プロセッサ及び前記第4の音声デバイス内のプロセッサが、
第4の音声デバイスに、Bluetooth Low Energy(BLE)プロトコルを使用した通信を含む第4の制御信号を、第1の音声デバイスと交換させて、前記第4の音声デバイスが、前記第1の音声デバイスから前記第2の音声デバイスに送信された前記第2の音声信号を受信し、復号するように構成されている、請求項6に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、無線デバイスを介した音声を共有すること、特に、ポイントツーポイント技術を使用して送信された音声を複数のデバイスが受信することを可能にすることに関する。
【背景技術】
【0002】
本出願は、米国特許第8,660,055号に関連しており、その全内容が参照のため本明細書に組み込まれる。
【0003】
ユーザーがパーソナル電子デバイスを携行する場合に、音声再生デバイス上に記憶された音声の再生の場合と同様に、パーソナル電子デバイスのうちの1つから、ユーザーの耳の一方又は両方に音声を伝達するために、そのユーザーの近傍にパーソナルエリアネットワーク(一部の人々によって、「ピコネット」と呼ばれる)を作成することがある。そのような際に、ポイントツーポイント無線通信技術を採用するデバイスを使用することが一般的になっている。ユーザーからそれらのパーソナル電子デバイスのうちの1つに音声を追加的に伝達することも、例えば、ユーザーが携帯電話で電話通信を行う際に、上記のような電子デバイスとポイントツーポイント無線通信を介して行う場合のように、一般的になっている。このような目的に使用されるこのようなポイントツーポイント無線通信の形態の中には、広く使用されているBluetooth(登録商標)仕様(BLUETOOTH Special Interest Group(ワシントン州、Bellevue)によって公表される仕様)に適合するものがある。本出願においてBluetooth(登録商標)へ言及がなされる場合には、Bluetoothコア仕様についてはバージョン5を、A2DPプロファイル仕様については、バージョン1.3.1を、AVRCPプロファイル仕様については、バージョン1.6.1を、HFPプロファイル仕様については、バージョン1.7.1を、AVCTPプロトコル仕様については、バージョン1.4を、AVDTPプロトコル仕様については、バージョン1.3を、RFCOMM仕様のバージョン1.2を、又は、同じ又は同様の方法で技術の関連する構成要素を実装している上記のもののそれぞれ上記のものよりも後のバージョン参照することを理解されたい。
【0004】
Bluetooth仕様に準拠する無線通信は、携帯電話と、いわゆる「イヤピース(ユーザーの耳に音声を出力するための音響ドライバと、ユーザーの口から音声を受信するマイクロホンとの両方を組み込んでいるもの)」との間で双方向音声を無線で伝達するために、しばらく前から使用されてきた。より最近では、音声再生デバイスから1つ以上の音響ドライバに一方向の音声を無線で伝達して、ユーザーの一方又は両方の耳に音声を出力するために、Bluetooth仕様に準拠する無線通信を採用する音声再生デバイスが次々に出現している。
【0005】
残念なことに、パーソナル電子デバイス間で音声を伝達するために、このようなポイントツーポイント無線通信がますます受入れられてきているにもかかわらず、ポイントツーポイントであるということの性質そのもの、無線接続を確実に確立するために必要とされる手順、及び様々なアナログ形態とデジタル形態との間で行われる音声の変換により、様々な困難が生じている。これらの困難には、ユーザーの両耳に音声を提供することに対する様々な障害、ユーザーが音響ドライバ及び/又はマイクロホンのある1つの選択肢から別の選択肢へと容易に遷移することに対する様々な障害、及び別のユーザーによって携行されているパーソナル電子デバイスと音声を共有することに対する、様々な障害などが挙げられる。
【0006】
Bluetoothが、上記米国特許第8,660,055号の出願時には(また、現時点でも)、音声データの2つの受信装置に同時に直接送信する技術を提供していなかったため、上記の特許は、ソースデバイスが単一の通信リンクのみを認識している場合、2つの別個の無線デバイス(単一のユーザーの、各耳に1個ずつの無線デバイス、又は2人の異なるユーザーそれぞれの別個のヘッドホン装置など)に、単一のソースデバイスから送信された音声信号を受信することを可能にする方法を記載している。近年、いくつかの完全無線イヤホンデバイスが市場に入ってきたが、出願人の理解するところでは、これらの大部分は、先の米国特許第8,660,055号のように、ソースから、両方の受信デバイスに送信されはしないが、その代わりに、第1の受信デバイスから、任意の追加の受信デバイスに音声を再送信するようになっている。
【発明の概要】
【0007】
一般的に、一態様では、システムは、第1の音声デバイスと、第2の音声デバイスと、を含む。第1の音声デバイス内のプロセッサ及び第2の音声デバイス内のプロセッサは、第1の音声デバイスに、第1の制御信号をソースデバイスと交換させ、それによって、ソースデバイスから第1の音声信号を受信させ、かつ第2の音声デバイスに、第1の音声デバイスと第2の制御信号を交換させ、それによってソースデバイスから第1の音声信号を受信させる。第1制御信号は、Bluetooth BR/EDRプロトコルを使用した通信を含み、ソースデバイスから第1の音声デバイスへの音声ストリーミングのための第1のBluetoothリンクを確立する。第2の制御信号は、Bluetooth Low Energy(BLE)プロトコルを使用する通信を含み、第2の音声デバイスに第1のBluetoothリンクのパラメータを転送することにより、第2の音声デバイスは、ソースデバイスから第1の音声デバイスに第1のBluetoothリンクを介して送信された音声ストリームを、受信及び復号することができる。
【0008】
