特許第6985647号(P6985647)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6985647
(24)【登録日】2021年11月30日
(45)【発行日】2021年12月22日
(54)【発明の名称】光学系、レンズユニット、及び撮像装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 13/00 20060101AFI20211213BHJP
   G02B 13/18 20060101ALI20211213BHJP
【FI】
   G02B13/00
   G02B13/18
【請求項の数】15
【全頁数】32
(21)【出願番号】特願2018-54075(P2018-54075)
(22)【出願日】2018年3月22日
(65)【公開番号】特開2019-168493(P2019-168493A)
(43)【公開日】2019年10月3日
【審査請求日】2020年9月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109221
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 充広
(72)【発明者】
【氏名】泉 亮太郎
【審査官】 殿岡 雅仁
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−333504(JP,A)
【文献】 特開昭54−151442(JP,A)
【文献】 特開2000−310733(JP,A)
【文献】 特開2001−033696(JP,A)
【文献】 特開2009−251432(JP,A)
【文献】 特開2008−023044(JP,A)
【文献】 特開2007−097652(JP,A)
【文献】 特開平11−316339(JP,A)
【文献】 米国特許第09733455(US,B1)
【文献】 特開2007−139985(JP,A)
【文献】 特開2010−134416(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0116572(US,A1)
【文献】 韓国公開特許第2001−0096482(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 9/00 − 17/08
G02B 21/02 − 21/04
G02B 25/00 − 25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体側から順に、
負の屈折力を有する第1レンズと、
負の屈折力を有する第2レンズと、
正の屈折力を有する第3レンズと、
絞りと、
負の屈折力を有する第4レンズと、
正の屈折力を有する第5レンズと、
第6レンズと、
から実質的になり、
前記第2レンズの物体側面は凸の面形状を有し、
前記第6レンズの物体側面は凹の面形状を有し、
以下の条件式を満たすことを特徴とする光学系。
40≦νd3 … (1)
1.5<f123/f456 … (2)
ここで、
νd3:前記第3レンズのアッベ数
f123:前記第1レンズから前記第3レンズまでの合成焦点距離
f456:前記第4レンズから前記第6レンズまでの合成焦点距離
【請求項2】
以下の条件式を満たすことを特徴とする請求項に記載の光学系。
4.5<f123/f … (3)
ここで、
f123:前記第1レンズから前記第3レンズまでの合成焦点距離
f:全系の焦点距離
【請求項3】
物体側から順に、
負の屈折力を有する第1レンズと、
負の屈折力を有する第2レンズと、
正の屈折力を有する第3レンズと、
絞りと、
負の屈折力を有する第4レンズと、
正の屈折力を有する第5レンズと、
第6レンズと、
から実質的になり、
前記第2レンズの物体側面は凸の面形状を有し、
前記第6レンズの物体側面は凹の面形状を有し、
以下の条件式を満たすことを特徴とする光学系。
40≦νd3 … (1)
4.5<f123/f … (3)
ここで、
νd3:前記第3レンズのアッベ数
f123:前記第1レンズから前記第3レンズまでの合成焦点距離
f:全系の焦点距離
【請求項4】
以下の条件式を満たすことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の光学系。
3.5<L/f<5.5 … (4)
ここで、
L:全系の全長
f:全系の焦点距離
【請求項5】
以下の条件式を満たすことを特徴とする請求項1から4までのいずれか一項に記載の光学系。
f2/f<−2.5 … (5)
ここで、
f2:前記第2レンズの焦点距離
f:全系の焦点距離
【請求項6】
前記第6レンズは負の屈折力を有することを特徴とする請求項1から5までのいずれか一項に記載の光学系。
【請求項7】
以下の条件式を満たすことを特徴とする請求項1から6までのいずれか一項に記載の光学系。
54≦νd1 … (6)
ここで、
νd1:前記第1レンズのアッベ数
【請求項8】
以下の条件式を満たすことを特徴とする請求項1から7までのいずれか一項に記載の光学系。
35≦νd6 … (7)
ここで、
νd6:前記第6レンズのアッベ数
【請求項9】
以下の条件式を満たすことを特徴とする請求項1から8までのいずれか一項に記載の光学系。
35<νd5−νd4 … (8)
ここで、
νd4:前記第4レンズのアッベ数
νd5:前記第5レンズのアッベ数
【請求項10】
前記第1レンズは球面形状を有することを特徴とする請求項1から9までのいずれか一項に記載の光学系。
【請求項11】
前記第2及び第3レンズの少なくとも1つは非球面形状を有し、
前記第4、第5、及び第6レンズの少なくとも1つは非球面形状を有することを特徴とする請求項10に記載の光学系。
【請求項12】
前記第1レンズはガラスレンズであることを特徴とする請求項10及び11のいずれか一項に記載の光学系。
【請求項13】
前記第2、第3、第4、第5、及び第6レンズはガラスレンズであることを特徴とする請求項12に記載の光学系。
【請求項14】
請求項1から13までのいずれか一項に記載の光学系と、
前記光学系を保持する鏡胴と、
を備えることを特徴とするレンズユニット。
【請求項15】
請求項1から13までのいずれか一項に記載の光学系と、
前記光学系から得られる像を検出する撮像素子と、
を備えることを特徴とする撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に、車載カメラ、携帯端末カメラ、監視カメラ等の撮像装置に用いられる光学系並びに当該光学系を備えるレンズユニット及び撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車載カメラ、携帯端末カメラ、監視カメラ等の撮像装置に用いられる小型の撮像レンズが知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。このような撮像装置に用いられるCCD(Charge Coupled Device)型イメージセンサーあるいはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)型イメージセンサー等の撮像素子は、高画素化及び小型化が図られている。これに伴って、これらの撮像素子を備えた撮像機器本体も小型化が進み、これに搭載される撮像レンズにも明るく良好な光学性能に加え、小型化及び軽量化が求められている。
【0003】
特許文献1の光学系では、プラスチックレンズを多用することで、低コストの設計を実現している。しかしながら、F値が2.0と暗く、近年求められているF値が明るい光学系となっていない。また、全系の焦点距離に対し全長が大きくなっており、光学系の小型化が実現されていない。
【0004】
特許文献2の光学系でも、プラスチックレンズを多用することで、低コストの設計を実現している。しかしながら、プラスチックレンズを多用することで光学性能が低くなっており、光学系の高性能化が実現されていない。
【0005】
特許文献3の光学系でも、プラスチックレンズを多用することで、低コストの設計を実現している。しかしながら、F値が2.3と暗く、近年求められているF値が明るい光学系となっていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2017−037119号公報
【特許文献2】特開2017−044731号公報
【特許文献3】特開2017−167253号公報
【発明の概要】
【0007】
本発明は、上記背景技術に鑑みてなされたものであり、小型であり、かつ良好な光学性能を確保できる光学系を提供することを目的とする。
【0008】
また、本発明は、上記光学系を組み込んだレンズユニット及び撮像装置を提供することを目的とする。
【0009】
上記目的を達成するため、本発明に係る光学系は、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズと、負の屈折力を有する第2レンズと、正の屈折力を有する第3レンズと、絞りと、負の屈折力を有する第4レンズと、正の屈折力を有する第5レンズと、第6レンズと、から実質的になり、第2レンズの物体側面は凸の面形状を有し、第6レンズの物体側面は凹の面形状を有し、以下の条件式を満たす。
40≦νd3 … (1)
1.5<f123/f456 … (2)
ここで、値νd3は第3レンズのアッベ数であり、値f123は第1レンズから第3レンズまでの合成焦点距離であり、値f456は第4レンズから第6レンズまでの合成焦点距離である。
【0010】
上記光学系によれば、絞りを第3レンズと第4レンズとの間に配置することにより、絞りが光学系の中心付近に配置されることになり、前玉(つまり、第1レンズ)及び後玉(つまり、第6レンズ)の小径化を両立させることができる。なお、絞りを第3レンズと第4レンズとの間より物体側に配置すると、射出瞳位置を撮像面から遠ざけることができるため、CMOSやCCD等の撮像素子を用いる際に必要なテレセントリック性を確保することができ、前玉を小径化することができるが、後玉径が大型化するという問題が生じる。一方、絞りをより像側に配置すると、後玉を小径化することができるが、射出瞳位置がより像側に近づいてしまうため、テレセントリック性を確保することが困難となり、かつ前玉径が大型化するという問題が生じる。このようなことから、本発明では、絞りを第3レンズと第4レンズとの間に配置した。
