【文献】
Tula Life, USA,Breakout Star Oil-Free Acne Moisturizer,Mintel GNPD [online],2020年03月,ID#7460333,[検索日:2021.05.20], Internet <URL:https://portal.mintel.com>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される安定な脂肪族アルコール増粘剤を更に含む、請求項1に記載のスキンケアエッセンス。
前記スキンケアエッセンスが、ビタミン、ミネラル、ペプチド、糖アミン、日焼け止め剤、オイルコントロール剤、フラボノイド化合物、抗酸化剤、プロテアーゼ阻害剤、チロシナーゼ阻害剤、抗炎症剤、保湿剤、角質除去剤、皮膚美白剤、抗ニキビ剤、抗しわ剤、フィトステロール、N−アシルアミノ酸化合物、抗菌剤、抗真菌剤、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、少なくとも1種の追加のスキンケア活性物質を含む、請求項1に記載のスキンケアエッセンス。
【発明を実施するための形態】
【0010】
従来のスキンケア製品は、典型的には、様々な理由で中性pHで配合される。例えば、いくつかの従来のスキンケア製品は、低pHで配合された場合、望ましくない感覚特性(例えば、水っぽさやべたつき感)を有し、かつ/又は不安定性(相分離、濁りなど)を呈する。より最近では、ビタミンB
3化合物や糖類などの特定のスキンケア成分は、低pHでより有効であり得ることが見出されている。しかしながら、低pHスキンケア製品の配合は依然として困難な場合がある。例えば、国際公開第20190245011号に記載されているような低pH組成物での使用に合わせて調整されたいくつかの増粘剤は、皮膚に塗布する際に望ましくない粘着性を与える場合がある。いくつかの例では、低pHスキンケア製品は、特定の使用者に皮膚刺激(例えば、かゆみ、灼熱感、うずき、赤み、変色、発疹、隆起、又は剥離など)を引き起こしやすい場合がある。驚くべきことに、ナイアシンアミド、ポリマー増粘剤、低分子量シリコーン油、及び乳酸ナトリウム/乳酸pH緩衝系を含む低pHスキンケア組成物は、皮膚を刺激せず、かつ現在の低pHスキンケア製品よりも良好な感覚特性を有する効果的なスキンケア製品を提供できることが見出された。
【0011】
本明細書中での「実施形態」等への言及は、その実施形態と関連付けて説明される、特定の材料、特徴、構造及び/又は特性が、少なくとも1つの実施形態、任意選択的に多数の実施形態に含まれていることを意味するが、全ての実施形態に、説明された材料、特徴、構造、及び/又は特性が組み入れられることを意味するものではない。更に、材料、特徴、構造、及び/又は特性は、異なる実施形態にわたって、任意の好適な方法で組み合わされてもよく、材料、特徴、構造、及び/又は特性は、説明されるものから除外されてもよいし、代用されてもよい。したがって、本明細書に記載されている実施形態及び態様は、別段明記しない限り又は不適合性が明示されてされない限り、組み合わせて明示的に例示されていなくても、他の実施態様及び/又は態様の要素又は構成成分を含むか又はこれらと組み合わされることが可能である。
【0012】
全ての実施形態において、特に断らない限り、百分率は全て化粧品組成物の重量を基準としている。特に記載のない限り、全ての比は重量比である。全ての範囲は、端点を含み、組み合わせ可能である。有効桁数は、表示された量に対する限定を表すものでも、測定値の精度に対する限定を表すものでもない。特に別途記載のない限り、全ての数量は、単語「約」によって修飾されるものと理解される。別途記載のない限り、全ての測定は、およそ25°Cの周囲条件でなされたと理解され、「周囲条件」とは、約1気圧及び相対湿度約50%の条件を意味する。全ての数値範囲は、より狭い範囲を含む。区切られた範囲の上限及び下限は、明示的に区切られていない更なる範囲を作る上で互換可能である。
【0013】
本発明の組成物は、本明細書に記載の必須成分及び任意成分を含む、それらから実質的になる、又はそれらからなることができる。本明細書で使用するとき、「〜から実質的になる」とは、組成物又は構成成分が、追加成分を含み得るが、追加成分が、特許請求される組成物又は方法の基本的及び新規な特性を実質的に変えない場合に限ることを意味する。本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用される単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が明らかに他の意味を示さない限り、複数形も含むものとする。
【0014】
定義
組成物に関連して使用される「塗布する」又は「塗布」は、本発明の組成物を表皮などのヒトの皮膚表面上に塗布又は拡げることを意味する。
【0015】
「化粧剤」とは、美容効果をもたらすために哺乳動物の身体又はその任意の部分に擦り込む、注ぐ、振りかける、噴霧する、導入する、又は他の方法で塗布することを目的とした任意の物質及びその任意の成分を意味する。化粧剤としては、米国食品医薬品局によって全般的に安全と認められた(Generally Recognized as Safe、GRAS)物質、食品添加物、及び市販薬等の非化粧用消費者製品で使用される材料を挙げることができる。
【0016】
「有効量」は、処理期間にわたってケラチン性組織へ投与することで、肯定的な効果を有意に誘導するのに十分な化合物及び組成物の量を意味する。肯定的な効果は、本明細書に開示された効果を単独で又は組み合わせて含む、健康、外見及び/又は感触の効果であり得る。具体例では、有効量のビタミンB
3化合物は、処理期間中に乾癬皮膚の健康及び/又は外観を改善するのに十分な量である。いくつかの例では、有効量は、エクスビボ及び/又はインビトロ法を使用して実証され得る。
【0017】
「〜の外観を改善する」とは、皮膚の外観において測定可能な望ましい変化又は効果を提供することを意味し、例えば、赤み、炎症、及び/又は斑の鱗屑の減少によって、定量化することができる。
【0018】
「低pH」は、5.0未満(例えば、1.5〜4.9、2.0〜4.5、2.5〜4.0又は3.5〜4.0)のpHを意味する。組成物のpHを決定する好適な方法は、以下により詳細に記載される。
【0019】
「中性pH」とは、5.0〜8.0のpHを意味する。
【0020】
「安全かつ有効な量」とは、(健全な医学的判断の範囲内で)重篤な副作用を避けるのに十分低い、成分の有効量を意味する。
【0021】
「スキンケア」とは、皮膚状態の調節及び/又は改善を意味する。いくつかの非限定的な例としては、より滑らかで、より均一な外観及び/若しくは感触を提供することによって皮膚の外観及び/若しくは感触を改善すること;皮膚の1つ以上の層の厚さを増加させること;皮膚の弾性又は弾力性を改善すること;皮膚のハリを改善すること;皮膚の脂っぽい、てかてかした、かつ/若しくはくすんだ外観を低減し、皮膚の水和状態若しくは保湿を改善し、小じわ及び/若しくはしわの外観を改善し、皮膚剥脱若しくは落屑を改善し、皮膚を膨化させ、皮膚バリア特性を改善し、皮膚の色合いを改善し、赤み若しくは皮膚のシミの外観を低減させ、かつ/又は皮膚の明るさ、つや、若しくは透明感を改善することが挙げられる。