実装形態は、以下の1つ以上を任意の組み合わせで含むことができる。第3の音声デバイスが含まれてもよい。第1の音声デバイス内のプロセッサ及び第3の音声デバイス内のプロセッサは、第3の音声デバイスに、Bluetooth Low Energy(BLE)プロトコルを使用した通信を含む第3の制御信号を、第1の音声デバイスと交換させて、第3の音声デバイスが、ソースデバイスから第1の音声デバイスに第1のBluetoothリンクを介して送信された音声ストリームを受信し、復号することができるようにしてもよい。ソースデバイスが、プロセッサと、ユーザーインターフェースと、を備えていてもよく、ソースデバイスプロセッサが、第1のアプリケーションを実行して、ソースデバイスにユーザーインターフェースを表示させて、ソースデバイスのユーザーが、第1の音声デバイスに第2の制御信号を、どの第2の音声デバイスと交換させるのかを制御するのを可能にする。ソースデバイスプロセッサは、第1の制御信号及び第1のBluetoothリンクを制御する第2のアプリケーションを実行してもよく、第2のアプリケーションは、第2の制御信号に関するデータから分離される。第1の音声デバイス内のプロセッサ及び第2の音声デバイス内のプロセッサが、第1の音声デバイスに、第1の音声デバイス内のマイクロホンによって検出された音声を、ソースデバイスに第1のBluetoothリンクの復路チャネルを使用して送信させてもよく、第2の制御信号に、復路チャネルのパラメータを含ませて、第2の音声デバイスが第1のBluetoothリンクの復路チャネルから第1の音声デバイスのマイクロホン音声を受信し復号することを可能にしてもよい。第1の音声デバイス内のプロセッサ及び第2の音声デバイス内のプロセッサが、第1のBluetoothリンクの復路チャネルのパラメータを第2制御信号に含ませてもよく、第2の音声デバイスに、第2の音声デバイス内のマイクロホンによって検出された音声を、第1のBluetoothリンクの復路チャネルを使用して、ソースデバイスに送信させてもよい。
【0009】
一般的に、一態様では、システムは、第2の音声デバイスと通信する第1の音声デバイスと、第3の音声デバイスと、を含む。第1の音声デバイス内のプロセッサ及び第3の音声デバイス内のプロセッサは、第1の音声デバイスに、第1の制御信号をソースデバイスと交換させ、それによって、ソースデバイスから第1の音声信号を受信させ、第1の音声デバイスに、第2の制御信号を第2の音声デバイスと交換させ、それによって、第2の音声デバイスに、第1の音声デバイスから第2の音声信号を受信させ、第3の音声デバイスに、第3の制御信号を第1の音声デバイスと交換させ、それによって、第1の音声デバイスから第2の音声信号を受信させる。第1の制御信号及び第2の制御信号が、Bluetooth BR/EDRプロトコルを使用する通信を含み、かつソースデバイスから第1の音声デバイスへ、及び第1の音声デバイスから第2の音声デバイスへの音声ストリーミングのため、それぞれに対応する第1のBluetoothリンク及び第2のBluetoothリンクを確立する。第3の制御信号は、Bluetooth Low Energy(BLE)プロトコルを使用した通信を含み、第3の音声デバイスに第2のBluetoothリンクのパラメータを転送し、第3の音声デバイスは、第1の音声デバイスから第2の音声デバイスに第2のBluetoothリンクを介して送信された音声ストリームを受信し、複号することができる。
【0010】
実装形態は、以下の1つ以上を任意の組み合わせで含むことができる。第1の音声デバイス及び第2の音声デバイスが、無線リンクされたステレオペアのスピーカであってもよく、第2の音声信号が、2つ以上の音声チャネルを含んでもよい。第4の音声デバイスが含まれてもよい。第1の音声デバイス内のプロセッサ及び第4の音声デバイス内のプロセッサが、第4の音声デバイスに、Bluetooth Low Energy(BLE)プロトコルを使用した通信を含む第4の制御信号を、第1の音声デバイスと交換させて、第4の音声デバイスが、第1の音声デバイスから第2の音声デバイスに送信された第2の音声信号を受信し、復号できるようにしてもよい。
【0011】
利点としては、ソースデバイスの無線インターフェースに対する修正を必要とせずに、複数のユーザー、又は複数の別個のイヤピース又はスピーカの単一のユーザーが、ソースデバイスから同じ音声コンテンツを聴くのを可能とすることが挙げられる。更なる利点としては、異なるデバイスが、ソースデバイスに戻る音声を提供したり、異なるデバイスが、互いに音声を提供したりするのを可能とすることが挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】複数の無線音声デバイスと、パーソナル電子デバイスとを組み込んだ無線ネットワークのブロック図である。
【
図2】
図1の無線音声デバイスのブロック図である。
【
図3】異なる動作モードにある、複数の無線音声デバイスと、パーソナル電子デバイスとを組み込んだ無線ネットワークのブロック図である。
【
図4a】ユーザーインターフェースの例示的な画面である。
【
図4b】ユーザーインターフェースの例示的な画面である。
【
図5】異なる動作モードにある、複数の無線音声デバイスと、パーソナル電子デバイスとを組み込んだ無線ネットワークのブロック図である。
【
図6】異なる動作モードにある、複数の無線音声デバイスと、パーソナル電子デバイスとを組み込んだ無線ネットワークのブロック図である。
【
図7】異なる動作モードにある、複数の無線音声デバイスと、パーソナル電子デバイスとを組み込んだ無線ネットワークのブロック図である。
【
図8】異なる動作モードにある、複数の無線音声デバイスと、パーソナル電子デバイスとを組み込んだ無線ネットワークのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、3つのパーソナル電子デバイスどうしの間、具体的には、パーソナル電子デバイス900と、一対の無線音声デバイス100a及び無線音声デバイス100bとの間で音声が転送される、ネットワーク1000を示す。ネットワーク1000は、擬似ハブ及びスポークトポロジであるが、パーソナル電子デバイス900に、音声を無線音声デバイス100bに転送もさせているように示すため、パーソナル電子デバイス900が、単一の無線ポイントツーポイントリンク915を通して、無線音声デバイス100aにのみ音声を転送しているかのように、実際とは異なる状態で示されている。本質的には、パーソナル電子デバイス900がハブ位置を占め、無線音声デバイス100a及び無線音声デバイス100bのそれぞれがスポーク位置を占めるように誘導される。ネットワーク管理するために、別の無線ポイントツーポイントリンク115が、無線音声デバイス100aと無線音声デバイス100bとの間に形成される。このネットワークは、擬似ハブ及びスポークトポロジを維持する部分として、無線音声デバイス100aと無線音声デバイス100bとの間の、パーソナル電子デバイス900から音声を受信することに関するアクションどうしを調整する。リンク115及びリンク915のいずれかがその基礎としている技術は、RF信号、赤外線信号、又は様々な他の形態の無線伝送媒体のいずれかを採用する多種多様な種類のうちのいずれであってもよい。また、リンク115とリンク915との間で、それぞれに使用される技術が異なっていてもよい。リンク115及び915の一方又は両方がRF信号を採用する場合、リンク115及び915の一方又は両方は、Bluetooth仕様に少なくとも部分的に適合してもよく、あるいは、リンク115及び915の一方又は両方は、ユーザーによって携行される個人用電子デバイスどうしの間で使用される通信距離の短さ及び電力消費量の制限において適切であるように、無線ネットワーキングのための様々な他の仕様のうちのいずれかに、少なくとも部分的に適合してもよい。