【0011】
また、上記光学系は、レトロフォーカス型に見られるように、物体側に2枚の負レンズを配置している。これにより、入射瞳位置をより物体側に近づけることができるため、前玉径を小型化しつつ広角化を実現することができる。また、負レンズが1枚の場合と比較して、パワーを分割することができるため、第1及び第2レンズで発生するコマ収差、非点収差、像面湾曲、及び歪曲収差を小さくすることができる。また、パワーを分割することにより、1枚のレンズを鏡胴に組み込んだ場合に比較して、第1及び第2レンズを鏡胴に組み込んだ際の偏芯誤差に対する収差変動を小さくすることができるため、量産性を向上させることができる。
【0012】
また、絞りの直前に位置し、太い光束が通過する第3レンズを正レンズとすることにより、第1及び第2レンズで発生する球面収差及びコマ収差を補正することができる。また、絞りより像側に位置する第4及び第5レンズを、負レンズと正レンズとの構成とすることにより、軸上色収差及び倍率色収差を効果的に補正することができる。また、絞りより像側に位置するレンズを上記のように配置することにより、正レンズである第5レンズ以降の軸外光線の光軸からの高さを低くすることができるため、後玉径を小型化することができる。
【0013】
また、第6レンズを有することで、高像高での像面湾曲及び歪曲収差の発生を抑えることができるため、良好な光学性能を確保することができる。
【0014】
また、第2レンズは、第1レンズに引き続き高像高の光線がレンズの高い位置を通過するため、高像高の光線に対する第2レンズの寄与が大きくなる。このため、第2レンズを物体側に凸形状を有する負のメニスカスレンズとすることで、高像高の光線とレンズ面の法線とのなす角度を小さくすることができ、第2レンズの物体側面で発生する像面湾曲及び歪曲収差を抑えることができるため、良好な光学性能を確保することができる。
【0015】
また、第6レンズの物体側面を凹面とすることで、特に高像高の光線とレンズ面の法線とのなす角度を小さくすることができ、第6レンズの物体側面で発生する像面湾曲及び歪曲収差を小さく抑えることができるため、良好な光学性能を確保することができる。
【0016】
また、第3レンズは絞りの直前に位置し、各像高で太い光線が通過するが、各像高の光軸からの光線通過高さが低くなるため、特に軸上光線への寄与度が大きくなる。条件式(1)の値νd3を下限以上とすることで、軸上色収差を小さく抑えることができ、良好な光学性能を確保することができる。
【0018】
条件式(2)は第4レンズから第6レンズまでの合成焦点距離に対する第1レンズから第3レンズまでの合成焦点距離の比を規定したものある。条件式(2)の値f123/f456が下限を上回ることで、第4レンズから第6レンズまでの合成焦点距離に対する第1レンズから第3レンズまでの合成焦点距離が小さくなりすぎない。このため、第1レンズから第6レンズで構成される、第6レンズの像側面からの像側主点位置をより物体側に置くことがなく、バックフォーカスが短くなりすぎない。したがって、最も像側のレンズである第6レンズ以降に、光学フィルター等の光学素子を挿入する空間を確保することができる。また、最も像側のレンズ面上にごみが付着した際に、ごみが画像へ映り込みにくくすることができる。
【0019】
本発明の別の側面では、光学系は以下の条件式を満たす。
4.5<f123/f … (3)
ここで、値fは全系の焦点距離である。
【0020】
条件式(3)は全系の焦点距離に対する第1レンズから第3レンズまでの合成焦点距離の比を規定したものある。条件式(3)の値f123/fが下限を上回ることで、第1レンズから第3レンズまでの合成焦点距離が小さくなりすぎない。そのため、第1レンズから第3レンズまでの合成パワーが強くなりすぎず、第1レンズから第3レンズで発生する諸収差を抑えることができ、良好な光学性能を確保することができる。また、第1レンズから第3レンズまでの合成パワーが強くなりすぎないため、前玉径の大型化を防ぐことができる。
上記目的を達成するため、本発明に係る光学系は、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズと、負の屈折力を有する第2レンズと、正の屈折力を有する第3レンズと、絞りと、負の屈折力を有する第4レンズと、正の屈折力を有する第5レンズと、第6レンズと、から実質的になり、第2レンズの物体側面は凸の面形状を有し、第6レンズの物体側面は凹の面形状を有し、以下の条件式を満たす。
40≦νd3 … (1)
4.5<f123/f … (3)
ここで、値νd3は第3レンズのアッベ数であり、値f123は第1レンズから第3レンズまでの合成焦点距離であり、値fは全系の焦点距離である。

【0021】
本発明のさらに別の側面では、光学系は以下の条件式を満たす。
3.5<L/f<5.5 … (4)
ここで、値Lは全系の全長(つまり、光学系の最も物体側の面から結像面までの距離)である。
【0022】
条件式(4)は全系の焦点距離に対する全長の比を規定したものある。従来では、レトロフォーカス型のように、物体側に強い負レンズを配置した構成を採る光学系が多く、入射瞳位置が物体側に寄せられるため前玉径を小型化しつつ広角化することはできたが、主点位置が像側に置かれやすく、焦点距離に対し全長が長くなるという問題があった。条件式(4)を満たすことで、焦点距離が長いにもかかわらず、全長が短い小型な光学系を実現することができる。条件式(4)の値L/fが上限を下回ることで、焦点距離に対して全長を短くすることができる。一方、条件式(4)の値L/fが下限を上回ることで、焦点距離に対して全長が短くなりすぎず、光学系の各レンズのパワーが強くなりすぎないため、各レンズで発生する諸収差を抑えることができ、良好な光学性能を確保することができる。
【0023】
本発明のさらに別の側面では、光学系は以下の条件式を満たす。
f2/f<−2.5 … (5)
ここで、値f2は第2レンズの焦点距離である。
【0024】
条件式(5)は全系の焦点距離に対する第2レンズの焦点距離の比を規定したものである。条件式(5)の値f2/fが上限を下回ることで、第2レンズの焦点距離が短くなりすぎない。そのため、第2レンズのパワーが強くなりすぎることによって発生する高像高での像面湾曲及び歪曲収差を抑えることができる。また、第2レンズの焦点距離が短くなりすぎないため、第2レンズを鏡胴へ組み込んだ際の偏芯誤差に対する収差変動を抑えることができる。以上により、条件式(5)を満たすことにより、光学系の小型化と良好な光学特性の確保とを実現することができる。
【0025】
本発明のさらに別の側面では、第6レンズは負の屈折力を有する。この場合、第6レンズの像側面からの像側主点位置をより物体側に位置させることができるため、全長を小型化することができる。また、第6レンズ通過後の軸外光線を光軸から高い方向に屈折させることができるため、第6レンズを通過する軸外光線の光線高さを低くすることができ、第6レンズを小径化することができる。
【0026】
本発明のさらに別の側面では、光学系は以下の条件式を満たす。
54≦νd1 … (6)
ここで、値νd1は第1レンズのアッベ数である。
【0027】
最も物体側に位置する第1レンズは、高像高の光線が最も高い位置を通過するため、これらの光線に対する寄与が大きい。第1レンズにおいて、条件式(6)を満たす硝材を用いることで、第1レンズの高像高で発生する倍率色収差を抑えることができ、良好な光学性能を確保することができる。
【0028】
本発明のさらに別の側面では、光学系は以下の条件式を満たす。
35≦νd6 … (7)
ここで、値νd6は第6レンズのアッベ数である。
【0029】
最も像側に位置する第6レンズも、第1レンズ同様に高像高の光線が最も高い位置を通過するため、これらの光線に対する寄与が大きい。第6レンズにおいて、条件式(7)を満たす硝材を用いることで、第6レンズの高像高で発生する倍率色収差を抑えることができ、良好な光学性能を確保することができる。
【0030】
本発明のさらに別の側面では、光学系は以下の条件式を満たす。
35<νd5−νd4 … (8)
ここで、値νd4は第4レンズのアッベ数であり、値νd5は第5レンズのアッベ数である。
【0031】
第4及び第5レンズは絞りの直後に位置し、各像高で太い光束が通過するため、これらのレンズによる軸上色収差や倍率色収差に対する影響が大きい。条件式(8)の値νd5−νd4が下限を上回ることで、負のパワーを持った第4レンズで発生する軸上色収差を、正のパワーを持った第5レンズで逆方向に発生させることができるため、第4及び第5レンズにより軸上色収差を打ち消すことができる。これにより、軸上色収差を抑えることができる。
【0032】
本発明のさらに別の側面では、第1レンズは球面形状を有する。径が大きくなりやすい第1レンズを球面レンズとすることにより、非球面レンズと比較してコストを低くすることができる。
【0033】
本発明のさらに別の側面では、第2及び第3レンズの少なくとも1つは非球面形状を有し、第4、第5、及び第6レンズの少なくとも1つは非球面形状を有する。この場合、諸収差を効果的に補正することができ、良好な光学性能を確保することができる。
【0034】
本発明のさらに別の側面では、第1レンズはガラスレンズである。この場合、レンズ面への傷を防ぎ、耐環境性を高めながらも良好な光学性能を確保することができる。
【0035】
本発明のさらに別の側面では、第2、第3、第4、第5、及び第6レンズはガラスレンズである。ガラスレンズはプラスチックレンズと比較して温度変化における屈折率変化が小さい。そのため、第2〜第6レンズを含めた光学系を構成する全てのレンズをガラスレンズとすることにより、厳しい環境下でも光学性能変化が小さい光学系を実現することができる。
