(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記逆流防止装置は、前記連通路の前記射出シリンダ側の開口の周囲に形成された弁座と、前記射出シリンダの中で前記弁座に着座して前記連通路を閉じるとともに前記弁座から離れて前記連通路を開くように進退する弁棒とを備える、
請求項1ないし3のいずれか1つの軽金属射出成形機の射出装置。
前記溶湯ポットの中で前記溶湯給排口の開口に対面した位置に取り付けられて、前記溶湯ポットの中に流入する前記溶湯を前記溶湯ポットの中で分散させる溶湯分散部材を備える、
請求項1ないし4のいずれか1つの軽金属射出成形機の射出装置。
【背景技術】
【0002】
軽金属射出成形機は、射出装置と型締装置とそれらを制御する制御装置とを備えている。射出装置は、軽金属材料を溶湯になるまで加熱溶融し、当該溶湯を金型装置の中に射出する。型締装置は、金型装置を搭載し、当該金型装置を開閉および型締めする。溶湯は、金型装置の中で冷えて固まることで成形品となる。軽金属材料は、例えば、マグネシウム合金やアルミニウム合金などである。
【0003】
特許文献1および特許文献2の軽金属射出成形機の射出装置は、円柱短棒形状の軽金属材料を溶湯に加熱溶融する溶融ユニットと、溶融ユニットから供給される溶湯を射出する射出ユニットと、溶融ユニットと射出ユニットを連通する連通路が形成されている連結部材とを備えている。溶融ユニットは、射出ユニットの上方に配置されている。円柱短棒形状の軽金属材料は、例えば、ビレットと称される。
【0004】
溶融ユニットは、横置きの溶融シリンダを備えている。溶融シリンダは、前側部分かつ下側部分に射出シリンダに連通する連通路が接続され、後端面の開口からビレットが順次供給される。溶融シリンダは、複数のヒータによる加熱温度を制御することによって後端から前端に向かうにつれてビレットを強く溶融するように構成されている。溶融シリンダは、加熱溶融したあとの軽金属材料の溶湯を貯留する。ビレットの外径は、溶融シリンダの後端部の内径よりもわずかに小径である。溶融シリンダの後端部とビレットの間は、溶湯のある程度に軟化した状態にあって溶湯のバックフローを防止する程度に固化した固化物であるシール部材でシールされている。シール部材は、前進移動するビレットを円滑に摺動する。
【0005】
射出ユニットは、横置きの射出シリンダを備えている。射出シリンダは、前側部分かつ上側部分に溶融シリンダと連通する連通路が接続され、前端部に射出ノズルが接続されていて、射出シリンダの後端面の開口からシリンダ孔の中に挿入するようにプランジャが収められている。また、射出シリンダには、シリンダ孔とプランジャの先端面で囲まれた射出室が形成されている。射出ユニットは、プランジャを所定の位置まで移動させることで所定の容積の射出室を形成したあと、溶湯の自重による自由落下によって連通路を通して溶融シリンダから射出シリンダに供給される溶湯を射出室の中に貯留するようにして溶湯を計量し、プランジャを前進させて射出ノズルを通して射出室の中の溶湯を射出する。プランジャの外径は、射出シリンダの後端部の内径よりもわずかに小径である。射出シリンダの後端部とプランジャの間は、溶湯のある程度に軟化した状態にあって溶湯のバックフローを防止する程度に固化した固化物であるシール部材でシールされている。シール部材は、前進後退移動するプランジャを円滑に摺動する。
【0006】
また特許文献1および特許文献2の軽金属射出成形機の射出装置は、溶湯を計量するときに連通路を開くとともに溶湯を射出するときに連通路を閉じる逆流防止装置と、溶融シリンダの中に貯留可能な容量を超えた分の溶湯を貯留するとともに貯留した溶湯の上方を不活性ガスの雰囲気にする不活性ガス貯留部と、不活性ガス貯留部の中の溶湯の液面の高さを検出する液面レベル検出装置と、不活性ガス貯留部に不活性ガスを供給する不活性ガス供給装置とを備えている。
【0007】
逆流防止装置は、連通路の溶融シリンダ側の開口の周囲に形成された弁座と、不活性ガス貯留部の中および溶融シリンダの中を通して弁座に先端部が着座して連通路を閉じるとともに弁座から先端が離れて連通路を開くように進退する弁棒とを備えている。逆流防止装置は、溶湯を射出するときに連通路を閉じることで射出シリンダの中から溶融シリンダの中に溶湯を逆流させないようにする。
【0008】
