(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御手段は、前記シートが前記第2位置に位置する場合には、前記シフトレバーが前記パーキングポジションから前記他のポジションに移動するのを規制することを特徴とする請求項4に記載の車両。
前記制御手段は、前記シートを前記第2位置から前記第1位置に移動させる場合には、前記シートが所定位置に到達した後に、前記ドアを移動させることを特徴とする請求項9に記載の車両。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術において、ウォークスルースペースを大きくとるために、シートをドア付近まで移動させるように構成すると、ドアを閉じる際に、シート上に載せた荷物にドアが接触してしまうおそれがあった。
【0005】
そこで、本発明は、ドア付近に移動させたシート上の荷物に、ドアが接触するのを抑えることができる車両を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記した課題を解決するため、本発明に係る車両は、車体の左右方向の側部に形成された開口を開閉するドアと、前記開口に左右方向で対向し、第1位置と、前記第1位置よりも前記ドアに近い第2位置とに左右方向に移動可能なシートと、前記シートの位置を検出する位置検出手段と、前記ドアの開閉状態を検出する開閉検出手段と、前記ドアの開閉を制御する制御手段と、を備える。
前記制御手段は、前記ドアが開いた状態で、かつ、前記シートが前記第2位置に位置するといった第1条件が満たされる場合に、前記ドアが閉じるのを規制する。
【0007】
この構成によれば、ドアが開いた状態で、かつ、シートが第2位置、つまりドア付近の位置に位置する際には、制御手段によってドアが閉じることが規制されるので、ドア付近に移動させたシート上の荷物にドアが接触するのを抑えることができる。
【0008】
また、前記シートが、座面に物体が載置されているかを検出する物体検出手段を備える場合には、前記制御手段は、前記第1条件と、座面に物体が載置されているといった第2条件とが満たされる場合に、前記ドアが閉じるのを規制してもよい。
【0009】
これによれば、第1条件を満たす状況において、座面に物体が載置されているときのみに、ドアが閉じることが規制されるので、座面に物体が載置されていないとき、物体にドアが接触するおそれがないときには、ドアを閉めることができる。
【0010】
また、前記車両が、前記シートを前記第2位置から前記第1位置に移動させるシート移動装置を備える場合には、前記制御手段は、前記第1条件と、座面に物体が載置されていないといった第3条件とが満たされる場合において、前記ドアが開いた状態から閉じた状態へ向けて移動するように操作されると、前記シートを前記第2位置から前記第1位置に移動させてもよい。
【0011】
これによれば、第1条件を満たす状況において、座面に物体が載置されていない場合には、乗員がドアを閉めようとすると、シート移動装置によってシートが第2位置から第1位置に移動する。そのため、例えば、ウォークスルースペースをより大きくするべく、シートが車体側部の開口から左右方向外側に突出するような位置を第2位置に設定した場合であっても、ドアを閉じた際にドアがシートに干渉するのを抑えることができる。
【0012】
また、前記車両が、パーキングポジションから他のポジションへ移動可能なシフトレバーを備える場合には、前記制御手段は、前記シフトレバーが前記他のポジションに位置する場合には、前記シートの前記第1位置から前記第2位置への移動を規制してもよい。
【0013】
これによれば、車両の走行中において、シートの第1位置から第2位置への移動を規制することができる。
【0014】
また、前記制御手段は、前記シートが前記第2位置に位置する場合には、前記シフトレバーが前記パーキングポジションから前記他のポジションに移動するのを規制してもよい。
【0015】
これによれば、シートを第1位置に戻さない限り、車両を発進させることができないので、車両の走行中においてシートを適正な位置に配置することができる。
【0016】
また、前記車両は、前記ドアを開いた状態にロックするロック機構を備え、前記制御手段は、前記ロック機構によって前記ドアが閉じるのを規制してもよい。
【0017】
これによれば、ロック機構によって、ドアが閉じるのを良好に規制することができる。
【0018】
また、本発明に係る車両は、車体の左右方向の側部に形成された開口を開閉するドアと、前記開口に左右方向で対向し、第1位置と、前記第1位置よりも前記ドアに近い第2位置とに左右方向に移動可能なシートと、前記シートの位置を検出する位置検出手段と、
前記ドアの開閉状態を検出する開閉検出手段と、前記シートを前記第2位置から前記第1位置に移動させるシート移動装置と、前記シート移動装置を制御する制御手段と、を備える。
