特許第6985637号(P6985637)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6985637α−フルオロアクリル酸エステルの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6985637
(24)【登録日】2021年11月30日
(45)【発行日】2021年12月22日
(54)【発明の名称】α−フルオロアクリル酸エステルの製造方法
(51)【国際特許分類】
   C07C 67/317 20060101AFI20211213BHJP
   C07C 69/653 20060101ALI20211213BHJP
   C07B 61/00 20060101ALN20211213BHJP
【FI】
   C07C67/317
   C07C69/653
   !C07B61/00 300
【請求項の数】12
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2021-70927(P2021-70927)
(22)【出願日】2021年4月20日
(65)【公開番号】特開2021-172662(P2021-172662A)
(43)【公開日】2021年11月1日
【審査請求日】2021年4月20日
(31)【優先権主張番号】特願2020-74691(P2020-74691)
(32)【優先日】2020年4月20日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】特許業務法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松浦 誠
(72)【発明者】
【氏名】石原 寿美
(72)【発明者】
【氏名】神原 將
(72)【発明者】
【氏名】日高 麻衣
(72)【発明者】
【氏名】高野 真也
(72)【発明者】
【氏名】岸川 洋介
【審査官】 高橋 直子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−141477(JP,A)
【文献】 特表2017−522286(JP,A)
【文献】 特表2012−530756(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第105777545(CN,A)
【文献】 特開2011−001340(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C 67/317
C07C 69/653
C07B 61/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1):
【化1】
(式中、Rは、アルキル基である。)
で表される化合物の製造方法であって、
式(2):
【化2】
(式中、Rは、アルキル基であり、Rは、前記と同意義である。)
で表される化合物を、フッ素イオンと接触させて、前記式(1)で表される化合物を得る工程Aを含み、
前記フッ素イオンの使用量が、前記式(2)で表される化合物1モルに対して、0.2モル未満である、製造方法。
【請求項2】
式(1):
【化3】
(式中、Rは、アルキル基である。)
で表される化合物の製造方法であって、
式(2):
【化4】
(式中、Rは、アルキル基であり、Rは、前記と同意義である。)
で表される化合物を、式(3):
(3)
(式中、Mは、カチオンであり、Xは、フッ素イオンであり、m及びnは、正の整数であり、mが2以上の場合、各々のMは、互いに同一であっても異なっていてもよい。)
で表される化合物と接触させて、前記式(1)で表される化合物を得る工程Aを含み、前記式(3)で表される化合物の使用量が、前記式(2)で表される化合物1モルに対して、0.2モル未満である、製造方法。
【請求項3】
前記式(3)で表される化合物の使用量が、前記式(2)で表される化合物1モルに対して、0.1モル以下である、請求項2に記載の製造方法。
【請求項4】
Mが、水素イオン、金属イオン、又はNR(式中、各々のRは、互いに同一又は異なって、水素原子又は有機基であり、任意の2つのRは、互いに結合して隣接する窒素原子と共に環を形成していてもよい)である、請求項2又は3に記載の製造方法。
【請求項5】
Mが、水素イオン、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、又は第4級アンモニウムである、請求項2〜4のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項6】
Mが、水素イオン、又はアルカリ金属イオンである、請求項2〜5のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項7】
工程Aが、有機溶媒中で行われる、請求項〜6のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項8】
前記有機溶媒の含水率が、2000ppm以下である、請求項7に記載の製造方法。
【請求項9】
前記有機溶媒の沸点が、110℃以上である、請求項7又は8に記載の製造方法。
【請求項10】
前記有機溶媒が、含硫黄溶媒、含窒素溶媒、エーテル溶媒、及びエステル溶媒からなる群より選択される少なくとも一種である、請求項7〜9のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項11】