不活性ガス貯留部は、溶融シリンダの中に貯留可能な容量を超えた分の溶湯を貯留する溶湯ポットの1つである。不活性ガス貯留部は、溶融シリンダにおける連通路の溶融シリンダ側の開口の真上に接続されて、溶融シリンダの中に連通している。そのため、溶融シリンダの中の溶湯が射出シリンダの中に自重による自由落下によって供給された際に、不活性ガス貯留部の中の溶湯は、溶融シリンダの中に自重による自由落下によって供給されることになる。不活性ガス貯留部は、上部にガス供給口とガス排出口が形成されている。ガス供給口は、不活性ガス供給装置に接続されている。ガス排出口は、リリーフバルブなどの圧力調整バルブが接続されている。不活性ガス貯留部は、貯留している溶湯の上方が所定の圧力の不活性ガスの雰囲気に維持されている。
【0009】
液面レベル検出装置は、不活性ガス貯留部の中に取り付けられている。液面レベル検出装置は、制御装置に接続されていて、不活性ガス貯留部に貯留された溶湯の液面の高さを示す信号を制御装置に出力する。制御装置は、液面レベル検出装置の出力信号に基づき、溶融ユニットの溶融シリンダの中にビレットを供給するタイミングを制御する。
【発明を実施するための形態】
【0018】
軽金属射出成形機は、射出装置と、型締装置と、それらを制御する制御装置とを有する。射出装置は、例えば、
図1および
図2で示される。
図1は、本発明の軽金属射出成形機の射出装置1の基本的な構成を示している。
図2は、本発明の軽金属射出成形機の射出装置1の別の構成を示している。型締装置と制御装置は、図示省略される。型締装置は、金型装置を搭載し、金型装置を開閉または型締めする。図示省略する金型装置は、例えば、固定側金型と可動側金型を有する。なお、各種装置を駆動する駆動源は、詳しい説明を省略するが、油圧式、空圧式または電動式などの各種方式の駆動源が適宜使用されている。
【0019】
軽金属射出成形機は、型締装置で金型装置を閉じ、さらに型締めし、射出装置1で金型装置の中のキャビティ空間に向けて軽金属材料の溶湯を射出して充填し、金型装置の中で軽金属材料の溶湯を冷まして固めたあと、型締装置で金型を開いて成形品を取り出す。
【0020】
実施の形態の軽金属射出成形機は、成形材料が軽金属材料である射出成形機に適する構造を有する。本発明における軽金属材料は、比重が4以下の金属をいう。実用上は、特に、アルミニウムとマグネシウムなどの軽金属材料が成形材料として有効である。成形材料がアルミニウムの場合、溶損しないように、成形材料と接触する部位は、基本的にサーメット系の材料で被覆されている。
【0021】
図1に示す実施の形態の軽金属射出成形機の射出装置1は、溶融シリンダ20を有する溶融ユニット2と、射出シリンダ30を有する射出ユニット3と、溶融シリンダ20の中と射出シリンダ30の中を連通する連通路40が形成されている連結部材4と、連通路40を開閉する逆流防止装置5と、を備えている。溶融ユニット2、射出ユニット3および逆流防止装置5は、それぞれが備える各種駆動装置および各種センサが制御装置に接続されて各種動作が制御されている。
【0022】
また
図1に示す射出装置1は、溶融シリンダ20に接続して溶融シリンダの中に貯留可能な容量を超える溶湯を貯留する溶湯ポット6と、溶湯ポット6の中の溶湯の液面の高さを検出する液面レベル検出装置7と、を備えている。液面レベル検出装置7は、制御装置に接続されている。
【0023】
またさらに
図1に示す射出装置1は、溶湯ポット6の中に貯留した溶湯の上方に不活性ガスを供給する不図示の不活性ガス供給装置8を備えている。不活性ガス供給装置8は、制御装置に接続されて各種動作が制御されてもよい。
【0024】
溶融シリンダ20、射出シリンダ30、連結部材4および溶湯ポット6のそれぞれに、少なくとも1つのヒータが巻き回されている。溶融シリンダ20と溶湯ポット6を不図示の接続配管で接続する場合には、接続配管の外周にも少なくとも1つのヒータが巻き回されている。また後述される射出ノズル35にも少なくとも1つのヒータが巻き回されている。
【0025】
溶融シリンダ20、射出シリンダ30および連通路40は、溶融シリンダ20の中の溶湯が自重による自由落下によって連通路40を通して射出シリンダ30の中に流れ込むことができるように配置および接続されている。溶融シリンダ20および溶湯ポット6は、溶湯ポット6の中の溶湯が自重による自由落下によって後述される溶湯給排口6aを通して溶融シリンダ20の中に流れ込むことができるように配置および接続されている。
【0026】
溶融ユニット2は、溶融シリンダ20の後端面の開口21aから溶融シリンダ20の中に順次供給される円柱短棒形状の軽金属材料22(以下、ビレット22と称する)を溶融シリンダ20の中で溶湯に加熱溶融するとともに溶融シリンダ20の中に溶湯を貯留する。なお、後述される溶湯ポット6が溶融シリンダ20に接続されているので、溶融シリンダ20の中に貯留されている溶湯が溶融シリンダ20の中に貯留可能な溶湯の容量に到達したあと、さらに溶融シリンダ20の中にビレット22が順次供給されても、溶融シリンダ20の中に貯留可能な容量を超えた分の溶湯は、溶融シリンダ20の中から押し出されるようにして溶湯ポット6の中に供給される。
