特許第6985514号(P6985514)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6985514
(24)【登録日】2021年11月29日
(45)【発行日】2021年12月22日
(54)【発明の名称】通信装置
(51)【国際特許分類】
   H01Q 13/06 20060101AFI20211213BHJP
   H01Q 1/24 20060101ALI20211213BHJP
   H01P 3/12 20060101ALI20211213BHJP
【FI】
   H01Q13/06
   H01Q1/24 Z
   H01P3/12 100
【請求項の数】15
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2020-530685(P2020-530685)
(86)(22)【出願日】2017年12月20日
(65)【公表番号】特表2021-506161(P2021-506161A)
(43)【公表日】2021年2月18日
(86)【国際出願番号】EP2017083817
(87)【国際公開番号】WO2019120515
(87)【国際公開日】20190627
【審査請求日】2020年6月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】クリプコヴ,アレクサンダー
【審査官】 鈴木 肇
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2010/0321249(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2016/0351996(US,A1)
【文献】 特開2012−175624(JP,A)
【文献】 国際公開第2017/114063(WO,A1)
【文献】 登録実用新案第3204894(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2016/0226131(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 1/12− 1/26
H01Q 13/00−13/28
H01P 3/00− 3/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前部(106)と周囲の導電性フレーム(108;710)とを含むハウジング(104;704)を有する通信装置(102;702)であって、
前記前部は誘電性カバー(110)を含み、前記ハウジングは、
前記カバー(110)によって覆われたディスプレイ(112)と、
導電性シャーシ(114;712)と、
少なくとも1つの給電素子(118)を含む少なくとも1つの基板(116)と、を収容し、
前記フレーム(108)の少なくとも一部に沿って且つ前記ディスプレイ(112)と前記基板(116)との間で、前記シャーシ(114)及び前記フレーム(108)は、誘電体で満たされた中間スペース(124)によって互いに分離されており、
前記フレーム(108)の前記一部に沿って且つ前記カバー(110)と前記誘電体で満たされた中間スペース(124)との間で、前記ディスプレイ(112)は、ギャップ(126)によって前記フレーム(108)から分離されており、前記ディスプレイと前記フレームとの間に設けられた前記ギャップの幅が一定の距離として規定され、
これにより、前記誘電体で満たされた中間スペース(124)は、前記フレーム(108)及び前記シャーシ(114)と共に、前記基板(116)と前記ギャップ(126)との間に延びる少なくとも1つの導波路構造(502)を形成する、
通信装置。
【請求項2】
前記給電素子(118)は、給電線(302)を介して無線周波数集積回路に接続される、請求項1に記載の通信装置(102)。
【請求項3】
前記基板(116)は、前記フレーム(108)の片側に隣接している、請求項1又は2に記載の通信装置(102)。
【請求項4】
前記ハウジング(104)はメインプリント回路基板(120)を収容し、前記シャーシ(114)の一部が、前記ディスプレイ(112)と前記メインプリント回路基板(120)との間に配置される、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の通信装置(102)。
