(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6985562
(24)【登録日】2021年11月29日
(45)【発行日】2021年12月22日
(54)【発明の名称】食鳥を搬送する設備及び方法
(51)【国際特許分類】
A22C 21/00 20060101AFI20211213BHJP
【FI】
A22C21/00 Z
【請求項の数】30
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2021-512813(P2021-512813)
(86)(22)【出願日】2018年9月3日
(65)【公表番号】特表2021-528097(P2021-528097A)
(43)【公表日】2021年10月21日
(86)【国際出願番号】EP2018073631
(87)【国際公開番号】WO2020048582
(87)【国際公開日】20200312
【審査請求日】2021年3月2日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521089513
【氏名又は名称】エフピイアイ・フード・プロセッシング・イノヴェーション・ゲーエムベーハー・ウント・コンパニ・カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】シュレジガー,オリヴァー
【審査官】
土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】
欧州特許出願公開第00736255(EP,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2015/0366227(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2016/0021902(US,A1)
【文献】
国際公開第2016/003271(WO,A1)
【文献】
特表2008−528026(JP,A)
【文献】
米国特許第05453045(US,A)
【文献】
米国特許出願公開第2014/0194044(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A22C 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
食鳥処理工場において、と畜した食鳥を搬送ラインの間で移送する設備であって、前記設備は、
複数の懸架台(13)を有する湾曲搬送経路に沿って、と畜した食鳥を懸架状態で搬送する少なくとも1つの回転デバイス(10)であって、前記複数の懸架台(13)のそれぞれは、食鳥の体(12)を両脚で保持するように設計する、回転デバイス(10)と、
案内レール(18)を有する線形モータ搬送デバイス(16)であって、前記案内レール(18)は、線形駆動器を備え、複数のランナ(19)を有する循環搬送経路(17)を形成し、前記複数のランナ(19)のそれぞれは、前記線形駆動器により前記案内レール(18)に沿って個別に制御可能、移動可能であるように構成する、線形モータ搬送デバイス(16)と、
食鳥の脚(21)を一度に片方ずつ収容するように設計した保持要素(20)と
を備え、前記保持要素(20)の1つは、前記ランナ(19)のそれぞれの上に配置し、
前記回転デバイス(10)及び前記線形モータ搬送デバイス(16)は、と畜した食鳥を前記搬送ラインの間で移送する移送領域(22)において、前記湾曲搬送経路が、前記循環搬送経路(17)の湾曲部分と少なくとも部分的に重複するように構成する、設備。
【請求項2】
前記線形モータ搬送デバイス(16)は、制御デバイスを備え、前記制御デバイスは、複数対のランナ内の一対のランナ(19)を移動させることによって、食鳥のと体(12)を一度に一体ずつ、可変制御可能な様式で搬送するように設計し、前記一対のランナは、2つの隣接し合うランナ(19)を備えることを特徴とする、請求項1に記載の設備。
【請求項3】
前記ランナ(19)はそれぞれ、前記ランナの位置を決定する位置追跡手段を備えることを特徴とする、請求項1又は2に記載の設備。
【請求項4】
前記線形モータ搬送デバイス(16)は、制御デバイスを備え、前記制御デバイスは、前記線形駆動器を制御するように構成し、複数対のランナ内の一対のランナの前記ランナ(19)上で、前記保持要素(20)の間での距離が、所定の一対のランナの間隔に少なくとも実質的に対応するようにすることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の設備。
【請求項5】
前記線形モータ搬送デバイス(16)は、制御デバイスを備え、前記制御デバイスは、標的位置値及び/又は標的速度値に基づき、複数対のランナ内の一対のランナの前記ランナ(19)の少なくとも一方の位置及び/又は速度で制御するように構成することを特徴とする、請求項3又は4に記載の設備。
【請求項6】
前記線形モータ搬送デバイス(16)は、制御デバイスを備え、前記制御デバイスは、それぞれの一対のランナの間隔を維持しながら、複数対のランナ内の一対のランナの各々の他方のランナ(19)の位置及び/又は速度で追跡するように更に構成することを特徴とする、請求項5に記載の設備。
【請求項7】
前記回転デバイス(10)は、駆動ユニットを備え、少なくとも実質的に一定の循環速度で駆動することを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の設備。
【請求項8】
前記回転デバイス(10)は、センサ手段を備え、前記センサ手段は、前記懸架台(13)の角度位置を検出し、少なくとも1つの実際の循環速度を検出し、それぞれの現在の位置を決定するように構成することを特徴とする、請求項7に記載の設備。
【請求項9】
前記線形モータ搬送デバイス(16)は、制御デバイスを備え、前記制御デバイスは、前記少なくとも1つの懸架台(13)に対して検出した実際の循環速度及び決定した現在の位置に基づき、一対のランナの前記ランナ(19)の位置及び/又は速度を制御するように設計し、片脚移送用ランナ(19)の前記保持要素(20)の1つ、及び前記回転デバイス(10)のそれぞれの懸架台(13)が、前記移送領域(22)内で同時に一緒となるようにすることを特徴とする、請求項8に記載の設備。
【請求項10】
前記回転デバイス(10)は、食鳥のと体(12)を前記線形モータ搬送デバイス(16)に移送するように構成し、前記設備は、第2の回転デバイス(11)を更に備え、前記第2の回転デバイス(11)は、前記線形モータ搬送デバイス(16)から前記第2の回転デバイス(11)に食鳥のと体(12)を移送するように設計することを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の設備。
【請求項11】
食鳥処理工場において、と畜した食鳥を懸架状態で搬送経路に沿って搬送する装置であって、前記装置は、
外周案内レール(18)を有する少なくとも1つの線形モータ搬送デバイス(16)であって、前記外周案内レール(18)は、線形駆動器を備え、複数のランナ(19)を有し、前記複数のランナ(19)のそれぞれは、前記線形駆動器により前記案内レール(18)に沿って個別に制御可能、移動可能であるように構成する、線形モータ搬送デバイス(16)と、