【0014】
パーソナル電子デバイス900は、様々な種類のパーソナル電子デバイスのうちのいずれかのものであり得る。例としては、種々のマルチメディア、情報処理、及び/又は通信デバイスが挙げられるが、それらに限られず、具体的には、携帯電話、デジタル音楽プレーヤ(例えば、典型的なMP3音楽ファイルプレーヤ)、音声再生機能を有する携帯型カメラ、パーソナルデータアシスタント(PDA)、パーソナルナビゲーションデバイス、又はこれらの機能の全てを統合するスマートフォンなどである。最低限、パーソナル電子デバイス900は、無線ポイントツーポイントリンクを通じて、デジタル形態で音声を提供することができるものである。この音声は、様々な形態の音声の任意のものであってよい。例としては、パーソナル電子デバイス900に記憶されたデジタル化された音楽、及びRF送信(例えば、FM又は衛星ラジオ)からパーソナル電子デバイス900によって受信された音声が挙げられるが、それらに限られない。パーソナル電子デバイス900はまた、コマンド関連音声(例えば、停止、一時停止、再生、早送り、音量の調整、チャネルの変更など)を含む、パーソナル電子デバイス900の様々な機能の遠隔制御を可能にするための遠隔制御コマンドを、無線ポイントツーポイントリンクを通して受信することができる。コマンドは、パーソナル電子デバイス900に組み込まれた手動操作可能な制御装置922を介してアクセス可能な機能に対応してもよい。パーソナル電子デバイス900はまた、単なる音声を超えたテキスト又は他のデータを送信することも可能であり得るが、そうしたデータの例としては、歌のタイトル、トラックタイトル、時間、日付、GPS座標、RF信号強度などが挙げられる。これらの様々なデータは、パーソナル電子デバイス900に組み込まれたインジケータ923上に表示可能なデータに対応していてもよい。
【0015】
無線音声デバイス100a及び無線音声デバイス100bは、音声を無線で受信し、その音声の可聴形式での出力を可能にすることを意図する。一対の無線音声デバイス100a及び無線音声デバイス100bは、1対の、耳の穴に差し込むタイプのヘッドホン(広く、カナル型イヤホンとも呼ばれる)であるものとして示されているが、これは、1つの形態のデバイスを例示するものであることが意図され、一対の無線音声デバイス100a及び無線音声デバイス100a 100bのそれぞれは、無線受信音声を可聴的に出力することができる多数の種類のデバイス(例えば、無線スピーカ)のうちのいずれかであり得る。無線音声デバイス100a及び無線音声デバイス100bのそれぞれは、少なくとも1つの音響ドライバ170(例えば、電磁スピーカ、圧電式電気素子、静電スピーカなど)を組み込んでおり、それぞれ手動操作可能な制御装置122及び/又はインジケータ(図示せず)を更に組み込んでいてもよい。無線音声デバイス100a及び無線音声デバイス100bのうちの所与の一方が制御装置122を組み込む場合、その制御装置122は、ユーザーがパーソナル電子デバイス900及び/又は無線音声デバイス100a及び無線音声デバイス100bの他方を遠隔制御することを可能にするように動作可能であり得る。無線音声デバイス100a及び無線音声デバイス100bのうちの所与の一方がインジケータを組み込んでいる場合、インジケータは、非音声データをユーザーに対して表示することを可能にすることができる。
【0016】
パーソナル電子デバイス900は、リンク915を形成する際に、様々な技術のうちの任意のものを採用することができるが、これらの技術のうちの多くの利用可能な技術は、複数の音声チャネルを用いて音声を送信するデバイスが、その音声を、それらのチャネルの全てを受信及び使用する、ただ1つの他のデバイスのみに送信するということを仮定している。その結果、これらの技術のうちの一部のものは、音声の一片の異なる音声チャネルを、異なる音声チャネルを受信し、異なる音声チャネルを別々に使用する異なる他のデバイスに、別個に送信することを意図するものではない。そのような制限に対応するために、無線音声デバイス100a及び無線音声デバイス100bは協働して、パーソナル電子デバイス900が音声の一片を送信する単一の他のデバイス(すなわち、無線音声デバイス100a)のみとのリンク915を、パーソナル電子デバイス900が形成しているように見えるようにする。無線音声デバイス100a及び無線音声デバイス100bの両方は、パーソナル電子デバイス900からの信号を受信するが、無線音声デバイス100a及び無線音声デバイス100bのうちの一方のみが、パーソナル電子デバイス900(すなわち、図示されているような無線音声デバイス100a)に送信を行う。
【0017】
パーソナル電子デバイス900は、リンク915を通して無線音声デバイス100aに音声の一片を送信するが、本来意図された受信者ではないものの、無線音声デバイス100bも同じ信号を拾い上げ、同じ音声の一片を受信する。デジタル化された音声のパケットが、無線音声デバイス100aによって、受信されないか又は壊れた状態で受信される場合、無線音声デバイス100aは、リンク915を通してエラー信号をパーソナル電子デバイス900に送信して、そのパケットを再送信させる。デジタル化された音声のパケットが、無線音声デバイス100bによって受信されていないか又は壊れた状態で受信される場合、無線音声デバイス100bは、リンク115を通してエラー信号を、パーソナル電子デバイス900にリンク915を通して転送されるように無線音声デバイス100aに送信し、パケットを再送信させる。
【0018】