前記有機溶媒が、含硫黄溶媒である、請求項7〜10のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項12】
前記有機溶媒が、スルホラン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジグライム、メチルピロリドン、エチレンカーボネート、及びプロピレンカーボネートからなる群より選択される少なくとも一種である、請求項7〜9のいずれか一項に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、α−フルオロアクリル酸エステルの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
α−フルオロアクリル酸エステルは、医薬(例えば、抗生物質)の合成中間体、光学繊維のさや材料用の合成中間体、塗料用材料の合成中間体、半導体レジスト材料の合成中間体、及び機能性高分子の単量体等として有用である。
α−フルオロアクリル酸エステルの製造方法として、例えば、特許文献1には、100mL ナスフラスコに、フッ化カリウム2.91g(50mmol)、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)55.1mg(0.250mmol)、ジメチル 2−フルオロ−2−ヒドロキシメチルマロネート45.0g(250mmol)、及びスルホラン11.5mL(14.5g)を投入、及び混合し、常圧下、90℃で15分間、続いて減圧下、105℃で1時間加熱して、反応と同時に蒸留し、メチル 2−フルオロアクリレートをメタノールとの混合物として得たこと、及び収率は70%であったことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−141477号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来は、フッ化カリウム等を大量に使用することが求められており、改良の余地がある。α−フルオロアクリル酸エステルの生産性を向上させるため、収率の高い方法も求められる。
【0005】
本開示は、フッ化カリウム等の使用量が少量で、かつ高収率のα−フルオロアクリル酸エステルの製造方法を提供することを主な課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、鋭意検討した結果、2−フルオロ−2−ヒドロキシメチルマロン酸エステル類1モルに対して、フッ素イオン、又は式:M(式中、Mは、カチオンであり、Xは、フッ素イオンであり、m及びnは、正の整数であり、mが2以上の場合、各々のMは、互いに同一であっても異なっていてもよい。)で表される化合物を0.2モル未満で使用し、両者を反応させることにより、α−フルオロアクリル酸エステルが高い収率で得られることを見出した。
【0007】
本開示は、次の態様を包含する。
項1.
式(1):
【化1】
(式中、Rは、アルキル基である。)
で表される化合物の製造方法であって、
式(2):
【化2】
(式中、Rは、アルキル基であり、Rは、前記と同意義である。)
で表される化合物を、フッ素イオンと接触させて、前記式(1)で表される化合物を得る工程Aを含み、
前記フッ素イオンの使用量が、前記式(2)で表される化合物1モルに対して、0.2モル未満である、製造方法。
項2.
式(1):
【化3】
(式中、Rは、アルキル基である。)
で表される化合物の製造方法であって、
式(2):
【化4】
(式中、Rは、アルキル基であり、Rは、前記と同意義である。)
で表される化合物を、式(3):
(3)
(式中、Mは、カチオンであり、Xは、フッ素イオンであり、m及びnは、正の整数であり、mが2以上の場合、各々のMは、互いに同一であっても異なっていてもよい。)
で表される化合物と接触させて、前記式(1)で表される化合物を得る工程Aを含み、前記式(3)で表される化合物の使用量が、前記式(2)で表される化合物1モルに対して、0.2モル未満である、製造方法。
項3.
前記式(3)で表される化合物の使用量が、前記式(2)で表される化合物1モルに対して、0.1モル以下である、項2に記載の製造方法。
項4.
Mが、水素イオン、金属イオン、又はNR(式中、各々のRは、互いに同一又は異なって、水素原子又は有機基であり、任意の2つのRは、互いに結合して隣接する窒素原子と共に環を形成していてもよい)である、項2又は3に記載の製造方法。
項5.
Mが、水素イオン、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、又は第4級アンモニウムである、項2〜4のいずれか一項に記載の製造方法。
項6.
Mが、水素イオン、又はアルカリ金属イオンである、項2〜5のいずれか一項に記載の製造方法。
項7.
工程Aが、有機溶媒中で行われる、項2〜6のいずれか一項に記載の製造方法。
項8.
前記有機溶媒の含水率が、2000ppm以下である、項7に記載の製造方法。
項9.
前記有機溶媒の沸点が、110℃以上である、項7又は8に記載の製造方法。
項10.
前記有機溶媒が、含硫黄溶媒、含窒素溶媒、エーテル溶媒、及びエステル溶媒からなる群より選択される少なくとも一種である、項7〜9のいずれか一項に記載の製造方法。
項11.
前記有機溶媒が、含硫黄溶媒である、項7〜10のいずれか一項に記載の製造方法。
項12.