【請求項5】
前記基板(116)は、前記メインプリント回路基板(120)の一部である、請求項4に記載の通信装置(102)。
【請求項6】
前記基板(116)は、前記メインプリント回路基板(120)に電気的に接続された第2のプリント回路基板(116)である、請求項4又は5に記載の通信装置(102)。
【請求項7】
前記シャーシ(114)は、前記メインプリント回路基板(120)を介して前記基板(116)に結合される、請求項4乃至6のいずれか一項に記載の通信装置(102)。
【請求項8】
前記ギャップ(126)は、誘電性材料で満たされる、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の通信装置(102)。
【請求項9】
前記少なくとも1つの基板(116)は、少なくとも部分的に導電性の側部(130)を有する、誘電体で満たされた少なくとも1つのキャビティ(128)を規定し、前記給電素子(118)は、前記キャビティ内に又は該キャビティに隣接して配置される、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の通信装置(102)。
【請求項10】
前記誘電体で満たされたキャビティの前記少なくとも部分的に導電性の側部(130)は、複数の導電性ビア(304)を含む、請求項9に記載の通信装置(102)。
【請求項11】
1つ又は複数の前記基板(116)は、少なくとも部分的に導電性の側部(130)を有する、誘電体で満たされた複数のキャビティ(128)を規定し、各キャビティ(128)内に又は該キャビティに隣接して、給電素子(118)が配置され、各給電素子(118)は、それ自体の給電線(302)を介して無線周波数集積回路に接続される、請求項9又は10に記載の通信装置(102)。
【請求項12】
前記ハウジング(104)は少なくとも1つの導電性壁(504)を収容し、隣接する2つのキャビティ(128)が前記壁(504)によって互いに分離されており、前記壁(504)は前記フレーム(108)及び前記シャーシ(114)に接続され、これにより前記誘電体で満たされた中間スペース(124)は誘電体で満たされた複数の区画(502)に分離され、各区画によって導波路(502)が規定される、請求項11に記載の通信装置(102)。
【請求項13】
前記ハウジング(704)は少なくとも1つの導電性壁(706)を収容し、隣接する2つのキャビティ(708)が前記壁(706)によって互いに分離されており、前記壁(706)は、前記フレーム(710)に接続され且つ前記シャーシ(712)から分離されている、或いは前記壁は、前記シャーシ(712)に接続され且つ前記フレーム(710)から分離されている、請求項11に記載の通信装置(702)。
【請求項14】
前記通信装置(102)は複数のモジュール(902、904、906、908)を含み、各モジュールは、
前記誘電体で満たされた複数のキャビティ(128)を規定する前記少なくとも1つの基板(116)であって、各キャビティ(128)内に又は該キャビティに隣接して、給電素子(118)及び給電線(302)が配置される、少なくとも1つの基板と、
前記給電線(302)を介して前記給電素子(118)に接続された無線周波数集積回路と、
複数の導波路構造(502)と、を含み、
各モジュール(902、904、906、908)において、前記フレーム(108)の片側の少なくとも一部に沿って且つ前記ディスプレイ(112)と前記基板(116)との間で、前記シャーシ(114)及び前記フレーム(108)は、誘電体で満たされた中間スペース(124)によって互いに分離されており、
各モジュール(902、904、906、908)において、前記フレーム(108)の片側の前記一部に沿って且つ前記カバー(106)と前記誘電体で満たされた中間スペース(124)との間で、前記ディスプレイ(112)は、ギャップ(126)によって前記フレーム(108)から分離されており、
各導波路構造(502)が、少なくとも前記誘電体で満たされた中間スペース(124)、前記フレーム(108)、前記シャーシ(114)、及び壁(504)によって形成される、請求項12又は13に記載の通信装置(102)。
【請求項15】