食鳥の脚(21)を一度に片方ずつ収容するように設計した保持要素(20)であって、前記保持要素(20)の1つは、前記ランナ(19)のそれぞれの上に配置する、保持要素(20)と、
前記線形駆動器を制御するように設計した制御デバイスと
を備え、前記制御デバイスは、複数対のランナ内の一対のランナを移動させることによって、食鳥のと体(12)を一度に一体ずつ、可変制御可能な様式で搬送するように設計し、前記一対のランナは、2つの隣接し合うランナ(19)を備える、装置。
【請求項12】
前記ランナ(19)はそれぞれ、前記ランナの位置を決定する位置追跡手段を備えることを特徴とする、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記制御デバイスは、前記線形駆動器を制御するように構成し、前記複数対のランナ内の一対のランナの前記ランナ(19)上で、前記保持要素(20)の間の距離が、所定の一対のランナの間隔に少なくとも実質的に対応するようにすることを特徴とする、請求項11又は12に記載の装置。
【請求項14】
前記制御デバイスは、標的位置値及び/又は標的速度値に基づき、複数対のランナ内の一対のランナ(19)の少なくとも一方の位置及び/又は速度を制御するように構成することを特徴とする、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記制御デバイスは、それぞれの一対のランナの間隔を維持しながら、複数対のランナ内の一対のランナの各々の他方のランナ(19)の位置及び/又は速度を追跡するように更に構成することを特徴とする、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
食鳥処理工場において、と畜した食鳥を搬送ラインの間で移送する方法であって、前記方法は、
と畜した食鳥を懸架状態で湾曲搬送経路に沿って搬送するように設計した少なくとも1つの回転デバイス(10)により、と畜した食鳥を搬送することであって、食鳥のと体(12)はそれぞれ、回転デバイスの複数の懸架台(13)によって両脚で保持する、搬送することと、
線形駆動器を備える線形モータ搬送デバイス(16)により、案内レール(18)によって形成した循環搬送経路(17)に沿って、前記案内レール(18)に沿って配置した複数のランナ(19)の制御移動により、と畜した食鳥を搬送することであって、各前記ランナ(19)は、前記線形駆動器によって個別に制御可能、移動可能であり、食鳥の脚(21)の片方を、保持要素(20)により保持し、前記保持要素(20)のそれぞれは、前記ランナ(19)のそれぞれの上に配置する、搬送することと、
移送領域(22)において、前記回転デバイス(10)の前記湾曲搬送経路と、前記循環搬送経路(17)の湾曲部分とを少なくとも部分的に重複させることによって、と畜した食鳥を前記搬送ラインの間で移送することと
を含む、方法。
【請求項17】
複数対のランナ内の一対のランナを移動させることによって、食鳥のと体(12)を一度に一体ずつ、可変制御可能な様式で搬送し、前記一対のランナは、2つの隣接し合うランナ(19)を備えることを特徴とする、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
位置追跡手段を使用して、それぞれの前記ランナの位置を決定することを特徴とする、請求項16又は17に記載の方法。
【請求項19】
制御デバイスにより前記線形駆動器を制御し、複数対のランナ内の一対のランナの前記ランナ(19)上で、前記保持要素(20)の間の距離が、所定の一対のランナの間隔に少なくとも実質的に対応するようにすることを特徴とする、請求項16から18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
標的位置値及び/又は標的速度値に基づき、複数対のランナ内の一対のランナの前記ランナ(19)の少なくとも一方の位置及び/又は速度を制御することを特徴とする、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記制御デバイスは、それぞれの一対のランナの間隔を維持しながら、複数対のランナ内の一対のランナの各々の他方のランナ(19)の位置及び/又は速度を追跡するように更に構成することを特徴とする、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
駆動ユニットにより、少なくとも実質的に一定の循環速度で前記回転デバイス(10)を駆動することを特徴とする、請求項16から21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
センサ手段を使用し、前記回転デバイス(10)の角度位置を検出し、前記懸架台(13)の実際の循環速度を検出し、少なくとも1つのそれぞれの現在の位置を決定することを特徴とする、請求項16から22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
一対のランナの前記ランナ(19)の位置及び/又は速度は、少なくとも1つの懸架台(13)に対して検出した実際の循環速度及び決定した現在の位置に基づき、前記線形駆動器を制御する制御デバイスにより制御し、片脚移送用ランナ(19)の前記保持要素(20)の1つ、及び前記回転デバイス(10)のそれぞれの懸架台(13)が、前記移送領域で同時に一緒となるようにすることを特徴とする、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記回転デバイス(10)から前記線形モータ搬送デバイス(16)に食鳥のと体(12)を移送し、前記線形モータ搬送デバイス(16)から第2の回転デバイス(11)に食鳥のと体(12)を移送することを特徴とする、請求項16から24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
食鳥処理工場において、と畜した食鳥を懸架状態で搬送経路に沿って搬送する方法であって、前記方法は、
線形駆動器を備える線形モータ搬送デバイス(16)により、案内レール(18)によって形成した循環搬送経路(17)に沿って、前記案内レール(18)に沿って配置した複数のランナ(19)の制御移動によって、と畜した食鳥を搬送することであって、各前記ランナ(19)は、前記線形駆動器によって個別に制御可能、移動可能であり、食鳥の脚(21)の片方は、保持要素(20)により保持し、前記保持要素(20)のそれぞれは、前記ランナ(19)のそれぞれの上に配置する、搬送することと、
制御デバイスにより前記線形駆動器を制御し、複数対のランナ内の一対のランナを移動させることによって、食鳥のと体(12)を一度に一体ずつ、可変制御可能な様式で搬送することと
を含み、前記一対のランナは、2つの隣接し合うランナ(19)を備える、方法。
【請求項27】
位置追跡手段を使用して、それぞれの前記ランナの位置を決定することを特徴とする、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記制御デバイスにより前記線形駆動器を制御し、複数対のランナ内の一対のランナの前記ランナ(19)の間の距離が、所定の一対のランナの間隔に少なくとも実質的に対応するようにすることを特徴とする、請求項26又は27に記載の方法。