【0022】
「スキンケア活性物質」は、皮膚に塗布すると、皮膚又は皮膚の中に通常見られる細胞の一種に急性効果及び/又は慢性効果をもたらす、化合物又は化合物の組み合わせを意味する。スキンケア活性物質は、肌又はそれに関連する細胞を調節及び/又は改善する(例えば、肌の弾性、肌水分量、肌のバリア機能、及び/又は細胞代謝を改善する)ことができる。
【0023】
「スキンケア組成物」は、スキンケア活性物質を含み、皮膚状態を調節及び/又は改善する組成物を意味する。
【0024】
本明細書で使用される「処理期間」は、材料又は組成物が標的皮膚表面に塗布される時間の長さ及び/又は頻度を意味する。
【0025】
「ビヒクル対照」は、対象とする特定の活性物質を含む(例えば、ビタミンB
3化合物を含有しない)ことを除いて、試験組成物と同一である陰性対照を意味する。
【0026】
組成物
本明細書のスキンケア組成物は、皮膚の外観及び/又は機能を改善するためにヒト皮膚に局所塗布することを目的とする低pH組成物である。場合によっては、本発明の低pH組成物は、様々な皮膚状態の非治療的処理のために使用され得る。場合によっては、低pH組成物は、色素沈着過度のシミ、皮膚の色むら、及び/又は血色が悪い皮膚の外観を改善するのに特に好適であり得る。
【0027】
本明細書における低pH組成物は、安全かつ有効量のビタミンB
3化合物と、低pH環境耐性のポリマー増粘剤と、低分子量シリコーン流体と、乳酸及び乳酸ナトリウムを含むpH緩衝系と、を含む。組成物は、任意に、シリコーン乳化剤と、局所スキンケア組成物に一般的に見られる他の成分とを含んでもよい。理論に束縛されるものではないが、この成分の組み合わせは、良好な感触特性を有し、かつ肌に優しい有効なスキンケア組成物を提供すると考えられる。
【0028】
本明細書の化粧品スキンケア組成物は、当業者に既知の従来の方法を使用して、成分を皮膚科学的に許容可能な担体と混合することによって作製することができる。組成物は、例えば、溶液、懸濁液、ローション、クリーム、ゲル、トナー、スティック、スプレー、エアロゾル、軟膏、クレンジングリキッド洗浄液及び固形バー、ペースト、フォーム、ムース、シェービングクリーム、拭き取り用品、ストリップ、パッチ、電動式パッチ、ヒドロゲル、フィルム形成製品、フェイシャル及びスキンマスク(不溶性シートを有するもの、及び有さないもの)などの様々な製品形態で提供することができる。組成物の形態は、選択された皮膚科学的に許容可能な特定の担体に従い得る。場合によっては、本明細書の組成物は、エッセンスの形態であってもよい。エッセンスは、典型的には従来のクリーム又はローションタイプのスキンケア組成物よりも粘度が低い、比較的濃縮された配合率の局所スキンケア組成物の形態である。場合によっては、エッセンスは、特定の皮膚状態を特に標的にするために販売されている、及び/又はスキンケアレジメンの最初のステップで使用される低粘度の流体の形態で提供されてもよい。本明細書のエッセンス製品は、25°Cで1センチポアズ(cP)〜15,000cP(例えば、50cP〜10,000cP又は100cP〜7,500cP、200cP〜5,000cP、又は300cP〜2,500cP)の動粘度を有し得る。本明細書の低pH組成物の粘度は、以下の方法のセクションで説明されるレオロジー法に従って決定することができる。
【0029】
少なくとも一部の消費者は、透明性と不透明性との一定のバランスを有するスキンケアエッセンスを望むことが見出されている。エッセンスが透明すぎると、水に似すぎてしまい、消費者が製品の効能に疑いを抱く可能性がある。しかし、エッセンスが不透明すぎると、消費者は、エッセンスに期待される軽く清潔な感触を製品が提供しないと考える可能性がある。したがって、本明細書の低pHエッセンス製品は、以下により詳細に記載する不透明度試験に従って、45〜85(例えば、50〜81、55〜77、又は更には60〜73)の不透明度を有する。場合によっては、低pHエッセンス中に存在する脂肪族アルコール及び鉱油などの炭化水素油は、エッセンスの不透明度を大幅に増加させる可能性があるため、これらの成分の量を制限することが望ましい。したがって、炭化水素油を含まないか、又は実質的に含まない(例えば、3%、2%、1%、0.5%未満又は更には0%)低pHエッセンスを提供することが望ましいであろう。
【0030】
ビタミンB
3化合物
本組成物は、例えば、米国特許第5,939,082号に記載されているように、様々な皮膚状態を調節するための、安全かつ有効な量のビタミンB
3化合物を含む。本明細書における組成物は、組成物の重量又は体積に基づいて、0.1重量%〜10重量%(例えば、0.5%〜5%、又は1%〜4%)のビタミンB
3化合物を含有し得る。
【0031】
本明細書で使用される「ビタミンB
3化合物」とは、以下の式を有する化合物である:
【0032】
【化1】
式中、
Rが、CONH
2(すなわち、ナイアシンアミド)、COOH(すなわち、ニコチン酸)、又はCH
2OH(すなわち、ニコチニルアルコール)である化合物、それらの誘導体、及び上記のいずれかの塩を意味する。ビタミンB
3化合物の例示的な誘導体としては、ニコチン酸の非血管拡張性エステル(例えば、トコフェリルニコチネート、ミリスチルニコチネート)、ニコチンアミドリボシド、ニコチニルアミノ酸、カルボン酸のニコチニルアルコールエステル、ニコチン酸N−オキシド、及びナイアシンアミドN−オキシドを含む、ニコチン酸エステルが挙げられる。いくつかの例では、ナイアシンアミドなどのビタミンB
3化合物は、例えば、米国特許出願公開第2020/0009123号に記載されているように、比較的低いpHで改善された有効性を有し得る。
【0033】
場合によっては、ビタミンB
3化合物の環窒素は、組成物中では、及び/又は標的皮膚表面への塗布前には、「複合体を形成していない」(例えば、化学的に結合していない、及び/又は非ヒンダードである)ことが望ましい場合がある。例えば、本明細書の組成物は、ビタミンB
3化合物の塩又は複合体を含まないか、又は実質的に含まなくてもよい(すなわち、3%、2%、1%未満、又は更には0.5%未満)。望ましくない塩及び/又は複合体の形成を最小限に抑えるか又は防止する代表的な方法としては、実質的に不可逆的な、又は他の望ましくない複合体を組成物中のビタミンB
3化合物と形成する物質の除去、pH調節、イオン強度調節、界面活性剤の使用、並びに、ビタミンB
3化合物及びこれと複合体を形成する物質が異なる相である配合プロセスの実行が挙げられる。
【0034】
低pH酸緩衝系
