【文献】
ウイニングポストワールド コンプリートガイド シナリオモード編,第3版,株式会社光栄,2009年06月03日,p.50-55,65-67,86-89
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記返却処理部は、前記第2返却処理を実行する際に、育成代行依頼時点でのパラメータの状態から前記第2返却処理の実行時点までの育成代行に基づいて変化したパラメータの状態までのいずれかの状態で前記ゲームオブジェクトを前記第1プレイヤに返却する、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の情報処理装置。
前記返却処理部は、育成代行開始から所定期間が経過するまでに前記第2返却処理を実行する場合、育成代行依頼時点でのパラメータの状態で前記ゲームオブジェクトを前記第1プレイヤに返却する、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の情報処理装置、情報処理方法及びプログラムについて、添付の図面に示す好適な実施形態を参照しながら詳細に説明する。
なお、以下に説明する実施形態は、本発明の理解を容易にするために挙げた一例にすぎず、本発明を限定するものではない。すなわち、本発明は、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、以下に説明する実施形態から変更又は改良され得る。また、当然ながら、本発明には、その等価物が含まれる。
【0013】
また、本明細書及び図面にて説明される画面の例も一例に過ぎず、画面構成及びデザイン、表示情報の内容、並びにGUI(Graphical User Interface)等は、システム設計の仕様及びプレイヤの好み等に応じて自由に設計することができ、また、適宜変更され得る。
【0014】
[本発明の適用ゲームについて]
本発明の情報処理装置、情報処理方法及びプログラムについて説明するにあたり、本発明が適用されるゲーム(以下、本件ゲームという。)ついて説明する。本件ゲームは、ゲーム内で「ゲームオブジェクト」を育成し、育成したゲームオブジェクトを用いてゲーム内の「イベント」をプレイするジャンルのゲームである。
【0015】
「ゲームオブジェクト」とは、本件ゲームのプレイヤがゲーム中の各イベントをプレイするために用いる仮想のキャラクタであり、本件ゲームでプレイヤが育成する対象となる。「キャラクタ」としては、人、動物及び植物等の生物、乗物及びロボット等の機械、機械以外の物、モンスター等の架空のキャラクタ、又はこれらに類するその他のキャラクタ等が挙げられる。
【0016】
「イベント」とは、例えば、ゲームの進行中に起きるアクシデント等の出来事、クリア目的でプレイされるクエスト、ステージ及びミッション等、並びにゲームオブジェクトが出場するゲーム内競技である。ゲーム内競技としては、着順を競うレース、及び、勝敗を競う試合や対戦等が挙げられる。
【0017】
本実施形態では、競馬を題材としたシミュレーションゲームであって、優秀な競走馬を所有して大レース又は数多くのレースに優勝することを目標とするゲームを一例として挙げて説明する。具体的には、プレイヤは、ゲームオブジェクトの一代表例である競走馬を「生産」又は「抽選」若しくは購買等により取得し、その競走馬を「育成」して各種「レース」に出場させて順位を競う。また、プレイヤは、競走馬を同時に複数所有してその複数の競走馬を並行して育成していくこともできる。さらに、引退させた競走馬は、自家製の種牡馬又は繁殖牝馬として、次世代の競走馬の生産に使用することができる。
なお、以下では、ゲームオブジェクトの一例として、競走馬を挙げて説明することとするが、本発明は、競走馬以外のオブジェクトを育成するゲームにも適用可能である。
【0018】
「生産」とは、プレイヤが選択した種牡馬と繁殖牝馬とを配合し、育成対象となる競走馬を生成することである。種牡馬及び繁殖牝馬は、抽選又は購買等により取得したものを使用することができる他、プレイヤ自身が育成した競走馬を引退後に種牡馬又は繁殖牝馬として使用することにより、代重ねすることもできる。また、本件ゲームでは、親馬として使用した種牡馬及び繁殖牝馬の能力等は、生産した競走馬に引き継がれる傾向がある。そのため、能力の高い種牡馬又は繁殖牝馬を親馬として使用すれば、能力の高い競走馬を生産し易いといえる。なお、後述するように、本件ゲームは、通信プレイ対応型のゲームであるので、他のプレイヤが所有する種牡馬、繁殖牝馬又は競走馬を、生産に使用することもできる。
【0019】
「抽選」とは、イベントの一種であり、ゲーム内で所持する所定の「価値」を消費することにより、競走馬、種牡馬若しくは繁殖牝馬等のゲームオブジェクト又はアイテム等をプレイヤが取得することができるイベントである。抽選は、ゲームのプレイ中、プレイヤからの抽選申込に応じて実施される。抽選では、当選確率の異なる複数のゲームオブジェクト等が候補として用意されており、その候補となる複数のゲームオブジェクト等の中から一又は所定数のゲームオブジェクト等が選択され、プレイヤは、その選択されたゲームオブジェクト等を抽選結果として取得することができる。
【0020】
「価値」とは、ゲーム内において所持数が増減する価値であり、具体的にはゲーム内で使用可能な通貨である「ゲーム内通貨」、又は、多く所持しているほどゲーム上有利になる「アイテム」等が該当する。
【0021】
「ゲーム内通貨」とは、メダル又はコイン等のようにゲーム内で金銭的側面を有するものであり、広義のアイテムに含まれる。ゲーム内通貨は、例えばキャラクタ又は他のアイテムと交換したり、ゲーム内の所定のイベント(レース又は抽選等)をプレイしたりする場合に費やされる。プレイヤが所持するゲーム内通貨の数は、例えば、プレイヤが本件ゲームにログインしてゲームを開始する場合又はレースに優勝した場合等に増やすことができる一方で、抽選を実施した場合、レースに出場登録した場合、又は、後述する育成(調教)を行った場合等に減少する。
【0022】
「アイテム」とは、ゲームを有利に進めるために使用されるものであり、プレイヤは、生産、抽選、育成、レース等の場面において、使用することができる。アイテムには、例えば、競走馬の疲労若しくは馬体重を回復する飼葉、競走馬の外観若しくは能力を変化させる馬具、レースで能力の高い騎手に騎乗してもらう騎乗依頼券、特別な抽選を実行する抽選券、能力が高い競走馬を生産できる確率が向上する種牡馬若しくは繁殖牝馬、又は、能力が高い競走馬を生産できる確率が向上する御札、等が含まれる。
【0023】
「育成」とは、ゲーム内で所持する価値を消費する操作等により、競走馬のパラメータを変化させることであり、本件ゲームでは、育成の形態として「調教」が用意されている。競走馬のパラメータは、ゲームの進行に関係する競走馬の性質、すなわち競走馬の能力を数値又は記号等によって評価したものであり、具体的にはスタミナ、スピード、パワー、距離適性、馬場適性、馬体重及び疲労度等のようなレースでの勝敗結果に影響を及ぼすものが含まれる。なお、競走馬のパラメータには、過去のレース出場数、レースでの勝利数及び勝率等のような過去のレースに関する実績(戦歴)等も含まれる。なお、競走馬のパラメータには、プレイヤが確認できる項目と、プレイヤが確認できない項目(マスクされた項目)とがあってもよい。
【0024】
本実施形態では、競走馬ごとに育成可能期間が設定されており、プレイヤは、育成可能期間が残存している競走馬を育成することができる。育成可能期間は、ゲーム内時間として設定された日数等であり、例えばゲーム内でのN週間(Nは、任意の自然数)である。ここで、ゲーム内時間とは、本件ゲーム内で経過する時間であり、現実の時間よりも早い速度で経過し、例えば、プレイヤが所定の操作(以下、週課操作という。)を一回行うことにより、現実の時間では数分程度であるが、ゲーム内では1週間が経過する。なお、育成可能期間が経過した競走馬は、引退することとなるが、上記のとおり、種牡馬又は繁殖牝馬として生産に使用することができる。
【0025】
本件ゲームでは、一回の週課操作、つまり、ゲーム内時間での1週間あたりに育成の回数を一回行うことができる。そして、通常、育成が行われた週数(以下、育成週数ともいう。)の増加に伴って、競走馬のパラメータが次第に上昇する。一方で、例えば、育成中の競走馬に対して怪我等の所定の事象(アクシデント)がゲーム内で発生する場合があり、その場合には、当該競走馬のパラメータが下がったり育成前の状態に戻ったりすることがある。なお、一回の週課操作において行うことができる育成の回数は、特に限定されるものではなく、二回以上の育成が行えるようにしてもよい。
【0026】
調教を行う場合には、
図1に示すように育成コースに関するメニューリストMLが画面に表示される。育成コースは、競走馬の育成態様の一例である。本件ゲームでは複数種類のコースが用意されており、コースの種類に応じて調教の内容が変わる。プレイヤは、メニューリストMLに挙げられた複数の育成コースの中の一つを指定して調教を行う。調教によって変更されるパラメータの種類及び変更量は、指定された育成コース及び強度に応じて変わる。例えば「コースA」ではスタミナを重点的に上昇させることができ、「コースB」ではスピードを重点的に上昇させることができる。また、強度(軽め、普通、強め等)によって、パラメータの上昇度合いが異なる。なお、一回の調教において必ずしもパラメータが上がらなくてもよく、例えば、ある種類の育成コースを指定して調教を行った場合には、特定のパラメータが上がる一方で他のパラメータが下がってもよいし、常に規則的に変化しなくてもよい。また、価値の消費量に応じて、調教によるパラメータの上昇量が変わってもよい。
【0027】
また、本件ゲームでは、プレイヤがゲーム内で所有する厩舎(以下、ファームという。)に競走馬が置かれた状態で調教が行われる設定となっている。ファームにはグレード(ランク)が設定されており、育成対象の競走馬が置かれたファームのグレードが高くなるほど、育成設備が増加する等し、調教によるパラメータ上昇量が増加する。ファームのグレードは、変更可能であり、例えば、プレイヤが本件ゲームに課金したり、プレイヤが所定の操作(例えば、ゲーム内でゲーム内通貨を消費する操作)を行ったりすることにより自分のファームをグレードアップさせることができる。
【0028】