前記モジュール(902、904、906、908)は、互いに関して、当該通信装置(102)の略反対側に配置される、請求項14に記載の通信装置(102)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の態様は、前部と周囲の導電性フレームとを含むハウジングを有する通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
第5世代(5G:fifth generation)のミリ波モバイル通信では、無線アプリケーションは、高ゲイン及びビーム形成の要件を満たすために、複数の放射素子を含むアンテナアレイを使用する必要がある。第5世代(5G:fifth generation)の新しい無線(NR:New Radio)ユーザ機器(UE:user equipment)のビーム形成に関するパフォーマンスパラメータの3GPP規定によれば、5G UEは、全ての方向及び向きで安定した通信を実現するために、概ね一定の等価等方性輻射電力(EIRP:Equivalent
Isotropically Radiated Power)/等価等方感度(EIS:Effective Isotropic Sensitivity)、及びダイバーシティ/MIMO(Multiple Input Multiple Output)パフォーマンスを有するオムニカバレッジミリ波アンテナを使用するものとされる。「オムニカバレッジ」とは、アンテナが全ての方向に十分等しく放射することを意味する。UE内のスペースが限られているため、5G UEにオムニカバレッジを提供することは困難である。
【発明の概要】
【0003】
移動体通信業界は、UE本体の外形寸法に比べてディスプレイ/スクリーンの寸法を最大化することに取り組んでいる。その結果、ディスプレイはUEの前部全体を略覆うだろう。ディスプレイ領域を増やすと、全てのモバイルアンテナに技術的な課題が生じる。例えば、ディスプレイは球面ビーム形成のカバレッジに大きな影響を与える。ディスプレイの導電性構造は、ディスプレイ方向でのビームの歪み及び約10dBの損失につながるブロッカーとして作用する。UEのハウジングの金属フレーム、及びハウジングによって収容された金属シャーシは、球面ビーム形成のカバレッジに追加の課題を生じさせる。
【0004】
こうして、本発明の実施形態の目的は、UE(つまり、通信装置)のための改善されたアンテナ構成を提供することである。
【0005】
本発明の第1の態様によれば、上述した目的は、前部と周囲の導電性フレームとを含むハウジングを有する通信装置を提供することによって達成され、前部は誘電性カバーを含み、ハウジングは、
カバーによって覆われたディスプレイ、又はスクリーンと、
導電性シャーシと、
少なくとも1つの給電素子を含む少なくとも1つの基板と、を収容し、
フレームの少なくとも一部に沿って且つディスプレイと基板との間で、シャーシ及びフレームは、誘電体で満たされた中間スペースによって互いに分離されており、
フレームの一部に沿って且つカバーと誘電体で満たされた中間スペースとの間で、ディスプレイは、ギャップによってフレームから分離されており、
これにより、誘電体で満たされた中間スペースは、フレーム及びシャーシと共に、基板とギャップとの間に延びる少なくとも1つの導波路構造を形成する。
【0006】
このような通信装置により、給電素子及び導波路を含むアンテナ構成のアンテナカバレッジ性能が改善され、人体効果の影響を打ち消すことができる。別の言い方をすると、放射線カバレッジが拡大され、人体への影響が軽減される。通信装置は、特に、例えば15〜100GHzの周波数範囲内のいわゆるミリ波通信に有用である。ミリ波通信のために構成された通信装置は、例えば15〜100GHzの周波数範囲内のミリ波通信のために構成されたミリ波アンテナ構成を含む必要がある。一般に、少なくとも1つの導波路構造は通信装置のディスプレイ/スクリーン側に向けて放射するが、大画面UEのユーザは、UEの使用時に、本質的に手でディスプレイ/スクリーン側を覆っていため、人体への影響が軽減される。こうして、大画面と最小限のカット数の金属フレームとを有する妥協のないハンドヘルドUE設計が提供される。こうして、本発明の実施形態によれば、フレーム内に放射のためのスロットは不要である。さらに、本発明の実施形態により、オムニカバレッジが改善した改善されたミリ波アンテナ構成が提供される。給電素子は、アンテナ給電素子又はアンテナ放射素子と呼ばれることもある。