スキンケア組成物に使用される様々な酸が知られている。例えば、アルファヒドロキシ酸(例えば、クエン酸、グリコール酸、リンゴ酸、及び乳酸)、β−ヒドロキシ酸(例えば、サリチル酸及びプロパン酸)、並びにポリヒドロキシ酸(例えば、グルコン酸)は、角質除去剤として一般に使用される。しかしながら、一部の酸は他よりも強力であり、及び/又は、一部の人々は、特定の濃度の酸に対して他の人々よりも敏感である場合がある。これらの要因は双方とも、酸を含有する低pH組成物によって引き起こされる皮膚刺激のリスクを高めるおそれがある。乳酸は、皮膚刺激に関しては比較的穏やかなアルファヒドロキシ酸の1つであるが、それでも本組成物に望ましい低pHを提供できる程度に十分に強力である。加えて、乳酸は、他のアルファヒドロキシ酸(例えば、グリコール酸、クエン酸、又はリンゴ酸)では提供できない皮膚効果を提供することができる。例えば、乳酸は、肌の自然保湿因子を改善するのに役立つか、及び/又は、コラーゲンの再生を刺激して肌の老化の兆候を改善するのに役立つであろう。したがって、本明細書の組成物は、本明細書のスキンケア組成物に所望の低pHを付与する量及び濃度の乳酸を含む。場合によっては、本明細書の低pH組成物は、0.5%〜5%(例えば、0.75%〜4%、1%〜3%又は1.5%〜2.5%)の乳酸及び/又はグルコン酸を含み得る。
【0035】
皮膚への局所塗布用の低pH組成物を提供する場合、皮膚への塗布後に組成物のpHを維持するのを助ける緩衝剤を含むことが重要である。平均して、ヒトの皮膚のpHは、典型的には約5.0〜6.0の範囲である。このpHを維持するために、ヒトの皮膚は、pHの変化に抵抗する天然の緩衝系を進化させてきた。したがって、低pH組成物が皮膚に塗布されると、皮膚の天然の緩衝系は、組成物のpHを調整して皮膚の自然なpHと一致させようとする。低pH組成物は、緩衝剤の添加なしでは所望のスキンケア効果を提供することができない場合がある。
【0036】
本明細書の低pH組成物は、pHを低下させるために組成物中で使用される酸に応じて、乳酸ナトリウム及び/又はグルコン酸ナトリウム緩衝剤を含む。乳酸ナトリウム及び/又はグルコン酸ナトリウム緩衝液は、本組成物のpHを、組成物中の活性成分が皮膚に浸透するのに十分な時間を提供するために、皮膚への塗布時に、かつその後少なくとも1分間(例えば、塗布後5分間、10分間、15分間、30分間、60分間又は更には120分間以上)にわたって所望のレベルに維持するのに好適な任意の量で存在し得る。場合によっては、乳酸ナトリウムは、低pH組成物中に0.25%〜4%(例えば、0.5%〜3%、0.75%〜2%、又は1%〜1.75%)存在してもよい。場合によっては、塩緩衝液は、酸対緩衝液の重量比1:10〜10:1で存在してもよい。体内で自然に生じる形態であるL−エナンチオマー型の酸及び/又は塩緩衝液を使用することが望ましいであろう。乳酸ナトリウムは、緩衝剤として作用することに加えて、皮膚の保湿を助ける保湿剤としても作用することから、特に好適な緩衝液である。当然ながら、本組成物は、スキンケア組成物での使用が知られている他のpH緩衝液を任意に含んでもよいことが理解されるべきである。
【0037】
増粘剤
組成物は、低pHの電解環境に耐えることができるポリマー増粘剤を含む。すなわち、増粘剤は、酸塩緩衝系の存在下で、組成物を低pHで増粘又は安定化させる能力を失うことはない。いくつかの従来の中和された増粘剤は、より低いpHで、及び/又は酸塩緩衝液(例えば、乳酸ナトリウム)の存在下では、劣化する、及び/又は組成物を適切に増粘させる能力を失うことが知られている。例えば、一部の中和された増粘剤は低pH環境で劣化する。一方、セチルアルコール及びステアリルアルコールなどの脂肪族アルコール増粘剤は、一般に低pHで安定であるが、エッセンス、美容液などの形態である場合、組成物に望ましくない濁り又は不透明度を付与する傾向がある。いくつかのアニオン性ポリマー増粘剤は、低pH環境への好適な耐性を提供することができるが、酸と塩との組み合わせのために緩衝系を許容することができないことも判明している。したがって、場合によっては、本明細書に記載の低pH組成物は、中和された増粘剤、脂肪族アルコール増粘剤、及びアニオン性増粘剤を含まないか又は実質的に含まなくてもよい。増粘剤は、組成物の0.0001重量%〜25重量%(例えば、0.001重量%〜20重量%、0.01重量%〜10重量%、0.5重量%〜7重量%、あるいは1重量%又は5重量%)で存在してもよい。
【0038】
本明細書で単独で又は組み合わせて使用可能な増粘剤又は水構造化剤の他の非限定的な例としては、天然ゴム又は合成ゴム、多糖類、カルボン酸ポリマー、ポリアクリルアミドポリマー、スルホン化ポリマー、及びこれらのコポリマーが挙げられる。更なる例としては、改質ガム、セルロース、及び超吸収性ポリマーが挙げられる。用語「超吸収性ポリマー」は、乾燥状態において、自重の少なくとも20倍の水性流体、具体的には水、特に蒸留水を自発的に吸収することができるポリマーを意味すると理解される。好適な多糖類としては、ヒドロキシプロピルメチルセルロースステアロキシエーテルなどのアルキルヒドロキシアルキルセルロースエーテルが挙げられる。この材料は、Daido Chemical Corp.社からSANGELOSE 60L及び90Lの商標名で販売されている。別の好適な多糖類としては、例えば、ジャガイモ加工デンプンなどの疎水性改質デンプンが挙げられる。この材料は、Nouryon社からSTRUCTURE SOLANACEの商標名で販売されている。別のポリマーとしては、モノマーが、例えば、Clariant社から商標名ARISTOFLEX SILKで販売されている、例えば、ポリアクリロイルジメチルタウリンナトリウムなどのアクリロイルジメチルタウレートモノマーから少なくとも部分的になる架橋ポリマーが挙げられる。
【0039】
いくつかのアニオン性ポリマー増粘剤は、低pH環境への好適な耐性、並びに望ましい感触及び不透明度を組成物に付与することができることがこれまでに判明している。したがって、アニオン性増粘剤の特に好適な例は、フランスのSeppic社からSEPIMAX ZENとして市販されているポリアクリレートクロスポリマー−6である。
【0040】
低分子量シリコーン流体
場合によっては、低pH組成物が皮膚の標的部分に塗布される際に、アニオン性ポリマー増粘剤が望ましくない粘着感を与える可能性がある。低分子量のシリコーン流体を添加すると、この粘着感を軽減又は防止できることが判明している。シリコーン流体の分子量は、シリコーン流体の粘度にも直接比例する、そのシリコーンポリマー鎖の長さに依存する。したがって、本低pH組成物での使用に好適な低分子量シリコーン流体は、25°Cで100cSt以下(例えば、1cSt〜90cSt、5cSt〜50cSt、又は更には10cSt〜30cSt)の動粘度を有する。動粘度は、シリコーン流体を分類する一般的な方法であり、材料の供給元から入手することができる。低分子量シリコーン流体の特に好適な例は、5cStのジメチコン流体である。本明細書で使用するところの「ジメチコン」とは、下式を有する化合物を意味する。
【0042】
皮膚科学的に許容可能な担体