「レース」とは、本件ゲームの主幹イベントであり、原則として、レースカレンダーに基づいてゲーム内時間で毎週開催される。プレイヤは、調教により育成した競走馬(育成途中の競走馬も含む。)をそれらのレースに出場させる場合、所有する競走馬の中からレースに出場させる競走馬を指定し(複数所有している場合)、出場を希望するレースへの出走登録を行い、ゲーム内時間でのレース開催日に登録された競走馬を当該レースに出場させる。レースにおける競走馬の勝敗結果は、当該競走馬を含むレース出走馬の各々のレース時点でのパラメータ、レース開催日の天候、及びレース場の地面状況等の環境条件に基づいて決められる。
【0029】
プレイヤが所有する競走馬がレースで優勝(1着)したり所定の順位以内に入賞したりすると、その競走馬を育成するプレイヤに対して、所定数のゲーム内通貨又はアイテム等の価値が賞金又は副賞として付与される。なお、付与されるゲーム内通貨の量又はアイテムの種類等は、例えば、出場したレースの種類及び着順(成績)等に応じて決められる。また、上記の価値の他、通常では出場することができない特別なレース(限定レース)に出場するための権利が付与されることとしてもよい。なお、本実施形態では、レースに出場しても競走馬を育成したことにはならない(疲労度等のパラメータは変化するが、スタミナ、スピード及びパワー等のパラメータは少なくとも向上はしない)こととするが、レース出場も育成の一形態として含めても構わない。
【0030】
ところで、本件ゲームは、通信プレイ対応型のゲームであり、複数のプレイヤは、インターネット及びモバイル通信回線等の通信ネットワークを通じて本件ゲームを一緒にプレイすることができる。例えば、本件ゲームにおいて、複数のプレイヤは、ゲーム内時間で毎週開催されているレースの他、プレイヤが育てた馬同士を対戦させることができるレース(オンライン型対戦レース)において、各自の競走馬を同一のレースに出場させて競い合うことができる。
【0031】
また、本件ゲームでは、あるプレイヤが所有する競走馬の育成を他のプレイヤに代わりに実行させることができる(以下、「育成代行」という。)。
【0032】
「育成代行」とは、育成代行を依頼するプレイヤが所有する競走馬についての育成権限を、育成代行を引き受ける(受託する)他のプレイヤに対して設定することであり、ゲーム上の処理としては、育成代行に係る競走馬を他のプレイヤのファームに預け、預けた競走馬のパラメータを他のプレイヤの操作に基づいて変更することである。また、本件ゲームでは、育成代行を依頼したプレイヤが、育成代行中、育成代行に係る競走馬を育成することができない。ただし、これに限定されず、育成代行依頼者であるプレイヤが育成代行の期間中にも育成代行に係る競走馬を育成することができてもよい。なお、育成代行を依頼したプレイヤが育成代行の期間中にゲームを進行させたとしても、すなわち、週課操作を行ってゲーム内時間を進めたとしても、そのゲーム進行は、育成代行に係る競走馬に対して影響を及ばさない。
【0033】
以下に、競走馬の育成代行について改めて説明する。なお、以下では、育成代行を依頼する方のプレイヤを「第1プレイヤ」と呼び、育成代行を受託する方のプレイヤを「第2プレイヤ」と呼び、第1プレイヤが依頼する育成代行に係る競走馬を「対象馬」と呼ぶこととする。
【0034】
第1プレイヤは、対象馬の育成代行を依頼するにあたり、
図2に示すように各種の依頼事項を、ゲーム画面を通じて指定する。指定される依頼事項には、育成期間及び育成条件等が含まれる。育成期間(育成代行期間)は、第1プレイヤが対象馬の育成代行を依頼する期間であり、ゲーム内時間ではなく現実の時間(詳しくは、現実の日付)で表される期間である。育成条件は、第1プレイヤが第2プレイヤに対して要求する育成代行の条件であり、具体的には、育成代行中の育成態様に関して第1プレイヤが育成方針として指定する内容である。育成態様としては、例えば、育成代行中に到達すべき育成週数、育成コース、上昇させたいパラメータの種目、そのパラメータの上昇量若しくは目標値、育成代行中のレースデビューの時期、及び、育成代行中のレース出場回数(0回を含む。)又はレースでの勝利数等が挙げられる。
なお、第1プレイヤと第2プレイヤとはそもそもゲーム内時間がずれている(例えば、第1プレイヤはゲーム内時間が4月第1週、第2プレイヤはゲーム内時間が12月第4週の場合等)ため、育成代行を依頼したタイミングによっては、入厩時期によって馬齢が限定されるレース等に出場できなくなる場合がある。そのため、第1プレイヤによっては育成キャラの入厩時期を指定したいニーズがあり、そのニーズを満たすため、レースデビューの時期(第2プレイヤのゲーム内時間において対象馬を入厩させる週)に関しても指定可能としてもよい。
【0035】
また、第1プレイヤと第2プレイヤのゲーム内時間を合わせるために、第2プレイヤのゲーム内時間が、第2プレイヤが育成代行を受託した(又は第1プレイヤが育成代行を依頼した)時点の第1プレイヤのゲーム内時間に対応するゲーム内時間になったタイミングで、第2プレイヤは対象馬の育成を開始できるようにしてもよい。例えば、第2プレイヤが育成代行を受託した時点において、第1プレイヤのゲーム内時間が4月第1週であり、第2プレイヤのゲーム内時間が12月第4週である場合、第2プレイヤは、自身のゲーム内時間を4月第1週まで進めてからでないと、対象馬の育成を開始することができないこととしてもよい。
【0036】
第1プレイヤにより上記の各種条件が設定された対象馬は、
図3に示す育成代行依頼馬リストHLに掲載され、その情報は、受託者候補となる複数のプレイヤ(厳密には、第1プレイヤ以外の他のプレイヤ)の間で共有される。なお、当該情報が共有される範囲は、対象馬の育成代行を受託する意思がある者として事前に登録されたプレイヤに限定してもよい。受託者候補となるプレイヤは、その育成代行依頼馬リストHLに掲載された複数の対象馬の中から、育成代行を希望する対象馬が存在する場合、該当する対象馬を選択してその対象馬の育成代行の受託希望者としてエントリーする。なお、育成代行依頼馬リストHL中、詳細ボタンをタップ等することにより、対象馬ごとの能力及び依頼事項等の詳細を確認することもできる。
【0037】
第1プレイヤは、依頼事項を指定した後、自身の対象馬に対して他のプレイヤから受託を希望する旨のエントリーがあった場合、
図4に示す受託希望者リストJLにそれらの複数の受託希望者に関する情報が掲載される。受託希望者リストJLには、受託を希望するプレイヤ名又はIDの他に、ファームのグレードと、育成代行実績としてこれまでの育成代行の受託回数とが掲載されている。第1プレイヤは、その受託希望者リストJLに掲載された複数の受託希望者の中から育成代行を依頼してもよいと思われるいずれか一人を選択する。なお、本実施形態においては、選択できるプレイヤは一人に限定するが、複数人のプレイヤを選択することとしてもよい。
【0038】
受託希望者の選択後、選択されたプレイヤには、第1プレイヤからの育成代行依頼が通知される。通知を受け取ったプレイヤは、
図5に示す確認画面CSを通じて、対象馬の育成代行を受託するか否かを決定する。対象馬の育成代行を受託することを決めたプレイヤは、第2プレイヤとして行動し、第1プレイヤが指定した育成期間中、対象馬を自分の操作にて育成させることができ、具体的には対象馬を自分のファームで調教することができる。
【0039】
なお、第2プレイヤが同時(育成代行期間の一部が重複する場合も含む。)に受託できる対象馬の頭数に制約を設けてもよい。例えば、同時に受託できる対象馬の数は1頭とし、複数の対象馬を同時に受託できないようにしてもよい。また、他のプレイヤ(当該第1プレイヤ以外のプレイヤ)からであればよいが、同一のプレイヤからは複数の対象馬を同時に受託できないようにしたり、同一のプレイヤからは複数の対象馬を受託できるが、他のプレイヤからは同時に受託できないようにしたりしてもよい。
【0040】
第2プレイヤによる育成代行が「完了条件」を満たして正常に終了すると、第2プレイヤに対して設定された育成代行権限が解除/無効化され、育成代行の結果に基づいて対象馬のパラメータを変更したうえで、第1プレイヤに対象馬の育成権限が戻される(第1返却処理)。ゲーム上では、第2プレイヤのファームに預けていた対象馬が第1プレイヤのファームに返却されるため、以下では、対象馬に対する育成代行権限が第2プレイヤから第1プレイヤに戻されることを「対象馬が第1プレイヤに返却される」とも言う。そして、育成代行が完了条件を満たして終了し、対象馬が第1プレイヤに返却された場合は、第2プレイヤに対して「報酬」が付与される。
【0041】
「完了条件」とは、育成代行を正常に終了して第1返却処理を実行するための条件であり、例えば、第1プレイヤにより指定された育成期間が満了した場合、又は、第1プレイヤにより指定された育成条件が達成された場合(パラメータが目標値まで上昇した場合又は所定のレースでの勝利した場合等)等が、完了条件に該当する。
【0042】
「報酬」とは、育成代行の対償として第2プレイヤに付与される価値又は権利である。なお、報酬は、第2プレイヤによる育成代行の成果、具体的には育成代行中の育成週数、又は育成代行によって上昇したパラメータの上昇量に応じて、種類(内容)又は付与量を変更してもよい。また、複数種類の報酬を組合わせて付与してもよい。種類(内容)又は付与量を変更したり、複数種類の報酬を組合わせたりすることにより、第2プレイヤにとって有利な報酬とすることができる。
【0043】
報酬の内容としては、第1プレイヤから第2プレイヤに対して謝礼という形で譲渡されるゲーム内通貨又はアイテム等(譲渡数に応じて第1プレイヤの所持するゲーム内通貨又はアイテム等の所持数が減少する)、第1プレイヤに関係なく第2プレイヤにボーナスという形で付与されるゲーム内通貨又はアイテム等(譲渡数に応じて第1プレイヤの所持するゲーム内通貨又はアイテム等の所持数が減少しない)の他、以下に挙げる権利等も含まれる。
(a)第2プレイヤが、返却後の対象馬をゲーム内で使用する権利。
具体的には、第2プレイヤが返却後の対象馬を第1プレイヤから借りてレース等のゲーム内のイベントで使用する権利、又は、第2プレイヤが返却後の対象馬を第1プレイヤから借りて新たな他の競走馬を生産する権利、すなわち、当該対象馬を種牡馬又は繁殖牝馬として使用する権利等が含まれる。
(b)第2プレイヤが、第1プレイヤが返却後の対象馬をレースに出場させて獲得した価値の少なくとも一部を得る権利。
