(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
まず、第1の実施の形態について説明する。
図1は第1の実施の形態に係る電子装置の説明図である。
図1に示す電子装置1は、電磁波11を放射する電磁波放射体10、及び電磁波放射体10を包囲するように設けられた層20を含む。
【0010】
電磁波放射体10は、例えば、回路基板、及び回路基板上に実装された半導体素子等の電子部品を含み、このような電子部品の動作に伴い、電磁波11を放射する。ここで、電磁波放射体10から放射される電磁波11は、そのまま電子装置1の外部に放射されてしまうとノイズとなり、周辺に設けられる他の電子部品、電子装置又は電子機器の誤動作を引き起こす恐れがある。電子装置1では、電磁波放射体10から放射される電磁波11の、電子装置1の外部への放射を抑えるため、電磁波放射体10を包囲するように層20が電磁波吸収体として設けられている。
【0011】
電子装置1の層20について
図2を参照して説明する。
図2は第1の実施の形態に係る電子装置の構成例を示す図である。
図2(A)〜
図2(C)にはそれぞれ、電子装置の要部断面図を模式的に示している。
【0012】
層20は、例えば、
図2(A)に示すように、電磁波放射体10を包囲する包囲層21、及びその包囲層21の外表面(電磁波放射体10側とは反対側の面上)に設けられた金属膜22を有する。
【0013】
包囲層21には、各種絶縁材料が用いられる。例えば、包囲層21には、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリ乳酸(PLA樹脂)、エポキシ樹脂、ポリフェニレンエーテル、ポリエチレンテレフタレート等の各種樹脂材料が用いられる。金属膜22には、各種金属材料が用いられる。例えば、金属膜22には、アルミニウムが用いられる。金属膜22には、鉄、ニッケル、クロム等の金属、又はニッケルとクロムを含む合金等が用いられてもよい。金属膜22には、フェライトよりも抵抗率の低い材料を用いることが好ましい。
【0014】
層20は、例えば、
図2(B)に示すように、電磁波放射体10を包囲する包囲層21上に設けられた包囲層23を更に含んでもよい。包囲層23には、各種絶縁材料が用いられる。例えば、包囲層23には、内側の包囲層21と同様の樹脂材料のほか、各種塗料やコーティング材料が用いられる。
【0015】
また、層20は、例えば、
図2(C)に示すように、電磁波放射体10を包囲する包囲層21、及びその包囲層21の内表面(電磁波放射体10側の面上)に設けられた金属膜22を有する構造とされてもよい。
【0016】
図2(A)〜
図2(C)に示すような層20は、電子装置1の、電磁波放射体10を収容する筺体として利用されてもよい。
電磁波放射体10を包囲するように層20が設けられた電子装置1では、電磁波放射体10から放射された電磁波が、包囲層21に入射し、更に金属膜22に入射する。金属膜22に入射した電磁波は、電流となって金属膜22を流れる。金属膜22を流れる電流は、その金属膜22の抵抗によって熱エネルギー(ジュール熱)に変換される。このようにして、金属膜22に入射した電磁波に損失が生じる。即ち、金属膜22によって電磁波が吸収される。このような金属膜22による電磁波の吸収により、電磁波放射体10からの電磁波が電子装置1の外部へ放射されることが抑えられ、また、電磁波が金属膜22で反射して電磁波放射体10の動作に影響を及ぼすことが抑えられる。
【0017】
電子装置1の層20では、金属膜22が抵抗を有することで、電磁波が入射した時に電流が流れ、それが抵抗によって熱エネルギーに変換され、電磁波が吸収される。但し、金属膜22の抵抗が高くなるほど、電磁波が入射しても電流が流れ難くなるため、電磁波の熱エネルギーへの変換効率が低下し、その吸収効率が低下する。そのため、電子装置1では、層20に要求される電磁波の吸収特性に基づき、金属膜22に用いる材料の種類及び抵抗が選択され、或いは調整される。
【0018】
例えば、金属膜22に用いる材料の種類によって抵抗が選択、調整される。このほか、同種の材料であっても、その厚みを薄くすると、厚い場合に比べ、抵抗が増大し、また、後述のように、金属膜22に開口部を設ける等、所定のパターンを形成すると、形成しないものに比べ、抵抗が増大する。このような金属膜22の厚みやパターンによって抵抗が選択、調整されてもよい。
【0019】
電子装置1では、電磁波放射体10が包囲層21で包囲され、その包囲層21の表面に金属膜22が設けられる。電磁波放射体10からの電磁波は、金属膜22によって吸収され、電子装置1の外部への電磁波の放射とそれによる周辺の電子機器等の誤動作、及び層20で包囲された電磁波放射体10の誤動作が抑えられる。電子装置1では、電磁波放射体10を金属ケース等の金属製部材で包囲する場合に比べ、重量の増大、或いは更にコストの増大が抑えられる。
【0020】
図3は第1の実施の形態に係る電子装置の第1の例を示す図である。
図3には、電子装置の要部断面図を模式的に示している。
上記のような電子装置1において、電磁波放射体10を包囲する層20は、必ずしも密閉構造であることを要しない。
【0021】
例えば、電子装置1がACアダプターのような電源装置である場合、電磁波放射体10を包囲する層20には、