【請求項29】
標的位置値及び/又は標的速度値に基づき、複数対のランナ内の一対のランナ(19)の少なくとも一方の位置及び/又は速度を制御することを特徴とする、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
それぞれの一対のランナの間隔を維持しながら、複数対のランナ内の一対のランナの各々の他方のランナ(19)の位置及び/又は速度を前記制御デバイスにより追跡することを特徴とする、請求項29に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食鳥処理工場において、と畜した食鳥を搬送ラインの間で移送する設備及び方法に関する。
【0002】
本発明は、食鳥処理工場において、と畜した食鳥を懸架状態で搬送経路に沿って搬送する装置及び方法に更に関する。
【背景技術】
【0003】
そのような設備、装置及び方法は、と畜した食鳥を搬送する工場又はと畜した食鳥を処理する工場において使用される。そのような工場は、通常、食鳥のと体を1つのラインから別のラインに移送する必要があるそれぞれの境界面において、複数の異なる搬送ライン及び処理ラインを備える。
【0004】
文献欧州特許第2687101B1号は、移送ユニットを有する食鳥処理デバイスを開示しており、移送ユニットは、食鳥のと体を1つの搬送ラインから別の搬送ラインへ移送する。各移送ユニットは、複数の移送手段を有する循環運搬器を備える。運搬器は、遮断状態と非遮断状態との間で切り替えることによって、循環運搬器と同期して動くか、又はこの循環運動から分離される。
【0005】
この公知の装置の1つの欠点は、移送手段の搬送速度が、2つの速度の間でしか変更できないことであり、即ち、搬送速度は、ゼロであるか、又は循環運搬器の速度に対応するかのいずれかである。したがって、公知の移送ユニットは、かなり制限された使用領域を有するにすぎない。特に、搬送ラインのうち1つの搬送速度が変動すると、移送手段の搬送速度をそれに応じて調節することが可能ではない。とりわけ、このことにより、食鳥のと体を一方の搬送ラインからもう一方の搬送ラインに移送する際、移送エラーがもたらされることがある。
【0006】
文献欧州特許第2687101B1号で開示される移送手段は、各ケースで食鳥のと体を収容するように構成される。この目的で、移送手段は適切な容器を有し、この容器内で、各食鳥のと体の両脚が引っ掛けられる。食鳥のと体は、欧州特許第2687101B1号の教示に従って、一方の排出搬送ラインからもう一方の受け入れ搬送ラインに両脚を同時に移送することによって移送される。この移送原理のため、確実な移送を達成するには、それに対応して、循環運搬器に広範な半径が絶対的に必要である。したがって、搬送ラインの形状に対する選択の自由は、厳しい制限を受ける。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】欧州特許第2687101B1号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明の目的は、と畜した食鳥の、搬送ラインの間でのかなり確実な移送を保証する設備を提案することであり、搬送ラインは、形状及び搬送速度に関して最大限可能な可変性を有する。本発明の目的は、対応する方法を提案することでもある。
【0009】
更に、本発明の目的は、装置を提案することであり、装置により、高度な確実さを伴って、食鳥のと体を可能な限り可変可能に搬送することができる。本発明の目的は、これに対応する方法を提案することでもある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的は、既に言及した特徴を有する設備によって達成され、設備は、と畜した食鳥を懸架状態で、複数の懸架台を有する湾曲搬送経路に沿って搬送する少なくとも1つの回転デバイスであって、複数の懸架台のそれぞれは、食鳥のと体を両脚で保持するように設計される、回転デバイスと、案内レールを有する線形モータ搬送デバイスであって、案内レールは、線形駆動器を備え、循環搬送経路を形成し、複数のランナを有し、複数のランナは、線形駆動器により、案内レールに沿って各ケースで個別に制御可能、移動可能であるように構成される、線形モータ搬送デバイスと、更には、食鳥の脚を一度に片方ずつ収容するように構成した保持要素とを備え、保持要素の1つは、ランナのそれぞれの上に配置され、回転デバイス及び線形モータ搬送デバイスは、移送領域において、湾曲搬送経路が、循環搬送経路の湾曲部分と少なくとも部分的に重複するように構成され、と畜した食鳥が搬送ラインの間で移送されるようにする。
【0011】
本発明による設備は、一連の利点全体を直ちにもたらすものである。線形モータ搬送デバイスは、搬送速度の選択及び配置の選択肢に関し、最大限の可変性をもたらす。搬送速度又は搬送速度のプロファイルは、ランナのそれぞれに対して予め定義可能である。このようにして、各ランナの搬送速度は、それぞれの状況に対して個々に調節することができる。特に、食鳥のと体を停止し、食鳥のと体を取り扱うステップ及び/又は処理するステップを実行することが可能である。
【0012】
ランナによる片脚搬送が、各ケースで個別に制御可能、移動可能であるように構成されるため、片脚移送は、食鳥のと体を搬送ラインの間で移送する際に行われる。このようにして、従来技術から公知の湾曲部分と比較して、湾曲半径が著しく低減した湾曲部分を移送領域内に実装することが可能である。更なる利点は、ランナの速度に対する選択肢が柔軟であるため、ランナのそれぞれの速度を、回転デバイスの搬送速度に生じるあらゆる変動に対し最適に調節することができ、したがって、正確で高度に確実な移送を常時保証する。
【0013】
本発明の適切な実施形態は、線形モータ搬送デバイスが制御デバイスを備え、制御デバイスが、複数対のランナ内の一対のランナを移動させることによって、食鳥を一度に一体ずつ、可変制御可能な様式で搬送するように設計され、一対のランナが、各ケースで2つの隣接し合うランナを備えることを特徴とする。言い換えれば、搬送レール上で隣接し合う個別に制御可能な2つのランナのそれぞれは、一対のランナを形成し、食鳥のと体を一度に一体ずつ搬送するように構成される。したがって、隣接し合うランナは、各ケースで制御側で一緒に結合されている。したがって、前記ランナの両方とも相互に依存して動く。
【0014】
より好ましくは、各2つの隣接し合うランナの間に可変制御可能な様式で距離を設定することが規定される。そのような一対のランナのランナの間の距離を変更することによって、食鳥のと体の垂直な位置合わせをある程度まで変更することが可能である。距離を増大させると、食鳥のと体の上昇をもたらし、距離を低減させると、食鳥のと体の降下をもたらす。このようにして、例えば、後続の処理作業のために、食鳥のと体を最適に配置し、位置合わせすることが可能である。更に、特定の処理ステップのため、食鳥のと体に、より大きな又はより小さな程度に張力を与え、改善された処理結果を達成することが可能である。
【0015】
有利な展開によれば、ランナがそれぞれ、各ケースでランナの位置を決定する位置追跡手段を備えることが規定される。このことは、ランナのそれぞれの現在の位置が検出され、したがって、一方で、各個のランナの正確な配置が線形モータ搬送デバイスにより常時保証され、もう一方で、各個の食鳥のと体の現在の位置及び速度がそれぞれのランナの位置を介して検出されるという利点を有する。