【0007】
第1の態様による通信装置の可能な実装形態では、給電素子は、給電線を介して無線周波数集積回路に接続される。この実装形態の利点は、基板内にアンテナ給電素子及び給電線を製造することにより、高い生産歩留まりが保証されることである。
【0008】
第1の態様による通信装置のさらに可能な実装形態では、基板は、フレームの片側に隣接している。この実装形態の利点は、各アンテナ給電素子の自由空間への電磁放射が等しく効率的であり、こうして、アンテナ構成のアンテナカバレッジ性能がさらに改善されることである。
【0009】
第1の態様による通信装置の可能な別の実装形態では、ハウジングはメインプリント回路基板を収容し、シャーシの一部が、ディスプレイとメインプリント回路基板との間に配置される。この実装形態の利点は、メインプリント回路基板をUEコンポーネントのキャリアとして利用することにより、費用対効果の高いUE統合が実現できることである。さらに、改善された製造手順及びコスト効率が提供される。
【0010】
第1の態様による通信装置のさらに可能な別の実装形態では、基板は、メインプリント回路基板の一部である。この実装形態の利点は、コンパクトな構造が提供され、こうして、さらに改善されたアンテナ構成を提供することである。
【0011】
第1の態様による通信装置のさらに可能な別の実装形態では、基板は、メインプリント回路基板に電気的に接続された第2のプリント回路基板である。この実装形態の利点は、アンテナ素子を配置する際の柔軟性が改善され、こうして、アンテナ構成のアンテナカバレッジ性能がまたさらに改善されることである。
【0012】
第1の態様による通信装置の可能な実装形態では、シャーシは、メインプリント回路基板を介して基板に結合される。この実装形態の利点は、コンパクトな構造が提供され、こうして、オムニカバレッジが改善した、さらに改善されたアンテナ構成を提供することである。
【0013】
第1の態様による通信装置のさらに可能な実装形態では、ギャップは、誘電性材料で満たされる。この実装形態の利点は、構造の安定性が提供され、ギャップの寸法が効果的に減少され、オムニカバレッジが改善した、さらに改善されたアンテナ配置を提供することである。
【0014】
第1の態様による通信装置の可能な別の実装形態では、少なくとも1つの基板は、少なくとも部分的に導電性の側部を有する、誘電体で満たされた少なくとも1つのキャビティを規定し、給電素子はキャビティ内に又はキャビティに隣接して配置される。この実装形態の利点は、アンテナ給電素子の安定したインピーダンス整合が高い生産歩留まりで保証され、こうしてアンテナ構成は、オムニカバレッジ性能の改善によってさらに改善されることである。
【0015】
第1の態様による通信装置のさらに可能な別の実装形態では、誘電体で満たされたキャビティの少なくとも部分的に導電性の側部は、複数の導電性ビアを含む。この実装形態の利点は、アンテナ構成に改善された製造手順及びコスト効率が提供されることである。
【0016】
第1の態様による通信装置のさらに可能な別の実装形態では、1つ又は複数の基板は、少なくとも部分的に導電性の側部を有する、誘電体で満たされた複数のキャビティを規定し、各キャビティ内に又はそのキャビティに隣接して、給電素子が配置され、各給電素子は、それ自体の給電線を介して無線周波数集積回路に接続される。この実装形態により、ビーム形成及びビームステアリング機能を有するアンテナのアレイが提供される。この実装形態の利点は、オムニカバレッジが改善した、さらに改善されたアンテナ構成が提供されることである。
【0017】
第1の態様による通信装置の可能な実装形態では、ハウジングは少なくとも1つの導電性壁を収容し、隣接する2つのキャビティがこの壁によって互いに分離されており、壁はフレーム及びシャーシに接続され、これにより、誘電体で満たされた中間スペースは、誘電体で満たされた複数の区画に分離され、各区画によって導波路が規定される。この実装形態の利点は、隣接するキャビティ同士/対応する給電素子同士の間の結合が防止され、効率及びビーム形成オムニカバレッジが改善した、改善されたミリ波アンテナ配置が提供されることである。この実装形態の更なる利点は、フレーム及びシャーシに接続された導電性壁によって、UEの機械的強度が改善されることである。
【0018】