【0027】
溶融ユニット2は、溶融シリンダ20と、溶融シリンダ20の中にビレット22を押し込むためのビレット押出装置23を有する。
図1に示す溶融シリンダ20は、射出シリンダ30の上方に水平になるように横向きに配置されている。
【0028】
溶融シリンダ20は、例えば、ヒータによって後端から前端に向かうにつれてビレット22を強く加熱する。例えば、複数のヒータを溶融シリンダ20の後端から前端に向かって順に並べて複数配置することで、溶融シリンダ20の各部の加熱温度を個別に制御することができる。溶融シリンダ20は、加熱溶融したあとの軽金属材料の溶湯を貯留する。
【0029】
ビレット22は、所定の長さおよび所定の外径の円柱短棒形状であって順番に溶融シリンダ20の後端面の開口21aから溶融シリンダ20の中に押し込まれる。ビレット22は、加熱されている溶融シリンダ20の中を前進するにしたがい温度が上昇して溶湯に加熱溶融される。溶融シリンダ20の中を前進するビレット22は、例えば、溶融シリンダ20の中央付近に到達するまでに徐々に外側から溶湯に加熱溶融され、溶融シリンダ20の中央付近に到達する頃には溶湯にまで完全に加熱溶融される。ビレット22は、前進することで、溶融する前の軟化した部分が拡径する。ビレット22の拡径部は、溶融シリンダ20のシリンダ孔に摺動可能に当接して、溶融シリンダ20とビレット22の間をシールする。
【0030】
溶融シリンダ20のシリンダ孔の内径は、後端部がその他の部分よりも小さくかつビレット22の外径よりも大きい。
図1に示す溶融シリンダ20は、後端部に縮径部21を有する。このとき溶融シリンダ20の後端面の開口21aは、縮径部21の後端面の開口である。縮径部21の内径は、溶融シリンダ20のシリンダ孔の内径よりも小さくかつビレット22の外径よりも大きい。溶融シリンダ20と縮径部21は、一体に形成されてもよい。
【0031】
図1に示す溶融シリンダ20は、後端部の温度がヒータで制御されて、縮径部21とビレット22の間に溶湯のある程度に軟化した状態にあって溶湯のバックフローを防止する程度に固化した固化物であるシール部材を生成する。シール部材は、溶融シリンダ20の後端部とビレット22の間をシールして、溶湯のもれを防止する。シール部材は、溶融シリンダ20とビレット22の間の摩擦を小さくしてビレット22の円滑な移動を可能にする。なお溶融シリンダ20は、後端部に不図示の冷却装置を備えて、後端部をヒータと冷却装置によって所定の加熱温度になるように制御されてもよい。
【0032】
シール部材は、縮径部21の内周面に形成される還状溝または溶融シリンダ20のシリンダ孔と縮径部21の間の段差に引っかかることで溶湯の圧力を受けても溶融シリンダ20の後端部から抜け出ない。なお、ビレット22は、不図示の予熱装置で予熱したあと、溶融シリンダの中に供給されてもよい。予熱されたビレット22は、縮径部21を通過したあとに速やかに溶湯に溶融する温度まで加熱される。
【0033】
射出ユニット3は、溶融シリンダ20の中から連通路40を通して自重による自由落下によって射出シリンダ30の中に供給される溶湯を射出シリンダ30の中に貯留するとともに射出シリンダ30の中に貯留した溶湯を射出シリンダ30の中に前後に移動可能に内挿されているプランジャ32で射出する。
【0034】
射出ユニット3は、射出シリンダ30と、射出シリンダ30の前端部に取り付けられている射出ノズル35と、射出シリンダ30の後端面の開口31aからシリンダ孔の中に挿入され射出シリンダ30の中で前後に移動するプランジャ32と、プランジャ32を駆動するためのプランジャ駆動装置33とを有する。
図1に示す射出シリンダ30は、溶融シリンダ20の下方に水平になるように横向きに配置されている。プランジャ32とプランジャ駆動装置33の駆動軸は、カップリング34で接続されている。
【0035】
射出シリンダ30の中には、シリンダ孔とプランジャ32の先端面で囲まれた内部空間である射出室30aが形成されている。射出室30aの容積は、プランジャ32が前進することで小さくなり、プランジャが後退することで大きくなる。プランジャ32は、溶湯が供給される前に、予め射出室30aの容積が計量に必要な容積になるように所定の位置に移動する。溶融シリンダ20の中の溶湯は、所定の容積になった射出室30aの中に連通路40を通して自重による自由落下によって流れ込み、射出室30aを満たすことで計量される。射出室30aの中の溶湯は、プランジャ32が前進することで射出室30aの中から射出ノズル35を通して金型装置の中に射出される。溶湯を射出するとき、射出ノズル35は、金型装置に当接して金型装置の中のキャビティ空間と射出室30aを連通している。