【0036】
上記目的を達成するため、本発明に係るレンズユニットは、上述の光学系と、光学系を保持する鏡胴と、を備える。
【0037】
上記レンズユニットでは、上述した光学系を備えており、小型化、及び良好な光学性能の確保を実現できる。
【0038】
上記目的を達成するため、本発明に係る撮像装置は、上述の光学系と、光学系から得られる像を検出する撮像素子と、を備える。
【0039】
上記撮像装置では、上述した光学系を備えており、小型化、及び良好な光学性能の確保を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】本発明の一実施形態の撮像光学系を備えるレンズユニット及び撮像装置を説明する図である。
図2】(A)は、実施例1の撮像光学系等の断面図であり、(B)〜(D)は、収差図である。
図3】(A)は、実施例2の撮像光学系等の断面図であり、(B)〜(D)は、収差図である。
図4】(A)は、実施例3の撮像光学系等の断面図であり、(B)〜(D)は、収差図である。
図5】(A)は、実施例4の撮像光学系等の断面図であり、(B)〜(D)は、収差図である。
図6】(A)は、実施例5の撮像光学系等の断面図であり、(B)〜(D)は、収差図である。
図7】(A)は、実施例6の撮像光学系等の断面図であり、(B)〜(D)は、収差図である。
図8】(A)は、実施例7の撮像光学系等の断面図であり、(B)〜(D)は、収差図である。
図9】(A)は、実施例8の撮像光学系等の断面図であり、(B)〜(D)は、収差図である。
図10】(A)は、実施例9の撮像光学系等の断面図であり、(B)〜(D)は、収差図である。
図11】(A)は、実施例10の撮像光学系等の断面図であり、(B)〜(D)は、収差図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
図1は、本発明の一実施形態である撮像装置100を説明する断面図である。撮像装置100は、画像信号を形成するカメラモジュール30と、カメラモジュール30を動作させることにより撮像装置100としての機能を発揮させる処理部60とを備える。
【0042】
カメラモジュール30は、撮像光学系10を内蔵するレンズユニット40と、撮像光学系10によって形成された被写体像を画像信号に変換するセンサー部50とを備える。
【0043】
レンズユニット40は、光学系である撮像光学系10と、撮像光学系10を支持する鏡胴41とを備える。撮像光学系10は、第1〜第6レンズL1〜L6で構成されている。鏡胴41は、樹脂、金属、樹脂にグラスファイバーを混合したもの等で形成され、レンズ等を内部に収納し保持している。鏡胴41を金属や、樹脂にグラスファイバーを混合したもので形成する場合、樹脂よりも熱膨張しにくく、撮像光学系10を安定して固定することができる。鏡胴41は、物体側からの光を入射させる開口OPを有する。
【0044】
撮像光学系10の全画角は、120°以上である。撮像光学系10を構成する第1〜第6レンズL1〜L6は、それらのフランジ部若しくは外周部において鏡胴41の内面側に直接的又は間接的に保持されており、光軸AX方向及び光軸AXに垂直な方向に関しての位置決めがなされている。鏡胴41は、絞り(開口絞り)STやフィルターF1といったレンズL1〜L6以外の光学要素も支持している。
【0045】
センサー部50は、撮像光学系10によって形成された被写体像を光電変換する固体撮像素子51と、この固体撮像素子51を支持する基板52と、基板52を介して固体撮像素子51を保持するセンサーホルダー53とを備える。固体撮像素子51は、例えばCMOS型のイメージセンサーである。基板52は、固体撮像素子51を動作させるための配線、周辺回路等を備える。センサーホルダー53は、樹脂その他の材料で形成され、固体撮像素子51を光軸AXに対して位置決めする。レンズユニット40の鏡胴41はセンサーホルダー53に嵌合するように位置決めされた状態で固定されている。
【0046】
固体撮像素子(撮像素子)51は、撮像面Iとしての光電変換部51aを有し、その周辺には、不図示の信号処理回路が形成されている。光電変換部51aには、画素つまり光電変換素子が2次元的に配置されている。なお、固体撮像素子51は、上述のCMOS型のイメージセンサーに限るものでなく、CCD等の他の撮像素子を組み込んだものであってもよい。
【0047】
レンズユニット40を構成するレンズ間、又はレンズユニット40とセンサー部50との間には、フィルター等を配置することができる。図1の例では、フィルターF1は、撮像光学系10の第6レンズL6と固体撮像素子51との間に配置されている。フィルターF1は、光学的ローパスフィルター、IRカットフィルター、固体撮像素子51のシールガラス等を想定した平行平板である。フィルターF1は、別体のフィルター部材として配置することもできるが、別体として配置せず、撮像光学系10を構成するいずれかのレンズ面にその機能を付与することができる。例えば、赤外カットフィルターの場合、赤外カットコートを1枚又は複数枚のレンズの表面上に施してもよい。
【0048】
処理部60は、素子駆動部61と、入力部62と、記憶部63と、表示部64と、制御部68とを備える。素子駆動部61は、固体撮像素子51に付随する回路等に制御信号を出力することで固体撮像素子51を動作させる。素子駆動部61は、制御部68から固体撮像素子51を駆動するための電圧やクロック信号の供給を受けたり、固体撮像素子51の出力信号に対応するYUVその他のデジタル画素信号を外部回路に出力したりすることもできる。入力部62は、ユーザーの操作を受け付ける部分であり、記憶部63は、撮像装置100の動作に必要な情報、カメラモジュール30によって取得した画像データ等を保管する部分であり、表示部64は、ユーザーに提示すべき情報、撮影した画像等を表示する部分である。制御部68は、素子駆動部61、入力部62、記憶部63等の動作を統括的に制御しており、例えばカメラモジュール30によって得た画像データに対して種々の画像処理を行うことができる。撮像装置100を例えば車載カメラとして用いる場合、適切な画像処理を施してドライバーに対し画像を表示する。
【0049】
なお、詳細な説明を省略するが、処理部60の具体的な機能は、本撮像装置100が組み込まれる機器の用途に応じて適宜調整される。撮像装置100は、車載カメラ、監視カメラ等の各種用途の装置に搭載可能である。
【0050】
以下、図1を参照して、第1実施形態の撮像光学系10等について説明する。なお、図1で例示した撮像光学系10は、後述する実施例1の撮像光学系10Aと略同一の構成となっている。
【0051】
図示の撮像光学系10は、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズL1と、負の屈折力を有する第2レンズL2と、正の屈折力を有する第3レンズL3と、絞りSTと、負の屈折力を有する第4レンズL4と、正の屈折力を有する第5レンズL5と、第6レンズL6とから実質的になる。
【0052】
上記撮像光学系10において、絞りSTを第3レンズL3と第4レンズL4との間に配置することにより、絞りSTが光学系の中心付近に配置されることになる。これにより、前玉(つまり、第1レンズL1)及び後玉(つまり、第6レンズL6)の小径化を両立させることができる。なお、絞りSTをより物体側に配置すると、射出瞳位置を撮像面Iから遠ざけることができるため、CMOSやCCD等の固体撮像素子51を用いる際に必要なテレセントリック性を確保することができ、前玉径を小型化することができるが、後玉径が大型化するという問題が生じる。一方、絞りSTをより像側に配置すると、後玉径を小型化することができるが、射出瞳位置がより像側に近づいてしまうため、テレセントリック性を確保することが困難となり、かつ前玉径が大型化するという問題が生じる。
【0053】
また、上記撮像光学系10は、レトロフォーカス型に見られるように、物体側に2枚の負レンズを配置している。これにより、入射瞳位置をより物体側に近づけることができるため、前玉径を小型化しつつ広角化を実現することができる。また、負レンズが1枚の場合と比較して、パワーを分割することができるため、第1及び第2レンズL1,L2で発生するコマ収差、非点収差、像面湾曲、及び歪曲収差を小さくすることができる。また、パワーを分割することにより、1枚のレンズを鏡胴41に組み込んだ場合に比較して、第1及び第2レンズL1,L2を鏡胴41に組み込んだ際の偏芯誤差に対する収差変動を小さくすることができるため、量産性を向上させることができる。
【0054】
また、絞りSTの直前に位置し、太い光束が通過する第3レンズL3を正レンズとすることにより、第1及び第2レンズL1,L2で発生する球面収差及びコマ収差を補正することができる。また、絞りSTより像側に位置する第4及び第5レンズL4,L5は、全像高で太い光線が通過するため、第4及び第5レンズL4,L5による光線への寄与度が大きい。そのため、絞りSTより像側に位置する第4及び第5レンズL4,L5を、負レンズと正レンズとの構成とすることにより、軸上色収差及び倍率色収差を効果的に補正することができる。また、絞りSTより像側に位置するレンズを上記のように配置することにより、正レンズである第5レンズL5以降の軸外光線の光軸AXからの高さを低くすることができるため、後玉径を小型化することができる。
【0055】
また、第6レンズL6を有することで、高像高での像面湾曲及び歪曲収差の発生を抑えることができるため、良好な光学性能を確保することができる。
【0056】
なお、第6レンズL6は、負及び正のいずれの屈折率を有していてもよいが、負の屈折力を有することがより好ましい。第6レンズL6が負の屈折力を有する場合、第6レンズL6の像側面からの像側主点位置をより物体側に位置させることができるため、全長を小型化することができる。また、第6レンズL6通過後の軸外光線を光軸AXから高い方向に屈折させることができるため、第6レンズL6を通過する軸外光線の光線高さを低くすることができ、第6レンズL6を小径化することができる。
