特許第6985612号(P6985612)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6985612
(24)【登録日】2021年11月30日
(45)【発行日】2021年12月22日
(54)【発明の名称】レーダー装置
(51)【国際特許分類】
   G01S 7/35 20060101AFI20211213BHJP
【FI】
   G01S7/35
【請求項の数】17
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-558835(P2018-558835)
(86)(22)【出願日】2017年10月12日
(86)【国際出願番号】JP2017036980
(87)【国際公開番号】WO2018123204
(87)【国際公開日】20180705
【審査請求日】2020年9月16日
(31)【優先権主張番号】特願2016-253032(P2016-253032)
(32)【優先日】2016年12月27日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】514315159
【氏名又は名称】株式会社ソシオネクスト
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】林 錠二
【審査官】 九鬼 一慶
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−197283(JP,A)
【文献】 特表2002−533979(JP,A)
【文献】 国際公開第2016/031108(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2016/0266245(US,A1)
【文献】 特開2016−166859(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/00 − 7/42
G01S 13/00 −13/95
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
局部発振信号を出力する局部発振器と、送信系と、受信系とを備えたレーダー装置であって、
前記送信系は、
前記局部発振信号を受ける送信用入力と、
前記送信用入力を介して受けた前記局部発振信号に基づく送信信号を送出する手段とを有し、
前記受信系は、
前記送信用入力とは別に前記局部発振信号を受ける受信用入力と、
前記送信信号に基づく反射波を受信する受信手段と、
前記受信用入力を受けて90度の位相差のある第1の局部発振信号及び第2の局部発振信号を生成するIQ生成回路と、
前記IQ生成回路で生成された前記第1の局部発振信号及び第2の局部発振信号に基づいてキャンセル信号を生成するキャンセル信号生成手段と、
前記キャンセル信号を前記受信手段で受信された受信信号に重畳する重畳手段とを有するレーダー装置。
【請求項2】
請求項1記載のレーダー装置において、
前記受信手段は周波数変換のためのミキサを有し、前記重畳手段は前記ミキサの前段で前記重畳を行うレーダー装置。
【請求項3】
請求項1記載のレーダー装置において、
前記キャンセル信号生成手段は、前記第1の局部発振信号に基づくIのキャンセル信号と、前記Iのキャンセル信号と90度の位相差を有し、前記第2の局部発振信号に基づくQのキャンセル信号の各々の振幅を調整するレーダー装置。
【請求項4】
請求項1記載のレーダー装置において、
前記局部発振器は、周波数変調された局部発振信号を出力するレーダー装置。
【請求項5】
請求項4記載のレーダー装置において、
前記キャンセル信号生成手段は、前記局部発振信号の周波数情報に応じて前記キャンセル信号を調整するレーダー装置。
【請求項6】
請求項1記載のレーダー装置において、
前記受信手段は低雑音増幅器を有し、前記重畳手段は前記低雑音増幅器の前段で前記重畳を行うレーダー装置。
【請求項7】
請求項1記載のレーダー装置において、
各々前記送信系の構成を有する少なくとも1つの送信系回路と、各々前記受信系の構成を有する複数の受信系回路とを備えたレーダー装置。
【請求項8】
請求項7記載のレーダー装置において、
全回路がワンパッケージで構成されたレーダー装置。
【請求項9】
請求項8記載のレーダー装置において、
前記複数の受信系回路が有する受信アンテナは、パッケージ基板上に配列された平面アンテナであるレーダー装置。