具体的には、当該対象馬が獲得したゲーム内通貨のX割(例えば1割)、獲得したアイテムと同じアイテム若しくは関連するアイテム(獲得したアイテムが疲労度を100%回復するアイテムであれば30%回復するアイテム等)、又は、特別なレースへの出場権を獲得した場合は、その特別なレースへの出場権等、を第2プレイヤが得ること等が含まれる。
(c)第2プレイヤの名前等の情報が、返却後の対象馬の属性等に登録される権利。
具体的には、当該対象馬の調教者として第2プレイヤの名前が表記される場合等を含む。
【0044】
一方、第2プレイヤによる育成代行が「中断条件」を満たすと、育成代行の途中であっても、第2プレイヤに対して設定された育成代行権限が解除/無効化され、第1プレイヤに対象馬の育成権限が戻される(第2返却処理)。なお、育成代行が中断条件を満たして終了した場合は、第1返却処理とは異なり、第2プレイヤに対して上記の報酬は付与されない。
【0045】
「中断条件」とは、完了条件を満たす前に対象馬の育成代行を中断して第2返却処理を実行するための条件であり、例えば、育成代行を依頼した第1プレイヤの意思に基づく場合等の他、対象馬に対する「育成進捗」又は「育成度合い」に基づいて、中断条件に該当するか否かが判断される。なお、対象馬に対する育成進捗又は育成度合いが中断条件に該当する場合(例えば、これらで規定された条件のどれか一つにでも該当する場合)に、自動的に第2返却処理が実行されてもよいし、育成進捗又は育成度合いに基づいて規定された条件のどれか一つに該当する場合であっても、第1プレイヤが返却依頼をして育成代行を中断する意思表示をしない限り、第2返却処理が実行されないこととしてもよい。
【0046】
「育成進捗」とは、第2プレイヤによって、対象馬の育成代行に費やされたゲーム内時間である。具体的には、育成代行期間中のある時点までに経過したゲーム内時間における育成週数(週課操作を行ってゲーム内時間を進めて消化した週数)である。
【0047】
「育成度合い」とは、対象馬が育成代行期間中にどの程度育成されたかを示す指標であり、例えば、育成代行開始時点から上昇したパラメータの値(過去のレース出場回数及び勝利回数等のレース実績も含む。)若しくはパラメータの上昇率(現時点でのパラメータの値/育成代行開始時典でのパラメータの値)、又は、育成代行期間中に消費した価値の量等、すなわち、育成代行に費やされたゲーム内通貨若しくはアイテム等の量と質に基づいて算出される。育成度合いは、第1プレイヤ及び第2プレイヤが確認できてもよいし、確認できなくてもよい。また、第1プレイヤ又は第2プレイヤのどちらかだけ確認できるようにしてもよい。なお、パラメータの値は、上記のとおり、プレイヤが確認できない項目が含まれている場合がある。その場合は、当該パラメータに関する育成度合いについては、プレイヤは当然確認できない。一方、消費した価値の量は計測可能であるため、プレイヤが確認できる育成度合いとして、消費した価値の量に基づいて算出した育成度合いを用いるとよい。
【0048】
以下、中断条件を満たす場合について、それぞれのケースごとに説明する。
第1プレイヤから対象馬の返却依頼(返却要求)があった場合、すなわち、第1プレイヤの意思に基づいて対象馬の育成代行をキャンセルした場合は、中断条件に該当する。この場合、無条件で第1プレイヤがいつでも自由に返却依頼できることとしてもよいし、育成進捗又は育成度合い等が中断条件に該当する場合に限り、第1プレイヤが返却依頼をできることとしてもよい。なお、第2プレイヤからも受託中の育成代行を途中でキャンセルをすることができてもよい。
【0049】
また、対象馬に対する育成進捗に基づいて育成代行を中断する場合においては、育成代行開始時から所定期間が経過するまでに、対象馬に対する育成進捗が第一条件に満たない場合、中断条件に該当する。具体的には、第2プレイヤが対象馬の育成代行を開始してから、現実の時間において一定時間(例えば一週間)が経過した時点でのゲーム内時間での育成週数が、第一条件として設定された所定の週数を下回る場合に、中断条件に該当することとなる。ここでの第一条件は、第1プレイヤが育成代行依頼時又は任意のタイミングで設定した育成週数であってもよいし、予め自動的に設定されている育成週数であってもよい。また、育成代行依頼時に設定した育成期間(現実の時間)に基づき特定される育成週数であってもよい。なお、本実施形態では、育成進捗がこの第一条件に満たなかった場合には、第1プレイヤに対してその旨を知らせる通知が届き、その通知を受け取った第1プレイヤは、対象馬の返却の要否を決定することができる。なお、育成進捗がこの第一条件に満たなかった場合には、育成代行途中の対象馬が自動的に第1プレイヤに返却されるように予め設定しておいてもよい。
【0050】
第1プレイヤは、上記通知を受け取った際に、対象馬の返却を要求せず、第1プレイヤの意思で育成代行を継続することもできる。すなわち、第2プレイヤによる育成進捗が、所定期間内において上記の第一条件に未達の場合であっても、そのまま同じ第2プレイヤに育成代行を継続させることができる。この場合は、現実の時間において所定期間経過後に設定される継続期間(例えば、所定期間経過後からさらに一週間)が経過するまでに、ゲーム内時間での育成週数が、第二条件として設定された所定の週数を下回る場合に、再び中断条件に該当することとなる。なお、第二条件は、第1プレイヤが育成代行依頼時又は任意のタイミング(例えば、継続期間の開始時)で設定した育成週数であってもよいし、予め自動的に設定されている育成週数であってもよい。また、育成代行依頼時に設定した育成期間(現実の時間)又はその育成期間うち消化した期間若しくは残っている期間に基づき特定される育成週数であってもよい。
【0051】
本実施形態においては、継続期間中の中断条件として設定された第二条件は、所定期間中の中断条件として設定された第一条件よりも厳しい条件が設定されることとする。ここでいう厳しい条件の一例としては、例えば、第一条件が一週間で育成週数を30週進めることであった場合、以下のような条件が該当する。
(a)一週間で育成週数を40週進めること。すなわち、第二条件では、所定期間内での育成よりも消化週のノルマが厳しく設定される。
(b)一週間で育成週数を60週進めること。すなわち、第二条件では、所定期間内で生じた育成の遅れを取り戻すように厳しく設定される。
(c)三日で育成週数を30週進めること。すなわち、第二条件では、所定期間内での育成と同量の育成を行うことができる期間が所定期間よりも短く設定される(期限が厳しく設定される)。
【0052】
また、対象馬の育成度合いに基づいて育成代行を中断する場合においては、育成代行開始時から所定のイベントが発生するまで、すなわち、育成代行の開始から一定の期間が経過するまでに、対象馬に対する育成度合いが「基準値」に満たない場合、中断条件に該当する。例えば、育成週数が○週経過するまでに、パラメータの値が基準値を下回る場合は、中断条件に該当することになる。また、所定のレースが開催されるまでに、第2プレイヤにより消費された価値の量が基準値を下回る場合は、中断条件に該当することになる。
【0053】
「基準値」とは、育成度合いが中断条件を満たすか否かを判断するための基準となる値であり、具体的には、育成代行開始時点から上昇したパラメータの値(所定のレース出場回数及び勝利回数等のレース実績を含む。)若しくはパラメータの上昇率、又は、育成代行期間中に消費した価値の量等を規定したものである。基準値は、育成代行ごと又は対象馬ごとに異なり、第1プレイヤが育成代行依頼時又は任意のタイミングで設定した値の他、第1プレイヤが指定した育成条件等の依頼事項、又は、対象馬の血統若しくは馬齢等の背景に基づいて推定されるその対象馬の能力(潜在能力を含む。)若しくは個性等に基づいて、自動的に設定される値であってもよい。血統に基づいて設定される場合であれば、例えば、対象馬の親馬がG1レースに優勝している実績を有する場合は、対象馬も同グレードのG1レースを優勝することが基準値として設定されることしてもよい。また、対象馬の親馬のある時期のパラメータ(例えば、馬齢3歳12月時点のパラメータ)を基準値として記憶しておき、対象馬の同時期までのパラメータ(馬齢3歳12月時点までのパラメータ)をその基準値と比較することとしてもよい。なお、基準値は、育成度合いと同様、第1プレイヤ及び第2プレイヤが確認できてもよいし、確認できなくてもよい。また、第1プレイヤ又は第2プレイヤのどちらかだけ確認できるようにしてもよい。
【0054】
上記のとおり、中断条件を満たした場合、第2返却処理が実行されることになるが、第2返却処理においては、中断状況、すなわち、第2返却処理が実行されるタイミング等によって、返却される対象馬のパラメータが異なる。
【0055】
例えば、
図6Aに示すように、所定期間が経過するまでに、第2返却処理を実行する場合、育成代行開始から第2返却処理実行時点(育成代行の中断時点)までの間に第2プレイヤによる育成代行によって変化したパラメータ(P1)ではなく、育成代行開始時のパラメータ(P0)、すなわち、育成代行依頼時からパラメータが変化していない状態で対象馬が第1プレイヤに返却される。このように、育成代行を開始して間もない期間中であれば、第2返却処理においては、育成代行依頼時のパラメータの状態に戻す。なお、ここでの所定期間は、現実の時間における一定時間(例えば一週間)であってもよいし、育成代行依頼時に設定した育成期間に基づき特定される期間であってもよい。また、ゲーム内時間で所定の週数であってもよい。ゲーム内時間とする場合は、育成代行依頼時に設定した育成期間(現実の時間)に基づき特定される育成週数であってもよいし、育成条件として設定した育成週数に基づき設定される育成週数(例えば、育成条件として設定した育成週数を120週と設定した場合は30週等)でもよい。
【0056】
一方、
図6Bに示すように、所定期間経過後に第2返却処理を実行する場合、育成代行開始から第2返却処理実行時点までの間に第2プレイヤによる育成代行によって変化したパラメータ(P2)、すなわち、第2返却処理実行時点における最新のパラメータの状態で対象馬が第1プレイヤに返却される。