前記有機溶媒が、スルホラン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジグライム、メチルピロリドン、エチレンカーボネート、及びプロピレンカーボネートからなる群より選択される少なくとも一種である、項7〜9のいずれか一項に記載の製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、フッ化カリウム等の使用量が少量で、かつ高収率のα−フルオロアクリル酸エステルの製造方法が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の前記概要は、本開示の各々の開示された実施形態または全ての実装を記述することを意図するものではない。
本開示の後記説明は、実例の実施形態をより具体的に例示する。
本開示のいくつかの箇所では、例示を通してガイダンスが提供され、及びこの例示は、様々な組み合わせにおいて使用できる。
それぞれの場合において、例示の群は、非排他的な、及び代表的な群として機能できる。
本明細書で引用した全ての刊行物、特許及び特許出願はそのまま引用により本明細書に組み入れられる。
【0010】
<用語>
本明細書中の記号及び略号は、特に限定のない限り、本明細書の文脈に沿い、本開示が属する技術分野において通常用いられる意味に理解できる。
本明細書中、語句「含有する」は、語句「から本質的になる」、及び語句「からなる」を包含することを意図して用いられる。
特に限定されない限り、本明細書中に記載されている工程、処理、又は操作は、室温で実施され得る。
本明細書中、室温は、10〜40℃の範囲内の温度を意味することができる。
本明細書中、表記「Cn−m」(ここで、n、及びmは、それぞれ、数である。)は、当業者が通常理解する通り、炭素数がn以上、且つm以下であることを表す。
【0011】
本明細書中、「有機基」とは、有機化合物から1個の水素原子を除去して形成される基を意味する。
当該「有機基」としては、例えば、
1個以上の置換基を有していてもよい炭化水素基、
1個以上の置換基を有していてもよい非芳香族複素環基
1個以上の置換基を有していてもよいヘテロアリール基、
シアノ基、
アルデヒド基、
QO−、
QS−、
QCO−、
QSO−、
QOCO−、及び
QOSO
(これらの式中、Qは、独立して、
1個以上の置換基を有していてもよい炭化水素基、
1個以上の置換基を有していてもよい非芳香族複素環基、又は
1個以上の置換基を有していてもよいヘテロアリール基である)
が挙げられる。
【0012】
「置換基」としては、例えば、ハロゲン原子、シアノ基、アミノ基、アルコキシ基、及びアルキルチオ基が挙げられる。なお、2個以上の置換基は、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
【0013】
本明細書中、「炭化水素基」としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、シクロアルカジエニル基、アリール基、及びアラルキル基が挙げられる。
【0014】
本明細書中、「アルキル基」(「モノアルキルアミノ基」等の置換基中の「アルキル基」を包含する)としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基(n−プロピル基、イソプロピル基)、ブチル基(n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基)、ペンチル基、及びヘキシル基等の、直鎖又は分岐鎖状のC1−10アルキル基が挙げられる。
【0015】
本明細書中、「C1−3アルキル基」としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基が挙げられる。
【0016】
本明細書中、アルキル基の置換基としては、例えば、ハロゲン、アルコキシ基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリール基、ヘテロアリール基等が挙げられる。置換基の数は、0個〜置換可能な最大数の範囲から選択することができ、例えば、0、1、2、又は3個であることができる。置換基の数が2個以上である場合、各々の置換基は、互いに同一であってもよく異なっていてもよい。
【0017】
本明細書中、「ハロゲン」としては、例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
【0018】
本明細書中、「アルコキシ基」としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基(n−プロポキシ基、イソプロポキシ基)、ブトキシ基(n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基)、ペンチルオキシ基、及びヘキシルオキシ基等の、直鎖状又は分岐鎖状のC1−6アルコキシ基が挙げられる。
【0019】
本明細書中、「アルキルチオ基」としては、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基(n−プロピルチオ基、イソプロピルチオ基)、ブチルチオ基(n−ブチルチオ基、イソブチルチオ基、sec−ブチルチオ基、tert−ブチルチオ基)、ペンチルチオ基、及びヘキシルチオ基等の、直鎖状又は分岐鎖状のC1−6アルキルチオ基が挙げられる。