本明細書における低pH組成物は、皮膚科学的に許容可能な担体(「担体」と呼ばれる場合もある)を含んでよい。「皮膚科学的に許容可能な担体」なる語句は、担体がケラチン性組織への局所塗布に適当であり、良好な審美特性を有し、組成物中の活性物質と相溶性を有し、安全性又は毒性について不当な懸念をいっさい生じさせないことを意味する。一実施形態において、担体は、組成物の約50重量%〜約99重量%、約60重量%〜約98重量%、約70重量%〜約98重量%、又は代替的に約80重量%〜約95重量%の濃度で存在する。
【0043】
担体は、多種多様な形態であってよい。場合によっては、構成成分(例えば、抽出物、日焼け止め活性物質、追加成分)の溶解性又は分散性によって担体の形態及び特徴が決定され得る。非限定的な例としては、単純な溶液(例えば、水性又は無水)、分散液、エマルジョン、及び固体形態(例えば、ゲル、スティック、流動性固体、又は非晶質材料)が挙げられる。場合によっては、皮膚科学的に許容可能な担体は、エマルジョンの形態である。エマルジョンは、連続水相(例えば、水中油型、又は水中油中水型エマルジョン)、又は連続油相(例えば、油中水型又は油中水中油型エマルジョン)を有し得る。本発明の油相には、シリコーンオイル、炭化水素油、エステル、エーテル等の非シリコーン油、及びこれらの混合物が含まれ得る。水相は、典型的には、水及び水溶性成分(例えば、水溶性保湿剤、コンディショニング剤、抗菌剤、湿潤剤、及び/又は他のスキンケア活性物質)を含む。しかしながら、場合によっては、水相は、水溶性保湿剤、コンディショニング剤、抗菌剤、湿潤剤、及び/又は他の水溶性スキンケア活性物質が挙げられるが、これらに限定されない水以外の構成成分を含んでもよい。場合によっては、組成物の非水構成成分は、グリセリン及び/又は他のポリオール(複数可)等の湿潤剤を含む。
【0044】
場合によっては、本明細書における組成物は、軽くてべたつかない感覚的感触を提供する水中油型(「O/W」)エマルジョンの形態である。本明細書における好適なO/Wエマルジョンは、組成物の50%重量超の連続水相を含み得、残部は分散油相であり得る。水相は、任意の水溶性及び/又は水混和性成分と共に水相の重量に基づいて、1%〜99%の水を含み得る。これらの場合では、分散した油相は、油性組成物の望ましくない感触効果を幾分か回避するのを助けるために、典型的には、組成物の30重量%未満(例えば、1%〜20%、2%〜15%、3%〜12%、4%〜10%、又は更には5%〜8%)で存在する。油相は、1つ以上の揮発性及び/又は非揮発性油(例えば、植物油、シリコーン油、及び/又は炭化水素油)を含み得る。本組成物に使用するのに好適であり得る油のいくつかの非限定的な油の例は、米国特許第9,446,265号及び米国特許出願公開第2015/0196464号に開示されている。
【0045】
担体は、1つ以上の皮膚科学的に許容可能な親水性希釈剤を含有してよい。本明細書で使用するとき、「希釈剤」としては、ビタミンB
3化合物を分散、溶解、又は別の方法で組み込むことができる材料が挙げられる。親水性希釈剤としては、水、低級一価アルコール(例えば、C
1〜C
4)、並びに低分子量グリコール及びポリオール等の有機親水性希釈剤が挙げられ、これらには、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール(例えば、分子量200〜600g/モル)、ポリプロピレングリコール(例えば、分子量425〜2025g/モル)、グリセロール、ブチレングリコール、1,2,4−ブタントリオール、ソルビトールエステル、1,2,6−ヘキサントリオール、エタノール、イソプロパノール、ソルビトールエステル、ブタンジオール、エーテルプロパノール、エトキシル化エーテル、プロポキシル化エーテル、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0046】
乳化剤
本明細書の低pH組成物がエマルジョン(例えば、水中油型エマルジョン)の形態である場合、エマルジョンを安定化させる(すなわち、エマルジョンが相分離するのを防ぐ)ために乳化剤を含むことが望ましくてもよい。乳化剤は、組成物中に0.01%〜10%(例えば、0.05%〜5%、又は0.1%〜2%)存在し得る。乳化剤は、非イオン性であってもよく、アニオン性であってもよく、又はカチオン性であってもよい。場合によっては、乳化剤は、シリコーン乳化剤であってよい。本明細書で使用するのに好適であり得る乳化剤のいくつかの非限定的な例は、米国特許第3,755,560号、同第4,421,769号、及びMcCutcheon’s Detergents and Emulsifiers,North American Edition、317−324頁(1986)に開示されている。
【0047】
本明細書での使用に好適であり得る乳化剤のいくつかの他の非限定的な例としては、ポリグリコールのエーテル及び脂肪族アルコールのエーテル、ポリグリコールのエステル及び脂肪酸のエステル、ポリグリコールのエーテル及びグリコシル化された脂肪族アルコールのエーテル、ポリグリコールのエステル及びグリコシル化された脂肪酸のエステル、C12−30アルコールのエーテル及びグリセロール又はポリグリセロールのエーテル、C12−30脂肪酸のエステル及びグリセロール又はポリグリセロールのエステル、オキシアルキレン変性C12−30アルコールのエーテル及びグリセロール又はポリグリセロールのエーテル、スクロース又はグルコースを含むC1−−230脂肪族アルコールのエーテル、スクロースのエーテル又はグルコースのエーテル、スクロースのエステル及びC1230脂肪酸のエステル、ペンタエリスリトールのエステル及びC12−30脂肪酸のエステル、ソルビトールのエステル及び/又はソルビタンのエステル及びC12 30脂肪酸のエステル、ソルビトールのエーテル及び/又はソルビタンのエーテル及びアルコキシル化ソルビタンのエーテル、ポリグリコールのエーテル及びコレステロールのエーテル、C12−30脂肪酸のエステル並びにソルビトール及び/又はソルビタンのアルコキシル化エーテル、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。特に有用な種類の乳化剤は、ラウレス−1からラウレス−50(例えばラウレス−4)などのラウリルアルコールのポリエチレングリコールエーテルである。乳化剤の更に他の例としては、グリセロール、ポリグリセロール、スクロース、グルコース、又はソルビトールのエーテル;グリセロール、ポリグリセロール、スクロース、グルコース、又はソルビトールのエステル;及びこれらの混合物が挙げられる。他の特に有用な種類の乳化剤は、ポリソルベート20、ポリソルベート21及びポリソルベート40などのソルビトール及びソルビトール無水物のアルキルエステルである。
【0048】