【0016】
本発明の有利な実施形態は、制御デバイスが、線形駆動器を制御するように構成され、複数対のランナ内の一対のランナ上で、保持要素の間の各ケースでの距離が、所定の一対のランナの間隔に少なくとも実質的に対応するようにすることを特徴とする。
【0017】
したがって、一対のランナの間隔は、2つの隣接し合うランナの保持要素の間の距離であり、したがって、同時に、それぞれの保持要素内に懸架される食鳥の脚の間の距離に対応すると理解されよう。
【0018】
有利には、例えば、一対のランナを形成するランナの一方は、親ランナとして設計され、親ランナの現在の速度及び位置は、制御デバイスによって、必要に応じて指定される。この一対のランナの各々の他方のランナは、子ランナとして構成され、制御デバイスによって作動される上述の第1のランナに追従し、ランナのそれぞれの保持要素の間の距離が、一定又は実質的に一定であるようにする。
【0019】
したがって、有利には、制御デバイスは、標的位置値及び/又は標的速度値に基づき、複数対のランナ内の一対のランナの少なくとも一方の位置及び/又は速度を各ケースで制御するように構成される。より好ましくは、制御デバイスは、好ましくは、それぞれの一対のランナの間隔を維持しながら、一対のランナの各々の他方のランナの位置及び/又は速度を各ケースで追跡するように更に構成される。
【0020】
本発明の更に好ましい実施形態によれば、回転デバイスは、駆動ユニットを備え、少なくとも実質的に一定の循環速度で駆動する。有利には、回転デバイスは、センサ手段を備え、センサ手段は、回転デバイスの角度位置を検出し、懸架台の少なくとも1つの実際の循環速度を検出し、それぞれの現在の位置を決定するように構成される。回転デバイスは、こうして検出された変数を制御デバイスに送信するように更に設計される。このようにして、例えば、回転デバイスの循環速度の荷重に依存する変動を検出し、回転デバイスから線形モータ搬送デバイスへの食鳥のと体の移送を同期する開始基準として働く、任意の時間における現在の角度位置を決定することが可能である。
【0021】
更なる好ましい実施形態によれば、制御デバイスは、少なくとも1つの懸架台に対して検出した実際の循環速度及び決定された現在の位置に基づき、一対のランナのランナの位置及び/又は速度を制御するように設計され、片脚移送用ランナの1つ、及び回転デバイスのそれぞれの懸架台が、移送領域内で同時に一緒となるようにする。言い換えれば、制御デバイスは、ランナの一方と、回転デバイスから移送される脚との協調された合流を同期するように設計される。制御デバイスは、例えば、前記出力値から、ランナのどの速度又はどの速度プロファイルが必要であるかを予測するように構成され、移送領域内でランナと食鳥のと体の脚とが正確に一緒となるようにする。
【0022】
本発明の更に好ましい実施形態によれば、回転デバイスは、食鳥のと体を線形モータ搬送デバイスに移送するように構成され、設備は、第2の回転デバイスを更に備え、第2の回転デバイスは、線形モータ搬送デバイスから第2の回転デバイスに食鳥のと体を移送するように設計される。このことは、食鳥のと体が、回転デバイスから線形モータ搬送デバイスに可変制御可能な様式で移送されるという利点を有する。次に、線形モータ搬送デバイスにより搬送される食鳥のと体は、回転デバイスのタイミングから分離され、例えば、静止処理を実行する目的で停止させることができる。次に、と体は、線形モータ搬送デバイスにより更に搬送され、第2の回転デバイスに移送される。回転デバイスの両方は、好ましくは、これらが主要搬送ラインと同期して働くように設計される。回転デバイスは、最初に食鳥のと体を主要搬送ラインから外し、と体を線形モータ搬送デバイスに移送するように構成されるが、第2の回転デバイスは、次に、線形モータ搬送デバイスから食鳥のと体を取り、最終的に、と体を主要搬送ラインに戻すように設計される。
【0023】
本発明の目的は、上記で言及した特徴を有する装置によって更に達成され、装置は、外周案内レールを有する少なくとも1つの線形モータ搬送デバイスを備え、外周案内レールは、線形駆動器を備え、複数のランナを有し、複数のランナは、線形駆動器により案内レールに沿って各ケースで個別に制御可能、移動可能であるように構成される。装置は、食鳥の脚を一度に片方ずつ収容するように設計した保持要素であって、保持要素の1つはそれぞれ、ランナのそれぞれの上に配置される、保持要素と、線形駆動器を制御するように設計した制御デバイスとを更に備え、制御デバイスは、複数対のランナ内の一対のランナを移動させることによって、食鳥のと体を一度に一体ずつ、可変制御可能な様式で搬送するように構成される。一対のランナは、各ケースで2つの隣接し合うランナを備える。搬送レール上で隣接し合う、2つのそれぞれの個別に制御可能なランナは、有利には、食鳥のと体を一度に一体ずつ搬送するように構成した一対のランナを形成する。したがって、隣接し合うランナは、制御側で、各ケースで一緒に結合されている。したがって、前記ランナの両方とも相互に依存して動く。2つのランナが一度ずつ結合することにより、食鳥のと体を確実に搬送することを保証する。食鳥のと体の両脚は、それぞれが保持要素の1つを有する1つのランナによって安全に保持される。強制結合運動する2つのランナは、食鳥のと体を搬送する一種の厳密な二重懸架台を形成する。しかし、そのような二重懸架台の保持要素の間隔は、可変制御可能なように構成され、間隔を様々な目的で特定の範囲まで変更できるようにする。
【0024】
本発明の好ましい展開は、ランナがそれぞれ、それぞれのランナの位置を決定する位置追跡手段を備えることを特徴とする。そのような一対のランナのランナの間隔を変更することによって、厳密な半径又はより複雑な案内レールの形状にもかかわらず、搬送が可能になる。更に、食鳥のと体の垂直な位置合わせが特定の範囲まで可能である。距離を増大させると、食鳥のと体の上昇をもたらし、距離を低減させると、食鳥のと体の降下をもたらす。このようにして、例えば、後続の処理作業のために、食鳥のと体を最適に配置し、位置合わせすることが可能である。更に、特定の処理ステップのため、食鳥のと体により大きな又はより小さな程度で張力を与え、改善された処理結果を達成することが可能である。より好ましくは、制御デバイスは、線形駆動器を制御するように構成され、複数対のランナ内の一対のランナのランナの間の各ケースでの距離が、所定の一対のランナの間隔に少なくとも実質的に対応するようにする。
【0025】
本発明の更なる適切な実施形態は、前記制御デバイスは、標的位置値及び/又は標的速度値に基づき、複数対のランナ内の一対のランナのランナの少なくとも一方の位置及び/又は速度を各ケースで制御するように構成することを特徴とする。このことは、保持要素を有する各ランナの現在の位置が、検出され、したがって、一方で、各個のランナの正確な配置が、線形モータ搬送デバイスにより常時保証され、もう一方で、各個の食鳥のと体の現在の位置及び速度がそれぞれのランナの位置を介して検出されるという利点を有する。
【0026】
