特許第6985574号(P6985574)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 深▲せん▼市創智成功科技有限公司の特許一覧

特許6985574ウェハアンダーバンプメタル化のめっき層構造およびその製造方法
<>
  • 特許6985574-ウェハアンダーバンプメタル化のめっき層構造およびその製造方法 図000002
  • 特許6985574-ウェハアンダーバンプメタル化のめっき層構造およびその製造方法 図000003
  • 特許6985574-ウェハアンダーバンプメタル化のめっき層構造およびその製造方法 図000004
  • 特許6985574-ウェハアンダーバンプメタル化のめっき層構造およびその製造方法 図000005
  • 特許6985574-ウェハアンダーバンプメタル化のめっき層構造およびその製造方法 図000006
  • 特許6985574-ウェハアンダーバンプメタル化のめっき層構造およびその製造方法 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6985574
(24)【登録日】2021年11月30日
(45)【発行日】2021年12月22日
(54)【発明の名称】ウェハアンダーバンプメタル化のめっき層構造およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3205 20060101AFI20211213BHJP
   H01L 21/768 20060101ALI20211213BHJP
   H01L 23/522 20060101ALI20211213BHJP
   C25D 5/02 20060101ALI20211213BHJP
   C25D 7/12 20060101ALI20211213BHJP
   C23C 18/16 20060101ALI20211213BHJP
   C23C 18/48 20060101ALI20211213BHJP
   H01L 23/532 20060101ALI20211213BHJP
   H01L 21/288 20060101ALI20211213BHJP
   H01L 21/28 20060101ALI20211213BHJP
【FI】
   H01L21/88 T
   C25D5/02 B
   C25D7/12
   C23C18/16 B
   C23C18/48
   H01L21/88 R
   H01L21/288 E
   H01L21/28 301B
   H01L21/288 M
【請求項の数】1
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2020-88524(P2020-88524)
(22)【出願日】2020年5月21日
(65)【公開番号】特開2021-184404(P2021-184404A)
(43)【公開日】2021年12月2日
【審査請求日】2020年5月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】518230669
【氏名又は名称】深▲せん▼市創智成功科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100088063
【弁理士】
【氏名又は名称】坪内 康治
(72)【発明者】
【氏名】姚成
(72)【発明者】
【氏名】姚吉豪
【審査官】 宇多川 勉
(56)【参考文献】
【文献】 特開2017−033984(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/058712(WO,A1)
【文献】 特開2018−117056(JP,A)
【文献】 特開2013−127114(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3205
C25D 5/02
C25D 7/12
C23C 18/16
C23C 18/48
H01L 21/288
H01L 21/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェハアンダーバンプメタル化のめっき層の製造方法であって、
