特許第6985614号(P6985614)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6985614吹出口アダプター及び吹出口アダプターを備えた空気調和機
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6985614
(24)【登録日】2021年11月30日
(45)【発行日】2021年12月22日
(54)【発明の名称】吹出口アダプター及び吹出口アダプターを備えた空気調和機
(51)【国際特許分類】
   F24F 13/08 20060101AFI20211213BHJP
   F24F 13/20 20060101ALI20211213BHJP
   F24F 13/06 20060101ALI20211213BHJP
【FI】
   F24F13/08 A
   F24F1/0007 401D
   F24F13/06 A
   F24F13/06 C
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2019-47923(P2019-47923)
(22)【出願日】2019年3月15日
(65)【公開番号】特開2020-148431(P2020-148431A)
(43)【公開日】2020年9月17日
【審査請求日】2019年12月12日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000280
【氏名又は名称】特許業務法人サンクレスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】劉 錦帆
(72)【発明者】
【氏名】酒井 岳人
(72)【発明者】
【氏名】前田 尚志
(72)【発明者】
【氏名】山本 昌由
【審査官】 ▲高▼藤 啓
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−122695(JP,A)
【文献】 実開昭63−190853(JP,U)
【文献】 特開2004−116977(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 13/08−13/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用側熱交換器(13)と、利用側ファン(21)と、前記利用側熱交換器(13)及び前記利用側ファン(21)を収容するケーシング(31)と有する空気調和機(2)の本体部(30)に取り付けられ、前記本体部(30)において温度調整された空気を吹き出すための吹出口アダプター(40)であって、
筒形状の本体(41)と、
前記本体(41)内において前記空気の流路(43)に配設される、ハニカム構造を有する整流板(42)と
を備え、
前記ハニカム構造を構成する断面六角形状の単位セル(C)の対向する2つの壁(53)間の距離であるセル径(D)と、前記整流板(42)の厚さであるセル高さ(H)との比(D/H)が、0.3〜0.5の範囲内であり、
前記整流板(42)の空気流方向の上流側端面が開放されており、前記利用側ファン(21)により前記本体部(30)から吹き出された空気は前記整流板(42)に直接流入する、吹出口アダプター(40)。
【請求項2】
前記整流板(42)の開口率が85〜95%の範囲内である、請求項1に記載の吹出口アダプター(40)。
【請求項3】
前記整流板(42)が合成樹脂で作製されている、請求項1又は請求項2に記載の吹出口アダプター(40)。
【請求項4】
前記本体(41)内に円筒形状の断熱体(44)が配設されており、前記整流板(42)が当該断熱体により画定される前記空気の流路(43)に配設されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の吹出口アダプター(40)。
【請求項5】
前記本体(41)の空気流方向の下流側壁面(46)に設けられ、内部を前記空気が流れる円筒形状のガイド(47)を更に備える、請求項1〜4のいずれか1項に記載の吹出口アダプター(40)。
【請求項6】
箱形状のケーシング(31)内に利用側ファン(21)及び利用側熱交換器(13)が収容されており、当該利用側熱交換器(13)により温度調整された空気を前記利用側ファン(21)により供給する空気調和機(2)であって、
