(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6985520
(24)【登録日】2021年11月29日
(45)【発行日】2021年12月22日
(54)【発明の名称】タイヤ修復システム
(51)【国際特許分類】
B29C 73/02 20060101AFI20211213BHJP
B60C 19/12 20060101ALI20211213BHJP
【FI】
B29C73/02
B60C19/12 Z
【請求項の数】17
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2020-537817(P2020-537817)
(86)(22)【出願日】2017年9月25日
(65)【公表番号】特表2020-535048(P2020-535048A)
(43)【公表日】2020年12月3日
(86)【国際出願番号】CN2017103143
(87)【国際公開番号】WO2019056357
(87)【国際公開日】20190328
【審査請求日】2020年6月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】511059140
【氏名又は名称】アクティブ ツールズ インターナショナル (エイチケー) エルティーディー.
【氏名又は名称原語表記】Active Tools International (HK) Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】コン・フン・ラム
(72)【発明者】
【氏名】ワイ・クォン・チン
【審査官】
▲高▼橋 理絵
(56)【参考文献】
【文献】
特表2009−513384(JP,A)
【文献】
特開2012−111052(JP,A)
【文献】
特開2013−220622(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 73/00−73/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気入れハウジング(11)およびモータを含む空気入れデバイス(10)と、
容器ハウジング(21)を有するシーラント容器(20)と、
を備えたタイヤ修復システムであって、
前記空気入れデバイス(10)の空気出口(13)が、前記シーラント容器(20)の空気入口(23)に対して接続されることが可能で、前記空気入れハウジング(11)は、前記容器ハウジング(21)が台座として機能し、前記空気入れハウジング(11)が前記容器ハウジング(21)上に配置されるように、前記容器ハウジング(21)に対して接続することが可能であり、前記空気入れハウジング(11)が、その側面または底面に、伸縮ロッドである少なくとも1つの補助支持手段を備えていることを特徴とする、タイヤ修復システム。
【請求項2】
前記空気入れハウジング(11)は、その底面(15)上に第1の接続手段を含み、前記容器ハウジング(21)は、対応する第2の接続手段を含み、前記空気入れハウジング(11)は、前記第1の接続手段と前記第2の接続手段とを係合することにより、前記容器ハウジングに対して結合されていることを特徴とする、請求項1に記載のタイヤ修復システム。
【請求項3】
前記空気入口(23)は、チューブにより前記空気出口(13)に対して接続されていることを特徴とする、請求項2に記載のタイヤ修復システム。
【請求項4】
前記空気入口(23′)は、前記空気出口(13′)に対して直接結合されていることを特徴とする、請求項2に記載のタイヤ修復システム。
【請求項5】
前記第1の接続手段は、少なくとも1つの凹部(14)で、前記第2の接続手段は、少なくとも1つの突出部(24)であり、或いは、前記第1の接続手段は、少なくとも1つの突出部で、前記第2の接続手段は、少なくとも1つの凹部であることを特徴とする、請求項2に記載のタイヤ修復システム。
【請求項6】
前記凹部(14)は、略円形部分と細長部分とを含み、前記略円形部分の直径が、前記細長部分の幅よりも大きく、前記突出部(24)は、第1の直径を有する上方部分と、前記第1の直径よりも小さい第2の直径を有する下方部分とを含み、前記第1の直径は、前記略円形部分の直径未満であることを特徴とする、請求項5に記載のタイヤ修復システム。
【請求項7】