前記制御手段は、前記ドアが開いた状態で、かつ、前記シートが前記第2位置に位置するといった第1条件が満たされる場合において、前記ドアが開いた状態から閉じた状態へ向けて移動するように操作されると、前記シートを前記第2位置から前記第1位置に移動させる。
【0019】
この構成によれば、ドアが開いた状態で、かつ、シートが第2位置、つまりドア付近の位置に位置する場合において、ドアを閉じる操作がなされると、制御手段によってシートが第2位置から第1位置に移動するので、ドア付近に移動させたシート上の荷物にドアが接触するのを抑えることができる。
【0020】
また、前記シートは、座面に物体が載置されているかを検出する物体検出手段を備え、
前記制御手段は、前記第1条件と、座面に物体が載置されているといった第2条件とが満たされる場合において、前記ドアが開いた状態から閉じた状態へ向けて移動するように操作されると、前記シートを前記第2位置から前記第1位置に移動させてもよい。
【0021】
また、前記車両は、前記制御手段からの信号によって前記ドアを開閉させる開閉装置を備え、前記制御手段は、前記シートを前記第2位置から前記第1位置に移動させる場合には、前記ドアを移動させる前に、前記シートの移動を開始してもよい。
【0022】
これによれば、ドアを移動させる前にシートの移動を開始するので、ドア付近に移動させたシート上の荷物にドアが接触するのを抑えることができる。
【0023】
また、前記制御手段は、前記シートを前記第2位置から前記第1位置に移動させる場合には、前記シートが所定位置に到達した後に、前記ドアを移動させてもよい。
【0024】
これによれば、シートが所定位置に到達した後にドアを移動させるので、ドア付近に移動させたシート上の荷物にドアが接触するのを抑えることができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、ドアが開いた状態で、かつ、シートが第2位置、つまりドア付近の位置に位置する際には、制御手段によってドアが閉じることが規制されるので、ドア付近に移動させたシート上の荷物にドアが接触するのを抑えることができる。
【0026】
また、本発明によれば、第1条件を満たす状況において、座面に物体が載置されているときのみに、ドアが閉じることが規制されるので、座面に物体が載置されていないとき、物体にドアが接触するおそれがないときには、ドアを閉めることができる。
【0027】
また、本発明によれば、第1条件を満たす状況において、座面に物体が載置されていない場合には、乗員がドアを閉めようとすると、シート移動装置によってシートが第2位置から第1位置に移動する。そのため、例えば、ウォークスルースペースをより大きくするべく、シートが車体側部の開口から左右方向外側に突出するような位置を第2位置に設定した場合であっても、ドアを閉じた際にドアがシートに干渉するのを抑えることができる。
【0028】
また、本発明によれば、車両の走行中において、シートの第1位置から第2位置への移動を規制することができる。
【0029】
また、本発明によれば、シートを第1位置に戻さない限り、車両を発進させることができないので、車両の走行中においてシートを適正な位置に配置することができる。
【0030】
また、本発明によれば、ロック機構によって、ドアが閉じるのを良好に規制することができる。
【0031】
また、本発明によれば、ドアが開いた状態で、かつ、シートが第2位置、つまりドア付近の位置に位置する場合において、ドアを閉じる操作がなされると、制御手段によってシートが第2位置から第1位置に移動するので、ドア付近に移動させたシート上の荷物にドアが接触するのを抑えることができる。
【0032】
また、本発明によれば、ドアを移動させる前にシートの移動を開始するので、ドア付近に移動させたシート上の荷物にドアが接触するのを抑えることができる。
【0033】
また、本発明によれば、シートが所定位置に到達した後にドアを移動させるので、ドア付近に移動させたシート上の荷物にドアが接触するのを抑えることができる。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図1に示すように、実施形態に係る車両Cは、車体Bに、右前席S1、左前席S2、右後席S3、左後席S4および最後部席S5が設けられている。また、車両Cは、ドアの一例としての左右のスライドドアDL,DRと、シフトレバー機構80と、制御手段の一例としてのECU100とを備えている。
【0036】
右前席S1および左前席S2は、車体Bにおけるシートの列として、最も前の列、つまり、前から1列目に左右に並んで配置されている。なお、本明細書において、前後左右は車両Cを基準とする。
【0037】