基材はシリコンまたは炭化ケイ素半導体とし、前記基材の表面に導電線路領域および非導
電領域を設置し、該基材の表面における導電線路領域が下に向かって凹んだ逆形状のウェ
ハバンプを形成する方法であって、
工程1:金属電極を形成することであって、ウェハ基材をエッチングすることにより、ウ
ェハ内部の電極を露出させ、ウェハバンプの突出部の底部に金属電極を形成すること、
工程2:パッシベーション層を形成することであって、ウェハバンプの表面にパッシベー
ション処理を行ってパッシベーション層を形成することにより、ウェハの表面にシリカを
形成すること、
工程3:バリア層を形成することであって、ウェハバンプに形成したパッシベーション層
の表面に真空でチタンめっき、タングステンめっき、又はタンタルめっきを行ってバリア
層を形成して、バリア層を構造することにより、銅とウェハの間でのイオン拡散を防止可
能となること、
工程4:導電銅シード層を形成することであって、ウェハバンプに形成したバリア層の表
面に真空で銅めっきを行って導電銅シード層を形成することにより、良好な導電性を有す
るものとして、以降の銅めっきのための準備となること、
工程5:ウェハバンプに形成した導電銅シード層の表面にコーティング、露光、現像を行
ってパータンを形成するとともに、金属配線部を露出させること、
工程6:銅めっき層を形成することであって、金属配線部に銅めっきを行って銅めっき層
を形成すること、
工程7:デスミア処理であって、導電銅シード層における金属配線部のフォトレジストを
除去すること、
工程8:エッチング処理であって、エッチングにより導電銅シード層を除去して、その後
、エッチングによりバリア層を除去すること、
工程9:無電解スズ合金めっき層を形成することであって、銅めっき層における銅配線に
無電解スズめっき処理を行って無電解スズ合金めっき層を形成すること、
工程10:配線全体に絶縁層を設置するとともに、ボールマウントまたはボンディングの
パッド位置を露出させること、および
工程11:露出したパッド位置にボールマウントまたはボンディングを行って、外部配線
との相互接続を実現すること、
を含み、
前記無電解スズ合金めっき層における無電解スズめっき層は置換型めっき層であり、無電
解スズめっき溶液は水を溶剤とし、溶質が5〜30g/Lのスズイオン、70〜130g
/Lのチオ尿素、10〜100g/Lのメチルスルホン酸、錯化剤を含み、1〜10pp
mの銀イオンを添加し、60〜80℃の条件で、銅含有配線のめっきされる基材を無電解
スズめっき溶液に浸漬させることにより、スズまたはスズ銀合金めっき層を形成すること
であって、浸漬時間が10〜20分とするものであり、
銅イオンの酸性溶液における電位が0.52Vであるが、溶液にチオ尿素が含まれ、Cu
2+のめっきは−0.5Vまで低下でき、またSn2+の電位が−0.136Vであり、
銅に対してスズの電位が修正されるようになるので、下記反応:
2Cu+Sn2+→2Cu+Sn
が発生できることにより、
スズの堆積は、スズイオンと銅の置換反応によって発生し、銅のない箇所では、スズイオ
ンからスズめっき層が形成されないので、銅配線以外の箇所では浸透めっき現象がないよ
うにできる、
ことを特徴とするウェハアンダーバンプメタル化のめっき層の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集積回路のパッケージの技術領域に関し、特にウェハアンダーバンプメタル化
のめっき層構造およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
チップの高機能と高度集積の需要がますます大きくなるにつれて、チップとパッケージの
配線もますます細くなり、より多くのI/O接続数を満足させ、チップの演算効率を向上
させる。特に近年出現したfou−outプロセスのRDL(再配線)プロセスは,線幅
が2/2μmに達した。
【0003】
伝統的には、先進的なパッケージはダウンパッケージチッププロセスであり、典型的なプ
ロセスはCSP(Chip Scale Package)パッケージであり、打ちこみプロセスによりチップ
内部の電極はRDL方式によって分散され、更にボールを植え付ける。この封止プロセス
は伝統的な打線パッケージと比較して多くの空間を節約し、チップサイズを極めて小さく
縮小した。しかし、配線の幅が広く、接続点が少ないという問題があある。