【0057】
第1レンズL1は球面形状を有している。最も物体側に配置される第1レンズL1は高像高の光線が光軸AXに対して高い位置を通過する。そのため、第1レンズL1の径は大きくなりやすい。第1レンズL1を球面レンズとすることにより、非球面レンズと比較してコストを低くすることができる。
【0058】
第2レンズL2の物体側面は凸の面形状を有している。一般的に、レンズ面の法線と光線とのなす角度が小さいほど収差の発生を抑えることができる。第2レンズL2では、高像高の光線に対する第2レンズL2の寄与が大きい。第2レンズL2を物体側に凸形状を有する負のメニスカスレンズとすることで、高像高の光線とレンズ面の法線とのなす角度を小さくすることができ、第2レンズL2の物体側面で発生する像面湾曲及び歪曲収差を抑えることができるため、良好な光学性能を確保することができる。
【0059】
第6レンズL6の物体側面は凹の面形状を有している。これにより、特に高像高の光線とレンズ面の法線とのなす角度を小さくすることができ、第6レンズL6の物体側面で発生する像面湾曲及び歪曲収差を小さく抑えることができるため、良好な光学性能を確保することができる。
【0060】
第2及び第3レンズL2,L3の少なくとも1つは非球面形状を有し、第4〜第6レンズL4〜L6の少なくとも1つは非球面形状を有する。これにより、諸収差を効果的に補正することができ、良好な光学性能を確保することができる。
【0061】
第1レンズL1はガラスレンズである。車載用レンズや監視用レンズで用いられる光学系は第1レンズL1が外界に対して露出した状態となるため、レンズ面が傷つきやすく、光学性能を劣化させるおそれがある。第1レンズL1をガラスレンズとすることにより、レンズ面への傷を防ぎ、耐環境性を高めながらも良好な光学性能を確保することができる。
【0062】
また、第2〜第6レンズL2〜L6もガラスレンズであることが好ましい。ガラスレンズはプラスチックレンズと比較して温度変化における屈折率変化が小さい。プラスチックレンズを多用することで低コストを実現することはできるが、温度変化及び湿度変化が大きいような厳しい環境下では、光学性能変化の原因となる。そのため、第2〜第6レンズL2〜L6を含めた光学系を構成する全てのレンズをガラスレンズとすることにより、厳しい環境下でも光学性能変化が小さい光学系を実現することができる。
【0063】
撮像光学系10は、以下の条件式を満たす。
40≦νd3 … (1)
ここで、値νd3は第3レンズL3のアッベ数である。
【0064】
第3レンズL3は絞りSTの直前に位置し、各像高で太い光線が通過するが、各像高の光軸AXからの光線通過高さが低くなるため、特に軸上光線への寄与度が大きくなる。条件式(1)の値νd3を下限以上とすることで、軸上色収差を小さく抑えることができ、良好な光学性能を確保することができる。
【0065】
撮像光学系10は、以下の条件式を満たす。
1.5<f123/f456 … (2)
ここで、値f123は第1レンズL1から第3レンズL3までの合成焦点距離であり、値f456は第4レンズL4から第6レンズL6までの合成焦点距離である。
【0066】
なお、撮像光学系10は、以下の条件式を満たすことがより好ましい。
1.5<f123/f456<15 … (2)’
【0067】
条件式(2)は第4レンズL4から第6レンズL6までの合成焦点距離に対する第1レンズL1から第3レンズL3までの合成焦点距離の比を規定したものある。条件式(2)の値f123/f456が下限を上回ることで、第4レンズL4から第6レンズL6までの合成焦点距離に対する第1レンズL1から第3レンズL3までの合成焦点距離が小さくなりすぎない。このため、第1レンズL1から第6レンズL6で構成される、第6レンズL6の像側面からの像側主点位置をより物体側に置くことがなく、バックフォーカスが短くなりすぎない。したがって、最も像側のレンズである第6レンズL6以降に、光学フィルター等の光学素子を挿入する空間を確保することができる。また、最も像側のレンズ面上にごみが付着した際に、ごみが画像へ映り込みにくくすることができる。
【0068】
撮像光学系10は、下の条件式を満たす。
4.5<f123/f … (3)
ここで、値fは全系の焦点距離である。
【0069】
なお、撮像光学系10は、以下の条件式を満たすことがより好ましい。
4.5<f123/f<25 … (3)’
【0070】
条件式(3)は全系の焦点距離に対する第1レンズL1から第3レンズL3までの合成焦点距離の比を規定したものある。条件式(3)の値f123/fが下限を上回ることで、第1レンズL1から第3レンズL3までの合成焦点距離が小さくなりすぎない。そのため、第1レンズL1から第3レンズL3までの合成パワーが強くなりすぎず、第1レンズL1から第3レンズL3で発生する諸収差を抑えることができ、良好な光学性能を確保することができる。また、第1レンズL1から第3レンズL3までの合成パワーが強くなりすぎないため、前玉径の大型化を防ぐことができる。
【0071】
撮像光学系10は、以下の条件式を満たす。
3.5<L/f<5.5 … (4)
ここで、値Lは全系の全長(つまり、光学系の最も物体側の面から結像面までの距離)である。
【0072】
条件式(4)は全系の焦点距離に対する全長の比を規定したものある。従来では、レトロフォーカス型のように、物体側に強い負レンズを配置した構成をとる光学系が多く、入射瞳位置が物体側に寄せられるため前玉径を小型化しつつ広角化することはできたが、主点位置が像側に置かれやすく、焦点距離に対して全長が長くなるという問題があった。条件式(4)を満たすことで、焦点距離が長いにもかかわらず、全長が短い小型な光学系を実現することができる。条件式(4)の値L/fが上限を下回ることで、焦点距離に対して全長を短くすることができる。一方、条件式(4)の値L/fが下限を上回ることで、焦点距離に対して全長が短くなりすぎず、光学系の各レンズのパワーが強くなりすぎないため、各レンズで発生する諸収差を抑えることができ、良好な光学性能を確保することができる。
【0073】
撮像光学系10は、光学系は以下の条件式を満たす。
f2/f<−2.5 … (5)
ここで、値f2は第2レンズL2の焦点距離である。
【0074】
なお、撮像光学系10は、以下の条件式を満たすことがより好ましい。
−25<f2/f<−2.5 … (5)’
【0075】
条件式(5)は全系の焦点距離に対する第2レンズL2の焦点距離の比を規定したものである。第2レンズL2では、特に高像高の光線が光軸AXに対して高い位置で通過するため、高像高の光線に与える影響が大きくなる。条件式(5)の値f2/fが上限を下回ることで、第2レンズL2の焦点距離が短くなりすぎない。そのため、第2レンズL2のパワーが強くなりすぎることによって発生する高像高での像面湾曲及び歪曲収差を抑えることができる。また、第2レンズL2の焦点距離が短くなりすぎないため、第2レンズL2を鏡胴41へ組み込んだ際の偏芯誤差に対する収差変動を抑えることができる。以上により、条件式(5)を満たすことにより、光学系の小型化と良好な光学特性の確保とを実現することができる。
【0076】
撮像光学系10は、光学系は以下の条件式を満たす。
54≦νd1 … (6)
ここで、値νd1は第1レンズL1のアッベ数である。
【0077】
最も物体側に位置する第1レンズL1は、高像高の光線が最も高い位置を通過するレンズである。そのため、第1レンズL1による高像高の光線への影響は大きく、特に色収差に関しては倍率色収差への影響が大きくなる。そのため、第1レンズL1において、条件式(6)を満たす硝材を用いることで、第1レンズL1の高像高で発生する倍率色収差を抑えることができ、良好な光学性能を確保することができる。
【0078】
撮像光学系10は、以下の条件式を満たす。
35≦νd6 … (7)
ここで、値νd6は第6レンズL6のアッベ数である。
【0079】
最も像側に位置する第6レンズL6は、高像高の光線が最も高い位置を通過するレンズである。そのため、第6レンズL6による高像高の光線への影響は大きく、特に色収差に関しては倍率色収差への影響が大きくなる。そのため、第6レンズL6において、条件式(7)を満たす硝材を用いることで、第6レンズL6の高像高で発生する倍率色収差を抑えることができ、良好な光学性能を確保することができる。
【0080】
撮像光学系10は、以下の条件式を満たす。
35<νd5−νd4 … (8)
ここで、値νd4は第4レンズL4のアッベ数であり、値νd5は第5レンズL5のアッベ数である。
【0081】
第4及び第5レンズL4,L5は絞りSTの直後に位置し、各像高で太い光束が通過するため、第4及び第5レンズL4,L5による軸上色収差及び倍率色収差に対する影響が大きい。条件式(8)の値νd5−νd4が下限を上回ることで、負のパワーを持った第4レンズL4で発生する軸上色収差を、正のパワーを持った第5レンズL5で逆方向に発生させることができるため、第4及び第5レンズL4,L5により軸上色収差を打ち消すことができる。これにより、軸上色収差を抑えることができる。
【0082】
なお、撮像光学系10は、実質的にパワーを持たないその他の光学素子(例えばレンズ、フィルター部材等)をさらに有するものであってもよい。
【0083】
以上説明した撮像光学系10は、上述のようなレンズ構成を有することにより、小型でありながら、良好な光学性能を有する。
【0084】
〔実施例〕
以下、本発明の撮像光学系等の実施例を示す。各実施例に使用する記号は下記の通りである。
f :全系の焦点距離
Fno:Fナンバー
2w :最大全画角
ENTP:入射瞳位置(第1面から入射瞳位置までの距離)
EXTP:射出瞳位置(撮像面から射出瞳位置までの距離)
R :曲率半径
D :軸上面間隔
Nd :レンズ材料のd線に対する屈折率
vd :レンズ材料のアッベ数
ED :有効径