第1の態様による通信装置のさらに可能な実装形態では、ハウジングは少なくとも1つの導電性壁を収容し、隣接する2つのキャビティがこの壁によって互いに分離されており、壁は、フレームに接続され且つシャーシから分離されている、或いは壁は、シャーシに接続され且つフレームから分離されている。この実装形態の利点は、オムニカバレッジが改善した、改善されたミリ波アンテナ構成が提供されることである。この実装形態の更なる利点は、フレームとシャーシとの間の間隔が効果的に利用されることであり、それでも、UEの追加のアンテナは、例えば6GHz以下の周波数帯域で動作するように構成された、さらに別の周波数帯域で構成される。
【0019】
第1の態様による通信装置の可能な別の実装形態では、通信装置は複数のモジュールを含み、各モジュールは、
誘電体で満たされた複数のキャビティを規定する少なくとも1つの基板であって、各キャビティ内に又はそのキャビティに隣接して、給電素子及び給電線が配置される、少なくとも1つの基板と、
給電線を介して給電素子に接続された無線周波数集積回路と、
複数の導波路構造と、を含み、
各モジュールにおいて、フレームの片側の少なくとも一部に沿って且つディスプレイと基板との間で、シャーシ及びフレームは、誘電体で満たされた中間スペースによって互いに分離されており、
各モジュールにおいて、フレームの片側の一部に沿って且つカバーと誘電体で満たされた中間スペースとの間で、ディスプレイは、ギャップによってフレームから分離されており、
各導波路構造が、少なくとも誘電体で満たされた中間スペース、フレーム、シャーシ及び壁によって形成される。この実装形態の利点は、放射線カバレッジがさらに拡大され、人体への影響がさらに低減されることである。
【0020】
第1の態様による通信装置のさらに可能な別の実装形態では、モジュールは、互いに関して、通信装置の略反対側に配置される。この実装形態の利点は、改善したオムニカバレッジが提供されることである。
【0021】
上述した特徴及び実装形態は、それぞれ、様々な可能な方法で組み合わせて、さらに有利な実装形態を提供することができる。本発明の更なる用途及び利点は、以下の詳細な説明から明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
添付図面は、本発明の異なる実施形態を明確にし、説明することを意図している。
図1】本発明による通信装置の実施形態の一部を示す概略斜視図である。
図2図1の実施形態の一部を示す概略斜視図である。
図3a図1の実施形態の3つの給電素子及び基板の周囲の側部の概略斜視図である。
図3b】図aの2つの給電素子及び周囲の側部の上面図である。
図3c図1の実施形態の3つの給電素子及び周囲の側部の別の斜視図である。
図3d】基板上の給電素子及び給電線の代替構成の断面斜視図である。
図3e図3dの構成の断面斜視図である。
図3f図3dの構成の断面図である。
図4】基板を示す概略斜視図である。
図5】例示の目的で要素が省かれた、図1の実施形態の一部を示す概略斜視図である。
図6】例示の目的で要素が省かれた、図1の実施形態の裏側の一部の概略斜視図である。
図7】本発明による通信装置の第2実施形態の一部を示す概略斜視図である。
図8図7の実施形態のいくつかの壁の概略図である。
図9】本発明による複数のモジュールを有する通信装置の実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本明細書で開示する通信装置102、802は、ユーザ装置、ユーザ機器(UE)、移動局、IoT(internet of things)装置、センサ装置、ワイヤレス端末、及び/又はモバイル端末として示され得、セルラー無線システム、特にLET又は新しい無線(NR/5G)通信システムと呼ばれることもある無線通信システムで無線通信できるようにする。UEはさらに、無線機能を有する携帯電話又はセルラー電話と呼ばれることもある。本文脈におけるUEは、ポケットに格納可能であり得、且つポータブル、ハンドヘルド、コンピュータ構成、又は車載モバイル装置であり、音声及び/又はデータを無線アクセスネットワークを介して別のレシーバ又はサーバ等の別のエンティティと通信することを可能にする。
【0024】