【0020】
本明細書中、「モノアルキルアミノ基」としては、例えば、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、ブチルアミノ基、ペンチルアミノ基、ヘキシルアミノ基等の、直鎖状又は分岐鎖状のモノC1−6アルキルアミノ基が挙げられる。
【0021】
本明細書中、「ジアルキルアミノ基」としては、例えば、ジメチルアミノ基、メチルエチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、メチルプロピルアミノ基、エチルプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジペンチルアミノ基、ジヘキシルアミノ基等の、直鎖状又は分岐鎖状のジC1−6アルキルアミノ基が挙げられる。
【0022】
本明細書中、「アルケニル基」としては、例えば、ビニル基、1−プロペン−1−イル基、2−プロペン−1−イル基、イソプロペニル基、2−ブテン−1−イル基、4−ペンテン−1−イル基、及び5−ヘキセン−1−イル基等の、直鎖状又は分岐鎖状のC2−10アルケニル基が挙げられる。
【0023】
本明細書中、「アルキニル基」としては、例えば、エチニル基、1−プロピン−1−イル基、2−プロピン−1−イル基、4−ペンチン−1−イル基、及び5−ヘキシン−1−イル基等の、直鎖状又は分岐鎖状のC2−10アルキニル基が挙げられる。
【0024】
本明細書中、「シクロアルキル基」としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、及びシクロヘプチル基等の、C3−10シクロアルキル基が挙げられる。
【0025】
本明細書中、「シクロアルケニル基」としては、例えば、シクロプロペニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、及びシクロヘプテニル基等の、C3−10シクロアルケニル基が挙げられる。
【0026】
本明細書中、「シクロアルカジエニル基」としては、例えば、シクロブタジエニル基、シクロペンタジエニル基、シクロヘキサジエニル基、シクロヘプタジエニル基、シクロオクタジエニル基、シクロノナジエニル基、及びシクロデカジエニル基等の、C4−10シクロアルカジエニル基が挙げられる。
【0027】
本明細書中、「アリール基」は、例えば、単環性、2環性、3環性、又は4環性であることができる。
本明細書中、「アリール基」は、例えば、C6−18アリール基であることができる。 本明細書中、「アリール基」としては、例えば、フェニル基、ビフェニリル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、アセナフチレニル基等が挙げられる。
【0028】
本明細書中、「非芳香族複素環基」とは、非芳香族複素環から1個の水素原子を除去して形成される基を意味する。
本明細書中、特に断りのない限り、「非芳香族複素環基」は、単環性、2環性、3環性、又は4環性であることができる。
本明細書中、特に断りのない限り、「非芳香族複素環基」は、飽和、又は不飽和であることができる。
本明細書中、特に断りのない限り、「非芳香族複素環基」は、例えば、5〜18員の非芳香族複素環基であることができる。
本明細書中、特に断りのない限り、「非芳香族複素環基」は、例えば、環構成原子として、炭素原子に加えて酸素原子、硫黄原子、及び窒素原子から選ばれる1〜4個のヘテロ原子を含有する非芳香族複素環基であることができる。
本明細書中、特に断りのない限り、「非芳香族複素環基」としては、例えば、テトラヒドロフリル、オキサゾリジニル、イミダゾリニル(例:1−イミダゾリニル、2−イミダゾリニル、4−イミダゾリニル)、アジリジニル(例:1−アジリジニル、2−アジリジニル)、ピロリジニル(例:1−ピロリジニル、2−ピロリジニル、3−ピロリジニル)、ピペリジニル(例:1−ピペリジニル、2−ピペリジニル、3−ピペリジニル)、アゼパニル(例:1−アゼパニル、2−アゼパニル、3−アゼパニル、4−アゼパニル)、アゾカニル(例:1−アゾカニル、2−アゾカニル、3−アゾカニル、4−アゾカニル)、ピペラジニル(例:1,4−ピペラジン−1−イル、1,4−ピペラジン−2−イル)、ジアゼピニル(例:1,4−ジアゼピン−1−イル、1,4−ジアゼピン−2−イル、1,4−ジアゼピン−5−イル、1,4−ジアゼピン−6−イル)、ジアゾカニル(例:1,4−ジアゾカン−1−イル、1,4−ジアゾカン−2−イル、1,4−ジアゾカン−5−イル、1,4−ジアゾカン−6−イル、1,5−ジアゾカン−1−イル、1,5−ジアゾカン−2−イル、1,5−ジアゾカン−3−イル)、テトラヒドロピラニル(例:テトラヒドロフラン−4−イル)、モルホリニル(例:4−モルホリニル)、チオモルホリニル(例:4−チオモルホリニル)、2−オキサゾリジニル、ジヒドロフリル、ジヒドロピラニル、及びジヒドロキノリル等が挙げられる。
【0029】
本明細書中、「ヘテロアリール基」は、例えば、単環性、又は多環性(例:2環性、3環性、4環性)であることができる。