各実施例において、各面番号の後に「*」が記載されている面が非球面形状を有する面であり、非球面の形状は、面の頂点を原点とし、光軸方向にX軸をとり、光軸と垂直方向の高さをhとして以下の「数1」で表す。
【数1】
ただし、
Ai:i次の非球面係数
R :曲率半径
K :円錐定数
【0085】
(実施例1)
実施例1の撮像光学系の全体諸元を以下に示す。
f=5.11(mm)
Fno=1.60
2w=120.00(°)
ENTP=5.19(mm)
EXTP=-4.77(mm)
【0086】
実施例1の撮像光学系のレンズ面のデータを以下の表1に示す。なお、以下の表1等において、面番号を「Surf. N」で表し、絞り(開口絞り)を「ST」で表し、無限大を「INF」で表している。
〔表1〕
Surf. N R(mm) D(mm) Nd vd ED(mm)
1 250.000 0.700 1.6180 63.39 9.522
2 9.042 0.200 7.585
3* 5.500 0.969 1.7680 49.24 7.429
4* 3.787 2.965 6.220
5 82.382 4.100 1.6180 63.39 5.922
6 -6.463 1.311 5.596
ST INF 0.220 5.204
8 6.551 2.000 1.9459 17.98 5.146
9 3.500 0.010 1.5140 42.83 4.732
10 3.500 3.322 1.7292 54.67 4.736
11 -9.491 1.395 4.833
12* -6.114 1.764 1.6935 53.20 5.054
13* -230.000 0.100 6.286
14 INF 0.300 1.5168 64.20 6.503
15 INF 1.496 6.563
【0087】
実施例1のレンズ面の非球面係数を以下の表2に示す。なお、これ以降(表のレンズデータを含む)において、10のべき乗数(たとえば2.5×10−02)をE(たとえば2.5E−02)を用いて表すものとする。
〔表2〕
第3面
K=1.074532E-01, A4=-1.624884E-03, A6=-2.328955E-04,
A8=5.001098E-06, A10=0.000000E+00
第4面
K=-8.986798E-01, A4=1.470839E-03, A7=-2.647765E-04,
A8=1.291450E-05, A10=0.000000E+00
第12面
K=0.000000E+00, A4=-5.290430E-03, A8=4.261773E-04,
A8=-3.650813E-05, A10=1.608478E-06
第13面
K=0.000000E+00, A4=-8.969457E-03, A6=3.647311E-04,
A8=-9.201162E-06, A10=1.730727E-07
【0088】
実施例1の単レンズデータを以下の表3に示す。
〔表3〕
レンズ 焦点距離(mm)
L1 -15.197
L2 -21.002
L3 9.872
L4 -11.659
L5 3.931
L6 -9.087
【0089】
図2(A)は、実施例1の撮像光学系10A等の断面図である。撮像光学系10Aは、負の屈折力を有し物体側に凸のメニスカスタイプの第1レンズL1と、負の屈折力を有し物体側に凸のメニスカスタイプの第2レンズL2と、正の屈折力を有し両凸の第3レンズL3と、負の屈折力を有し物体側に凸のメニスカスタイプの第4レンズL4と、正の屈折力を有し両凸の第5レンズL5と、負の屈折力を有し物体側に凹のメニスカスタイプの第6レンズL6とを備える。第1、第3〜第5レンズL1,L3〜L5は、光学面として球面を有している。第2及び第6レンズL2,L6は、光学面として非球面を有している。第4及び第5レンズL4,L5は、接着剤で接合された接合レンズとなっている。第1〜第6レンズL1〜L6は全てガラスで形成されている。第3レンズL3と第4レンズL4との間には、絞り(開口絞り)STが配置されている。第6レンズL6と固体撮像素子51との間には、適当な厚さのフィルターF1が配置されている。フィルターF1は、光学的ローパスフィルター、IRカットフィルター、固体撮像素子51のシールガラス等を想定した平行平板である。符号Iは、固体撮像素子51の被投影面である撮像面を示す。なお、符号F1,Iについては、以降の実施例でも同様である。
【0090】
図2(B)〜2(D)は、実施例1の撮像光学系10Aの収差図(球面収差、非点収差、及び歪曲収差)を示している。
【0091】
(実施例2)
実施例2の撮像光学系の全体諸元を以下に示す。
f=4.87(mm)
Fno=1.60
2w=120.00(°)
ENTP=5.14(mm)
EXTP=-4.93(mm)
【0092】
実施例2の撮像光学系のレンズ面のデータを以下の表4に示す。
〔表4〕
Surf. N R(mm) D(mm) Nd vd ED(mm)
1 250.000 0.700 1.6180 63.39 9.531
2 9.531 0.204 7.640
3* 5.525 1.864 1.7680 49.24 7.485
4* 2.992 2.702 5.647
5* 8.348 4.053 1.5444 55.91 4.960
6* -7.250 0.000 5.005
ST INF 1.224 4.968
8 6.372 1.325 1.9459 17.98 4.930
9 3.636 0.010 1.5140 42.83 4.708
10 3.636 2.775 1.7292 54.67 4.714
11 -7.991 1.555 4.961
12* -5.495 1.733 1.7308 40.50 4.981
13* -230.000 0.100 6.353
14 INF 0.300 1.5168 64.20 6.543
15 INF 1.497 6.596
【0093】
実施例2のレンズ面の非球面係数を以下の表5に示す。
〔表5〕
第3面
K=8.490109E-02, A4=-2.889466E-03, A6=-1.038759E-04,
A8=1.558407E-06, A10=0.000000E+00
第4面
K=-1.079921E+00, A4=-1.493043E-03, A6=-1.889487E-04,
A8=1.146423E-05, A10=0.000000E+00
第5面
K=0.000000E+00, A4=-1.137313E-03, A6=2.594269E-06,
A8=0.000000E+00, A10=0.000000E+00
第6面
K=0.000000E+00, A4=4.903884E-05, A6=3.578433E-05,
A8=0.000000E+00, A10=0.000000E+00
第12面
K=0.000000E+00, A4=-8.493088E-03, A6=1.093650E-03,
A8=-1.632637E-04, A10=8.691583E-06
第13面
K=0.000000E+00, A4=-8.208992E-03, A6=5.511346E-04,
A8=-4.489897E-05, A10=1.472478E-06
【0094】
実施例2の単レンズデータを以下の表6に示す。
〔表6〕
レンズ 焦点距離(mm)
L1 -16.051
L2 -12.491
L3 7.847
L4 -11.709
L5 3.811
L6 -7.729
【0095】
図3(A)は、実施例2の撮像光学系10B等の断面図である。撮像光学系10Bは、負の屈折力を有し物体側に凸のメニスカスタイプの第1レンズL1と、負の屈折力を有し物体側に凸のメニスカスタイプの第2レンズL2と、正の屈折力を有し両凸の第3レンズL3と、負の屈折力を有し物体側に凸のメニスカスタイプの第4レンズL4と、正の屈折力を有し両凸の第5レンズL5と、負の屈折力を有し物体側に凹のメニスカスタイプの第6レンズL6とを備える。第1、第4、及び第5レンズL1,L4,L5は、光学面として球面を有している。第2、第3、及び第6レンズL2,L3,L6は、光学面として非球面を有している。第4及び第5レンズL4,L5は、接着剤で接合された接合レンズとなっている。第1〜第6レンズL1〜L6は全てガラスで形成されている。第3レンズL3と第4レンズL4との間には、絞り(開口絞り)STが配置されている。第6レンズL6と固体撮像素子51との間には、適当な厚さのフィルターF1が配置されている。
【0096】
図3(B)〜3(D)は、実施例2の撮像光学系10Bの収差図(球面収差、非点収差、及び歪曲収差)を示している。
【0097】
(実施例3)
実施例3の撮像光学系の全体諸元を以下に示す。
f=3.57(mm)
Fno=1.60
2w=170.00(°)
ENTP=4.28(mm)
EXTP=-4.75(mm)
【0098】
実施例3の撮像光学系のレンズ面のデータを以下の表7に示す。
〔表7〕
Surf. N R(mm) D(mm) Nd vd ED(mm)
1 250.000 0.700 1.6968 55.46 9.521
2 7.691 0.313 7.192
3* 6.121 1.138 1.5891 61.25 7.006
4* 2.639 1.893 5.155
5* -1225.760 4.100 1.8208 42.71 4.942
6* -5.664 2.556 4.909
ST INF 0.008 4.289
8 7.740 0.500 1.9459 17.98 4.266
9 3.923 0.100 4.054
10 4.338 2.334 1.7292 54.67 4.087
11 -6.144 1.820 3.932
12* -11.504 2.000 1.6935 53.20 4.265
13* -230.000 0.100 5.580
14 INF 0.300 1.5168 64.20 5.730
15 INF 1.690 5.778
【0099】
実施例3のレンズ面の非球面係数を以下の表8に示す。
〔表8〕
第3面
K=7.190465E-01, A4=-1.049769E-03, A6=-2.005107E-04,