更なる好ましい実施形態によれば、制御デバイスは、それぞれの一対のランナの間隔を維持しながら、複数対のランナ内の一対のランナの各々の他方のランナの位置及び/又は速度を各ケースで追跡するように更に構成される。したがって、有利には、ランナの一方の位置及び/又は速度は、制御デバイスにより予め定義可能である一方で、複数対のランナ内の一対のランナの各々の他方のランナは、第1のランナの移動パターンに制御可能に向けられる。言い換えれば、制御デバイスは、現在の速度及び位置が制御デバイスによって必要に応じて指定される複数対のランナ内の一対のランナの一方のランナを親ランナとして制御するように設計される。この一対のランナの各々の他方のランナは、子ランナとして構成され、一定又は実質的に一定の距離で、制御デバイスによって作動される第1のランナに追従する。このようにして、ランナの保持要素の距離は、一定又は実質的に一定に保たれる。
【0027】
更に、本発明の目的は、既に言及した特徴を有する、対応する方法によって達成され、方法は、と畜した食鳥を懸架状態で湾曲搬送経路に沿って搬送するように設計した少なくとも1つの回転デバイスにより、と畜した食鳥又は食鳥のと体を搬送するステップであって、食鳥のと体はそれぞれ、回転デバイスの複数の懸架台によって両脚を保持される、ステップと、線形駆動器を備える線形モータ搬送デバイスにより、と畜した食鳥又は食鳥のと体を、案内レールによって形成した循環搬送経路に沿って、案内レールに沿って配置した複数のランナの制御移動により搬送するステップであって、各ランナは、線形駆動器により個別に制御可能、移動可能であり、食鳥の脚の片方は、保持要素により各ケースで保持され、保持要素のそれぞれは、ランナのそれぞれの上に配置される、ステップと、移送領域において、回転デバイスの湾曲搬送経路と循環搬送経路の湾曲部分との少なくとも部分的な重複によって、と畜した食鳥又は食鳥のと体を搬送ラインの間で移送するステップとを含む。線形モータ搬送デバイスによる搬送と、個別に制御可能な片脚搬送との組合せにより、搬送時の高度な柔軟性及び可変性を提供する。片脚搬送は、特に、厳密な半径を通過する、あらゆる搬送経路形状に沿った進行を可能にする。更に、処理目的での食鳥のと体の停止を含む、様々な搬送速度及び/又は搬送速度プロファイルが可能である。更なる利点は、特定の範囲まで食鳥のと体を上昇又は降下し得ることであり、それぞれ食鳥のと体を保持するランナの間の距離が制御可能に可変であることである。
【0028】
本発明の好ましい展開は、複数対のランナ内の一対のランナを移動させることによって、食鳥のと体を一度に一体ずつ、可変制御可能な様式で搬送し、一対のランナは、各ケースで隣接し合う2つのランナを備えることを特徴とする。
【0029】
本発明の更なる好ましい実施形態によれば、それぞれのランナの位置は、位置追跡手段を使用して決定される。
【0030】
本発明の適切な実施形態は、制御デバイスにより線形駆動器を制御し、複数対のランナ内の一対のランナのランナの間の各ケースでの距離が、所定の一対のランナの間隔に少なくとも実質的に対応するようにすることを特徴とする。
【0031】
更なる好ましい実施形態によれば、複数対のランナ内の一対のランナのランナの少なくとも一方の位置及び/又は速度は、標的位置値及び/又は標的速度値に基づき各ケースで制御される。
【0032】
更なる適切な実施形態は、それぞれの一対のランナの間隔を維持しながら、複数対のランナ内の一対のランナの各々の他方のランナの位置及び/又は速度を制御デバイスにより各ケースで追跡することを特徴とする。
【0033】
本発明の好ましい展開は、駆動ユニットにより、少なくとも実質的に一定の循環速度で回転デバイスを駆動することを特徴とする。
【0034】
本発明の更なる好ましい実施形態によれば、回転デバイスの実際の位置及び実際の循環速度が検出され、懸架台の少なくとも1つのそれぞれの現在の位置は、センサ手段を使用して決定される。
【0035】
本発明の更なる適切な実施形態は、一対のランナのランナの位置及び/又は速度は、少なくとも1つの懸架台に対して検出した実際の循環速度及び決定した現在の位置に基づき、制御デバイスにより制御し、片脚移送用ランナの保持要素の1つ、及び回転デバイスのそれぞれの懸架台が、移送領域内で各ケースで同時に一緒となるようにすることを特徴とする。
【0036】
本発明の更なる好ましい実施形態によれば、食鳥のと体は、回転デバイスから線形モータ搬送デバイスに移送され、第2の回転デバイスにより、線形モータ搬送デバイスから第2の回転デバイスに移送される。
【0037】
本発明による、既に述べた方法に関連する利点及び長所は、本発明による設備に関して上記で詳細に説明してあり、したがって、ここでは、繰り返しを避けるため、上記で述べた利点を参照されたい。利点及び長所は、類推によって、本発明による方法に適用される。
【0038】
更に、本発明の目的は、上記で言及した特徴を有する対応する方法によって達成される。方法は、案内レールに沿って配置した複数のランナの制御移動により、案内レールによって形成した循環搬送経路に沿って、線形駆動器を備える線形モータ搬送デバイスにより食鳥を搬送するステップを含む。各ランナは、線形駆動器によって個別に制御可能、移動可能であり、食鳥の脚の片方を保持要素により各ケースで保持し、保持要素のそれぞれは、ランナのそれぞれの上に配置する、搬送することと、制御デバイスにより線形駆動器を制御するステップと、複数対のランナ内の一対のランナを移動させることによって、食鳥のと体を一度に一体ずつ、可変制御可能な様式で搬送することとを含み、一対のランナは、各ケースで隣接し合う2つのランナを備える。したがって、搬送レール上で隣接し合う、2つのそれぞれの個別に制御可能なランナにより、一対のランナは、有利には、食鳥のと体を一度に一体ずつ搬送するように構成した一対のランナを形成する。したがって、それぞれの隣接し合うランナに対する制御側での結合があり、ランナの移動が、互いに依存又は結合されるようにする。2つのランナが一度ずつ結合することにより、食鳥のと体を確実に搬送することを保証する。食鳥のと体の両脚は、それぞれが保持要素の1つを有する1つのランナによって安全に保持される。強制結合運動する2つのランナは、食鳥のと体を搬送するのに一種の厳密な二重懸架台を形成する。したがって、そのような二重懸架台の保持要素の間隔は、可変制御可能に構成され、様々な目的で特定の範囲まで間隔を変更することができる。
【0039】
本発明の好ましい展開は、位置追跡手段を使用して、それぞれのランナの位置を決定することを特徴とする。
【0040】
本発明の更なる好ましい実施形態によれば、線形駆動器は、制御デバイスにより制御され、一対のランナのランナの保持要素の間の各ケースでの距離が、所定の一対のランナの間隔に少なくとも実質的に対応するようにする。
【0041】
本発明の更なる適切な実施形態は、標的位置値及び/又は標的速度値に基づき、複数対のランナ内の一対のランナのランナの少なくとも一方の位置及び/又は速度を各ケースで制御することを特徴とする。
【0042】
更なる好ましい実施形態によれば、それぞれの一対のランナの間隔を維持しながら、複数対のランナ内の一対のランナの各々の他方のランナの位置及び/又は速度は、制御デバイスにより追跡される。
【0043】
本発明による、既に述べた方法に関連する利点及び長所は、本発明による設備に関して上記で詳細に説明してあり、したがって、ここでは、繰り返しを避けるため、上記で述べた利点を参照されたい。利点及び長所は、類推によって、本発明による方法に適用される。
【0044】