前記凹部は、前記底面(15)に形成された台形凹部(31)であり、前記台形凹部(31)は、前記空気入れハウジングの少なくとも一部分を貫通して延在し、前記突出部は、前記台形凹部(31)に対応するように成形されていることを特徴とする、請求項5に記載のタイヤ修復システム。
【請求項8】
前記空気出口(13)は、台形凹部(31)中に設けられ、前記空気入口(23)は、前記突出部が係合位置まで前記台形凹部(31)内に摺動可能に挿入される場合に、前記空気出口(13)が前記空気入口(23)と気密接続部を形成するように、前記突出部上に設けられていることを特徴とする、請求項5に記載のタイヤ修復システム。
【請求項9】
前記第1の接続手段および前記第2の接続手段は、キックロック接続部を形成していることを特徴とする、請求項2に記載のタイヤ修復システム。
【請求項10】
ロッキングデバイスが、前記空気入れデバイスおよび前記シーラント容器を選択的にロックまたはロック解除するために設けられていることを特徴とする、請求項1に記載のタイヤ修復システム。
【請求項11】
前記ロッキングデバイスは、前記空気入れデバイスおよび前記シーラント容器をロック解除するための作動手段を含むことを特徴とする、請求項10に記載のタイヤ修復システム。
【請求項12】
前記伸縮ロッドの伸長および伸縮を制御するために作動機構が設けられていることを特徴とする、請求項1に記載のタイヤ修復システム。
【請求項13】
前記伸縮ロッドは、外方に、かつ、前記底面(15)に対して垂直な垂直軸に対して0〜45度の角度で延在していることを特徴とする、請求項1に記載のタイヤ修復システム。
【請求項14】
前記第1の接続手段は、ねじ凹部で、前記第2の接続手段は、ねじボルトであることを特徴とする、請求項2に記載のタイヤ修復システム。
【請求項15】
前記第1の接続手段は、前記空気出口を含み、前記第2の接続手段は、前記空気入口を含み、前記空気入口は、前記空気出口に対して直接結合されていることを特徴とする、請求項2に記載のタイヤ修復システム。
【請求項16】
前記空気入れハウジング(11)は、その底面に空気出口(13′)を含み、前記容器ハウジング(21)は、その上面に空気入口(23′)を含み、前記空気出口(13′)は、前記空気入口(23′)に対して直接結合され得ることを特徴とする、請求項1に記載のタイヤ修復システム。
【請求項17】
前記空気入れデバイスは、自動圧力逃がし弁を含むことを特徴とする、請求項1に記載のタイヤ修復システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、タイヤを修復するためのタイヤ修復システムに関する。特に、本願は、空気入れデバイスとシーラント容器とを有するタイヤ修復システムに関する。
【背景技術】
【0002】
タイヤを使用するデバイス、例えば車両などでは、タイヤの空気漏れまたはタイヤ貫通がタイヤに生じることがある。デバイスの動作中に発生するタイヤの問題に対処するために、空気入れデバイスとシーラント容器とを備える様々なタイヤ修復システムが、市場において入手可能である。例えば、車両の運転中にタイヤの空気漏れが起きた場合、運転者は、タイヤ修復システムを使用して、現場でタイヤを修復することができる。
【0003】
一般的には、タイヤが穿孔されると、シーラント容器の出口端部がタイヤに対して接続され、シーラント容器の入口端部が、空気入れデバイスに対して接続される。次いで、空気入れデバイスが作動されて、圧縮空気が生成され、この圧縮空気が、シーラントを押してシーラント容器からタイヤ内へと流れ込む。シーラントがタイヤを修復し、圧縮空気がタイヤ内に充填される。このようにして、車両はその動作を継続することができる。
【0004】
一般的には、空気入れデバイスおよびシーラント容器は、容易な搬送および収納が可能となるような独立構成要素または従属構成要素である。動作中に、シーラント容器は、空気入れデバイスの隣に配置される。可撓性チューブが、空気入れデバイスに対してシーラント容器を接続するために使用され、別の可撓性チューブが、タイヤに対してシーラント容器を接続するために使用される。空気入れデバイスは、タイヤ内にシーラントを送達するように作動される。圧力は、動作中に変動され、シーラント容器および/または空気入れデバイスを振動または跳ね上がらせる場合があり、これにより騒音が発生し、接続部の漏れまたは故障に至る場合がある。したがって、ユーザは、例えば手によりシーラント容器を抑え得るなど、シーラント容器を追加的に固定することが必要となり得る。