図3に示すように、開口部20a及び開口部20bが設けられてもよい。この場合、一方の開口部20aを通じて、内部の電磁波放射体10に含まれる回路に交流(Alternating Current;AC)電力が入力され、他方の開口部20bを通じて、電磁波放射体10に含まれる回路から外部に直流(Direct Current;DC)電力が出力される。
【0022】
尚、層20には、この
図3の例に限らず、各種形態(形状、数等)の開口部を設けることができる。
また、ここでは上記
図2(A)に示したような構成を有する層20に開口部を設ける例を示したが、上記
図2(B)及び
図2(C)に示したような構成を有する層20についても同様に、それらに開口部を設けることができる。
【0023】
図4は第1の実施の形態に係る電子装置の第2の例を示す図である。
図4には、電子装置の要部断面図を模式的に示している。
電子装置1の、電磁波放射体10を包囲する層20に含まれる金属膜22は、接地されてもよい。
【0024】
例えば、
図4に示すように、金属膜22は、電磁波放射体10に含まれる回路のグランド(GND)ライン12に接続される(
図4に点線で図示)。金属膜22のGNDライン12への接続は、ビア、ワイヤ、リード等、各種電気的接続方法を用いて行うことができる。
【0025】
このように金属膜22をGNDライン12に接続すると、電磁波が入射して金属膜22に電流が流れる際、その電流が、熱エネルギーに変換されるほか、GNDライン12へと流れるため、金属膜22による電磁波の吸収効率が高まる。これにより、電子装置1の外部への電磁波の放射とそれによる周辺の電子機器等の誤動作、及び層20で包囲された電磁波放射体10の誤動作が効果的に抑えられる。
【0026】
尚、ここでは電磁波放射体10のGNDライン12に金属膜22を接続する例を示したが、金属膜22は、このようなGNDライン12に限らず、その他の部位にも接地することができる。
【0027】
また、ここでは上記
図2(A)に示したような構成を有する層20の金属膜22を接地する例を示したが、上記
図2(B)及び
図2(C)に示したような構成を有する層20についても同様に、それらの金属膜22を接地することができる。
【0028】
図5は第1の実施の形態に係る電子装置の第3の例を示す図である。
図5(A)には、電子装置の要部断面図を模式的に示している。
図5(B)には、
図5(A)のX部の構成例を模式的に示している。
【0029】
電子装置1の、電磁波放射体10を包囲する層20に含まれる包囲層21には、例えば、
図5(A)及び
図5(B)に示すような、フィラー21aaを含有する樹脂材料21aが用いられてもよい。
【0030】
フィラー21aaには、絶縁性又は導電性の各種フィラーが用いられる。例えば、包囲層21に要求される機械的特性、電気的特性、磁気的特性等に基づき、フィラー21aaの種類、含有量等が調整される。
【0031】
例えば、フィラー21aaには、カーボン材料が用いられる。フィラー21aaのカーボン材料としては、カーボンブラック等のカーボン粒子、直線状やコイル状のカーボン繊維等が用いられる。フィラー21aaにカーボン材料を用いると、電磁波放射体10から放射されてカーボン材料に照射された電磁波が熱エネルギーに変換されるため、包囲層21に電磁波を吸収する機能を持たせることができる。カーボン材料の含有量、及び、カーボン材料であるカーボン粒子の粒子径、カーボン繊維の形状や繊維径等を選択することで、包囲層21での電磁波の吸収効率を調整することができる。
【0032】
尚、ここでは上記
図2(A)に示したような構成を有する層20の包囲層21にフィラー21aaを含有する樹脂材料21aを用いる例を示した。このほか、上記
図2(B)及び
図2(C)に示したような構成を有する層20についても同様に、それらの包囲層21にフィラー21aaを含有する樹脂材料21aを用いることができる。
【0033】
図6は第1の実施の形態に係る電子装置の第4の例を示す図である。
図6(A)及び
図6(B)にはそれぞれ、電子装置に用いられる金属膜の要部平面図を模式的に示している。
【0034】
電子装置1の、電磁波放射体10を包囲する層20に含まれる金属膜22は、各種パターンを有してもよい。
例えば、
図6(A)に示すように、金属膜22は、縦横に並んだ開口部22aa群を有するメッシュパターン22aとされる。このように金属膜22をメッシュパターン22aとすると、包囲層21の表面に金属膜22を平面状(いわゆるベタ膜状)に設けた場合に比べ、金属膜22の抵抗が増大する。金属膜22の抵抗を増大させることで、電磁波が入射することによって金属膜22に流れる電流の熱エネルギーへの変換効率が高められる。これにより、金属膜22による電磁波の吸収効率が高められ、電子装置1の外部への電磁波の放射とそれによる周辺の電子機器等の誤動作、及び層20で包囲された電磁波放射体10の誤動作が効果的に抑えられる。
【0035】
また、
図6(B)に示すように、金属膜22は、面アンテナに用いられるような開口部22baを設けたアンテナパターン22bとされてもよい。例えば、電磁波放射体10から放射される電磁波の、複数の周波数成分に対応できるように開口部22baを設けたアンテナパターン22bとされる。このようなアンテナパターン22bでも、包囲層21の表面に金属膜22を平面状に設けた場合に比べ、金属膜22の抵抗が増大するため、入射した電磁波の熱エネルギーへの変換効率が高められる。これにより、電子装置1の外部への電磁波の放射とそれによる周辺の電子機器等の誤動作、及び電磁波放射体10の誤動作が効果的に抑えられる。また、アンテナパターン22bでは、開口部22baによって複数の電流経路を準備しておくことで、電磁波の、複数の周波数成分が金属膜22で吸収可能になる。