本発明の更に好ましい及び/又は適切な特徴及び実施形態は、従属請求項及び本明細書から明らかになる。添付の図面を参照しながら、特に好ましい実施形態をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【
図3】各ケースで食鳥のと体を搬送する段階における斜視図である。
【
図4】各ケースで食鳥のと体を搬送する段階における斜視図である。
【
図5】各ケースで食鳥のと体を搬送する段階における斜視図である。
【
図6】各ケースで食鳥のと体を搬送する段階における斜視図である。
【
図7】各ケースで食鳥のと体を搬送する段階における斜視図である。
【
図8】各ケースで食鳥のと体を搬送する段階における斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
図1は、本発明による設備の全体斜視図を示す。
図1にも示す本発明による装置は、この設備の一部である。
図2は、本発明による設備及び本発明による装置の詳細斜視図を示す。繰り返しを避けるため、本発明による設備及び本発明による装置を以下で詳細に説明する。背景のそれぞれは、本発明による関連する方法を伴う。
【0047】
図1及び
図2は、本発明による、例として、と畜した食鳥を搬送する設備を示す。設備は、と畜した食鳥を懸架状態で湾曲搬送経路に沿って搬送するように適合した少なくとも1つの回転デバイス10、11を備える。湾曲搬送経路は、回転デバイス構造体に沿って画定される。湾曲搬送経路は、例えば環状とすることができる。この場合、少なくとも1つの回転デバイス10、11は、車輪形状であり、車輪の中心に延びる回転軸の回りを回転する。代替的に、回転軸を、車輪の中心に対して偏心して配置することが可能である。図示する少なくとも1つの回転デバイス10、11は、好ましくは、偏心して配置された回転軸を有する車輪形状であり、調節機構を備え、調節機構によって、線形モータ搬送デバイス16に向かって循環する間、懸架台13の間の距離を増大させる一方で、相応して、主要搬送ライン14に向かって循環する間、懸架台13の間の距離を低減させる。搬送領域22における懸架台13の間の距離を拡張すると、食鳥のと体12を搬送するのに利用可能な時間窓に対し有利な効果があり、完全な搬送を常に保証するようにする。
【0048】
少なくとも1つの回転デバイス10、11は、複数の懸架台13を有し、懸架台13のそれぞれは、食鳥のと体12を両脚で保持するように設計されている。
【0049】
好ましくは、必ずしもそうではないが、設備は、主要搬送ライン14を備え、主要搬送ライン14により、二重シャックル15内に懸架した食鳥のと体12が搬送される。主要搬送ライン14及び少なくとも1つの回転デバイス10、11は、より好ましくは、同期して動作する、即ち、搬送速度は互いに調和し、主要搬送ラインから少なくとも1つの回転デバイス10、11への食鳥のと体12の搬送、及び少なくとも1つの回転デバイス10、11から主要搬送ラインへの食鳥のと体12の搬送を容易にする。
【0050】
図示のように、好ましくは2つの回転デバイス、即ち、回転デバイス10及び第2の回転デバイス11が設けられる。より明確に提示するために、回転デバイス10、11の一方のみを最初に以下で説明する。しかし、回転デバイスに関する全ての注釈は、回転デバイス10、11のそれぞれに同様に適用される。
【0051】
本発明による設備は、線形駆動器を有する線形モータ搬送デバイス16を更に備える。線形モータ搬送デバイス16は、複数のランナ19が案内レール18に沿って配置される循環搬送経路17を備え、各ランナは、線形駆動器により個別に制御可能、移動可能である。各ケースにおいて、2つのランナのみが明確にする理由で図示される。そのような線形モータ搬送デバイス16は、例えば、ベッコフ社による線形輸送システムXTSである。複数の個々に制御可能な電磁石は、そのような線形モータ搬送デバイス16の案内レール18内に配置される一方で、ランナ19は、案内レール18に沿って球軸受又はころ軸受により変位可能に組み付けられる。線形駆動器は、案内レール18の制御可能な電磁石、及びランナ19内に統合された磁石によって実施され、ランナ19のそれぞれが、独立して、個別に制御可能、したがって、個別に移動可能であるように構成される。
【0052】
1つの保持要素20は、各ケースで食鳥の脚21を一度に片方ずつ収容するように設計、構成され、ランナ19のそれぞれの上に配置される。
【0053】
回転デバイス10及び線形モータ搬送デバイス16は、湾曲搬送経路が、移送領域22において、循環搬送経路17の湾曲部分23と少なくとも部分的に重複するように構成される。このことにより、搬送ライン間、即ち、少なくとも1つの回転デバイス10、11と線形モータ搬送デバイス16との間で、と畜した食鳥又は食鳥のと体12の移送を容易にする。図面から分かるように、一方で、各ケースでの少なくとも1つの回転デバイス10、11の懸架台13の開放側、及び移送領域22内で食鳥の脚21を一度に片方ずつ収容する保持要素20はそれぞれ、互いに向かって向けられており、それぞれの食鳥の脚21を懸架台13からそれぞれの保持要素20に移送し、それぞれの保持要素20から懸架台13に移送できるようにする。湾曲搬送経路、及び循環搬送経路17の湾曲部分23が部分的に重複することは、それぞれの軌道区分が、片脚の確実な移送を可能にするように、少なくとも1つの点で重複するか又は互いから最小距離を有するように配置されることを意味すると理解されたい。
【0054】
線形モータ搬送デバイス16は、図示しない制御デバイスを有し、制御デバイスは、複数対のランナ内の一対のランナを移動させることによって、食鳥のと体12を一度に一体ずつ、可変制御可能な様式で搬送するように設計されている。一対のランナは、2つの隣接し合うランナ19を各ケースで備える。即ち、2つのランナ19は、各ケースで案内レール18上に並んで配置される。したがって、制御デバイスは、一対のランナの2つのランナ19を半同期的に移動するように設計されている。このようにして、一緒に移動するランナ19は、食鳥のと体のための一種の「仮想」容器を形成し、食鳥のと体12のそれぞれの両脚21のための保持要素20は、一定又は実施的に一定の間隔を有する。しかし、一対のランナのランナ19の間隔は、任意で、以下で詳細に説明するように、制御デバイスによって可変であるように構成される。
【0055】
処理ステーション24は、
図1及び
図2で概略的にのみ表示される。処理ステーション24は、食鳥のと体12を静止処理するように設計、構成される。処理ステーション24は、例えば、内臓摘出、又は排泄腔を介した食鳥のと体12の腹腔への入口を生成するように設計される。処理ステーション24は、基本的に、と畜した食鳥の処理に必要なあらゆる一般的な処理作業を実行するように設計することができる。この目的で、様々な機能を有する複数の処理ステーション24を、循環搬送経路17に沿って任意で配置することができる。
【0056】
制御デバイスは、複数対のランナ内の一対のランナを形成するランナ19を移動させることにより、食鳥のと体12を必要に応じて様々な処理位置に至らせるように更に構成され、こうして、処理ステーション24による最適な処理を促進する。
【0057】