請求項1〜5のいずれか1項に記載された吹出口アダプター(40)が、吹出開口(32)が形成された、前記ケーシング(31)の一面(31a)に設けられる、空気調和機(2)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は吹出口アダプター及び吹出口アダプターを備えた空気調和機に関する。さらに詳しくは、スポット式の空調に用いられる吹出口アダプター及び吹出口アダプターを備えた空気調和機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、工場や作業場等において作業者や物品に対し局所的ないし部分的に冷風や温風を送風するスポット式の空調が採用されている。かかるスポット式の空調を行う空気調和機又は空調ユニットでは、空調対象の場所ないし領域に冷風や温風を所定の速度で効率よく供給することが求められ、そのために、例えば空気流を整流する機構を吹出口に設けることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1記載のスポット式空調装置では、吹出口装置の開口部にアルミニウム製のハニカム体からなる整流部が設けられており、この整流部によって空調空気の流れの向きを前記開口部の軸線方向に沿うように整流している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−122695号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
スポット式の空調では、空調対象の場所ないし領域に所定の速度で効率よく調和空気を送風することが要望され続けている。
【0006】
本開示は、空調対象の場所ないし領域に所定の速度で効率よく調和空気を送風することができる吹出口アダプター及び吹出口アダプターを備えた空気調和機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の吹出口アダプターは、
(1)温度調整された空気を吹き出すための吹出口アダプターであって、
筒形状の本体と、
前記本体内において前記空気の流路に配設される、ハニカム構造を有する整流板と
を備え、
前記ハニカム構造を構成する断面六角形状の単位セルの対向する2つの壁間の距離であるセル径Dと、前記整流板の厚さであるセル高さHとの比D/Hが、0.3〜0.5の範囲内である。
【0008】
本開示の吹出口アダプターでは、ハニカム構造を有する整流板の単位セルのセル径Dと、セル高さHとの比D/Hを0.3〜0.5の範囲内にし、温度調整された空気が流れる通路の長さ(セル高さ)を空気流の入口部分のサイズ(セル径)に比べて長くなるようにしている。このため、整流板から吹き出される空気の速度を維持することができ、吹出口アダプターから吹き出される空気をより遠くまで供給することができる。換言すれば、空調対象の場所ないし領域に所定の速度(例えば、吹出口アダプターから3mの距離での風速≧3m/s)で効率よく調和空気を送風することができる。
【0009】
(2)前記(1)の吹出口アダプターにおいて、前記整流板の開口率が85〜95%の範囲内であることが望ましい。この場合、整流板の開口率を85〜95%と大きくすることで当該整流板を通過する空気の抵抗を小さくすることができ、その結果、風速の低下を小さくしてより遠くまで空気を供給することができる。
【0010】
(3)前記(1)又は(2)の吹出口アダプターにおいて、前記整流板を合成樹脂で作製することができる。この場合、整流板の材質を合成樹脂とすることで壁厚の小さいセルを容易に作製することができる。これにより、開口率が大きい整流板を容易に得ることができる。
【0011】
(4)前記(1)〜(3)の吹出口アダプターにおいて、前記本体内に円筒形状の断熱体が配設されており、前記整流板が当該断熱体により画定される前記空気の流路に配設されていることが望ましい。この場合、断熱体を本体内に配設し、この断熱体により画定される流路に空気を流すことで、冷房時に当該本体に結露が発生するのを抑制することができる。
【0012】
(5)前記(1)〜(3)の吹出口アダプターにおいて、前記本体の空気流方向の下流側壁面に設けられ、内部を前記空気が流れる円筒形状のガイドを更に備えることが望ましい。この場合、円筒形状のガイドを設けることで吹出口アダプターから吹き出される空気流を当該ガイドの軸方向に沿って導くことができる。これにより、所定の場所ないし領域に効率よく温風又は冷風を供給することができる。
【0013】
本開示の空気調和機は、
(6)箱形状のケーシング内にファン及び熱交換器が収容されており、当該熱交換器により温度調整された空気を前記ファンにより供給する空気調和機であって、
前記(1)〜(5)のいずれかの吹出口アダプターが、吹出開口が形成された、前記ケーシングの一面に設けられる。
【0014】