リンク915はまた、遠隔制御コマンド(おそらくは、ユーザーが制御装置122を操作した結果として生成されたもの)を、パーソナル電子デバイス900に返信するためにも無線音声デバイス100aによって使用され得る。無線音声デバイス100bがパーソナル電子デバイス900からのみ信号を受信し、無線音声デバイス100bが、パーソナル電子デバイス900に信号を送信せず、無線音声デバイス100bが、ユーザーによって遠隔制御コマンドを生成させられる場合には、それらのコマンドは、リンク115を通して送信されて、リンク915を通してパーソナル電子デバイス900に転送される。一部の例では、音声デバイスを操作するための遠隔制御コマンドはまた、パーソナル電子デバイス900から無線音声デバイス100aに送信されてもよい。無線音声デバイス100bは、無線音声デバイス100aのための音声送信を受信するのと同じ方式で、それらのコマンドを受信し、それらのコマンドに基づいてアクションを取ることができる。
【0019】
リンク115及びリンク915が、それらのリンクが基づいている技術は、何がこれらのリンクを形成する際に必然的に伴われるのかを規定し、それらのリンクは、RF信号、赤外線信号、又は様々な他の形態の無線伝送媒体の任意のものを採用する、多種多様な種類のリンクのうちの任意のものであり得る。リンク115及びリンク915の両方は、パーソナル電子デバイス900から、音声を伝える同じ信号を受信する必要があるため、リンク115及びリンク915の両方が、2つの完全に別個の送受信機を、無線音声デバイス100a及び無線音声デバイス100bのいずれかに組み込むことを必要としない程度には、十分類似した技術に基づいていることが、必要とはいえないものの効率の観点からは好ましい。RF信号が使用される場合、これらのリンクは、Bluetooth仕様に少なくとも部分的に一致してもよい。あるいは、ユーザーが自ら携行する携帯用デバイスの場合、通信距離の短さや限定された電力消費を考えると適切であるように、無線ネットワーキングのための様々な他の仕様のうちのいずれかに少なくとも部分的に一致してもよい。そのような無線仕様を熟知した者には容易に認識されるように、2つのデバイスに、互いに通信して、まず互いの間のリンク確立手順を最初に実行し、確立されたリンクによって、識別コード、セキュリティ鍵などを交換することを必要とする、セキュリティ機構を伴うことが多い。リンク115及びリンク915のそれぞれが基づく技術に応じて、無線音声デバイス100a及び無線音声デバイス100bのうちの一方又は両方が、そのようなリンク確立手順に携わってよい。
【0020】
リンク115は、その形成に、類似のリンク確立手順を必要としても、しなくてもよい。これは、無線音声デバイス100a及び無線音声デバイス100bが、互いに相手の位置を特定し、互いに相互作用するように既に構成されているものとしてユーザーによって受信される程度に依存してもよく、かつ/又は、それぞれが簡略化されたリンク確立手順を採用するように構成されている程度に依存してもよい。
【0021】
リンク115及びリンク915が確立され、必要なプロトコルを可能にするために必要な情報の交換が既に完了していると、リンク115及びリンク915は、パーソナル電子デバイス900から無線音声デバイス100a及び無線音声デバイス100bの両方への音声の転送に使用することができる。既に論じたように、パーソナル電子デバイス900は、リンク915を通して無線音声デバイス100aに音声を送信するが、無線音声デバイス100bもまた、同じ信号を受信し、無線音声デバイス100a及び無線音声デバイス100bのそれぞれは、音声をユーザーに可聴出力する際にそれぞれに有用な音声チャネルを抽出する。リンク115は、無線音声デバイス100aと100bとの間のこの活動の様々な態様を調整するために使用され、その例としては、タイミング情報を同期させること、音量及び様々な音声信号処理設定を交換すること、及びノイズキャンセル機能を実装するためのデータの共有することが挙げられるが、それらに限られない。リンク115は、ネットワーク管理機能のために用いられてもよく、なかんずく、リンク915の管理に使用されてもよい。具体的には、無線音声デバイス100b識別情報を渡して、リンク915を通しての送信に対して無線音声デバイス100bが「傍受する」ことができるようにすること、及び復号キーを無線音声デバイス100bに渡して、無線音声デバイス100bが、リンク915を通して送信された音声及びコマンドを復号することができるようにすることが挙げられる。一例として、無線音声デバイス100a及び無線音声デバイス100bのうちのいずれの一方が、音量調整装置として使用される手動操作可能な制御装置(例えば、制御装置122)を組み込んでいるかに関わらず、その一方の無線音声デバイスは、ユーザーボリューム設定を、これらの2つのデバイスのうちの他方に送信し得る。
【0022】
無線音声デバイス100aが、図示された制御装置122を組み込み、その制御装置122が、手動で操作されて遠隔制御コマンドをパーソナル電子デバイス900に送信できるように構成されている場合、リンク915は、無線音声デバイス100aからパーソナル電子デバイス900に、これらの遠隔制御コマンドを伝達するために用いられる。無線音声デバイス100bが手動操作された制御装置(図示せず)を組み込み、その制御装置が、手動で操作されて遠隔制御コマンドをパーソナル電子デバイス900に送信するように構成されている場合、リンク115は、無線音声デバイス100bから無線音声デバイス100aに、それらの遠隔制御コマンドを伝達するために用いられ、無線音声デバイス100aは、リンク915を介してパーソナル電子デバイス900に、それらのコマンドを転送する。
【0023】
図2は、
図1の無線音声デバイス100a及び無線音声デバイス100bのいずれか又は両方の、考えられるある1つの内部アーキテクチャのブロック図である。無線音声デバイス100a及び無線音声デバイス100bには、互いに異なるアーキテクチャが組み込まれていてもよいが、
図1に関して説明したような役割を反転させることができるように、
図1の無線音声デバイス100a及び無線音声デバイス100bは同じアーキテクチャであることが好ましい。これにより、達成できる製造効率が高くなるとともに、2つのデバイスが一対の、耳穴に差し込むタイプのヘッドホンである場合には、デバイスに起こった故障を解消するのに、2種類の異なる交換部品ではなく、1種類の交換部品で済ませられるようになる。
【0024】