右後席S3および左後席S4は、前から2列目のシートとして左右に並んで配置されている。右後席S3および左後席S4は、シートの一例であり、実線で示した第1位置と、二点鎖線で示した第1位置とは異なる第2位置との間で左右方向に移動可能である。具体的には、第1位置は、車両Cを運行可能な位置であり、第2位置は、第1位置に対して左右方向外側の位置である。第2位置は、主に右後席S3と左後席S4の間に通路PSを作って右後席S3と左後席S4の間を乗員が通るための位置であり、一例として、運行時以外に利用する位置である。
左後席S4に対して、右後席S3は、第1位置にある左後席S4に隣接して配置されている。左後席S4は、第2位置において、第1位置よりも右後席S3から遠い。言い換えると、左後席S4は、第2位置において、第1位置よりも後述する左側のスライドドアDL(後述する左側の開口HL)に近い。
【0038】
最後部席S5は、前から3列目に配置された2人または3人がけのシートである。
【0039】
右後席S3と左後席S4は、いわゆる6:4分割可倒式のシートであり、右後席S3の方が左後席S4よりも左右方向の幅が大きい以外は大きな違いは無い。そのため、右後席S3と左後席S4の構成については、左後席S4を代表して説明する。また、符号の末尾に「L」を付した車両Cの左側の各構造も、符号の末尾に「R」を付した車両Cの右側の各構造と略同様であるため、以下においては、左側の構造を代表して説明する。なお、以下の説明において、車両Cの左側の構造と右側の構造の両方を示す場合には、符号の末尾の「L,R」を省いて数字のみで示す場合もある。
【0040】
左後席S4は、車体Bのフロアパネルに固定されるロアレールRLによって左右方向に移動可能となっている。ロアレールRLと左後席S4との間には、シート移動装置の一例としてのボールねじ機構5Lが設けられている。これにより、左後席S4は、ボールねじ機構5Lが一方向に回転する場合に第1位置から第2位置へ移動し、ボールねじ機構5Lが他方向に回転する場合に第2位置から第1位置へ移動する。
【0041】
また、左後席S4は、左後席S4を左右方向に移動させるためのシート移動スイッチ61Lと、物体検出手段の一例としての荷重センサ71Lとを備えている。シート移動スイッチ61Lとしては、例えば、中立位置から右に傾けると左後席S4を第1位置に向けて移動させる信号を出力し、中立位置から左に傾けると左後席S4を第2位置に向けて移動させる信号を出力するスイッチを使用することができる。なお、シート移動スイッチ61Lからの信号は、ECU100に出力される。
【0042】
荷重センサ71Lは、座面に物体が載置されているかを検出するセンサである。荷重センサ71Lで物体を検出すると、荷重センサ71Lは、そのことを示す信号をECU100に出力する。
【0043】
車体Bのフロアパネルには、第1位置センサ72Lと、位置検出手段の一例としての第2位置センサ73Lが設けられている。第1位置センサ72Lは、左後席S4が第1位置に位置することを検出するセンサであり、第2位置センサ73Lは、左後席S4が第2位置に位置することを検出するセンサである。各位置センサ72L,73Lとしては、例えば反射型の光センサを使用することができる。各位置センサ72L,73Lは、左後席S4の位置を検出すると、そのことを示す信号をECU100に出力する。
【0044】
車体Bの左側の側部BLには、左後席S4に左右方向で対向する開口HLが形成されている。そして、開口HLは、スライドドアDLによって開閉されるようになっている。側部BLの後部には、スライドドアDLを移動可能に支持するスライド機構1Lが設けられている。スライド機構1Lは、図示せぬ駆動源を備えており、ECU100からの信号によってスライドドアDLを開閉することが可能となっている。つまり、スライド機構1Lは、開閉装置の一例である。スライド機構1Lは、スライドドアDLとスライド機構1Lとの連結部分をガイドするガイド溝11Lを備えている。
【0045】
側部BLの後部には、スライドドアDLが全開状態であることを検知する開センサ2Lが設けられ、開口HLの前端近傍には、スライドドアDLが全閉状態であることを検知する閉センサ3Lが設けられている。開センサ2Lおよび閉センサ3Lは、スライドドアDLの開閉状態を検出する開閉検出手段の一例である。開センサ2Lおよび閉センサ3Lとしては、例えば反射型の光センサを使用することができる。開センサ2Lおよび閉センサ3Lは、左後席S4の有無を検出すると、そのことを示す信号をECU100に出力する。
【0046】
側部BLの後部には、スライドドアDLを開いた状態にロックするロック機構4Lが設けられている。ロック機構4Lは、左右方向に進退可能なロックピン41Lを備えている。ロックピン41Lは、
図2に示すようなガイド溝11L内に突出する位置と、
図1に示すようなガイド溝11L内から退避する位置とに進退可能となっている。そして、ロックピン41Lは、ガイド溝11L内に突出しているときに、スライドドアDL(例えばスライドドアDLとスライド機構1Lとの連結部分)と接触することで、スライドドアDLが全開状態から全閉状態に向けて動かされるのを規制する。
【0047】