【0005】
別の解決策は、空気入れデバイスおよびシーラント容器の重量を増加させることである。しかし、これは、修復システムに対して重量を付加し、修復システムの可搬性を損なうことになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、振動を回避するための改良されたタイヤ修復システムを提供することが必要である。本願により提供される改良されたタイヤ修復システムは、使用しやすく、シーラント容器および/または空気入れデバイスの振動を解消し、シーラント容器と空気入れデバイスまたはタイヤとの間の接続部の故障または漏れを防止する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態では、本願は、タイヤ修復システムであって、空気入れハウジング(11)とモータとを含む空気入れデバイス(10)と、容器ハウジング(21)を有するシーラント容器(20)であって、シーラント容器(20)が、空気入れデバイス(10)から独立したまたは従属したものであり、空気入れデバイス(10)の空気出口(13)が、シーラント容器(20)の空気入口(23)に対して接続されることが可能であり、空気入れハウジング(11)が、容器ハウジング(21)が台座として機能し、空気入れハウジング(11)が容器ハウジング(21)上に配置されるように、容器ハウジング(21)に対して接続することが可能である、シーラント容器(20)と、を備える、タイヤ修復システムを提供する。
【0008】
容器ハウジングは、台座として使用されるため、空気入れデバイスの重量は、容器ハウジングに対して作用し、これがシーラント容器の振動の防止を支援する。本修復システムは、空気入れデバイスの重量およびシーラント容器の重量が十分に利用されることにより、動作においてより安定的である。したがって、シーラント容器の振動または飛び跳ねがが、回避され、または大幅に緩和される。
【0009】
別の実施形態では、空気入れハウジング(11)は、その底面(15)上に第1の接続手段を含み、容器ハウジング(21)は、対応する第2の接続手段を含み、空気入れハウジング(11)は、第1の接続手段と第2の接続手段とを係合することにより、容器ハウジングに対して結合される。
【0010】
別の実施形態では、空気入口(23)は、チューブにより空気出口(13)に対して接続される。
【0011】
別の実施形態では、空気入口(23)は、空気出口(13)に対して直接結合される。
【0012】
別の実施形態では、第1の接続手段は、少なくとも1つの凹部(14)であり、第2の接続手段は、少なくとも1つの突出部(24)であり、または第1の接続手段は、少なくとも1つの突出部であり、第2の接続手段は、少なくとも1つの凹部である。
【0013】
別の実施形態では、凹部(14)は、略円形部分と細長部分とを含み、略円形部分の直径が、細長部分の幅よりも大きく、突出部(24)は、第1の直径を有する上方部分と、第1の直径よりも小さい第2の直径を有する下方部分とを含み、第1の直径は、略円形部分の直径未満である。
【0014】
別の実施形態では、凹部は、底面(15)中に形成された台形凹部(31)であり、台形凹部(31)は、空気入れハウジングの少なくとも一部分を貫通して延在し、突出部は、台形凹部(31)に対応するように成形される。
【0015】
別の実施形態では、空気出口(13)は、台形凹部(31)中に設けられ、空気入口(23)は、突出部が係合位置まで台形凹部(31)内に摺動可能に挿入される場合に、空気出口(13)が空気入口(23)と気密接続部を形成するように突出部上に設けられる。
【0016】
別の実施形態では、第1の接続手段および第2の接続手段は、キックロック接続部を形成する。
【0017】
別の実施形態では、ロッキングデバイスが、空気入れデバイスおよびシーラント容器を選択的にロックまたはロック解除するために設けられる。
【0018】
別の実施形態では、ロッキングデバイスは、空気入れデバイスおよびシーラント容器をロック解除するための作動手段を備える。
【0019】
別の実施形態では、空気入れハウジングは、その側面または底面に少なくとも1つの補助支持手段を備える。
【0020】
別の実施形態では、補助支持手段は伸縮ロッドである。
【0021】
別の実施形態では、伸縮ロッドの伸長および伸縮を制御するために作動機構が設けられる。
【0022】