【0036】
尚、上記
図2(A)〜
図2(C)に示したような構成を有する層20について、上記メッシュパターン22a等の各種パターンを有する金属膜22を用いることができる。
図7は第1の実施の形態に係る電子装置の第5の例を示す図である。
図7(A)〜
図7(C)にはそれぞれ、電子装置に用いられる層の要部断面図を模式的に示している。
【0037】
図7(A)〜
図7(C)にはそれぞれ、電子装置1に用いられる層20の、包囲層21及びその表面に設けられる金属膜22の一例を示している。
図7(A)に示すように、包囲層21の表面の金属膜22が表面粗さを有していると、平坦な場合(
図7(A)に点線で図示)に比べ、金属膜22の抵抗が増大する。金属膜22の表面粗さが調整され、その抵抗が増大されることで、入射した電磁波の熱エネルギーへの変換効率が高められる。これにより、金属膜22による電磁波の吸収効率が高められ、電子装置1の外部への電磁波の放射とそれによる周辺の電子機器等の誤動作、及び層20で包囲された電磁波放射体10の誤動作が効果的に抑えられる。
【0038】
また、
図7(B)に示すように、包囲層21上の金属膜22を、凹部22d及び凸部22eを有する凹凸形状としてもよい。凸部22eは、島状、柱状、板状等、各種形態をとり得る。金属膜22を、このような凹凸形状とすることで、その抵抗を増大させる。それにより、入射した電磁波の熱エネルギーへの変換効率が高められ、電磁波の吸収効率が高められて、電子装置1の外部への電磁波の放射とそれによる周辺の電子機器等の誤動作、及び層20で包囲された電磁波放射体10の誤動作が抑えられる。更に、金属膜22を、このような凹凸形状とすることで、その表面積を増大させる。それにより、入射した電磁波から変換された熱エネルギーの外部への放出(放熱)性が高められ、電磁波の吸収効率が高められる。
【0039】
また、
図7(C)に示すように、包囲層21上の金属膜22を、なだらかな形状としてもよい。金属膜22は、なだらかな形状とすると、角だった形状とした場合(
図7(C)に点線で図示)に比べ、抵抗が増大する。角だった形状の金属膜22では、流れる電流が、比較的その角部に集中する。そのため、金属膜22をなだらかな形状とすると、角部がなくなることで、結果的に電流が流れ難くなり、金属膜22の抵抗が増大する。金属膜22がなだらかな形状とされ、その抵抗が増大されることで、入射した電磁波の熱エネルギーへの変換効率が高められる。これにより、金属膜22による電磁波の吸収効率が高められ、電子装置1の外部への電磁波の放射とそれによる周辺の電子機器等の誤動作、及び層20で包囲された電磁波放射体10の誤動作が効果的に抑えられる。
【0040】
尚、上記
図2(A)〜
図2(C)に示したような構成を有する層20について、上記のような表面粗さ若しくは凹凸形状を有する金属膜22、或いはなだらかな形状を有する金属膜22を用いることができる。
【0041】
図8は第1の実施の形態に係る電子装置の第6の例を示す図である。
図8(A)及び
図8(B)にはそれぞれ、電子装置の要部斜視図を模式的に示している。
図8(A)に示すように、電子装置1の、電磁波放射体10を包囲する層20の、その包囲層21の表面に設けられる金属膜22には、開口部としてスリット22cを設けてもよい。
図8(A)には一例として、箱型の層20の、その辺部にスリット22cを設けたものを示している。金属膜22にこのようなスリット22cを設けることによっても、その金属膜22の抵抗が増大し、入射した電磁波の熱エネルギーへの変換効率が高められる。これにより、電子装置1の外部への電磁波の放射とそれによる周辺の電子機器等の誤動作、及び電磁波放射体10の誤動作が効果的に抑えられる。
【0042】
更に、
図8(B)に示すように、金属膜22に設けたスリット22cを跨いで、スリット22cを挟む金属膜22の部位同士をブリッジするように抵抗素子30(電子素子)を設けてもよい。抵抗素子30は、金属膜22の材料よりも抵抗率の高い材料を用いた金属膜、金属線、金属ブロック等とすることができる。例えば、金属膜22にアルミニウムを用い、抵抗素子30にニッケルクロム合金を用いることができる。また、抵抗素子30は、金属膜22と同じ材料で、金属膜22よりも膜厚の厚い金属膜、金属線、金属ブロック等とすることもできる。
【0043】
金属膜22に用いる材料によっては、元々その抵抗が低く、たとえ開口部を設ける等の処理を施しても、入射した電磁波を十分に熱エネルギーに変換して吸収できるだけの抵抗が得られないことが起こり得る。そのような場合でも、
図8(B)に示すように、金属膜22に、それよりも高抵抗の抵抗素子30を接続(実装)することで、金属膜22に電磁波が入射して流れる電流を、金属膜22のほか、抵抗素子30で熱エネルギーに変換し、電磁波の吸収を行うことができる。
【0044】
尚、ここでは上記
図2(A)に示したような構成を有する層20にスリット22cや抵抗素子30を設ける例を示した。このほか、上記
図2(B)及び
図2(C)に示したような構成を有する層20についても同様に、それらにスリット22cや抵抗素子30を設けることができる。