シフトレバー機構80は、パーキングポジションから他のポジションへ移動可能なシフトレバー81を備えている。なお、他のポジションとしては、例えば、車両Cをバックさせるためのバックポジション「R」、エンジンの駆動力の車輪への伝達を切るためのニュートラルポジション「N」、車両Cを走行させるためのドライブポジション「D」などが挙げられる。シフトレバー機構80は、シフトレバー81の位置を検出するための図示せぬシフト位置センサを備えている。シフト位置センサは、シフトレバー81の位置を示す信号をECU100に出力する。
【0048】
シフトレバー機構80には、シフトレバー81の位置をパーキングポジション「P」にロックするためのシフトロック機構90が設けられている。シフトロック機構90は、例えば進退可能なピンを備えており、ピンがシフトレバー81に係合するときにシフトレバー81の移動を規制し、ピンがシフトレバー81から外れたときにシフトレバー81の移動を許容する。シフトロック機構90は、ピンを動作させるための駆動源を備え、この駆動源はECU100によって制御される。
【0049】
車体Bの右前席S1の近傍とスライドドアDLの取手部付近には、それぞれ、スライドドアDLを開閉するための第1開閉スイッチ62Lおよび第2開閉スイッチ63Lが設けられている。第1開閉スイッチ62Lおよび第2開閉スイッチ63Lとしては、例えば、押す動作によって信号を出力するプッシュスイッチなどを使用することができる。各開閉スイッチ62L,63Lからの信号は、ECU100に出力される。
【0050】
なお、ECU100は、各開閉スイッチ62L,63Lの信号と、開センサ2Lおよび閉センサ3Lの信号とに基づいて、スライドドアDLを開方向に移動させるか、閉方向に移動させるかを判断する。詳しくは、ECU100は、スライドドアDLが全開状態であるときに第1開閉スイッチ62Lまたは第2開閉スイッチ63Lから信号を受けると、スライドドアDLを閉じる操作がなされたと判定する。また、ECU100は、スライドドアDLが全閉状態であるときに第1開閉スイッチ62Lまたは第2開閉スイッチ63Lから信号を受けると、スライドドアDLを開ける操作がなされたと判定する。
【0051】
ECU100は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)および入出力回路を備えており、各スイッチ61,62や各センサ2,3,71,72などからの入力と、ROMに記憶されたプログラムやデータに基づいて各種演算処理を行うことによって、制御を実行する。特に、本実施形態では、ECU100は、スライドドアDの開閉を制御したり、シフトロック機構90を制御する。
【0052】
ECU100は、左側のスライドドアDLが開いた状態で、かつ、左後席S4が第2位置に位置するといった第1条件と、左後席S4の座面に物体が載置されているといった第2条件とが満たされる場合に、ロック機構4LによってスライドドアDLが閉まるのを規制する機能を有している。また、ECU100は、右側のスライドドアDRが開いた状態で、かつ、右後席S3が第2位置に位置するといった第1条件と、右後席S3の座面に物体が載置されているといった第2条件とが満たされる場合に、ロック機構4LによってスライドドアDRが閉まるのを規制する機能を有している。
【0053】
ECU100は、左側の構造において、前述した第1条件と、座面に物体が載置されていないといった第3条件とが満たされる場合には、左側のスライドドアDLが開いた状態から閉じた状態へ向けて移動するように操作されると、ボールねじ機構5Lによって左後席S4を第2位置から第1位置に移動させる機能を有している。また、ECU100は、右側の構造において、前述した第1条件と、座面に物体が載置されていないといった第3条件とが満たされる場合には、右側のスライドドアDRが開いた状態から閉じた状態へ向けて移動するように操作されると、ボールねじ機構5Rによって右後席S3を第2位置から第1位置に移動させる機能を有している。
【0054】
ECU100は、シート移動スイッチ61が操作された場合であっても、シフトレバー81がパーキングポジション「P」以外の他のポジションに位置する場合には、ボールねじ機構5を動作させないことで、右後席S3および左後席S4の第1位置から第2位置への移動を規制する機能を有している。また、ECU100は、右後席S3および左後席S4の少なくとも一方が第2位置に位置する場合には、シフトロック機構90によってシフトレバー81の位置をパーキングポジション「P」にロックすることで、シフトレバー81がパーキングポジション「P」から他のポジションに移動するのを規制する機能を有している。
【0055】
次に、ECU100の動作について詳細に説明する。
ECU100は、
図3に示すドアロック制御と、
図4に示すシフトレバー制御と、