本明細書中、「ヘテロアリール基」は、例えば、5〜18員のヘテロアリール基であることができる。
本明細書中、「ヘテロアリール基」は、例えば、環構成原子として、炭素原子に加えて酸素原子、硫黄原子、及び窒素原子から選ばれる1〜4個のヘテロ原子を含有するヘテロアリール基であることができる。
本明細書中、「ヘテロアリール基」は、「単環性ヘテロアリール基」、及び「芳香族縮合複素環基」を包含する。
【0030】
本明細書中、「単環性へテロアリール基」としては、例えば、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、ピラジニル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、トリアジニル基等が挙げられる。
【0031】
本明細書中、「多環性ヘテロアリール基」としては、例えば、キノリル基、イソキノリル基、キナゾリル基、キノキサリル基、ベンゾフリル基、ベンゾチエニル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾイソオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾイソチアゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾトリアゾリル基、インドリル基、インダゾリル基、ピロロピラジニル基、イミダゾピリジニル基、イミダゾピラジニル基、イミダゾチアゾリルピラゾロピリジニル基、ピラゾロチエニル基、ピラゾロトリアジニル基等が挙げられる。
【0032】
本明細書中、アリール基又はヘテロアリール基の置換基としては、例えば、ハロゲン、アルキル基、アルコキシ基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基等が挙げられる。置換基の数は、0個〜置換可能な最大数の範囲から選択することができ、例えば、0、1、2、3、4、5、又は6個であることができる。置換基の数が2個以上である場合、各々の置換基は、互いに同一であってもよく異なっていてもよい。
【0033】
<式(1)で表される化合物の製造方法>
一実施態様において、式(1):
【化5】
(式中、Rは、アルキル基である。)
で表される化合物の製造方法は、
式(2):
【化6】
(式中、Rは、アルキル基であり、Rは、前記と同意義である。)
で表される化合物を、フッ素イオン、又は式(3):
(3)
(式中、Mは、カチオンであり、Xは、フッ素イオンであり、m及びnは、正の整数であり、mが2以上の場合、各々のMは、互いに同一であっても異なっていてもよい。)
で表される化合物と接触させて、前記式(1)で表される化合物を得る工程Aを含む。
【0034】
式(1)で表される化合物
は、好ましくはC1−3アルキル基であり、より好ましくはメチル基、又はエチル基であり、特に好ましくはメチル基である。
【0035】
式(1)で表される化合物は、好ましくはC1−3アルキル 2−フルオロアクリレート、より好ましくはメチル 2−フルオロアクリレート、又はエチル 2−フルオロアクリレートであり、特に好ましくはメチル 2−フルオロアクリレートである。
【0036】
式(2)で表される化合物
は、好ましくはC1−3アルキル基、より好ましくはメチル基、又はエチル基、特に好ましくはメチル基である。
【0037】
式(2)で表される化合物は、特に好ましくはR及びRが共にメチル基である化合物である。
【0038】
式(2)で表される化合物は公知の化合物であり、特開平6−184234号公報に記載の方法等の公知の方法、すなわち具体的には、α−フルオロマロン酸ジメチルエステルをホルムアルデヒドと反応させる方法、又はそれに準じる方法によって製造することができる。
【0039】
式(3)で表される化合物
Mで表されるカチオンとしては、例えば、水素イオン、金属イオン、NR(式中、各々のRは、互いに同一又は異なって、水素原子又は有機基であり、任意の2つのRは、互いに結合して隣接する窒素原子と共に環を形成していてもよい)等が挙げられる。
【0040】
前記金属の具体例は、アルカリ金属及びアルカリ土類金属を包含することができる。
アルカリ金属としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム等が挙げられる。
アルカリ土類金属としては、例えば、マグネシウム、カルシウム等が挙げられる。
【0041】
前記NRの具体例は、NH、及び第1級〜第4級アンモニウムを包含することができる。
【0042】
第1級アンモニウムは、下記式(3A):
【化7】
(式中、R11は、有機基である)
で表すことができる。
11は、好ましくは炭化水素基、より好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、又はアリール基、さらに好ましくはアルキル基、特に好ましくはC1−10アルキル基であることができる。
第1級アンモニウムとしては、例えば、プロトン化第1級アミンが挙げられ、具体的には、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン(n−プロピルアミン、イソプロピルアミン)、ブチルアミン等のC1−6アルキルアミン、アニリン等のプロトン化物が挙げられる。