シリコーン乳化剤は、本明細書での使用に好適であり得る。直鎖又は分枝鎖型シリコーン乳化剤もまた使用してもよい。特に有用なシリコーン乳化剤としては、KF−6011、KF−6012、KF−6013、KF−6015、KF−6015、KF−6017、KF−6043、KF−6028、及びKF−6038などのポリエーテル修飾シリコーン、並びにKF−6100、KF−6104、及びKF−6105などのポリグリセロール化直鎖又は分枝鎖シロキサン乳化剤(全て信越化学工業株式会社製)が挙げられる。本明細書で使用するのに特に好適な乳化剤は、信越化学工業株式会社からKF−6011として販売されているPEG−11メチルエーテルジメチコンである。驚くべきことに、PEG−11メチルエーテルジメチコン乳化剤は、アニオン性ポリマー増粘剤の粘着感を更に低下させることによって低pH組成物の全体的な感触を改善することが発見された。乳化剤は、0.1%〜10%(例えば、1%〜5%、又は2%〜4%)の量で存在し得る。
【0049】
他の任意の成分
本組成物は、任意選択的に、化粧品組成物(例えば、着色剤、スキンケア活性物質、抗炎症剤、日焼け止め剤、乳化剤、緩衝液、レオロジー変性剤、これらの組み合わせなど)に一般的に使用される1つ以上の追加の成分を含んでもよく、ただし追加の成分が不所望に本組成物によって提供される皮膚健康上又は外観上の効果を変えるものではない。組成物中に組み入れられる場合、追加の成分は、過度の毒性、不適合性、不安定性、アレルギー反応などを示すことなく、ヒトの皮膚組織に接触させて用いるのに好適でなければならない。追加活性物質のいくつかの非限定的な例としては、ビタミン、ミネラル、ペプチド及びペプチド誘導体、糖アミン、日焼け止め剤、オイルコントロール剤、微粒子、フラボノイド化合物、育毛調整剤、抗酸化剤及び/又は抗酸化前駆体、防腐剤、プロテアーゼ阻害剤、チロシナーゼ阻害剤、抗炎症剤、保湿剤、角質除去剤、皮膚美白剤、サンレスタンニング剤、潤滑剤、抗ニキビ活性物質、抗セルライト活性物質、キレート剤、抗しわ活性物質、抗萎縮活性物質、フィトステロール及び/又は植物ホルモン、N−アシルアミノ酸化合物、抗菌剤、並びに抗真菌剤が挙げられる。本明細書での使用に好適であり得る追加成分及び/又はスキンケア活性物質の他の非限定的な例が、米国特許出願公開第2002/0022040号、同第2003/0049212号、同第2004/0175347号、同第2006/0275237号、同第2007/0196344号、同第2008/0181956号、同第2008/0206373号、同第2010/00092408号、同第2008/0206373号、同第2010/0239510号、同第2010/0189669号、同第2010/0272667号、同第2011/0262025号、同第2011/0097286号、同第2012/0197016号、同第2012/0128683号、同第2012/0148515号、同第2012/0156146号、及び同第2013/0022557号、並びに米国特許第5,939,082号、同第5,872,112号、同第6,492,326号、同第6,696,049号、同第6,524,598号、同第5,972,359号、及び同第6,174,533号に記載されている。
【0050】
本明細書における組成物中に任意選択の成分を含む場合、低pHで組成物中の他の成分、特に、ナイアシンアミド、サリチレート、及びペプチドのようなpH感受性成分と複合体を形成しないか、そうでなくても、望ましくない相互作用をしない成分を選択することが望ましい場合がある。場合によっては、両方の薬剤の有効性を低減させ得る活性物質が互いに干渉しないように、異なる生物学的経路によって機能するスキンケア活性物質を選択することが望ましい場合がある。存在する場合、任意選択の成分は、組成物の0.0001重量%〜50重量%、0.001重量%〜20重量%、又は更には、0.01重量%〜10重量%(例えば、50重量%、40重量%、30重量%、20重量%、10重量%、5重量%、4重量%、3重量%、2重量%、1重量%、0.5重量%、又は0.1重量%)の量で含まれていてよい。
【0051】
使用方法
本明細書における低pH化粧品組成物は、皮膚への局所塗布を目的として配合されている。本発明の低pH組成物の使用方法は、処理を必要とする人又は処理が所望される場合の皮膚の標的部分(例えば、皮膚の色むらを示す皮膚部分、血色が悪い皮膚、又は色素沈着過度のシミを有する皮膚)を特定する工程及び、有効量の低pH組成物を、処理期間にわたって皮膚の標的部分に塗布する工程を含む。組成物の有効量は、使用者が望む皮膚効果及び/又は処理領域の大きさに基づいて変化し得る。場合によっては、有効量は、0.1g〜5g(例えば、0.2g〜4g、0.3g〜2g、又は更には0.5g〜1g)の範囲であってもよい。皮膚の標的部分は、額、口周囲、顎、眼窩周囲、鼻、及び/若しくは頬)等の顔の皮膚表面上、又は身体の別の部分(例えば、手、腕、脚部、背部、胸)にあってもよい。場合によっては、色素沈着過度のシミ又は皮膚の色むらなどの皮膚の老化の兆候を現在は示していないが、年齢と共にそのような特徴を一般に示す皮膚領域である皮膚の標的部分が選択されてもよい。これらの場合に、低pH組成物を使用して、このような望ましくない皮膚特徴の発生を防止することができる。
【0052】
組成物は、処理期間中、処理を必要としている皮膚の標的部分に、そして、必要に応じて周囲の皮膚に、少なくとも1日1回、1日2回、又は毎日それ以上の頻度で局所的に塗布することができる。1日2回塗布する場合、1回目と2回目の塗布の間は、少なくとも1〜12時間の間隔を空ける。組成物は典型的に、朝及び/又は夜就寝前に塗布される。本明細書の方法に従って使用される場合、本組成物は、例えば、皮膚のテクスチャを改善することによって、皮膚の外観及び/又は機能を改善することができる。皮膚のテクスチャの改善が、例えば、毛穴の大きさを減少させること、肌荒れを低減すること、しわの存在及び/又は大きさを低減すること、これらの組み合わせなどによってなされてもよい。
【0053】
処理期間は、理想的には、低pH組成物が皮膚の標的部分の外観及び/又は機能を改善するのに十分な時間である。処理期間は、典型的には、少なくとも1週間(例えば、約2週間、4週間、8週間、又は更には12週間)にわたって持続する。場合によっては、処理期間は、複数月(すなわち3〜12ヶ月)に及ぶ場合もある。場合によっては、少なくとも2週間、4週間、8週間、又は12週間の処理期間中に、週の大半の日(例えば、少なくとも週に4日、5日又は6日)に、少なくとも1日に1回又は更には1日に2回組成物を塗布する。
【0054】
本明細書における組成物を塗布する工程は、局所的塗布により行うことができる。組成物の塗布に関して、「局所的な」、「局所的」、又は「局所的に」という用語は、処理が望まれてなない皮膚表面への送達を最小限にしつつ、組成物が標的領域(例えば、乾癬斑)に送達されることを意味する。本組成物は、ある皮膚区域に塗布し、軽く揉み込むことができる。組成物又は皮膚科学的に許容可能な担体の形態は、局所的塗布が容易となるように選択されるべきである。本明細書における特定の実施形態は、組成物をある領域に局所的に塗布することを想到しているが、本明細書における組成物は、1つ以上の皮膚表面に更に全身的に又は広範に塗布され得ることが理解されよう。ある実施形態において、本明細書における組成物は、多段階式美容法の一部として使用される場合があり、この多段階式美容法では本組成物を1種以上の他の組成物の前及び/又は後に塗布され得る。