図5に示すシート移動制御を実行する。詳しくは、ECU100は、ドアロック制御およびシート移動制御については、左後席S4と右後席S3のそれぞれに対して個別に実行する。なお、各図面では、便宜上、左後席S4および右後席S3を総称して「シート」とし、左側および右側の各スライドドアDL,DRを総称して「ドア」とする。
【0056】
ECU100は、ドアロック制御、シフトレバー制御およびシート移動制御を常時繰り返し実行している。なお、以下の説明において、ドアロック制御およびシート移動制御については、左側の構造の制御を代表して説明する。
【0057】
図3に示すドアロック制御において、ECU100は、まず、開センサ2Lからの信号に基づいて、左側のスライドドアDLが全開状態であるか否かを判断する(S11)。ステップS11において全開状態であると判断した場合には(Yes)、ECU100は、第2位置センサ73Lからの信号に基づいて、左後席S4が第2位置に位置するか否かを判断する(S12)。
【0058】
ステップS12において左後席S4が第2位置に位置すると判断した場合には(Yes)、ECU100は、左後席S4の荷重センサ71LからON信号が出力されているか、つまり左後席S4の座面に物体が載置されているか否かを判断する(S13)。ステップS13において荷重センサ71LからON信号が出力されていると判断した場合には(Yes)、ECU100は、ロック機構4LによってスライドドアDLを全開状態にロックして(S14)、本制御を終了する。ステップS11〜S13のいずれかにおいてNoと判断した場合には、ECU100は、ロック機構4LによるスライドドアDLのロックを解除して(S15)、本制御を終了する。
【0059】
図4に示すシフトレバー制御において、ECU100は、まず、シフトレバー機構80の図示せぬシフト位置センサからの信号に基づいて、シフトレバー81がパーキングポジション「P」に位置するか否かを判断する(S21)。ステップS21においてシフトレバー81がパーキングポジション「P」に位置していないと判断した場合には(No)、ECU100は、本制御を終了する。
【0060】
ステップS21においてシフトレバー81がパーキングポジション「P」に位置していると判断した場合には(Yes)、ECU100は、第1位置センサ72Lからの信号に基づいて、右後席S3および左後席S4がどちらも第1位置に位置しているか否かを判断する(S22)。ステップS22において右後席S3および左後席S4が第1位置に位置すると判断した場合には(Yes)、ECU100は、パーキングポジション「P」でのシフトレバー81のロックを解除する(S23)。
【0061】
ステップS22において右後席S3および左後席S4の少なくとも一方が第1位置に位置していないと判断した場合には(No)、ECU100は、シフトロック機構90によってシフトレバー81をパーキングポジション「P」にロックして(S24)、本制御を終了する。つまり、右後席S3および左後席S4の少なくとも一方が第2位置に位置する場合には、ステップS22においてNoと判断されて、シフトレバー81がパーキングポジション「P」にロックされる。
【0062】
図5に示すシート移動制御において、ECU100は、まず、シート移動スイッチ61Lからの信号に基づいて、シート移動スイッチ61Lの操作があったか否かを判断する(S31)。ステップS31においてシート移動スイッチ61Lの操作があったと判断した場合には(Yes)、ECU100は、シフトレバー機構80の図示せぬシフト位置センサからの信号に基づいて、シフトレバー81がパーキングポジション「P」に位置するか否かを判断する(S32)。
【0063】
ステップS32においてシフトレバー81がパーキングポジション「P」に位置すると判断した場合には(Yes)、ECU100は、シート移動スイッチ61Lの信号に応じて左後席S4を移動させる(S33)。ステップS33の後、または、ステップS31,S32でNoと判断した場合には、ECU100は、スライドドアDLを操作する信号、詳しくは第1開閉スイッチ62Lまたは第2開閉スイッチ63Lからの信号が入ったか否かを判断する(S34)。
【0064】
ステップS34においてスライドドアDLを操作する信号が入ったと判断した場合には(Yes)、ECU100は、開センサ2Lからの信号に基づいて、スライドドアDLが全開状態であるか否かを判断する(S35)。ステップS35においてスライドドアDLが全開状態であると判断した場合には(Yes)、ECU100は、第2位置センサ73Lからの信号に基づいて、左後席S4が第2位置に位置するか否かを判断する(S36)。
【0065】
ステップS36において左後席S4が第2位置に位置すると判断した場合には(Yes)、ECU100は、荷重センサ71LがOFFであるか、つまり左後席S4の座面に物体が存在しないか否かを判断する(S37)。ステップS37において荷重センサ71LがOFFであると判断すると(Yes)、ECU100は、ボールねじ機構5Lによって左後席S4を第2位置から第1位置に移動させる(S38)。ステップS38の後、または、ステップS34〜S37のいずれかにおいてNoと判断した場合には、ECU100は、本制御を終了する。