【0036】
射出シリンダ30の中に貯留された溶湯は、例えば、ヒータによって加熱されて溶湯の状態が維持されている。例えば、複数のヒータを射出シリンダ30の後端から前端に向かって順に並べて複数配置することで、射出シリンダ30の各部の加熱温度を個別に制御することができる。
【0037】
射出シリンダ30のシリンダ孔の内径は、後端部がその他の部分よりも小さくかつプランジャ32の外形よりも大きい。
図1に示す射出シリンダ30は、後端部に縮径部31を有する。このとき射出シリンダ30の後端面の開口31aは、縮径部31の後端面の開口である。縮径部31の内径は、射出シリンダ30のシリンダ孔の内径よりも小さくかつプランジャ32の外径よりも大きい。射出シリンダ30と縮径部31は、一体に形成されてもよい。
【0038】
図1に示す射出シリンダ30は、後端部の温度がヒータで制御されて、縮径部31とプランジャ32の間に溶湯のある程度に軟化した状態にあって溶湯のバックフローを防止する程度に固化した固化物であるシール部材を生成する。シール部材は、射出シリンダ30の後端部とプランジャ32の間をシールして、溶湯のもれを防止する。シール部材は、射出シリンダ30とプランジャ32の間の摩擦を小さくしてプランジャ32の円滑な移動を可能にする。シール部材は、縮径部31の内周面に形成される還状溝または射出シリンダ30のシリンダ孔と縮径部31の間の段差に引っかかることで溶湯の圧力を受けても射出シリンダ30の後端部から抜け出ない。なお射出シリンダ30は、後端部に冷却装置を備えて、後端部をヒータと冷却装置によって所定の加熱温度になるように制御されてもよい。
【0039】
連結部材4は、溶融ユニット2と射出ユニット3を連結し、溶融シリンダ20の中と射出シリンダ30の中を連通する連通路40が形成されている。例えば、
図1に示す連結部材4は、溶融ユニット2側の端部が溶融シリンダ20の前側部分かつ下側部分に接続され、射出ユニット3側の端部が射出シリンダ30の前側部分かつ上側部分に接続されている。例えば、
図1に示す連通路40は、一端が溶融シリンダ20の中の前側部分かつ下側部分に接続され、他端が射出シリンダ30の中の前側部分かつ上側部分に接続されている。なお、溶融シリンダ20および射出シリンダ30における連通路40が接続される箇所は、溶融シリンダ20の中の溶湯が自重による自由落下によって連通路40を通して射出シリンダ30の中に流れ込むことが可能な個所であればよい。
【0040】
例えば、
図1に示す連通路40の溶融シリンダ20側の開口40aは、溶融シリンダ20のシリンダ孔の前側部分かつ下側部分に開口している。例えば、
図1に示す連通路40の射出シリンダ30側の開口40bは、射出シリンダ30のシリンダ孔の前側部分かつ上側部分に開口している。また連通路40の射出シリンダ30側の開口40bは、連通路40の射出シリンダ30側の端部を射出シリンダ30のシリンダ孔の前側部分かつ上側部分を貫通させて、射出シリンダ30のシリンダ孔の中に突き出すようにして、射出シリンダ30のシリンダ孔の中に開口するように配置するようにしてもよい。
【0041】
連通路40の内径は、溶融シリンダ20の中の溶湯が自重による自由落下によって射出シリンダ30の中に供給可能であり、かつ逆流防止装置5で逆流を防止する際にシールする面積をできる限り小さくすることができる寸法に形成されるとよい。連通路40の内径は、例えば、10mm以上15mm以下、好ましくは、12mmであるとよい。
【0042】
逆流防止装置5は、連通路40を開閉する。逆流防止装置5は、連通路40の射出シリンダ30側の開口40b、連通路40の途中、または連通路40の溶融シリンダ20側の開口を開閉する。例えば、逆流防止装置5は、射出シリンダ30のシリンダ孔の中に開口する連通路40の射出シリンダ30側の開口40bの周囲に形成される弁座51と、射出シリンダ30のシリンダ孔の中で弁座51に着座して連通路40を閉じるとともに弁座51から離れて連通路40を開くように進退する弁棒52と、弁棒52を弁座51に向かって前後移動させる弁棒駆動装置53と、を有する。
【0043】