【請求項10】
局部発振信号を出力する局部発振器と、少なくとも1つの送信系回路と、複数の受信系回路とを備えたレーダー装置であって、
前記送信系回路の各々は、
前記局部発振信号を受ける送信用入力と、
前記送信用入力を介して受けた前記局部発振信号に基づく送信信号を送出する手段とを有し、
前記受信系回路の各々は、
前記送信用入力とは別に前記局部発振信号を受ける受信用入力と、
前記送信信号のうちの1つに基づく反射波を受信する受信手段と、
前記受信用入力を受けて90度の位相差のある第1の局部発振信号及び第2の局部発振信号を生成するIQ生成回路と、
前記IQ生成回路で生成された前記第1の局部発振信号及び第2の局部発振信号に基づいてキャンセル信号を生成するキャンセル信号生成手段と、
前記キャンセル信号を前記受信手段で受信された受信信号に重畳する重畳手段とを有するレーダー装置。
【請求項11】
請求項10記載のレーダー装置において、
前記受信手段は周波数変換のためのミキサを有し、前記重畳手段は前記ミキサの前段で前記重畳を行うレーダー装置。
【請求項12】
請求項10記載のレーダー装置において、
前記キャンセル信号生成手段は、前記第1の局部発振信号に基づくIのキャンセル信号と、前記Iのキャンセル信号と90度の位相差を有し、前記第2の局部発振信号に基づくQのキャンセル信号の各々の振幅を調整するレーダー装置。
【請求項13】
請求項10記載のレーダー装置において、
前記局部発振器は、周波数変調された局部発振信号を出力するレーダー装置。
【請求項14】
請求項13記載のレーダー装置において、
前記キャンセル信号生成手段は、前記局部発振信号の周波数情報に応じて前記キャンセル信号を調整するレーダー装置。
【請求項15】
請求項10記載のレーダー装置において、
前記受信手段は低雑音増幅器を有し、前記重畳手段は前記低雑音増幅器の前段で前記重畳を行うレーダー装置。
【請求項16】
請求項10記載のレーダー装置において、
全回路がワンパッケージで構成されたレーダー装置。
【請求項17】
請求項16記載のレーダー装置において、
前記複数の受信系回路が有する受信アンテナは、パッケージ基板上に配列された平面アンテナであるレーダー装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーダー装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
距離や速度測定用のレーダー装置として、連続波レーダー装置が知られている。連続波レーダー装置は、送信信号とそれが目標物にて反射して戻ってきた信号(受信信号)との周波数の差を解析して、目標物のレーダー装置に対する移動速度や目標物までの距離を測定するものである。
【0003】
このようなレーダー装置では、送信系と受信系とが同時に動作し、送信系から受信系へ信号が漏れることで測定精度が下がる。特にレーダー装置の小型化につれて、送信系と受信系との距離が近くなり、漏れ信号の影響が顕著となっている。
【0004】
従来技術によれば、送信系から受信系への漏れ信号と同じ振幅で位相が反転した信号を、送信出力から取り出した信号に振幅調整と位相調整とを施して生成し、受信系の入力に加えることで、漏れ信号を打ち消そうとしている(特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−71751号公報
【特許文献2】国際公開第2016/031108号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来技術のように、送信系の出力から信号を取り出し、振幅調整と位相調整とを施し、その結果を受信系の入力に加えると、通常は互いに離間して配置される送信系から受信系への信号配線の引き回しが大きくなり、特にミリ波等の高周波信号を伝送線路で配線すると大きな配線面積が必要となる。
【0007】
また、距離や速度だけでなく、角度も測定するレーダー装置は、複数の送信系回路と複数の受信系回路とを有することがある。この場合にも送信系回路と受信系回路との全ての組み合わせで漏れ信号を打ち消す信号を生成するには、送信系回路から受信系回路への信号配線の引き回しが錯綜し、面積大、かつ高周波の配線や回路が複雑になって実現困難である。
【0008】