別の実施形態では、伸縮ロッドは、外方に、かつ、底面に対して垂直な垂直軸に対して0〜45度の角度で延在する。
【0023】
別の実施形態では、第1の接続手段は、ねじ凹部であり、第2の接続手段は、ねじボルトである。
【0024】
別の実施形態では、第1の接続手段は、空気出口を含み、第2の接続手段は、空気入口を含み、空気入口は、空気出口に対して直接結合される。
【0025】
別の実施形態では、空気入れハウジングは、その底面に空気出口を含み、容器ハウジングは、その上面に空気入口を含み、空気出口は、空気入口に対して直接結合され得る。
【0026】
別の実施形態では、空気入れデバイスは、自動圧力逃がし弁を含む。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】空気入れデバイスとシーラント容器とが共に結合された、本タイヤ修復システムの一実施形態を示す図である。
【
図2】空気入れデバイスとシーラント容器との間の接続手段の一実施形態が明瞭に示されるように、空気入れデバイスとシーラント容器とを分離状態において示す図である。
【
図3】シーラント容器が、対応する接続特徴部を含む、空気入れデバイス上の接続手段の別の実施形態を示す図である。
【
図4】ロッキングデバイスの一例を示す、
図3の部分断面図である。
【
図5】シーラント容器が、対応する接続特徴部を含む、空気入れデバイス上の接続手段の別の実施形態を示す図である。
【
図6】空気入れデバイスの補助支持手段の一実施形態を示す図である。
【
図7】シーラント容器と空気入れデバイスとの間の接続手段に関する別の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面と組み合わせて、本願のいくつかの実施形態を説明する。これらの詳細な実施形態は、本願を限定するものとして解釈されるべきではなく、本願の概念を説明することを目的としているものに過ぎない。
【0029】
図1は、タイヤ修復システムが空気入れデバイス10とシーラント容器20とを備える、本発明の一実施形態を示す。空気入れデバイス10の空気出口13が、シーラント容器20の空気入口23に対して接続される。空気入れデバイス10およびシーラント容器20は、
図1に示すように結合状態にあり、空気入れデバイス10は、例えば地面などの支持表面上に配置されたシーラント容器20上に配置される。空気入れデバイス10は、被動手段が中に設けられた空気入れハウジング11を備える。この被動手段は、伝動によりピストンをシリンダ内において往復運動で駆動することによって圧縮空気を発生させるための電気モータであることが可能である。任意には、圧力計12が、圧縮空気の出力圧力を示すために空気入れハウジング11上に設けられることが可能であり、この出力圧力は、タイヤの内圧と実質的に等しい。空気入れデバイスは、出力圧力がタイヤの標準圧力または呼び圧力に略到達した場合に、修復処置を完了させるためにオフに切り替えられる。タイヤの標準圧力または呼び圧力は、タイヤタイプまたはタイヤの用途に基づき製造業者によって決定され得る。
【0030】
可搬型タイヤ修復システムの場合には、空気入れデバイスは、車両の出力電力により駆動され得る。空気入れデバイスを駆動するために他の電源を利用することもまた本願の範囲内に含まれる点を理解されたい。スイッチ17が、空気入れデバイス10のオン-オフを制御するために設けられ得る。当技術において既知である他の構成要素が、空気入れデバイス10に備えられることが可能である。修復システムの出力チューブ40は、タイヤに対して圧縮空気およびシーラントを送達するために、タイヤに対して接続するために使用される。空気入れデバイスは、異なる容積を有するシーラント容器と共に協働することが可能である。
【0031】
図1は、上面16および底面15(
図2)を有する実質的な直方体の形状の空気入れハウジング11を示す。空気入れハウジングは、他の形状を有することが可能である点が理解できる。
【0032】
図2に示す空気入れデバイス10およびシーラント容器20は、分離状態にあるため、空気入れデバイス10とシーラント容器20との間の接続手段の一実施形態が明瞭に示される。空気入れデバイス10は、第1の接続手段を備え、シーラント容器20は対応する第2の接続手段を有する。第1の接続手段および第2の接続手段は、相互に協働することにより、空気入れデバイス10およびシーラント容器20を共に結合することが可能である。
【0033】