また、この場合は、第2返却処理実行時点における最新のパラメータの状態に限らず、育成代行開始から第2返却処理実行時点までの間のいずれかの状態(P0〜P2の間のいずれかの状態)、例えば、所定期間経過時点のパラメータ(P3)等の状態で、対象馬が第1プレイヤに返却されることとしてもよい。さらに、第1プレイヤが指定する任意の時点におけるパラメータの状態で、対象馬が第1プレイヤに返却されることとしてもよい。なお、任意の時点におけるパラメータで対象馬を返却する場合、所定のアイテムを消費することを条件として、第1プレイヤによる任意の時点の指定を許可することとしてもよい。このとき、育成代行開始から経過した期間の長さに応じて所定のアイテムの消費量を変えてもよい。つまり、指定する任意の時点を育成代行開始時点に近いタイミングにする程(戻す期間が長い程)、所定のアイテムの消費量を多くしてもよい。
【0057】
さらに、
図6Cに示すように、育成代行の途中において、ある週の週課操作によって怪我等の所定の事象(育成代行を中断する直接的な理由等)が発生すると、対象馬のパラメータが著しく低下することがある。この場合は、第2返却処理実行時点におけるパラメータ(P4)の状態ではなく、その所定の事象が発生した週の直前の週(例えば、4月第2週の週課操作により怪我をした場合は4月第1週)の週課操作により育成していた段階のパラメータ(P5)の状態、すなわち、第1プレイヤにとってより有利な状態で、対象馬が第1プレイヤに返却される。なお、この場合は、所定のアイテムを消費することを条件として、所定の事象が発生する前の状態に戻すことを許可してもよい。このとき、所定の事情の種類(ソエ、骨折又は屈腱炎等)に応じて所定のアイテムの消費量を変えてもよいし、所定の事象により低下したパラメータ量(軽傷、重傷又は予後不良等)に応じて所定のアイテムの消費量を変えてもよい。つまり、所定の事象による影響が大きい程(回復するパラメータの量が大きい程)、所定のアイテムの消費量を多くしてもよい。
【0058】
なお、育成代行中、第1プレイヤは、第2プレイヤによる対象馬の育成代行の状況、すなわち、育成進捗及び育成度合いを都度確認することができる。これにより、第1プレイヤは、育成代行中、育成代行が順調に進んでいるか(育成のノルマを達成できるかどうか)を適宜確認することができる。そして、育成代行を中断すべきか、又は、現状の育成代行の条件のままで進めてよいか(例えば、育成コースを変えた方がよいか否か等)等の判断材料とすることができる。
【0059】
[本発明の一実施形態に係る情報処理装置及びユーザ端末の構成]
次に、本発明の第1施形態に係る情報処理装置及びユーザ端末12の構成について説明する。第1実施形態に係る情報処理装置は、ゲーム用のコンピュータ、厳密にはサーバコンピュータ(以下、サーバ10という。)によって構成されている。サーバ10は、
図7に示すように、ユーザ端末12とネットワーク14を介して通信可能に接続されており、ユーザ端末12とともにゲーム用の情報処理システムSを構築している。
なお、サーバ10は、1台のコンピュータで構成されてもよく、並列分散された複数台のコンピュータによって構成されてもよい。
【0060】
サーバ10は、
図7に示すように、プロセッサ21、メモリ22、通信用インタフェース23、及びストレージ24を有し、これらの機器がバス25を介して電気的に接続されている。また、サーバ10には、ソフトウェアとして、オペレーティングシステム(OS)と、本件ゲームに関する情報処理用の専用プログラムとがインストールされている。これらのプログラムは、本発明の「プログラム」に相当する。プロセッサ21が上記のプログラムにしたがって動作することで、サーバ10は、本発明の情報処理装置として機能し、本件ゲームの進行に関する一連の処理を実行する。
【0061】
プロセッサ21は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-Processing Unit)、MCU(Micro Controller Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、TPU(Tensor Processing Unit)又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)等によって構成されるとよい。
【0062】
メモリ22は、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等の半導体メモリによって構成されるとよい。
【0063】
通信用インタフェース23は、例えばネットワークインターフェースカード、又は通信インタフェースボード等によって構成されるとよい。通信用インタフェース23によるデータ通信の規格については、特に限定されるものではなく、Wi−fi(登録商標)に基づく無線LANによる通信、3G〜5G若しくはそれ以降の世代の移動通信システムによる通信、又はLTE(Long Term Evolution)に基づく通信等が挙げられる。
【0064】
ストレージ24は、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)、SSD(Solid State Drive)、FD(Flexible Disc)、MOディスク(Magneto-Optical disc)、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、SDカード(Secure Digital card)、又はUSBメモリ(Universal Serial Bus memory)等によって構成されるとよい。また、ストレージ24は、サーバ10内に内蔵されてもよく、外付け形式でサーバ本体に取り付けてもよい。さらに、ストレージ24は、サーバ本体と通信可能に接続された外部コンピュータ(例えば、データベースサーバ)等によって構成されてもよい。なお、各種データを記録する技術としては、不正なデータ改竄等を回避する目的からブロックチェーンのような分散型台帳技術を用いてもよい。
【0065】
サーバ10は、本件ゲームの進行に必要な情報を各プレイヤへ配信し、また、各プレイヤから情報を収集して記憶する。サーバ10が記憶する情報には、各プレイヤの本件ゲームのプレイ履歴に関する情報、例えば、各プレイヤがこれまでに所持してきた競走馬と各競走馬の現時点でのパラメータ、ゲーム内通貨及びアイテム等の所持数、及び、これまで受託してきた育成代行の回数等が含まれる。また、対象馬の育成代行を依頼したプレイヤについては、育成条件及び現時点での育成代行の状況等、育成代行に関する情報がサーバ10に記憶される。
【0066】
また、サーバ10は、下記の処理をはじめ、本件ゲームの進行に関する様々な情報処理を実行する。
(a)育成に係る競走馬のパラメータを変更する処理。
(b)第1プレイヤの対象馬の育成を第2プレイヤに代行させる処理。
(c)第2プレイヤによる対象馬の育成代行を完了又は中断させる処理。
(d)育成代行の中断条件である第一条件、第二条件又は基準値を設定する処理。
(e)育成代行が完了した対象馬を第1プレイヤに返却する処理(第1返却処理)。
(f)育成代行が中断した対象馬を第1プレイヤに返却する処理(第2返却処理)。
(g)第2プレイヤに対して報酬を付与する処理。
(h)第2プレイヤが対象馬の育成代行を行った時間(育成時間)を特定する処理。
(i)第2プレイヤによる対象馬の育成代行に費やされた価値の種類及び量を特定する処理。
(j)各プレイヤの価値の量(ゲーム内通貨又はアイテムの所持数等)を変更する処理。
(k)レースを含む各種のゲーム内イベントを発生又は開催させる処理。
(l)競走馬が出場レースで優勝等したプレイヤに対して価値を付与する処理。
【0067】
ユーザ端末12は、プレイヤが本件ゲームをプレイするために操作するクライアント端末であり、具体的にはパソコン、スマートフォン、携帯電話、タブレット端末、ゲーム機、情報入力が可能なテレビ受像機、及びウェアラブル端末等によって構成される。なお、
図7には、図示の都合上、2台のユーザ端末12のみを図示しているが、ユーザ端末12の台数は、2台以上であれば任意の台数であってもよい。
【0068】
ユーザ端末12は、本件ゲームの進行に必要な情報をサーバ10から受信し、その情報に含まれる映像をディスプレイ等の画面に表示したり、音声をスピーカ等から出力したりする。また、ユーザ端末12は、本件ゲームのプレイ中に行われるプレイヤの操作を受け付け、その操作内容に応じた情報をサーバ10に向けて送信する。
【0069】
例えば、プレイヤは、本件ゲームにて競走馬を育成する際にはユーザ端末12にて育成操作を行う。育成操作は、競走馬の育成に関する操作であり、育成に必要な情報を入力したり、育成に関する複数の項目の中から選択したり等する操作である。例えば、プレイヤは、
図1のメニューリストMLにて育成コースを指定し、不図示の登録画面を通じて、希望するレースに競走馬を出場させるための出場登録用の操作を行う。
【0070】
また、対象馬の育成代行を依頼するプレイヤ、すなわち、第1プレイヤは、ユーザ端末12にて育成代行依頼用の操作を行い、例えば、
図2の育成代行依頼画面ISにて各種の依頼事項を指定し、
図4の受託希望者リストJLから一人の受託希望者を選択する。一方、他のプレイヤは、例えば、
図3の育成代行依頼馬リストHLに掲載された複数の対象馬の中から、育成代行を希望する対象馬を選択してエントリーする。また、育成代行を受託したプレイヤ、すなわち、第2プレイヤは、
図5の確認画面CSを通じて第1プレイヤの育成代行依頼に応じる意思を示した後、通常と同様の育成操作をユーザ端末12にて行うことで、育成代行に係る競走馬(対象馬)を育成することができる。
【0071】
また、第1プレイヤは、育成代行中、ユーザ端末12とサーバ10との通信を通じて、第2プレイヤによる対象馬の育成代行の状況を逐次確認することができ、例えば、育成代行中の各時点での育成週数及び対象馬のパラメータ等をユーザ端末12の画面で見ることができる。
【0072】
[本発明の一実施形態の情報処理装置の機能]
第1実施形態に係る情報処理装置であるサーバ10の構成について、機能面から改めて説明する。サーバ10は、
図8に示すように操作受付部30、配信部40、記憶部50及び情報処理部60を有する。これらのうち、記憶部50は、メモリ22又はストレージ24によって実現され、それ以外の機能部は、サーバ10を構成するハードウェア機器と、サーバ10にインストールされたプログラムとが協働することで実現される。
以下、各機能部について、それぞれ詳しく説明する。