無線音声デバイス100は、無線送受信機110、ユーザーインターフェース120、プロセッサ130、記憶装置135、デジタル−アナログ(D−to−A)変換器140、増幅器145、コネクタ150、音響ドライバ170、及び蓄電装置190を組み込みこんでおり、蓄電装置190は、電力を蓄えて、自分以外の上記の構成要素に電力を供給する。プロセッサベースのシステムの当業者であれば容易に認識するように、上記の様々な構成要素のいくつかをリンクする多種多様なバスアーキテクチャが採用され得る。しかし、正確にどのアーキテクチャが使用されるのかにかかわらず、プロセッサ130は、少なくとも無線送受信機110、ユーザーインターフェース120、記憶装置135、及びデジタル−アナログ変換器140へのアクセスを提供される。一部の例では、
図2に示される様々な構成要素のうちの1つ以上が、プロセッサICに統合されてもよい。プロセッサ130は、記憶装置135にアクセスして、ルーティン132を構成する命令のシーケンスを取得し、ルーティン132を実行する際に、プロセッサ130に、無線音声デバイス100の動作中に様々な機能を実行させるようになっている。
【0025】
プロセッサ130は、様々な種類の処理装置のうちの任意のものあってよく、例えば、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ、若しくは所与の機能範囲に最適化された、他のより特化されたプロセッサ、マイクロコントローラ、又は組み合わせ論理を含むがこれらに限定されない。記憶装置135は、広い範囲の情報記憶技術に基づき得る。例としては、静的RAM、ダイナミックRAM、消去可能な又は消去不可能な形態のROM、フラッシュ、磁気メモリ、強磁性ディスク記憶装置、相変化記憶装置、又は光磁気記憶装置が挙げられるが、これらに限定されない。記憶装置135は、少なくともルーティン132を記憶する。また、どの音声処理及び/又は音声バッファリング機能が、プロセッサ130によって実行されるルーティン132によって引き起こされるかに応じて、記憶装置135はまた、音声データ139を記憶してもよい。
【0026】
無線送受信機110がベースとなっている技術は、無線音声デバイス100が他のデバイスと形成するあらゆる無線ポイントツーポイントリンクの技術に依存する。最低限、ルーティン132の実行により、プロセッサ130が、無線送受信機110を動作させて、パーソナル電子デバイスから音声を、おそらくは非音声データと共に受信する。様々な実施形態では、無線音声デバイス100のうちの所与の1つによって占有される役割に応じて、ルーティン132は、プロセッサ130に、更に、無線送受信機110を動作させて、無線ポイントツーポイントリンクを通して、コマンドを、パーソナル電子デバイスに伝達したり、あるいは、コマンドを、パーソナル電子デバイスに転送する別の無線音声デバイスに伝達したりすることができる。無線音声デバイス100と別のデバイスとの間の無線ポイントツーポイントリンクが、ポイントツーポイント無線通信用のBluetooth仕様又は類似の仕様に少なくとも部分的に準拠している場合、ルーティン132は、プロセッサ130に、無線送受信機110を動作させて、そのポイントツーポイントリンクを確立するリンク確立手順を実行することができる。
【0027】
ユーザーインターフェース120は、以前に論じられた制御装置122及びインジケータ123のうちの一方又は両方を組み込む。制御装置122は、任意の種類の手動操作可能な制御装置であってよく、具体的には、ボタン、レバースイッチ、回転ノブ、タッチスクリーンセンサ、圧力センサ、近接センサ、又は三次元位置・姿勢センサを含むが、これらに限定されない。インジケータ123は、無線音声デバイス100のユーザーに情報を伝達する多数の可能なデバイスのうちのいずれかであってもよい。例えば、様々な記号及び/又は文字、1つ以上のLED、ブザー、又は振動生成装置が挙げられるが、それらに限定されない。代替的に、情報は、その情報を伝達する音声の出力を通じて、無線音声デバイス100のユーザーに提供され得るが、その情報を伝える音声は、無線送受信機110によって受信された音声と混合され、その混合された音声が、ユーザーに出力される。制御装置122が提供される場合、制御装置122は、いくつかの形式のリンク確立手順の実行を開始すること、ユーザーへの音声の提供の1つ以上の態様(例えば、ユーザーに音声を出力する際に用いられる音量)を制御すること、及びポイントツーポイントリンクが形成される別の無線デバイスを遠隔制御すること、のうちの1つ以上のために、無線音声デバイス100のユーザーによって使用されてもよい。インジケータ123が提供される場合、インジケータ123は、無線送受信機110によって受信した別の無線デバイスからの情報、及び/又は無線音声デバイス100自体によって生成された情報を表示するために用いられてもよい。
【0028】
デジタル−アナログ変換器140及び増幅器145はそれぞれ、多種多様な設計及び形態の任意のものであってよい。デジタル−アナログ変換器140は、プロセッサ130がデジタル−アナログ変換器140に音声データを供給することを可能にするだけでなく、プロセッサ130が、無線送受信機110を介して別の無線デバイスから受信した音声データの異なるタイミング、ビット形式などをサポートするために、プロセッサ130がデジタル−アナログ変換器140を動作させることを可能にするために、プロセッサ130によりアクセス可能とされてもよい。増幅器145は、プロセッサ130が、デジタル−アナログ変換器140によって、おそらくは音量制御の態様として提供される音声の、アナログ形式の増幅の態様(増幅に使用される利得を含む)を制御することを可能にするために、プロセッサ130によってアクセス可能とされてもよい。一部の例では、増幅器はデジタル信号を直接受信することができ、デジタル−アナログ変換は、増幅アナログ出力信号の生成と同時に行われる。
【0029】
コネクタ150は、最低限、外部電源が無線音声デバイス100に接続されることを可能にし、かつ外部電源が蓄電装置190を再充電することを可能にすることができる。様々な実施形態では、無線音声デバイス100が音響ドライバ170を組み込んでいないか、又はユーザーが、音響ドライバ170の代わりに、又は音響ドライバ170に加えて、外部音響ドライバを使用することを所望する場合に、コネクタ150はまた、音声増幅器145からの増幅された音声が、外部音響ドライバに提供されることを可能にしてもよい。また、コネクタ150の従来の実装は、少なくとも電力を、そしておそらくはコマンド及び他のデータを伝達するための複数の導電性コンタクトを組み込んでいる傾向があるが、当業者は、コネクタ150が、電力、音声、コマンド、及び/又は他のデータを伝達するために、非導電性アプローチを組み込み得ることを容易に認識するであろう。一例として、電磁誘導を用いて電力を伝達することができ、その場合、コネクタ150は、外部電源がコネクタ150に十分に近寄せられて、コイルを、誘導が発生することを可能にするのに十分近接した範囲内に配置する物理的ガイドを提供するだけである。別の例として、コネクタ150は、音声、コマンド、及び/又は他のデータを電気の代わりに光を使用して伝達されるのを可能にするために、1つ以上の光ファイバ構成要素を組み込んでもよい。