また例えば、逆流防止装置5は、連通路40の途中にロータリバルブまたはチェックバルブのような各種バルブを設けるように構成されてもよい。また例えば、逆流防止装置5は、弁座を連通路40の溶融シリンダ20側の開口40aの周囲に形成し、弁棒を溶融シリンダ20のシリンダ孔の中で弁座に着座させて連通路40を閉じ、弁棒を弁座から離して連通路40を開くように構成されてもよい。
【0044】
図1に示す逆流防止装置5は、射出シリンダ30の下に弁棒駆動装置53が設けられている。弁棒52は、射出シリンダ30の前側部分かつ下側部分を貫通してシリンダ孔の中を上下に移動可能に設けられている。弁座51は、射出シリンダ30のシリンダ孔の前側部分かつ上側部分に開口する連通路40の射出シリンダ30側の開口40bの周囲に形成されている。弁棒52は、上昇して弁座51に着座して連通路40を閉じ、下降して弁座51から離れて連通路40を開く。
【0045】
弁棒52は、弁棒52の先端を冷却するために内部に冷却媒体を通す不図示の冷却配管を有してもよい。例えば、弁棒52は、弁座51に着座する直前に先端部が冷却されて、先端部の周囲に溶湯がある程度軟化した状態の固化物を形成してもよい。弁棒52の先端の固化物は、弁棒52が弁座51に着座する際に弁座51に倣って変形して、弁棒52と弁座51の間の隙間を無くすことで溶湯のもれを防止することができる。
【0046】
また射出シリンダ30において弁棒52が貫通する部分に不図示の冷却配管を有してもよい。冷却配管は、射出シリンダ30において弁棒52が貫通する部分と当該弁棒52との間に溶湯がある程度軟化した状態の固化物であるシール部材を生成する。シール部材は、射出シリンダ30において弁棒52が貫通する部分と当該弁棒52との間をシールして、溶湯のもれを防止するとともに、それらの間の摩擦を小さくして弁棒52を円滑に移動させる。
【0047】
溶湯ポット6は、溶湯を給排する溶湯給排口6aが形成され、溶融シリンダ20の中で溶湯給排口6aを開口させて溶融シリンダ20の中と連通するように溶融シリンダ20と接続されている。溶湯ポット6は、溶融シリンダ20の中に貯留可能な容量を超えた分の溶湯を貯留する。
【0048】
溶湯ポット6は、溶融シリンダ20の中に順次供給されたビレット22を溶融シリンダ20の中で溶湯に加熱溶融し、溶融シリンダ20の中に貯留可能な容量を超えた分の溶湯が溶融シリンダ20から押し出されるようにして、例えば、少なくとも1回の射出成形に必要な容量などと言った所定の容量の溶湯を貯留することができる。また溶融シリンダ20の中に貯留している溶湯の容量が減少すると、溶湯ポット6は、貯留している溶湯を自重による自由落下によって溶湯給排口を通して溶融シリンダ20の中に排出する。
【0049】
例えば、
図1に示す溶湯ポット6は、溶融シリンダ20の上に縦向きに配置されている。溶湯ポット6は、円筒形状の本体部材61と、本体部材61の上端面の開口を覆う蓋部材62とで構成されている。溶湯給排口6aの開口は、本体部材61の中と連通するとともに本体部材61の下端面に開口している。溶湯ポット6は、本体部材61と蓋部材62によって形成される内部空間に溶融シリンダ20の中に貯留可能な容量を超えた分の溶湯を貯留することができる。
【0050】
溶湯ポット6の中に貯留している溶湯の上方は、不活性ガス供給装置8から供給される不活性ガスによって不活性ガスの雰囲気に維持されてもよい。不活性ガスは、例えば、アルゴンガス(Ar)や窒素ガス(N2)などである。
【0051】
図1に示す溶湯ポット6は、蓋部材62にガス給気口62aとガス排気口62bが形成されている。不活性ガス供給装置8は、ガス給気口62aに接続されている。ガス給気口62aから溶湯ポット6の中に不活性ガスが供給される。ガス排気口62bから溶湯ポット6の中の不活性ガスが外部に排出される。不活性ガス供給装置8は、ガス給気口62aから溶湯ポット6の中に常時一定量の不活性ガスを供給するようにしてもよい。ガス排気口62bは、溶湯ポット6の中の気圧を所定の気圧に維持するための不図示の圧力調整バルブが取り付けられていてもよい。圧力調整バルブは、例えば、溶湯ポット6の中が所定の気圧を超えないようにガス排気口を開閉するリリーフバルブなどである。
【0052】
溶湯ポット6の中は、溶湯ポット6の中の溶湯が自重による自由落下によって溶融シリンダ20の中に排出され、溶融シリンダ20の中の溶湯が溶湯ポット6の中に供給されることを妨げないような気圧になるように不活性ガスが給排されている。
【0053】