【0004】
チップの占有面積を下げるために、あるいはチップの演算効率を高めるために、扇子型の
プロセスが生まれた。そのチップ内部の接続点は大幅に増加し、より多くの面積を占有し
ないため、封止プロセスにおける配線幅と配線間の距離はより小さくなっている。これら
の配線の起点はチップの電極から来ており、再配線プロセスによって、配線を分散させて
、端部にpadを形成し、又はボールを植え付け、またはバインディングを行い、外部と
接続する。
【0005】
銅は導電性に優れているので、配線本体の材質はほとんどが銅であるが、銅は酸化しやす
く、結合しにくいという欠点がある。このため、伝統的なプロセスでは銅線の製作が終わ
った後、化学めっきやニッケルめっきの処理を行い、銅の酸化を防止し、その溶接性と結
合性を強化させる。しかし、配線が細くなり、間隔が小さくなり、化学金めっきのプロセ
スが大きな挑戦に直面している。その原因は、化学金めっきは浸透しやすく、二つの独立
した配線が短絡したり、独立したpadにめっき漏れが発生しやすいからである。電気め
っきプロセスは、めっき漏れを引き起こすことはないが、めっきプロセスにおいてすべて
の配線が接続され、通電機能を備えることが機能を実現することに必要であり、独立した
padのめっき層のニーズを満たすことができない。
【発明の概要】
【0006】
上記の技術の存在する不足に対して、本発明はウェハアンダーバンプメタル化のめっき層
構造およびその製造方法を提供する。本発明にかかる無電解スズ合金めっき技術で得られ
るめっき層が無電解置換めっき層となり、通電が不要となり、従来の無電解自己触媒反応
でもなく、置換反応だけで済むようになる。本発明によるアンダーバンプメタル化(UB
M:Under Bump Metal)と再配線(RDL:Redistributi
on Layer)が、ボンディング性も良好な半付性も具備する。
【0007】
上記の目的を実現するために、本発明は、ウェハアンダーバンプメタル化のめっき層の製
造方法であって、
基材はシリコンまたは炭化ケイ素半導体とし、前記基材の表面に導電線路領域および非導
電領域を設置し、該基材の表面における導電線路領域が下に向かって凹んだ逆形状のウェ
ハバンプを形成する方法であって、
工程1:金属電極を形成することであって、ウェハ基材をエッチングすることにより、ウ
ェハ内部の電極を露出させ、ウェハバンプの突出部の底部に金属電極を形成すること、
工程2:パッシベーション層を形成することであって、ウェハバンプの表面にパッシベー
ション処理を行ってパッシベーション層を形成することにより、ウェハの表面にシリカを
形成すること、
工程3:バリア層を形成することであって、ウェハバンプに形成したパッシベーション層
の表面に真空でチタンめっき、タングステンめっき、又はタンタルめっきを行ってバリア
層を形成して、バリア層を構造することにより、銅とウェハの間でのイオン拡散を防止可
能となること、
工程4:導電銅シード層を形成することであって、ウェハバンプに形成したバリア層の表
面に真空で銅めっきを行って導電銅シード層を形成することにより、良好な導電性を有す
るものとして、以降の銅めっきのための準備となること、
工程5:ウェハバンプに形成した導電銅シード層の表面にコーティング、露光、現像を行
ってパータンを形成するとともに、金属配線部を露出させること、
工程6:銅めっき層を形成することであって、金属配線部に銅めっきを行って銅めっき層
を形成すること、
工程7:デスミア処理であって、導電銅シード層における金属配線部のフォトレジストを
除去すること、
工程8:エッチング処理であって、エッチングにより導電銅シード層を除去して、その後
、エッチングによりバリア層を除去すること、
工程9:化学(無電解)スズ合金めっき層を形成することであって、銅めっき層における
銅配線に無電解スズめっき処理を行って無電解スズ合金めっき層を形成すること、
工程10:配線全体に絶縁層を設置するとともに、ボールマウントまたはボンディングの
パッド位置を露出させること、および
工程11:露出したパッド位置にボールマウントまたはボンディングを行って、外部配線
との相互接続を実現すること、
を含むことを特徴とするウェハアンダーバンプメタル化のめっき層の製造方法を提供する
【0008】