本開示の空気調和機では、前述したハニカム構造を有する整流板を用いているので、整流板から吹き出される空気の速度を維持することができ、吹出口アダプターから吹き出される空気をより遠くまで供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本開示の空気調和機を含む空調システムの冷媒配管系統を説明する図である。
図2】本開示の一実施形態に係る空気調和機を前方から見た斜視説明図である。
図3】本開示の一実施形態に係る吹出口アダプターの正面図である。
図4図3に示される吹出口アダプターのA−A線断面図である。
図5図3に示される吹出口アダプターの分解斜視図である。
図6】保持クリップを示す斜視説明図である。
図7】整流板の部分平面図である。
図8】整流板の部分側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照しつつ、本開示の吹出口アダプター及び吹出口アダプターを備えた空気調和機を詳細に説明する。なお、本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0017】
〔空調システムの全体構成〕
図1は、本開示の一実施形態に係る空気調和機である室内機2を含む空調システムAの冷媒配管系統を示す図であり、図2は、図1に示される室内機2を前方から見た斜視説明図である。空調システムAは、冷媒配管方式の分散型の空気調和装置であり、蒸気圧縮式の冷凍サイクル運転を行うことで建物内を冷暖房する。
【0018】
空調システムAは、主に工場や作業場等の開放的な建物内の空間を局所的ないし部分的に冷やすか又は暖めるために当該工場等に設置される。空調システムAは、建物外に設置される熱源ユニット1と、建物内に設置される複数の室内機2と、熱源ユニット1と室内機2とを接続する液冷媒連結管3及びガス冷媒連結管4と、を備えている。建物内において、室内機2は床面に設置してもよいし、天井の梁から吊るしてもよいし、また、柱に支持させてもよい。なお、図1では、分かり易くするために2台の室内機2だけが描かれているが、3台以上の室内機2を設けることもできる。
【0019】
熱源ユニット1は、圧縮機5、四路切換弁6、熱源側熱交換器7、熱源側膨張弁8、液側閉鎖弁9、及びガス側閉鎖弁10を備えている。
【0020】
圧縮機5は、圧縮機用のモータ(図示せず)によって駆動される密閉式圧縮機であり、吸入流路11からガス冷媒を吸入する。
四路切換弁6は、冷媒の流れの方向を切り換えるための機構である。冷房運転時には、図1において実線で示されるように、四路切換弁6は、圧縮機5の吐出側の冷媒配管12と熱源側熱交換器7の一端とを接続するとともに、圧縮機5の吸入側の吸入流路11とガス側閉鎖弁10とを接続する。これにより、熱源側熱交換器7が、圧縮機5によって圧縮される冷媒の凝縮器として機能し、かつ、後述する利用側熱交換器13が、熱源側熱交換器7において凝縮した冷媒の蒸発器として機能する。
【0021】
また、暖房運転時には、図1において破線で示されるように、四路切換弁6は、圧縮機5の吐出側の冷媒配管12とガス側閉鎖弁10とを接続するとともに、吸入流路11と熱源側熱交換器7の一端とを接続する。これにより、利用側熱交換器13が、圧縮機5によって圧縮された冷媒の凝縮器として機能し、かつ、熱源側熱交換器7が、利用側熱交換器13において冷却された冷媒の蒸発器として機能する。
【0022】
熱源ユニット1は、当該熱源ユニット1内に外気を取り入れ、熱源側熱交換器7を流れる冷媒との間で熱交換された外気を屋外に排出するための熱源側ファン14を備えている。
【0023】
室内機2は、それぞれ冷媒連絡管3、4を介して熱源ユニット1に接続されている。室内機2は、いずれも同じ外形及び内部構造である。室内機2は、液冷媒配管17、利用側膨張弁18、利用側熱交換器13、ガス冷媒配管20、及び利用側ファン21を備えている。利用側ファン21は、室内機2内に屋内の空気を吸入し、利用側熱交換器19を流れる冷媒との間で熱交換された空気を後述する吹出口アダプターを介して屋内に供給する。
【0024】
〔空調システムの動作〕
前述した構成を有する空調システムAは、以下のようにして冷房運転又は暖房運転を行う。
冷房運転時には、前述したように、四路切換弁6は図1において実線で示される状態となる。この状態において、圧縮機5から吐出された高圧のガス冷媒は、四路切換弁6を経由して凝縮器として機能する熱源側熱交換器7に送られ、熱源側ファン14によって供給される外気と熱交換を行って冷却される。熱源側熱交換器7において冷却されて液化した高圧の冷媒は、液冷媒連絡管3を経由して各室内機2に送られる。各室内機2に送られた冷媒は、利用側膨張弁18によって減圧されて低圧の気液二相状態の冷媒となり、蒸発器として機能する利用側熱交換器13において屋内の空気と熱交換をし、蒸発して低圧のガス冷媒となる。利用側熱交換器13において加熱された低圧のガス冷媒は、ガス冷媒連絡管4を経由して熱源ユニット1に送られ、四路切換弁6を経由して再び圧縮機5に吸入される。