溶湯ポット6の中に貯留した溶湯の液面の高さは、少なくとも1つの液面レベル検出装置7によって検出される。液面レベル検出装置7は、溶湯ポット6の中に貯留されている溶湯の容量を間接的に検出する。液面レベル検出装置7は、接続されている制御装置に液面の高さを示す信号を出力する。液面レベル検出装置7は、溶湯ポット6の中の溶湯の液面の高さを検出可能であれば、例えばフロート、電極、静電容量などを用いた接触式、および例えば超音波、レーザなどを用いた非接触式などの各種検出方式を採用可能である。液面レベル検出装置7は、溶湯の液面が所定の高さ以上であること、あるいは、溶湯の液面が所定の高さ以下であることを検出可能なものでもよい。液面レベル検出装置7は、溶湯の液面の任意の高さを検出可能なものでもよい。
【0054】
図1に示す液面レベル検出装置7は、上限レベルセンサ71と下限レベルセンサ72で構成されている。上限レベルセンサ71と下限レベルセンサ72は、例えば、接触式であって、溶湯と先端部が接触しているときにONを示し、溶湯と先端部が接触していないときにOFFを示す。上限レベルセンサ71と下限レベルセンサ72は、溶湯ポット6の中で異なる所定の高さにそれぞれの先端部が配置されるように、基部が溶湯ポット6の蓋部材62に取り付けられている。上限レベルセンサ71の先端部の高さは、下限レベルセンサ72の先端部の高さよりも高くなるように取り付けられている。なお液面レベル検出装置7は、溶湯給排口6aの真上から離れた位置に取り付けられるとよい。
【0055】
上限レベルセンサ71は、溶湯ポット6の中の溶湯の液面の高さが溶湯ポット6の中に貯留可能な溶湯の容量以上を示す液面の高さになるとONを示す。例えば、制御装置は、上限レベルセンサ71がONを示すときに、溶融シリンダ20にビレット22を供給している最中であれば当該供給を停止するなどの所定の動作を行わせるように制御を行う。また例えば、制御装置は、上限レベルセンサ71がONを示すときに警告を発するように制御を行ってもよい。
【0056】
下限レベルセンサ72は、溶湯ポット6の中の溶湯の容量が減少して所定の容量を下まわったことを示す液面の高さになるとOFFを示す。例えば、制御装置は、下限レベルセンサ72の出力信号がOFFを示すときに、溶融シリンダ20の中の溶湯を自重による自由落下によって射出シリンダの30の中に供給させる前に、溶融シリンダ20の後端面の開口21aから溶融シリンダ20の中にビレット22を供給させ、溶融シリンダ20の中でビレット22を溶湯に加熱溶融させ、溶融シリンダ20の中に貯留可能な容量を超える溶湯を溶湯ポット6の中に送り出させるようにして、上限レベルセンサ71がOFFを示す範囲内で、かつ下限レベルセンサ72がONを示すように、溶湯ポット6の中に溶湯を供給させるように制御を行う。
【0057】
ここで下限レベルセンサ72がONからOFFに切り替わったとき、所定の容量の溶湯を溶湯ポット6に供給すれば、上限レベルセンサ71がOFFを示す範囲内で、かつ下限レベルセンサがONを示すことが予め分かっているなら、予め設定した所定の容量を溶湯ポット6に供給するようにしてもよい。例えば、所定の容量は、1回の射出成形で金型装置の中に射出される溶湯の容量、1本分のビレット22を加熱溶融してできる溶湯の容量、または2.5本分のビレット22を加熱溶融してできる溶湯の容量などである。その他にも、例えば、上限レベルセンサ71と下限レベルセンサ72の間の溶湯の液面の所定の高さを検出する別のレベルセンサを備えるように構成し、当該別のレベルセンサがONするまで溶湯ポット6に溶湯を供給するようにしてもよい。
【0058】
図1に示す実施の形態の軽金属射出成形機の射出装置1は、つぎのように動作する。ここで、溶融シリンダ20の中と溶湯ポット6の中は、準備段階で既に溶湯が貯留されている。このとき、上限レベルセンサ71はOFFを示し、下限レベルセンサ72はONを示している。逆流防止装置5は、連通路40を閉じている。
【0059】
逆流防止装置5が連通路40を閉じた状態で、射出シリンダ30の中でプランジャ32が所定の位置まで移動する。射出シリンダ30の中に形成された射出室30aの容積が計量に必要な容積になる。逆流防止装置5が連通路40を開くことで、溶融シリンダ20の中の溶湯が自重による自由落下によって連通路40を通して射出室30aの中に供給される。射出室30aが溶湯で満たされることで溶湯が計量される。逆流防止装置5が連通路40を閉じる。プランジャ32が前進して射出室30aの中の溶湯が射出ノズル35を通して金型装置の中に射出される。
【0060】