【0043】
第2級アンモニウムは、下記式(3B):
【化8】
(式中、R21及びR22は、互いに同一又は異なって有機基であるか、又は互いに結合して隣接する窒素原子と共に環を形成している)
で表すことができる。
21及びR22は、好ましくは炭化水素基、より好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、又はアリール基、さらに好ましくはアルキル基、特に好ましくはC1−10アルキル基であることができる。
第2級アンモニウムとしては、例えば、プロトン化第2級アミンが挙げられ、具体的には、ジメチルアミン、ジエチルアミン、エチルメチルアミン、ジプロピルアミン等のジC1−6アルキルアミン、ピロリジン、イミダゾール、ピペリジン、モルホリン等のプロトン化物が挙げられる。
【0044】
第3級アンモニウムは、下記式(3C):
【化9】
(式中、R31〜R33は、互いに同一又は異なって有機基であり、これらのうち任意の2つは互いに結合して隣接する窒素原子と共に環を形成していてもよい)
で表すことができる。
31〜R33は、好ましくは炭化水素基、より好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、又はアリール基、さらに好ましくはアルキル基、特に好ましくはC1−10アルキル基であることができる。
第3級アンモニウムとしては、例えば、プロトン化第3級アミンが挙げられ、具体的には、トリメチルアミン、トリエチルアミン等のトリC1−6アルキルアミン、ピリジン、キノリン等のプロトン化物が挙げられる。
【0045】
第4級アンモニウムは、下記式(3D):
【化10】
(式中、R41〜R44は、互いに同一又は異なって有機基であり、これらのうち任意の2つは互いに結合して隣接する窒素原子と共に環を形成していてもよい)
で表すことができる。
41〜R44は、好ましくは炭化水素基、より好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、又はアリール基、さらに好ましくはアルキル基、特に好ましくはC1−10アルキル基であることができる。
【0046】
第4級アンモニウムとしては、例えば、テトラC1−6アルキルアンモニウム等が挙げられ、具体的には下記群:
【化11】
(式中、Meはメチル基であり、Etはエチル基であり、Prはプロピル基であり、Buはブチル基である)
から選択される基が挙げられる。
【0047】
Mは、好ましくは水素イオン、金属イオン、又はNR(式中、各々のRは、互いに同一又は異なって、水素原子又は有機基であり、任意の2つのRは、互いに結合して隣接する窒素原子と共に環を形成していてもよい)であり、より好ましくは水素イオン、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、又は第4級アンモニウムであり、特に好ましくは水素イオン、又はアルカリ金属イオンである。
【0048】
mは、Mの価数及びnに応じて適宜選択することができ、例えば、1又は2である。mが2以上の場合、各々のMは、互いに同一であっても異なっていてもよい。例えば、mが2である場合、一方のMは水素イオンであり、他方のMは金属イオンであってもよく、2つのMは互いに異なる種類の金属イオンであってもよい。
【0049】
nは、Mの価数及びmに応じて適宜選択することができ、例えば、1又は2である。
【0050】
式(3)で表される化合物としては、例えば、HF、LiF、NaF、KF、CsF、KHF、MgF、CaF等が挙げられる。
【0051】
式(3)で表される化合物は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0052】
フッ素イオンの使用量、又は式(3)で表される化合物の使用量(式(3)で表される化合物に含まれるフッ素イオンのモル量)の上限は、式(2)で表される化合物1モルに対して、0.2モル未満であり、好ましくは0.1モル以下であることができる。
フッ素イオンの使用量、又は式(3)で表される化合物の使用量(式(3)で表される化合物に含まれるフッ素イオンのモル量)の下限は、式(2)で表される化合物1モルに対して、例えば0.01モル以上、好ましくは0.02モル以上、0.03モル以上、0.04モル以上、又は0.05モル以上であることができる。
フッ素イオンの使用量、又は式(3)で表される化合物の使用量(式(3)で表される化合物に含まれるフッ素イオンのモル量)は、式(2)で表される化合物1モルに対して、例えば0.01モル以上0.2モル未満の範囲内、好ましくは0.01〜0.1モルの範囲内であることができる。
【0053】
工程Aは、好ましくは有機溶媒中で実施される。工程Aが有機溶媒中で実施される場合、式(2)で表される化合物の、式(3)で表される化合物との接触は、例えば、有機溶媒中に、これらを投入し、必要に応じて混合することによって、実施できる。
【0054】
有機溶媒は、極性有機溶媒、又は非極性有機溶媒であることができる。有機溶媒は、好ましくは極性有機溶媒である。