【0073】
(操作受付部)
操作受付部30は、プレイヤが本件ゲームのプレイ中にユーザ端末12にて行った操作を受け付け、厳密には、当該操作の内容を示すデータをユーザ端末12から受信する。操作受付部30は、
図8に示すように、育成操作受付部31と、依頼受付部32と、候補選択受付部33と、受託確認受付部34と、レース登録受付部35とを有する。
【0074】
育成操作受付部31は、プレイヤによる競走馬の育成操作を受け付ける。育成操作は、競走馬の育成、厳密には調教用の指定操作であり、育成操作では育成対象の競走馬、育成コース、及び育成に費やす価値等を指定する。育成操作受付部31は、指定された上記の内容を示すデータをユーザ端末12から受信する。
【0075】
依頼受付部32は、第1プレイヤが対象馬の育成代行を依頼するために行う指定操作、具体的には、上記の育成期間及び育成条件等の依頼事項を指定する操作を受け付け、詳しくは、指定された依頼事項を含む育成代行依頼を示すデータをユーザ端末12から受信する。また、第1プレイヤが対象馬の育成代行を中断して返却してもらうために行う指定操作、具体的には、育成代行期間中に対象馬の返却を依頼する操作を受け付け、詳しくは、返却依頼を示すデータをユーザ端末12から受信する。また、第1プレイヤが中断条件(第一条件、第二条件又は基準値)を設定するための操作、具体的には、育成代行の依頼時又は育成代行期間中に上記の中断条件を指定する操作を受け付け、詳しくは、指定した中断条件を示すデータをユーザ端末12から受信する。
【0076】
候補選択受付部33は、育成代行依頼時に第1プレイヤが受託希望者リストJLの中から一人の候補を選択する操作を受け付け、詳しくは、選択結果を示すデータをユーザ端末12から受信する。また、第2プレイヤが育成代行依頼馬リストHLの中から対象馬を選択する操作を受け付け、詳しくは、選択結果を示すデータをユーザ端末12から受信する。
【0077】
受託確認受付部34は、第1プレイヤによって選択された受託希望者のプレイヤが
図5の確認画面CSを通じて育成代行の受託を決めた際に行う受託確認操作を受け付け、詳しくは、受託の認否を示すデータをユーザ端末12から受信する。
【0078】
レース登録受付部35は、プレイヤが希望するレースに競走馬を出場させるために行う登録操作を受け付ける。登録操作では、出場希望のレース、レースの開催日、及び出場させる競走馬等が指定され、レース登録受付部35は、これらの内容を示すデータをユーザ端末12から受信する。
【0079】
(配信部)
配信部40は、本件ゲームの進行に必要な情報を各プレイヤのユーザ端末12に向けて配信するものであり、
図8に示すようにイベント用情報配信部41と、情報提示部42と、問合せ部43とを有する。
【0080】
イベント用情報配信部41は、レース等の各種イベントに関する情報を配信する。イベント用情報配信部41によって配信された情報を受信したユーザ端末12側では、イベント演出の映像及び音声が出力(表示及び再生等)される。
【0081】
情報提示部42は、本発明の「情報提示処理部」に相当し、受託希望者として登録されている第2プレイヤを含む複数のプレイヤ(厳密には、第1プレイヤ以外の複数のプレイヤ)の情報を、第1プレイヤに配信する。また、情報提示部42は、第1プレイヤによって登録された対象馬の情報を、受託者候補として登録されている第2プレイヤを含む複数のプレイヤに配信する。
【0082】
問合せ部43は、所定のプレイヤに対して所定の事項に関する問合せ情報を配信し、例えば、第1プレイヤにより選択された受託希望者であるプレイヤに対して、育成代行の受託の可否についての問い合わせ情報を配信する。また、育成代行を実行している第2プレイヤに対して、育成代行の続行の有無についての問い合わせ情報を配信する。また、第1プレイヤに対して、育成進捗が第一条件に満たなかった場合に、その旨を通知し、対象馬の返却の要否を問い合わせる情報を配信する。
【0083】
(記憶部)
記憶部50は、ゲーム進行に必要な情報を記憶し、
図8に示すように、プレイヤ情報記憶部51、競走馬情報記憶部52、育成代行依頼記憶部53、及び、育成代行状況記憶部54を有する。
【0084】
プレイヤ情報記憶部51は、本件ゲームの各プレイヤに関するプレイヤ情報をプレイヤごとに記憶する。プレイヤ情報は、
図9に示すように、各プレイヤの氏名又は識別ID、ゲーム用のアカウント名、本件ゲームの総プレイ時間、所有する競走馬の識別ID(所有馬ID)、所有するファームのグレード、これまでに育成代行を受託した回数、現時点で育成代行を依頼しているか否かを示す育成代行フラグ、及び、現時点で受託者候補に該当するか否かを示す受託者候補フラグ等を含む。また、プレイヤ情報には、ゲーム内通貨又はアイテム等の価値の所持数等に関する情報(不図示)も含まれている。なお、これら以外のプレイヤに関する情報、例えば、プレイヤがフレンドとして登録している他のプレイヤの氏名又は識別IDがプレイヤ情報に含まれてもよい。
【0085】
競走馬情報記憶部52は、各プレイヤが所有する競走馬に関する競走馬情報を競走馬ごとに記憶する。競走馬情報は、
図10に示すように、各競走馬の名前、識別用ID、競走馬を所有するプレイヤのアカウント名、現時点でのパラメータ(具体的にはスタミナ、スピード及びパワー等の能力値、並びに、過去のレース出場回数及び勝利回数等のレース実績)、現時点での育成週数、及び、育成可能期間の残り数(残週数)等を含む。なお、これら以外の競走馬に関する情報、例えば、親馬の名前又はID等の血統に関する情報、及び、調教者の名前又はID等の調教者情報等が、競走馬情報に含まれてもよい。また、競走馬に関する情報の中には、ユーザ端末12等には表示せずにプレイヤには確認できないマスク情報が含まれていてもよい。
【0086】
育成代行依頼記憶部53は、育成代行の依頼に関する育成代行依頼情報を依頼ごとに記憶する。育成代行依頼情報は、
図11に示すように、育成代行依頼の識別用ID(依頼ID)、育成代行を依頼したプレイヤのアカウント名、育成期間、依頼された育成代行に係る競走馬(対象馬)の識別用ID、育成条件(具体的には、育成代行中に達成すべき育成週数、育成コース、及び育成代行によって上昇させたいパラメータの種目とその目標値)、及び、育成代行を受託したプレイヤのアカウント名等を含む。
【0087】
育成代行状況記憶部54は、現在実施中の育成代行の進捗状況に関する育成代行状況情報を、育成代行ごとに記憶する。育成代行状況情報は、
図12に示すように、依頼ID、現実の時間における育成代行開始日、ゲーム内時間における育成代行開始から現時点までの育成週数、育成希望パラメータの現在値、育成予算として渡されたメダル数、及び、現時点までの育成代行に費やされたメダル消費数等を含む。
【0088】
(情報処理部)
情報処理部60は、本件ゲームの進行に必要な情報処理を実行するものであり、
図8に示すように、パラメータ変更部61、代行処理部62、基準値設定部63、代行完了部64、代行中断部65、代行時間特定部66、消費価値特定部67、返却処理部68、報酬付与部69、レース結果決定部70、及び、価値付与部71を有する。
【0089】
パラメータ変更部61は、育成操作受付部31がプレイヤの育成操作を受け付けた場合に、その操作内容に応じて、競走馬情報記憶部52に記憶された育成対象の競走馬のパラメータ、具体的にはスタミナ、スピード及びパワー等の能力値を変更する処理を実行する。この際、各パラメータの変更量(上昇量)は、育成操作にてプレイヤが指定した育成コース及び消費した価値の量等に応じて変化する。なお、パラメータ変更部61は、育成代行中において、中断条件を満たした場合であって対象馬のパラメータを変更する必要がある場合にも、パラメータを適宜変更する。
【0090】
代行処理部62は、第1プレイヤによって選択された受託希望者から育成代行を受託する旨の回答を受託確認受付部34が受け付けた場合に、当該受託者を第2プレイヤとし、対象馬の育成を第2プレイヤに代行させる処理を実行する。具体的に説明すると、代行処理部62は、第2プレイヤに対して対象馬を育成する権限を設定し、第2プレイヤのアカウント名を当該育成代行の依頼IDと紐付けて育成代行依頼記憶部53に記憶させる。
【0091】
基準値設定部63は、第1プレイヤが指定した育成条件等の依頼事項、又は、対象馬の血統若しくは馬齢等の背景に基づいて推定されるその対象馬の能力(潜在能力を含む。)若しくは個性等に基づいて、基準値を設定する。基準値設定部63は、育成代行依頼時に基準値を設定してもよいし、育成代行開始から所定のタイミングで適宜設定してもよい。また、基準値設定部63は、一旦設定した基準値を変更することもできる。
【0092】
代行完了部64は、育成代行について完了条件を満たす場合に、当該育成代行を受託したプレイヤによる対象馬の育成代行を完了させる。完了条件は、例えば、第1プレイヤによって育成代行の依頼時に指定された育成条件が満たされるという条件である。つまり、第2プレイヤによる対象馬の育成代行における育成週数が第1プレイヤにより指定された育成週数に達した場合、又は、対象馬のパラメータが第1プレイヤにより指定された目標値まで上昇した場合に、代行完了部64は、第2プレイヤに対して設定された育成代行権限を解除/無効化し、第2プレイヤによる対象馬の育成代行を完了させる。
【0093】
代行中断部65は、育成代行について上記の中断条件を満たす場合に、当該育成代行を受託したプレイヤによる対象馬の育成代行を育成代行の途中で中断させる。具体的には、代行中断部65は、第2プレイヤに対して設定された育成代行権限を解除/無効化することにより、育成代行を中断させる。また、代行中断部65は、育成代行を中断させる際に、中断時点までの第2プレイヤによる育成代行により変化した対象馬のパラメータについては、上記のとおり、中断状況に基づいて、そのまま維持する場合と変更する処理を実行する場合とがある。例えば、中断状況によっては、育成代行依頼時の状態、育成代行依頼時から中断時点までの間のいずれかの状態(中断時点の状態を除く。)、又は、所定の事象が発生する前の時点の状態等に、パラメータの値を変更したうえで、第2プレイヤによる対象馬の育成代行を中断させる。また、代行中断部65は、中断条件として、第一条件及び第二条件を適宜設定する。なお、上記のとおり、所定期間経過後に発生する継続期間における第二条件は、所定期間における第一条件よりも厳しく設定する。