A8=0.000000E+00, A10=0.000000E+00
第4面
K=-2.022474E+00, A4=1.107115E-02, A6=-6.137177E-04,
A8=0.000000E+00, A10=0.000000E+00
第5面
K=0.000000E+00, A4=-2.903510E-03, A6=-1.276619E-04,
A8=0.000000E+00, A10=0.000000E+00
第6面
K=0.000000E+00, A4=-4.992387E-04, A6=1.483626E-05,
A8=0.000000E+00, A10=0.000000E+00
第12面
K=0.000000E+00, A4=-7.969897E-03, A6=8.653563E-04,
A8=-1.477482E-04, A10=0.000000E+00
第13面
K=0.000000E+00, A4=-8.819385E-03, A6=2.070926E-04,
A8=-1.757791E-05, A10=0.000000E+00
【0100】
実施例3の単レンズデータを以下の表9に示す。
〔表9〕
レンズ 焦点距離(mm)
L1 -11.401
L2 -8.962
L3 6.923
L4 -8.980
L5 3.848
L6 -17.527
【0101】
図4(A)は、実施例3の撮像光学系10C等の断面図である。撮像光学系10Cは、負の屈折力を有し物体側に凸のメニスカスタイプの第1レンズL1と、負の屈折力を有し物体側に凸のメニスカスタイプの第2レンズL2と、正の屈折力を有し物体側に凹のメニスカスタイプの第3レンズL3と、負の屈折力を有し物体側に凸のメニスカスタイプの第4レンズL4と、正の屈折力を有し両凸の第5レンズL5と、負の屈折力を有し物体側に凹のメニスカスタイプの第6レンズL6とを備える。第1、第4、及び第5レンズL1,L4,L5は、光学面として球面を有している。第2、第3、及び第6レンズL2,L3,L6は、光学面として非球面を有している。第1〜第6レンズL1〜L6は全てガラスで形成されている。第3レンズL3と第4レンズL4との間には、絞り(開口絞り)STが配置されている。第6レンズL6と固体撮像素子51との間には、適当な厚さのフィルターF1が配置されている。
【0102】
図4(B)〜4(D)は、実施例3の撮像光学系10Cの収差図(球面収差、非点収差、及び歪曲収差)を示している。
【0103】
(実施例4)
実施例4の撮像光学系の全体諸元を以下に示す。
f=4.95(mm)
Fno=1.60
2w=120.00(°)
ENTP=5.23(mm)
EXTP=-6.06(mm)
【0104】
実施例4の撮像光学系のレンズ面のデータを以下の表10に示す。
〔表10〕
Surf. N R(mm) D(mm) Nd vd ED(mm)
1 250.000 0.700 1.6180 63.39 9.516
2 10.075 0.200 7.676
3* 5.609 2.200 1.7680 49.24 7.344
4* 3.038 1.613 5.200
5* -47.058 4.100 1.5920 67.02 5.045
6* -5.242 0.753 5.020
ST INF 1.070 5.014
8 6.791 2.000 1.9459 17.98 5.140
9 3.801 0.010 1.5140 42.83 5.072
10 3.801 2.901 1.7292 54.67 5.079
11 -8.796 2.140 5.438
12* -8.975 1.563 1.6935 53.20 5.481
13* -230.000 0.100 6.732
14 INF 0.300 1.5168 64.20 6.833
15 INF 1.495 6.852
【0105】
実施例4のレンズ面の非球面係数を以下の表11に示す。
〔表11〕
第3面
K=2.017233E-01, A4=-1.987446E-03, A6=-1.209980E-04,
A8=0.000000E+00, A10=0.000000E+00
第4面
K=-8.159516E-01, A4=-3.217344E-04, A6=-3.401830E-04,
A8=1.939074E-05, A10=0.000000E+00
第5面
K=0.000000E+00, A4=-1.789504E-03, A6=0.000000E+00,
A8=0.000000E+00, A10=0.000000E+00
第6面
K=0.000000E+00, A4=-1.289295E-04, A6=0.000000E+00,
A8=0.000000E+00, A10=0.000000E+00
第12面
K=0.000000E+00, A4=-7.637974E-03, A6=3.137057E-04,
A8=-4.227067E-05, A10=0.000000E+00
第13面
K=0.000000E+00, A4=-7.966052E-03, A6=1.707259E-04,
A8=-6.891223E-06, A10=0.000000E+00
【0106】
実施例4の単レンズデータを以下の表12に示す。
〔表12〕
レンズ 焦点距離(mm)
L1 -17.007
L2 -13.740
L3 9.613
L4 -13.528
L5 4.032
L6 -13.507
【0107】
図5(A)は、実施例4の撮像光学系10D等の断面図である。撮像光学系10Dは、負の屈折力を有し物体側に凸のメニスカスタイプの第1レンズL1と、負の屈折力を有し物体側に凸のメニスカスタイプの第2レンズL2と、正の屈折力を有し物体側に凹のメニスカスタイプの第3レンズL3と、負の屈折力を有し物体側に凸のメニスカスタイプの第4レンズL4と、正の屈折力を有し両凸の第5レンズL5と、負の屈折力を有し物体側に凹のメニスカスタイプの第6レンズL6とを備える。第1、第4、及び第5レンズL1,L4,L5は、光学面として球面を有している。第2、第3、及び第6レンズL2,L3,L6は、光学面として非球面を有している。第4及び第5レンズL4,L5は、接着剤で接合された接合レンズとなっている。第1〜第6レンズL1〜L6は全てガラスで形成されている。第3レンズL3と第4レンズL4との間には、絞り(開口絞り)STが配置されている。第6レンズL6と固体撮像素子51との間には、適当な厚さのフィルターF1が配置されている。
【0108】
図5(B)〜5(D)は、実施例4の撮像光学系10Dの収差図(球面収差、非点収差、及び歪曲収差)を示している。
【0109】
(実施例5)
実施例5の撮像光学系の全体諸元を以下に示す。
f=4.93(mm)
Fno=1.60
2w=120.00(°)
ENTP=5.15(mm)
EXTP=-6.37(mm)
【0110】
実施例5の撮像光学系のレンズ面のデータを以下の表13に示す。
〔表13〕
Surf. N R(mm) D(mm) Nd vd ED(mm)
1 250.000 0.700 1.5935 67.00 9.516
2 10.408 0.200 7.672
3* 5.709 2.175 1.7680 49.24 7.326
4* 2.975 1.649 5.135
5* -45.619 4.100 1.5920 67.02 4.943
6* -5.322 0.588 5.064
ST INF 1.270 5.039
8 6.538 2.000 1.9459 17.98 5.202
9 3.690 0.010 1.5140 42.83 5.070
10 3.690 2.973 1.7292 54.67 5.078
11 -8.884 1.957 5.405
12* -9.459 1.850 1.7290 54.04 5.471
13* -230.000 0.100 6.869
14 INF 0.300 1.5168 64.20 6.917
15 INF 1.516 6.927
【0111】
実施例5のレンズ面の非球面係数を以下の表14に示す。
〔表14〕
第3面
K=3.316209E-01, A4=-2.113593E-03, A6=-1.210219E-04,
A8=0.000000E+00, A10=0.000000E+00
第4面
K=-3.331985E-01, A4=-2.956339E-03, A6=-3.522070E-04,
A8=0.000000E+00, A10=0.000000E+00
第5面
K=0.000000E+00, A4=-1.567304E-03, A6=0.000000E+00,
A8=0.000000E+00, A10=0.000000E+00
第6面
K=0.000000E+00, A4=-1.525632E-04, A6=0.000000E+00,
A8=0.000000E+00, A10=0.000000E+00
第12面
K=0.000000E+00, A4=-6.802468E-03, A6=2.121134E-04,
A8=-3.608763E-05, A10=0.000000E+00
第13面
K=0.000000E+00, A4=-6.768958E-03, A6=9.308062E-05,
A8=-3.375939E-06, A10=0.000000E+00
【0112】
実施例5の単レンズデータを以下の表15に示す。
〔表15〕
レンズ 焦点距離(mm)
L1 -18.319
L2 -12.365
L3 9.805
L4 -13.592
L5 3.971
L6 -13.579
【0113】
図6(A)は、実施例5の撮像光学系10E等の断面図である。撮像光学系10Eは、負の屈折力を有し物体側に凸のメニスカスタイプの第1レンズL1と、負の屈折力を有し物体側に凸のメニスカスタイプの第2レンズL2と、正の屈折力を有し物体側に凹のメニスカスタイプの第3レンズL3と、負の屈折力を有し物体側に凸のメニスカスタイプの第4レンズL4と、正の屈折力を有し両凸の第5レンズL5と、負の屈折力を有し物体側に凹のメニスカスタイプの第6レンズL6とを備える。第1、第4、及び第5レンズL1,L4,L5は、光学面として球面を有している。第2、第3、及び第6レンズL2,L3,L6は、光学面として非球面を有している。第4及び第5レンズL4,L5は、接着剤で接合された接合レンズとなっている。第1〜第6レンズL1〜L6は全てガラスで形成されている。第3レンズL3と第4レンズL4との間には、絞り(開口絞り)STが配置されている。第6レンズL6と固体撮像素子51との間には、適当な厚さのフィルターF1が配置されている。