ランナ19は、好ましくは、図示しない位置追跡手段をそれぞれ備え、位置追跡手段は、それぞれのランナの位置を決定するように構成される。線形モータ搬送デバイス16の制御デバイスが、個々のランナ19のそれぞれに対する位置追跡手段を備えることも可能である。このようにして、各ランナ19の位置は、追跡可能であるように構成される。位置追跡は、例えば、予め定義したゼロ位置でランナ19の位置を教えることによって、実行することができる。次に、ランナ19の位置が制御デバイスによって変更されると、変更された現在の位置は、制御デバイス内に連続的に保存される。
【0058】
代替的に、ランナ19は、識別子を備え、識別子は、制御デバイスによって読み取られ、ランナ19の位置を決定するために使用される。より好ましくは、位置追跡手段は、線形モータ搬送デバイス16の制御デバイスに対して統合された構成要素である。このことは、ランナ19のそれぞれの所望の位置又は所望の移動プロファイルを、制御デバイスにより予め定義可能であり、制御デバイスがランナ19の正確な配置を引き受けるという利点を有する。
【0059】
有利には、制御デバイスは、線形駆動器を制御するように更に構成され、複数対のランナ内の一対のランナのランナ19の間の各ケースでの距離が、所定の一対のランナの間隔に少なくとも実質的に対応するようにする。このようにして、前記ランナ19の間の距離は、実質的に一定に保たれ、食鳥の脚21から懸架された食鳥のと体12を可変制御可能な様式で確実に搬送するようにする。
【0060】
制御デバイスは、標的位置値及び/又は標的速度値に基づき、複数対のランナ内の一対のランナのランナ19の少なくとも一方の位置及び/又は速度を各ケースで制御するように更に構成される。一方で、そのような標的位置値及び/又は標的速度値は、回転デバイス10、11の一方と線形モータ搬送デバイス16との間での食鳥のと体12の制御移送を可能にし、もう一方で、処理ステーション24によって食鳥のと体を静止処理するため、一時的な停止を可能にする。
【0061】
制御デバイスは、好ましくは、それぞれの一対のランナの間隔を維持しながら、複数対のランナ内の一対のランナの各々の他方のランナ19の位置及び/又は速度を各ケースで追跡するように更に構成される。言い換えれば、制御デバイスは、標的位置値及び及び/又は標的速度値に基づき、ランナ19の一方のそれぞれの位置を指定するように設計される。一対のランナの各々の他方のランナ19は、所定の一対のランナの間隔を維持しながら、制御デバイスにより追跡され、こうして、他方のランナ19は、第1のランナ19に予め定義した距離で追従する。したがって、制御デバイスは、親ランナとして、一対のランナの第1のランナの位置及び/又は速度を設定する一方で、他方のランナ19を、親ランナに対する子ランナとして動作する状態で、第1のランナ19の後に続いて一定又は実質的に一定の距離で追跡するように構成される。
【0062】
回転デバイス10は、好ましくは、図示しない駆動ユニットを備え、駆動ユニットにより、回転デバイス10は、少なくとも実質的に一定の循環速度で駆動される。回転デバイスの循環速度は、好ましくは、主要搬送ライン14の搬送速度に一致する。より好ましくは、主要搬送ラインの駆動は、回転デバイス10、11の駆動に機械的に結合され、主要搬送ライン及び回転デバイス10、11が強制的に同期されるようにする。代替実施形態によれば、回転デバイス10、11及び主要搬送ラインはそれぞれ、それぞれの駆動速度が互いに一致する独自の駆動ユニットを備える。
【0063】
回転デバイス10及び/又は回転デバイス11は、それぞれの回転デバイス10、11の角度位置を検出するように構成され、この目的で構成したセンサ手段を備える。センサ手段は、懸架台13の少なくとも1つの実際の循環速度を検出し、それぞれの現在の位置を決定するように更に構成される。更に、制御デバイスは、少なくとも1つの懸架台に対して検出した実際の循環速度及び決定された現在の位置に基づき、一対のランナのランナの位置及び/又は速度を制御するように設計され、片脚移送用ランナの1つ、及び回転デバイスのそれぞれの懸架台が、移送領域22内で各ケースで同時に一緒となるようにする。
【0064】
言い換えれば、制御デバイスは、移送領域22内のランナ19と、それぞれの回転デバイス10、11の循環とを同期するように設計される一方で、線形モータ搬送デバイス16の循環搬送経路17の他の搬送区分において、ランナ19の移動は、回転デバイス10、11の循環速度とは無関係である。
【0065】
このことは、
図3から
図8に基づき以下でより詳細に説明し、
図3から
図8はそれぞれ、食鳥のと体の異なる移送段階での斜視図を示す。対応する上面図は、
図9及び
図10に示す。例として、回転デバイス10から線形モータ搬送デバイス16に食鳥のと体12を移送する間の工程を説明するが、線形モータ搬送デバイス16から第2の回転デバイス11への食鳥のと体12の移送にも同様に適用される。
【0066】
図3は、回転デバイス10から線形モータ搬送デバイス16へ食鳥のと体12の移送を開始する前の、一対のランナのランナ19の位置を示す。図示しないセンサ手段を介して、制御デバイスは、第1の回転デバイス10が現在どの(角度)位置にあるかに関する情報にアクセスする。ここで、制御デバイスは、線形モータ搬送デバイス16内を時計回り方向に移動するランナ19を制御し、遅くともランナ19が移送領域22に入った際、ランナ19が、移送される食鳥の脚21の追跡速度に対応する搬送速度を有するようにする。制御デバイスは、ランナ19が食鳥の先頭の脚21に遭遇するのに予期される時間を事前に確立し、この目的で一対のランナの先頭のランナ19を加速させるのに必要な加速度プロファイルを決定するように更に構成される。
【0067】
したがって、一対のランナの先頭のランナ19は、
図4及び
図5に示すように、移送領域21において、食鳥の先頭の脚21の保持要素20に正確に遭遇し、食鳥の先頭の脚21が、回転デバイス11の懸架台13から、先頭のランナ19の保持要素20に移送されるようにする。
【0068】
図6は、先頭のランナ19がどのように食鳥の先頭の脚21を既に捉えているのかを示す一方で、次に、食鳥の2番目の脚21は、回転デバイス11の懸架台13から、後続のランナ19の保持要素20に移送される。
図6及び
図7は、食鳥の脚21がどのように懸架台13を最終的に離れ、次に、ランナ19により保持要素20内に懸架され、線形モータ搬送デバイス16により更に搬送されるのかを示す。
【0069】
既に説明した、ランナ19と回転デバイス10との間の強制的な同期は、移送領域22を離れる間際に終了する。即ち、制御デバイスは、循環搬送経路17に沿って、必要に応じて任意の所望の速度で、回転デバイス10、11の循環速度とは無関係にランナ19を搬送するように構成される。したがって、例えば、食鳥のと体12は、異なる長さの時間の間、処理の目的で処理ステーション24で停止させることができ、このことは、主要搬送ライン14の搬送速度に何ら影響を与えない。このことは、食鳥のと体12への質の高い処理に対する機会を開放するものである。通常であれば、処理時間窓は、処理ステップを実施すべき主要搬送ライン14の搬送速度によって予め決定されているが、本発明は、この処理時間窓から分離されているため、処理が個別化され、各個の食鳥のと体12に対して最適に実行し得るという利点を有する。
図9及び
図10は、
図4及び
図7に示す移送段階の補足的上面図である。