【0045】
次に、第2の実施の形態について説明する。
図9は第2の実施の形態に係る電子装置の構成例を示す図である。
図9(A)及び
図9(B)にはそれぞれ、電子装置の要部断面図を模式的に示している。
【0046】
図9(A)に示す電子装置1Aは、電磁波放射体10、及びそれを包囲するように設けられた層20Aを有する。層20Aは、電磁波放射体10から放射される電磁波を吸収する電磁波吸収体の一例であって、電磁波放射体10を包囲する包囲層21A、及びその包囲層21Aの表面に設けられた金属膜22Aを含む。
【0047】
包囲層21Aには、各種絶縁材料、例えば、ABS樹脂やエポキシ樹脂等の樹脂材料が用いられる。金属膜22Aには、各種金属材料、例えば、アルミニウム等の金属材料やニッケルクロム等の合金材料が用いられる。金属膜22Aは、開口部を設ける等、各種パターン形状とされてもよい。
【0048】
電子装置1Aでは、層20Aの包囲層21Aの厚みd1が、電磁波放射体10から放射されて包囲層21Aの内部を伝播する電磁波の波長の(2m−1)/4倍(mは自然数)に設定される。
【0049】
今、電磁波放射体10から放射される電磁波の波長をλoとし、包囲層21Aの比誘電率をεrとすると、包囲層21Aの内部を伝播する電磁波の波長λsは、次式(1)で表される。
【0050】
λs=λo/√εr・・・(1)
従って、設定される包囲層21Aの厚みd1は、次式(2)で表される。
d1=(2m−1)λs/4=(2m−1)λo/4√εr・・・(2)
包囲層21Aの厚みd1を、この式(2)のような値に設定すると、層20Aを、いわゆるλ/4型電磁波吸収体として機能させることができる。
【0051】
即ち、層20Aの包囲層21Aの表面に入射して反射する電磁波と、厚みd1の包囲層21Aの内部を伝播して金属膜22に達しそこで反射される電磁波とを干渉させることで、層20Aからの反射波を打ち消して消滅させ、或いは層20Aからの反射波の振幅を減衰させる。これにより、電子装置1Aの外部への電磁波の放射とそれによる周辺の電子機器等の誤動作、及び電磁波放射体10の誤動作が抑えられる。
【0052】
また、
図9(B)に示す電子装置1Bは、電磁波放射体10を包囲するように設けられた層20Bを有する。層20Bは、電磁波吸収体の一例であって、電磁波放射体10を包囲する包囲層21A、その包囲層21Aの表面に設けられた金属膜22A、及びその包囲層21Aの金属膜22A側とは反対側の面(電磁波放射体10側の面)に設けられた金属膜22Bを含む。
【0053】
即ち、電子装置1Bは、上記電子装置1Aの層20Aの、その包囲層21Aの内側に更に金属膜22Bが設けられた構造を有する。金属膜22Bには、各種金属材料、例えば、アルミニウム等の金属材料やニッケルクロム等の合金材料が用いられる。金属膜22Bは、開口部を設ける等、各種パターン形状とされてもよい。
【0054】
電子装置1Bでは、金属膜22Bによる電磁波の吸収効果が得られるほか、金属膜22Bを通過する周波数の電磁波の成分がある場合でも、それを金属膜22Aで吸収することができる。その際、金属膜22Bを通過する電磁波の成分の波長に基づいて包囲層21Aの厚み(上記の厚みd1)を適切に設定すれば、その成分の高い吸収効果を得ることができる。これにより、電子装置1Bの外部への電磁波の放射とそれによる周辺の電子機器等の誤動作、及び電磁波放射体10の誤動作が抑えられる。
【0055】
電子装置1A及び電子装置1Bの包囲層21Aには、上記第1の実施の形態(
図5)で述べたような各種フィラーを含有させてもよい。包囲層21Aにフィラーを含有させることで、電磁波の伝播が変化する箇所を増やしたり、またカーボン材料のフィラーを含有させることで、電磁波の吸収効率を高めたりすることができる。
【0056】
尚、電子装置1A及び電子装置1Bにおいて、それらの層20A及び層20Bは、電磁波放射体10を収容する筺体として利用されてもよい。
次に、第3の実施の形態について説明する。
【0057】
図10は第3の実施の形態に係る電子装置の構成例を示す図である。
図10には、電子装置の要部断面図を模式的に示している。
図10に示す電子装置1Cは、電磁波放射体10、及びそれを包囲するように設けられた層20Cを有する。層20Cは、電磁波吸収体の一例であって、電磁波放射体10を包囲する包囲層21A、及びその包囲層21Aの表面に設けられた金属膜22A、並びに、包囲層21C、及びその包囲層21Cの表面に設けられた金属膜22Cを含む。
【0058】
包囲層21Cには、包囲層21Aと同様に、各種絶縁材料、例えば、ABS樹脂やエポキシ樹脂等の樹脂材料が用いられる。包囲層21A及び包囲層21Cには、カーボン材料等の各種フィラーが含有されてもよい。金属膜22Cには、金属膜22Aと同様に、各種金属材料、例えば、アルミニウム等の金属材料やニッケルクロム等の合金材料が用いられる。金属膜22A及び金属膜22Cは、開口部を設ける等、各種パターン形状とされてもよい。包囲層21Cは、包囲層21A上に、その表面の金属膜22Aを覆うようにして設けられる。
【0059】