開示する実施形態は、いわゆるミリ波移動通信に適している。より正確には、開示する実施形態は、15〜100GHzの範囲内で、例えば24.25〜29.5GHz、31.8〜33.4GHz、37〜43.5GHz、45.5〜52.6GHz、66〜76GHz、又は81〜86GHzの動作周波数帯域で適しており、これらの帯域はモバイルサービス及び5Gデプロイ(deployment)に割り当てられる。動作周波数帯域の別の例は、57〜66GHzであり、この帯域は、ライセンス不要の動作及び/又は無線ローカルエリアネットワーク通信に割り当てられる。
【0025】
図1及び図2を参照すると、通信装置102の実施形態の一部が開示されている。通信装置102は、前部106(図2を参照)と、例えば金属で作製された、周囲の導電性フレーム108とを含むハウジング104を含む。ただし、他の材料も可能である。前部106は、誘電性カバー110を含む。ハウジング104は、誘電性カバー110によって覆われたディスプレイ112(又は、スクリーン)を収容する。ハウジング104はまた、導電性シャーシ(chassis)114と、少なくとも1つの給電素子118が設けられた少なくとも1つの基板116とを収容する。あるいはまた、給電素子118は、アンテナ給電素子、アンテナ素子、又は放射素子と呼ばれ得る。さらに、ハウジング104は、メインプリント回路基板(PCB:printed circuit board)120を収容する。シャーシ114の一部が、ディスプレイ112とメインPCB120との間に配置される。基板116は、メインPCB120に電気的に接続される第2のPCBである。導電性シャーシ114は、メインPCB120を介して基板116に結合される。あるいはまた、基板116は、メインPCB120の一部であってもよい。図1及び図2に確認されるように、基板116は、フレーム108の片側に隣接している。
【0026】
図1を参照すると、フレーム108の少なくとも一部に沿って且つディスプレイ112と基板116との間で、シャーシ114及びフレーム108は、誘電体で満たされた中間スペース124によって、示される距離122だけ(図2を参照)互いに分離されている。図2を参照すると、フレーム108の一部に沿って且つカバー106と誘電体で満たされた中間スペース124との間で、ディスプレイ112は、ギャップ126によってフレーム108から分離されている。誘電体で満たされた中間スペース124は、フレーム108及びシャーシ114と共に、基板116とギャップ126との間に延びる少なくとも1つの導波路構造を形成する。給電素子118からの電磁エネルギーは、導波路構造に結合され、前方向の誘電性カバー106に向けられ、ギャップ126を介して自由空間に放射される。ギャップ126の幅は、それぞれのボリュームのそれぞれの誘電体充填における動作帯域の最低周波数での波長(λ)の0.15、例えば24.25〜29.5GHz給電素子118の場合は1ミリメートル(mm)になり得る。シャーシ114とフレーム108との間の距離122(図1を参照)は、それぞれのボリュームの誘電体充填の動作帯域の最低周波数での波長(λ)の0.5以下、例えば24.25〜29.5GHz給電素子118の場合は2.5mmになり得る。図1を参照すると、メインPCB120には給電素子118の上に開口部を設けることができる。あるいはまた、メインPCB120を給電素子118の上に連続させてもよいが、給電素子の上の領域に金属はない。給電素子118及び導波路構造を含む、ミリ波アンテナ構成という用語が導入され得る。
【0027】
通信装置102のハウジング104は、背面カバーを有し得る。基板116は、背面カバーとシャーシ114との間に配置され得る。基板116は、背面カバーとメインPCB120との間に配置され得る。一般に、ディスプレイ112は、カバー106とシャーシ114との間に配置される。基板116は、少なくとも1つの誘電体層を含む。ギャップ126は、有利には、誘電性材料で満たされている。
【0028】
図1図2、及び図3を参照すると、基板116は、例えば導電性ビア304の形態の少なくとも部分的に導電性の側部130を有する、誘電体で満たされた少なくとも1つのキャビティ128を規定する。給電素子118は、キャビティ128内に又はキャビティ128に隣接して配置される。
【0029】