【0066】
次に、本実施形態に係る車両Cの作用効果について
図6〜
図9を参照して詳細に説明する。詳しくは、車両Cに複数の乗員を順次相乗りさせていくときの作用効果について説明する。なお、右後席S3および左後席S4の初期状態での位置は、第1位置とする。また、
図6〜
図9においては、便宜上、作動しているスイッチ等の部材を黒色で塗りつぶして表示することとする。
【0067】
図6(a)に示すように、車両Cを運転している運転者Xは、最初の乗員Yとの待ち合わせ場所に到着すると、車両Cを停車させ、シフトレバー81をドライブポジション「D」からパーキングポジション「P」にシフトさせる。次に、運転者Xは、
図6(b)に示すように、第1開閉スイッチ62Lを操作する。これにより、左側のスライドドアDLが全閉状態から全開状態に移動する。
【0068】
次いで、乗員Yは、
図7(a)に示すように、右後席S3および左後席S4をともに第2位置に移動させるべく、左右のシート移動スイッチ61L,61Rを操作する。この際、シフトレバー81がパーキングポジション「P」に位置していることから、ECU100は、ステップS31,S32の各処理でYesと判断して、右後席S3および左後席S4をともに第2位置に移動させる。これにより、右後席S3と左後席S4の間に、通路PSが形成される。
【0069】
なお、このように右後席S3および左後席S4が第2位置に移動すると、ECU100は、ステップS22の処理でNoと判断し、シフトロック機構90によってシフトレバー81をパーキングポジション「P」にロックする。
【0070】
次に、乗員Yは、
図7(b)に示すように、右後席S3と左後席S4の間の通路PSを通って最後部席S5に移動して着席する。この際、乗員Yが持っていた荷物CBを左後席S4に置いてしまうと、ステップS11〜S13でのすべての条件が満たされてしまうため、ECU100は、ロック機構4LによってスライドドアDLを全開状態にロックする。そのため、運転者Xが第1開閉スイッチ62Lを操作しても、左側のスライドドアDLは閉まらないので、荷物CBにスライドドアDLが接触するのを抑えることができる。
【0071】
図8(a)に示すように、乗員Yが左後席S4から荷物CBを退けると、ステップS31の条件が満たされなくなるので、ECU100は、ロック機構4LによるスライドドアDLのロックを解除する。その後、運転者Xが、
図8(b)に示すように、再度第1開閉スイッチ62Lを操作すると、ロック解除されたスライドドアDLが全開状態から全閉状態に向けて移動する。また、この際、ECU100は、ステップS34〜S37の各処理においてYesと判断して、第2位置に位置している左後席S4を第1位置に移動させる。
【0072】
これにより、スライドドアDLが左後席S4に干渉するのを抑えることができる。特に、例えば、通路PSをより大きくするべく、左後席S4が車体Bの側部BLの開口HLから左右方向外側に突出するような位置を第2位置に設定した場合には、干渉を良好に抑えることができる。
【0073】
スライドドアDLが閉まった後、運転者Xは、次の乗員を迎えに行くべく、シフトレバー81をパーキングポジション「P」からドライブポジション「D」に移動させようとする。しかし、右後席S3が第2位置のままである、つまりステップS22の条件が満たされていないため、シフトレバー81がパーキングポジション「P」にロックされたままとなり、運転者Xはシフトレバー81をパーキングポジション「P」から動かすことができない。
【0074】
これにより、右後席S3を第1位置に戻さない限り、車両Cを発進させることができないので、車両Cの走行中において右後席S3および左後席S4を適正な位置に配置することができる。
【0075】
シフトレバー81がロックされていることに気づいた運転者Xは、乗員Yに右側のシート移動スイッチ61Rの操作を促す。乗員Yがシート移動スイッチ61Rを操作すると、
図9に示すように、右後席S3が第2位置から第1位置に移動する。これにより、ステップS22の条件が満たされるので、シフトレバー81のロックが解除される。
【0076】
その後、運転者Xは、シフトレバー81をパーキングポジション「P」からドライブポジション「D」にシフトして、車両Cを発進させる。車両Cの走行中において、乗員Yが誤ってシート移動スイッチ61L,61Rを操作してしまった場合には、ステップS32の処理でNoと判断されるので、車両Cの走行中に右後席S3または左後席S4が第2位置へ移動してしまうのを抑えることができる。
【0077】
以上に本発明の実施形態について説明したが、本発明は、以下の他の形態に示すように、適宜変形して実施することが可能である。
【0078】