【0094】
代行時間特定部66は、対象馬の育成代行に費やされたゲーム内時間(以下、代行時間という。)を特定する。代行時間は、例えば、育成代行の開始時点から現時点までの育成週数が該当する。つまり、代行時間特定部66は、第2プレイヤによる対象馬の育成代行について代行時間を特定する際、第2プレイヤが対象馬の育成代行を開始してから現時点までに到達した育成週数を代行時間として特定する。特定された代行時間、すなわち育成週数は、代行中断部65が中断条件の成否を判断する際の判断材料としても用いられる。
【0095】
消費価値特定部67は、対象馬の育成代行に消費されたゲーム内通貨等の価値の量を特定する。消費価値特定部67は、例えば、第2プレイヤによる対象馬の育成代行について上記の完了条件が満たされた場合に、完了条件が満たされた時点までに消費された価値の量を特定する。また、消費価値特定部67は、育成代行中の任意の時点において、その時点までに育成代行に消費された価値の量を特定することもでき、そこで特定された価値の量は、代行中断部65が中断条件の成否を判断する際の判断材料としても用いられる。
【0096】
返却処理部68は、所定の返却条件(完了条件又は中断条件)を満たした場合、対象馬を第2プレイヤから第1プレイヤに返却する。これにより、対象馬の育成権限が第2プレイヤから第1プレイヤに戻されることになる。具体的には、完了条件を満たし、代行完了部64が第2プレイヤによる対象馬の育成代行を完了させた場合は、第1返却処理として、第2プレイヤによる育成代行に基づいてパラメータが変化した状態の対象馬が第1プレイヤに返却される。一方、中断条件を満たし、代行中断部65が第2プレイヤによる対象馬の育成代行を中断させた場合は、第2返却処理として、育成代行依頼時から変化していない状態、育成代行依頼時から中断時点までの間のいずれかの状態、又は、所定の事象が発生する前の時点の状態等の対象馬が第1プレイヤに返却される。
【0097】
報酬付与部69は、第2プレイヤによる対象馬の育成代行が完了し、第1返却処理が実行された場合に、その第2プレイヤに対して上記の報酬を付与する。報酬が付与されると、プレイヤ情報記憶部51記憶された各プレイヤのプレイヤ情報、又は、競走馬情報記憶部52に記憶された対象馬に関する競走馬情報に、その付与された報酬の内容が反映される。一方、育成代行を中断し、第2返却処理が実行された場合には、第2プレイヤに対して、報酬は付与しない。
【0098】
レース結果決定部70は、本件ゲームでの各レースの勝敗結果、すなわちレースにおける各出走馬の着順をパラメータに基づいて決定し、決定したレース結果に応じたイベント演出のデータを生成する。生成されたイベント演出のデータは、イベント用情報配信部41によって、そのレースに競走馬を出場させたプレイヤに向けて配信される。
【0099】
価値付与部71は、競走馬を出場させたレースの結果に応じて、ゲーム内通貨又はアイテム等の価値を賞金又は副賞として競走馬を出場させたプレイヤに対して付与する。価値が付与されると、プレイヤ情報記憶部51記憶された各プレイヤのプレイヤ情報に、賞金に相当するゲーム内通貨等の価値量を加算する。なお、第2プレイヤが育成代行中に対象馬をレースに出場させて当該レースで勝利した場合にも、所定の価値を付与する。この場合、価値の付与先は、対象馬の育成代行を行う第2プレイヤでもよく、対象馬の所有者である第1プレイヤであってもよい。
【0100】
以上、サーバ10及びユーザ端末12のそれぞれの構成について説明した。なお、一般的に、サーバ10及びユーザ端末12は、上記以外にも種々の機能を有しているが、ここでは、本発明における情報処理システムSにおいて作用効果を奏する特徴的な機能のみを説明することとし、その他の既知の機能等については図示及び説明を省略する。
【0101】
[本発明の一実施形態に係る情報処理フロー]
次に、情報処理システムSによる情報処理フローのうち、育成代行に関するフロー(以下、育成代行フローという。)について説明する。育成代行フローは、本発明の情報処理方法を採用しており、換言すると、育成代行フロー中の各ステップは、本発明の情報処理方法の構成要素に該当する。なお、以下では、育成代行フローについて分かり易く説明するために具体的なケースを挙げ、育成代行を依頼する第1プレイヤをプレイヤXとし、育成代行を受託する第2プレイヤをプレイヤYとし、育成代行に係る競走馬(対象馬)を競走馬Zとする。
【0102】
育成代行フローの実行にあたり、プレイヤX,Yは、本件ゲームにログインしてプレイを開始する。ゲーム内において、プレイヤX,Yは、それぞれ競走馬を少なくとも一頭以上所有しており、また、育成に必要となるゲーム内通貨又はアイテム等の価値を所持している。また、育成代行フローに際して、プレイヤYを含む複数のプレイヤ(厳密には、プレイヤX以外の複数のプレイヤ)が受託者候補として事前に登録されている。
【0103】
育成代行フローは、例えば
図13〜15に示す流れに沿って進行し、プレイヤXがユーザ端末12を操作して競走馬Zの育成代行に関する依頼事項、具体的には育成期間及び育成条件等を指定するところから始まる(S001)。サーバ10は、プレイヤXのユーザ端末12との通信を通じてプレイヤXの育成代行依頼を受け付け、詳しくは上記の依頼事項を示すデータを取得する(S002)。
【0104】
次に、プレイヤYがユーザ端末12を操作して育成代行の受託を希望する対象馬を選択すると(S003)、サーバ10が、プレイヤYのユーザ端末12との通信を通じてプレイヤYの選択結果を受け付け、詳しくは、プレイヤYによって選択された対象馬を示すデータを取得する(S004)。ちなみに、本ケースでは、競走馬ZがプレイヤYにより選択された対象馬に該当する。
【0105】
次に、サーバ10は、プレイヤXに対して、受託希望者であるプレイヤYを含む複数のプレイヤに関する情報をプレイヤXに提示し(S005)、プレイヤXがユーザ端末12を操作して受託希望者を選択すると(S006)、サーバ10が、プレイヤXのユーザ端末12との通信を通じてプレイヤXの選択結果を受け付け、詳しくは、プレイヤXによって選択された受託希望者を示すデータを取得する(S007)。ちなみに、本ケースでは、プレイヤYの他に複数の受託希望者が存在し、プレイヤYがその複数の受託希望者の中から選択された受託希望者に該当する。
【0106】
その後、サーバ10は、プレイヤYのユーザ端末12との通信を通じて、プレイヤXが依頼した育成代行を受託するか否かをプレイヤYに問い合わせる(S008)。プレイヤYは、
図5の確認画面CSを通じて育成代行の受託の有無を回答し、受託する意思がある場合には、その旨を回答する(S009)。なお、以降のステップについては、プレイヤYが育成代行を受託する旨を回答した場合を想定して説明することとする。
【0107】
サーバ10は、プレイヤYに競走馬Zの育成を代行させる処理を実行、つまり、プレイヤYに対して競走馬Zの育成代行権限を設定する(S010)。これにより、以降、プレイヤYは、自身が所有するファームで競走馬Zの育成を行うことができ、換言すると、競走馬Zに関するプレイヤYの育成操作がサーバ10によって受け付けられるようになる。
【0108】
プレイヤYが競走馬Zの育成代行を行うためにユーザ端末12にて育成操作を行うと(S011)、サーバ10は、プレイヤYのユーザ端末12との通信を通じて当該育成操作を受け付け、具体的には育成コース及び消費したゲーム内通貨又はアイテム等を示すデータを受信する(S012)。これに伴い、サーバ10が、競走馬情報記憶部52に記憶された競走馬Zのパラメータ、具体的にはスタミナ、スピード及びパワー等を変更する(S013)。このとき、各パラメータは、プレイヤYから受け付けた育成操作の内容(育成コース及びゲーム内通貨の消費量若しくは消費アイテムの種類等)に応じて変えられる。ただし、必ずしも常に規則的に変化するわけではなく、同じ育成操作の内容であったとしても、変化量をランダムに変える等してもよい。
【0109】
そして、サーバ10は、育成代行期間中、プレイヤYによる競走馬Zの育成代行について完了条件を満たす否かを適宜判定する(S014)。例えば、育成代行期間中の育成週数がプレイヤXにより指定された値に到達した場合、又は、競走馬Zのパラメータの中でプレイヤXが希望するパラメータが目標値に到達した場合、完了条件を満たすことになる。完了条件が満たされると、サーバ10は、プレイヤYによる競走馬Zの育成代行を完了する(S015)。
【0110】
競走馬Zの育成代行が完了すると、サーバ10は、プレイヤYに設定していた競走馬Zの育成代行権限を解除し、それまでの育成代行に応じてパラメータが変更された状態で競走馬ZをプレイヤXに返却、すなわち、第1返却処理を実行し(S016)、プレイヤYに対して育成代行の報酬を付与して(S017)、育成代行フローを終了する。
【0111】
一方、育成代行期間中、完了条件が満たされていない場合には、サーバ10は、プレイヤYによる競走馬Zの育成代行について中断条件を満たすか否かを適宜判定する(S018)。例えば、育成進捗が第一条件若しくは第二条件に満たない場合、又は、育成度合いが基準値に満たない場合等に、中断条件を満たすことになる。中断条件が満たされると、サーバ10は、プレイヤYによる競走馬Zの育成代行を中断してプレイヤYに設定していた競走馬Zの育成代行権限を解除し(S019)、中断条件を満たしたタイミング等に基づいて、育成代行依頼時から変化していない状態、育成代行依頼時から中断時点までの間のいずれかの状態、又は、所定の事象が発生する前の時点の状態等の競走馬ZをプレイヤXに返却、すなわち、第2返却処理を実行して(S020)、育成代行フローを終了する。
【0112】
他方、完了条件及び中断条件がいずれも満たされていない間には、育成代行フローのうち、上記のステップS011〜S014及びS018が繰り返し実施される。つまり、完了条件及び中断条件を満たさない限り、プレイヤYは、育成操作や登録操作を繰り返し行うことができ、育成操作を行う度に競走馬Zのパラメータを変更させることができる。
【0113】
[その他の実施形態]
以上までに、本発明の情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関して、具体例を挙げて説明してきたが、上記の実施形態は、あくまでも一例に過ぎず、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態も考えられ得る。