図3a〜図3cを参照すると、給電素子118及び関連する誘電体で満たされたキャビティ128をさらに詳細に開示されている。図3aは3つの給電素子118を示し、各給電素子118が無線周波数集積回路(RFIC:radio frequency integrated circuit)に接続される。RFICは、メインPBC上又は基板116上に配置することができる。各キャビティ128及び給電素子118は、少なくとも部分的に導電性の側部130によって取り囲まれる。誘電体で満たされたキャビティの少なくとも部分的に導電性の側部130は、複数の導電性ビア304を含む。基板116は、少なくとも部分的に導電性の側部130を有する、誘電体で満たされた複数のキャビティ128を規定する。各給電素子118は、それぞれのキャビティ128内に又はそのキャビティ128に隣接して配置される。各給電素子118は、それ自体の給電線302、例えば平面給電線(ストリップライン、マイクロストリップ、又は接地されたコプレーナ(coplanar)導波路ライン等)を介してRFICに接続される。給電線302は、給電素子118をRFICの信号ポートと接続する。各給電素子118は、給電線302から基板116のエッジ部に向けて幅が徐々に増大するくさび形状を有してもよい。給電素子118は、図3a〜図3cに示されるように、開放端スタブ(open-ended stub)を含んでもよい。開放端スタブの形状は、動作周波数帯域内のインピーダンス整合のために構成される。
【0030】
給電素子118及び給電線302は、例えば基板116にプリントすることにより、基板116上に形成することができる。基板116は、モノリシックな多層構造、例えばPCB、フリップチップパッケージ、又は低温共焼成セラミック(LTCC:Low Temperature Co-fired Ceramic)として構成される。
【0031】
図3d〜図3fを参照すると、給電素子318、関連する給電線402、及び部分的に導電性の側部330の代替構成が開示されている。給電素子318は、短絡スタブを含む。給電素子318の短絡スタブは、基板316の外側エッジ部で給電線402を導電性の側部330と接続する。
【0032】
図3a〜図3fに示されている両方の選択肢で、給電素子118;318は、給電線302;402のTEMモードを、誘電体で満たされたキャビティ128のTE1xモード又は準TEMモードに変換するように構成される。誘電体で満たされたキャビティ128は、誘電体で満たされたキャビティ128と同じモードをサポートする対応する導波路構造502(とりわけ図5を参照)と結合される。導波路構造502は、フレーム108の外面及びディスプレイ112の外面上の表面電流を励起している。こうして、ディスプレイ112に向かう電磁(EM:electromagnetic)放射が実行される。
【0033】
具体的には、インピーダンス整合は、基板116;316のトポロジによって規定される。通信装置102の他の導電性構造及び誘電性構造は、一般に、インピーダンス整合に殆ど又は全く影響を与えず、従って、組立工程の不安定性に影響を与えない。
【0034】
図4では、ハウジング104内の基板116の構成が、背面カバーを省いた状態で、通信装置の背面から見たように示されている。図4に確認されるように、基板116は、フレーム108の側部の近くに取り付けられる。
【0035】
図5を参照すると、4つのキャビティ128及び4つの給電素子118が存在し、その結果として4つの導波路構造502が存在する。ハウジング104は、少なくとも1つの導電性壁504を収容する。この例では、3つの壁504が設けられる。2つの隣接するキャビティ128は、壁504によって互いに分離されている。壁504は、フレーム108及びシャーシ114に接続され、それにより、誘電体で満たされた中間スペース124は、誘電体で満たされた複数の区画502に分離される。各区画502は導波路502を規定する。図5のこの例では、4つの導波路502が存在する。3つの壁504は、フレーム108から略垂直に延びる。図5では、シャーシ108に向かうフレーム108が、テーパー形状を有しており、こうして、テーパー形状を有する導波路構造502も有することも示されている。テーパー形状は、給電素子118に近づくほど狭くなる。壁504によって、2つのキャビティ/給電素子128/118の間の結合が回避される。
【0036】
図6を参照すると、区画/導波路502及び関連する壁504は、通信装置102の裏側から見たように示されている。
【0037】