本発明の目的は、送信系から受信系への漏れ信号による測定精度の低下を小面積で効果的に抑圧したレーダー装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明に係るレーダー装置は、局部発振信号を出力する局部発振器と、送信系と、受信系とを備えたレーダー装置において、送信系は、局部発振信号を受ける送信用入力と、送信用入力を介して受けた局部発振信号に基づく送信信号を送出する手段とを有する。しかも、受信系は、送信用入力とは別に局部発振信号を受ける受信用入力と、送信信号に基づく反射波を受信する受信手段と、受信用入力を介して受けた局部発振信号に基づいてキャンセル信号を生成するキャンセル信号生成手段と、キャンセル信号を受信信号に重畳する重畳手段とを有することとしたものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、漏れ信号を打ち消すためのキャンセル信号が送信系の出力ではなく、送信系とは別に受信系が局部発振器から受けた信号をもとに生成されるので、通常は互いに離間して配置される送信系と受信系との間に信号配線を設ける必要がなく、漏れ信号のキャンセルを小面積で効果的に実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の第1の実施形態に係るレーダー装置の回路ブロック図である。
図2図1中のIQ合成回路の詳細構成例を示す回路ブロック図である。
図3図2のIQ合成回路の動作を説明するためのベクトル図である。
図4図1の変形例に係るレーダー装置の回路ブロック図である。
図5】本発明の第2の実施形態に係るレーダー装置の回路ブロック図である。
図6】本発明の第3の実施形態に係るレーダー装置の平面図である。
図7図6のVII−VII断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0013】
《第1の実施形態》
図1は、本発明の第1の実施形態に係るレーダー装置の回路ブロック図である。図1のレーダー装置は、送信系100と、受信系120と、局部発振信号を出力する局部発振器(LO)150と、レーダー装置全体の制御を司るデジタルシグナルプロセッサ(DSP)160とを備え、送信系100から受信系120への信号配線の引き回しなしに、受信信号中の漏れ信号を打ち消すものである。
【0014】
送信系100は、LO150から局部発振信号を受ける送信用入力110と、送信用入力110を介して受けた局部発振信号を増幅して送信信号を生成する電力増幅器(PA)101と、目標物へ向けて送信信号を電磁波として送出する送信アンテナ102とを有する。
【0015】
受信系120は、送信用入力110とは別にLO150から局部発振信号を受ける受信用入力140と、送信信号に基づく目標物からの反射波を受信するとともに送信アンテナ102から漏洩した漏れ信号を受けることがある受信アンテナ121とに加えて、合成器122と、IQ生成回路124と、IQ合成回路125と、ミキサ(MIXI,MIXQ)126,127と、アナログデジタル変換(ADC)回路134とを有する。
【0016】
IQ生成回路124は、受信用入力140を介して受けた局部発振信号から90度の位相差のある局部発振信号、すなわちLOI信号及びLOQ信号を生成する。IQ合成回路125の入力は、IQ生成回路124の出力から、例えば容量結合して取り出す。IQ合成回路125は、LOI信号及びLOQ信号に基づき、かつDSP160から供給されたIQ合成調整信号ADJ1に応じてキャンセル信号(CAN信号)を生成する。合成器122は、受信信号中の漏れ信号を打ち消すように、CAN信号を受信信号に重畳する。ミキサ126,127は、LOI信号及びLOQ信号をもとに、合成器122の出力をI、Q分離されたIF信号、すなわちIFI信号及びIFQ信号へ周波数変換(直交復調)する。ADC回路134は、IFI信号及びIFQ信号の各々をデジタル信号に変換してDSP160に渡す。DSP160は、ADC回路134の出力をもとに、目標物からの反射波の解析によって、目標物までの距離や目標物の移動速度を算出してもよい。
【0017】
DSP160は、以上の通常動作に先立ってキャリブレーションモードの動作を実行する。すなわち、IQ合成回路125のキャリブレーションのため、DSP160への入力レベルが最小となるIQ合成調整信号ADJ1の設定を求め、その値をDSP160内のメモリに補正値として記憶する。通常動作時にはメモリ内の補正値から得たIQ合成調整信号ADJ1により、IQ合成回路125の適切な調整を行うことができる。キャリブレーションは初期時だけでなく、定期的/不定期的に再度行ってもよい。定期的/不定期的に複数回行ったキャリブレーション結果を演算(例えば移動平均化)した結果を補正値としてもよい。