一実施形態では、空気入れデバイス10の第1の接続手段は、底面15中に配置された少なくとも1つの凹部14である。
図2は、2つの凹部14を示す。凹部14は、対応する突出部24を収容することが可能である。凹部14は、略円形部分と、略円形部分の直径よりも小さな幅を有する細長部分とを備える。
【0034】
シーラント容器20は、容器ハウジング21を備える。容器ハウジング21の底面は、シーラント容器が例えば地面などの支持表面上に位置し得るように、支持可能に平坦である。代替的には、複数の支持レッグが、容器ハウジングの底面上に設けられ得る。
図2は、大きな直径および小さな高さを有する楕円円筒形状を有する容器ハウジングを示す。容器ハウジングは、例えば直方体などの他の適切な形状であることが可能である点が当業者には理解されよう。一実施形態では、容器ハウジングは、その上方部分がその下方部分よりも幅狭である台形断面を有し得る。容器ハウジング21は、空気入口23およびシーラント出口25を備える。空気入口23は、例えばチューブを介してなど空気入れデバイス10の空気出口13に対して接続され得る。好ましくは、シーラントがシーラント出口から流出することのみが可能となり、逆流が防止されるように、逆止弁がシーラント出口25内に設けられる。
【0035】
容器ハウジング21は、実質的平坦状上面22を備える。シーラント容器の第2の接続手段は、上面22上に設けられた少なくとも1つの突出部である。突出部24は、第1の直径を有する上方部分と第1の直径未満である第2の直径を有する下方部分とを備える。第1の直径は、上方部分が凹部14の略円形部分内に挿入され得るように、略円形部分よりも若干小さい。凹部14の細長部分の幅は、第1の直径よりも小さい。第2の直径は、細長部分の幅よりも若干小さいかまたは細長部分の幅と等しい。したがって、突出部24の上方部分は、略円形部分内に挿入されることが可能となり、次いで突出部24の下方部分は、細長部分に沿っておよびロッキング位置へと摺動し、それにより突出部24および凹部14が共に結合される。上方部分が、凹部の細長部分よりも大きいことにより、突出部24は、ロッキング位置にて凹部から係合解除されることが不可能となる。凹部から突出部を結合解除するためには、突出部を逆方向へとロッキング位置から細長部分に沿って略円形部分へと摺動させることが必要であり、それにより突出部は凹部14から装着解除され得る。
【0036】
図2は、逆方向に配置された2つの凹部14を、換言すれば略円形部分および細長部分の方向が異なる2つの凹部14を示す。突出部が凹部14内に挿入されると、空気入れハウジング11は容器ハウジング21に対して回転され、それにより突出部24は凹部内でロッキング位置をとり、それによって突出部24および凹部14は共にロックされる。したがって空気入れデバイスおよびシーラント容器は、共に結合されロックされる。容器ハウジングから空気入れハウジングを装着解除するためには、空気入れハウジング11は、凹部14が突出部24から係合解除されるように逆方向に回転する。
【0037】
代替的には、2つの凹部14は同一方向に配置され得る。突出部が凹部14内に挿入されると、空気入れハウジング11が容器ハウジング21に対して摺動され、それにより突出部24は凹部内でロッキング位置をとり、それによって突出部24および凹部14は共にロックされる。突出部24および凹部14は、空気入れハウジング11の逆方向移動によりロック解除および係合解除され得る。
【0038】
突出部および凹部が一例として使用されるが、他のキックロック接続または適切な接続部が、空気入れデバイスおよびシーラント容器の係合を実現するために適用可能である点が当業者には理解されよう。
【0039】
好ましくは、空気入れハウジング11の底面15および容器ハウジング21の上面22は、対応する形状を有する。
図2の実施形態では、底面15および上面22は、実質的に平坦である。別の実施形態では、底面15は凹形状であることが可能であり、上面22は対応する凸形状であることが可能である。
【0040】
図2では、空気入れデバイスの空気出口13が空気入れハウジングの側壁部中に設けられ、シーラント容器の空気入口23が容器ハウジングの側壁部中に設けられるが、空気出口13および空気入口23は、他の位置に設けられることが可能である点が理解される。例えば、空気入れデバイスの空気出口13は、底面15上に設けられてもよく、シーラント容器の空気入口23は、上面22上に設けられてもよい。空気出口13および空気入口23は、接続手段同士が相互に係合された後に、空気出口13および空気入口23がシール接続部を形成するように配置され、それによってチューブの省略が可能となる。