【0025】
一方、暖房運転時には、前述したように、四路切換弁6は図1において破線で示される状態となる。この状態において、圧縮機5から吐出された高圧のガス冷媒は、四路切換弁6及びガス冷媒連絡管4を経由して各室内機2に送られる。各室内機2に送られた高圧のガス冷媒は、凝縮器として機能する利用側熱交換器13に送られ、屋外の空気と熱交換を行って冷却された後、利用側膨張弁18を通過し、液冷媒連絡管3を経由して熱源ユニット1に送られる。熱源ユニット1に送られた高圧の冷媒は、熱源側膨張弁8によって減圧されて低圧の気液二相状態の冷媒となり、蒸発器として機能する熱源側熱交換器7に流入する。熱源側熱交換器7に流入した低圧の気液二相状態の冷媒は、熱源側ファン14によって供給される外気と熱交換を行って加熱され、蒸発して低圧の冷媒となる。熱源側熱交換器7を出た低圧のガス冷媒は、四路切換弁6を経由して再び圧縮機5に吸入される。
【0026】
〔室内機〕
本開示の空気調和機としての室内機2は、図2に示されるように、本体部30と、吹出口アダプター40とを備えている。本体部30は、箱形状のケーシング31を有しており、このケーシング31内に前述した利用側膨張弁18、利用側熱交換器13及び利用側ファン21等の機器ないし要素が収容されている。吹出口アダプター40は、本体部30のケーシング31の正面側の面31aに取り付けられる。この面31aには、室内機2にて温度調整された空気を吹き出すための吹出開口32が形成されている。
【0027】
〔吹出口アダプター〕
図3は、本開示の一実施形態に係る吹出口アダプター40の正面図であり、図4は、図3に示される吹出口アダプター40のA−A線断面図であり、図5は、図2〜4に示される吹出口アダプター40の分解斜視部である。
吹出口アダプター40は、室内機2の本体部30において温度調整された空気を空調対象の場所ないし領域に向けて吹き出すために当該本体部30に取り付けられる。吹出口アダプター40は、筒形状の本体41と、当該本体41内において空気の流路に配設される、ハニカム構造を有する整流板42とを備えている。本実施形態における本体41は短角筒形状を呈しており、亜鉛鋼板等の金属で作製されている。本体41の内部には、前記空気の流路43を画定する円筒形状の断熱体44が配設されている。整流板42は、断熱体44により画定される流路43に配設される。整流板42は、断熱体44の内周面の形状に対応してほぼ円形状を呈している。
【0028】
本体41は、空気流方向の上流側(図4において右側)にフランジ45aを備えた後壁面45(図5参照)を有している。このフランジ45aを利用して吹出口アダプター40が本体部30に取り付けられる。後壁面45は円形の開口45bを有しており、この開口45内に断熱体44が挿入される。また、本体41は、空気流方向の下流側に円形の開口が形成された前壁面46を有している。この前壁面46の開口の周縁部に円筒形状のガイド47が取り付けられている。整流板42を通過した空気は前記ガイド47によって当該ガイドの軸方向に沿って導かれ空調対象の場所ないし領域に向けて吹き出される。これにより、当該場所ないし領域に効率よく冷風又は温風を供給することができる。
【0029】
断熱体44は、例えばポリスチレン等の合成樹脂の発泡体からなっている。断熱体44は、軸方向の一端側(空気流方向の上流側の端部側)に鍔部44aを有している。本体41内に断熱体44を挿入すると、前記鍔部44aが後壁面45の開口45bの周縁部に当接する(図4参照)。本実施形態では、前記断熱体44以外に、本体41の前壁面46の裏面46b及びガイド47の内周面47aにも断熱体48,49がそれぞれ配設されている。これにより、冷房時において金属製の本体41の外面に結露が発生するのを抑制することができる。
【0030】
整流板42は、断熱体44の空気流方向の下流側の端面44bとほぼ面一となるように当該断熱体44内に配設される(図4参照)。整流板42の周縁には、図5に示されるように、4つの保持クリップ50が等間隔で配置されている。保持クリップ50は、図6に示されるように、U字状の固定部51と、この固定部51に接続された一対の爪部52a、52bとを有している。固定部51は、断熱体44の空気流方向の下流側の端壁44cを挟み得る大きさであり、また、一対の爪部52a、52b間の間隔は整流板42を挟み得る大きさである。図5に示されるように、一対の爪部52a、52bで整流板41の周縁を所定間隔で挟み、この状態で、前記固定部51で断熱体44の端壁44cを挟むようにして整流板41を断熱体44の流路43内に配設する。そして、整流板41を配設した状態の断熱体44が本体41の後壁面45の開口45b内に挿入される。