【0018】
図2は、図1中のIQ合成回路125の詳細構成例を示している。図2のIQ合成回路125は、2つの可変利得増幅器(VGA)203,204と、合成器205とを備えている。そして、一方のVGA203はLOI信号に基づく信号(=容量結合を介してCLOI端子に受けた信号)のレベルを調整し、他方のVGA204はLOQ信号に基づく信号(=容量結合を介してCLOQ端子に受けた信号)のレベルを調整する。これらの振幅調整されたLOI信号及びLOQ信号が最後に合成器205で合成されて、CAN信号が得られる。この際、両VGA203,204の出力のレベル調整と、合成器205での加算又は減算の選択とが、IQ合成調整信号ADJ1に応じてそれぞれ実施される。
【0019】
図3は、図2のIQ合成回路125の動作を説明するためのベクトル図である。図2のIQ合成回路125によれば、互いに90度の位相差を持つキャンセル信号I(=LOI信号に基づく信号)及びキャンセル信号Q(=LOQ信号に基づく信号)の各々の振幅を調整することにより、図3に示すように、漏れ信号と同振幅かつ逆位相のキャンセル信号I+Q(=CAN信号)を生成するのである。
【0020】
以上のように、本実施形態によれば、送信系100から受信系120への漏れ信号の逆相に相当するCAN信号を、LOI信号及びLOQ信号からIQ合成調整信号ADJ1に応じてIQ合成回路125で生成し、合成器122で当該CAN信号を受信信号に重畳することで漏れ信号を取り除く。つまり、漏れ信号を打ち消すためのCAN信号が送信系100の出力ではなく、送信系100とは別に受信系120がLO150から受けた局部発振信号をもとに生成されるので、通常は互いに離間して配置される送信系100と受信系120との間に信号配線を設ける必要がなく、漏れ信号のキャンセルを小面積で効果的に実現できる。
【0021】
しかも、DSP160がキャリブレーション動作を実行することとしたので、IQ合成回路125におけるIQ合成比を高精度に調整することで、漏れ信号を効果的に抑圧できる。
【0022】
図4は、図1の変形例に係るレーダー装置の回路ブロック図である。図4では、合成器122とミキサ126,127との間に低雑音増幅器(LNA)123が追加されている。また、ミキサ126,127とADC回路134との間のIFI信号及びIFQ信号の経路には、オフセット加算器128,129と、IF増幅器130,131と、フィルタ132,133とが追加されている。DSP160は、残留DC成分を検出すると、検出した残留DC成分に応じたオフセット調整信号ADJ2をオフセット加算器128,129へ供給する。
【0023】
図4の変形例によれば、LNA123やIF増幅器130,131により信号品質(S/N)が改善し、レーダー装置の探知(検知)範囲を広げられる。また、オフセット調整信号ADJ2によりオフセット調整することで、不要なDC成分を抑圧し、探知性能を改善できる。更に、フィルタ132,133により不要な信号を除去し、探知性能を改善できる。
【0024】
なお、図1及び図4の構成において、両ミキサ(MIXI,MIXQ)126,127のうちのいずれか一方は、配設が省略可能であり、又は動作が停止可能である。これにより、レーダー装置の消費電力を低減することが可能になる。
【0025】
また、各部を間欠動作させることでも、レーダー装置の消費電力を低減することが可能になる。
【0026】
また、本発明をFMCW(Frequency Modulated Continuous Wave)レーダー装置に適用する場合には、次のようにしてもよい。すなわち、LO150は、周波数変調された局部発振信号を送信系100及び受信系120へ供給するとともに、図1及び図4中に破線で示すように、周波数掃引中の時々刻々の周波数を示す周波数情報FIをDSP160へ逐次供給する。DSP160は、周波数情報FIに応じてIQ合成調整信号ADJ1を調整する。周波数情報FIに応じてIQ合成比を変更することで、IQ合成回路125は、周波数変化に追従したCAN信号を生成することができる。これにより、送信周波数の変化によって漏れ信号の振幅及び位相が変化しても距離測定精度等の低下を抑制できる。
【0027】
《第2の実施形態》