【0070】
図示のように、回転デバイス10は、食鳥のと体12を線形モータ搬送デバイス16に移送するように構成される。第2の回転デバイス11は、線形モータ搬送デバイス16から第2の回転デバイス11に食鳥のと体12を移送するように設計される。言い換えれば、回転デバイス10は、食鳥のと体12を主要搬送ライン14から取り、次に、食鳥のと体12を線形モータ搬送デバイス16に移送するように設計される。第2の回転デバイス11は、食鳥のと体12を線形モータ搬送デバイスから取り、次に、食鳥のと体12を主要搬送ライン14に戻すか、又は図示しない他の搬送ラインに戻すように構成される。
【0071】
本発明による設備に関して上記行った注釈は、既に説明した設備の中心構成要素である本発明による装置にも同様に適用される。したがって、繰り返しを避けるため、本発明による装置に関しては、関連する上記の節を参照されたい。本発明による装置は、追加として、以下で簡単に説明する。
【0072】
本発明による装置は、食鳥処理工場において、食鳥のと体12の形態で、と畜した食鳥を搬送経路に沿って懸架状態で搬送するように設計される。装置は、線形駆動器を有する線形モータ搬送デバイス16の少なくとも1つを備える。線形モータ搬送デバイス16は、既に説明した外周案内レール18と、複数のランナ19とを更に備え、複数のランナ19はそれぞれ、線形駆動器により、案内レール18に沿って個別に制御可能、移動可能であるように構成される。保持要素20の1つは、各ケースで食鳥の脚21を一度に片方ずつ収容するように構成され、ランナ19のそれぞれの上に配置される。
【0073】
ランナ19は、線形駆動器を制御するように構成した制御デバイスにより複数対で移動し、したがって、食鳥のと体12は、可変制御可能な様式で搬送される。このようにして、2つの隣接し合うランナ19は、各ケースで一対のランナを形成する。
【0074】
ランナ19及び/又は線形モータ搬送デバイス16はそれぞれ、既に述べた、それぞれのランナの位置を決定する位置追跡手段を備える。制御デバイスは、線形駆動器を制御するように設計され、複数対のランナ内の一対のランナのランナ19の間の各ケースでの距離が、所定の一対のランナの間隔に少なくとも実質的に対応するようにする。
【0075】
複数対のランナ内の一対のランナのランナ19の少なくとも一方の位置及び/又は速度は、標的位置値及び/又は標的速度値に基づき、この目的で設計された制御デバイスにより各ケースで制御される。制御デバイスは、好ましくは、それぞれの一対のランナの間隔を維持しながら、複数対のランナ内の一対のランナの各々の他方のランナ19の位置及び/又は速度を各ケースで追跡するように更に構成される。
【0076】
食鳥処理工場において、と畜した食鳥を搬送ラインの間で搬送する、本発明による方法は、本発明による設備に関して上記で行った注釈から明らかになるため、本発明による方法のいくつかの選択した態様に関しては、補足的なコメントのみを以下で行う。
【0077】
本発明による方法は、と畜した食鳥又は食鳥のと体12を懸架状態で湾曲搬送経路に沿って搬送するように設計した少なくとも1つの回転デバイス10により、と畜した食鳥を搬送するステップであって、食鳥のと体12はそれぞれ、回転デバイス10の複数の懸架台13によって両脚を保持される、ステップと、線形駆動器を備える線形モータ搬送デバイス16により、と畜した食鳥又は食鳥のと体12を、案内レール18によって形成した循環搬送経路17に沿って、案内レール18に沿って配置した複数のランナ19の制御移動により搬送するステップであって、各ランナは、線形駆動器により個別に制御可能、移動可能であり、食鳥の片脚21は、各ケースで保持要素20により保持され、保持要素20のそれぞれは、ランナ19のそれぞれの上に配置される、ステップと、移送領域22において、回転デバイス10の湾曲搬送経路と循環搬送経路17の湾曲部分とを少なくとも部分的に重複させることによって、と畜した食鳥又は食鳥のと体12を搬送ラインの間で移送するステップとを含む。好ましくは、食鳥のと体12は、複数対のランナ内の一対のランナを移動させることによって、可変制御可能な様式で一度に一体ずつ、搬送される。それぞれのランナの位置は、好ましくは、位置追跡手段により検出、決定される。
【0078】
前述のように、複数対のランナ内の一対のランナのランナ19の間の距離は、制御デバイスにより制御され、ランナ19が、所定の一対のランナの間隔に正確に又は実質的に対応するようにする。複数対のランナ内の一対のランナのランナ19の少なくとも一方の位置及び/又は速度は、標的位置値及び/又は標的速度値に基づき各ケースで制御される。各々の他方のランナ19の位置及び/又は速度は、それぞれの一対のランナの間隔を維持しながら、制御デバイスにより追跡される。
【0079】
回転デバイス10は、好ましくは、駆動ユニットにより少なくとも実質的に一定の速度で駆動され、懸架台13の少なくとも1つの角度位置、実際の循環速度及びそれぞれの現在の位置は、センサ手段を使用して検出され、制御デバイスに送信される。
【0080】
一対のランナのランナ19の位置及び/又は速度は、少なくとも1つの懸架台13に対して検出した実際の循環速度及び決定された現在の位置に基づき、制御デバイスにより制御され、片脚移送用ランナ19の1つ、及び回転デバイス10のそれぞれの懸架台13が、移送領域22内で各ケースで同時に一緒となるようにする。この目的で必要なランナ19のタイミング及び移動プロファイルの仕様を、本発明による設備に関連して詳細に説明する。
【0081】
一方で、食鳥のと体12は、好ましくは、回転デバイス10から線形モータ搬送デバイス16に移送され、もう一方で、線形モータ搬送デバイス16から主要搬送ライン14に戻る食鳥のと体12の移送は、第2の回転デバイス11により行われる。
【0082】
本発明は、食鳥処理工場において、と畜した食鳥を懸架状態で搬送経路に沿って搬送する方法を更に含む。この方法は、本発明による装置に関連して既に説明してあるため、方法に関する捕捉的な注釈のみを以下で行う。
【0083】
方法は、線形駆動器を備える線形モータ搬送デバイス16により、と畜した食鳥又は食鳥のと体を、案内レール18によって形成した循環搬送経路17に沿って搬送することを含む。食鳥のと体12は、複数のランナ19の制御移動によって搬送され、複数のランナ19はそれぞれ、線形駆動器により、案内レール18に沿って個別に制御可能、移動可能であるように構成される。食鳥の脚21は、ランナ19のそれぞれの上に配置した保持要素20により保持される。
【0084】
線形駆動器は制御デバイスにより制御され、食鳥のと体12が、複数対のランナ内の一対のランナを移動させることによって一度に一体ずつ、搬送されるようにする。ランナの位置は、位置追跡手段を使用して決定され、更なる処理のために制御デバイスに送信される。このようにして、複数対のランナ内の一対のランナ19の間の距離は、ランナ19が所定の一対のランナの間隔に少なくとも実質的に対応するように制御される。好ましくは、複数対のランナ内の一対のランナ19の少なくとも一方の位置及び/又は速度は、各ケースで標的位置値及び/又は標的速度値に基づき制御される。より好ましくは、複数対のランナ内の一対のランナの各々の他方のランナ19の位置及び/又は速度は、それぞれの一対のランナの間隔を維持しながら、制御デバイスにより各ケースで追跡される。