図7を参照すると、更なる実施形態による通信装置702が開示されている。ハウジング704は、少なくとも1つの導電性隆起部706を収容し、2つの隣接するキャビティ708(図8を参照)が、少なくとも1つの隆起部706によって互いに分離される。導電性隆起部706は、導電性フレーム710とシャーシ712との間の内部容積(又は、誘電体で満たされた中間スペース)内の寄生表面波伝播を抑制するように構成される分離隆起部として構成される。こうして、基板上の隣接する給電線同士の間の寄生相互結合は、動作帯域幅内で保証される。
【0038】
いくつかの実施形態では、隆起部706は、周囲の導電性フレーム710に接続されるが、導電性シャーシ712から分離される。別の実施形態では、隆起部706は、導電性シャーシ712に接続されるが、周囲の導電性フレーム710から分離される。どちらの場合も、フレーム710は、シャーシ712からガルバニック絶縁されている。
【0039】
図8を参照すると、図7の実施形態のいくつかの隆起部706が示されている。導波路隆起部714が2つの導電性隆起部706の間に設けられることが示されている。導波路隆起部714は、誘電体で満たされたキャビティ128をキャビティ708の対応する導波路構造502と電磁的に結合するように構成される。導波路隆起部714は、電磁(EM:electromagnetic)波をディスプレイ方向に案内し、さらにギャップ126からEM放射を案内するように構成される。隆起部706、714は、フレーム710から略垂直に延びる。フレーム710と導電性シャーシ712との間の間隔は、さらに別の周波数帯域、例えば、6GHz以下の周波数帯域で動作するように構成された通信装置702の追加のアンテナとしてさらに有効に利用される。それ以外の場合に、通信装置702は、本質的に前の実施形態の通信装置102に対応する。
【0040】
図9を参照すると、通信装置102は、複数のモジュール902、904、906、908を含むことができる。各モジュール902、904、906、908は、誘電体で満たされた複数のキャビティ128を規定する少なくとも1つの基板116を含む。各キャビティ内に又はそのキャビティに隣接して、給電素子118及び給電線が配置される。各モジュール902、904、906、908はRFICを含み、RFICは給電線302を介して給電素子118に接続される。各モジュール902、904、906、908において、フレーム108の片側の少なくとも一部に沿って且つディスプレイ112と基板116の間で、シャーシ114及びフレーム108は、誘電体で満たされた中間スペース124によって互いに分離されている。各モジュール902、904、906、908において、フレーム108の片側の一部に沿って且つカバー106と誘電体で満たされた中間スペース124との間で、ディスプレイ112は、ギャップ126によってフレーム108から分離される。複数の導波路構造502が設けられる。各導波路構造502は、少なくとも誘電体で満たされた中間スペース124、フレーム108、シャーシ114、及び壁504によって形成される。モジュール902、904、906、908は、互いに関して、通信装置102の略反対側に配置され得る。
【0041】
図中の通信装置の一部は、例示の目的で除かれていることを理解されたい。「互いに分離された」とは、2つ以上のエンティティ又はユニットが互いにある距離だけ分離されている、すなわち、2つのエンティティの間に距離が形成されることを意味する。しかしながら、それらエンティティ又はユニットは、依然として互いに直接的又は間接的に電気接続されている可能性がある。「接続された」とは、2つの接続されたユニットが互いに例えば導電経路を介して直接的に電気接続できる、又はいくつかの電気的手段、例えば変圧器又はコンデンサを介して互いに間接的に接続/結合できることを意味する。
【0042】
上記で開示した通信装置の異なる実施形態の特徴は、様々な可能な方法で組み合わされ、更なる有利な実施形態を提供することができる。
【0043】
最後に、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、添付の独立請求項の範囲内の全ての実施形態にも関連し、それら全てを組み込むことを理解されたい。

図1
図2
図3a
図3b
図3c
図3d
図3e
図3f
図4
図5
図6
図7
図8
図9