【0055】
有機溶媒としては、例えば、
非芳香族炭化水素溶媒(例:ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ドデカン、イソドデカン、トリデカン等のアルカン、シクロヘキサン、メチルシクロへキサン、デカヒドロナフタレン);
芳香族炭化水素溶媒(例:ベンゼン、トルエン、キシレン、ジエチルベンゼン、メシチレン、テトラリン、インデン、ナフタレン、メチルナフタレン);
ハロゲン化炭化水素溶媒(例:ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、クロロベンゼン);
アルコール溶媒(例:エチレングリコール、セロソルブ、プロピレングリコール、カルビトール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール);
エーテル溶媒(例:ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチル t−ブチルエーテル、ジイソアミルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、エチレングリコール誘導体(例:モノグラム、ジエチルセロソルブ、ジグライム、ジエチルカルビトール、トリグライム、テトラグライム)、1,1−ジメトキシシクロヘキサン、フェネトール、ベラトロール、ジオキサン、テトラヒドロフラン);
エステル溶媒(例:酢酸エチル、酢酸イソプロピル、3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート、炭酸ジメチル、マロン酸ジエチル、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、α−アセチル−γ−ブチロラクトン);
ケトン溶媒(例:アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、アセトフェノン、プロピオフェノン、イソホロン);
含硫黄溶媒(例:ジメチルスルホキシド、スルホラン、ジフェニルスルフィド);及び含窒素溶媒(例:N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアセトアセトアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホルアミド、メチルピロリドン等のアミド溶媒、アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル溶媒;ニトロベンゼン、o−ニトロトルエン等のニトロ溶媒;キノリン、テトラヒドロキノリン、ジメチルイミダゾリジノン)等が挙げられる。
【0056】
有機溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0057】
有機溶媒は、好ましくは、含硫黄溶媒、含窒素溶媒、エーテル溶媒、エステル溶媒、芳香族炭化水素溶媒、及び非芳香族炭化水素溶媒からなる群より選択される少なくとも一種であることができる。
【0058】
有機溶媒は、より好ましくは、
スルホラン、ジメチルスルホキシド、
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、キノリン、テトラヒドロキノリン、メチルピロリドン、ジメチルイミダゾリジノン、ヘキサメチルホスホルアミド、
エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、モノグライム、ジエチルセロソルブ、ジグライム、ジエチルカルビトール、トリグライム、テトラグライム)、
エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、
キシレン、メシチレン、及び
アルカン(例:デカン、ドデカン)
からなる群より選択される少なくとも一種であることができる。
【0059】
有機溶媒は、さらに好ましくは、含硫黄溶媒、含窒素溶媒、エーテル溶媒、及びエステル溶媒からなる群より選択される少なくとも一種であることができる。
【0060】
有機溶媒は、なかでも、好ましくは、例えば、スルホラン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジグライム、メチルピロリドン、エチレンカーボネート、及びプロピレンカーボネートからなる群より選択される少なくとも一種であることができる。
【0061】
有機溶媒は、好ましくは105℃超、より好ましくは110℃以上、更に好ましくは120℃以上、特に好ましくは150℃以上の沸点(常圧下の沸点)を有する有機溶媒である。当該沸点の上限は、特に限定されないが、通常、300℃である。有機溶媒が、このように高い沸点を有することにより、比較的沸点が低い式(1)の化合物を減圧蒸留して、高い収率で得ることができる。
【0062】
有機溶媒は、好ましくは2000ppm以下、より好ましくは1000ppm以下、更に好ましくは500ppm以下、特に好ましくは100ppm以下(例えば、90ppm以下、80ppm以下、70ppm以下、60ppm以下、又は50ppm以下)の含水率を有する有機溶媒である。当該含水率の下限は、特に限定されないが、通常、検出限界又は10ppmである。有機溶媒が、このように低い含水率を有することにより、式(1)の化合物を高い収率で得ることができる。有機溶媒の含水率は、例えば、カールフィッシャー水分計により測定することができる。