層20Cでは、包囲層21Aの厚みd1が、電磁波放射体10から放射されて包囲層21Aの内部を伝播する電磁波の、比較的高い周波数成分の波長の(2m−1)/4倍(mは自然数)に設定される。更に、層20Cでは、包囲層21Aと包囲層21Cとの合計の厚みd2が、電磁波放射体10から放射されて包囲層21A及び包囲層21Cの内部を伝播する電磁波の、比較的低い周波数成分の波長の(2m−1)/4倍(mは自然数)に設定される。包囲層21A及び包囲層21Cが、このような厚みとなる位置に、金属膜22A及び金属膜22Cが設けられる。
【0060】
即ち、層20Cでは、包囲層21A、包囲層21C及び金属膜22Cによって第1のλ/4型電磁波吸収体が形成され、包囲層21A及び金属膜22Aによって第2のλ/4型電磁波吸収体が形成される。
【0061】
電子装置1Cでは、包囲層21A及び包囲層21Cの内部を伝播する、比較的低い周波数成分の電磁波が、包囲層21A、包囲層21C及び金属膜22Cで形成されるλ/4型電磁波吸収体によって吸収される。更に、電子装置1Cでは、包囲層21Aの内部を伝播する、比較的高い周波数成分の電磁波、即ち高調波が、包囲層21A及び金属膜22Aで形成されるλ/4型電磁波吸収体によって吸収される。
【0062】
このように電子装置1Cでは、電磁波放射体10から放射される電磁波に含まれる複数の周波数成分を層20Cによって吸収することができる。これにより、電子装置1Cの外部への電磁波の放射とそれによる周辺の電子機器等の誤動作、及び電磁波放射体10の誤動作が効果的に抑えられる。
【0063】
尚、電子装置1Cにおいて、その層20Cは、電磁波放射体10を収容する筺体として利用されてもよい。
次に、第4の実施の形態について説明する。
【0064】
図11は第4の実施の形態に係る電子装置の構成例を示す図である。
図11には、電子装置の要部断面図を模式的に示している。
図11に示す電子装置1Dは、電磁波放射体10、及びそれを包囲するように設けられた層20A、並びに、その層20Aから離間して設けられその層20Aを更に包囲するように設けられた層20Dを有する。層20A及び層20Dは、電磁波吸収体の一例である。内側の層20Aは、電磁波放射体10を包囲する包囲層21A、及びその包囲層21Aの表面に設けられた金属膜22Aを含む。外側の層20Dは、電磁波放射体10及び内側の層20Aを包囲する包囲層21D、及びその包囲層21Dの表面に設けられた金属膜22Dを含む。
【0065】
包囲層21Dには、包囲層21Aと同様に、各種絶縁材料、例えば、ABS樹脂やエポキシ樹脂等の樹脂材料が用いられる。包囲層21A及び包囲層21Dには、カーボン材料等の各種フィラーが含有されてもよい。金属膜22Dには、金属膜22Aと同様に、各種金属材料、例えば、アルミニウム等の金属材料やニッケルクロム等の合金材料が用いられる。金属膜22A及び金属膜22Dは、開口部を設ける等、各種パターン形状とされてもよい。
【0066】
電子装置1Dでは、包囲層21Aの内部を伝播する、比較的高い周波数成分の電磁波、即ち高調波が、包囲層21A及び金属膜22Aを含む内側の層20Aによって吸収される。更に、電子装置1Dでは、包囲層21A及び金属膜22Aを通過し、包囲層21Dの内部を伝播する、比較的低い周波数成分の電磁波が、包囲層21D及び金属膜22Dを含む外側の層20Dによって吸収される。
【0067】
このように電子装置1Dでは、電磁波放射体10から放射される電磁波に含まれる複数の周波数成分を、内側の層20A及び外側の層20Dによって吸収することができる。これにより、電子装置1Dの外部への電磁波の放射とそれによる周辺の電子機器等の誤動作、及び電磁波放射体10の誤動作が効果的に抑えられる。
【0068】
電子装置1Dにおいて、内側の層20Aに設ける包囲層21Aの厚みは、電磁波放射体10から放射されて包囲層21Aの内部を伝播する電磁波の、比較的高い周波数成分の波長の(2m−1)/4倍(mは自然数)に設定することができる。更に、外側の層20Dに設ける包囲層21Dの厚みは、電磁波放射体10から放射されて包囲層21Dの内部を伝播する電磁波の、比較的低い周波数成分の波長の(2m−1)/4倍(mは自然数)に設定することができる。包囲層21A及び包囲層21Dの厚みを、それぞれこのような値に設定することで、層20A及び層20Dを、それぞれλ/4型電磁波吸収体として機能させることができる。
【0069】
尚、電子装置1Dにおいて、その層20A若しくは層20D、又は、層20A及び層20Dは、電磁波放射体10を収容する筺体として利用されてもよい。
次に、第5の実施の形態について説明する。
【0070】
図12は第5の実施の形態に係る電子装置の構成例を示す図である。
図12(A)及び
図12(B)にはそれぞれ、電子装置の要部断面図を模式的に示している。
図12(A)に示す電子装置1Eは、電磁波放射体10、及びそれを包囲するように設けられた層20E、並びに、電磁波放射体10と層20Eとの間に充填された充填層40を有する。層20Eは、電磁波吸収体の一例であって、包囲層21E、及びその包囲層21Eの表面に設けられた金属膜22Eを含む。
【0071】
包囲層21Eには、各種絶縁材料、例えば、ABS樹脂やエポキシ樹脂等の樹脂材料が用いられる。金属膜22Eには、各種金属材料、例えば、アルミニウム等の金属材料やニッケルクロム等の合金材料が用いられる。金属膜22Eは、開口部を設ける等、各種パターン形状とされてもよい。包囲層21Eは、その厚みが、電磁波放射体10から放射されて包囲層21Eの内部を伝播する電磁波の波長の(2m−1)/4倍(mは自然数)に設定されてもよい。これにより、層20Eをλ/4型電磁波吸収体として機能させることができる。