溶湯ポット6の中の溶湯は、溶融シリンダ20の中の溶湯が自重による自由落下によって射出室30aの中に供給されて減少した分だけ、自重による自由落下によって溶融シリンダ20の中に排出される。少なくとも1回の射出成形を実施したあと、溶湯ポット6の中の溶湯が減少して下限レベルセンサ72がOFFを示した場合、つぎの射出成形を実施する前に、溶融シリンダ20にビレット22を供給し、溶融シリンダ20の中でビレット22を溶湯に加熱溶融し、溶融シリンダ20の中に貯留可能な容量を超える溶湯を溶湯ポット6の中に押し出すようにして、上限レベルセンサ71がOFFを示す範囲内で、かつ下限レベルセンサ72がONを示すように、溶湯ポット6の中に溶湯を供給する。
【0061】
ここからは、本発明の特有の構成が説明される。
【0062】
溶湯ポット6は、溶湯を給排する溶湯給排口6aが形成され、溶融シリンダ20の中で連通路40の溶融シリンダ20側の開口40aに対面する箇所を除いた箇所に溶湯給排口6aを開口させて溶融シリンダ20の中と連通するように溶融シリンダ20と接続されて、溶融シリンダ20の中に貯留可能な容量を超えた分の溶湯を貯留する。また溶融シリンダ20の中で溶湯給排口6aが開口する箇所は、連通路40の溶融シリンダ20側の開口40aに対面する箇所を除いた箇所で、かつ溶湯ポット6の中の溶湯が自重による自由落下によって溶融シリンダ20の中に流れ込むことが可能な個所である。
【0063】
溶湯ポット6は、溶融シリンダ20の中に順次供給されたビレット22を溶融シリンダ20の中で溶湯に加熱溶融し、溶融シリンダ20の中に貯留可能な容量を超えた分の溶湯が溶融シリンダ20から押し出されるようにして、例えば、少なくとも1回の射出成形に必要な容量などと言った所定の容量の溶湯を貯留することができる。所定の容量を貯留しているときでも、溶湯を射出した際に射出シリンダ30の中の溶湯が逆流したとしても、溶湯ポット6は、逆流した分の溶湯を貯留することができる。また溶融シリンダ20の中に貯留している溶湯の容量が減少すると、溶湯ポット6は、貯留している溶湯を自重による自由落下によって溶湯給排口を通して溶融シリンダ20の中に排出する。溶湯給排口6aは、溶融シリンダ20と溶湯ポット6を接続し、溶融シリンダ20の中と溶湯ポット6の中を連通してそれらの間で溶湯を給排可能な不図示の接続配管によって構成されていてもよい。
【0064】
溶湯を射出する際に、射出シリンダ30の中の溶湯が溶融シリンダ20の中に逆流したとしても、連通路40の中を直進して溶融シリンダ20の中に流れ込んだ溶湯は、連通路40よりも内径の大きな溶融シリンダ20の中で流れる方向が当該溶融シリンダ20の軸方向に変更させられ、さらに溶湯ポット6の中に流れ込むまでに溶融シリンダ20の中で分散させられて流速が減速する。これにより、逆流した溶湯によって溶湯ポットの中に貯留した溶湯の液面が大きくた波立つことを防止することできる。
【0065】
図1に示す溶湯ポット6は、連通路40の溶融シリンダ20側の開口40aの真上から水平方向に離れ、かつ溶融シリンダ20の上に配置されている。溶湯ポット6の溶湯給排口6aは、連通路40の溶融シリンダ20側の開口40bの真上から水平方向に離れ、かつ溶融シリンダ20のシリンダ孔の上側部分に開口している。
【0066】
図1に示す溶湯ポット6を詳しく説明する。溶湯ポット6は、溶融シリンダ20の上に縦向きに配置されている。溶湯ポット6は、円筒形状の本体部材61と、本体部材61の上端面の開口を覆う蓋部材62とで構成されている。本体部材61の下部の内径は、本体部材61の上部の内径よりも小さく形成されている。溶湯給排口6aの開口は、本体部材61の中と連通するとともに本体部材61の下端面に開口している。溶湯ポット6は、本体部材61と蓋部材62によって形成される内部空間に溶融シリンダ20の中に貯留可能な容量を超えた分の溶湯を貯留することができる。
【0067】
溶湯給排口6aは、溶融シリンダ20のシリンダ孔で連通路40の溶融シリンダ20側の開口40aの真上を除き、溶融シリンダ20のシリンダ孔の上側部分に開口している。また溶湯給排口6aは、溶融シリンダ20の中に溶湯が貯留されている部分に開口している。
図1に示す溶湯給排口6aは、溶融シリンダ20のシリンダ孔の上側部分、かつ溶融シリンダ20のシリンダ孔の前側部分と中央部分の間に開口するように形成することで、連通路40の溶融シリンダ20側の開口40aの真上から水平方向に離されている。
【0068】
図1に示す射出装置1で溶湯を射出する際に、射出シリンダ30の中の溶湯が溶融シリンダ20の中に逆流したとしても、連通路40の中を直進して溶融シリンダ20の中に流れ込んだ溶湯は、連通路40よりも内径の大きな溶融シリンダ20の中で流れる方向が当該溶融シリンダ20の軸方向に変更させられ、さらに溶湯ポット6の中に流れ込むまでに溶融シリンダ20の中で分散させられて流速が減速する。これにより、逆流した溶湯によって溶湯ポットの中に貯留した溶湯の液面が大きくた波立つことを防止することできる。