好ましくは、前記無電解スズ合金めっき層における無電解スズめっき層は置換型めっき層
であり、無電解スズめっき溶液は水を溶剤とし、溶質が5〜30g/Lのスズイオン、7
0〜130g/Lのチオ尿素、10〜100g/Lのメチルスルホン酸、錯化剤を含み、
1〜10ppmの銀イオンを添加し、60〜80℃の条件で、銅含有配線のめっきされる
基材を無電解スズめっき溶液に浸漬させることにより、スズまたはスズ銀合金めっき層を
形成することであって、浸漬時間が10〜20分とするものであり、
銅イオンの酸性溶液における電位が0.52Vであるが、溶液にチオ尿素が含まれ、Cu
2+のめっきは−0.5Vまで低下でき、またSn2+の電位が−0.136Vであり、
銅に対してスズの電位が修正(校正)されるようになるので、下記反応:
2Cu+Sn2+→2Cu+Sn
が発生できることにより、
スズの堆積は、スズイオンと銅の置換反応によって発生し、銅のない箇所では、スズイオ
ンからスズめっき層が形成されないので、銅配線以外の箇所では浸透めっき現象がないよ
うにできる。
【0009】
好ましくは、前記バリア層の厚さが0.1〜0.5μmとなり、前記銅めっき層の厚さが
1〜20μmとなり、前記無電解スズ合金層の厚さが0.5〜1.5μmとなる。前記絶
縁層は樹脂とする。
【0010】
上記の目的を実現するために、本発明は、ウェハアンダーバンプメタル化のめっき層の製
造方法により得られるウェハアンダーバンプメタル化のめっき層構造であって、
該構造は、ウェハ基材に形成されるもので、該基材の表面に導電線路領域および非導電領
域が設置され、基材の表面における導電線路領域のすべてが下に向かって凹んだ逆形状の
ウェハバンプを含むものであり、
前記ウェハバンプの突出部の底部に金属電極が形成されており、該ウェハバンプは、下か
ら順にパッシベーション層、バリア層、導電銅シード層、銅めっき層および無電解スズ合
金めっき層を備えており、ウェハ基材全体に絶縁層を設置して、無電解スズ合金めっき層
にボールマウントまたはボンディングのパッド位置を露出させて、露出したパッド位置に
ボールマウントまたはボンディングを行うことにより、外部配線との相互接続を形成する

ことを特徴とするウェハアンダーバンプメタル化のめっき層構造を提供する。
【0011】
本発明の有利な効果は、従来の技術を比較して、ウェハアンダーバンプメタル化のめっき
層構造およびその製造方法する。具体的には、下記の有利な効果がある。
【0012】
1)本技術方案において、導電線路領域が設置された基材の表面を下に凹ませて、この導
電線路領域が設置された基材の表面に逆形状のウェハバンプを形成して、該ウェハバンプ
に対して順にパッシベーション、バリア、導電シード、銅めっき及び無電解スズ合金めっ
き等の処理を行って、ウェハ基材に無電解スズ合金めっき層を設置するようになる。これ
により、本発明にかかる無電解スズ合金めっき技術で得られるめっき層が無電解置換めっ
き層となり、通電が不要となり、従来の無電解自己触媒反応でもなく、置換反応だけで済
むようになる。
【0013】
2)ウェハ基材における処理される部分を、逆形状のウェハバンプと設計して、その上で
、該ウェハバンプに対してメタル化のめっき層処理を行う。これにより、該バンプに無電
解スズ合金めっき層処理が施されると、アンダーバンプメタル化および再配線を得られる
。本発明によるアンダーバンプメタル化(UBM:Under Bump Metal)
と再配線(RDL:Redistribution Layer)が、ボンディング性も
良好な半付性も具備する。
【0014】
3)無電解スズ合金めっきが置換めっき層となるので、浸透めっきやスキップめっきのお
それがないため、配線設計の影響も受けなく、従来で用いられる無電解Ni−Auめっき
技術における配線幅や間隔の制限を克服できるし、電解Ni−Auめっき技術における配
線導電性の制限も克服できる。
【0015】
4)配線全体に絶縁層を設置して、その後ボールマウントまたはボンディングのパッド位
置を露出させて、さらに該パッド−ピン位置にてスズボールマウントまたはボンディング
を行う。これにより、外部配線との相互接続が可能となる。それによれば、本発明は、通
電することなく外部との相互接続を実現する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明のウェハアンダーバンプメタル化のめっき層構造を示す図である。