図5は、本発明の第2の実施形態に係るレーダー装置の回路ブロック図である。図5のレーダー装置は、各々図1中の送信系100の構成を有する2つの送信系回路100a,100bと、各々図1中の受信系120の構成を有する4つの受信系回路120a,120b,120c,120dと、局部発振信号を出力するLO150と、レーダー装置全体の制御を司るDSP160とを備える。DSP160は、4つの受信系回路120a,120b,120c,120dの各々へIQ合成調整信号ADJ1a,ADJ1b,ADJ1c,ADJ1dを供給する。これにより、4つの受信系回路120a,120b,120c,120dは、それぞれLO150から受けた局部発振信号をもとに、漏れ信号を打ち消すためのキャンセル信号を生成することができる。
【0028】
従来技術によれば、2つの送信系回路100a,100bと、4つの受信系回路120a,120b,120c,120dとの全ての組み合わせ、すなわち8通りの組み合わせで漏れ信号を打ち消す信号を生成することが必要になり、送信系回路から受信系回路への信号配線の引き回しが錯綜してしまう。本実施形態によれば、この課題が解決される。
【0029】
なお、図5中の4つの受信系回路120a,120b,120c,120dのうちの少なくとも1つは、図1又は図4中の受信系120の構成を有することとしてもよい。
【0030】
《第3の実施形態》
図6は、本発明の第3の実施形態に係るレーダー装置の平面図である。また、図7は、図6のVII−VII断面図である。図6及び図7に示したレーダー装置は、全回路がワンパッケージのレーダーモジュール300として小型に構成されたレーダー装置であって、図1又は図4中の送信系100の構成を有する1つの送信系回路と、各々図1又は図4中の受信系120の構成を有する4つの受信系回路と、局部発振信号を出力するLOと、レーダー装置全体の制御を司るDSPとを備える。
【0031】
図6及び図7には、平面アンテナである1つの送信アンテナ102と、各々平面アンテナである4つの受信アンテナ121a,121b,121c,121dと、矩形のパッケージ基板301と、半導体集積回路(LSI)302と、半田ボール303とが示されている。LSI302は、送信系回路のうちの送信アンテナ102を除いた部分と、4つの受信系回路のうちの受信アンテナ121a,121b,121c,121dを除いた部分と、LOと、DSPとを含むものである。
【0032】
LSI302は、パッケージ基板301の中央に配置されている。受信アンテナ121a,121b,121c,121dは、パッケージ基板301の一辺に沿って、それぞれ送信周波数から知られる電磁波の波長λの1/2程度の間隔をもって均等に配列されている。送信アンテナ102は、受信アンテナ121a,121b,121c,121dからできるだけ離すように、パッケージ基板301の対向辺上に配置されている。
【0033】
なお、レーダーモジュール300のパッケージタイプは、BGA(Ball Grid Array)、LGA(Land Grid Array)、ファンアウトパッケージ等、いずれでもよい。また、少なくとも1つのアンテナは、複数の平面アンテナをアレイ状に配列したものや、ダイポールアンテナでもよい。
【産業上の利用可能性】
【0034】
以上説明してきたとおり、本発明に係るレーダー装置は、送信系から受信系への漏れ信号による測定精度の低下を小面積で効果的に抑圧することができる効果を有し、距離や速度測定用のレーダー装置等として有用である。
【符号の説明】
【0035】
100 送信系
100a,100b 送信系回路
101 電力増幅器(PA)
102 送信アンテナ
110 送信用入力
120 受信系
120a〜120d 受信系回路
121,121a〜121d 受信アンテナ
122 合成器
123 低雑音増幅器(LNA)
124 IQ生成回路
125 IQ合成回路
126,127 ミキサ(MIXI,MIXQ)
128,129 オフセット加算器
130,131 IF増幅器
132,133 フィルタ
134 アナログデジタル変換(ADC)回路
140 受信用入力
150 局部発振器(LO)
160 デジタルシグナルプロセッサ(DSP)
203,204 可変利得増幅器(VGA)
205 合成器
300 レーダーモジュール
301 パッケージ基板
302 半導体集積回路(LSI)
303 半田ボール
ADJ1,ADJ1a〜ADJ1d IQ合成調整信号
ADJ2 オフセット調整信号
FI 周波数情報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7