【0030】
前述のように、無線音声デバイス100と別のデバイスとの間のポイントツーポイントリンクの性質に応じて、リンク確立手順が、ポイントツーポイントリンクを形成するために必要とされ得る。一部の実施形態では、無線音声デバイス100及び別のデバイス(パーソナル電子デバイス又は別の無線音声デバイスなど)のユーザーは、両方のデバイスを動作させて、それらの間のリンク確立手順を開始する。無線音声デバイス100の場合、これは、リンク確立手順を開始するためにユーザーによって制御装置122が操作される場合には、ルーティン132によって、プロセッサ130に、制御装置122を監視させることと、次いで、リンク確立手順を実行するように送受信機110を動作させることと、を伴う。
【0031】
ポイントツーポイントリンクが確立され初期化されると、プロセッサ130がルーティン132を実行する際に、ルーティン132は、プロセッサ130に無線送受信機110を動作させて音声を受信させ、所望の1つ以上の音声チャネルを、その受信した音声から分離させる。受信された音声内の音声チャネルの数及び構成に応じて、また所与のパーソナル電子デバイスから発信された音声の送信を受信する無線音声デバイスの数及び構成に応じて、プロセッサ130はまた、何らかの程度の信号処理を実行して、無線音声デバイス100に音声を可聴出力させることができる。次いで、プロセッサ130は更に、デジタル−アナログ変換器140に音声を転送させられるが、デジタル−アナログ変換器140で、音声は、音声増幅器145に提供される前にアナログ形式に変換されて、増幅された音声が生成される。無線音声デバイス100が、音響ドライバ170を組み込むかどうかに応じて、また音声増幅器145が、コネクタ150に接続されているか否かに応じて、音声増幅器145による増幅された音声の出力は、音響ドライバ170と、外部音響ドライバが接続され得るコネクタ150とのうちの一方又は両方に提示されることによって、ユーザーに対して可聴出力される。
【0032】
無線デバイスがそれをサポートする場合、ポイントツーポイントリンクの確立及び初期化はまた、そのポイントツーポイントリンクを通したコマンドの転送を可能にする。無線音声デバイス100を遠隔制御するコマンドは、音声も送信するパーソナル電子デバイス又は別の無線音声デバイスのいずれかから発信し得る。同様に、無線音声デバイスから発信されるコマンドは、パーソナル電子デバイスと別の無線音声デバイスとのうちの一方又は両方を制御することができる。他の形態のデータは、同様に、パーソナル電子デバイス及び/又は別の無線音声デバイスから発信されることができる。一例として、無線音声デバイス100が制御装置122を組み込んでいる場合、パーソナル電子デバイスの動作の態様を遠隔制御する(例えば、無線デバイスが再生している音声録音を再生し、早送りし、又は一時停止するための遠隔制御コマンドを発する)ために、制御装置122を動作させるユーザーの事例においては、ルーティン137は、プロセッサ130に制御装置122を監視させてもよい。ユーザーが上記のように制御装置122を動作させるのに応答して、プロセッサ130に更に、無線送受信機110を操作させて、対応するコマンドを無線デバイスに送信させ得る。
【0033】
前述のように、2つ以上の無線音声デバイスは、パーソナル音声デバイスがそれらの無線音声デバイスのうちの1つに送信する音声の複数の音声チャネルを、協働して受信し、使用する必要がある。前述のように、このような協調は、無線音声デバイス間に形成された追加の無線ポイントツーポイントリンク(例えば、
図1の無線音声デバイス100aと無線音声デバイス100bとの間のリンク115)の形成によって可能となる。そのリンクを通じて、パーソナル電子デバイスとのリンクを有する無線音声デバイスは、他の無線音声デバイスが、パーソナル電子デバイスからマルチチャネル音声(並びに他のデータ)の送信を受信及び使用するために必要な認証、識別、及び/又は復号情報などのネットワーク管理情報を送信することが可能である。そのリンクを通じて、無線デバイスはまた、異なるチャネルが同期された形で、異なる無線音声デバイスによってユーザーに可聴出力されるように、音声タイミングを同期させることも可能である。そのリンクを通じて、遠隔制御、受信されていない音声のパケット又は壊れた音声データで受信された音声のパケットからの誤りの指示、及び非音声データが、無線音声デバイスどうしの間で交換されてもよく、かつ/又はパーソナル電子デバイスとのリンクを有する無線音声デバイスを介して伝達されてもよい。
BLEを使用する実装
【0034】
無線受信デバイスどうしの間のリンク115に使用することができる1つの無線技術は、Bluetoothコア仕様のバージョン4.0と共に導入されたBluetooth Low Energy(BLE)である。具体的には、BLEは、双方向リンクの確立を必要とせずにデータのブロードキャストを可能にし、安全なポイントツーマルチポイント接続を可能にすることができる。この能力により、
図3に示すように、「標的」と言及される第1の受信デバイス302は、「クローン」と言及される、任意の数の追加の受信デバイス304a〜304iが、ソースデバイス306によって送信された音声及びコマンドデータを受信及び復号するために必要なデータを共有することが可能である。
図1の例では、第1のイヤピース100aが、標的デバイスであってもよく、他方のイヤピース100bが、単一のクローン装置である。他の例では、
図3のように、標的302及びクローン304a〜304iはそれぞれ、ソース306から送信された同じ音声を聴くために複数のユーザーによって使用されるステレオヘッドホンである。
【0035】