【0069】
溶湯給排口6aの内径は、連通路40の内径よりも大きく形成されているとよい。溶湯を射出する際に、射出シリンダ30の中の溶湯が連通路40の中を直進して溶融シリンダ20の中に逆流したとしても、溶融シリンダ20の中で流れる方向が変更されたあと、連通路40の内径よりも大きな内径の溶湯給排口6aを通り溶湯ポット6の中に流れ込む溶湯は、連通路40を通るときに比べて流速が遅くなる。これにより、逆流した溶湯によって溶湯ポットの中に貯留した溶湯の液面が大きくた波立つことを防止することできる。
【0070】
さらに溶湯ポット6の中で溶湯給排口6aの開口に対面した位置に、溶湯ポット6の中に流入する溶湯を溶湯ポット6の中で分散させる溶湯分散部材63が備えられていてもよい。溶湯分散部材63は、溶湯給排口6aの中を直進して溶湯ポット6の中に流れ込んだ溶湯を溶湯ポット6の中で分散させることで流速を減速させることができる。これにより、逆流した溶湯によって溶湯ポットの中に貯留した溶湯の液面が大きくた波立つことを防止することできる。
【0071】
図2に示す溶湯分散部材63は、円筒形状であって、基端を蓋部材62に接続し、先端の開口を溶湯給排口6aの開口に所定の距離だけ離して対面するように溶湯ポット6の中に取り付けられている。円筒形状の溶湯分散部材63の内径は、溶湯給排口6aの開口の内径よりも大きい。溶湯分散部材63は、基端側部分を除いた側面部に内部と外部を貫通する少なくとも1つの貫通孔63aが形成されている。このとき液面レベル検出装置7、ガス給気口62aおよびガス排気口62bは、溶湯分散部材63の外部でかつ溶湯分散部材63の貫通孔63aに対面しないように配置されている。
【0072】
溶湯を射出する際に射出シリンダ30の中の溶湯が逆流したとしても、溶湯給排口6aの中を直進して溶湯ポット6の中に流れ込んだ溶湯は、最初に溶湯分散部材63の中に流れ込むことで溶湯分散部材63の中で流れる方向が分散されて流速が減速したあと、貫通孔63aを通して溶湯分散部材63の外壁と溶湯ポット6の内壁の間の空間に分散して流れ出してさらに流速が減速する。これにより、逆流した溶湯によって溶湯ポットの中に貯留した溶湯の液面が大きくた波立つことを防止することできる。
【0073】
また不図示の別の実施の形態のように溶湯分散部材は、平板形状または円盤形状であって、片面を溶湯給排口6aの開口に対して所定の距離だけ離して対面するように溶湯ポット6の中に取り付けたものでもよい。平板形状または円盤形状の溶湯分散部材の板面の面積は、溶湯給排口6aの開口の面積よりも大きい。このとき平板形状または円盤形状の溶湯分散部材は、溶湯給排口6aの開口と液面レベル検出装置7との間、溶湯給排口6aの開口とガス給気口62aとの間、および溶湯給排口6aの開口とガス排気口62bとの間にわたって配置されている。
【0074】
溶湯を射出する際に射出シリンダ30の中の溶湯が逆流したとしても、溶湯給排口6aの中を直進して溶湯ポット6の中に流れ込んだ溶湯は、平板形状または円盤形状の溶湯分散部材の板面に沿って放射状に分散させられ、板面の外縁部と溶湯ポット6の内壁との間からさらに溶湯ポット6の中に流れ込むことで流速が減速する。これにより、逆流した溶湯によって溶湯ポットの中に貯留した溶湯の液面が大きくた波立つことを防止することできる。
【0075】
以上説明した本発明は、この発明の精神および必須の特徴的事項から逸脱することなく他のいろいろな形態で実施することができる。したがって、本明細書に記載した実施例は例示的なものであり、これに限定して解釈されるべきものではない。
【課題】溶融シリンダの中に貯留可能な容量を超えた分の溶湯を貯留する溶湯ポットを備える場合において、溶湯を射出した際に射出シリンダの中から逆流した溶湯によって、溶湯ポットに貯留した溶湯の液面が大きく波立つことを防止する、軽金属射出成形機の射出装置を提供する。
【解決手段】本発明の軽金属射出成形機の射出装置1は、溶融シリンダ20の後端面の開口21aに供給される円柱短棒形状の軽金属材料22を溶湯に加熱溶融して溶融シリンダの中に溶湯を貯留する溶融ユニット2と、開閉可能な連通路40を通して溶融シリンダから自重による自由落下で射出シリンダ30の中に供給された溶湯を射出する射出ユニット3と、溶融シリンダに接続して溶湯を給排する溶湯給排口6aが形成され、溶融シリンダの中で連通路の溶融シリンダ側の開口40aに対面する箇所を除いた箇所に溶湯給排口が開口する溶湯ポット6と、を備える。