【0072】
充填層40には、各種絶縁材料、例えば、エポキシ樹脂等の樹脂材料が用いられる。充填層40には、カーボン材料等の各種フィラーが含有されてもよい。例えば、充填層40にフィラーとしてカーボン材料を含有すると、電磁波放射体10から放射される電磁波の吸収効率を高めることができる。
【0073】
また、
図12(B)に示す電子装置1Fは、電磁波放射体10を包囲するように設けられる層20F、及び電磁波放射体10と層20Fとの間に充填された充填層40を有する。層20Fは、電磁波吸収体の一例であって、包囲層21F、及びその包囲層21Fの表面に設けられた金属膜22Fを含む。金属膜22Fには、各種金属材料、例えば、アルミニウム等の金属材料やニッケルクロム等の合金材料が用いられる。金属膜22Fは、開口部を設ける等、各種パターン形状とされてもよい。
【0074】
電子装置1Fでは、その層20Fの包囲層21Fに、充填層40と同じ絶縁材料が用いられる。充填層40及び包囲層21Fには、カーボン材料等の各種フィラーが含有されてもよく、例えば、カーボン材料を含有すると、電磁波放射体10から放射される電磁波の吸収効率を高めることができる。尚、電子装置1Fの充填層40及び包囲層21Fは、一体とした単層構造であってもよい。
【0075】
電子装置1Fでは、例えば、充填層40と包囲層21Fとの合計の厚みd3が、電磁波放射体10から放射されて充填層40及び包囲層21Fの内部を伝播する電磁波の波長の(2m−1)/4倍(mは自然数)に設定されてもよい。これにより、充填層40、包囲層21F及び金属膜22Fをλ/4型電磁波吸収体として機能させることができる。
【0076】
上記の電子装置1E及び電子装置1Fのように、電磁波放射体10と層20Eとの間、及び電磁波放射体10と層20Fとの間は、充填層40で充填されてもよい。
ここで、電子装置1Eでは、層20E、又は充填層40及び層20E(その包囲層21E及び金属膜22E)が、電磁波放射体10を包囲する包囲層となる。尚、電子装置1Eにおいて、その層20E、又は充填層40及び層20Eは、電磁波放射体10を収容する筺体として利用されてもよい。
【0077】
また、電子装置1Fでは、層20F、又は充填層40及び層20F(その包囲層21F及び金属膜22F)が、電磁波放射体10を包囲する包囲層となる。尚、電子装置1Fにおいて、その層20F、又は充填層40及び層20Fは、電磁波放射体10を収容する筺体として利用されてもよい。
【0078】
尚、上記第2の実施の形態(
図9)で述べた電磁波放射体10と層20Aとの間、電磁波放射体10と層20Bとの間にも同様に、充填層40を設けることができる。また、上記第3の実施の形態(
図10)で述べた電磁波放射体10と層20Cとの間や、上記第4の実施の形態(
図11)で述べた電磁波放射体10と内側の層20Aとの間、及び内側の層20Aと外側の層20Dとの間にも同様に、充填層40を設けることができる。これらの場合において、充填層40を含めた電磁波放射体10から金属膜22,22A,22B,22C,22Dまでの距離を適宜調整することで、λ/4型電磁波吸収体を形成することができる。
【0079】
次に、第6の実施の形態について説明する。
図13は第6の実施の形態に係る電子装置の構成例を示す図である。
図13には、電子装置の要部斜視図を模式的に示している。
【0080】
図13に示す電子装置1Gは、電磁波放射体10、及びそれを包囲するように設けられた層20Gを有する。層20Gは、電磁波吸収体の一例であって、電磁波放射体10を包囲する包囲層21G、及びその包囲層21Gの表面に設けられたコイル状パターンの金属膜22Gを含む。
【0081】
包囲層21Gには、各種絶縁材料、例えば、ABS樹脂やエポキシ樹脂等の樹脂材料が用いられる。包囲層21Gには、カーボン材料等の各種フィラーが含有されてもよい。包囲層21Gは、その厚みが、電磁波放射体10から放射されて包囲層21Gの内部を伝播する電磁波の波長の(2m−1)/4倍(mは自然数)に設定されてもよい。これにより、層20Gをλ/4型電磁波吸収体として機能させることができる。金属膜22Gには、各種金属材料、例えば、アルミニウム等の金属材料が用いられる。コイル状パターンの金属膜22Gは、電磁波放射体10の周りに巻回されるように、包囲層21Gの表面に設けられる。
【0082】
電子装置1Gでは、層20Gにより、電磁波放射体10から放射される電磁波が吸収される。また、電子装置1Gでは、電磁波放射体10から電磁波が放射され、層20Gの内側の磁場が変化すると、電磁誘導により、コイル状パターンの金属膜22Gに電流が流れる。電子装置1Gでは、このような電磁波の吸収及び電磁誘導によって金属膜22Gに流れる電流が、金属膜22Gに接続された端子50a及び端子50bによって外部に取り出せるようになっている。
【0083】
電子装置1Gの層20Gには、コイル状パターンの金属膜22Gの、包囲層21Gを介した内側(電磁波放射体10側)に、図示しない別の金属膜が更に設けられてもよい。このような内側に設ける別の金属膜により、電磁波放射体10から放射される電磁波を吸収することができる。内側に設ける別の金属膜として、比較的透磁率の高い金属材料を用い、これをコアに利用すると、電磁誘導の効果を高め、取り出す電流の量を増大させることができる。例えば、金属膜22Gにアルミニウムを用い、その内側に設ける別の金属膜としてニッケルを用いると、電磁誘導の効果を高めることができる。