【0055】
方法
不透明度試験方法
この方法は、製品又は材料の不透明度を測定するために用いられる。結果は百分率として報告され、百分率が高い程、サンプルの不透明度がより大きい。可視スペクトルにわたってCIE D65照明条件下で三刺激値CIE XYZをもたらすことができる分光光度計(例えば、分光光度計CM−3600A、コニカミノルタ(日本)、又は等価物など)が本方法に使用される。分光光度計は、2°の観察者及びD65光源を用いて1931 CIEにより定義された三刺激XYZ値をもたらす条件下で操作される。部分のサンプルは、プラスチックセル(CM−A131、コニカミノルタ(日本)又は等価物など)における10mm光路長、反射率測定、標本表面での25.4mmの絞り開口、正反射成分を含まない測色を用いて評価される。不透明度を計算するために2組の三刺激値が必要であり、1つは、白色背景の前での製品の10mmサンプルセルの値であり、もう1つは、黒色背景の前での値である。許容可能な白色背景としては、不透明カード(Opacity Card Form 2A,Leneta Company,Inc(Mahwah,NJ,USA)、又は等価物など)の白色部分が挙げられ、許容可能な黒色背景は、不透明カード(Opacity Card Form 2A,Leneta Company,Inc(Mahwah,NJ,USA)、又は等価物など)の黒色部分である。不透明度は、黒色背景を使用するY三刺激値を白色背景を用いるY三刺激値で除した商に100%を乗じて計算することによって決定される。不透明度は、最も近い整数百分率で報告される。
【0056】
レオロジー法
この方法は、BROOKFIELDブランドの粘度計(モデルDV2T又は同等品など)及び好適なスピンドル(RV4又は同等品など)を製造元の指示に従って使用して、組成物又は材料の動粘度を測定する方法を提供する。当業者が製造元の推奨に従って適切なスピンドルを選択できることを理解されたい。粘度計を較正した後、スピンドルを十分な量(例えば、スピンドルをスピンドルシャフト上の浸漬マークまで浸漬するのに十分な量)の試験サンプルに浸漬する。スピンドル回転速度を5rpmに設定し、粘度計を起動する。表示された粘度の読み取り値が安定するまで待つ(約10〜30秒)。読み取り値が安定したら、10秒間隔で5回の読み取りを行う。5回の読み取り値の平均として粘度を計算する。
【実施例】
【0057】
実施例1−配合物
表1に、本明細書に記載の低pH組成物の実施例及び非発明の組成物の比較例(比較例J)を示す。組成物を、スキンケア組成物を製造する従来の方法を使用して調製した。このような方法は、典型的には、加熱、冷却、真空の適用などを用いて又は用いずに、成分を1つ以上の工程で比較的均一な状態になるまで混合することを含む。典型的には、エマルジョンは、最初に水相の材料を脂肪相の材料とは別に混合し、その後、2つの相を適宜組み合わせて所望の連続層を得ることにより調製される。好ましくは、組成物は、安定性(物理的安定性、化学的安定性、光安定性)、及び/又は活性材料の送達を最適化するように調製される。この最適化には、pHの(すなわち5未満への)調節、活性剤と複合体を形成して、安定性又は送達に有害な影響を与え得る材料の排除(例えば混入鉄の排除)、複合体形成を防止する手法(例えば、適切な分散剤又は二重区画包装)の使用、適切な光安定性の手法(例えば、日焼け止め剤/日焼け防止剤の配合、不透明包装の使用)の使用等を挙げることができる。
【0058】
本実施例で試験した組成物のpHを、平坦な表面電極/プローブ(例えばVWRカタログ20 No.89231−584を参照されたい)を装備したORIONブランド525A pH計(又は同等物)で測定した。pH計のプローブを、組成物の未希釈試料に直接浸漬した。実施例の組成物のpHは、3.8であった。理論に束縛されるものではないが、3.8のpHは、スキンケア活性物質の有効性、感覚特性、及び低刺激性の間の最良のバランスを提供し得ると考えられる。
【0059】
【表1】
1信越化学工業株式会社製KSG−16
2Ashland,Inc.社製CHRONOGEN YST
3Lucas Meyer Cosmetics社製PROGELINE
4Seppic社製SEPIMAX ZEN
5信越化学工業株式会社製KF−6011
【0060】
【表2】
【0061】
実施例2−低pH緩衝系
この実施例は、乳酸/乳酸ナトリウム低pH緩衝系が、組成物のpHを正常なヒト皮膚の平均pH未満(すなわち、5.0未満)に維持する能力を実証する。被験者に、試験前に水で顔を洗浄するように求めた。次いで、好適な量(例えば、1g)の試験製品(表1の実施例F)を、被験者の顔に塗布した。皮膚の標的部分のpHを、製品が乾燥した後(塗布後約2〜5分)、次いで塗布してから3時間後に測定した。pHは、フラットプローブを備えた好適なpH計を使用し、安定したpH値がpH計に表示されるまで被験者の皮膚にプローブを当てることによって測定することができる。pHプローブは、皮膚に当てる直前に脱イオン水で湿らせる必要がある。被験者の平均pHを以下の表2に示す。
【0062】
【表3】
【0063】
実施例3−臨床試験
この実施例は、本発明の低pH組成物が皮膚の外観を改善する能力を実証する。本実施例では、低pH組成物が提供する望ましい皮膚外観効果を示すために、テクスチャ面積率を選択した。テクスチャ面積率の算出方法は、皮膚のテクスチャがどのように知覚されるかに影響を及ぼす皮膚特徴(例えば、毛穴の大きさ、小じわ、及びしわ)を測定するための客観的な画像キャプチャ及び分析システムを使用する。テクスチャ面積率の改善は、皮膚の外観の改善に対応する。
【0064】
1週間のウォッシュアウト期間と8週間のテスト期間とを含む9週間のインビボ試験を、無作為抽出、ビヒクル対照、平衡不完全ブロック、顔面分割デザインを使用して実施した。60名の被験者が処理レッグに参加し、59名が試験を完了した。処理レジメンは、1週間のウォッシュアウト期間から開始した。被験者は、毎朝夕に標準的な洗浄剤(The Procter&Gamble Company社製Olay Deep cleansing facial Cleanser)で顔を洗い、タオルでやさしく乾かし、標準的な保湿剤(グリセリンを3%含む)を顔の両側に塗布した。ベースラインで、各被験者は、顔の左側又は右側のいずれかに1日2回塗布するための2つのコード化された試験配合物を受け取った。被験者は、毎朝夕に標準的な洗浄剤で顔を洗い、タオルでやさしく乾かし、0.5gの適切な試験配合物を、顔の両側に指で円を描くようにやさしく押しながら塗布した。この試験で使用した試験配合物は、表1の実施例G及びI、並びにビヒクル対照であった。ビヒクル対照の配合率を以下の表3に示す