【0114】
上記の実施形態では、ゲームデータ配信用のサーバコンピュータ(すなわち、サーバ10)が本発明の情報処理装置として機能しているが、これに限定されるものではなく、サーバ10が有する機能のうちの一部が、ユーザ端末12に備わっていてもよい。例えば、代行処理部62の機能等がユーザ端末12に備わっていてもよい。
【0115】
また、本実施形態では、プレイヤ情報及び競走馬情報は、ゲームデータ配信用のサーバコンピュータ(すなわち、サーバ10)に記憶して所持することとしたが、不図示のデータベースサーバを別途設けて、そのデータベースサーバに一括して記憶することとしてもよいし、ユーザ端末12側に記憶することとしてもよい。
【0116】
また、本実施形態では、受託者候補のプレイヤが対象馬に対して受託希望のエントリーをし、対象馬の育成代行を依頼した第1プレイヤがそれらの複数の受託希望者の中から受託先を選択し、選択された受託希望者に対して育成代行受託の意思を確認したうえで、育成代行を受託する旨の回答を得た場合に、当該受託希望者を第2プレイヤとし、第2プレイヤに対象馬の育成を代行させることとした。ただし、これに限定されるものではなく、例えば、第1プレイヤが対象馬の育成代行を依頼する際に育成条件を指定し、受託者候補のプレイヤが受託条件を設定し、両者の条件を照合し、育成条件とマッチングする受託条件を設定した受託者候補を第2プレイヤとし、その第2プレイヤに対象馬の育成を代行させてもよい。
【0117】
また、本実施形態では、育成代行が完了条件を満たして終了したときに、第1返却処理を実行することとした。ただし、上記の完了条件に加え、第1プレイヤのゲーム内時間において、育成代行開始時から、第2プレイヤが育成代行中に消化したゲーム内時間(育成週数)に相当する期間が経過したときに、第1返却処理が実行され、対象馬が第1プレイヤに返却されることとしてもよい。例えば、育成条件として、育成代行中に到達すべき育成週数を120週と設定した場合(ゲーム内時間において1年は52週とする。)、育成代行開始時の第1プレイヤのゲーム内時間が2000年1月第1週であれば、第1プレイヤが本件ゲームをプレイ(他に所有する競走馬を育成する等)して自身のゲーム内時間を120週進行させ、2002年4月第3週まで到達していない場合は、完了条件を満たしたとしても、第1返却処理は実行されないこととしてもよい。これにより、第1プレイヤが育成代行に係る対象馬以外の競争馬を育成していたとしても、当該対象馬とそれ以外の競争馬との馬齢等がずれてしまうことを防ぐことができる。
なお、完了条件が満たされたときに、第1プレイヤに対して第2プレイヤによる育成代行が完了した旨の通知が届くこととし、そのときに、第1プレイヤが、育成代行開始から120週未満のゲーム内時間の進行であった場合に、第1プレイヤの選択に応じて育成代行から120週分進行した状態までゲーム内時間を強制的に進めることができることとしてもよい。この場合、所定のアイテムを消費することを条件として、第1プレイヤのゲーム内時間を進めることとしてもよいし、進める期間の長さに応じて所定のアイテムの消費量を変えてもよい。
【0118】
また、育成代行が完了条件を満たして終了したときに、第1返却処理を実行したとしても、一定期間、第1プレイヤは、返却された対象馬を使用できない仮所有の形としてもよい。すなわち、返却された対象馬は、第1プレイヤのゲーム内時間において、育成代行開始時から、第2プレイヤが育成代行中に消化したゲーム内時間(育成週数)に相当する期間が経過するまで、当該対象馬をレースに出場させたり、育成したりできないようにしてもよい。これによっても、第1プレイヤが育成代行に係る対象馬以外の競争馬を育成していたときに、当該対象馬とそれ以外の競争馬との馬齢等がずれてしまうことを、実質的に防ぐことができる。
【0119】
また、育成代行が中断条件を満たして終了し、第2返却処理を実施する場合であっても、育成代行依頼時からパラメータが変化していない状態で対象馬が第1プレイヤに返却される場合は、第1プレイヤのゲーム内時間を育成代行依頼時まで戻してもよい。
一方、育成代行開始から第2返却処理実行時点までの間のいずれかの状態(所定の事象が発生した週の直前の週の状態を含む。)で、対象馬が第1プレイヤに返却される場合は、その対象馬の育成代行に消費された週数に対応する期間(週数)だけ第1プレイヤのゲーム内時間を進行させたタイミングで、対象馬が返却されることとしてもよい。例えば、対象馬が育成代行開始から50週の状態で返却される場合は、第1プレイヤのゲーム内時間を育成代行開始から50週進行した時点とする。また、逆に、第2返却処理実行時に、第1プレイヤのゲーム内時間が育成代行開始から50週しか進行していない場合は、対象馬も育成代行開始から50週の状態で返却されることしてもよい。
【0120】
なお、本実施形態においては、プレイヤは、原則として無料で全ての機能を享受することができるが、一部の機能を限定し、所定の料金を支払うことによって、その限定された機能が利用できることとしてもよい。また、所定の料金を支払ったプレイヤについては、一回の週課操作において行うことができる育成の回数が増加したり、ファームのグレードを上げ易かったり、特定のアイテムを取得できたり、育成におけるパラメータの変化量が大きくなったりする等、プレイするうえで有利になるように各種条件等を設定してもよい。なお、この料金については、従量課金制としてもよいし、一度支払えば一定期間(例えば、一か月間又は一年間等)、そのプレイヤに対して効果を有することとしてもよい(サブスクリプション)。
【0121】
[まとめ]
以上説明した本実施形態に係る情報処理装置、情報処理方法及びプログラムの主な特徴は以下の通りである。
【0122】
[1]本実施形態に係る情報処理装置は、ゲームオブジェクトの育成代行依頼を第1プレイヤから受け付ける依頼受付部と、ゲームオブジェクトの育成を第2プレイヤに実行させる代行処理部と、完了条件を満たす場合には、第2プレイヤにより実行される育成に基づき設定されるパラメータのゲームオブジェクトを第1プレイヤに返却する第1返却処理を実行し、中断条件を満たす場合には、育成完了前にゲームオブジェクトを第1プレイヤに返却する第2返却処理を実行する返却処理部と、を有する。
上記の情報処理装置によれば、ゲームオブジェクトの育成を第1プレイヤが第2プレイヤに実行させる際に、完了条件を満たす場合にゲームオブジェクトを第1プレイヤに返却する第1返却処理と、中断条件を満たす場合にゲームオブジェクトを第1プレイヤに返却する第2返却処理と、を実行する。そのため、委託者である第1プレイヤにとっては、ゲームオブジェクトを育成する手間を省くことができるうえ、育成代行の依頼中であっても、万が一の場合等、育成代行が完了する前にゲームオブジェクトを返却してもらうこともできるので、育成代行を依頼する際のリスクが低減され、安心して育成代行を利用することができる。また、受託者である第2プレイヤは、育成代行が完了する前にゲームオブジェクトが返却されることがないように育成代行に取り組むことになるので、育成代行の質が向上し、第1プレイヤの利益につながる。すなわち、第1プレイヤは、自らが育成する場合よりも優れた能力になるように、ゲームオブジェクトを育成させることができる確率が向上する。以上のことから、ゲームオブジェクトの育成代行が積極的に利用され得る環境を構築することができる。
【0123】
[2]上記の情報処理装置において、依頼受付部は、ゲームオブジェクトの返却依頼をプレイヤから受け付け、返却処理部は、返却依頼を受け付けた場合に、第2返却処理を実行する。
これにより、第1プレイヤは、自身の所望するタイミングで育成代行を中断してゲームオブジェクトを返却してもらうことができる。そのため、育成代行を依頼する際のリスクがさらに低減され、より安心して育成代行を利用することができるうえ、自らが育成させる場合よりも優れた能力になるようにゲームオブジェクトを育成させることができる確率がより一層向上する。したがって、ゲームオブジェクトの育成代行が積極的に利用され得る環境をより一層好適に構築することができる。
【0124】
[3]上記の情報処理装置において、返却処理部は、育成代行開始から所定期間が経過するまでにゲームオブジェクトの育成進捗が第一条件に満たない場合に、第2返却処理を実行する。
これにより、第1プレイヤは、第2プレイヤによる育成回数が少ない又は育成の質が低い等、育成代行開始から所定期間が経過するまでにゲームオブジェクトの育成進捗が第一条件に満たない場合に、途中で育成代行を中断してゲームオブジェクトを返却してもらうことができる。そのため、育成代行を依頼する際のリスクがさらに低減され、より安心して育成代行を利用することができるうえ、自らが育成させる場合よりも優れた能力になるようにゲームオブジェクトを育成させることができる確率がより一層向上する。したがって、ゲームオブジェクトの育成代行が積極的に利用され得る環境をより一層好適に構築することができる。
【0125】
[4]上記の情報処理装置において、育成代行開始から所定期間が経過するまでにゲームオブジェクトの育成進捗が第一条件に満たない場合であって、ゲームオブジェクトの育成代行を継続する場合、返却処理部は、所定期間後の継続期間が経過するまでにゲームオブジェクトの育成進捗が第一条件よりも厳しい第二条件に満たない場合に、第2返却処理を実行する。
これにより、第1プレイヤは、育成代行開始から所定期間が経過するまでにゲームオブジェクトの育成進捗が第一条件に満たない場合に育成代行を継続させた場合であったとしても、依然として第2プレイヤによる育成回数が少ない又は育成の質が低い等、ゲームオブジェクトの育成進捗が第一条件よりも厳しく設定された第二条件に満たなければ、途中で育成代行を中断してゲームオブジェクトを返却してもらうことができる。そのため、育成代行を依頼する際のリスクがさらに低減され、より安心して育成代行を利用することができるうえ、自らが育成させる場合よりも優れた能力になるようにゲームオブジェクトを育成させることができる確率がより一層向上する。したがって、ゲームオブジェクトの育成代行が積極的に利用され得る環境をより一層好適に構築することができる。
【0126】
[5]上記の情報処理装置において、返却処理部は、所定イベントが発生するまでにゲームオブジェクトの育成度合いが基準値に達しない場合に、第2返却処理を実行する。