【0041】
例えば、空気入れデバイスの空気出口13が、底面15から延在するポートとして形成されてもよく、シーラント容器の空気入口23が、上面22上の対合凹部として形成されてもよい。空気入れデバイスおよびシーラント容器が係合されると、ポートは、凹部内に挿入されてシール接続部を形成する。これらのポートおよび凹部は、シール接続部の形成を支援するために環状シールを備えてもよい点が理解されよう。空気入れデバイスが作動されると、空気入れデバイスからの圧縮空気が、シーラント容器に進入してタイヤ内へシーラントを送達し得る。タイヤ修復が完了した後に、空気入れデバイスおよびシーラント容器は係合解除され、それによりポートもまた切欠部から係合解除される。
【0042】
図3は、接続デバイスの別の実施形態を示す空気入れハウジングの概略図を示す。説明の容易化のために、空気入れハウジングの底面15は上向きに見えている。底面中には、台形断面を有する溝31が設けられる。図に示すように、この台形は、上方部分においてより幅狭であり、下方部分においてより幅広となる。溝は、空気入れハウジングの一部分を貫通して延在する。また、溝31は、空気入れハウジングを完全に貫通して延在してもよい点が理解されよう。
【0043】
シーラント容器の上面は、対応する台形断面を有する対応する突出部を備え、それにより突出部は、溝31内へと摺動することにより空気入れハウジングおよび容器ハウジングをロックし得る。代替的には、溝が容器ハウジング上に設けられ、突出部が空気入れハウジング上に設けられることが理解される。
【0044】
一実施形態では、空気入れデバイスの空気出口13が、溝の端部壁部35上に設けられ、シーラント容器の空気入口が、突出部の対応する端部壁部上に設けられてもよい。したがって、空気入れデバイスの空気出口は、突出部が溝31内へとロック位置に摺動されると、シーラント容器の空気入口と封止係合状態におかれ得る。
【0045】
好ましくは、ロッキングデバイスが、突出部および溝をロックし、さらに空気入れデバイスおよびシーラント容器をロックするために設けられてもよい。例えば、
図4に示すように、溝31の側壁部が凹部32を備える。
図4に示すように、対応するばね付きピンが突出部の側壁部中に設けられるため、突出部および溝が対合位置へと摺動すると、ばね付きピンは、ばねの作動下において凹部32に係合する。したがって、突出部および溝がロックされ、さらにそれにより空気入れデバイスおよびシーラント容器がロックされる。
【0046】
例えばボタン33などの解除デバイスが、空気入れデバイスの側壁部上に設けられてもよい。ボタン33は、作動レバー34に対して接続され、作動レバー34は、凹部32まで摺動的に延伸する。突出部および溝をロック解除するためには、ボタン33が押され、それにより作動レバー34が凹部32からばね付きピンを押し出す。そのため、空気入れデバイスは、シーラント容器から空気入れデバイスを装着解除するようにシーラント容器に対して摺動し得る。
【0047】
別の例では、溝および突出部の断面が実質的矩形形状を有してもよく、協働する小溝および小凸部分が側壁部上に設けられてもよく、それにより空気入れハウジングおよび容器ハウジングがさらに相互に対して結合され得る。
図5に示すように、溝31は、側部の一方または両方の上に小溝36を備える。突出部は、協働する小凸部分(図示せず)を備え、それにより突出部は、溝に沿ってロック位置へと摺動し得る。
【0048】
本発明のタイヤ修復システムでは、空気入れデバイスがシーラント容器上に取り付けられることにより、空気入れデバイスの重量はシーラント容器に対して直接的に付加されるため、シーラント容器の安定性が上昇し、動作中のシーラント容器の振動が実質的に回避される。さらに、いくつかの実施形態では、可撓性チューブの使用がさらに回避され、それによりタイヤ修復システムのさらなる単純化が実現される。
【0049】
さらに、一実施形態では、空気入れハウジングは、
図6に示すように少なくとも1つの角の近傍に補助支持手段を備える。
図6では、接続手段は、補助支持手段を強調するために省略される。