前記実施形態では、第1条件と第2条件が満たされた場合に、スライドドアDLが閉まるのを規制することとしたが、本発明はこれに限定されず、第1条件のみが満たされる場合に、スライドドアDLが閉まるのを規制してもよい。詳しくは、ECU100は、
図10に示す第1変形例に係るフローチャートに従ってドアロック制御を実行してもよい。ここで、
図10に示すフローチャートは、
図3に示すフローチャートからステップS13を削除したものである。この場合であっても、第1条件が満たされればスライドドアDLが閉まらないので、左後席S4上に載せた物体にスライドドアDLが接触するのを抑えることができる。
【0079】
前記実施形態では、ロック機構4LによってスライドドアDLが閉まるのを規制したが、本発明はこれに限定されず、例えば、スライドドアDLを動作させるための信号をECU100からスライド機構1Lに出力しないことにより、スライドドアDLが閉まるのを規制してもよい。ただし、前記実施形態のようにロック機構4Lによって規制する場合には、スライドドアDLを機械的にロックすることができるので、スライドドアDLが閉まるのをに良好に規制することができる。なお、シフトレバー81の移動の規制も、同様に、シフトロック機構90のような機械的なロックに限らず、制御手段の制御で行ってもよい。
【0080】
前記実施形態では、スライドドアDLを全開状態にロックしたが、本発明はこれに限定されず、スライドドアDLが閉まることが規制されればよい。つまり、例えば、スライドドアDLが完全に閉まる前に、スライドドアDLの閉方向への移動が規制されればよい。
【0081】
前記実施形態では、ドアの一例としてスライドドアDLを例示したが、本発明はこれに限定されず、例えば回動式のドアであってもよい。
【0082】
前記実施形態では、位置検出手段および開閉検出手段として、光センサを例示したが、本発明はこれに限定されず、例えば圧力センサなど他のセンサであってもよい。
【0083】
前記実施形態では、物体検出手段として荷重センサ7Lを例示したが、本発明はこれに限定されず、例えば光センサなど他のセンサであってもよい。
【0084】
前記実施形態では、シート移動装置としてボールねじ機構5Lを例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、シートを第2位置から第1位置に向けて付勢するバネと、シートを第2位置にロックするロック部材とを備えたシート移動装置であってもよい。つまり、シートの第1位置から第2位置への移動は手動で行い、第2位置から第1位置への移動はバネによって行うシート移動装置であってもよい。これによれば、例えば、第1条件および第3条件が満たされている状況において、ドアが操作された場合に、制御手段の制御によってロック部材のロックを解除することで、シートを第2位置から第1位置に移動させることができる。
【0085】
前記実施形態では、左後席S4を動作させるための信号をECU100からボールねじ機構5Lに出力しないことで、走行中における左後席S4の第2位置への移動を規制したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、シートを第1位置にロックするロック部材を設けてもよい。これによれば、シフトレバーが他のポジションに位置する場合には、ロック部材でシートの位置をロックし、シフトレバーがパーキングポジションに位置する場合には、シートの位置のロックを解除するように、制御手段を構成することで、前記実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0086】
前記実施形態では、右後席S3および左後席S4の両方に本発明を適用したが、左右のうち一方のシートのみに本発明を適用してもよい。
【0087】
前記実施形態では、左右のスライドドアDL,DRを両方とも電動式にしたが、本発明はこれに限定されず、左右の片側のスライドドアのみが電動式であってもよいし、両方のスライドドアが手動式であってもよい。この場合、本発明を、手動式のスライドドアに適用してもよい。
【0088】
前記実施形態では、スライドドアDLが閉じるのを規制することで荷物CBにスライドドアDLが接触するのを抑えたが、本発明はこれに限定されず、例えばシートを第2位置から第1位置に移動させることで荷物にスライドドアが接触するのを抑えてもよい。具体的には、ECU100は、
図3および
図5に示す各制御の代わりに、
図11に示す第2変形例に係るシート移動制御を実行するように構成されていてもよい。ここで、
図11に示すシート移動制御は、
図5に示すシート移動制御の一部を変更したものなので、同一の処理には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0089】