これにより、第1プレイヤは、所定のイベントが発生するまでにゲームオブジェクトの育成度合いが基準値に達せず、一定の育成結果が出ていない場合に、途中で育成代行を中断してゲームオブジェクトを返却してもらうことができる。そのため、育成代行を依頼する際のリスクがさらに低減され、より安心して育成代行を利用することができるうえ、自らが育成させる場合よりも優れた能力になるようにゲームオブジェクトを育成させることができる確率がより一層向上する。したがって、ゲームオブジェクトの育成代行が積極的に利用され得る環境をより一層好適に構築することができる。
【0127】
[6]上記の情報処理装置において、第1プレイヤが指定したパラメータに基づき基準値を設定する基準値設定部をさらに有する。
これにより、第1プレイヤは、ゲームオブジェクトの育成度合いが、自身が指定したパラメータに基づき設定された基準値に達せず、一定の育成結果が出ていない場合に、途中で育成代行を中断してゲームオブジェクトを返却してもらうことができる。そのため、特に、特定の能力を重点的に育成してもらいたいという要望がある場合等には、育成代行を依頼する際のリスクがさらに低減され、より安心して育成代行を利用することができるうえ、自らが育成させる場合よりも優れた能力になるようにゲームオブジェクトを育成させることができる確率がより一層向上する。したがって、ゲームオブジェクトの育成代行が積極的に利用され得る環境をより一層好適に構築することができる。
【0128】
[7]上記の情報処理装置において、ゲームオブジェクトの生成のために使用された他のゲームオブジェクトの実績又はパラメータに基づき基準値を設定する基準値設定部をさらに有する。
これにより、第1プレイヤは、ゲームオブジェクトの育成度合いが、そのゲームオブジェクトの潜在能力等の個性に基づき設定された基準値に達せず、一定の育成結果が出ていない場合に、途中で育成代行を中断してゲームオブジェクトを返却してもらうことができる。そのため、特に、潜在能力の高いゲームオブジェクトの育成を任せた場合等には、育成代行を依頼する際のリスクがさらに低減され、より安心して育成代行を利用することができるうえ、自らが育成させる場合よりも優れた能力になるようにゲームオブジェクトを育成させることができる確率がより一層向上する。したがって、ゲームオブジェクトの育成代行が積極的に利用され得る環境をより一層好適に構築することができる。
【0129】
[8]上記の情報処理装置において、返却処理部は、第2返却処理を実行する際に、育成代行依頼時点でのパラメータの状態から第2返却処理の実行時点までの育成代行に基づいて変化したパラメータの状態までのいずれかの状態でゲームオブジェクトを第1プレイヤに返却する。
これにより、第1プレイヤは、育成代行を中断してゲームオブジェクトを返却してもらう場合に、育成代行依頼時点でのパラメータの状態から第2返却処理の実行時点までの育成代行に基づいて変化したパラメータの状態までのいずれかの状態でゲームオブジェクトを返却してもらうことができ、返却後のゲームオブジェクトの扱いに関して選択肢が増える。そのため、育成代行を依頼する際のリスクがさらに低減され、より安心して育成代行を利用することができるうえ、自らが育成させる場合よりも優れた能力になるようにゲームオブジェクトを育成させることができる確率がより一層向上する。したがって、ゲームオブジェクトの育成代行が積極的に利用され得る環境をより一層好適に構築することができる。
【0130】
[9]上記の情報処理装置において、返却処理部は、育成代行開始から所定期間が経過するまでに第2返却処理を実行する場合、育成代行依頼時点でのパラメータの状態でゲームオブジェクトを第1プレイヤに返却する。
これにより、第1プレイヤは、育成代行を中断してゲームオブジェクトを返却してもらう場合に、所定期間が経過するまでであれば、育成代行依頼時点でのパラメータの状態でゲームオブジェクトを返却してもらうことができ、返却後のゲームオブジェクトを早い段階から改めて育成し直すことができる。そのため、育成代行を依頼する際のリスクがさらに低減され、より安心して育成代行を利用することができるうえ、自らが育成させる場合よりも優れた能力になるようにゲームオブジェクトを育成させることができる確率がより一層向上する。したがって、ゲームオブジェクトの育成代行が積極的に利用され得る環境をより一層好適に構築することができる。
【0131】
[10]上記の情報処理装置において、返却処理部は、育成代行中に所定の事象が発生した場合、第2返却処理を実行する際に、第2返却処理の実行時点までの育成代行に基づいてパラメータが変化した後であって、且つ、所定の事象が発生する前の時点におけるパラメータの状態でゲームオブジェクトを第1プレイヤに返却する。
これにより、第1プレイヤは、育成代行を中断してゲームオブジェクトを返却してもらう場合に、事故等の所定の事象が発生して育成により向上したパラメータが低下した場合であっても、所定の事象が発生する前の時点におけるパラメータの状態でゲームオブジェクトを返却してもらうことができ、それまでの育成結果が無駄になることもない。そのため、育成代行を依頼する際のリスクがさらに低減され、より安心して育成代行を利用することができるうえ、自らが育成させる場合よりも優れた能力になるようにゲームオブジェクトを育成させることができる確率がより一層向上する。したがって、ゲームオブジェクトの育成代行が積極的に利用され得る環境をより一層好適に構築することができる。
【0132】
[11]また、本発明に係る情報処理方法によれば、コンピュータが、ゲームオブジェクトの育成代行依頼を第1プレイヤから受け付け、コンピュータが、ゲームオブジェクトの育成を第2プレイヤに実行させ、コンピュータが、完了条件を満たす場合には、第2プレイヤにより実行される育成に基づき設定されるパラメータのゲームオブジェクトを第1プレイヤに返却する第1返却処理を実行し、中断条件を満たす場合には、育成完了前にゲームオブジェクトを第1プレイヤに返却する第2返却処理を実行する。
上記の情報処理方法によれば、ゲームオブジェクトの育成を第1プレイヤが第2プレイヤに実行させる際に、完了条件を満たす場合にゲームオブジェクトを第1プレイヤに返却する第1返却処理と、中断条件を満たす場合にゲームオブジェクトを第1プレイヤに返却する第2返却処理と、を実行する。そのため、委託者である第1プレイヤにとっては、ゲームオブジェクトを育成する手間を省くことができるうえ、育成代行の依頼中であっても、万が一の場合等、育成代行が完了する前にゲームオブジェクトを返却してもらうこともできるので、育成代行を依頼する際のリスクが低減され、安心して育成代行を利用することができる。また、受託者である第2プレイヤは、育成代行が完了する前にゲームオブジェクトが返却されることがないように育成代行に取り組むことになるので、育成代行の質が向上し、第1プレイヤの利益につながる。すなわち、第1プレイヤは、自らが育成する場合よりも優れた能力になるように、ゲームオブジェクトを育成させることができる確率が向上する。以上のことから、ゲームオブジェクトの育成代行が積極的に利用され得る環境を構築することができる。
【0133】
なお、本発明の情報処理方法は、情報処理装置単独、及び、情報処理装置とユーザ端末等の他の端末との組み合わせによって実現される。ここで、情報処理装置は、ASP(Application Service Provider)、SaaS(Software as a Service)、PaaS(Platform as a Service)又はIaaS(Infrastructure as a Service)用のサーバコンピュータであってもよい。この場合、上記一連の情報処理(ただし、情報の入力及び表示を除く)が上記サーバコンピュータによって実行されるので、ユーザ端末側では、サーバコンピュータに引き渡す情報の入力、及びサーバコンピュータから配信される情報の表示等を行えばよい。
【0134】
[12]また、本発明に係るプログラムによれば、コンピュータに、ゲームオブジェクトの育成代行依頼を第1プレイヤから受け付けさせ、ゲームオブジェクトの育成を第2プレイヤに実行させ、完了条件を満たす場合には、第2プレイヤにより実行される育成に基づき設定されるパラメータのゲームオブジェクトを第1プレイヤに返却する第1返却処理を実行させ、中断条件を満たす場合には、育成完了前にゲームオブジェクトを第1プレイヤに返却する第2返却処理を実行させる。
上記のプログラムによれば、ゲームオブジェクトの育成を第1プレイヤが第2プレイヤに実行させる際に、完了条件を満たす場合にゲームオブジェクトを第1プレイヤに返却する第1返却処理と、中断条件を満たす場合にゲームオブジェクトを第1プレイヤに返却する第2返却処理と、を実行する。そのため、委託者である第1プレイヤにとっては、ゲームオブジェクトを育成する手間を省くことができるうえ、育成代行の依頼中であっても、万が一の場合等、育成代行が完了する前にゲームオブジェクトを返却してもらうこともできるので、育成代行を依頼する際のリスクが低減され、安心して育成代行を利用することができる。また、受託者である第2プレイヤは、育成代行が完了する前にゲームオブジェクトが返却されることがないように育成代行に取り組むことになるので、育成代行の質が向上し、第1プレイヤの利益につながる。すなわち、第1プレイヤは、自らが育成する場合よりも優れた能力になるように、ゲームオブジェクトを育成させることができる確率が向上する。以上のことから、ゲームオブジェクトの育成代行が積極的に利用され得る環境を構築することができる。
【0135】
なお、本発明のプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体(メディア)から読み込むことで取得してもよく、あるいは、インターネット又はイントラネット等のネットワークを介して取得(ダウンロード)することで取得してもよい。
【解決手段】情報処理装置は、ゲームオブジェクトの育成代行依頼を第1プレイヤから受け付ける依頼受付部と、ゲームオブジェクトの育成を第2プレイヤに実行させる代行処理部と、完了条件を満たす場合には、第2プレイヤにより実行される育成に基づき設定されるパラメータのゲームオブジェクトを第1プレイヤに返却する第1返却処理を実行し、中断条件を満たす場合には、育成完了前にゲームオブジェクトを第1プレイヤに返却する第2返却処理を実行する返却処理部と、を有する。