図6は、底面15上に設けられた2つの補助支持手段41を示す。例えば、補助支持手段41は伸縮ロッドである。伸縮ロッドは、収納位置および伸長位置を有する。伸縮ロッドは、収納位置では空気入れハウジング内に引き戻され、それにより実質的平坦表面を呈する。伸長位置では、伸縮ロッドは、地面などの支持表面と接触状態になるまで伸長する。好ましくは、伸長位置にある伸縮ロッドは、例えば底面15に対して垂直である垂直軸に対して0〜45度の角度などで外方に延在する。キー42などの作動機構が、伸縮ロッドの伸長および伸縮を制御するために設けられ得る。キーは、伸縮ロッドの伸長長さをさらに制御することが可能である。
【0050】
図7は、シーラント容器と空気入れデバイスとの間の接続手段の別の実施形態を示す。底面15上の第1の接続手段は、ネジ凹部18の形態である。上面22上の第2の接続手段は、ネジ凹部と螺合され得るねじボルト28の形態である。したがって、シーラント容器および空気入れデバイスは、螺合接続により相互に対して結合され得る。明瞭化のために、
図7ではシーラント容器の空気入口およびシーラント出口は省略される。
【0051】
本願のさらなる実施形態が
図8A〜
図8Bに示される。この実施形態は、空気出口13′が底面15上に設けられ、空気入口23′が上面22上に設けられる点を除いては
図2と同様である。シーラント容器20は、大きな直径および小さな高さを有する楕円円筒形状を有する。シーラント容器20および空気入れデバイス10の係合時に、空気入口23′は、気密的に空気出口13′内に挿入される。したがって、空気入れデバイス10は、シーラント容器20内に空気をポンプ送給することによりシーラント出口25を通してシーラントをポンプ送出することが可能である。
図8Bは、シーラント容器20が空気入れデバイス10に係合される組立状態を示す。
【0052】
いくつかの状況では、空気出口13′は、第1の接続手段として機能することが可能であり、空気出口13′は、第2の接続手段として機能することが可能である。この接続では、凹部14および突出部24を省くことが可能である。
【0053】
図9は、空気入れデバイス10よりも大きなサイズを有するシーラント容器20を示す。
【0054】
空気入れデバイスは、様々なサイズのシーラント容器と共に使用することが可能である。例えば空気入れハウジングが容器入れハウジングを越えて延在するなど、空気入れハウジングのサイズが容器ハウジングのサイズよりも大きい場合には、補助支持手段は、さらなる補助支持がタイヤ修復システムに対して与えられ得るように支持表面に接触するように延在し得る。補助支持手段は空気入れハウジングの側壁部上に設けられることが可能であり、補助支持手段は支持表面に接触するように斜め下方に延在し得ることが予期され得る。
【0055】
空気入れデバイスは、空気入れデバイス内の圧力がしきい値を超えた場合に圧力が自動的に解放されるように、安全用の自動圧力逃がし弁を備えてもよい。
【0056】
上記に詳述した説明により、様々な実施形態に対して適用されるような新規の特徴が示され、説明され、指摘されたが、本開示の主旨から逸脱することなく図示するデバイスまたはプロセスの形態および詳細における様々な省略、代替、および変更をなし得る点が理解されよう。さらに、上述の様々な特徴およびプロセスは、相互に独立して利用されてもよく、または様々な方法で組み合わされてもよい。あらゆる可能な組み合わせおよび下位組合せが、本開示の範囲内に含まれるように意図される。上述の実施形態の多くは、同様の構成要素を備え、そのためこれらの同様の構成要素は、個々の実施形態で相互に交換可能である。
【0057】
本発明は特定の実施形態および例の文脈において開示されているが、本発明は、具体的に開示された実施形態を超えて、他の代替的な実施形態および/または使用ならびにその明らかな変形および均等物にまで範囲が及ぶことが、当業者には理解されるであろう。したがって、本発明は、本明細書における好ましい実施形態の具体的な開示により限定されるようには意図されていない。
【符号の説明】
【0058】
3 ボタン
10 空気入れデバイス
11 空気入れハウジング
12 圧力計
13 空気出口
13′ 空気出口
14 凹部
15 底面
16 上面
17 スイッチ
18 ネジ凹部
20 シーラント容器
21 容器ハウジング
22 上面、実質的平坦状上面
23 空気入口
23′ 空気入口
24 突出部
25 シーラント出口
28 ボルト
31 溝
32 凹部
33 ボタン
34 作動レバー
35 端部壁部
36 小溝
40 出力チューブ
41 補助支持手段
42 キー