図11に示すシート移動制御において、ECU100は、ステップS34〜S36の各処理ですべてYesと判断した場合には、左後席S4を第1位置へ移動させる(S40)。つまり、ECU100は、スライドドアDLが開いた状態で、かつ、左後席S4が第2位置に位置するといった第1条件が満たされる場合において、スライドドアDLが開いた状態から閉じた状態へ向けて移動するように操作されると、左後席S4を第2位置から第1位置に移動させる。また、ECU100は、ステップS34〜S36のいずれかの処理でNoと判断した場合には、本制御を終了する。
【0090】
また、この第2変形例では、左後席S4を第2位置から第1位置に移動させる処理(S40)において、
図12に示すシート退避制御を実行している。シート退避制御において、ECU100は、まず、左後席S4の第2位置から第1位置への移動を開始する(S41)。
【0091】
ステップS41の後、ECU100は、左後席S4が所定位置に到達したか否かを判断する(S42)。ここで、この第2変形例において、所定位置は、第1位置と第2位置との間の位置とする。なお、所定位置は、第1位置から第2位置までの間の位置のうち第2位置以外の位置であれば、どのような位置であってもよく、例えば第1位置であってもよい。
【0092】
また、所定位置に到達したか否かの判断は、例えば、左後席S4の移動を開始した時点からの経過時間が所定時間に達したか否かを判断することで行うことができる。なお、本発明はこれに限定されず、例えば、左後席S4が所定位置に位置することを検出する位置センサを設け、この位置センサからの信号に基づいて上記の判断を行ってもよい。
【0093】
ステップS42において所定位置に到達したと判断した場合には(Yes)、ECU100は、スライドドアDLの移動を開始する(S43)。つまり、ECU100は、左後席S4を第2位置から第1位置に移動させる場合には、左後席S4が所定位置に到達した後に、スライドドアDLを移動させる。言い換えると、ECU100は、左後席S4を第2位置から第1位置に移動させる場合には、スライドドアDLを移動させる前に、左後席S4の移動を開始している。
【0094】
ステップS43の後、ECU100は、左後席S4が第1位置に到達したか否かを判断する(S44)。ステップS44において第1位置に到達したと判断した場合には(Yes)、ECU100は、左後席S4の移動を停止する(S45)。
【0095】
ステップS45の後、ECU100は、閉センサ3Lからの信号に基づいて、スライドドアDLが閉まったか否かを判断する(S46)。ステップS46においてスライドドアDLが閉まったと判断した場合には(Yes)、ECU100は、スライドドアDLの移動を停止して(S47)、本制御を終了する。
【0096】
この第2変形例によれば、スライドドアDLが開いた状態で、かつ、左後席S4が第2位置、つまりスライドドアDL付近の位置に位置する場合において、スライドドアDLを閉じる操作がなされると、ECU100によって左後席S4が第2位置から第1位置に移動するので、スライドドアDL付近に移動させた左後席S4上の荷物CBにスライドドアDLが接触するのを抑えることができる。
【0097】
また、スライドドアDLを移動させる前に左後席S4の移動を開始する、詳しくは左後席S4が所定位置に到達した後にスライドドアDLを移動させるので、スライドドアDL付近に移動させた左後席S4上の荷物CBにスライドドアDLが接触するのを良好に抑えることができる。
【0098】
なお、前述したシート退避制御は、前記実施形態において実行してもよい。具体的には、
図5のフローチャートにおいて、ステップS38の処理に代えて、ステップS40の処理を設けてもよい。
【0099】
図11に示すシート移動制御では、第1条件が満たされる場合において、スライドドアDLが開いた状態から閉じた状態へ向けて移動するように操作されると、左後席S4を第2位置から第1位置に移動させたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、
図13に示すように、ECU100は、第1条件と、座面に物体が載置されているといった第2条件とが満たされる場合において、スライドドアDLが開いた状態から閉じた状態へ向けて移動するように操作されると、左後席S4を第2位置から第1位置に移動させるように構成されていてもよい。具体的に、
図13に示すシート移動制御では、
図11に示すフローチャートのステップS31〜S36,S40の各処理を備える他、ステップS36とステップS40との間に新たなステップS39を設けている。
【0100】
ECU100は、ステップS36においてYesと判断すると、荷重センサ71LからON信号が出力されているか、つまり左後席S4の座面に物体が載置されているか否かを判断する(S39)。ステップS39の後、ECU100は、ステップS40の処理を実行する。この第3変形例でも、スライドドアDL付近に移動させた左後席S4上の荷物CBにスライドドアDLが接触するのを抑えることができる。
【0101】
また、前記した実施形態および変形例で説明した各要素を、任意に組み合わせて実施してもよい。