【0065】
【表4】
【0066】
顔面処理部位の画像をベースラインで及び処理2週目、4週目、8週目にキャプチャし、顔のテクスチャの変化について分析した。画像収集の前に、参加者は、自分の顔をマイルドな洗浄剤で洗浄し、次いで、撮像前に約20分間平衡化させた。次いで、Canfield OLE撮像システムを使用して、参加者の顔の右側及び左側の画像を収集した。Canfield OLE撮像システム(Canfield Scientific,Inc.、米国ニュージャージー州パーシッパニー)は、臨床調査研究において、制御された照明及び頭部位置決め構成下で再現可能な顔画像をキャプチャするように設計されている。OLE撮像システムには、最大解像度5472×3648の21メガピクセルのCMOSセンサを使用したCanon EOS−6D DSLRが組み込まれている。OLE撮像システムは、キャプチャされた画像ごとにExif JPEGとCanon生画像ファイルとの両方を保存する。
【0067】
調査中の皮膚特徴をより高い質で可視化するために、被験者の画像を様々な照明モダリティ下で収集した。自動フラッシュ選択制御及び変更可能なフィルタ制御により、顔のトポグラフィカルな特徴(しわ、テクスチャなど)又は顔の色の特徴(シミ、色合いなど)をより高い質で画像化するように最適化された、照明、照明角度及びフィルタの正しい組み合わせを選択した。ベースライン画像上に重ね合わせられた被験者のライブフィード画像を使用して、時点間の再現性を向上させた。被験者は、ライブ画像の顔の上の主要な目印の全てがベースライン画像の同じ目印と正確に位置合わせされるように配置された。各画像には、色管理を支援するために、既知の値のカラーチップを含むカラーチャートが含まれていた。Canfield Captureソフトウェアを使用してOLE撮像システムでキャプチャされた画像を、撮像システムのコンピュータ上のデータドライブに直接保存した。
【0068】
この実施例では、テクスチャ測定の対象領域(region of interest:ROI)は、被験者の頬の上部及び下部をカバーしていたが、目の下部分及び目尻のしわの中央部分には及んでいなかった。マスクの上限は、被験者の頬骨上部に沿っていた。ROIの特定の差異は、被験者の顔面の形態の違いに起因するものであった。ROI内の皮膚のテクスチャの程度を、Optimusソフトウェアプラットフォームに基づいた画像解析アルゴリズムを用いて客観的に定量化した。この分析により、人間のテクスチャ認識と相関する皮膚表面のテクスチャパターンを特定し、検出された総テクスチャ面積をピクセル単位で定量化した。ROIは被験者ごとに形状及びサイズが異なるため、総テクスチャ面積を総ROIサイズに正規化し、テクスチャ面積率(Texture Area Fraction:TAF)、すなわち、顔のテクスチャがROI面積に占める割合をピクセル単位で算出した。試験結果を以下の表4A及び表4Bにまとめる。表4A及び4Bから分かるように、低pH組成物は、ビヒクル値及びベースライン値と比較して、テクスチャ面積率を有意に改善した。
【0069】
【表5】
【0070】
実施例4−粘着性の低減
9名の被験者に、対照投与量を使用してCTCH室内で前腕に試験製品(盲検)を塗布するように求めた。この試験で使用した試験製品は、表1の実施例F、J、及びHの組成物であった。次いで、被験者に、2分後及び6分後の粘着性を評価し、0は粘着性なし、5は高い粘着性の0から5までのスコアを付けるように求めた。試験結果を表5にまとめる。スチューデントT検定を使用して、統計的有意性(閾値=0.05)を決定した。異なる文字(A、B、及びC)は、試験レッグ間で統計的に有意な差があることを示し、同じ文字は統計的に有意な差がないことを示す。換言すれば、2分後では、3つの試験レッグは全て、互いに対して統計的に有意な粘着性の違いを示し、6分後では、実施例F及びHは、実施例Hと比較して統計的に有意な差を示したが、互いに対しては統計的に有意な差を示さなかった。
【0071】
表5から分かるように、低分子量シリコーン油及びシリコーン乳化剤を含む実施例Fは、2分後に最も低い粘着性を示した。低分子量シリコーン流体を含有するがシリコーン乳化剤を含まない実施例Hは、2番目に低い粘着性を有していた。6分後では、実施例F及びHは両方とも、実施例Jよりも統計的に有意に低い粘着性を示した。このように、データは、低分子量シリコーン油を添加することで粘着性が低下すること及び、好適なシリコーン乳化剤を使用することで塗布後の粘着性が更に低減され得ることを示唆している。
【0072】
【表6】
*スチューデントT検定;閾値=0.05
【0073】
実施例5−不透明度
この実施例は、低分子量シリコーン油が炭化水素油で置換されている組成物と比較した本発明の低pH組成物の改善された不透明度特性を実証する。本実施例の試験組成物を以下の表6に示す。各組成物の不透明度は、上記の不透明度法に従って決定された。試験結果を表7にまとめる。
【0074】
【表7】
1Ajinomoto Omnichem社から入手可能なELDEW SL 205
【0075】
表7から分かるように、配合率A(シリコーンオイルを含有する組成物)は、45から85までの間の所望の不透明度を付与することができ、一方、炭化水素油を含有する組成物(すなわち、配合率B)は、そのような不透明度を付与しなかった。
【0076】
【表8】
【0077】
実施例6−低刺激性
この実施例は、本発明の低pH組成物の低刺激性を実証する。低pH組成物を、臨床試験、インビトロ細胞ベースアッセイ及びインビボヒト試験で試験して、組成物の相対的な刺激性を調べた。
【0078】
臨床試験
上記の実施例3に記載の臨床試験の一部として、被験者に、皮膚に塗布された試験製品に関連する刺激性のレベルを評価するアンケートに記入するように求めた。アンケートは、被験者に、試験製品が「皮膚を刺激しない」かどうかについて評価するように求めた。アンケートの回答の選択肢は、1)非常にそう思う;2)そう思う;3)ややそう思う;4)分からない;5)あまりそう思わない;6)そう思わない;及び7)まったくそう思わない、の7つであった。この実施例で使用した試験組成物は、表1の組成物I及び実施例3のビヒクル対照であった。4週目及び8週目の試験結果を以下の表7にまとめる。「上位3」とは、「非常にそう思う」、「そう思う」、「ややそう思う」と回答した被験者の割合を指す。
【0079】
【表9】
【0080】
4週目では、被験者の98%が、本発明の組成物が皮膚を刺激しなかったことに同意したのに対し、97%が、ビヒクル対照が皮膚を刺激しなかったことに同意した。8週目では、被験者の100%が、試験組成物が皮膚を刺激しなかったことに同意したのに対し、98%が、ビヒクル対照が皮膚を刺激しなかったことに同意した。したがって、この試験結果は、本発明の低pH組成物が使用者の皮膚を刺激することなく皮膚の外観を改善できることを示唆している。
【0081】
インビトロ試験