図3の特定の例では、ソース306と標的302との間のリンク310は、「古典的」Bluetooth(すなわち、Bluetooth BR/EDR)であるが、BLE構成要素も含み得る。リンク320a〜320iは、標的からクローンへのBLEブロードキャスト又は安全なポイントツーマルチポイント接続であり、ソースデバイスのBluetoothデバイスアドレス(BDADDR)、リンクキー、及びクロック情報をそれらに提供する。これらのデータ片をクローンが使用して、リンク330a〜330iとして示される、ソース306から標的302に送信され、傍受されたBluetooth BR/EDR信号310を復号し、復号された音声を同期させる。一部の例では、BLEリンク320a〜320iは双方向であり、クローンは、ステータス又は他のデータを、標的302に返すことができる。標的がソースから受信している音声を、どのデバイスが傍受しているかを知ることを、標的に可能とすることに加えて、クローンは、それらがパケットを受信しなかったか、又は壊れたパケットを受信したときには、報告をすることができる。その結果、標的302は、上述のように、ソース306からの再送信を要求することができるようになる。
【0036】
一部の例では、
図4aに示すように、アプリケーションがソースデバイス306上で動作する場合、すなわち、ソースデバイスがスマートフォンなどのコンピュータである場合、そのアプリケーションは、標的デバイス及びクローンの両方、及びそれらの間のリンクを構成するために使用されてもよい。例えば、BR/EDRリンク310(
図3)内のデータチャネルは、ソース306上のアプリケーションと標的デバイス302との間の通信のために使用されてもよく、標的デバイスは、その通信において、クローンに関してアプリケーションに伝える。これにより、BR/EDRリンクを制御するスマートフォン自体のオペレーティングシステムが、アプリケーションが標的に対して送った通信内容をクローンが傍受していることを認識していない場合であっても、アプリケーションがクローンを表示及び制御することが可能になる。次いで、このようなアプリケーションを使用して、クローニングプロセス、クローンの追加若しくは除去、又はクローンへの更なる制御コマンドの送信を行うことができる。
【0037】
図4aの例示的なインターフェースでは、ソースデバイス306上で実行されているアプリケーションは、標的デバイスを表現した表示物400及び検出された潜在的クローンを表現した表示物402、404、406を表示する。これらの表示物は、潜在的クローン(図示せず)によって提供されるユーザー名又は他の識別情報で標識づけされていてもよい。ユーザーが、例えば、潜在的クローン404のうちの1つを、例えば標的デバイス404に向かってドラッグする(矢印408)ことによって選択する場合には、潜在的クローン404のうちの上記の1つは、もともと標的に対して意図された音声信号を受信するように構成される。潜在的なクローンをユーザーに対して表示するために、様々なインターフェース規則を使用することができる。一例では、複数のアイコンが、任意の位置、又は、例えば、標的デバイスからのそれらの検出された距離によって決定される位置を有する、複数のアイコンが、画面の周囲に表示される。別の例(図示せず)では、潜在的クローンは、一列に表示され、ユーザーは、列を左右にスライドさせることで、画面上に収まるよりも多くの潜在的なクローンを見ることができる。ソースデバイス306は、それ自体がクローンを認識しておらず、アプリケーションは、標的デバイスから受信した情報に基づいてそれらを表示し、標的デバイスを介してそれらを構成するだけであるということに留意されたい。したがって、ソースデバイスのオペレーティングシステム及び他の内蔵機能は、アプリケーション及び標的デバイスのユーザーがクローンを制御するために、それらのクローンを認識したり、又はクローンと通信したりする必要はない。
【0038】
図4bは、第2のスマートフォン(
図4aのユーザーがクローン用に選択したヘッドホンの所有者に関連付けられたスマートフォン416など)上で実行されている任意選択の確認インターフェースを示す。このインターフェースでは、標的ヘッドホンを表現した表示物400は、選択されたヘッドホン404に信号を送信している状態で示される。ユーザーは、クローニングを可能にすることを承認(チェックボックス410)又は否認(チェックボックス412)することができる。この例では、簡略化のために、標的ヘッドホンからの送信が来ていること示されている。他の例では、ソースデバイス306を表現した表示物も示すことができ、ユーザーに対して、何が起こっているかをより正確に表現することができる。
【0039】
図5は、クローンが作製されるプロセスを示す。標的デバイスは、既にソースデバイスとペアリングされていると想定される。スマートフォン又は他のコンピュータ上で実行されるアプリケーションは、標的に潜在的クローンをスキャンするよう指示する。潜在的なクローンを特定するために、標的デバイスはBLEを使用し、クエリ502をブロードキャストしてスキャンを実行する。通信範囲内にある、メッセージ504a〜504iに対応するデバイスは、それぞれ、Bluetooth Special Interest Group(SIG)に登録された、予約された汎用固有識別コード(UUID)を伝達する。標的デバイスの無線機は、受信した信号ごとに受信信号強度インジケータ(RSSI)を生成し、このデータを、メッセージ506内の各クローンのUUIDと共にアプリケーションに戻す。UUID及びRSSIは、所望により、近くのデバイスにクローニングを限定するために使用されてもよい。UUIDはまた、標的デバイス302におけるマッチしたクローンのBLEデバイスアドレスをホワイトリスト化することによって、所与の製造業者のデバイスにクローニングを限定するために使用することもできる。次いで、アプリケーションは、音声を共有するために利用可能なデバイス(508)を表示し、ユーザーは、どれを使用するべきかを指定することができる。次いで、ターゲットは、必要な情報510を、選択されたデバイスに送信する。クローンされるデバイスが他のユーザーに関連付けられている場合、それらのデバイス上のユーザーインターフェース、又は他のユーザーの電話上で実行されている同じアプリケーション若しくは類似のアプリケーションにおけるユーザーインターフェースは、クローニングプロセスを承認するために使用され、その承認の時点で、クローン化されたデバイスは、送信されたデータ510を受け取り、そのデータを用いてソースからの送信(330a〜330i、
図3)を傍受し始める。あるいは、標的の使用者がクローンを所有又は制御している場合、クローニングを開始するために使用される同じアプリケーションを使用して、クローンのクローニングを承認し得る(これは、最初にクローンを選択するのと同じ工程であり得る)。一部の例では、標的とクローンとの間の双方向通信は、BLE中央役割とBLE周辺役割との間の役割切り替えによって達成され、ブロードキャストモード内の双方向通信を可能にする。
【0040】