【0084】
また、電子装置1Gの層20Gには、コイル状パターンの金属膜22Gの外側に、層20Gを包囲する、包囲層及びその表面に設けられた金属膜を含む、図示しない別の層が更に設けられてもよい。このように、外側に更に別の層(包囲層及び金属膜)を設けることで、当該別の層による電磁波放射体10からの電磁波の吸収を行うこともできる。
【0085】
次に、第7の実施の形態について説明する。
図14は第7の実施の形態に係る電子装置の構成例を示す図である。
図14(A)には、電子装置の要部斜視図を模式的に示している。
図14(B)〜
図14(D)にはそれぞれ、
図14(A)のY部の構成例を模式的に示している。
【0086】
図14(A)に示す電子装置1Hは、電磁波放射体10及びそれを包囲するように設けられた層20Hを有する。層20Hは、電磁波吸収体の一例であって、箱型で、その各面(6面)がプリント板60で形成された構造を有する。
【0087】
プリント板60は、
図14(B)〜
図14(D)に示すように、絶縁層61及び金属膜62を含む。例えば、プリント板60は、
図14(B)に示すように、絶縁層61、及びその一方の面(電磁波放射体10側と反対側の面)に設けられた金属膜62を含む。また、プリント板60は、
図14(C)に示すように、絶縁層61、及びその両面に設けられた金属膜62を含んでもよい。また、プリント板60は、
図14(D)に示すように、絶縁層61の一方の面に金属膜62を設けたものを複数(ここでは一例として2層)積層した構造を有してもよい。
【0088】
絶縁層61には、各種絶縁材料、例えば、エポキシ樹脂等の樹脂材料が用いられる。絶縁層61には、カーボン材料やガラス材料等の各種フィラーが含有されてもよい。絶縁層61は、その厚みが、電磁波放射体10から放射されて絶縁層61の内部を伝播する電磁波の波長の(2m−1)/4倍(mは自然数)に設定されてもよい。金属膜62には、各種金属材料、例えば、アルミニウム等の金属材料やニッケルクロム等の合金材料が用いられる。金属膜62は、開口部を設ける等、各種パターン形状とされてもよい。
【0089】
層20Hに用いるプリント板60群は、ビルドアップ法やラミネート法等を用いて準備される。準備されたプリント板60群が箱型に組み立てられ、層20Hが形成される。異なるプリント板60同士は、接着剤を用いた接着、熱を用いた融着、嵌合、ネジ止め等、各種方法で固定される。
【0090】
電子装置1Hでは、電磁波放射体10を包囲するように設けられる層20Hの各面がプリント板60で形成される。層20Hでは、プリント板60群の絶縁層61が電磁波放射体10を包囲する包囲層となり、その包囲層の表面に金属膜62が形成された構造となる。このような層20Hでは、プリント板60の金属膜62により、電磁波放射体10から放射される電磁波が吸収される。絶縁層61の厚みを調整すれば、プリント板60をλ/4型電磁波吸収体として機能させることができる。絶縁層61にカーボン材料を含有させると、電磁波放射体10から放射される電磁波の吸収効率を高めることができる。
【0091】
尚、電子装置1Hにおいて、その層20Hは、電磁波放射体10を収容する筺体として利用されてもよい。
また、電磁波放射体10から放射される電磁波の、複数の周波数成分の吸収に対応するため、層20Hを更に、各面がプリント板で形成された別の層、或いは包囲層及びその表面に設けられた金属膜を含む別の層で包囲してもよい。更にまた、電磁波放射体10が包囲層及びその表面に設けられた金属膜を含む別の層で包囲された構造体を、層20Hで包囲してもよい。
【0092】
次に、第8の実施の形態について説明する。
図15は第8の実施の形態に係る電子装置の構成例を示す図である。
図15(A)及び
図15(B)にはそれぞれ、電子装置の要部断面図を模式的に示している。
【0093】
図15(A)に示す電子装置1Iは、電磁波放射体10、及びそれを包囲するように設けられた層20I、並びに、層20I上に実装された電子部品70(電子素子)を有する。電子部品70には、半導体素子、回路基板、半導体素子が回路基板上に実装された半導体装置、抵抗素子、容量素子等、各種電子部品が用いられ得る。
【0094】
層20Iは、電磁波吸収体の一例であって、電磁波放射体10を包囲する包囲層21I、及びその包囲層21Iの表面に設けられた金属膜22Iを含む。包囲層21Iには、各種絶縁材料、例えば、ABS樹脂やエポキシ樹脂等の樹脂材料が用いられる。包囲層21Iには、カーボン材料等の各種フィラーが含有されてもよい。包囲層21Iは、その厚みが、電磁波放射体10から放射されて包囲層21Iの内部を伝播する電磁波の波長の(2m−1)/4倍(mは自然数)に設定されてもよい。金属膜22Iには、各種金属材料、例えば、アルミニウム等の金属材料やニッケルクロム等の合金材料が用いられる。金属膜22Iは、開口部を設ける等、各種パターン形状とされてもよい。
【0095】
金属膜22Iには、電子部品70が実装される端子24aが設けられる。例えば、端子24a、又は端子24aとそれに電気接続されるパターンは、他の部位からは分離される。これにより、当該他の部位に電磁波が入射することによって流れる電流が電子部品70に及ぼす影響を抑えることができる。
【0096】