図2】本発明のウェハアンダーバンプメタル化のめっき層構造の工程のステップを示す図である。
図3】従来の化学ニッケル金プロセスがもたらす品質リスクを示す図である。
図4】従来の化学ニッケル金プロセスの浸透例を示す図である。
図5】本発明のウェハアンダーバンプメタル化のめっき層構造の無電解スズめっきした後の例を示す図である。
図6】本発明の無電解スズめっきの断面図である。
【0017】
[符号の説明]
基材 11
金属電極 12
パッシベーション層 13
バリア層 14
導電銅シード層 15
銅電気めっき層 16
化学(無電解)スズ合金めっき層 17
スズ(錫)ボール 18
絶縁層 19
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明をより明確に説明するために、以下、図面とともに本発明を詳細に説明する。
図1〜2が示すように、本発明は、ウェハアンダーバンプメタル化のめっき層の製造方法
であって、
基材11はシリコンまたは炭化ケイ素半導体とし、前記基材の表面に導電線路領域および
非導電領域を設置し、該基材の表面における導電線路領域が下に向かって凹んだ逆形状の
ウェハバンプを形成する方法であって、具体的には図2に示すように、
工程1:金属電極12を形成することであって、ウェハ基材をエッチングすることにより
、ウェハ内部の電極を露出させ、ウェハバンプの突出部の底部に金属電極12を形成する
こと、
工程2:パッシベーション層13を形成することであって、ウェハバンプの表面にパッシ
ベーション処理を行ってパッシベーション層を形成することにより、ウェハの表面にシリ
カを形成すること、なお、パッシベーション材料はPIなどの有機樹脂を用いることができ

工程3:バリア層14を形成することであって、ウェハバンプに形成したパッシベーショ
ン層の表面に真空でチタンめっき、タングステンめっき、又はタンタルめっきを行ってバ
リア層を形成して、バリア層を構造することにより、銅とウェハの間でのイオン拡散を防
止可能となること、
工程4:導電銅シード層15を形成することであって、ウェハバンプに形成したバリア層
の表面に真空で銅めっきを行って導電銅シード層を形成することにより、良好な導電性を
有するものとして、以降の銅めっきのための準備となること、
工程5:ウェハバンプに形成した導電銅シード層の表面にコーティング、露光、現像を行
ってパータンを形成するとともに、金属配線部を露出させること、
工程6:銅電気めっき層16を形成することであって、金属配線部に銅めっきを行って銅
めっき層を形成すること、
工程7:デスミア処理であって、導電銅シード層における金属配線部のフォトレジストを
除去すること、
工程8:エッチング処理であって、エッチングにより導電銅シード層を除去して、その後
、エッチングによりバリア層を除去すること、
工程9:化学(無電解)スズ合金めっき層17を形成することであって、銅めっき層にお
ける銅配線に無電解スズめっき処理を行って無電解スズ合金めっき層を形成すること、
工程10:配線全体に絶縁層19を設置するとともに、ボールマウントまたはボンディン
グのパッド位置を露出させること、および
工程11:露出したパッド位置にスズボール18をマウントまたはボンディングを行って
、外部配線との相互接続を実現すること、
を含むことを特徴とするウェハアンダーバンプメタル化のめっき層の製造方法である。
【0019】
上記の工程に基づき、本発明は、ウェハアンダーバンプメタル化のめっき層構造であって
、該構造は、ウェハ基材に形成されるもので、該基材の表面に導電線路領域および非導電
領域が設置され、基材の表面における導電線路領域のすべてが下に向かって凹んだ逆形状
のウェハバンプを含むものであり、前記ウェハバンプの突出部の底部に金属電極12が形
成されており、該ウェハバンプは、下から順にパッシベーション層13、バリア層14、
導電銅シード層15、銅めっき層16および無電解スズ合金めっき層17を備えており、
ウェハ基材全体に絶縁層19を設置して、無電解スズ合金めっき層にボールマウントまた
はボンディングのパッド位置を露出させて、露出したパッド位置にボール18をマウント
またはボンディングを行うことにより、外部配線との相互接続を形成する。
【0020】
本実施例において、前記バリア層の厚さが0.1〜0.5μmである。前記バリア層はチ