【0114】
図6(B)〜6(D)は、実施例5の撮像光学系10Eの収差図(球面収差、非点収差、及び歪曲収差)を示している。
【0115】
(実施例6)
実施例6の撮像光学系の全体諸元を以下に示す。
f=5.18(mm)
Fno=1.60
2w=120.00(°)
ENTP=5.17(mm)
EXTP=-5.86(mm)
【0116】
実施例6の撮像光学系のレンズ面のデータを以下の表16に示す。
〔表16〕
Surf. N R(mm) D(mm) Nd vd ED(mm)
1 250.000 0.700 1.6180 63.39 9.525
2 8.344 0.200 7.511
3* 5.500 1.794 1.7680 49.24 7.365
4* 3.342 2.707 5.623
5 830.438 4.100 1.7292 54.67 5.381
6 -6.546 0.767 5.770
ST INF 0.318 5.605
8 6.881 2.000 1.9229 20.88 5.558
9 3.500 0.010 1.5140 42.83 4.942
10 3.500 2.919 1.6180 63.39 4.944
11 -8.045 2.294 5.049
12* -11.810 1.646 1.7290 54.04 5.833
13* -230.000 0.100 6.684
14 INF 0.300 1.5168 64.20 6.800
15 INF 1.758 6.832
【0117】
実施例6のレンズ面の非球面係数を以下の表17に示す。
〔表17〕
第3面
K=4.813686E-01, A4=-1.475065E-03, A6=-2.003896E-04,
A8=0.000000E+00, A10=0.000000E+00
第4面
K=-2.362824E-01, A4=2.391717E-04, A6=-3.831023E-04,
A8=0.000000E+00, A10=0.000000E+00
第12面
K=0.000000E+00, A4=-4.221206E-03, A6=1.592116E-04,
A8=4.528629E-06, A10=0.000000E+00
第13面
K=0.000000E+00, A4=-7.286229E-03, A6=2.157199E-04,
A8=0.000000E+00, A10=0.000000E+00
【0118】
実施例6の単レンズデータを以下の表18に示す。
〔表18〕
レンズ 焦点距離(mm)
L1 -13.984
L2 -17.361
L3 8.925
L4 -10.778
L5 4.368
L6 -17.131
【0119】
図7(A)は、実施例6の撮像光学系10F等の断面図である。撮像光学系10Fは、負の屈折力を有し物体側に凸のメニスカスタイプの第1レンズL1と、負の屈折力を有し物体側に凸のメニスカスタイプの第2レンズL2と、正の屈折力を有し両凸の第3レンズL3と、負の屈折力を有し物体側に凸のメニスカスタイプの第4レンズL4と、正の屈折力を有し両凸の第5レンズL5と、負の屈折力を有し物体側に凹のメニスカスタイプの第6レンズL6とを備える。第1、第3〜第5レンズL1,L3〜L5は、光学面として球面を有している。第2及び第6レンズL2,L6は、光学面として非球面を有している。第4及び第5レンズL4,L5は、接着剤で接合された接合レンズとなっている。第1〜第6レンズL1〜L6は全てガラスで形成されている。第3レンズL3と第4レンズL4との間には、絞り(開口絞り)STが配置されている。第6レンズL6と固体撮像素子51との間には、適当な厚さのフィルターF1が配置されている。
【0120】
図7(B)〜7(D)は、実施例6の撮像光学系10Fの収差図(球面収差、非点収差、及び歪曲収差)を示している。
【0121】
(実施例7)
実施例7の撮像光学系の全体諸元を以下に示す。
f=5.05(mm)
Fno=1.60
2w=120.00(°)
ENTP=4.88(mm)
EXTP=-5.62(mm)
【0122】
実施例7の撮像光学系のレンズ面のデータを以下の表19に示す。
〔表19〕
Surf. N R(mm) D(mm) Nd vd ED(mm)
1 250.000 0.700 1.5688 56.04 9.525
2 5.018 0.808 6.820
3* 5.557 2.175 1.7680 49.24 6.713
4* 4.231 1.907 5.330
5 234.381 4.100 1.7292 54.67 5.064
6 -6.485 0.413 5.608
ST INF 0.268 5.440
8 6.352 2.000 1.9459 17.98 5.386
9 3.500 0.010 1.5140 42.83 4.738
10 3.500 2.765 1.6180 63.39 4.740
11 -8.496 2.010 4.816
12* -10.923 2.100 1.7680 49.24 5.432
13* -230.000 0.100 6.609
14 INF 0.300 1.5168 64.20 6.726
15 INF 1.501 6.758
【0123】
実施例7のレンズ面の非球面係数を以下の表20に示す。
〔表20〕
第3面
K=8.444764E-01, A4=-2.614988E-03, A6=-1.738652E-04,
A8=-5.218844E-06, A10=0.000000E+00
第4面
K=1.217372E-01, A4=-1.466915E-03, A6=-3.640626E-04,
A8=1.384098E-05, A10=0.000000E+00
第12面
K=0.000000E+00, A4=-3.774998E-03, A6=3.237505E-04,
A8=-3.419817E-05, A10=1.583963E-06
第13面
K=0.000000E+00, A4=-7.444015E-03, A6=3.210729E-04,
A8=-1.166117E-05, A10=2.547001E-07
【0124】
実施例7の単レンズデータを以下の表21に示す。
〔表21〕
レンズ 焦点距離(mm)
L1 -9.012
L2 -80.315
L3 8.717
L4 -12.503
L5 4.398
L6 -14.995
【0125】
図8(A)は、実施例7の撮像光学系10G等の断面図である。撮像光学系10Gは、負の屈折力を有し物体側に凸のメニスカスタイプの第1レンズL1と、負の屈折力を有し物体側に凸のメニスカスタイプの第2レンズL2と、正の屈折力を有し両凸の第3レンズL3と、負の屈折力を有し物体側に凸のメニスカスタイプの第4レンズL4と、正の屈折力を有し両凸の第5レンズL5と、負の屈折力を有し物体側に凹のメニスカスタイプの第6レンズL6とを備える。第1、第3〜第5レンズL1,L3〜L5は、光学面として球面を有している。第2及び第6レンズL2,L6は、光学面として非球面を有している。第4及び第5レンズL4,L5は、接着剤で接合された接合レンズとなっている。第1〜第6レンズL1〜L6は全てガラスで形成されている。第3レンズL3と第4レンズL4との間には、絞り(開口絞り)STが配置されている。第6レンズL6と固体撮像素子51との間には、適当な厚さのフィルターF1が配置されている。
【0126】
図8(B)〜8(D)は、実施例7の撮像光学系10Gの収差図(球面収差、非点収差、及び歪曲収差)を示している。
【0127】
(実施例8)
実施例8の撮像光学系の全体諸元を以下に示す。
f=5.07(mm)
Fno=1.60
2w=120.00(°)
ENTP=5.19(mm)
EXTP=-5.17(mm)
【0128】
実施例8の撮像光学系のレンズ面のデータを以下の表22に示す。
〔表22〕
Surf. N R(mm) D(mm) Nd vd ED(mm)
1 250.000 0.700 1.6968 55.46 9.524
2 6.194 0.613 7.281
3* 5.500 1.761 1.7680 49.24 7.178
4* 4.442 2.271 6.119
5 138.522 4.100 1.6180 63.39 6.000
6 -6.605 1.425 5.807
ST INF 0.179 5.430
8 6.342 2.000 1.9459 17.98 5.429
9 3.500 0.010 1.5140 42.83 4.816
10 3.500 2.677 1.7292 54.67 4.818
11 -12.521 1.933 4.723
12* -8.136 2.100 1.6935 53.20 5.050
13* -230.000 0.100 6.366
14 INF 0.300 1.5168 64.20 6.550
15 INF 1.497 6.603
【0129】
実施例8のレンズ面の非球面係数を以下の表23に示す。
〔表23〕
第3面
K=6.235838E-01, A4=-2.071776E-03, A6=-2.321987E-04,
A8=0.000000E+00, A10=0.000000E+00
第4面
K=-6.841718E-01, A4=2.395688E-04, A6=-3.383195E-04,
A8=1.620589E-05, A10=0.000000E+00
第12面
K=0.000000E+00, A4=-3.846583E-03, A6=0.000000E+00,
A8=0.000000E+00, A10=0.000000E+00
第13面