包囲層21Iには、端子24aと接続される電極24bが設けられる。例えば、電極24bとして、包囲層21Iを貫通するビアが設けられる。電極24bは、回路基板及びその上に実装された半導体素子等の電子部品を含む電磁波放射体10の、その所定の端子に接続される(
図15(A)に点線で図示)。電極24bの、電磁波放射体10の所定の端子への接続は、ワイヤ、リード等、各種電気接続方法を用いて行うことができる。
【0097】
尚、電子装置1Iにおいて、電磁波放射体10と層20Iとの間に、上記第5の実施の形態(
図12)で述べたような充填層40を設けることもできる。そのような場合は、その充填層40を貫通するビアを設け、そのビアによって電極24bと電磁波放射体10の所定の端子との接続を行うことができる。
【0098】
このように、電子部品70が実装される端子24aに接続された電極24bと、電磁波放射体10の所定の端子とが接続されることで、電磁波放射体10から電子部品70への電源供給、電子部品70と電磁波放射体10(その電子部品)との間の信号伝送等が行われる。
【0099】
電子装置1Iのように、電磁波放射体10からの電磁波を吸収する層20I上に、電子部品70を実装することもできる。
また、
図15(B)に示す電子装置1Jは、金属膜22Iが設けられた包囲層21Iの内側に、更に金属膜22J及び包囲層21Jが設けられた層20Jを有している点で、上記電子装置1Iと相違する。層20Jは、電磁波吸収体の一例である。
【0100】
包囲層21Jには、各種絶縁材料、例えば、ABS樹脂やエポキシ樹脂等の樹脂材料が用いられる。包囲層21Jには、カーボン材料等の各種フィラーが含有されてもよい。包囲層21Jは、その厚みが、電磁波放射体10から放射されて包囲層21Jの内部を伝播する電磁波の波長の(2m−1)/4倍(mは自然数)に設定されてもよい。金属膜22Jには、各種金属材料、例えば、アルミニウム等の金属材料やニッケルクロム等の合金材料が用いられる。金属膜22Jは、開口部を設ける等、各種パターン形状とされてもよい。
【0101】
金属膜22Jには、端子25aが設けられる。例えば、端子25a、又は端子25aとそれに電気接続されるパターンは、他の部位からは分離される。これにより、当該他の部位に電磁波が入射することによって流れる電流が電子部品70に及ぼす影響を抑えることができる。
【0102】
包囲層21Jには、端子25aと接続される電極25bが設けられる。金属膜22Iに設けられた端子24a及び包囲層21Iに設けられた電極24bは、金属膜22Jに設けられた端子25a及び包囲層21Jに設けられた電極25bと接続され、電極25bは、電磁波放射体10の所定の端子に接続される(
図15(B)に点線で図示)。電極25bの、電磁波放射体10の所定の端子への接続は、ワイヤ、リード等、各種電気接続方法を用いて行うことができる。
【0103】
尚、電子装置1Jにおいて、電磁波放射体10と層20Jとの間に、上記第5の実施の形態(
図12)で述べたような充填層40を設けることもできる。そのような場合は、その充填層40を貫通するビアを設け、そのビアによって電極25bと電磁波放射体10の所定の端子との接続を行うことができる。
【0104】
このように、端子24a、電極24b及び端子25aを介して電子部品70と接続された電極25bと、電磁波放射体10の所定の端子とが接続されることで、電磁波放射体10から電子部品70への電源供給、電子部品70と電磁波放射体10との間の信号伝送等が行われる。
【0105】
電子装置1Jのように、金属膜22I及び包囲層21Iを含む層20Iの内側に、更に金属膜22J及び包囲層21Jを含む層20Jを設け、その内側の層で電磁波の吸収を行うようにしてもよい。
【0106】
尚、電子装置1I及び電子装置1Jにおいて、それらの層20I及び層20Jは、電磁波放射体10を収容する筺体として利用されてもよい。
次に、第9の実施の形態について説明する。
【0107】
上記第1〜第8の実施の形態で述べたような電子装置1,1A〜1J等は、各種電子機器(電子装置とも称される)に接続又は搭載することができる。例えば、コンピュータ(パーソナルコンピュータ、スーパーコンピュータ、サーバ等)、スマートフォン、携帯電話、タブレット端末、センサ、カメラ、オーディオ機器、測定装置、検査装置、製造装置といった、各種電子機器に搭載することができる。
【0108】
図16は第9の実施の形態に係る電子機器の説明図である。
図16には、電子機器の一例を模式的に図示している。
例えば、上記第1の実施の形態で述べたような電子装置1(
図3)が、ACアダプターのような電源装置として、各種電子機器80に接続される。電子装置1は、外部から入力される交流(AC)電力を、内部の電磁波放射体10に含まれる回路によって変換し、直流(DC)電力を電子機器80に出力する。
【0109】
電子装置1では、交流電力から直流電力への変換の際、電磁波放射体10から電磁波が放射されても、それを包囲するように設けられた層20(その包囲層21及び金属膜22)によって、その電磁波が吸収される。これにより、電子装置1の外部への電磁波の放射が抑えられ、電子装置1の電磁波による電子機器80の誤動作、及び電子装置1自体の誤動作が抑えられる。性能及び信頼性に優れる電子装置1、及びそれを用いた電子機器80が実現される。
【0110】
尚、上記第1〜第8の実施の形態で述べた他の電子装置1,1A〜1J等も同様に、各種電子機器に接続又は搭載することが可能である。