タン、タングステン、タンタル及び合金の一つである。導電性銅の種子層は銅層であり、
前記銅めっき層の厚さが1〜20μmである。無電解スズ合金層は無電解スズ、無電解ス
ズ銀及び無電解スズ銅層を含む。前記無電解スズ合金層の厚さが0.5〜1.5μmとな
る。
【0021】
前記無電解スズ合金めっき層における無電解スズめっき層は置換型めっき層であり、無電
解スズめっき溶液は水を溶剤とし、溶質が5〜30g/Lのスズイオン(ソースは硫酸ア
ジまたはメチルスルホン酸錫)、70〜130g/Lのチオ尿素、10〜100g/Lの
メチルスルホン酸、錯化剤(クエン酸など)を含み、1〜10ppmの銀イオン(ソース
はメチルスルホン酸銀、酢酸銀など)を添加し、60〜80℃の条件で、銅含有配線のめ
っきされる基材を無電解スズめっき溶液に浸漬させることにより、スズまたはスズ銀合金
めっき層を形成することであって、浸漬時間が10〜20分とするものである。
【0022】
銅イオンの酸性溶液における電位が0.52Vであるが、溶液にチオ尿素が含まれ、Cu
2+のめっきは−0.5Vまで低下でき、またSn2+の電位が−0.136Vであり、
銅に対してスズの電位が修正されるようになるので、下記反応:
2Cu+Sn2+→2Cu+Sn
が発生できることにより、
スズの堆積は、スズイオンと銅の置換反応によって発生し、銅のない箇所では、スズイオ
ンからスズめっき層が形成されないので、銅配線以外の箇所では浸透めっき現象がないよ
うにできる。
【0023】
対比例として、従来の方法では、無電解Ni−Auめっき技術を採用するが、配線間のシ
ョットを引き起こるおそれがある。図3図4を参考しながら説明する。図3は、配線幅
が小さい場合ならば、配線間でショートが起こりやすい状況を示す模式図である。即ち、
もとより独立した配線であるが、化学スズ(無電解Ni−Au)めっきにおいてコントロ
ールし難い自己触媒反応によって、接触が発生する可能性がある。本発明は、線間隔が9
μmほどである配線として、無電解Ni−Auめっきの実際テストを行ったが、配線間で
は多くの部分においてNi−Au堆積が発生し、独立的配線間で相互接続となり、動作で
きないことがわかった(図4に示される)。
【0024】
本発明は、無電解スズ合金めっきが置換めっき層となって、銅配線部分において置換反応
が発生するだけであるため、無電解スズ合金めっきの浸透めっき、スキップめっきがなく
、ニッケル腐食もなく、独立パッド設計の影響を受けることもない。
【0025】
さらに本発明の実用的な効果を証明するために、配線幅が3μm、配線間隔が5μmの無
電解スズ合金めっきをテストした。該テストのサンプルは、上記の無電解Ni−Auめっ
きの例と比べて、より細かい配線設計を具備する。該テストの結果によれば、何らかの浸
透めっき現象がなかったとわかった(図5に示される)。また、無電解スズめっき後にお
けるFIB(Focused Ion Beam)薄片をテストした結果、めっき層に空
隙等の異常がなかったとわかった。
【0026】
上記各工程は、必要によっては、水洗い、湿潤、前浸または乾燥等の中の一種または複数
種の補助工程を含んでもよい。図5は、本発明にかかる無電解スズめっき後の配線を示し
、浸透めっきがなかった。FIBで薄片化して分析した後、スズ合金と銅層との間に空隙
がなかったと知った(図6に示される)。各実験によれば、本発明において通電すること
なく外部との相互接続が可能となると証明できた。
【0027】
無電解スズ合金めっきは置換めっき層となるからこそ、浸透めっきやスキップめっきのお
それがなく、配線設計の影響を受けることもなく、従来で用いられる無電解Ni−Auめ
っき技術における配線幅や間隔の制限を克服できるし、電解Ni−Auめっき技術におけ
る配線導電性の制限も克服できる。無電解スズ合金めっき技術によるめっき層は、無電解
置換めっき層となり、通電が不要であり、従来の無電解自己触媒反応でもなく、置換反応
だけで済むようになる。
【0028】
以上の開示は、本発明の発明者のあるサンプルの実施形態のみであり、本発明はこれに限
定されるものではなく、いかなる分野の技術者が考えることができる変化は、本発明の保
護範囲に含まれるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6