【0063】
有機溶媒の量は、前記式(2)で表される化合物1gに対して、通常、0mL以上、好ましくは0.01mL以上、より好ましくは0.05mL以上、更に好ましくは0.1mL以上であり、通常、100mL以下、好ましくは10mL以下、より好ましくは5mL以下、更に好ましくは1mL以下である。有機溶媒の量は、前記式(2)で表される化合物1gに対して、0〜100mLの範囲内、好ましくは0.01〜10mLの範囲内、より好ましくは0.1〜1mLの範囲内である。
【0064】
工程Aは、好ましくは実質的に水不存在下で実施される。
ここで「実質的に水不存在」とは、工程Aの反応混合物の水含有量が反応開始時に1.0%(w/w)以下であることを意味する。
工程Aの反応系中の水含有量が少ないほど、式(1)で表される化合物を高い収率で得ることができる。
【0065】
工程Aの反応では、所望により、重合禁止剤を用いてもよい。重合禁止剤の例として、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、4−メトキシフェノール、ハイドロキノン、フェノチアジン、ベンゾキノン、フェノチアジン等が挙げられる。重合禁止剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0066】
重合禁止剤の量は、前記式(2)で表される化合物1重量部に対して、通常0.0003〜0.25重量部の範囲内、好ましくは0.0005〜0.05重量部の範囲内、より好ましくは0.001〜0.01重量部の範囲内である。
【0067】
工程Aの反応の反応温度は、反応が進行する限り特に限定されない。
当該反応温度の下限は、好ましくは30℃、より好ましくは50℃、さらに好ましくは60℃であることができる。
当該反応温度の上限は、好ましくは250℃、より好ましくは200℃、さらに好ましくは160℃であることができる。
当該反応温度は、例えば30〜250℃の範囲内であり、好ましくは50〜200℃の範囲内であり、より好ましくは60〜160℃の範囲内である。
【0068】
工程Aの反応は、例えば100〜120℃の範囲内、好ましくは105℃を超えて120℃以下の範囲内、より好ましくは110〜120℃の範囲内の温度Tで反応させる工程を含むことが好ましい。工程Aの反応では、反応温度を低温から高温に変化させることも好ましく、温度Tで反応させる工程に加えて、温度Tよりも低い温度で反応させる工程、及び/又は、温度Tよりも高い温度で反応させる工程を含んでいてもよい。
【0069】
工程Aの反応は、減圧下、常圧下、及び加圧下のいずれで行ってもよいが、減圧下又は常圧下が好ましく、例えば、常圧〜5kPaの範囲内、好ましくは常圧〜10kPaの範囲内である。
【0070】
工程Aの反応の反応時間は、例えば、収率が最大になる時間に設定すればよい。
【0071】
生成した式(1)で表される化合物は、反応を進行させながら、減圧蒸留等の方法で、反応系から取り出してもよい。
【0072】
収率は、好ましくは70%超であり、より好ましくは75%以上である、特に好ましくは80%以上である。
【0073】
生成した式(1)で表される化合物は、所望により、溶媒抽出、乾燥、濾過、蒸留、濃縮、及びこれらの組み合わせ等の公知の精製方法によって精製することができる。
【実施例】
【0074】
以下、実施例によって本開示の一実施態様を更に詳細に説明するが、本開示はこれに限定されるものではない。
【0075】
[実施例1]
500mL ナスフラスコに、フッ化カリウム6.97g(120mmol)、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)264mg(1.2mmol)、ジメチル 2−フルオロ−2−ヒドロキシメチルマロネート216.2g(1200mmol)、及びスルホラン(含水率:10〜50ppm)55mL(69.3g)を投入、及び混合した。常圧下100〜120℃で100分間加熱した。その後、減圧下で蒸留した。この時、スチルにはジメチル 2−フルオロ−2−ヒドロキシメチルマロネートは10.8g残存しており、メチル 2−フルオロアクリレートは収量として96.1gで得られ、収率は81%であった。
【0076】
[実施例2]
100mL ナスフラスコに、フッ化カリウム0.73g(12.5mmol)、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)55mg(0.25mmol)、ジメチル 2−フルオロ−2−ヒドロキシメチルマロネート45.5g(250mmol)、及びスルホラン(含水率:10〜50ppm)11.5mL(14.5g)を投入、及び混合した。常圧下100〜120℃で25分間、続いて減圧下で反応と同時に蒸留した。この時、スチルにはジメチル 2−フルオロ−2−ヒドロキシメチルマロネートは3.2g残存しており、メチル 2−フルオロアクリレートは収量として19.7gで得られ、収率は82%であった。