【0031】
整流板42のハニカム構造は、断面六角形の単位セルを複数集積させることで構成することができる。図7は整流板42の部分平面図であり、図8は整流板42の部分側面図である。図7〜8では、簡単のために、5つのセルだけが描かれている。単位セルCは、6つの壁53により正六角形が画定されている。整流板42は、硬質塩化ビニル等の合成樹脂やアルミニウム等の金属で作製することができるが、壁53の厚さを小さくして整流板42の開口率を大きくすることができる点、及び軽量化を図ることができる点等からは、合成樹脂で作製することが望ましい。単位セルCの各壁53の厚さは、特に限定されないが、例えば0.1〜1.0mmとすることができる。また、整流板42の厚さも、特に限定されないが、例えば15〜70mmとすることができる。
【0032】
本実施形態では、単位セルCの対向する2つの壁53の間の距離であるセル径Dと、整流板42の厚さであるセル高さHとの比D/Hが0.3〜0.5の範囲内に設定されている。単位セルCの6つの壁53により形成される断面正六角形の通路を温度調整された空気が流れるが、本実施形態では、この通路が空気流方向に沿って細長形状になるように前記比が設定されている。これにより、整流板42から吹き出される空気の速度を維持することができ、吹出口アダプターAから吹き出される空気をより遠くまで供給することができる。換言すれば、空調対象の場所ないし領域に所定の速度(例えば、吹出口アダプターから3mの距離での風速≧3m/s)で効率よく調和空気を送風することができる。
【0033】
前記比が0.3よりも小さい場合、セル径Dを一定にすると空気の通路が長くなり、また、セル高さHを一定にするとセル径Dが小さくなり、いずれにしても空気流が整流板を通過する際の抵抗が増大して風速が低下する恐れがある。一方、前記比が0.5よりも大きいと、前述した空気速度の維持効果を十分に得ることができない恐れがある。したがって、前記比は0.3〜0.5の範囲内であることが望ましく、0.45〜0.5の範囲内であることがさらに望ましい。
【0034】
表1は、合成樹脂フィルムを用いて作製した、種々のセル径D及びセル高さHを有する整流板(No.1〜6)について、吹出口から3mの地点での風速を確認した実験例を示している。セル径Dとセル高さHとの比D/Hが0.3〜0.5の場合、吹出口から3mの地点での風速が3m/s以上となること(判定:〇)が確認された。
【0035】
【表1】
【0036】
また、本実施形態では、整流板42の開口率が85〜95%の範囲内になるように設定されている。この開口率は、単位セルCのセル径Dや壁53の厚さを調整することで変更することができる。整流板42の材質として合成樹脂を用いると、薄い壁厚の単位セルCを作製することができ、開口率85〜95%の整流板42を容易に得ることができる。整流板42の開口率を85〜95%と大きくすることで当該整流板42を通過する空気の抵抗を小さくすることができ、その結果、風速の低下を小さくすることができる。開口率が85%より小さいと十分な風速低下抑制効果が得られず、また、95%を超えると壁53が薄くなり整流板42の強度が低下する恐れがある。
【0037】
〔その他の変形例〕
本開示は前述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内において種々の変更が可能である。
例えば、前述した実施形態では、吹出口アダプター40の本体41の形状を短角筒状としているが、短円筒形状等の他の形状とすることもできる。
また、前述した実施形態では、円筒形状の断熱体44を用いているが、角筒形状等の他の形状とすることもできる。
また、前述した実施形態では、本体41と断熱体44とを別体とし、当該断熱体44を本体41内に挿入しているが、本体41の内面に断熱材層を設け、この断熱材層を断熱体とすることもできる。
【符号の説明】
【0038】
1 : 熱源ユニット
2 : 室内機(空気調和機)
13 : 利用側熱交換器
18 : 利用側膨張弁
21 : 利用側ファン
30 : 本体部
31 : ケーシング
32 : 吹出開口
40 : 吹出口アダプター
41 : 本体
42 : 整流板
43 : 流路
44 : 断熱体
44a: 鍔部
45 : 後壁面
46 : 前壁面
47 : ガイド
50 : 保持クリップ
A : 空調システム
C : 単位セル
D : セル径
H : セル高さ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8