この実施例のインビトロ部分は、試験組成物が市販のHEK293細胞において周知のTRPV1感覚受容体を活性化する能力を調べる。TRP受容体(例えば、TRPA1、TRPV1、及びTRPM8)は、中枢神経系への熱感覚(すなわち、高温及び低温)の伝達に関与することが知られている感覚受容体である。TRPV1はまた、かゆみ、灼熱感、疼痛、うずき、刺痛、及び炎症などの皮膚感覚刺激の誘発に関与すると考えられている。従来、ある材料又は組成物がTRPV1を活性化する能力を評価するため、特に、様々な消費者製品配合物の灼熱感、うずき、味覚感覚、及び/又は疼痛緩和効果を評価するために、特定のヒトTRPV1受容体発現細胞株が使用されてきた。この実施例では、HEK293細胞を、カルシウム結合色素であるFluo−4 AMで前処理し、FLIPR TETRAブランドの細胞スクリーニングシステム(Molecular Devices,LLCから入手可能)又は同等物を使用した高スループットの方法で、対照物質及び試験組成物で処理した。TRPV1イオンチャネルが活性化されると、カルシウムイオンが細胞に入り、Fluo−4色素に結合して蛍光シグナルを生成し、応答の定量化を可能にする。TRPV1活性化に関係しない非特異的なカルシウム動員の影響を低減するために、特定のTRPV1阻害剤/アンタゴニスト化合物の存在下及び非存在下で配合率応答を測定した。特定のアンタゴニストの存在下では、配合率によるTRPV1受容体活性化の陽性シグナルが消失又は減少し、それによって、配合率依存性のTRPV1活性化に起因するデータ収集の精度が向上した。
【0082】
TRPV1アッセイ
アッセイを開始するために、HEK293細胞を、10%のFBS、高グルコース、L−グルタミン、フェノールレッド、100ug/mlのG418、及びピルビン酸ナトリウムを含有するDMEM培地中で、33°C及び5%のCO
2で4〜5日間培養した(80〜90%コンフルエント)(例えば、Sadofsky,L.R.らによるUnique Responses are Observed in Transient Receptor Potential Ankyrin 1 and Vanilloid 1 (TRPA1 and TRPV1)Co−Expressing Cells.Cells 2014,3,616−626を参照)。第2継代の細胞をPBSと共に組織培養容器から取り出し、分離した細胞を遠心分離器中で低速(800〜1000rpm)で3分間遠心分離してペレットを形成した。PBS培地を除去し、細胞ペレットを4mLの増殖培地に再懸濁させた。25μLのPluronic F−127に溶解させた50μgのFluo−4 AMカルシウム色素を添加し、次いで、細胞を穏やかに振盪しながら室温で1時間インキュベートした。細胞を、45mLアッセイ緩衝液(1×HBSS、20mM HEPES)で3分間の低速遠心分離(800〜1000rpm)により1回洗浄し、次いで、10mLのアッセイ緩衝液中に再懸濁させた。96ウェルの黒色平底プレートの各ウェルに100μLのアリコート(約15×10
4細胞)を分注した。プレートを室温で30分間静置し、次いで、細胞スクリーニングシステム(例えば、FLIPR TETRA又は等価物)を使用して、λ
ex 488nm及びλ
em 514nmでベースライン蛍光を記録した。カプサイシン(350nM)を各プレートのアゴニスト対照として使用し、イオノマイシン(2uM)を陽性対照として使用した。
【0083】
試験サンプルを、アッセイ緩衝液(w/v)中の12X(配合率10.8%)ストックとして調製し、室温で1時間静置した。次いで、全てのサンプルを14,000rpmで3分間遠心分離した。遠心分離した試料から水相を取り出し、好適なチューブに入れ、アッセイ緩衝液で1:1に混合して6Xストックを作製した。分離した水相をカプサゼピンの12Xストック(最終濃度25uM)と1:1で混合して、TRPV1アンタゴニスト組成物を調製した。6Xサンプルをアッセイ緩衝液又はTRPV1アンタゴニストカプサゼピンの6Xストック(25uM)で1:3に希釈した。希釈した組成物20μLを96ウェルプレートウェルにトリプリケートで加え、配合率0.3%の最終希釈物を得た。
【0084】
アゴニスト対照応答のピーク時点までの各ウェルの最大蛍光値(典型的には40〜50秒)を記録した。複製ウェルの値を平均し、次いでカプサイシンアゴニスト対照応答の百分率に変換した。各試験サンプル応答を、(平均試験サンプル応答)−(平均試験サンプル応答+アンタゴニスト)間の差として報告する。ゼロ未満の応答は、「応答なし」として報告される。この試験の試験組成物を以下の表9に示す。結果をまとめた表は、本発明の組成物の乳酸/乳酸ナトリウム緩衝系のTRPV1活性化は、比較例の低pH組成物よりも有意に少ないことを示している。具体的には、乳酸塩緩衝組成物は、アゴニスト対照に対して5%未満のTRPV1活性化を示した。
【0085】
【表10】
1Symrise社製SYMDIOL 68
2Corbion社製PURAC HIPURE 90
3Corbion社製PURASAL S HQ−60
4Seppic社製SEPIMAX ZEN
5信越化学工業株式会社製KF−6011P
【0086】
インビボ試験
この実施例のインビボ部分は、異なる緩衝系を使用した比較例の低pH配合物と比較して、本組成物の刺激性が低いことを示している。この試験は、25〜54歳の女性被験者を使用した単一製品の盲検試験であった。被験者に、試験組成物約0.5g(すなわち、ポンプ1押し分)を1日2回(朝及び夜)、顔全体に塗布するように求めた。この試験の試験組成物は、上記の表8に示されている。1週間の使用後、試験組成物が皮膚を刺激するかどうかを被験者に尋ねた。インビボ試験の結果を以下の表9にまとめる。表9から分かるように、データは、本発明の実施例が比較例よりも皮膚への刺激が少ないことを示唆している。
【0087】
【表11】
【0088】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、このような寸法はそれぞれ、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図されている。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味するものとする。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求される任意の発明に対する先行技術であるとはみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせたときに、そのようないかなる発明も教示、示唆又は開示するとはみなされない。本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な他の変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にある全てのそのような変更及び修正を添付の特許請求の範囲に網羅することが意図されている。