K=0.000000E+00, A4=-7.189751E-03, A6=1.702006E-04,
A8=0.000000E+00, A10=0.000000E+00
【0130】
実施例8の単レンズデータを以下の表24に示す。
〔表24〕
レンズ 焦点距離(mm)
L1 -9.126
L2 -108.597
L3 10.313
L4 -12.549
L5 4.036
L6 -12.209
【0131】
図9(A)は、実施例8の撮像光学系10H等の断面図である。撮像光学系10Hは、負の屈折力を有し物体側に凸のメニスカスタイプの第1レンズL1と、負の屈折力を有し物体側に凸のメニスカスタイプの第2レンズL2と、正の屈折力を有し両凸の第3レンズL3と、負の屈折力を有し物体側に凸のメニスカスタイプの第4レンズL4と、正の屈折力を有し両凸の第5レンズL5と、負の屈折力を有し物体側に凹のメニスカスタイプの第6レンズL6とを備える。第1、第3〜第5レンズL1,L3〜L5は、光学面として球面を有している。第2及び第6レンズL2,L6は、光学面として非球面を有している。第4及び第5レンズL4,L5は、接着剤で接合された接合レンズとなっている。第1〜第6レンズL1〜L6は全てガラスで形成されている。第3レンズL3と第4レンズL4との間には、絞り(開口絞り)STが配置されている。第6レンズL6と固体撮像素子51との間には、適当な厚さのフィルターF1が配置されている。
【0132】
図9(B)〜9(D)は、実施例8の撮像光学系10Hの収差図(球面収差、非点収差、及び歪曲収差)を示している。
【0133】
(実施例9)
実施例9の撮像光学系の全体諸元を以下に示す。
f=5.01(mm)
Fno=1.60
2w=160.00(°)
ENTP=4.82(mm)
EXTP=-4.89(mm)
【0134】
実施例9の撮像光学系のレンズ面のデータを以下の表25に示す。
〔表25〕
Surf. N R(mm) D(mm) Nd vd ED(mm)
1 250.000 0.700 1.7292 54.67 9.526
2 6.976 0.435 7.165
3* 5.500 2.200 1.7680 49.24 7.007
4* 3.668 1.737 5.152
5 21.875 4.100 1.6968 55.46 4.756
6 -6.868 0.463 5.203
ST INF 0.191 5.102
8 6.821 2.000 1.9459 17.98 5.066
9 3.556 0.010 1.5140 42.83 4.601
10 3.556 2.665 1.7292 54.67 4.604
11 -8.551 1.679 4.693
12* -7.398 2.050 1.7680 49.24 4.988
13* -230.000 0.100 6.580
14 INF 0.300 1.5168 64.20 6.901
15 INF 1.495 6.984
【0135】
実施例9のレンズ面の非球面係数を以下の表26に示す。
〔表26〕
第3面
K=6.507905E-01, A4=-2.343577E-03, A6=-2.230943E-04,
A8=0.000000E+00, A10=0.000000E+00
第4面
K=-3.111814E-01, A4=-5.469224E-04, A6=-4.670266E-04,
A8=2.277932E-05, A10=0.000000E+00
第12面
K=0.000000E+00, A4=-4.771348E-03, A6=1.349028E-04,
A8=-9.672968E-06, A10=0.000000E+00
第13面
K=0.000000E+00, A4=-7.175196E-03, A6=1.869686E-04,
A8=-2.115236E-06, A10=0.000000E+00
【0136】
実施例9の単レンズデータを以下の表27に示す。
〔表27〕
レンズ 焦点距離(mm)
L1 -9.854
L2 -29.988
L3 7.968
L4 -11.182
L5 3.797
L6 -9.993
【0137】
図10(A)は、実施例9の撮像光学系10I等の断面図である。撮像光学系10Iは、負の屈折力を有し物体側に凸のメニスカスタイプの第1レンズL1と、負の屈折力を有し物体側に凸のメニスカスタイプの第2レンズL2と、正の屈折力を有し両凸の第3レンズL3と、負の屈折力を有し物体側に凸のメニスカスタイプの第4レンズL4と、正の屈折力を有し両凸の第5レンズL5と、負の屈折力を有し物体側に凹のメニスカスタイプの第6レンズL6とを備える。第1、第3〜第5レンズL1,L3〜L5は、光学面として球面を有している。第2及び第6レンズL2,L6は、光学面として非球面を有している。第4及び第5レンズL4,L5は、接着剤で接合された接合レンズとなっている。第1〜第6レンズL1〜L6は全てガラスで形成されている。第3レンズL3と第4レンズL4との間には、絞り(開口絞り)STが配置されている。第6レンズL6と固体撮像素子51との間には、適当な厚さのフィルターF1が配置されている。
【0138】
図10(B)〜10(D)は、実施例9の撮像光学系10Iの収差図(球面収差、非点収差、及び歪曲収差)を示している。
【0139】
(実施例10)
実施例10の撮像光学系の全体諸元を以下に示す。
f=5.19(mm)
Fno=1.60
2w=120.00(°)
ENTP=5.36(mm)
EXTP=-4.84(mm)
【0140】
実施例10の撮像光学系のレンズ面のデータを以下の表28に示す。
〔表28〕
Surf. N R(mm) D(mm) Nd vd ED(mm)
1 250.000 0.700 1.5891 61.25 9.497
2 10.073 0.200 7.625
3* 5.500 2.200 1.7680 49.24 7.320
4* 3.011 2.051 5.154
5 25.275 4.100 1.6968 55.46 4.820
6 -6.808 0.243 5.068
ST INF 0.000 5.006
8 6.799 2.000 1.9459 17.98 5.000
9 3.540 0.010 1.5140 42.83 4.559
10 3.540 2.696 1.6968 55.46 4.562
11 -7.893 1.762 4.741
12* -8.194 1.834 1.7680 49.24 5.139
13* -230.000 0.100 6.421
14 INF 0.300 1.5168 64.20 6.627
15 INF 1.477 6.681
【0141】
実施例10のレンズ面の非球面係数を以下の表29に示す。
〔表29〕
第3面
K=5.069768E-01, A4=-2.315056E-03, A6=-1.674065E-04,
A8=0.000000E+00, A10=0.000000E+00
第4面
K=-2.548912E-01, A4=-2.033487E-03, A6=-4.422167E-04,
A8=0.000000E+00, A10=0.000000E+00
第12面
K=0.000000E+00, A4=-6.354468E-03, A6=6.041170E-04,
A8=-7.952514E-05, A10=3.961534E-06
第13面
K=0.000000E+00, A4=-8.577607E-03, A6=4.489956E-04,
A8=-2.473129E-05, A10=7.184231E-07
【0142】
実施例10の単レンズデータを以下の表30に示す。
〔表30〕
レンズ 焦点距離(mm)
L1 -17.834
L2 -14.068
L3 8.124
L4 -11.126
L5 3.883
L6 -11.103
【0143】
図11(A)は、実施例10の撮像光学系10J等の断面図である。撮像光学系10Jは、負の屈折力を有し物体側に凸のメニスカスタイプの第1レンズL1と、負の屈折力を有し物体側に凸のメニスカスタイプの第2レンズL2と、正の屈折力を有し両凸の第3レンズL3と、負の屈折力を有し物体側に凸のメニスカスタイプの第4レンズL4と、正の屈折力を有し両凸の第5レンズL5と、負の屈折力を有し物体側に凹のメニスカスタイプの第6レンズL6とを備える。第1、第3〜第5レンズL1,L3〜L5は、光学面として球面を有している。第2及び第6レンズL2,L6は、光学面として非球面を有している。第4及び第5レンズL4,L5は、接着剤で接合された接合レンズとなっている。第1〜第6レンズL1〜L6は全てガラスで形成されている。第3レンズL3と第4レンズL4との間には、絞り(開口絞り)STが配置されている。第6レンズL6と固体撮像素子51との間には、適当な厚さのフィルターF1が配置されている。
【0144】
図11(B)〜11(D)は、実施例10の撮像光学系10Jの収差図(球面収差、非点収差、及び歪曲収差)を示している。
【0145】
以下の表31は、参考のため、各条件式(1)〜(8)に対応する各実施例1〜10の値をまとめたものである。
〔表31〕
【0146】
以上、実施形態に即して撮像光学系等について説明したが、本発明に係る撮像光学系は、上記実施形態又は実施例に限るものではなく様々な変形が可能である。
【0147】
また、上記実施例において、フィルターF1は、車載カメラや監視カメラ等の用途における可視光又は近赤外光での撮像の際に、フィルターF1を2枚に分割してそれぞれ別の役割を持たせる等の構成をとることも可能である。
【符号の説明】
【0148】
AX…光軸、 F1…フィルター、 I…撮像面、 L1〜L6…レンズ、 OP…開口、 10,10A〜10J…撮像光学系、 30…カメラモジュール、 40…レンズユニット、 41…鏡胴、 50…センサー部、 51…撮像素子、 53…センサーホルダー、 60…処理部、 61…素子駆動部、 62…入力部、 63…記憶部、 64…表示部、 68…制御部、 100…撮像装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11