図6に示されるように、別の実装は、2つの受信機実装のために開発された代替ソリューションのうちの1つ(ピアツーピア又はP2Pモードと呼ばれることもある)と組み合わせるものである。P2Pモードでは、ソース606は、第1の標的602に古典的なBluetoothを使用して音声610を送信し、標的602は、音声615を、例えば、図示のように、左右対のスピーカの第2の方、又は完全無線ヘッドホン構成の第2のイヤピースなどの、第2の標的608に再送信する。P2Pモードはまた、ともにステレオ音声の再生を行う、2つの標的デバイスどうしの間で、音声を共有するために使用することもできる。再送信はまた、第1の標的602が、第2の標的608に関連している限り、ソースとなっている状態で、古典的Bluetoothを用いている。クローン604a〜604iは、BLEブロードキャスト送信又は安全ポイントツーマルチポイント接続620a〜620iを用いて上記と同じ方法で作製されるが、それらは、元のソースからの送信610ではなく、第1の標的602から第2の標的608への再送信615を傍受及び復号する(リンク630a〜630iとして示される)。これは、第1の標的602が再送信615のソースであり、クローニングプロセスを制御することにより、再送信615を修正してクローンによる傍受を容易にすることができるという利点を有する。
マイクロホン
【0041】
上述したように、
図3は、標的及びクローンを、ヘッドホンとして示す。ソースからのコンテンツを共有することに加えて、同じ音声信号を受信する複数のヘッドホンは、学校の教室という設定及び団体旅行に有用であり得るが、その場合、ソースは、教師又はツアーガイドのマイクロホンから受信した音声信号を送信している。標的及びクローンはまた、大きな部屋又は複数の部屋にわたってサウンドを再生するためのスピーカのような、大音量スピーカであってもよく、又は異なるユーザーのスピーカとヘッドホンとの組み合わせであってもよい。部屋の周囲に複数のスピーカを使用した使用法の2つの例は、サラウンドシステム及び会議システムである。教室/団体旅行での使用事例及び会議システムでの使用事例の両方において、更なる考慮事項は、システムへのローカルでの音声入力、すなわちマイクロホンからの音声入力である。マイクロホンがソースデバイスに接続されるか、又はそれと一体化されている場合、上述の音声共有状況のように、傍受される音声のソースとすることができる。しかしながら、ターゲットデバイスに組み込まれたマイクロホンは、より良好に声を拾い上げたり、あるいは単にユーザーにとってより便利であるため、そのようなターゲットデバイスに組み込まれたマイクロホンを使用することが好ましい場合がある。
【0042】
ソースとしてのスマートフォンと共に、単一のBluetoothヘッドセット又はスピーカーフォンデバイスが使用される従来の構成では、標的デバイスは、ソースデバイスのBDADDRアドレス、リンクキー、及びクロック情報を使用して、標的デバイスのマイクロホンからの音声信号を暗号化及びアドレス指定し、ソースデバイスによって指定されたタイムスロットで信号を送信する。使用することができる他の情報としては、ホップシーケンスタイプ、Bluetoothマスタークロック、適応周波数ホップ(AFH)チャネルマップ、ターゲットデバイスのBDADDR、標的デバイスのマスタークロックオフセット、及び割り当てられたLT ADDR(論理トランスポートアドレス)を含む。クローンがシステムに添加されると、2つの可能性が提示される。
【0043】
まず、
図7に示すように、クローン704a〜704iは、標的702からソース706へ返されるマイクロホン送信を傍受してもよい。これは、リーダーが、ソースに取り付けられたものではなく、自身のヘッドセット(すなわち、標的702)内に内蔵されたマイクロホン712を使用する、教室又は団体旅行の文脈において、とりわけ有用であり得る。標的702は、マイクロホン音声をソース706に送信し(送信715)、クローンの全てがそれを傍受(740a〜740i)して、リーダーが言っていることを聞くことができる。マイクロホン送信を傍受することは、クローンが、送信710をソース(730a〜730i)から傍受するために既に有している同じ情報に加え、設定BLEブロードキャスト送信又は安全なポイントツーマルチポイント接続720a〜720i内において、標的によってクローンに提供され得るタイミング情報を使用することである。
図7に示されるように、クローンは、標的デバイスとソースデバイスとの間の全二重通信を傍受している。一部の例では、クローンは、ソースツーターゲット音声伝送710ではなく、マイクロホン送信715を傍受する。
【0044】
別の実施態様では、
図8に示すように、クローン804a〜804iの一部又は全ては、マイクロホン812a〜812iを有する。2つの例を挙げると、クローン(
図8の例の場合には符号804a)のユーザーが話したいと望む場合、それらは、プッシュトークボタン又はボイス活動検出器(VAD)を使用して、そのことを示す。それに応じて、標的802は、そのクローン(
図8の例では、リンク820a上のもの)に対して、必要なタイミング情報又は他の情報を提供し、クローン804aが標的の指定されたタイムスロット内で送信できるようにして、ソース806は、送信850を受信するが、それが標的802から来たものと考えている。クローンが代わりに送信している間、本当の標的は、それ自体が送信することを回避する。他の例では、必要な情報は、クローンが作成される時点で提供され、プッシュツートーク又は他の信号伝達は、標的とクローン間の送信を調整して、衝突を回避するために使用される。
【0045】
他の実施形態は下記の特許請求の範囲内にある。
【符号の説明】
【0046】
100 無線音声デバイス
110 無線送受信機
115 リンク
120 ユーザーインターフェース
122 制御装置
123 インジケータ
130 プロセッサ
135 記憶装置
139 音声データ
140 デジタル−アナログ変換器
145 増幅器
150 コネクタ
170 音響ドライバ
190 蓄電装置
302 標的デバイス
304 追加の受信デバイス
306 ソースデバイス
310 リンク
320 リンク
330 リンク
416 スマートフォン
502 クエリ
504 メッセージ
506 メッセージ
510 データ
602 標的
604 クローン
606 ソース
608 第2の標的
702 標的
704 クローン
706 ソース
712 マイクロホン
802 標的
804 クローン
806 ソース
900 パーソナル電子デバイス
922 制御装置
923 インジケータ
1000 ネットワーク